(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記物品の種類が同一のままで前記目標計量値が前記第1の値から前記第2の値に変更される場合において、前記第1の値よりも前記第2の値が小さいときに、前記搬送部に前記物品を残存させたまま全ての前記ホッパに前記物品を排出させる、請求項1に記載の組合せ計量装置。
前記制御部は、前記目標計量値が前記第1の値から前記第2の値に変更される場合において、前記第1の値よりも前記第2の値が大きいときには、前記第2の値を前記目標計量値として前記組合せ計量処理を実行する、請求項1又は2に記載の組合せ計量装置。
前記制御部は、前記物品の種類が変更される場合には、前記搬送部及び全ての前記ホッパに前記物品を排出させた後に、前記組合せ計量処理を実行する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組合せ計量装置。
前記制御部は、前記目標計量値が前記第1の値から前記第2の値に変更される場合において、前記第1の値よりも前記第2の値が小さいときには、前記組合せに対応する前記ホッパから排出された前記物品を包装する包装機に対し、全ての前記ホッパから排出された前記物品を包装させるための信号を出力する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組合せ計量装置。
前記制御部は、前記目標計量値が前記第1の値から前記第2の値に変更される場合において、前記第1の値よりも前記第2の値が小さいときには、前記第1の値を前記目標計量値として前記組合せ計量処理を実行していた場合よりも前記搬送部の送力を減少させて前記第2の値を前記目標計量値として前記組合せ計量処理を実行する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組合せ計量装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような組合せ計量装置では、例えば大袋製品から小袋製品への段取り替え時等に、物品の種類が同一のままで目標計量値が現在値よりも小さい値に変更される場合がある。その場合、大袋製品の生産に適した物品がホッパに貯留されるため、現在値よりも小さい値を目標計量値として組合せ計量処理が実行されると、オーバースケール等が発生し、適切な計量値の組合せの選択が不可能となるおそれがある。ここで、オーバースケール等とは、例えば複数ホッパ内に滞留する物品の質量の組合せが、予め設定される目標計量値を基準とする所定範囲内に含まれない場合を意味する。また、別の場合としては、1ホッパ内に滞留する物品の質量値が、組合せに係る目標値を基準とする所定範囲を超えている場合を意味する。そのような事態を回避するために、上述した全排出処理を実行し、その後に組合せ計量処理を実行することが考えられる。しかしながら、上記のような全排出処理した場合、物品の損失は、大きくなるおそれがある。
【0005】
そこで、本開示は、目標計量値が現在値よりも小さい値に変更される場合に物品の損失を低減できる組合せ計量装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態の組合せ計量装置は、物品を搬送する搬送部と、搬送部によって搬送された物品を一時的に貯留する複数のホッパと、ホッパに貯留された物品の質量に応じた計量値を計量する計量部と、計量部によって計量され且つ複数のホッパにそれぞれ対応付けられた複数の計量値から、合計値が目標計量値となるように計量値の組合せを選択し、当該組合せに対応するホッパに物品を排出させる組合せ計量処理を実行する制御部と、を備え、制御部は、目標計量値が第1の値から第2の値に変更される場合において、第1の値よりも第2の値が小さいときには、搬送部に物品を残存させたまま全てのホッパに物品を排出させた後に、第2の値を目標計量値として組合せ計量処理を実行する。
【0007】
この組合せ計量装置では、目標計量値が第1の値から第2の値に変更される場合において、第1の値よりも第2の値が小さいときには、搬送部に物品を残存させたまま全てのホッパに物品を排出させる。これにより、第2の値を目標計量値として組合せ計量処理を再開させた際に、搬送部に残存させられた物品を利用できる。よって、この組合せ計量装置によれば、目標計量値が現在値よりも小さい値に変更される場合に物品の損失を低減できる。
【0008】
本開示の一形態の組合せ計量装置では、制御部は、物品の種類が同一のままで目標計量値が第1の値から第2の値に変更される場合において、第1の値よりも第2の値が小さいときに、搬送部に物品を残存させたまま全てのホッパに物品を排出させてもよい。これにより、物品の種類が同一のままで目標計量値が現在値よりも小さい値に変更される場合に物品の損失を低減できる。なお、本開示において、物品の種類が同一とは、物品に関する性質のうち少なくとも搬送部の送力に影響を与える性質が同一であることを意味する。例えば、物品が味付けされたスナック菓子の場合、形状等が同一であっても、味付けに係る香辛料が異なれば物品の種類が同一ではないとされてもよい。また、物品が肉の場合、サイズが異なれば物品の種類が同一ではないとされてもよい。
【0009】
本開示の一形態の組合せ計量装置では、制御部は、目標計量値が第1の値から第2の値に変更される場合において、第1の値よりも第2の値が大きいときには、第2の値を目標計量値として組合せ計量処理を実行してもよい。これにより、第2の値を目標計量値として組合せ計量処理を再開させた際に、搬送部に残存させられた物品、及びホッパに貯留された物品を利用できる。
【0010】
本開示の一形態の組合せ計量装置では、制御部は、物品の種類が変更される場合には、搬送部及び全てのホッパに物品を排出させた後に、組合せ計量処理を実行してもよい。これにより、種類の異なる物品が混ざり合うことを抑制できる。
【0011】
本開示の一形態の組合せ計量装置では、制御部は、目標計量値が第1の値から第2の値に変更される場合において、第1の値よりも第2の値が小さいときには、組合せに対応するホッパから排出された物品を包装する包装機に対し、全てのホッパから排出された物品を包装させるための信号を出力してもよい。これにより、全てのホッパから排出された物品を包装機において包装できる。
【0012】
本開示の一形態の組合せ計量装置では、制御部は、目標計量値が第1の値から第2の値に変更される場合において、第1の値よりも第2の値が小さいときには、搬送部の送力を減少させてもよい。これにより、第2の値に応じた適切な量の物品をホッパに搬送できる。
【0013】
本開示の一形態の組合せ計量装置は、物品を搬送する搬送部と、搬送部によって搬送された物品を一時的に貯留する複数のホッパと、ホッパに貯留された物品の質量に応じた計量値を計量する計量部と、計量部によって計量され且つ複数のホッパにそれぞれ対応付けられた複数の計量値から、合計値が目標計量値となるように計量値の組合せを選択し、当該組合せに対応するホッパに物品を排出させる組合せ計量処理を実行する制御部と、を備え、制御部は、目標計量値が第1の値から第2の値に変更される場合において、第1の値よりも第2の値が小さいときには、搬送部に物品を残存させたまま、予め設定される条件に合致するホッパに物品を排出させた後に、第2の値を目標計量値として組合せ計量処理を実行する。
【0014】
この組合せ計量装置では、目標計量値が第1の値から第2の値に変更される場合において、第1の値よりも第2の値が小さいときには、搬送部に物品を残存させたまま、予め設定される条件に合致するホッパに物品を排出させる。これにより、第2の値を目標計量値として組合せ計量処理を再開させた際に、搬送部に残存させられた物品、及び物品を排出しなかったホッパに貯留された物品を利用できる。よって、この組合せ計量装置によれば、目標計量値が現在値よりも小さい値に変更される場合に物品の損失を低減できる。
【0015】
本開示の一形態の組合せ計量装置では、制御部は、目標計量値が第1の値から第2の値に変更される場合において、第1の値よりも第2の値が小さいときには、目標計量値が第2の値である場合にホッパに設定される目標値と、ホッパの計量値との比較に基づいて、物品を排出させるホッパを選択してもよい。これにより、物品を排出させるホッパを適切に選択できる。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、目標計量値が現在値よりも小さい値に変更される場合に物品の損失を低減できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
図1に示されるように、組合せ計量装置1は、投入シュート2と、分散フィーダ(搬送部)3と、複数の放射フィーダ(搬送部)4と、複数のプールホッパ5と、複数の計量ホッパ(ホッパ)6と、複数のブースタホッパ(ホッパ)7と、集合シュート8と、タイミングホッパ9と、計量部11と、制御部20と、を備えている。組合せ計量装置1は、搬送コンベア50によって供給される物品A(農産物、水産物、加工食品等のように、単体質量にばらつきのある物品)を目標計量値となるように計量して製袋包装機60に供給する。なお、製袋包装機60は、フィルムを所定容量の袋に成形しつつ、組合せ計量装置1によって計量されて供給された物品Aを袋詰めする。
【0020】
投入シュート2は、搬送コンベア50の搬送端50aの下方に配置される。投入シュート2は、搬送コンベア50の搬送端50aから落下した物品Aを受けて下方に排出する。
【0021】
分散フィーダ3は、投入シュート2の下方に配置される。分散フィーダ3は、下方に向かって末広がりの円錐状の搬送面3aを有する。分散フィーダ3は、搬送面3aを振動させることで、投入シュート2から搬送面3aの頂部に排出された物品Aを搬送面3aの外縁に向かって均一に搬送する。
【0022】
複数の放射フィーダ4は、分散フィーダ3の搬送面3aの外縁に沿って放射状に配置される。各放射フィーダ4は、搬送面3aの外縁の下方から外側に延在するトラフ4aを有する。各放射フィーダ4は、トラフ4aを振動させることで、搬送面3aの外縁から排出された物品Aをトラフ4aの先端部に向かって搬送する。
【0023】
分散フィーダ3及び放射フィーダ4の送力は、後述する制御部20によって制御される。ここでの送力は、搬送面3a及びトラフ4aにおける振動の振幅である。送力が小さい場合、振幅が小さくなり、物品Aの搬送量は、減少する。送力が大きい場合、振幅が大きくなり、物品Aの搬送量は、増加する。
【0024】
各プールホッパ5は、各放射フィーダ4のトラフ4aの先端部の下方に配置される。各プールホッパ5は、その底部に対して開閉可能なゲート5aを有する。各プールホッパ5は、ゲート5aを閉じることにより、対応するトラフ4aの先端部から排出された物品Aを一時的に貯留する。さらに、各プールホッパ5は、ゲート5aを開くことで、一時的に貯留した物品Aを下方に排出する。
【0025】
各計量ホッパ6は、各プールホッパ5のゲート5aの下方に配置される。各計量ホッパ6は、その底部に対して開閉可能なゲート6a及びゲート6bを有する。各計量ホッパ6は、ゲート6a及びゲート6bを閉じることにより、対応するプールホッパ5から排出された物品Aを一時的に貯留する。さらに、各計量ホッパ6は、ゲート6a又はゲート6bを開くことで、一時的に貯留した物品Aを下方に排出する。
【0026】
各ブースタホッパ7は、各計量ホッパ6のゲート6aの下方に配置される。各ブースタホッパ7は、その底部に対して開閉可能なゲート7aを有する。各ブースタホッパ7は、ゲート7aを閉じることにより、対応する計量ホッパ6のゲート6a側から排出された物品Aを一時的に貯留する。さらに、各ブースタホッパ7は、ゲート7aを開くことで、一時的に貯留した物品Aを下方に排出する。
【0027】
集合シュート8は、下方に向かって先細りの円錐台の内面8aを有する筒状の構成を有する。集合シュート8は、内面8aが全ての計量ホッパ6及び全てのブースタホッパ7の下方に位置するように配置される。集合シュート8は、各計量ホッパ6のゲート6b側から排出された物品A、及び各ブースタホッパ7から排出された物品Aを内面8aで受けて下方に排出する。
【0028】
タイミングホッパ9は、集合シュート8の下方に配置される。タイミングホッパ9は、その底部に対して開閉可能なゲート9aを有する。タイミングホッパ9は、ゲート9aを閉じることにより、集合シュート8から排出された物品Aを一時的に貯留する。さらに、タイミングホッパ9は、ゲート9aを開くことで、一時的に貯留した物品Aを製袋包装機60に排出する。
【0029】
計量部11は、フレーム12に支持されたケース13内に配置される。計量部11は、複数のロードセル11aを有する。各ロードセル11aは、対応する計量ホッパ6を支持する。計量部11は、各計量ホッパ6に物品Aが一時的に貯留される際に、当該物品Aの質量に応じた計量値を計量する。
【0030】
制御部20は、ケース13内に配置される。制御部20は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有する。制御部20は、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送動作、各プールホッパ5のゲート5aの開閉動作、各計量ホッパ6のゲート6a及びゲート6bの開閉動作、各ブースタホッパ7のゲート7a開閉動作、並びに各タイミングホッパ9のゲート9a等、組合せ計量装置1の各部の動作を制御する。なお、制御部20は、製袋包装機60と通信可能に接続される。
【0031】
制御部20は、計量部11によって計量された計量値と、当該計量値に対応する物品Aが貯留される計量ホッパ6及び/又はブースタホッパ7とを対応付けて記憶する。具体的には、制御部20は、計量部11によって計量された物品Aが計量ホッパ6に貯留される場合、計量部11によって計量された計量値と、当該計量値に対応する物品Aを貯留する計量ホッパ6とを対応付けて記憶する。計量部11によって計量された物品Aが当該計量ホッパ6に対応するブースタホッパ7に排出された場合、制御部20は、計量部11によって計量された物品Aの計量値と、当該計量ホッパ6に対応するブースタホッパ7とを対応付けて記憶する。
【0032】
制御部20は、計量部11によって計量され且つ複数の計量ホッパ6及び/又はブースタホッパ7にそれぞれ対応付けられた複数の計量値から、合計値が目標計量値となるように計量値の組合せを選択する。具体的には、制御部20は、計量部11によって出力された複数の計量値から、目標計量値を下限値とする所定範囲内に合計値が収まるように計量値の組合せを選択する。そして、制御部20は、当該組合せに対応する計量ホッパ6及び/又はブースタホッパ7に物品Aを排出させる。以下、この一連の処理を組合せ計量処理という。
【0033】
なお、投入シュート2、分散フィーダ3、複数の放射フィーダ4、複数のプールホッパ5及び複数の計量ホッパ6は、ケース13に直接的に又は間接的に支持される。複数のブースタホッパ7、集合シュート8及びタイミングホッパ9は、フレーム12に直接的に又は間接的に支持される。
【0034】
図2を参照して、組合せ計量装置1において実行される処理を説明する。なお、後述する第1の指示入力、第2の指示入力及び再開指示入力等は、組合せ計量装置1が備える入力部(図示省略)を介して制御部20に入力される。この入力部は、使用者からの指示に関する入力を受け付けるタッチパネル等のマンマシンインターフェース部である。
【0035】
組合せ計量装置1の動作の開始後、制御部20は、上述した組合せ計量処理を実行する(ステップS1)。組合せ計量処理の実行中、制御部20は、物品Aの種類が同一のままで目標計量値が第1の値(現在値)から第2の値に変更される第1の指示入力を入力部が受け付けた否かを判定する(ステップS2)。判定の結果、第1の指示入力を受け付けたと判定した場合(ステップS2でYES)、ステップS3に進み、第1の指示入力を受け付けていないと判定した場合(ステップS2でNO)、ステップS8に進む。
【0036】
ステップS3では、制御部20は、第1の値が第2の値よりも小さいか否かを判定する。判定の結果、第1の値が第2の値よりも小さいと判定した場合(ステップS3でYES)、ステップS4に進み、第1の値が第2の値よりも大きいと判定した場合(ステップS3でNO)、ステップS7に進む。
【0037】
ステップS4では、制御部20は、製袋包装機60に対し、全てのプールホッパ5、全ての計量ホッパ6、全てのブースタホッパ7、及びタイミングホッパ9(以下、これらのホッパを「全ての計量ホッパ6及びブースタホッパ7等」という場合がある)から物品が排出される旨を示す信号を出力する。製袋包装機60は、当該信号を受け付けると、例えば、全ての計量ホッパ6及びブースタホッパ7等から排出された物品Aが包装されるように、組合せ計量処理が実行される際よりも容量が大きい袋を成形する。
【0038】
続いて、制御部20は、分散フィーダ3及び放射フィーダ4に物品Aを残存させたまま、全ての計量ホッパ6及びブースタホッパ7等に物品Aを排出させる第1の排出処理を実行する(ステップS5)。第1の排出処理では、制御部20は、例えば、搬送コンベア50が停止した状態で、分散フィーダ3及び放射フィーダ4を停止させ、且つ、全てのプールホッパ5、全ての計量ホッパ6、全てのブースタホッパ7、及びタイミングホッパ9に、この順で物品Aを排出させる。制御部20は、このように上側に配置されたものから順に物品Aを排出させてもよいし、それとは逆に、下側に配置されたものから順に物品Aを排出させてもよい。これによって、全ての計量ホッパ6及びブースタホッパ7等から排出された物品Aは、製袋包装機60において包装された後、適宜処理される。なお、第1の排出処理において、全ての計量ホッパ6及びブースタホッパ7等から一度に排出された物品Aが集合シュート8において詰まって滞留することを抑制するために、制御部20は、物品Aを排出させるタイミングを複数の計量ホッパ6の間及び/又は複数のブースタホッパ7の間で異ならせてもよい。
【0039】
続いて、制御部20は、第1の値を目標計量値として組合せ計量処理を実行していた場合よりも減少された値に、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の送力を変更する(ステップS6)。続いて、制御部20は、目標計量値を現在の第1の値から第2の値へと変更する(ステップS7)。続いて、制御部20は、ステップS1に戻り、第2の値を目標計量値として組合せ計量処理を実行する。
【0040】
一方、ステップS8では、制御部20は、物品Aの種類が変更される第2の指示入力を入力部が受け付けたか否かを判定する。判定の結果、第2の指示入力を受け付けたと判定した場合(ステップS8でYES)、ステップS9に進み、第2の指示入力を受け付けていないと判定した場合(ステップS8でNO)、ステップS1に戻り、組合せ計量処理を継続する。
【0041】
ステップS9では、制御部20は、分散フィーダ3及び放射フィーダ4、並びに全ての計量ホッパ6及びブースタホッパ7等に物品Aを排出させる第2の排出処理(全排出処理)を実行する。第2の排出処理では、制御部20は、例えば、搬送コンベア50が停止した状態で、分散フィーダ3及び放射フィーダ4に物品Aを搬送させつつ、全ての計量ホッパ6及びブースタホッパ7等に適宜物品Aを排出させることで、分散フィーダ3及び放射フィーダ4、並びに全ての計量ホッパ6及びブースタホッパ7等に物品Aを排出させる。
【0042】
続いて、制御部20は、組合せ計量処理を再開するための再開指示入力を入力部が受け付けたか否かを判定する(ステップS10)。判定の結果、再開指示入力を受け付けたと判定した場合(ステップS10でYES)、ステップS1に戻り、組合せ計量処理を再開する。一方、制御部20は、再開指示入力を受け付けていないと判定した場合(ステップS10でNO)、ステップS10の処理を再び実行する。なお、ステップS9において全排出処理が実行された後、再開指示入力が入力されるまでの間には、例えば作業者によって分散フィーダ3及び放射フィーダ4、並びに全ての計量ホッパ6及びブースタホッパ7等の清掃が行われる。また、制御部20は、一連の処理中において組合せ計量装置1の動作を停止させるための指示入力を受け付けた場合には、処理を終了して組合せ計量装置1の動作を停止させる。
【0043】
次に、組合せ計量装置1の作用効果を説明する。
【0044】
組合せ計量装置1では、目標計量値が第1の値から第2の値に変更される場合(ステップS2でYES)において、第1の値よりも第2の値が小さいとき(ステップS3でYES)には、分散フィーダ3及び放射フィーダ4に物品Aを残存させたまま全ての計量ホッパ6及びブースタホッパ7等に物品Aを排出させる第1の排出処理が実行される(ステップS5)。これにより、第2の値を目標計量値として組合せ計量処理が再開される際に、分散フィーダ3及び放射フィーダ4に残存させられた物品Aを利用できる。よって、組合せ計量装置1によれば、目標計量値が現在値よりも小さい値に変更される場合に物品Aの損失を低減できる。
【0045】
特に、組合せ計量装置1では、物品Aの種類が同一のままで目標計量値が第1の値から第2の値に変更される場合(ステップS2でYES)において、第1の値よりも第2の値が小さいとき(ステップS3でYES)に、分散フィーダ3及び放射フィーダ4に物品Aを残存させたまま全ての計量ホッパ6及びブースタホッパ7等に物品Aを排出させる第1の排出処理が実行される(ステップS5)。これにより、物品の種類が同一のままで目標計量値が現在値よりも小さい値に変更される場合に物品の損失を低減できる。
【0046】
一方、目標計量値が現在値よりも大きい値に変更される場合には、変更前の比較的小さな目標計量値に適した物品Aが計量ホッパ6及びブースタホッパ7等に貯留されるため、現在値よりも大きい値を目標計量値として組合せ計量処理が実行された場合でも、適切な計量値の組合せを選択できる。この点、組合せ計量装置1では、目標計量値が第1の値から第2の値に変更される場合(ステップS2でYES)において、第1の値よりも第2の値が大きいとき(ステップS3でNO)には、第1の排出処理を実行することなく、第2の値を目標計量値として組合せ計量処理が実行される(ステップS1,S7)。これにより、第2の値を目標計量値として組合せ計量処理が再開される際に、組合せ計量装置1は、分散フィーダ3及び放射フィーダ4に残存させられた物品A、並びに計量ホッパ6及びブースタホッパ7等に貯留された物品Aを利用できる。
【0047】
組合せ計量装置1では、物品Aの種類が変更される場合(ステップS8でYES)には、分散フィーダ3及び放射フィーダ4、並びに全ての計量ホッパ6及びブースタホッパ7等に物品Aを排出させる第2の排出処理が実行され(ステップS9)、その後に組合せ計量処理が実行される(ステップS1)。これにより、物品Aの種類が変更された場合に、例えば、分散フィーダ3及び放射フィーダ4、並びに全ての計量ホッパ6及びブースタホッパ7等を清掃できるため、組合せ計量装置1は、種類の異なる物品Aが混ざり合うことを抑制できる。つまり、上記のように第1の排出処理と第2の排出処理を区別して設定することで、状況に合わせた排出動作ができる。
【0048】
組合せ計量装置1では、目標計量値が第1の値から第2の値に変更される場合において、第1の値よりも第2の値が小さいときには、製袋包装機60に対し、全ての計量ホッパ6及びブースタホッパ7等から排出された物品Aを包装するための信号が出力される(ステップS4)。これにより、全ての計量ホッパ6及びブースタホッパ7等から排出された物品Aを製袋包装機60において包装できる。その結果、包装された状態で物品Aを容易に処理でき、作業性を向上できる。
【0049】
組合せ計量装置1では、目標計量値が第1の値から第2の値に変更される場合において、第1の値よりも第2の値が小さいときには、第1の値を目標計量値として組合せ計量処理を実行していた場合よりも分散フィーダ3及び放射フィーダ4の送力を減少させて(ステップS6)第2の値を目標計量値として組合せ計量処理が実行される。これにより、第2の値に応じた適切な量の物品Aを計量ホッパ6に搬送できる。
【0050】
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示の一形態は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本開示の一形態の搬送部は、上述した分散フィーダ3及び複数の放射フィーダ4に限定されず、物品を搬送できる構成を有するものであればよい。また、本開示の一形態の複数のホッパは、上述した複数の計量ホッパ6及び複数のブースタホッパ7のように環状に配置されたものに限定されず、マトリックス状に配置されたものであってもよい。また、本開示の一形態の組合せ計量装置は、複数のブースタホッパ7を備えていなくてもよく、複数のプールホッパ5及び/又はタイミングホッパ9を備えていなくてもよい。
【0051】
上記実施形態では、第1の指示入力又は第2の指示入力等が入力部を介して入力されたが、それらに相当する信号が製袋包装機60から入力されてもよく、或いはその他の上位システム等から入力されてもよい。これらの場合には、入力部は備えられなくてもよい。上記実施形態では、全ての計量ホッパ6及びブースタホッパ7等から排出された物品Aを包装させるための信号が組合せ計量装置1から製袋包装機60に対して直接に出力されたが、上位システム等を介して間接的に出力されてもよい。上記実施形態では、製袋包装機60において、全ての計量ホッパ6及びブースタホッパ7等から排出された物品Aが包装される袋が成形されたが、複数の袋に分けて包装されてもよい。製袋包装機60に対して当該信号が出力されなくてもよい。この場合には、全ての計量ホッパ6及びブースタホッパ7等から排出される物品Aを、例えば作業者が用意した容器で受けて、適宜処理してもよい。
【0052】
上記実施形態では、物品Aの種類が同一のままで目標計量値が第1の値から第2の値に変更される場合において、第1の値よりも第2の値が大きいときにも、第1の排出処理が実行されてもよい。物品Aの種類が同一のままで目標計量値が第1の値から第2の値に変更される場合において、第1の値よりも第2の値が大きいときに、第1の値を目標計量値として組合せ計量処理を実行していた場合よりも分散フィーダ3及び放射フィーダ4の送力を減少させることなく、第2の値を目標計量値として組合せ計量処理が実行されてもよい。物品Aの種類が変更される場合に、第2の排出処理が実行されなくてもよい。この場合、例えば各部に貯留された物品Aを作業者が除去することが考えられる。
【0053】
上記実施形態では、例えばスナック菓子である物品Aの形状が同一のままで味付けに係る香辛料が変更され、且つ目標計量値が第1の値から第2の値に変更される場合において、第1の値よりも第2の値が大きいときに、第1の排出処理が実行されてもよい。あるいは、例えば肉である物品Aのサイズが変更され、且つ目標計量値が第1の値から第2の値に変更される場合において、第1の値よりも第2の値が大きいときに、第1の排出処理が実行されてもよい。
【0054】
上記実施形態のステップS5では、制御部20は、第1排出処理として、分散フィーダ3及び放射フィーダ4に物品Aを残存させたまま、予め設定される条件に合致する計量ホッパ6及びブースタホッパ7等に物品Aを排出させてもよい。例えば、制御部20は、目標計量値が第2の値である場合に計量ホッパ6及び/又はブースタホッパ7に設定される基準計量値と、計量ホッパ6及び/又はブースタホッパ7の計量値との比較に基づいて、物品Aを排出させる計量ホッパ6及びブースタホッパ7等を選択してもよい。より詳細には、例えば、制御部20は、計量値が基準計量値よりも大きい計量ホッパ6及び/又はブースタホッパ7、当該計量ホッパ6及び/又はブースタホッパ7に対応するプールホッパ5、並びにタイミングホッパ9に物品Aを排出させてもよい。基準計量値は、例えば、組合せ計量処理において組み合せられる計量ホッパ6及び/又はブースタホッパ7の数で目標計量値を除した値である。このような変形例によっても、第2の値を目標計量値として組合せ計量処理が再開される際に、分散フィーダ3及び放射フィーダ4に残存させられた物品A、及び物品Aを排出しなかった計量ホッパ6及びブースタホッパ7等に貯留された物品Aを利用できる。よって、目標計量値が現在値よりも小さい値に変更される場合に物品Aの損失を低減できる。なお、物品Aを排出させる計量ホッパ6及び/又はブースタホッパ7を選択する条件は、上記のものに限られず、任意に設定されてよい。例えば、制御部30は、計量値が基準計量値よりも所定値以上大きい計量ホッパ6及び/又はブースタホッパ7が存在する場合であっても、計量値が基準計量値よりも当該所定値以上小さい計量ホッパ6及び/又はブースタホッパ7が存在するときには、計量値が基準計量値よりも所定値以上大きい当該計量ホッパ6及び/又はブースタホッパ7に物品Aを残存させてもよい。