(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ピレスロイドとして、ビフェントリン、ペルメトリン、シフェノトリン、エトフェンプロックス、シラフルオフェンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の殺生物剤。
前記カルボン酸亜鉛として、2−エチルヘキサン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、バーサチック酸亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の殺生物剤。
前記グリコール系エーテルが、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の殺生物剤。
【背景技術】
【0002】
従来、木質系材料(製材、集成材、単板積層材(LVL)等を指し、以下「木材」と記載する)を生物劣化から保護して長期間保存するために、木材保存処理が行われている。木材保存処理には木材保存剤として殺生物剤が用いられ、殺生物剤の木材表面への塗布や吹き付け、浸漬、加圧注入等の手法により保存処理が施される。このとき、保存処理が施された木材において、処理された部分を判別するために、殺生物剤に予め着色剤を添加することや、処理された木材上の有効成分(殺生物成分)を特定の試薬と反応させて発色させることが行われている。
【0003】
しかし、有効成分を発色させることが化学的に難しく、かつ、無色の処理材が要求される場合には、化学反応によって発色可能な無色のマーカーを薬剤の副成分として添加する必要がある。マーカーとして使用される副成分の代表例として、カルボン酸亜鉛が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1には、木材への薬剤含浸方法において、バーサチック酸亜鉛を含む薬剤を木材に含浸させた後に木材を切断して、その切断面に、亜鉛の比色試薬であるジチゾンのアセトン溶液を塗布して発色させ、含浸状態を確認することが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、殺生物剤にピレスロイドが含まれる場合、カルボン酸亜鉛の影響によってピレスロイドが分解されることがあり、このような殺生物剤は、長期間保管することが難しく、長期間保管すると、薬剤の殺生物効果が低くなることがあるという問題があった。
【0007】
従って、本発明は、上記のような問題点に着目し、ピレスロイドが含まれる殺生物剤において、カルボン酸亜鉛が含まれていても、ピレスロイドの分解が抑制される殺生物剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の殺生物剤は、ピレスロイドと、カルボン酸亜鉛と、カルボン酸と、グリコール系エーテルと、を含有することを特徴とする。
【0009】
本発明の殺生物剤においては、前記ピレスロイドとして、ビフェントリン、ペルメトリン、シフェノトリン、エトフェンプロックス、シラフルオフェンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有することが好ましい。
【0010】
本発明の殺生物剤においては、前記カルボン酸亜鉛として、2−エチルヘキサン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、バーサチック酸亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有することが好ましい。
【0011】
本発明の殺生物剤においては、前記カルボン酸が、前記カルボン酸亜鉛を構成するカルボン酸であることが好ましい。
【0012】
本発明の殺生物剤においては、前記カルボン酸亜鉛と前記カルボン酸との含有比率が1.0:1.0〜8.0:1.0の範囲であることが好ましい。
【0013】
本発明の殺生物剤においては、前記グリコール系エーテルが、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の殺生物剤において、カルボン酸亜鉛とカルボン酸とが含まれることにより、ピレスロイドの分解を抑制することができ、より長い期間にわたって、高い殺生物効果を保つことができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態にかかる殺生物剤について説明する。本実施形態の殺生物剤は、防蟻性、防虫性を有し、生物による劣化から木質系材料(製材、集成材、単板積層材(LVL)等、以下「木材」と記載する)を保護して長期間保存する目的で木材保存処理を施すための木材保存剤として用いられる。
【0016】
また、本実施形態の殺生物剤は、ピレスロイドと、カルボン酸亜鉛と、カルボン酸と、グリコール系エーテルと、を含有する。また、必要に応じて、他の成分を含有する。
【0017】
本実施形態の殺生物剤には、ピレスロイドとして、殺生物効果を有するものであれば特に限定されないが、ビフェントリン、ペルメトリン、シフェノトリン、エトフェンプロックス、シラフルオフェン、アレトリン、アルファメトリン、エンペントリン、プロフルトリン、テフルトリン,トラロメトリン、メトフルトリン、フェノトリン、イミプロトリン、フタルスリン、ピレトリン、プラレトリン、フラメトリン、ジメフルトリン、プロフルスリン、テフルスリン、バイオアレスリン、エスビオスリン、ビオレスメトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、デカメトリン、シハロトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、テフルトリン、レスメトリン、フェンプロパトリン、フェンフルトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルムトリン、フルバリネート、レスメトリン等の、天然ピレスロイド及び合成ピレスロイドを用いることができ、特にビフェントリン、ペルメトリン、シフェノトリン、エトフェンプロックス、シラフルオフェンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有することが好ましい。ピレスロイドは、本実施形態の殺生物剤において、殺生物成分として用いられ、木材を劣化させる害虫に対する一般的な殺虫成分である。また、殺生物剤に対するピレスロイドの含有割合は、木材保存剤として有効な濃度であればよく、濃縮液、希釈液の状態を含めて、一般的に、0.01質量%〜30質量%程度とすることができる。
【0018】
また、殺生物剤にはカルボン酸亜鉛が含有され、以下の物質に限定されないが、2−エチルヘキサン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、バーサチック酸亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種以上が含有されることが好ましい。本実施形態の殺生物剤に用いられるカルボン酸亜鉛は、性質が大きく異なるものでなければ、ナフテン酸亜鉛やバーサチック酸亜鉛のように複数のカルボン酸亜鉛の混合物でもよい。本実施形態の殺生物剤に、カルボン酸亜鉛が含まれることにより、木材保存処理後のマーカーとして用いることができ、木材に木材保存処理が施されたかどうかを確認することができる。また、カルボン酸亜鉛は、本実施形態の殺生物剤において、殺生物成分としても機能することができる。
【0019】
また、殺生物剤はカルボン酸を含有し、以下に限定されないが、カルボン酸が殺生物剤に含まれるカルボン酸亜鉛を構成するカルボン酸であることが好ましい。本実施形態の殺生物剤に用いられるカルボン酸は、性質が大きく異なるものでなければ、ナフテン酸やバーサチック酸のように複数のカルボン酸の混合物でもよい。殺生物剤にカルボン酸が含有されることにより、ピレスロイドの分解を抑制することができる。ピレスロイドは、亜鉛イオンの影響により、分解されると考えられる。カルボン酸亜鉛とカルボン酸を含む本実施形態の殺生物剤の溶液系において、カルボン酸亜鉛はカルボン酸アニオンと亜鉛イオンとの解離平衡状態にあり、カルボン酸はカルボン酸アニオンと水素イオンとの解離平衡状態にあると考えられる。これにより、殺生物剤の溶液系において、カルボン酸アニオンの濃度が高くなり、亜鉛イオンが消費されてカルボン酸亜鉛が生成する方向に平衡状態が移動して、溶液系における亜鉛イオンの濃度が低くなり、ピレスロイドの分解反応が抑制されると推測される。
【0020】
また、殺生物剤に含まれるカルボン酸が、カルボン酸亜鉛を構成するカルボン酸であることにより、ピレスロイドの分解をより抑制することができる。亜鉛にカルボン酸アニオンが配位結合する場合、カルボン酸アニオンの配位し易さが重要となるが、錯生成定数が同じ(または、同程度の)カルボン酸の方が、錯生成定数が異なる複数のカルボン酸が溶液中に存在する場合よりもカルボン酸亜鉛を安定して生成することができると推測される。よって、カルボン酸亜鉛を構成するカルボン酸を用いることにより、溶液中のカルボン酸アニオンの錯生成定数が同じとなることからカルボン酸亜鉛が生成されやすくなり、溶液系における亜鉛イオンの濃度が低くなって、ピレスロイドの分解反応がより抑制されると推測される。
【0021】
また、殺生物剤に含まれるカルボン酸亜鉛とカルボン酸の含有比率は、1.0:1.0〜8.0:1.0の範囲であることが好ましく、1.0:1.0〜4.0:1.0であることがより好ましく、1.0:1.0〜2.0:1.0であることがさらに好ましい。カルボン酸亜鉛とカルボン酸の含有比率を適切に設定することにより、殺生物剤を保存している間のピレスロイドの分解をより抑制することができる。カルボン酸に対してカルボン酸亜鉛の量が多すぎる場合、殺生物剤の溶液系におけるカルボン酸アニオンの濃度が低くなり、カルボン酸亜鉛が生成する方向に平衡状態が移動し難くなって、殺生物剤の溶液系における亜鉛イオンの濃度を低くすることが難しくなると推測される。
【0022】
また、本実施形態の殺生物剤はグリコール系エーテルを含有し、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有することが好ましい。また、殺生物剤に対するグリコール系エーテルの含有割合は、濃縮液、希釈液の状態を含めて、一般的に、1質量%〜90質量%程度とすることができる。
【0023】
また、上記の成分以外に、殺生物剤の材料として、必要に応じて、殺生物剤としての性能や製剤安定性を損なわない範囲において、上記の成分を溶解するためや濃度を調整するための溶剤、他の殺生物成分、香料、着色剤等を用いてもよい。例えば、溶剤としては、ナフテン系溶剤、イソパラフィン系溶剤、パラフィン系溶剤、アルコール系溶剤(3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等)、ハロゲン系溶剤、エステル系溶剤(アジピン酸エステル、フタル酸エステル等)、芳香族系溶剤(1−フェニル−1−キシリルエタン等)、灯油等を用いることができる。
【0024】
本実施形態の殺生物剤が、ピレスロイドとカルボン酸亜鉛を含有し、さらに、カルボン酸を含有することにより、ピレスロイドの分解を抑制することができ、より長い期間にわたって、高い殺生物効果を保つことができる。
【0025】
本実施形態の殺生物剤の製造は、前述した殺生物剤の材料を混合、撹拌して、各成分を溶解させることにより製造することができる。なお、本発明の殺生物剤の製造方法は、上記の方法に限定されるものではなく、必要に応じて加温するなど殺生物剤の成分等により製造条件を変更したり、他の工程を追加したりして製造してもよい。
【0026】
次に、本実施形態の殺生物剤を用いた木材保存処理方法について説明する。
【0027】
まず、本実施形態の殺生物剤を木材保存剤としてそのまま使用するか、または、殺生物剤を必要に応じて適切な濃度に希釈して木材保存剤を調製する。希釈は、白灯油、イソパラフィン系溶剤、パラフィン系溶剤、ナフテン系溶剤、フッ素系溶剤等を希釈液として用いて行うことができる。「適切な濃度に希釈する」とは、希釈後の木材保存剤において、殺生物剤に含まれる殺生物成分が、有効な濃度で含まれる程度の倍率で希釈することを指す。次に、調製した木材保存剤を用いて、木材表面への塗布や吹き付け、浸漬、加圧注入等の方法により保存処理を行う。
【0028】
また、本実施形態の殺生物剤に含まれるカルボン酸亜鉛の亜鉛を呈色させることにより、木材に保存処理が施されているか、また、木材内部にどの程度殺生物剤が浸透しているかを判別することができる。亜鉛の呈色は、一般的に亜鉛の呈色反応に用いられる試薬、例えば、ジチゾン(1,5−ジフェニルチオカルバゾン、赤色に呈色)、PAN(1−(2−ピリジルアゾ)−2−ナフトール、赤色に呈色)、PAR(4−(2−ピリジルアゾ)レゾルシノール、赤色に呈色)、5−Br−PAPS(2−(5−ブロモ−2−ピリジルアゾ)−5−[N−n−プロピル−N−(3−スルホプロピル)アミノ]フェノール、赤紫色に呈色)等を保存処理を施した木材に塗布または噴霧等することにより行うことができる。なお、木材内部にどの程度殺生物剤が浸透しているかを確認するためには、保存処理を施した木材を周方向に切断して、その断面に呈色試薬を塗布または噴霧等する。これにより、殺生物剤が浸透している部分、すなわち、亜鉛が存在する部分のみが呈色し、浸透の程度を観察することができる。
【0029】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、成分、使用量、割合、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
【実施例】
【0030】
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、割合は質量割合を示すものとする。
【0031】
[殺生物剤の製造及び評価]
(実施例1)
まず、以下の材料を混合し、50℃に加温しながら撹拌して各成分を溶解させることにより殺生物剤を製造した。実施例1においては、ピレスロイドとしてビフェントリン、カルボン酸亜鉛として2−エチルヘキサン酸亜鉛、カルボン酸として2−エチルヘキサン酸、グリコール系エーテルとしてトリプロピレングリコールモノメチルエーテルを用いた。なお、殺生物剤の組成を表1に示した。
ビフェントリン 1.5%
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 75%
2−エチルヘキサン酸亜鉛 13%
2−エチルヘキサン酸 2%
ナフテン系溶剤 8.5%
【0032】
得られた殺生物剤を用いて、熱安定性試験を行った。熱安定性試験は、長期安定性試験の代替として、殺生物剤を加熱することによる加速劣化試験を行った。熱安定性試験の条件は、50℃、1か月間、及び、より長期間(1年以上)の保管を想定した、60℃、1か月間とした。また、アレニウス則による予測から、50℃、1か月間の熱安定性試験は、20℃、8か月の安定性試験に相当すると推定され、60℃、1か月間の熱安定性試験は、20℃、16か月の安定性試験に相当すると推定される。
【0033】
50℃、1か月間保存した殺生物剤について、ビフェントリンの残存率を確認した。ビフェントリンの残存率は、殺生物剤中のビフェントリン含有量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定して、熱安定性試験前のビフェントリン量に対する熱安定性試験後のビフェントリン量の割合を算出した値とした。また、HPLCの条件は、以下の通りとした。また、以下の条件で測定した場合、ビフェントリンの保持時間は8.7分であった。熱安定性試験におけるビフェントリンの残存率を表2に示した。
HPLCシステム Prominence(株式会社島津製作所製)
カラム Kinetex C18 4.6mm×150mm、粒子径5μm
(Phenomenex製)
ガードカラム SecurityGuard C18(Phenomenex製)
移動相A アセトニトリル:蒸留水=75:25(V/V)
移動相B アセトニトリル
カラム温度 40℃
UV測定波長 220nm
試料注入量 10μL
グラジエント条件及び流速
経過時間(分) 移動相A(vol%) 移動相B(vol%) 流速(mL/min)
0 〜 7.9 100% 0% 1.3
7.9〜 8.0 100%→0% 0%→100% 1.3
8.0〜 9.7 0% 100% 1.3
9.7〜11.9 0% 100% 2.0
11.9〜12.0 0%→100% 100%→0% 2.0
12.0〜14.0 100% 0% 2.0
14.0〜16.0 100% 0% 1.3
なお、グラジエント条件において、経過時間7.9分〜8.0分における移動相A濃度が「100%→0%」、移動相B濃度が「0%→100%」の記載は、経過時間7.9分〜8.0分の間に、移動相Aを100%から0%に連続的に変化させ、同時に、移動相Bを0%から100%に連続的に変化させることを示す。
【0034】
(実施例2〜15、比較例1〜5)
殺生物剤の材料を、表1に示した通りにしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。なお、グリコール系エーテルは、実施例2〜5、実施例10〜15、比較例1では実施例1と同様に、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、実施例6及び比較例2ではジエチレングリコールモノブチルエーテル、実施例7及び比較例3ではジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、実施例8及び比較例4ではジプロピレングリコールモノメチルエーテル、実施例9及び比較例5ではジプロピレングリコールモノブチルエーテルを用いた。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
[結果及び考察]
表1に示されたように、50℃で1か月間の安定性試験、及び、60℃で1か月間の安定性試験のいずれにおいても、カルボン酸を含有する実施例1〜15において、比較例に比べて、ビフェントリンの残存率が高く、ピレスロイドの分解が抑制されることが確認された。
【0038】
実施例3と、実施例10とを比較すると、カルボン酸として、カルボン酸亜鉛(2‐エチルヘキサン酸亜鉛)を構成する2−エチルヘキサン酸を用いた実施例3の方が、酢酸を用いた実施例10よりもビフェントリンの残存率が高かった。これにより、カルボン酸亜鉛を構成するカルボン酸を用いることにより、ピレスロイドの分解がより抑制されることが確認された。
【0039】
実施例1〜5と、実施例11〜15とを比較すると、殺生物剤におけるカルボン酸亜鉛(2−エチルヘキサン酸亜鉛)とカルボン酸(2−エチルヘキサン酸)の含有比率が1.0:1.0〜8.0:1.0の範囲にある実施例1〜5、14、15の方が、実施例11〜13よりも、ビフェントリンの残存率が高かった。これにより、カルボン酸亜鉛とカルボン酸の含有比率を適切な数値範囲に設定することにより、ピレスロイドの分解がより抑制されることが示された。
【0040】
また、実施例3と実施例6〜9とを比較すると、異なるグリコール系エーテルを用いた場合にも、いずれもビフェントリンの残存率が高く、ピレスロイドの分解が抑制されることが示された。
【0041】
以上の評価結果より、本発明の例示的態様である実施例1〜15においては、熱安定性試験によるピレスロイドの残存率が高く、殺生物剤が、ピレスロイドとカルボン酸亜鉛を含有し、さらに、カルボン酸を含有することにより、ピレスロイドの分解を抑制することができることが示された。