特許第6750851号(P6750851)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6750851
(24)【登録日】2020年8月17日
(45)【発行日】2020年9月2日
(54)【発明の名称】骨組構造物
(51)【国際特許分類】
   E04H 15/34 20060101AFI20200824BHJP
   E04B 1/343 20060101ALI20200824BHJP
【FI】
   E04H15/34 Z
   E04B1/343 B
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-94981(P2016-94981)
(22)【出願日】2016年5月11日
(65)【公開番号】特開2017-203287(P2017-203287A)
(43)【公開日】2017年11月16日
【審査請求日】2019年4月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】500094381
【氏名又は名称】株式会社サンエープロテント
(74)【代理人】
【識別番号】100129540
【弁理士】
【氏名又は名称】谷田 龍一
(74)【代理人】
【識別番号】100082474
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 丈夫
(72)【発明者】
【氏名】高山 敏彦
【審査官】 松本 隆彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−209613(JP,A)
【文献】 特開2002−013318(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0325931(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H15/00−15/64
E04B1/343
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱材及び柱材の上端部に連結された屋根材から成り、前後方向に所定の間隔を置いて配設された複数の主骨体と、前後方向に隣接する主骨体間に設けられ、前後方向に隣接する主骨体を連結する複数の連結体とを備え、大型のテント倉庫や仮設テントの幕体張設用躯体として使用される骨組構造物であって、前記主骨体の柱材は、縦向き姿勢で対向状に配置された左右の縦材と、左右の縦材同士を連結する複数の斜材と、左右の縦材の下端部同士を連結する下部横材と、下部横材の下端面に設けられ、鉄筋コンクリート製の基礎の上面に当接して基礎に埋設固定されたアンカーボルトに固定されるとともに、左右の縦材の間隔よりも小さい大きさの柱ベースと、左右の縦材の下端部にそれぞれ設けられ、左右の縦材の高さを調整する高さ調整手段とを備えていることを特徴とする骨組構造物。
【請求項2】
前記柱ベースは、下部横材の中央部下端面に水平姿勢で固定されており、下部横材の両端部下端面と鉄筋コンクリート製の基礎の上面との間に隙間が形成されて柱材を左右方向へ揺動できる大きさに設定されていることを特徴とする請求項1に記載の骨組構造物。
【請求項3】
前記高さ調整手段は、各縦材の下端部に設けたナットと、ナットに上下方向へ移動調整自在に螺挿され、頭部が鉄筋コンクリート製の基礎の上面に当接するボルトとから成ることを特徴とする請求項1に記載の骨組構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、資材置き場、商品保管庫、臨時倉庫、仮設倉庫、仮設店舗等として利用される大型のテント倉庫や仮設テント等の幕体張設用躯体として使用される骨組構造物に係り、特に、地面に構築した鉄筋コンクリート製の基礎の上面にアンカーボルト等により固定される骨組構造物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、大型のテント倉庫や仮設テント等の幕体張設用躯体として使用される骨組構造物としては、例えば、本件出願人が先に開発した特開平09−209613号公報に開示されたテントハウスの骨組構造物が知られている。
【0003】
即ち、前記骨組構造物は、図示していないが、左右対向状に配設した柱材及び柱材の上端部に斜め横向き姿勢で連結された屋根材により門型の主骨体を形成し、この門型の主骨体を前後方向に所定の間隔を置いて複数配設すると共に、前後方向に隣接する門型の主骨体を筋交及び桁材等の連結体で連結したものである。
【0004】
しかし、前記骨組構造物は、自重により接地面に自立させ、必要に応じて杭等により接地面に固定されるだけであったので、強風等の大きな外力が作用した場合には、転倒する危険性があった。
【0005】
また、前記骨組構造物は、主としてコンクリートやアスファルト等で舗装された硬くて平滑な接地面に設置されるように考えられており、柱材の接地面積が比較的小さく設計されていたので、建設現場等のように軟弱で凹凸がある接地面には、容易に設置できなかった。
【0006】
一方、この種の骨組構造物においては、地面に構築した鉄筋コンクリート製の基礎の上面にアンカーボルト等により固定するものがある。
【0007】
即ち、前記骨組構造物は、図5及び図6に示す如く、主骨体の柱材30の下端に柱材30の幅よりも大き目に形成された長方形の板状の柱ベース31を水平姿勢で固定し、鉄筋コンクリート製の基礎32に埋設固定した複数本のアンカーボルト33を前記柱ベース31に挿通し、柱ベース31を二重ナット34で締め付けることにより基礎32の上面に固定されるようになっている。
【0008】
而して、大型の前記骨組構造物を現場において構築する際には、図示していないが、先ず、主骨体の柱材を鉄筋コンクリート製の基礎の所定の位置にアンカーボルト及び二重ナットで固定しながら建てて行くと共に、前後方向に隣接する柱材を筋交及び桁材等の連結体で連結して丁度作業用足場のように自立させる。次に、地上において主骨体の屋根材を左右の柱材の間隔と同じ間隔になるように組み立てると共に、組み立てた屋根材を柱材の前後方向の間隔と同じ間隔になるように前後方向に並べ、前後方向に隣接する複数の屋根材を筋交及び桁材等の連結体で連結して一つのブロックとする。その後、一つのブロックとした屋根材をクレーン等で持ち上げ、屋根材の両端部を左右の柱材の上端部にそれぞれ連結する。以下同様にして、一つのブロックとした屋根材を順次左右の柱材の上端部に連結して行き、屋根材により屋根を形成するようにしている。
【0009】
このように、大型の骨組構造物においては、複数の屋根材を地上で組み立てて一つのブロックとし、一つのブロックとした屋根材をクレーン等で持ち上げ、屋根材の両端部を左右の柱材の上端部にそれぞれ連結するようにしている。
【0010】
しかしながら、前記骨組構造物においては、地面に構築した鉄筋コンクリート製の基礎32の上面が水平に形成されていないと、基礎32の上面に建てた左右の柱材30が少し傾いた状態で設置されることになり、この場合には、左右の柱材30の上端部間の距離と屋根材(図示省略)の両端部間の距離が同じ寸法にならない。特に、大型の骨組構造物では、左右の柱材32がほんの少し傾いただけでも、左右の柱材30の上端部間の距離が所定の寸法から大きく外れることになる。
【0011】
その結果、左右の柱材30の上端部と屋根材の両端部の位置決めに手数がかかり、柱材30と屋根材の連結を簡単且つ容易に行えず、骨組構造物の構築に多大な時間と労力を要すると言う問題があった。最悪の場合には、柱材30と屋根材を連結できないこともあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平09−209613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、鉄筋コンクリート製の基礎の上面が水平に形成されていなくても、骨組構造物を構成する柱材を基礎の上面に鉛直姿勢で建てることができ、柱材と屋根材の連結を円滑且つスムースに行えるようにした骨組構造物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明に係る骨組構造物は、柱材及び柱材の上端部に連結された屋根材から成り、前後方向に所定の間隔を置いて配設された複数の主骨体と、前後方向に隣接する主骨体間に設けられ、前後方向に隣接する主骨体を連結する複数の連結体とを備え、大型のテント倉庫や仮設テントの幕体張設用躯体として使用される骨組構造物であって、前記主骨体の柱材は、縦向き姿勢で対向状に配置された左右の縦材と、左右の縦材同士を連結する複数の斜材と、左右の縦材の下端部同士を連結する下部横材と、下部横材の下端面に設けられ、鉄筋コンクリート製の基礎の上面に当接して基礎に埋設固定されたアンカーボルトに固定されるとともに、左右の縦材の間隔よりも小さい大きさの柱ベースと、左右の縦材の下端部にそれぞれ設けられ、左右の縦材の高さを調整する高さ調整手段とを備えていることを特徴とする。
【0015】
前記柱ベースは、下部横材の中央部下端面に水平姿勢で固定されており、下部横材の両端部下端面と鉄筋コンクリート製の基礎の上面との間に隙間が形成されて柱材を左右方向へ揺動できる大きさに設定されていることが好ましい。
【0016】
前記高さ調整手段は、各縦材の下端部に設けたナットと、ナットに上下方向へ移動調整自在に螺挿され、頭部が鉄筋コンクリート製の基礎の上面に当接するボルトとから成ることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の骨組構造物は、柱材を構成する左右の縦材の下端部同士を連結する下部横材の中央部下端面に、鉄筋コンクリート製の基礎に埋設固定されたアンカーボルトに固定される左右の柱材の間隔よりも小さい大きさの柱ベースを水平姿勢で固定し、左右の縦材の下端部に左右の縦材の高さを調整する高さ調整手段をそれぞれ設ける構成としているため、柱材が鉄筋コンクリート製の基礎の上面で柱ベースを中心にして左右方向へ揺動できると共に、柱材の左右の縦材が高さ調整手段により鉄筋コンクリート製の基礎の上面に高さ調整自在に支持されることになる。
その結果、本発明の骨組構造物は、鉄筋コンクリート製の基礎の上面が水平に形成されていなくても、左右の縦材の下端部にそれぞれ設けた高さ調整手段を調整することにより基礎の上面に建てた柱材の傾きを調整することができ、柱材を基礎の上面に鉛直姿勢で建てることができる。
従って、本発明の骨組構造物は、左右の柱材の上端部間の距離が屋根材の両端部間の距離と同じ寸法になり、柱材と屋根材の連結を円滑且つスムースに行え、骨組構造物の構築に多大な時間と労力を要すると言うことがない。
【0018】
また、本発明の骨組構造物は、高さ調整手段がナット及びボルトから成るため、構造も簡単で低コストで提供することができると共に、左右の縦材の下端部に取り付けても邪魔になることもない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る骨組構造物の一実施形態を示し、大型のテント倉庫の幕体張設用躯体を構成した場合の骨組構造物の一部省略正面図である。
図2】同じく骨組構造物の主骨体を構成する柱材と屋根材を分離した状態の要部の拡大正面図である。
図3】同じく骨組構造物の要部の拡大図である。
図4図3のA−A線断面図である。
図5】従来の骨組構造物の要部の拡大図である。
図6図5のB−B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1図4は本発明の一実施形態に係る骨組構造物を示し、当該骨組構造物は、例えば、資材置き場、商品保管庫、臨時倉庫、仮設倉庫、仮設店舗等として利用される大型のテント倉庫の幕体張設用躯体として使用されるものであり、左右方向に配置された柱材1及び左右の柱材1の上端部に着脱自在に連結された屋根材2から成り、前後方向に所定の間隔を置いて配設された複数の主骨体3と、前後方向に隣接する主骨体3の柱材1間及び屋根材2間に着脱自在に設けられ、前後方向に隣接する主骨体3を連結する筋交等の連結体とを備えている。
【0021】
尚、ここで左右方向とは、骨組構造物の幅方向(図1及び図2の左右方向)を言い、前後方向とは、骨組構造物の奥行方向(図1及び図2の前後方向)を言う。
【0022】
前記骨組構造物は、地面に構築した鉄筋コンクリート製の基礎4の上面にアンカーボルト5及び二重ナット6により固定されており、骨組構造物全体を幕体(図示省略)で覆うことによりテント倉庫に構成される。
【0023】
尚、地面に構築した鉄筋コンクリート製の基礎4は、図1図3に示す如く、捨てコンクリート7、コンクリート8、上主筋9、下主筋10、あばら筋11、アンカーボルト5等から成り、従来公知のものと同様構造に構成されている。また、アンカーボルト5は、基礎4に埋設固定される固定部5aと、基礎4の上面から上方へ突出するボルト部5bとを備えており、ボルト部5bには、二重ナット6が着脱自在に螺着されるようになっている。
【0024】
前記骨組構造物の主骨体3は、図1に示す如く、左右方向に所定の間隔を置いて配設された起立姿勢の左右の柱材1と、左右の柱材1の上端部に着脱自在に連結された山形の屋根材2とから構成されており、両流れタイプの骨組構造物となるように門型に形成されている。
【0025】
具体的には、前記左右の柱材1は、図1及び図2に示す如く、断面形状が四角形の金属製のパイプ部材により形成され、縦向き姿勢で対向状に配置された左右の縦材12と、断面形状が円形の金属製のパイプ部材により形成され、左右の縦材12を連結する複数の斜材13(ラチス材)と、左右の縦材12を連結する鋼板製の横材14と、左右の縦材12の上端部同士を連結する鋼板製の上部横材15と、左右の縦材12の下端部同士を連結する鋼板製の下部横材16と、下部横材16に固定された鋼材製の柱ベース17と、左右の縦材12の下端部にそれぞれ設けられ、左右の縦材12の高さを調整する高さ調整手段18等を備えている。
【0026】
前記柱ベース17は、図3及び図4に示す如く、鋼材により平面形状が矩形状に形成されており、下部横材16の中央部下端面に溶接により水平姿勢で固定され、鉄筋コンクリート製の基礎4の上面に面接触状態で当接するようになっている。また、柱ベース17には、基礎4に埋設固定されたアンカーボルト5のボルト部5aが挿通されるボルト挿通孔17aが二箇所形成されている。このボルト挿通孔17aは、下部横材16の両面側に位置するように柱ベース17に形成されている。
【0027】
従って、柱ベース17を設けた左右の柱材1は、柱ベース17の二つのボルト挿通孔17aにアンカーボルト5のボルト部5bをそれぞれ挿通し、ボルト部5bに座金28を介して二重ナット6を螺着することにより鉄筋コンクリート製の基礎4の上面に固定されることになる。
【0028】
尚、柱ベース17の大きさは、下部横材16の両端部下端面と鉄筋コンクリート製の基礎4の上面との間に隙間が形成されて柱材1を左右方向へ若干量だけ揺動できる大きさに設定されている。この実施形態においては、柱ベース17の大きさ(左右方向の幅)は、左右の縦材12の間隔の略1/3〜1/4程度の大きさに設定されている。
【0029】
前記高さ調整手段18は、図3及び図4に示す如く、縦材12の下端に溶接により水平姿勢で固定され、縦材12の下端開口を閉塞する鋼板製の支持板18aと、支持板18aの上面(又は下面)に溶接により固定され、支持板18aに形成した貫通孔に合致する雌ネジ穴を有するナット18bと、ナット18bに上下方向へ移動調整自在に螺挿され、頭部が下向きのボルト18cとから成り、ボルト18cを回転させてナット18bに対する高さ位置を変え、ボルト18cの頭部を鉄筋コンクリート製の基礎4の上面に当接させることにより左右の縦材12の高さを調整することができる。
【0030】
一方、前記屋根材2は、図1及び図2に示す如く、断面形状が四角形の金属製のパイプ部材により形成され、上下に配置された上弦材19及び下弦材20と、断面形状が円形の金属製のパイプ部材により形成され、上弦材19及び下弦材20を連結する複数の斜材21(ラチス材)と、上弦材19及び下弦材20を連結する鋼板製の鉛直材22と、上弦材19に連設されて下向きに折り曲げられた外側連結材19aと、断面形状が四角形の金属製のパイプ部材により形成され、上弦材19及び下弦材20に連結された鉛直姿勢の内側連結材23と、外側連結材19a及び内側連結材23の下端部同士を連結する鋼板製の取付板24と、断面形状が四角形の金属製のパイプ部材により形成され、外側連結材19aと内側連結材23との間に設けた補強材25等を備えている。
【0031】
そして、上述した主骨体3においては、柱材1と屋根材2との間に、柱材1の上端部と屋根材2の下端部を着脱自在に連結する連結手段26が設けられている。
【0032】
前記連結手段26は、図1に示す如く、柱材1の上部横材15及び屋根材2の取付板24に面接触状態で当接する長方形状の鋼板製の連結板26aと、上部横材15と連結板26a、取付板24と連結板26aをそれぞれ締め付け固定するボルト・ナットから成る複数の緊締具26bとから構成されている。
【0033】
また、前後方向に隣接する主骨体3同士を連結する連結体は、X形状の複数の側面筋交(図示省略)と、X形状の複数の屋根面筋交(図示省略)と、パイプ材により形成された複数の梁材27とから成る。
【0034】
而して、上述した骨組構造物を現場において構築する際には、図示していないが、先ず、主骨体3の柱材1を鉄筋コンクリート製の基礎4の上面に左右一対の状態で且つ前後方向に所定の間隔を空けてアンカーボルト5及び二重ナット6により固定しながら建てて行くと共に、前後方向に隣接する柱材1を側面筋交(図示省略)及び梁材27等の連結体で連結して丁度作業用足場のように自立させる。このとき、左右の柱材1は、左右の縦材12の下端部に設けた高さ調整手段18により傾きを調整し、基礎4の上面に鉛直姿勢で建てる。また、左右の柱材1は、先に高さ調整手段18により傾きを調整してから、アンカーボルト5及び二重ナット6により鉄筋コンクリート製の基礎4の上面に固定する。
【0035】
次に、地上において主骨体3の屋根材2を左右の柱材1の間隔と同じ間隔になるように組み立てると共に、組み立てた屋根材2を柱材1の前後方向の間隔と同じ間隔になるように前後方向に並べ、前後方向に隣接する複数の屋根材2を屋根面筋交(図示省略)及び梁材27等の連結体で連結して一つのブロックとする。
【0036】
その後、一つのブロックとした屋根材2をクレーン等で持ち上げ、屋根材2の両端部を左右の柱材1の上端部に連結手段26によりそれぞれ連結する。
【0037】
以下同様にして、一つのブロックとした屋根材2を順次左右の柱材1の上端部に連結して行き、屋根材2により屋根を形成する。
【0038】
前記骨組構造物は、柱材1を構成する左右の縦材12の下端部同士を連結する下部横材16の中央部下端面に、左右の縦材12の間隔の略1/3〜1/4程度の大きさの柱ベース17を水平姿勢で固定し、左右の縦材12の下端部に左右の縦材12の高さを調整する高さ調整手段18をそれぞれ設ける構成としているため、柱材1が鉄筋コンクリートの基礎4の上面で柱ベース17を中心にして左右方向へ揺動でき、また、柱材1の左右の縦材12が高さ調整手段18により鉄筋コンクリート製の基礎4の上面に高さ調整自在に支持されることになる。
その結果、前記骨組構造物は、鉄筋コンクリート製の基礎4の上面が水平に形成されていなくても、左右の縦材12の下端部に設けた高さ調整手段18を調整することにより基礎4の上面に建てた柱材1の傾きを調整することができ、柱材1を基礎4の上面に鉛直姿勢で建てることができる。
【0039】
従って、前記骨組構造物は、左右の柱材1の上端部間の距離が屋根材2の両端部間の距離と同じ寸法になり、柱材1と屋根材2の連結を円滑且つスムースに行え、骨組構造物の構築に多大な時間と労力を要すると言うことがない。
【0040】
尚、上記の実施形態においては、左右の縦材12、上弦材19、下弦材20、外側連結材19a、内側連結材23、補強材25を角パイプにより形成し、斜材13,21を丸パイプにより形成したが、他の実施形態においては、左右の縦材12、上弦材19、下弦材20、外側連結材19a、内側連結材23、補強材25を丸パイプにより形成し、斜材13,21を角パイプにより形成しても良く、また、左右の縦材12、上弦材19、下弦材20、外側連結材19a、内側連結材23、補強材25、斜材13,21を中実材により形成しても良い。
【0041】
また、上記の実施形態においては、横材14、上部横材15、下部横材16、鉛直材22、取付板24を鋼板製の板材により形成したが、他の実施形態においては、横材14、上部横材15、下部横材16、鉛直材22、取付板24を角パイプや丸パイプ、中実材により形成しても良い。
【0042】
更に、上記の実施形態においては、骨組構造物の屋根材2を山形に形成したが、他の実施形態においては、骨組構造物の屋根材2を水平に形成しても良い。
【0043】
更に、上記の実施形態においては、柱材1を左右の縦材12、斜材13、横材14、上部横材15、下部横材16等から構成し、屋根材2を上弦材19、下弦材20、斜材21、鉛直材22等から構成したが、柱材1及び屋根材2の構造は、如何なる構造であっても良い。
【0044】
更に、上記の実施形態においては、柱ベース17を鋼材により形成した厚肉の矩形板状としたが、柱ベース17の形状及び大きさは、上記の実施形態に係るものに限定されるものではなく、柱材1を鉄筋コンクリート製の基礎4の上面で左右方向へ揺動できるように支持することができれば、如何なる形状及び大きさのものであっても良い。
【0045】
更に、上記の実施形態においては、縦材12の下端に支持板18aにナット18bを固定したが、他の実施形態においては、支持板18aを省略し、ナット18bを直接縦材12の下端部に溶接により固定し、高さ調整手段18をナット18bとボルト18cとから構成しても良い。
【符号の説明】
【0046】
1は柱材
2は屋根材
3は主骨体
4は基礎
5はアンカーボルト
12は縦材
13は斜材
16は下部横材
17は柱ベース
18は高さ調整手段
18bはナット
18cはボルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6