(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記本体部の第1の凸部の周囲は一部を残して前記本体部から切り欠かれていることにより、前記第1の凸部は前記本体部に対して弾性変形可能であることを特徴とする請求項4に記載の薄葉紙ディスペンサー。
前記蓋部の第2の凸部の周囲は一部を残して前記蓋部から切り欠かれていることにより、前記第2の凸部は前記蓋部に対して弾性変形可能であることを特徴とする請求項4に記載の薄葉紙ディスペンサー。
前記本体部の底面の取出し口が十字形状であり、十字の一部が前記本体部の前面へと延びていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の薄葉紙ディスペンサー。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1〜3に記載されている薄葉紙ディスペンサーは、蓋を下方へと回動させて薄葉紙ディスペンサーを開ける動作を行うためには、初めに蓋と本体との係合を解除するために蓋に力を加えるが、蓋と本体との係合を解除し、少し蓋を下方に回動させると、蓋は自重で下方へと回動しようとする。そのため、蓋から手を離すと、蓋は自重で下方へと勢いよく回動し、蓋が本体と衝突することで蓋の回動が停止されることになる。
【0006】
このように薄葉紙ディスペンサーを開ける際に、蓋と本体との衝突を繰り返していると、薄葉紙ディスペンサーが破損する、あるいは、耐久性が低下するという問題が生じる。これらの問題を解消するためには、従来の薄葉紙ディスペンサーでは、薄葉紙ディスペンサーを開ける際に、最後まで蓋を手で支える、あるいは、衝突する箇所に緩衝部材を設ける必要があった。
【0007】
そこで、本発明は、蓋を開ける時に、蓋の回動速度を低下させる構造を用いることで、蓋と本体との衝突を低減し、耐久性を向上させることが可能な薄葉紙ディスペンサーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の薄葉紙ディスペンサーは、薄葉紙を収容する本体部、および前記本体部の開口を開閉可能に取り付けられた蓋部を備え、前記本体部は、前面、背面、上面、底面、および2つの側面から構成され、少なくとも前記前面又は前記上面に位置する開口、前記底面に設けられた、薄葉紙を下方に取り出すための取出し口、および、2つの前記側面に設けられた円形のヒンジ孔を有し、前記側面の外側の面には前記ヒンジ孔の円周の一部分に沿って円弧状に延伸された傾斜面が設けられ、前記傾斜面は、円弧の始点から終点に向かって前記側面から離れるように傾斜されており、前記蓋部は、前面、および2つの側面を備え、2つの前記側面の内側の面に前記ヒンジ孔に係合されるヒンジ軸を有し、前記ヒンジ軸の外周面に1つの突起が設けられ、前記突起は、前記ヒンジ軸が前記ヒンジ孔に係合された時に前記本体部の側面の外側に位置しており、前記蓋部を前記ヒンジ軸を中心に前記本体部に対して回動させることにより、前記本体部の開口を開閉可能とし、前記本体部の開口を開く方向への前記蓋部の回動によって、前記ヒンジ軸の突起が前記傾斜面の始点と当接し、その後、前記傾斜面の表面と接触しながら前記傾斜面の終点に向かって移動することを特徴とし、前記本体部の突起と、前記蓋部の傾斜面の構成を入れ替えることも可能である。
【0009】
前記本体部の前面の外側の面に第1の凸部が設けられ、前記蓋部の前面の内側の面に第2の凸部が設けられており、前記蓋部を、前記本体部の開口を開くように回動させると、前記蓋部の第2の凸部が、前記本体部の第1の凸部と当接して、前記蓋部の回動が停止され、その後、前記蓋部にさらに力を加えて回動させると、前記本体部の第1の凸部または前記蓋部の第2の凸部が弾性変形して、前記蓋部の第2の凸部が前記本体部の第1の凸部を乗り越えて、前記本体部の開口が開いた状態となる。
【0010】
前記本体部の第1の凸部の周囲は一部を残して前記本体部から切り欠かれていることにより、前記第1の凸部を前記本体部に対して弾性変形可能とする、あるいは、前記蓋部の第2の凸部の周囲は一部を残して前記蓋部から切り欠かれていることにより、前記第2の凸部を前記蓋部に対して弾性変形可能とする。
【0011】
前記本体部の底面の取出し口を十字形状として、十字の一部が前記本体部の前面へと延びており、また、前記本体部の背面を着脱可能とすることもでき、さらに、前記本体部の側面に、垂直方向に延伸するスリットを設けることもできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の薄葉紙ディスペンサーは、薄葉紙を収容する本体部、および前記本体部の開口を開閉可能に取り付けられた蓋部を備え、前記本体部は、2つの側面に設けられた円形のヒンジ孔を有し、前記側面の外側の面には前記ヒンジ孔の円周の一部分に沿って円弧状に延伸された傾斜面が設けられ、前記傾斜面は、円弧の始点から終点に向かって前記側面から離れるように傾斜されており、前記蓋部は、2つの側面の内側の面に前記ヒンジ孔に係合されるヒンジ軸を有し、前記ヒンジ軸の外周面に1つの突起が設けられ、前記突起は、前記ヒンジ軸が前記ヒンジ孔に係合された時に前記本体部の側面の外側に位置しており、前記本体部の開口を開く方向への前記蓋部の回動によって、前記ヒンジ軸の突起が前記傾斜面の始点と当接し、その後、前記傾斜面の表面と接触しながら前記傾斜面の終点に向かって移動することにより、前記蓋部を開いて、前記蓋部が自重で回動した時に、前記蓋部の回動スピードが徐々に低下し、前記蓋部が前記本体部に衝突する衝撃を低減し、前記蓋部または前記本体部が破損するのを防止することが可能となる。本発明のこのような効果は、前記本体部の突起と、前記蓋部の傾斜面の構成を入れ替えた時にも、同様に奏することができる。
【0013】
また、本発明の薄葉紙ディスペンサーは、前記蓋部を、前記本体部の開口を開くように回動させると、前記蓋部の第2の凸部が、前記本体部の第1の凸部と当接して、前記蓋部の回動が停止され、その後、前記蓋部にさらに力を加えて回動させると、前記本体部の第1の凸部または前記蓋部の第2の凸部が弾性変形して、前記蓋部の第2の凸部が前記本体部の第1の凸部を乗り越えて、前記本体部の開口が開いた状態となることにより、前記蓋部を開く動作の途中で停止することができるので前記蓋部を全開しないで、前記本体部内の状態を確認することができるようになる。また、前記蓋部を開く途中で一時停止させた後に、前記突起と前記傾斜面との接触が生じることになるので、前記蓋部の回動スピードを大幅に低下させることができ、前記蓋部または前記本体部の破損を確実に防止することが可能となる。
【0014】
前記本体部の底面の取出し口が十字形状であり、十字の一部が前記本体部の前面へと延びていることにより、薄葉紙の取り出し動作がスムーズになる。また、前記本体部の側面に、垂直方向に延伸するスリットを設けることにより、前記蓋部を開けることなく薄葉紙の残量を確認することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1の実施形態の薄葉紙ディスペンサーの斜視図である。
【
図2】第1の実施形態の薄葉紙ディスペンサーの下方からの斜視図である。
【
図3】第1の実施形態の薄葉紙ディスペンサーの本体部の斜視図である。
【
図4】本体部から取り外した背面部の斜視図である。
【
図5】背面部を取り外した状態の本体部の斜視図である。
【
図7】第1の実施形態の薄葉紙ディスペンサーの蓋部の斜視図である。
【
図8】蓋部を閉じた状態の第1の実施形態の薄葉紙ディスペンサーの断面図である。
【
図9】第1の凸部と第2の凸部が当接し、蓋部が一時停止された状態の第1の実施形態の薄葉紙ディスペンサーの断面図である。
【
図10】第1の凸部と第2の凸部が当接し、第1の凸部が弾性変形した状態の第1の実施形態の薄葉紙ディスペンサーの断面図である。
【
図11】突起が傾斜面上を移動中の第1の実施形態の薄葉紙ディスペンサーの断面図である。
【
図12】蓋部が完全に開いた状態の第1の実施形態の薄葉紙ディスペンサーの断面図である。
【
図13】第2の実施形態の薄葉紙ディスペンサーの斜視図である。
【
図14】第2の実施形態の薄葉紙ディスペンサーの本体部の斜視図である。
【
図15】第2の実施形態の薄葉紙ディスペンサーの蓋部の斜視図である。
【
図16】蓋部を閉じた状態の第2の実施形態の薄葉紙ディスペンサーの断面図である。
【
図17】第1の凸部と第2の凸部が当接し、蓋部が一時停止された状態の第2の実施形態の薄葉紙ディスペンサーの断面図である。
【
図18】第1の凸部と第2の凸部が当接し、第2の凸部が弾性変形した状態の第2の実施形態の薄葉紙ディスペンサーの断面図である。
【
図19】突起が傾斜面上を移動中の第2の実施形態の薄葉紙ディスペンサーの断面図である。
【
図20】蓋部が完全に開いた状態の第2の実施形態の薄葉紙ディスペンサーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の第1の実施形態の薄葉紙ディスペンサー1について図を用いて以下に詳細に説明する。
図1,2が薄葉紙ディスペンサー1の斜視図であり、
図2〜7が薄葉紙ディスペンサー1の本体部2および蓋部3の各図である。
【0017】
本発明の薄葉紙ディスペンサー1は、
図1,2に示すように、ペーパータオル等の薄葉紙を積層した状態で内部に収容する本体部2、および前記本体部2の開口9(図示せず)を開閉可能に、前記本体部2に取り付けられた蓋部3を備え、前記本体部2の底面の取出し口10から薄葉紙を下方に引き出して使用するものであり、店舗のトイレ、キッチン等の壁に取り付けて使用される。
【0018】
前記本体部2は、
図3に示すように、前面4、背面5、上面6、底面7、および2つの略L字状の側面8から構成され、前記前面4から前記上面6および2つの前記側面8に亘る開口9が設けられており、前記開口9から前記本体部2内に薄葉紙がセットされる。前記開口9の形状は限定するものではなく、前記前面4の上方だけに位置する形態、または、前記上面6の前方だけに位置する形態、前記側面8を矩形とし、前記前面4の上端から前記上面6の前端に亘る形態等も可能である。
【0019】
前記本体部2は、
図2に示すように、前記底面7に、薄葉紙を下方に引き出すための略十字形状の取出し口10が設けられている。前記取出し口10は、薄葉紙を取り出し易くするために、
図6に示すように、前記取出し口10の十字形状の一部を前記底面7から前記前面4へと延伸させており、前記本体部2を正面から見た時に前記前面4へと延伸している部分を見ることができる。前記取出し口10の前記前面4へと延伸している部分には、薄葉紙の縁が露出されることになるので、薄葉紙の縁に指を掛けて取り出すことも可能となる。
【0020】
前記本体部2は、2つの前記側面8のそれぞれに、
図3に示すように、円形のヒンジ孔11が対向するように貫通孔として設けられている。そして、
図3に示すように、2つの前記側面8の外側の面には、前記ヒンジ孔11の円周の下側の一部分に沿って所定の幅を有する円弧状の傾斜面12が設けられている。
【0021】
前記傾斜面12は、前記ヒンジ孔11の中心から前記前面4に向かう水平線に対して円周に沿って下方に15度進んだ場所に位置する始点から、前記ヒンジ孔11の中心から前記背面5に向かう水平線に対して円周に沿って下方に50度進んだ場所に位置する終点に向かって、前記側面8から離れるように傾斜しながら延伸されており、前記傾斜面12において終点が前記側面8から最も離れた状態となっている。そして、前記傾斜面12の終点には外側へと突出する凸部13が設けられている。
【0022】
前記本体部2の側面8の内側の面には、
図5に示すように、前記ヒンジ孔11の円周に沿って内側へと突出する円筒部17が設けられている。前記円筒部17は、前記ヒンジ孔11にヒンジ係合されるヒンジ軸34(後述する)とのヒンジ係合時の強度を確保するための部材であり、必要に応じて適宜設けることができる。また、前記ヒンジ孔11は貫通孔ではなく、前記側面8の外側の面に設けた平面形状が円形の凹部を用いることも可能である。
【0023】
前記本体部2の側面8には、
図3に示すように、垂直方向に延伸するスリット15が設けられている。前記スリット15は、前記薄葉紙ディスペンサー1の内部に収容されている薄葉紙の残量を確認するためのものであり、前記スリット15を設けることで、前記蓋部3を開けることなく、簡単に薄葉紙の残量を確認することができる。
【0024】
前記本体部2は、前記前面4の外側の面に、
図3に示すように、前方へと突出する2つの第1の凸部14が設けられている。前記第1の凸部14は、
図6に示すように、正面視が略矩形を有しており、矩形の底辺および両側辺が、前記本体部2から正面視が略U字状に切り欠かれており、上辺だけが前記本体部2と接続した状態で前記本体部2と一体に形成されている。これにより、前記第1の凸部14は、前記本体部2と接続された部分を支点として弾性変形可能な構造を有している。
【0025】
前記第1の凸部14は、その個数、形状、および、弾性変形可能な構造については特に限定するものではなく、適宜変更可能である。個数については、少なくとも1つ設ければよく、弾性変形可能な構造については、例えば、ゴム等の弾性材料で形成し、前記本体部2に別部材として取り付けることも可能である。
【0026】
前記本体部2は、
図3に示すように、前記上面6の前方の部分に下方に窪んだ凹部16が設けられている。前記凹部16は、前記蓋部3を前記本体部2に固定するために用いる部材であり、
図7に示す、前記蓋部3のフック37が着脱可能に係合される。
【0027】
前記本体部2の背面5は、着脱可能な背面部25に設けることができる。
図4に示すのが、前記本体部2から取り外した状態の前記背面部25であり、
図5に示すのが、前記背面部25を取り外した状態の前記本体部2である。前記本体部2は、
図5に示すように、前記前面4、前記上面6、前記底面7、および2つの前記側面8を一体形成し、前記背面5の部分を開口とし、前記開口に前記背面部25を着脱可能に取り付ける構造とする。前記背面部25は、
図4に示すように、前記背面5の周囲に、前記本体部2の内側に向かって突出する筒状の嵌合部18を設ける。
【0028】
前記背面部25の嵌合部18は、前記本体部2の開口に挿入した時に、前記上面6、前記底面7、および、2つの前記側面8の内側の面と当接する大きさ及び形状とし、複数の係合開口19を設ける。そして、前記本体部2の上面6、底面7、および2つの側面8の内側の面には、
図5に示すように、前記係合開口19と係合する係合突起20を設けておき、前記係合開口19と前記係合突起20との係合によって、前記背面部25は、前記本体部2に着脱可能な構造となる。
【0029】
前記背面部25を前記本体部2に取り付けた状態では、前記背面部25の嵌合部18の底面は、前記本体部2の底面7の上に重なり、前記底面7に設けた取出し口10を塞ぐことになるために、
図4に示すように、前記取出し口10に重なる部分に切り欠き22を設けておく。
【0030】
前記本体部2内に薄葉紙を積層した状態で収容しているが、この時、前記薄葉紙を前記取出し口10から取り出し易くするために、前記本体部2の内側の面に、前記薄葉紙の中央を下方へと撓ませるための複数のリブ23(図示せず)を設ける。前記薄葉紙ディスペンサー1は、前記リブ23を、前記背面部25の嵌合部18の内側の面、および、前記本体部2の前面4に設けているが、前記背面部25を設けない場合には、前記底面7、2つの前記側面8、および前記前面4の内側の面に設ける。前記リブ23は、下方に向かって突出量が増加する形状としており、これにより、積層された薄葉紙は、中央が下方へと撓むことになり、一番下に位置する薄葉紙の中央の部分は、前記取出し口10の中央付近で下方へ撓むことになり、薄葉紙を取り出し易くなる。
【0031】
前記蓋部3は、
図7に示すように、前面31、上面32、および2つの側面33から構成され、2つの前記側面33の内側の面に前記本体部2のヒンジ孔11に係合されるヒンジ軸34を備えている。前記蓋部3は、前記ヒンジ軸34を前記本体部2のヒンジ孔11に係合させることにより、前記本体部2に回動可能に取り付けられ、前記蓋部3を回動させることによって、前記本体部2の開口9を開閉することができる。
【0032】
前記蓋部3のヒンジ軸34は、前記本体部2のヒンジ孔11に挿入され、前記ヒンジ孔11の円周に沿って設けられた前記円筒部17に挿入可能な大きさに形成されており、前記ヒンジ孔11および前記円筒部17内で回転可能にヒンジ係合される。前記蓋部3は、
図7に示すように、前記ヒンジ軸34の外周面に1つの突起35を設けている。前記突起35は、前記ヒンジ軸34の中心から前記前面31へと延びる水平線上に配置されており、その大きさは、前記ヒンジ軸34の全長に亘って形成されているのではなく、前記ヒンジ軸34の根元から途中までの大きさに形成されている。これにより、前記突起35は、前記ヒンジ軸34を前記ヒンジ孔11に挿入して係合させた時、前記本体部2の側面8の外側に位置し、さらに、前記蓋部3によって前記本体部2の開口9を閉じた時に、
図8の断面図に点線で示すように、前記本体部2の傾斜面12とは当接しない位置に配置されることになる。
【0033】
前記蓋部3のヒンジ軸34の突起35は、前記本体部2の開口9を開くように前記蓋部3を回動させると、前記本体部2のヒンジ孔11の円周に沿って移動し、前記傾斜面12の始点と当接する。その後、
図10〜12に点線で示すように、前記突起35は前記傾斜面12の表面と接触しながら前記傾斜面12の終点に向かって移動することになる。
【0034】
前記蓋部3の前面31の内側の面には、
図7に示すように、水平方向に突出する2つの第2の凸部36を設けている。前記第2の凸部36は、
図8に示すように、前記蓋部3を閉じた時に、前記本体部2の前面4に接触する程度の突出量であり、前記前面4に設けられた前記第1の凸部14の上方に位置するようにそれぞれ配置されている。
【0035】
前記第2の凸部36は、前記蓋部3を、前記本体部2の開口9を開くように回動させると、
図9に示すように、前記本体部2の第1の凸部14と当接することになる。これにより、前記蓋部3の回動は一時的に停止される。この時、
図9に示すように、前記開口9が少し開いた状態となることから、前記薄葉紙ディスペンサー1の中を見ることができるので、前記蓋部3を全開することなく、薄葉紙の残量等を確認することも可能である。
【0036】
前記蓋部3の第2の凸部36が前記本体部2の第1の凸部14と当接した状態から、前記蓋部3にさらに力を加えて前記開口9を開くように回動させると、前記本体部の第1の凸部14が弾性変形して、
図10に矢印で示すように、前記本体部2の内側へと移動することにより、前記蓋部3の第2の凸部36が前記第1の凸部14を乗り越えることができ、前記蓋部3を全開状態へと回動させることができる。本実施形態では、前記本体部2の第1の凸部14を弾性可能な構造としているが、前記蓋部3の第2の凸部36を弾性可能な構造とすることも可能である。
【0037】
前記蓋部3は、
図7に示すように、前記上面32にフック37を設けており、
図8に示すように、前記フック37を前記本体部2の上面6の凹部16に引っ掛けて係合させることで、前記蓋部3を閉じた状態で前記本体部2に固定することができる。前記フック37と前記凹部16の係合は、この形態に限定するものではなく、他の着脱可能な係合手段を用いることも可能である。
【0038】
本発明の薄葉紙ディスペンサー1は、前記本体部2を壁などに固定し、内部に薄葉紙を積層した状態で収容する。この時、
図8に示すように、前記蓋部3のフック37を前記本体部2の凹部16に係合させることで、前記蓋部3は前記本体部2の開口9を閉じた状態で前記本体部2に固定され、薄葉紙ディスペンサー1は使用できる状態となり、使用者は前記取出し口10から薄葉紙を取り出して使用することができる。
【0039】
本発明の薄葉紙ディスペンサー1の蓋部3を回動させた時に生じる各部材の動作について
図8〜
図12を用いて詳しく説明する。前記本体部2の開口9を開けるためには、まず
図8に示す状態の薄葉紙ディスペンサー1における前記蓋部3のフック37と前記本体部2の凹部16との係合を解除すると、前記蓋部3は自重によって下方へと回動する。
【0040】
前記蓋部3の回動により、
図9に示すように、前記第2の凸部36は、前記本体部2の第1の凸部14の上端と当接し、前記蓋部3の回動が一時的に停止される。この時、前記本体部2の開口9は少し開いた状態となり、前記薄葉紙ディスペンサー1の中の状態を確認することができるようになる。このような前記蓋部3の回動が行われると、前記ヒンジ軸34の突起35も共に回動しているが、前記突起35は前記本体部2の側面8の外側の面8に沿って移動しており、まだ前記傾斜面12とは当接していない。
【0041】
前記蓋部3の一時停止を解除するために、前記蓋部3に力を加えて回動させると、前記第1の凸部14が、
図10の矢印の方向へと弾性変形されることにより、前記第2の凸部36は前記第1の凸部14と当接しながら、乗り越えるように移動することになる。この時、前記ヒンジ軸34の突起35は、前記傾斜面12の始点に到達し、その後、前記傾斜面12の表面と接触しながら前記傾斜面12の終点に向かって移動することになる。
【0042】
図11に示すように、前記第2の凸部36が前記第1の凸部14を乗り越えると、前記第1の凸部14の弾性変形は解除されて元の状態に戻る。その後、前記蓋部3は力を加えなくても自重によって回動することになる。この時、前記突起35は前記傾斜面12の表面と接触しながら移動しているが、前記突起35は、回動するだけではなく、前記傾斜面12によって外側へと力が加えられて前記本体部2の側面8から離れる方向へ移動することになり、前記蓋部3の2つの側面33が外側へと膨らむように変形する。
【0043】
つまり、
図10から
図12へと、前記蓋部3の突起35が前記本体部2の傾斜面12に沿って移動している時に、前記蓋部3を回動させている力は、前記突起35を介して前記蓋部3の側面33を外側へと変形させる力に徐々に変換され、同時に、前記突起35と前記傾斜面12との摩擦力に変換されることになり、その結果、前記蓋部3の回動速度は徐々に低下される。そして、
図12に示すように、前記蓋部3の前面31の下端が、前記本体部2の底面7と当接して、前記蓋部3の回動が停止される時には、前記蓋部3の回動速度は、大幅に減速されており、前記蓋部3と前記本体部2との衝突による衝撃は大幅に低減されることになる。
【0044】
以上のように、本発明の薄葉紙ディスペンサー1は、前記蓋部3を開く際に、前記蓋部3の第2の凸部36が前記本体部2の第1の凸部14と当接して前記蓋部3の回動を一時停止させること、そして、前記蓋部3のヒンジ軸34の突起35と前記本体部2の傾斜面12とが当接して前記蓋部3の回動速度を減速させることによって、前記蓋部3と前記本体部2との衝突による衝撃を大幅に低減し、耐久性を向上させることが可能となる。この効果は、前記蓋部3の第2の凸部36が前記本体部2の第1の凸部14と当接して一時停止される構造と組み合わせない場合でも、十分に奏することが可能である。
【0045】
前記本体部2の傾斜面12および前記蓋部3のヒンジ軸34の突起35の位置は、前記蓋部3の第2の凸部36と前記本体部2の第1の凸部14とが当接する時、および、前記蓋部3の前面31の下端が、前記本体部2の底面7と当接する時を基準に設定する。前記傾斜面12の始点の位置は、前記蓋部3の第2の凸部36が前記本体部2の第1の凸部14と当接した後に、前記突起35が始点に到達する位置に設定し、前記傾斜面12の終点は、前記蓋部3の前面31の下端が、前記本体部2の底面7と当接する付近で、前記突起35が終点に到達する位置に設定すればよく、前記突起35の位置と合わせて適宜変更可能であり、本実施形態に記載している位置に限定するものではない。そして、前記傾斜面12の大きさ、傾斜角度についても適宜変更可能であり、それに伴い、前記蓋部3の回動速度の低下の度合いを調整することもできる。そして、前記傾斜面12の表面に加工(例えば、表面に凹凸を設ける加工等)を施すことにより、前記突起35に対する抵抗を増加させることも可能である。
【0046】
本発明の薄葉紙ディスペンサー1は、前記本体部2の傾斜面12と、前記蓋部3の突起35を入れ替えて配置することも可能であることから、前記本体部2に突起を設け、前記蓋部3に傾斜面を設けた実施形態である、第2の実施形態の薄葉紙ディスペンサー1’について以下に説明する。第2の実施形態では、前記本体部2の第1の凸部14ではなく、前記蓋部3の第2の凸部36を弾性変形可能な構造とした場合についても同時に説明する。各部材の符号については、第1の実施形態と異なる一部の部材については新たな符号を用いて説明し、他の部材については第1の実施形態と同じ符号を用いて説明し、詳細な説明は省略する。
【0047】
第2の実施形態の薄葉紙ディスペンサー1’は、
図13に示すように、本体部2’、および、前記本体部2’に取り付けられた蓋部3’を備える。
図14に示すように、前記本体部2’の2つの側面8にはヒンジ孔11が設けられており、前記側面8の外側の面には、前記ヒンジ孔11の中心から前記前面4へと延びる水平線上に、前記ヒンジ孔11の円周に接して突起41が配置されている。
【0048】
前記本体部2’は、前面4の外側の面の下側に、
図14に示すように、前方へと突出する2つの第1の凸部42が設けられており、前記第1の凸部42は前記本体部2の前面4と一体に形成され、特に弾性変形可能な構造とはしていない。
【0049】
前記蓋部3’は、
図15に示すように、2つの側面33の内側の面に、前記本体部2’のヒンジ孔11に係合されるヒンジ軸34を備えている。そして、前記蓋部3’は、2つの前記側面33の内側の面に、前記ヒンジ軸34の外周の上側の一部分に沿って所定の幅を有する円弧状の傾斜面43が設けられている。
【0050】
前記傾斜面43は、前記ヒンジ軸34の中心から前記蓋部3の前面31に向かう水平線に対して外周に沿って上方に15度進んだ場所に位置する始点から、前記ヒンジ軸34の中心から前記本体部2’の背面5に向かう水平線に対して外周に沿って上方に50度進んだ場所に位置する終点に向かって、前記側面33から離れるように傾斜しながら延伸されており、前記傾斜面43において終点が前記側面33から最も離れた状態となっている。そして、前記傾斜面43の終点には内側へと突出する凸部44が設けられている。
【0051】
前記蓋部3’の前面31の内側の面に水平方向に突出する2つの第2の凸部45を設けている。前記第2の凸部45は、
図16に示すように、前記蓋部3’を閉じた時に、前記本体部2’の前面4に接触する程度の突出量であり、前記前面4に設けられた2つの前記第1の凸部42の上方に位置するようにそれぞれ配置されている。そして、前記第2の凸部45の周囲には、
図13に示すように、正面視が略U字状の切り欠きが設けられており、つまり、矩形の底辺および両側辺が、前記蓋部3’から切り欠かれており、上辺だけが前記蓋部3’と接続した状態で前記蓋部3’と一体に形成されている。これにより、前記第2の凸部45は、前記蓋部3’と接続された部分を支点として弾性変形可能な構造を有している。
【0052】
第2の施形態の薄葉紙ディスペンサー1’における蓋部3’の回動に伴う、各部材の動作について説明する。前記蓋部3’を、
図16に示すような前記本体部2’の開口9を閉じた状態から、前記本体部2’の開口9を開くように回動させると、
図17に示すように、前記蓋部3’の第2の凸部45が前記本体部2’の第1の凸部42と当接することになる。これにより、前記蓋部3’の回動は一時的に停止され、前記開口9が少し開いた状態となる。前記蓋部3’を回動させると、前記傾斜面43も共に回動しているが、前記本体部2’の突起41は、前記蓋部3’の側面33の内側の面と接しているだけで、
図17に示すように、前記傾斜面43とは当接していない。
【0053】
前記蓋部3’の停止を解除するために、
図17の状態から、前記蓋部3’に力を加えて回動させると、前記第2の凸部45が、
図18に矢印で示す方向に、弾性変形する。その後、前記第2の凸部45が弾性変形しながら前記第1の凸部42と当接した状態で、乗り越えるように移動することになる。この時、前記蓋部3’の傾斜面43の始点が、前記本体部2’の突起41と当接し、その後、前記傾斜面43の表面に前記本体部2’の突起41が接触しながら、前記傾斜面43の終点が前記突起41に向かって移動することになる。
【0054】
図19に示すように、前記第2の凸部45が弾性変形して前記第1の凸部42を乗り越えると、前記第2の凸部45の弾性変形は解除されて元の状態に戻る。その後、前記蓋部3’は力を加えなくても自重によって回動することになる。この時、前記傾斜面43は、表面が前記突起41と接触した状態で移動しているが、前記傾斜面43の傾斜によって、前記蓋部3’の2つの側面33に力が加えられて外側へと膨らむように変形する。
【0055】
図18から
図20へと、前記蓋部3’の傾斜面43が、前記本体部2’の突起41と接触しながら移動している時に、前記蓋部3’を回動させている力は、前記傾斜面43を介して前記蓋部3’の側面33を外側へと変形させる力に徐々に変換され、同時に、前記傾斜面43と前記突起41との摩擦力に変換されることになり、その結果、前記蓋部3’の回動速度は徐々に低下される。そして、
図20に示すように、前記蓋部3’の前面31の下端が、前記本体部2’の底面7と当接して、前記蓋部3’の回動が停止される時には、前記蓋部3’の回動速度は、大幅に減速されており、前記蓋部3’と前記本体部2’との衝突による衝撃は大幅に低減されることになる。
【0056】
このように、本発明の薄葉紙ディスペンサー1,1’は、本体部2,2’と蓋部3,3’に傾斜面と突起を設けることで、前記蓋部3,3’の回動速度を減速させることができ、また、第1の凸部と第2の凸部のいずれかを弾性変形可能な構造とすることで、蓋部3,3’の回動を一時停止させることができる。これにより、本発明の薄葉紙ディスペンサー1,1’は、耐久性が増加し、使い易さも向上させることができる。