(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
(本発明にかかる実施の形態の概要)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明にかかる実施の形態の概要について説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかるゲートウェイ装置1の概要を示す図である。ゲートウェイ装置1は、通信部2(通信手段)と、初期化準備部4(初期化準備手段)と、判定部6(判定手段)と、初期化実行部8(初期化実行手段)とを有する。
【0014】
通信部2は、通信端末と電話回線を介して接続処理を行って通信を行う。初期化準備部4は、予め定められた操作に応じて、ゲートウェイ装置1を初期化するための準備状態にするように制御を行う。判定部6は、初期化準備部4によってゲートウェイ装置1が準備状態となっているときに通信部2が通信端末からの着信を受け付けた場合に、通信端末の識別情報が予め登録された第1の識別情報と一致するか否かを判定する。初期化実行部8は、通信端末の識別情報が第1の識別情報と一致する場合に、ゲートウェイ装置1の初期化処理を実行する。
【0015】
ゲートウェイ装置の初期化ボタンは管理者以外の第三者も押下することができる。したがって、初期化ボタンを押下することのみで初期化を行うようなゲートウェイ装置では、管理者が意図しないときに第三者がゲートウェイ装置を初期化することが可能である。さらに、初期化を行った後に第三者が新たな管理者として装置設定を行うことも可能になってしまう。そのため、管理者の意図しないゲートウェイ装置の初期化を抑制する必要がある。
【0016】
本実施の形態にかかるゲートウェイ装置1は、特定の識別情報(例えば電話番号)を有する通信端末(例えば管理者の携帯電話)からの着信をトリガとして、ゲートウェイ装置1の初期化を実行するように構成されている。したがって、本実施の形態にかかるゲートウェイ装置1は、管理者以外の第三者によるゲートウェイ装置1の初期化を抑制することが可能となる。なお、ゲートウェイ装置1と通信端末とから構成される通信システムを用いても、管理者以外の第三者によるゲートウェイ装置1の初期化を抑制することが可能となる。また、ゲートウェイ装置1で実行される初期化方法及び初期化方法を実行するプログラムを用いても、管理者以外の第三者によるゲートウェイ装置1の初期化を抑制することが可能となる。
【0017】
(実施の形態1)
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0018】
図2は、実施の形態1にかかる通信システム10を示す図である。実施の形態1にかかる通信システム10は、管理者携帯電話端末20と、固定電話40と、ゲートウェイ装置100とを有する。管理者携帯電話端末20は、ゲートウェイ装置100の管理者の通信端末である。管理者携帯電話端末20は、電話機能を有する。管理者携帯電話端末20は、ゲートウェイ装置100と、電話回線網30を介して通信可能である。固定電話40は、ゲートウェイ装置100と接続されている。
【0019】
ゲートウェイ装置100は、
図1に示したゲートウェイ装置1に対応する。ゲートウェイ装置100は、例えばホームゲートウェイ装置として機能する。ゲートウェイ装置100は、端末番号登録部102と、初期化ボタン押下判定部104と、通話時間管理部106と、初期化判定部110とを有する。さらに、ゲートウェイ装置100は、ガイダンス制御部112と、設定管理部114と、VoIP制御部120と、ルータ部130とを有する。なお、ガイダンス制御部112、設定管理部114、VoIP制御部120及びルータ部130は、一般的なホームゲートウェイ装置に具備された機能であってもよい。
【0020】
端末番号登録部102は、管理者等のユーザの操作により、管理者携帯電話端末20の端末番号(電話番号等)を登録する。端末番号登録部102は、例えば、Web_GUI(Graphical User Interface)を用いて、端末番号を登録してもよい。ここで、登録された管理者携帯電話端末20の端末番号を、管理者端末番号(第1の識別情報)と称する。ゲートウェイ装置100は、初期セットアップ時に、管理者に管理者端末番号の登録を促す。管理者端末番号は、端末番号登録部102によって保存され、管理者を識別するための識別情報として利用される。なお、端末番号登録部102は、管理者携帯電話端末20の電話番号ではなく、管理者携帯電話端末20を識別可能な任意の識別情報を登録してもよい。
【0021】
初期化ボタン押下判定部104は、
図1に示した初期化準備部4に対応する。初期化ボタン押下判定部104は、ゲートウェイ装置100に設けられた初期化ボタン(図示せず)が押下されたか否かを判定する。初期化ボタン押下判定部104は、初期化ボタンが押下された場合に、ゲートウェイ装置100を、初期化準備状態にするように制御する。ここで、初期化準備状態とは、初期化はなされていないが、後に所定のトリガがなされることでゲートウェイ装置100の初期化が可能となった準備状態である。
【0022】
VoIP制御部120は、
図1に示した通信部2に対応する。VoIP制御部120は、管理者携帯電話端末20等の通信端末と電話回線網30を介して接続処理を行って通信を行う。つまり、VoIP制御部120は、管理者携帯電話端末20等の通信端末から着信を受け付けたときに、通話を行うための制御を行う。
【0023】
さらに、VoIP制御部120は、通信端末から着信を受け付けたときに、通信端末の端末番号を、初期化判定部110に出力する。通話時間管理部106は、管理者携帯電話端末20等の通信端末とゲートウェイ装置100(VoIP制御部120)との通話の開始から経過した時間を計測する。
【0024】
初期化判定部110は、
図1に示した判定部6に対応する。初期化判定部110は、初期化を行うことを許可するか否かを判定する。初期化判定部110は、VoIP制御部120が通信端末から着信を受け付けたときに、VoIP制御部120からその通信端末の端末番号を取得する。初期化判定部110は、着信した通信端末の端末番号(着信番号)を、端末番号登録部102によって登録されている管理者端末番号と比較する。
【0025】
初期化判定部110は、着信番号が管理者端末番号と一致する場合、初期化ボタンが押下されているか、つまりゲートウェイ装置100が初期化準備状態となっているか否かを、初期化ボタン押下判定部104に問い合わせる。さらに、初期化判定部110は、ゲートウェイ装置100が初期化準備状態となっている場合に、通話時間管理部106に対し、通信端末(管理者携帯電話端末20)との通話時間を問い合わせる。そして、初期化判定部110は、通話時間が予め定められた設定時間T以上となったか否かを判定する。
【0026】
初期化判定部110は、通話開始からの時間が設定時間Tを経過した場合に、ゲートウェイ装置100の初期化処理を許可すると判定する。この場合、初期化判定部110は、初期化処理を行うように、設定管理部114に指示する。ここで、実施の形態1においては、「通話開始から設定時間Tを経過した(通話が設定時間T継続した)」ことが、初期化のトリガとなるイベント(トリガイベント)となる。設定管理部114は、初期化判定部110の指示に応じて、ゲートウェイ装置100の初期化処理を行う。
【0027】
また、初期化判定部110は、予め定められたタイミングで、初期化に関する予め定められたガイダンスをユーザ(管理者)に対して出力するように、ガイダンス制御部112に指示する。ガイダンス制御部112(ガイダンス制御手段)は、初期化判定部110の指示に応じて、ガイダンスを出力するように制御を行う。例えば、ガイダンス制御部112は、着信番号が管理者端末番号と一致したときに、「初期化を行うときは通話を継続して下さい」といった、通話を設定時間T継続するように促すようなガイダンスを出力するように制御を行う。つまり、ガイダンス制御部112は、着信番号が管理者端末番号と一致したときに、トリガイベントの発生を促すようなガイダンスを出力するように制御を行う。
【0028】
ここで、ガイダンス制御部112は、ゲートウェイ装置100に設けられたスピーカ(図示せず)を制御して音声でガイダンスを出力させてもよい。あるいは、ガイダンス制御部112は、ゲートウェイ装置100と接続されたPC(図示せず)を制御してPCのモニタにガイダンスを表示させてもよい。あるいは、ガイダンス制御部112は、接続中の通信端末(管理者携帯電話端末20)のユーザインタフェースにガイダンスを出力させるように、制御を行ってもよい。また、ガイダンス制御部112は、初期化処理が許可された場合に、「初期化を開始します」といったガイダンスを出力するように制御を行ってもよい。
【0029】
VoIP制御部120は、現在のゲートウェイ装置100の状態を初期化判定部110に問い合わせて、その応答により制御を行ってもよい。例えば、VoIP制御部120は、着信した通信端末の端末番号が管理者端末番号と一致しなかった場合に、通信端末を固定電話40に接続するように制御を行ってもよい。これにより、通常のゲートウェイ装置の処理のように、管理者携帯電話端末20でない通信端末と固定電話40とを接続することが可能となる。また、VoIP制御部120は、ガイダンス制御部112を制御してもよい。
【0030】
ルータ部130は、電話回線網30とゲートウェイ装置100に接続された装置(固定電話40等)とを接続するための処理を行う。また、ルータ部130は、ゲートウェイ装置100に接続された複数の装置に対してルーティングを行う。
【0031】
図3は、実施の形態1にかかるゲートウェイ装置100の初期化方法を示すフローチャートである。まず、ゲートウェイ装置100は、初期状態である初期化ボタン押下待ち状態となる(ステップS102)。管理者は、ゲートウェイ装置100の初期化を行う場合、まず、初期化ボタンを押下する。これにより、ゲートウェイ装置100の状態は、初期化準備状態に遷移する(ステップS104)。なお、この状態で再度初期化ボタンが押下された場合は、初期化準備状態から初期化ボタン押下待ち状態に戻る(S102)。
【0032】
次に、管理者は、管理者携帯電話端末20からゲートウェイ装置100に対して電話の発信(発呼)を行う。これにより、ゲートウェイ装置100は、管理者携帯電話端末20からの電話の着信を受け付ける(ステップS106)。このとき、VoIP制御部120は、初期化判定部110に対して着信番号が登録された管理者端末番号と一致するかを問い合わせる。初期化判定部110は、着信番号が管理者端末番号と一致するか否かを判定する。初期化判定部110が、着信番号が管理者端末番号と一致しない、つまり着信番号が未登録であると判定した場合、初期化判定部110は、ゲートウェイ装置100の状態を初期化ボタン押下待ち状態に戻す(S102)。このとき、VoIP制御部120は、着信した通信端末を、固定電話40に接続する。これにより、管理者携帯電話端末20以外の通信端末を固定電話40に接続するといった、通常のゲートウェイ装置100の処理を行うことができる。
【0033】
一方、着信番号が管理者端末番号と一致する、つまり着信番号が登録済みである場合、ガイダンス制御部112は、予め定められたガイダンスを出力するように制御を行う。そして、初期化判定部110は、ゲートウェイ装置100が初期化準備状態であるときに、管理者の意図した初期化要求がなされているか否かを判定する。
【0034】
具体的には、管理者の意図しないタイミングで第三者が初期化ボタンを押下したときに、偶然、管理者が管理者携帯電話端末20を用いてゲートウェイ装置100に発信するといったケースを想定する。このケースを考慮して、ゲートウェイ装置100(ガイダンス制御部112)は、管理者携帯電話端末20からの着信を受け付けた場合に、初期化処理を行うために一定時間(設定時間T)通話を継続するように、ガイダンスで促す。そして、通話時間管理部106は、管理者携帯電話端末20との通話時間を計測する(ステップS108)。
【0035】
管理者携帯電話端末20との通話の開始から設定時間Tを経過する前に通話が切断した場合、初期化判定部110は、管理者の意図した初期化要求がなされていないと判断する。したがって、初期化判定部110は、ゲートウェイ装置100の状態を初期化ボタン押下待ち状態に戻す(S102)。つまり、管理者は、ゲートウェイ装置100の初期化を意図していない場合は、管理者携帯電話端末20の通話を切断すればよい。
【0036】
一方、管理者携帯電話端末20との通話の開始から設定時間Tが経過した場合、初期化判定部110は、管理者の意図した初期化要求がなされていると判断する。したがって、初期化判定部110は、設定管理部114に対し、ゲートウェイ装置100の初期化処理を実行させる(ステップS110)。このとき、初期化判定部110は、「初期化を開始します」といったガイダンスを出力させるように、ガイダンス制御部112に指示する。また、このとき、VoIP制御部120は、管理者携帯電話端末20との通話を切断する。設定管理部114が初期化処理の実行を完了すると、ゲートウェイ装置100の状態は初期化ボタン押下待ち状態に戻る(S102)。
【0037】
実施の形態1にかかるゲートウェイ装置100は、登録された端末番号に対応する管理者携帯電話端末20からの着信を、ゲートウェイ装置100の初期化のトリガとしている。したがって、管理者以外の第三者がゲートウェイ装置100の初期化を行うことが極めて困難となる。したがって、管理者以外の第三者によるゲートウェイ装置100の初期化を抑制することが可能となる。これにより、ゲートウェイ装置100のセキュリティの向上を図ることができる。
【0038】
また、実施の形態1にかかるゲートウェイ装置100は、さらに、通話時間が設定時間T以上となったことをトリガイベントとして、初期化を許可するように構成されている。これにより、管理者の意図しないタイミングで第三者が初期化ボタンを押下したときに、偶然、管理者が管理者携帯電話端末20を用いてゲートウェイ装置100に発信した場合であっても、ゲートウェイ装置100の初期化をより確実に抑制することができる。したがって、実施の形態2は、第三者が容易にゲートウェイ装置100の初期化を行うことができるといった課題を解決できる。
【0039】
さらに、実施の形態1においては、通話時間(通信時間)が設定時間T以上となった(通話時間が設定時間T継続した)ことを、初期化のトリガイベントとしている。これにより、管理者は、単にゲートウェイ装置100と管理者携帯電話端末20との通話を継続するのみで、他に何らの操作も必要としないで、ゲートウェイ装置100の初期化を許可することができる。したがって、管理者は、ゲートウェイ装置100の初期化を容易に許可することができる。
【0040】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態1では、通話時間(通信時間)が設定時間T継続したことをトリガイベントとしている。これに対し、実施の形態2では、管理者携帯電話端末20の予め定められた番号を入力することをトリガイベントとしている。つまり、実施の形態2にかかるトリガイベントが、実施の形態1にかかるトリガイベントと異なる。
【0041】
図4は、実施の形態2にかかる通信システム10を示す図である。実施の形態2にかかる通信システム10は、管理者携帯電話端末20と、固定電話40と、ゲートウェイ装置100とを有する。ゲートウェイ装置100は、実施の形態1にかかる通話時間管理部106の代わりに、入力判定部206を有する。これ以外の構成要素については、実施の形態2にかかるゲートウェイ装置100は、実施の形態1にかかるゲートウェイ装置100と実質的に同様である。
【0042】
入力判定部206は、VoIP制御部120と接続された管理者携帯電話端末20等の通信端末に、番号(「0」,「1」等)又は記号(「#」,「*」等)(以下「番号等」)の入力がなされたか否かを判定する。さらに、入力判定部206は、何らかの番号等が通信端末に入力された場合に、どの番号等が入力されたかを判定する。具体的には、入力判定部206は、VoIP制御部120によって管理者携帯電話端末20から受信された、入力された番号等を示す信号の解析によって、入力された番号等を判定してもよい。例えば、入力判定部206は、管理者携帯電話端末20から受信されたDTMF(Dual-Tone Multi-Frequency)信号等のトーン信号を解析することで、入力された番号等を判定してもよい。なお、番号等の入力は、DTMFキーが管理者携帯電話端末20に搭載されている場合は、そのDTMFキーの押下によってなされ得る。また、管理者携帯電話端末20がタッチパネルを具備している場合は、番号等の入力は、タッチパネルの番号等のアイコンのタッチによってなされ得る。
【0043】
実施の形態2において、初期化判定部110は、ゲートウェイ装置100が初期化準備状態となっており、着信番号が管理者端末番号と一致する場合に、入力判定部206に対し、管理者携帯電話端末20に入力された番号等を問い合わせる。そして、初期化判定部110は、入力された番号等が予め定められた番号等(設定番号;例えば「1」)であるか否かを判定する。初期化判定部110は、入力された番号等が設定番号と一致する場合に、ゲートウェイ装置100の初期化処理を許可すると判定する。つまり、実施の形態2においては、「管理者携帯電話端末20に対し設定番号の入力操作がなされた」ことが、初期化のトリガとなるイベント(トリガイベント)となる。
【0044】
また、ガイダンス制御部112は、着信番号が管理者端末番号と一致したときに、例えば、「初期化を行うときは番号「1」を押して下さい」といった、設定番号を押下することを促すようなガイダンスを出力するように制御を行う。つまり、実施の形態2においても、ガイダンス制御部112は、着信番号が管理者端末番号と一致したときに、トリガイベントの発生を促すようなガイダンスを出力するように制御を行う。
【0045】
図5は、実施の形態2にかかるゲートウェイ装置100の初期化方法を示すフローチャートである。まず、ゲートウェイ装置100は、初期化ボタン押下待ち状態となる(ステップS202)。管理者が初期化ボタンを押下することにより、ゲートウェイ装置100の状態は、初期化準備状態に遷移する(ステップS204)。なお、再度初期化ボタンが押下された場合は、初期化準備状態から初期化ボタン押下待ち状態に戻る(S202)。
【0046】
次に、管理者携帯電話端末20からゲートウェイ装置100に対して発信が行われることで、ゲートウェイ装置100は、管理者携帯電話端末20からの電話の着信を受け付ける(ステップS206)。このとき、初期化判定部110は、着信番号が管理者端末番号と一致するか否かを判定する。着信番号が管理者端末番号と一致しない場合、初期化判定部110は、ゲートウェイ装置100の状態を初期化ボタン押下待ち状態に戻す(S202)。
【0047】
一方、着信番号が管理者端末番号と一致する場合、ガイダンス制御部112は、予め定められたガイダンスを出力するように制御を行う。そして、初期化判定部110は、ゲートウェイ装置100が初期化準備状態であるときに、管理者の意図した初期化要求がなされているか否かを判定する。具体的には、ゲートウェイ装置100(ガイダンス制御部112)は、管理者携帯電話端末20からの着信を受け付けた場合に、初期化処理を行うために設定番号(例えば「1」)を入力する操作を行うように、ガイダンスで促す。このとき、ゲートウェイ装置100は、番号入力待ち状態となる(ステップS208)。
【0048】
管理者によって管理者携帯電話端末20に設定番号以外の番号等(例えば「0」)が入力された場合、初期化判定部110は、管理者の意図した初期化要求がなされていないと判断する。したがって、初期化判定部110は、ゲートウェイ装置100の状態を初期化ボタン押下待ち状態に戻す(S202)。つまり、管理者は、ゲートウェイ装置100の初期化を意図していない場合は、設定番号以外の番号等の入力操作を行えばよい。また、このとき、ゲートウェイ装置100は、管理者携帯電話端末20との通話を切断してもよい。なお、VoIP制御部120は、設定番号以外の特定の番号等(例えば「#」)が管理者携帯電話端末20に入力された場合に、管理者携帯電話端末20を固定電話40に接続してもよい。つまり、管理者は、ゲートウェイ装置100の初期化を意図していないが固定電話40との通話を意図している場合は、設定番号以外の特定の番号等の入力操作を行えばよい。
【0049】
一方、管理者によって管理者携帯電話端末20に設定番号が入力された場合、初期化判定部110は、設定管理部114に対し、ゲートウェイ装置100の初期化処理を実行させる(ステップS210)。このとき、初期化判定部110は、「初期化を開始します」といったガイダンスを出力させるように、ガイダンス制御部112に指示する。また、このとき、VoIP制御部120は、管理者携帯電話端末20との通話を切断する。設定管理部114が初期化処理の実行を完了すると、ゲートウェイ装置100の状態は初期化ボタン押下待ち状態に戻る(S202)。
【0050】
実施の形態2にかかるゲートウェイ装置100は、実施の形態1と同様に、登録された端末番号に対応する管理者携帯電話端末20からの着信を、ゲートウェイ装置100の初期化のトリガとしている。したがって、管理者以外の第三者がゲートウェイ装置100の初期化を行うことが極めて困難となる。したがって、管理者以外の第三者によるゲートウェイ装置1の初期化を抑制することが可能となる。これにより、ゲートウェイ装置100のセキュリティの向上を図ることができる。
【0051】
また、実施の形態2にかかるゲートウェイ装置100は、さらに、管理者携帯電話端末20に設定番号の入力操作がなされたことをトリガイベントとして、初期化を許可するように構成されている。これにより、管理者の意図しないタイミングで第三者が初期化ボタンを押下したときに、偶然、管理者が管理者携帯電話端末20を用いてゲートウェイ装置100に発信した場合であっても、ゲートウェイ装置100の初期化をより確実に抑制することができる。したがって、実施の形態2は、第三者が容易にゲートウェイ装置100の初期化を行うことができるといった課題を解決できる。
【0052】
さらに、実施の形態2においては、管理者携帯電話端末20に設定番号の入力操作がなされたことをトリガイベントとしている。この場合、例えば、管理者が直ちにゲートウェイ装置100の初期化をしたい場合は、即座に設定番号の入力操作を行うことで即座に初期化を許可することができる。これにより、管理者の任意のタイミングで、設定番号の入力操作を行って初期化を許可することができる。つまり、実施の形態2においては、管理者は、実施の形態1のように初期化が許可されるまで設定時間T待つ必要はなく、通話開始から設定時間Tよりも短い時間で初期化を許可できる。さらに、実施の形態2においては、管理者は、通話開始から設定時間Tよりも長い時間が経過した後で初期化を否定することもできる。
【0053】
なお、上述した実施の形態2では、「管理者携帯電話端末20に対し設定番号の入力操作がなされた」ことをトリガイベントとしているが、トリガイベントは、「設定番号の入力」操作に限られない。「設定番号の入力」以外の任意の操作を、トリガイベントとしてもよい。言い換えると、実施の形態2においては、「管理者携帯電話端末20に対し予め定められた操作がなされた」ことが、トリガイベントとなる。例えば、管理者携帯電話端末20がタッチパネルを具備する場合、タッチパネルに対して所定の図形を描くようにドラッグすることを、トリガイベントとしてもよい。しかしながら、「設定番号の入力」は、管理者にとって極めて容易な操作であり、ゲートウェイ装置100においても、DTMF信号により、その入力操作を認識することは容易である。したがって、「設定番号の入力」操作をトリガイベントとすることで、より確実に初期化処理を行うことが可能となる。
【0054】
(変形例)
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述したフローチャートにおいて、各処理(ステップ)の順序は、適宜、変更可能である。また、複数ある処理(ステップ)のうちの1つ以上は、省略されてもよい。
【0055】
また、上述した複数の構成要素の1つ以上は、他の構成要素と一体となっていてもよい。例えば、初期化判定部110とVoIP制御部120とは一体となっていてもよい。つまり、初期化判定部110の処理の少なくとも1つを、VoIP制御部120が行ってもよい。また、上述した1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素がそれぞれ有してもよい。例えば、初期化判定部110が行う複数の処理を、互いに異なる複数の構成要素がそれぞれ行ってもよい。
【0056】
また、上述した実施の形態においては、管理者携帯電話端末20からの着信をトリガとしてゲートウェイ装置100の初期化を行っているが、管理者の固定電話からの着信をトリガとしてもよい。この場合、電話回線網30は無線回線でなくてもよい。なお、管理者携帯電話端末20は、通常、管理者が携帯しているので、第三者が管理者携帯電話端末20を操作することは困難である。したがって、固定電話よりも携帯電話の方が、管理者以外の第三者による操作を抑制できるので、管理者携帯電話端末20からの着信をトリガとした方が望ましい。
【0057】
また、上述した実施の形態においては、端末番号登録部102は、管理者携帯電話端末20の電話番号を登録するとしたが、このような構成に限られない。端末番号登録部102は、管理者携帯電話端末20の電話番号ではなく、管理者携帯電話端末20(通信端末)を識別可能な任意の識別情報を登録してもよい。しかしながら、電話番号は、管理者携帯電話端末20から着信したときに、ゲートウェイ装置100によって容易に取得され得る。したがって、電話番号を登録することで、容易に管理者携帯電話端末20の識別を行うことができる。
【0058】
また、初期化判定部110は、着信した通信端末の端末番号が管理者端末番号と一致したときに、初期化を行うと判定してもよい。つまり、
図3のS108及び
図4のS208の処理は行われなくてもよい。言い換えると、初期化判定部110は、実施の形態1にかかる通話時間及び実施の形態2にかかる番号等の入力操作を、初期化のトリガに用いる必要はない。しかしながら、上述したように、通話時間又は番号等の入力を初期化のトリガに用いることで、ゲートウェイ装置100の初期化をより確実に抑制することができる。
【0059】
また、上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、無線通信装置内の各回路の処理(機能)を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0060】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0061】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
ゲートウェイ装置であって、
通信端末と電話回線を介して接続処理を行って通信を行う通信手段と、
予め定められた操作に応じて、前記ゲートウェイ装置を初期化準備状態にするように制御を行う初期化準備手段と、
前記初期化準備手段によって前記ゲートウェイ装置が初期化準備状態となっているときに前記通信手段が前記通信端末からの着信を受け付けた場合に、前記通信端末の識別情報が予め登録された第1の識別情報と一致するか否かを判定する判定手段と、
前記通信端末の識別情報が前記第1の識別情報と一致する場合に、前記ゲートウェイ装置の初期化処理を実行する初期化実行手段と
を有するゲートウェイ装置。
(付記2)
前記判定手段は、予め定められたトリガイベントが発生したか否かをさらに判定し、
前記初期化実行手段は、前記通信端末の識別情報が前記第1の識別情報と一致し、前記トリガイベントが発生した場合に、前記ゲートウェイ装置の初期化処理を実行する
付記1に記載のゲートウェイ装置。
(付記3)
前記判定手段は、前記通信端末との通信が予め定められた時間継続した場合に、前記トリガイベントが発生したと判定する
付記2に記載のゲートウェイ装置。
(付記4)
前記判定手段は、前記通信端末に対し予め定められた操作がなされた場合に、前記トリガイベントが発生したと判定する
付記2に記載のゲートウェイ装置。
(付記5)
前記判定手段は、前記通信端末に対し予め定められた番号又は記号の入力操作がなされた場合に、前記トリガイベントが発生したと判定する
付記4に記載のゲートウェイ装置。
(付記6)
前記通信端末の識別情報が前記第1の識別情報と一致する場合に、前記トリガイベントの発生を促すガイダンスを出力するように制御を行うガイダンス制御手段
をさらに有する付記2〜5のいずれか1項に記載のゲートウェイ装置。
(付記7)
前記通信端末は電話機能を有し、
前記識別情報は、通信端末の電話番号である
付記1〜6のいずれか1項に記載のゲートウェイ装置。
(付記8)
前記通信端末の識別情報が前記第1の識別情報と一致しない場合に、前記通信手段は、前記通信端末を、前記ゲートウェイ装置と接続された固定電話と接続するように制御を行う
付記1〜7のいずれか1項に記載のゲートウェイ装置。
(付記9)
ゲートウェイ装置と、
前記ゲートウェイ装置と通信可能な通信端末と
を有し、
前記ゲートウェイ装置は、
前記通信端末と電話回線を介して接続処理を行って通信を行う通信手段と、
予め定められた操作に応じて、前記ゲートウェイ装置を初期化準備状態にするように制御を行う初期化準備手段と、
前記初期化準備手段によって前記ゲートウェイ装置が初期化準備状態となっているときに前記通信手段が前記通信端末からの着信を受け付けた場合に、前記通信端末の識別情報が予め登録された第1の識別情報と一致するか否かを判定する判定手段と、
前記通信端末の識別情報が前記第1の識別情報と一致する場合に、前記ゲートウェイ装置の初期化処理を実行する初期化実行手段と
を有する
通信システム。
(付記10)
前記判定手段は、予め定められたトリガイベントが発生したか否かをさらに判定し、
前記初期化実行手段は、前記通信端末の識別情報が前記第1の識別情報と一致し、前記トリガイベントが発生した場合に、前記ゲートウェイ装置の初期化処理を実行する
付記9に記載の通信システム。
(付記11)
前記判定手段は、前記通信端末との通信が予め定められた時間継続した場合に、前記トリガイベントが発生したと判定する
付記10に記載の通信システム。
(付記12)
前記判定手段は、前記通信端末に対し予め定められた操作がなされた場合に、前記トリガイベントが発生したと判定する
付記10に記載の通信システム。
(付記13)
前記判定手段は、前記通信端末に対し予め定められた番号又は記号の入力操作がなされた場合に、前記トリガイベントが発生したと判定する
付記12に記載の通信システム。
(付記14)
前記通信端末の識別情報が前記第1の識別情報と一致する場合に、前記トリガイベントの発生を促すガイダンスを出力するように制御を行うガイダンス制御手段
をさらに有する付記10〜13のいずれか1項に記載の通信システム。
(付記15)
前記通信端末は電話機能を有し、
前記識別情報は、通信端末の電話番号である
付記9〜14のいずれか1項に記載の通信システム。
(付記16)
前記通信端末の識別情報が前記第1の識別情報と一致しない場合に、前記通信手段は、前記通信端末を、前記通信システム。と接続された固定電話と接続するように制御を行う
付記9〜15のいずれか1項に記載の通信システム。
(付記17)
通信端末と電話回線を介して接続処理を行って通信を行い、
予め定められた操作に応じて、ゲートウェイ装置を初期化準備状態にするように制御を行い、
前記ゲートウェイ装置が初期化準備状態となっているときに前記通信端末からの着信を受け付けた場合に、前記通信端末の識別情報が予め登録された第1の識別情報と一致するか否かを判定し、
前記通信端末の識別情報が前記第1の識別情報と一致する場合に、前記ゲートウェイ装置の初期化処理を実行する
ゲートウェイ装置の初期化方法。
(付記18)
予め定められたトリガイベントが発生したか否かをさらに判定し、
前記通信端末の識別情報が前記第1の識別情報と一致し、前記トリガイベントが発生した場合に、前記ゲートウェイ装置の初期化処理を実行する
付記17に記載のゲートウェイ装置の初期化方法。
(付記19)
前記通信端末との通信が予め定められた時間継続した場合に、前記トリガイベントが発生したと判定する
付記18に記載のゲートウェイ装置の初期化方法。
(付記20)
前記通信端末に対し予め定められた操作がなされた場合に、前記トリガイベントが発生したと判定する
付記18に記載のゲートウェイ装置の初期化方法。
(付記21)
前記通信端末に対し予め定められた番号又は記号の入力操作がなされた場合に、前記トリガイベントが発生したと判定する
付記20に記載のゲートウェイ装置の初期化方法。
(付記22)
前記通信端末の識別情報が前記第1の識別情報と一致する場合に、前記トリガイベントの発生を促すガイダンスを出力するように制御を行う
付記18〜21のいずれか1項に記載のゲートウェイ装置の初期化方法。
(付記23)
前記通信端末は電話機能を有し、
前記識別情報は、通信端末の電話番号である
付記17〜22のいずれか1項に記載のゲートウェイ装置の初期化方法。
(付記24)
前記通信端末の識別情報が前記第1の識別情報と一致しない場合に、前記通信端末を、前記ゲートウェイ装置と接続された固定電話と接続するように制御を行う
付記17〜23のいずれか1項に記載のゲートウェイ装置の初期化方法。
(付記25)
予め定められた操作に応じて、ゲートウェイ装置を初期化準備状態にするように制御を行うステップと、
前記ゲートウェイ装置が初期化準備状態となっているときに通信端末からの着信を受け付けた場合に、前記通信端末の識別情報が予め登録された第1の識別情報と一致するか否かを判定するステップと、
前記通信端末の識別情報が前記第1の識別情報と一致する場合に、前記ゲートウェイ装置の初期化処理を実行するステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。