(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明に係る画像形成システムの実施形態について説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示している。
【0010】
[実施形態1]
まず、
図1を参照して、本発明の実施形態1に係る画像形成システム5の構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係る画像形成システム5の構成を示す図である。
【0011】
図1に示すように、画像形成システム5は、第1画像形成装置1、第2画像形成装置2、及び携帯型端末3を備える。第1画像形成装置1と携帯型端末3とは互いに通信可能である。第2画像形成装置2と携帯型端末3とは互いに通信可能である。第1画像形成装置1及び第2画像形成装置2は、例えば、複合機であり、携帯型端末3は、例えば、スマートフォンである。本実施形態では、携帯型端末3が印刷ジョブの実行要求を第1画像形成装置1に送信する場合を例に説明する。
【0012】
携帯型端末3は、タッチパネル31を有する。タッチパネル31は、操作画面等を表示する。本実施形態において、ユーザーは、タッチパネル31を操作することによって、画像データ(印刷ジョブの実行要求)を第1画像形成装置1に送信することができる。以下、携帯型端末3が第1画像形成装置1へ送信する画像データを「第1画像データ」と記載する。第1画像形成装置1は、第1画像データを受信すると、第1画像データに基づいて用紙のようなシートに画像を形成する。以下、シートに画像を形成する処理を「画像形成処理」と記載する。
【0013】
本実施形態において、第1画像形成装置1は、画像形成処理の実行中にエラーが発生して画像形成処理を実行できないエラー状態になると、自己診断処理を実行する。第1画像形成装置1は、自己診断処理が完了すると、エラー発生情報を携帯型端末3へ送信する。エラー発生情報は、第1画像形成装置1がエラー状態であることを示す情報、及び発生したエラーの内容を示す情報を含む。エラーの内容は、自己診断処理によって取得される。エラーの内容は、例えば、ジャムエラーである。
【0014】
携帯型端末3は、エラー発生情報を受信すると、エラー発生情報に応じた選択画面をタッチパネル31に表示させる。選択画面は、エラーの重大性に応じて変更される。選択画面は、携帯型端末3を利用する端末ユーザーに所定の処理のうちの1つを選択させる画面である。所定の処理は、第1画像データに基づく画像形成処理を続行(完了)させるための処理を含む。
【0015】
次に、
図2及び
図3を参照して、本発明の実施形態1に係る画像形成システム5の構成について更に説明する。
図2は、本発明の実施形態1に係る第1画像形成装置1及び携帯型端末3の構成を示すブロック図である。
【0016】
図2に示すように、第1画像形成装置1は、第1装置制御部10、第1画像形成部11、第1装置通信機12、及び第1装置記憶装置13を有する。
【0017】
第1装置制御部10は、CPU(Central Processing Unit)等によって構成される。第1装置制御部10は、第1画像形成装置1が備える各部の動作を制御する。本実施形態において、第1装置制御部10は、ユーザー登録テーブルを参照して認証処理を実行する。また、第1装置制御部10は、画像データを受信すると、画像データに基づく画像形成処理を第1画像形成部11に実行させる。
【0018】
第1画像形成部11は、画像データに基づいて画像形成処理を実行する。本実施形態において、第1画像形成部11は、電子写真方式によってシートに画像を形成する。第1画像形成部11は、例えば、露光装置、帯電装置、感光体ドラム、現像装置、シート搬送装置、及びシート給紙装置を含む。なお、第1画像形成部11は、インクジェット方式によってシートに画像を形成してもよい。
【0019】
第1装置通信機12は、同じ通信方式(プロトコル)を利用する通信装置が実装された電子機器との間で通信が可能である。通信は、例えば、無線LAN(Local Area Network)通信である。本実施形態において、第1装置通信機12は、無線LANモジュール又は無線LANカードを含む。
【0020】
第1装置記憶装置13は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等によって構成される。第1装置記憶装置13は、第1画像形成装置1の動作を制御するための制御プログラムを記憶する。第1装置制御部10は、制御プログラムを実行することにより第1画像形成装置1の各部の動作を制御する。なお、第1装置記憶装置13は、HDDに替えてSSD(Solid State Drive)等を含み得る。
【0021】
本実施形態において、第1装置記憶装置13は、ユーザー登録テーブル131及びジョブ管理情報132を記憶する。
【0022】
ユーザー登録テーブル131は、第1装置制御部10が認証処理を実行する際に参照される。ユーザー登録テーブル131には、権限ユーザー情報が予め登録されている。権限ユーザー情報は、ユーザー識別情報、及びパスワードを示す情報を含む。パスワードを示す情報は、ユーザー識別情報に関連付けて、ユーザー登録テーブル131に登録されている。
【0023】
ジョブ管理情報132は、印刷ジョブの実行要求を送信したユーザー(携帯型端末3を利用する端末ユーザー)を示す情報、及びジョブの状態を示す情報を含む。本実施形態において、ジョブの状態を示す情報は、携帯型端末3から第1画像形成装置1に送信された画像データ(第1画像データ)に基づく画像形成処理の進捗状況を示す情報を含む。
【0024】
次に、
図3を参照して、本発明の実施形態1に係る第2画像形成装置2の構成について説明する。
図3は、本発明の実施形態1に係る第2画像形成装置2及び携帯型端末3の構成を示すブロック図である。
【0025】
図3に示すように、第2画像形成装置2は、第2装置制御部20、第2画像形成部21、第2装置通信機22、及び第2装置記憶装置23を有する。第2装置制御部20、第2画像形成部21、第2装置通信機22、及び第2装置記憶装置23の構成は、
図2を参照して説明した第1装置制御部10、第1画像形成部11、第1装置通信機12、及び第1装置記憶装置13の構成と略同じであるため説明は省略する。
【0026】
続いて、
図2及び
図3を参照して、本発明の実施形態1に係る携帯型端末3の構成について説明する。
【0027】
携帯型端末3は、タッチパネル31に加え、端末制御部30、端末通信機32、GPS受信機33、及び端末記憶装置34を有する。
【0028】
端末制御部30は、CPU等によって構成される。端末制御部30は、携帯型端末3が備える各部の動作を制御する。
【0029】
タッチパネル31は、ディスプレー311、及びタッチセンサー312を含む。本実施形態において、ディスプレー311は、液晶ディスプレーである。なお、ディスプレー311は、有機ELディスプレー(Organic ElectroLuminescence display)であってもよい。
【0030】
ディスプレー311は、表示面を有する。ディスプレー311は、選択画面に加え、携帯型端末3を操作するための操作画面等を表示する。
【0031】
タッチセンサー312は、タッチ面を有する。本実施形態において、タッチ面は、表示面の上に配置される。タッチセンサー312は、タッチ面に対する押下を検知すると、押下された位置を示す信号を生成する。押下された位置を示す信号は、端末制御部30へ送信される。端末制御部30は、表示面に表示されたボタンの中から、受信した信号によって示される位置に対応するボタンを判定する。これにより、端末制御部30は、ユーザーによって押下されたボタンを判定することができる。本実施形態において、タッチセンサー312は、抵抗膜方式のタッチセンサーである。なお、タッチセンサー312は、静電容量方式であってもよい。
【0032】
端末通信機32は、第1装置通信機12及び第2装置通信機22と同じ通信方式を利用して、第1装置通信機12及び第2装置通信機22と通信する。本実施形態において、端末通信機32は、無線LANモジュール又は無線LANカードを含む。端末制御部30は、第1装置通信機12及び第2装置通信機22と端末通信機32とが互いに通信が可能となるように予め通信確立処理(例えば、ペアリング処理)を実行する。
【0033】
GPS受信機33は、GPS衛星からの電波を受信し、携帯型端末3の現在位置を示す情報を取得する。以下、携帯型端末3の現在位置を「端末位置」と記載する。GPS受信機33は、取得した端末位置を示す情報を端末制御部30へ定期的に送信する。以下、端末位置を示す情報を「端末位置情報」と記載する。端末位置情報は、携帯型端末3が位置する場所の経度及び緯度を示す。
【0034】
端末記憶装置34は、HDD、RAM、及びROM等によって構成される。端末記憶装置34は、携帯型端末3の動作を制御するための制御プログラムを記憶する。端末制御部30は、制御プログラムを実行することにより携帯型端末3の各部の動作を制御する。なお、端末記憶装置34は、HDDに替えてSSD等を含み得る。
【0035】
本実施形態において、端末記憶装置34は、第1装置位置情報341、第2装置位置情報342及び離間閾値343を記憶する。
【0036】
第1装置位置情報341は、第1画像形成装置1が設置された位置(第1装置位置)の情報を示す。第1装置位置情報341は、第1画像形成装置1が設置された場所の経度及び緯度を示す。第2装置位置情報342は、第2画像形成装置2が設置された位置(第2装置位置)の情報を示す。第2装置位置情報342は、第2画像形成装置2が設置された場所の経度及び緯度を示す。
【0037】
離間閾値343は、第1画像形成装置1と携帯型端末3との間の第1離間距離及び第2画像形成装置2と携帯型端末3との間の第2離間距離に対して設定された閾値である。本実施形態において、離間閾値343は、例えば、第1装置通信機12と端末通信機32との間で無線LAN通信が可能な距離及び第2装置通信機22と端末通信機32との間で無線LAN通信が可能な距離よりも小さい値(例えば、1m)を示す。
【0038】
端末制御部30は、GPS受信機33から端末位置情報を受信すると、受信した端末位置情報及び第1装置位置情報341に基づいて、携帯型端末3と第1画像形成装置1との間の第1離間距離を算出する。同様に、端末制御部30は、GPS受信機33から受信した端末位置情報及び第2装置位置情報342に基づいて、携帯型端末3と第2画像形成装置2との間の第2離間距離を算出する。端末制御部30は、算出した第1離間距離又は第2離間距離が離間閾値343以下であるか否かを判定する。端末制御部30は、第1離間距離又は第2離間距離が離間閾値343以下であると判定すると、第1画像形成装置1又は第2画像形成装置2へ認証処理の開始要求を送信する。例えば、端末ユーザーは、認証処理が成功した後に、携帯型端末3を利用して第1画像形成装置1又は第2画像形成装置2に対して印刷ジョブの実行を要求することができる。端末制御部30は、第1画像形成装置1への認証処理が成功した場合、端末ユーザーの指示(操作)に応じて画像データを端末通信機32及び第1装置通信機12を介して第1装置制御部10へ送信する。
【0039】
次に、
図2及び
図4を参照して、本発明の実施形態1に係る第1画像形成装置1と携帯型端末3とによって実行される認証開始要求処理について説明する。
図4は、本発明の実施形態1に係る第1画像形成装置1と携帯型端末3とによって実行される認証開始要求処理を示すフローチャートである。認証開始要求処理は、端末制御部30がGPS受信機33から端末位置情報を取得する度に実行される。
【0040】
図4に示すように、端末制御部30は、第1離間距離又は第2離間距離が離間閾値343以下であるか否かを判定する(ステップS102)。第1離間距離又は第2離間距離が離間閾値343以下ではないと端末制御部30によって判定されると(ステップS102:No)、認証開始要求処理は、終了する。端末制御部30は、第1離間距離が離間閾値343以下であると判定すると(ステップS102:Yes)、端末通信機32及び第1装置通信機12を介して、認証処理の開始要求を第1装置制御部10へ送信する(ステップS104)。
【0041】
第1装置制御部10は、認証処理の開始要求を受信すると、認証処理の実行が可能か否かを判定する(ステップS106)。第1装置制御部10は、例えば、携帯型端末3を利用する端末ユーザーとは異なる別ユーザーが第1画像形成装置1にログインしているか否かを判定する。認証処理の実行が可能ではない(例えば、第1画像形成装置1に別ユーザーがログインしている)と第1装置制御部10によって判定されると(ステップS106:No)、認証開始要求処理は終了する。一方、第1装置制御部10は、認証処理の実行が可能である(例えば、第1画像形成装置1に別ユーザーがログインしていない)と判定すると(ステップS106:Yes)、第1装置通信機12及び端末通信機32を介して、端末制御部30へ認証処理の開始許可信号を送信する(ステップS108)。
【0042】
端末制御部30は、認証処理の開始許可信号を受信すると、端末通信機32及び第1装置通信機12を介して、第1装置制御部10へ認証情報を送信して(ステップS110)、認証開始要求処理を終了する。
【0043】
認証情報は、携帯型端末3を利用する端末ユーザーを示すユーザー識別情報、及びユーザー識別情報と対応するパスワードを示す情報を含む。ユーザー識別情報及びパスワードを示す情報は、端末記憶装置34に予め記憶されている。端末制御部30は、認証処理の開始許可信号を受信すると、端末記憶装置34に記憶されたユーザー識別情報及びパスワードを示す情報を取得して第1装置制御部10へ送信する。なお、認証情報は、端末制御部30が認証処理の開始許可信号を受信した後に、端末ユーザーがタッチパネル31を操作することによって入力されてもよい。
【0044】
次に、
図2、
図4及び
図5を参照して、本発明の実施形態1に係る第1画像形成装置1によって実行される認証処理について説明する。
図5は、本発明の実施形態1に係る第1画像形成装置1によって実行される認証処理を示すフローチャートである。認証処理は、第1装置制御部10が認証情報を受信すると開始される。
【0045】
図5に示すように、第1装置制御部10は、端末通信機32及び第1装置通信機12を介して認証情報を受信すると、認証情報と一致する権限ユーザー情報がユーザー登録テーブル131に登録されているか否かを判定する(ステップS202)。第1装置制御部10は、認証情報と一致する権限ユーザー情報がユーザー登録テーブル131に登録されていないと判定すると(ステップS202:No)、認証不成功信号を第1装置通信機12及び端末通信機32を介して端末制御部30へ送信する(ステップS204)。これにより、端末ユーザーの第1画像形成装置1へのログインが拒否されて、認証処理が終了する。一方、第1装置制御部10は、認証情報と一致する権限ユーザー情報がユーザー登録テーブル131に登録されている判定すると(ステップS202:Yes)、認証成功信号を第1装置通信機12及び端末通信機32を介して端末制御部30へ送信する(ステップS206)。これにより、端末ユーザーの第1画像形成装置1へのログインが許可されて(端末ユーザーが第1画像形成装置1へログインした状態となって)、認証処理が終了する。以下では、端末ユーザーが第1画像形成装置1へログインした状態を「携帯型端末3が第1画像形成装置1にログインした状態」と記載する場合がある。
【0046】
続いて、
図2及び
図6を参照して、本発明の実施形態1に係る第1画像形成装置1と携帯型端末3とによって実行される画像形成開始処理について説明する。
図6は、本発明の実施形態1に係る第1画像形成装置1と携帯型端末3とによって実行される画像形成開始処理を示すフローチャートである。画像形成開始処理は、携帯型端末3が第1画像形成装置1へログインした状態において、端末ユーザーが印刷ジョブの実行指示を入力すると開始される。
【0047】
図6に示すように、端末ユーザーがタッチパネル31を操作して印刷ジョブの実行指示を入力すると、端末制御部30は、第1画像データを生成する(ステップS302)。第1画像データは、例えば、タッチパネル31に表示中の画像の画像データである。次いで、端末制御部30は、端末通信機32及び第1装置通信機12を介して、生成した第1画像データを第1装置制御部10へ送信する(ステップS304)。第1装置制御部10は、第1画像データを受信すると(ステップS306)、受信した第1画像データに基づいて第1画像形成部11に画像形成処理を開始させる(ステップS308)。これにより、第1画像データに基づく画像形成処理が開始されて、画像形成開始処理が終了する。
【0048】
次に、
図2及び
図7を参照して、本発明の実施形態1に係る第1画像形成装置1によって実行されるエラー発生情報送信処理について説明する。
図7は、本発明の実施形態1に係る第1画像形成装置1によって実行されるエラー発生情報送信処理を示すフローチャートである。エラー発生情報送信処理は、第1画像形成装置1にエラーが発生すると開始される。
【0049】
図7に示すように、第1装置制御部10は、エラーが発生すると自己診断処理を実行する(ステップS402)。次いで、第1装置制御部10は、ジョブ管理情報132を参照して、第1画像データのうち、第1画像形成部11によって画像が形成されていない未形成画像の画像データがあるか否かを判定する(ステップS404)。すなわち、第1装置制御部10は、第1画像データに基づく画像形成処理の実行中にエラーが発生したか否かを判定する。以下、第1画像データのうち、第1画像形成部11によって画像が形成されていない未形成画像の画像データを「第2画像データ」と記載する。
【0050】
第1装置制御部10によって第2画像データがない(第1画像データに基づく画像形成処理が完了した)と判定されると(ステップS404:No)、エラー発生情報送信処理は終了する。一方、第1装置制御部10は、第2画像データがある(第1画像データに基づく画像形成処理が完了していない)と判定すると(ステップS404:Yes)、第1装置通信機12及び端末通信機32を介してエラー発生情報を端末制御部30へ送信する(ステップS406)。これにより、エラー発生情報送信処理が終了する。
【0051】
端末制御部30は、エラー発生情報を受信すると、重大性テーブル344を参照してエラーの重大性を示す情報を取得する。本実施形態において、エラーの重大性は、「軽微」及び「重大」を含む。重大性テーブル344は、端末記憶装置34に予め記憶されている(
図2参照)。
【0052】
次に、
図8を参照して、実施形態1に係る重大性テーブル344について説明する。
図8は、実施形態1に係る重大性テーブル344の一例を示す図である。
【0053】
図8に示すように、エラーの重大性344bは、エラーの内容344aに関連付けられている。
図8に示す例では、エラーの内容344aは、「ジャムエラー」、「トナー切れエラー」、「シート切れエラー」、及び「システムエラー」を含む。「ジャムエラー」には、エラーの重大性として「軽微」が関連付けられ、「トナー切れエラー」には、エラーの重大性として「重大」が関連付けられている。また、「シート切れエラー」には、エラーの重大性として「軽微」が関連付けられ、「システムエラー」には、エラーの重大性として「重大」が関連付けられている。
【0054】
続いて、
図2及び
図9を参照して、実施形態1に係る携帯型端末3によって実行される選択画面表示処理について説明する。
図9は、実施形態1に係る携帯型端末3によって実行される選択画面表示処理を示すフローチャートである。選択画面表示処理は、端末制御部30がエラー発生情報を受信すると開始される。
【0055】
図9に示すように、端末制御部30は、重大性テーブル344を参照してエラーの重大性を示す情報を取得する(ステップS502)。詳しくは、端末制御部30は、受信したエラー発生情報からエラーの内容を示す情報を取得する。端末制御部30は、取得したエラーの内容に対応するエラーの重大性を示す情報を取得する。次いで、端末制御部30は、エラーの重大性が軽微であるか否かを判定する(ステップS504)。端末制御部30は、エラーの重大性が軽微であると判定すると(ステップS504:Yes)、選択画面として第1選択画面をタッチパネル31に表示させる(ステップS506)。第1選択画面がタッチパネル31に表示されると、選択画面表示処理は終了する。一方、端末制御部30は、エラーの重大性が軽微ではないと判定すると(ステップS504:No)、すなわち、端末制御部30は、エラーの重大性が重大であると判定すると、選択画面として第2選択画面をタッチパネル31に表示させる(ステップS508)。第2選択画面がタッチパネル31に表示されると、選択画面表示処理は終了する。
【0056】
次に、
図2、
図10及び
図11を参照して、実施形態1に係るタッチパネル31に表示される選択画面Dについて説明する。
図10は、実施形態1に係る第1選択画面D1の一例を示す図である。換言すると、
図10は、エラーの重大性が軽微である場合にタッチパネル31に表示される選択画面Dの一例を示す。
【0057】
図10に示すように、第1選択画面D1は、第1メッセージD11、第1選択ボタンD12、及び第2選択ボタンD13を含む。
【0058】
第1メッセージD11は、第1画像形成装置1で発生したエラーが軽微であることを示す。第1選択ボタンD12が押下されると、第1続行処理を実行するための情報(第1続行処理情報)がタッチパネル31に表示される。第1続行処理情報は、第1画像形成装置1を通常状態に復帰させるための処理を示す。詳しくは、第1続行処理情報は、第1画像形成装置1で発生しているエラーの内容及びそのエラーを解除するための手順を示す。通常状態は、画像形成処理を実行できる状態を示す。第2選択ボタンD13が押下されると、第2続行処理を実行するための情報(第2続行処理情報)がタッチパネル31に表示されるとともに、第2画像データの転送処理(第2画像データ転送処理)が開始される。第2続行処理情報は、第2画像データに基づく画像形成処理を実行させるための処理を示す。第2続行処理情報は、第2画像形成装置2が配置された位置を示す情報を含む。
【0059】
図11は、実施形態1に係る第2選択画面D2の一例を示す図である。換言すると、
図11は、エラーの重大性が重大である場合にタッチパネル31に表示される選択画面Dの一例を示す。
【0060】
図11に示すように、第2選択画面D2は、第2メッセージD21、第3選択ボタンD22、及び第4選択ボタンD23を含む。第2メッセージD21は、第1画像形成装置1で発生したエラーが重大であることを示す。第3選択ボタンD22が押下されると、端末制御部30は、端末通信機32と第1装置通信機12とを介して、印刷ジョブの実行を中止する要求を第1装置制御部10へ送信するとともに、第2選択画面D2の表示を終了する。第4選択ボタンD23が押下されると、第2続行処理情報がタッチパネル31に表示されるとともに、第2画像データ転送処理が開始される。
【0061】
次に、
図1、
図2、
図12及び
図13を参照して、第1続行処理情報及び第2続行処理情報について説明する。
【0062】
図12は、実施形態1に係る第1続行処理情報の一例を示す図である。詳しくは、
図12は、第1画像形成装置1でジャムエラーが発生している場合に表示される第1続行処理情報を示す。
【0063】
図12に示すように、第1続行処理情報は、第1画像形成装置1のエラーの発生箇所(シートが詰まっている箇所)を示す情報及びその解除手順を示す情報を含む。これにより、ユーザーは、タッチパネル31に表示された情報に基づいて、第1画像形成装置1に発生したエラーを解除することができる。この結果、端末ユーザーは、実行を要求した印刷ジョブを、第1画像形成装置1を利用して完了させることができる。
【0064】
図13は、実施形態1に係る第2続行処理情報の一例を示す図である。詳しくは、
図13に示すように、第2続行処理情報は、第2画像形成装置2が配置された位置を示す地図情報を含む。なお、第2続行処理情報は、第1画像形成装置1が配置された位置から第2画像形成装置2が配置された位置に至るまでの経路を示す情報を含んでもよい。
【0065】
次に、
図2及び
図14を参照して、実施形態1に係る第1画像形成装置1と携帯型端末3とによって実行される第2画像データ転送処理について説明する。
図14は、実施形態1に係る第1画像形成装置1と携帯型端末3とによって実行される第2画像データ転送処理を示すフローチャートである。第2画像データ転送処理は、
図10を参照して説明した第2選択ボタンD13又は
図11を参照して説明した第4選択ボタンD23が押下されると開始される。
【0066】
図14に示すように、第2選択ボタンD13又は第4選択ボタンD23が押下されると、端末制御部30は、端末通信機32及び第1装置通信機12を介して第1装置制御部10へ第2画像データの転送要求を送信する(ステップS602)。第1装置制御部10は、転送要求を受信すると、ジョブ管理情報132を参照して第2画像データを第1装置通信機12及び端末通信機32を介して端末制御部30へ送信する(ステップS604)。なお、第1装置制御部10は、第1画像データから第2画像データに相当する部分をコピーして送信してもよいし、第1画像データから第2画像データに相当部分を分割(切り取って)して送信してもよい。次いで、端末制御部30が第2画像データを端末記憶装置34に記憶させる(ステップS606)。これにより、第2画像データ転送処理は終了する。
【0067】
第2続行処理を実行する端末ユーザーは、携帯型端末3を持って、第1画像形成装置1から第2画像形成装置2へ向けて移動する。端末制御部30は、携帯型端末3が第1画像形成装置1にログインした状態である間、第1離間距離(携帯型端末3と第1画像形成装置1との間の距離)が離間閾値343よりも大きいか否かを判定する。端末ユーザーが携帯型端末3を持って第1画像形成装置1から離れることによって第1離間距離が離間閾値343よりも大きくなると、端末制御部30は、端末通信機32及び第1装置通信機12を介してログアウト要求を第1画像形成装置1へ送信する。この結果、携帯型端末3が第1画像形成装置1からログアウトする。その後、
図4を参照して説明した認証開始要求処理が開始される。端末ユーザーが携帯型端末3を持って第2画像形成装置2へ近づき、第2離間距離(携帯型端末3と第2画像形成装置2との間の距離)が離間閾値343以下になると、認証処理の開始要求が携帯型端末3(端末制御部30)から第2画像形成装置2(第2装置制御部20)へ送信される(
図4のステップS104)。
【0068】
第2装置制御部20は、端末通信機32及び第2装置通信機22を介して認証情報を携帯型端末3から受信すると、
図5を参照して説明した認証処理と同様に認証処理を実行する。端末制御部30が第2装置通信機22及び端末通信機32を介して第2装置制御部20から認証成功信号を受信すると、第2画像データに基づく画像形成処理が実行される。
【0069】
続いて、
図3及び
図15を参照して、実施形態1に係る第2画像データに基づく画像形成処理について説明する。
図15は、実施形態1に係る第2画像データに基づく画像形成処理を示すフローチャートである。第2画像データに基づく画像形成処理は、端末制御部30が認証成功信号を受信すると開始される。
【0070】
図15に示すように、端末制御部30は、認証成功信号を受信すると、端末記憶装置34に記憶された第2画像データを端末通信機32及び第2装置通信機22を介して、第2装置制御部20へ送信する(ステップS702)。第2装置制御部20は、第2画像データを受信すると、第2画像データに基づく画像形成処理を第2画像形成部21に実行させる(ステップS704)。これにより、第2画像データに基づく画像形成処理が終了(完了)する。
【0071】
第2画像データは、第1画像データのうち、第1画像形成部11によって画像が形成されなかった未形成画像の画像データである。したがって、端末ユーザーは、第1画像形成装置1で完了させることができなかった印刷ジョブを、第2画像形成装置2を利用して完了させることができる。
【0072】
なお、第1装置制御部10は、例えば、第1画像形成装置1の第1装置記憶装置13に記憶された画像データ(第1画像データ)を携帯型端末3が第1画像形成装置1からログアウトすると消去してもよい。あるいは、第1装置制御部10は、携帯型端末3と第1画像形成装置1との間の距離が第1装置通信機12と端末通信機32との通信可能な距離よりも大きくなると消去してもよい。
【0073】
以上、実施形態1について説明した。本実施形態によれば、携帯型端末3は、エラーの重要性に応じた選択画面をタッチパネル31に表示させることができる。これにより、端末ユーザーは、印刷ジョブを完了させるための処理を選択することができる。この結果、ユーザーの利便性が向上する。
【0074】
また、本実施形態によれば、第1画像データのうち、第1画像形成部11によって画像が形成されなかった未形成画像の画像データ(第2画像データ)だけが携帯型端末3に転送される。したがって、第1画像形成装置1と携帯型端末3との間の無駄な通信の発生を抑制することができる。更に、端末記憶装置34に無駄な画像データが記憶されることを抑制することができる。
【0075】
また、本実施形態によれば、携帯型端末3が第2画像形成装置2にログインすると、端末記憶装置34に記憶された第2画像データが転送される。したがって、端末ユーザーは、印刷ジョブの中断された箇所を把握する必要がない。
【0076】
なお、本実施形態において、通信が無線LAN通信である場合を例に説明したが、通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)のような近距離無線通信であってもよい。通信がBluetooth(登録商標)である場合、第1装置通信機12、第2装置通信機22、及び端末通信機32は、Bluetooth(登録商標)モジュールであり得る。あるいは、第1装置通信機12、第2装置通信機22及び端末通信機32は、無線LANモジュールとBluetooth(登録商標)モジュールとが一体に構成された無線通信機であってもよい。あるいは、第1装置通信機12、第2装置通信機22、及び端末通信機32は、NFC(Near Field Communication)モジュールであってもよい。
【0077】
また、本実施形態では、重大性テーブル344が端末記憶装置34に記憶される場合を例に説明したが、例えば、重大性テーブルは、第1装置記憶装置13に記憶されてもよい。この場合、第1装置制御部10は、エラー発生情報に加えて、エラーの重大性を示す情報を携帯型端末3(端末制御部30)へ送信する。
【0078】
また、本実施形態において、第2画像形成装置2が1つである場合を例に説明したが、第2画像形成装置2は複数であってもよい。
【0079】
また、本実施形態において、ユーザー登録テーブル131が第1装置記憶装置13に記憶される場合を例に説明したが、ユーザー登録テーブル131は、サーバーのような外部装置が備える記憶領域に記憶されていてもよい。この場合、第1装置制御部10は、認証情報を受信すると、外部装置が備える記憶領域に記憶されたユーザー登録テーブル131を取得して、認証処理を実行する。
【0080】
また、本実施形態において、第1画像形成装置1が第1画像データを受信する場合を例に説明したが、第2画像形成装置2が第1画像データを受信してもよい。詳しくは、携帯型端末3は、第2画像形成装置2に第1画像データを送信し、第1画像形成装置1に第2画像データを送信し得る。換言すると、第1画像形成装置1と第2画像形成装置2とは互いに同じ処理を実行し得る。
【0081】
[実施形態2]
続いて、
図16〜
図19を参照して、実施形態2に係る画像形成システム5について説明する。実施形態2は、画像形成システム5が外部装置4を更に備え、第2画像データが外部装置4に送信される点が実施形態1と異なる。以下、実施形態2について実施形態1と異なる事項を説明し、実施形態1と重複する事項の説明は割愛する。
【0082】
まず、
図16を参照して、本発明の実施形態2に係る画像形成システム5の構成について説明する。
図16は、実施形態2に係る画像形成システム5の構成を示す図である。
【0083】
図16に示すように、画像形成システム5は、外部装置4を更に備える。外部装置4は、例えば、サーバーである。外部装置4は、第1画像形成装置1、第2画像形成装置2、及び携帯型端末3と通信可能である。
【0084】
次に、
図17を参照して、実施形態2に係る画像形成システム5の構成について更に説明する。
図17は、実施形態2に係る画像形成システム5の構成を示すブロック図である。
【0085】
図17に示すように、外部装置4は、第3装置制御部40と、記憶領域41と、第3装置通信機42とを備える。
【0086】
第3装置制御部40は、CPU等によって構成される。第3装置制御部40は、外部装置4が備える各部の動作を制御する。
【0087】
記憶領域41は、HDD、RAM、及びROM等によって構成される。記憶領域41は、外部装置4の動作を制御するための制御プログラムを記憶する。第3装置制御部40は、制御プログラムを実行することにより外部装置4の各部の動作を制御する。なお、第3装置制御部40は、HDDに替えてSSD等を含み得る。
【0088】
第3装置通信機42は、第1装置通信機12、及び第2装置通信機22と通信可能である。本実施形態において、第1装置通信機12、第2装置通信機22及び第3装置通信機42は、LANカードを含む。換言すると、第1装置通信機12、第2装置通信機22、及び第3装置通信機42は、ケーブルを含むネットワークを介して通信する。なお、第1画像形成装置1と外部装置4との間の通信及び第2画像形成装置2と外部装置4との間の通信は、無線LAN通信であってもよい。
【0089】
続いて、
図17及び
図18を参照して、実施形態2に係る第2画像データ転送処理について、第1画像データが第1画像形成装置1に送信される場合を例に説明する。
図18は、実施形態2に係る第1画像形成装置1と携帯型端末3とによって実行される第2画像データ転送処理を示すフローチャートである。
【0090】
図18に示すように、第1装置制御部10は、携帯型端末3から端末通信機32及び第1装置通信機12を介して第2画像データの転送要求を受信すると(ステップS602)、第2画像データ及び端末ユーザーを示す端末ユーザー情報を第1装置通信機12及び第3装置通信機42を介して第3装置制御部40へ送信する(ステップS802)。第3装置制御部40は、受信した第2画像データ及び端末ユーザー情報を互いに関連付けて記憶領域41に記憶させる(ステップS804)。これにより、第2画像データ転送処理が終了する。
【0091】
次に、
図17及び
図19を参照して、実施形態2に係る第2画像データに基づく画像形成処理について、第2画像データが第2画像形成装置2に送信される場合を例に説明する。
図19は、実施形態2に係る第2画像形成装置2によって実行される第2画像データに基づく画像形成処理を示すフローチャートである。第2画像データに基づく画像形成処理は、第2画像形成装置2が認証成功信号を、第2装置通信機22及び端末通信機32を介して端末制御部30へ送信すると開始される。
【0092】
図19に示すように、第2装置制御部20は、認証成功信号を送信した後、携帯型端末3から受信した端末ユーザー情報と一致する端末ユーザー情報を記憶領域41から検索する(ステップS902)。次に、第2装置制御部20は、検索した端末ユーザー情報と関連付けられた第2画像データを記憶領域41から受信(取得)する(ステップS904)。次いで、第2装置制御部20は、第2画像データに基づく画像形成処理を第2画像形成部21に実行させる(ステップS906)。これにより、第2画像がシートに形成されて、第2画像データに基づく画像形成処理が終了する。なお、ステップS902において、第3装置制御部40が携帯型端末3から第2画像形成装置2へ送信された端末ユーザー情報と一致する端末ユーザー情報を記憶領域41から検索してもよい。
【0093】
以上、実施形態2について説明した。実施形態2によれば、第2画像データは、外部装置4へ送信される。したがって、例えば、携帯型端末3が有する端末記憶装置34の記憶容量が小さく、端末記憶装置34が第2画像データを記憶することができない場合であっても、外部装置4を介して第2画像形成装置2に第2画像データを送信することができる。
【0094】
なお、第1装置通信機12、及び第2装置通信機22は、無線LANモジュールとBluetooth(登録商標)モジュールとが一体に構成された無線通信機であってもよい。この場合、第1装置通信機12と端末通信機32との間の通信、及び第2装置通信機22と端末通信機32との間の通信は、Bluetooth(登録商標)通信であり、第1装置通信機12と第3装置通信機42との間の通信、及び第2装置通信機22と第3装置通信機42との間の通信は、無線LAN通信である。あるいは、第1装置通信機12、及び第2装置通信機22は、無線LANモジュールとBluetooth(登録商標)モジュールとを別体で含んでもよい。
【0095】
以上、本発明の実施形態について、図面(
図1〜
図19)を参照しながら説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態で示す数値は、一例であって特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0096】
例えば、本発明の実施形態において、第1画像形成装置1及び第2画像形成装置2が複合機である場合を例に説明したが、第1画像形成装置1及び第2画像形成装置2は、プリンターであってもよい。
【0097】
また、本発明の実施形態では、携帯型端末3がスマートフォンである場合を例に説明したが、携帯型端末3は、例えば、タブレット型パソコンであってもよい。
【0098】
また、本発明の実施形態において、第1装置位置情報341及び第2装置位置情報342が端末記憶装置34に予め記憶されている場合を例に説明したが、端末制御部30は、第1画像形成装置1及び第2画像形成装置2の位置を定期的に取得してもよい。この場合、第1画像形成装置1及び第2画像形成装置2は、GPS受信機を更に備え、端末制御部30は、第1画像形成装置1及び第2画像形成装置2が備えるGPS受信機から送信される位置情報に基づいて、第1装置位置情報及び第2装置位置情報を取得してもよい。これにより、第1画像形成装置1及び第2画像形成装置2の配置場所が変更された場合であっても、携帯型端末3は、第1画像形成装置1との間の離間距離(第1離間距離)及び第2画像形成装置2との間の離間距離(第2離間距離)を取得することができる。