特許第6750906号(P6750906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6750906
(24)【登録日】2020年8月17日
(45)【発行日】2020年9月2日
(54)【発明の名称】遮音機能付き排水ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/42 20060101AFI20200824BHJP
   F04D 29/66 20060101ALI20200824BHJP
【FI】
   F04D29/42 E
   F04D29/66 A
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-83992(P2019-83992)
(22)【出願日】2019年4月25日
【審査請求日】2019年4月26日
(31)【優先権主張番号】108111540
(32)【優先日】2019年4月1日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】516068929
【氏名又は名称】合利美股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】蕭裕明
【審査官】 田中 尋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−017262(JP,A)
【文献】 特開2011−080477(JP,A)
【文献】 特開2018−025188(JP,A)
【文献】 特許第5117564(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 1/00−13/16;17/00−19/02;21/00−25/16;29/00−35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルダー、ハウジング、および蓋、を備え、
前記ホルダーは、底部に形成された吸水口および側面に形成された排水口を有し、
前記ハウジングは、円筒状を呈し、前記ホルダーの上方に配置されて前記ホルダーとの間が排水室になり、前記排水室は前記吸水口および前記排水口に繋がり、
前記ハウジングは、モーター格納室および溢水収容室を有し、排水羽根車は前記排水室内に配置され、モーターは前記モーター格納室内に格納され、前記溢水収容室は前記モーター格納室の下方に位置し、
前記ハウジングは、底板および前記底板に形成された穿孔を有し、前記穿孔は前記排水室に繋がり、前記排水羽根車および前記モーターの駆動軸は前記穿孔によって相互に連結され、
前記蓋は、前記ハウジングに配置されて前記モーター格納室を覆い、
前記ハウジングは、さらに複数のスペーサーおよび複数のスリットを有し、複数の前記スペーサーは前記ハウジングの前記底板から上に伸びて形成され、前記溢水収容室内に円弧状に配置されて前記穿孔を囲んで円筒構造になり、複数の前記スリットは二つずつの前記スペーサーの間に所定距離を置いて形成され、前記円筒構造の軸心に対して等角を呈するように配置され、複数の前記スペーサーは複数の水流誘導板を有し、複数の前記水流誘導板はそれぞれ、前記スリットを挟む二つの前記スペーサーのうち一方の前記スペーサーの端部から、前記スリットを跨ぐように、前記円筒構造の外側に向かって円弧状に伸びて形成されて、他方の前記スペーサーとの間に所定距離を置いて開口部が外向きの流路を形成し、複数の前記スペーサーから囲まれた空間は複数の前記スリットおよび複数の前記流路によって外部に繋がり、
前記ハウジングは、さらに複数の板状ストッパーおよび外壁面を有し、複数の前記板状ストッパーは前記ハウジングの前記底板から上に伸びて形成され、それぞれ前記スリットに対応して前記スリットと前記穿孔との間に位置し、前記板状ストッパーは対応する前記スリットに所定距離を置いて前記スリットを開放状態に維持し、前記外壁面は複数の前記スペーサーからなる前記円筒構造の外側を囲んで前記円筒構造との間が環状空間になり、前記外壁面は複数の溢水孔を有し、複数の前記溢水孔は底部が前記ハウジングの前記底板に位置し、かつ前記環状空間に繋がる ことを特徴とする、
遮音機能付き排水ポンプ。
【請求項2】
複数の前記スペーサーは高さが同じであり、複数の水流誘導板および複数の前記スペーサーは高さが同じであり、複数の前記板状ストッパーおよび複数の前記スペーサーは高さが同じであり、前記モーターは底部が複数の前記スペーサー、複数の前記板状ストッパーおよび複数の前記水流誘導板の頂部に当接することを特徴とする請求項1に記載の遮音機能付き排水ポンプ。
【請求項3】
複数の前記スペーサーにおいて、一部分の前記スペーサーは少なくとも二つの凸状柱部を有し、前記凸状柱部は前記スペーサーの頂部から上に伸びて形成され、前記モーターは底部に少なくとも二つの凹状孔を有し、前記モーターの底部が複数の前記スペーサーおよび複数の前記水流誘導板の頂部に当接する際、少なくとも二つの前記凸状柱部は少なくとも二つの前記凹状孔に嵌まり込むことを特徴とする請求項2に記載の遮音機能付き排水ポンプ。
【請求項4】
複数の前記溢水孔はそれぞれ前記水流誘導板の近くに配置され、即ち二つの隣り合う前記水流誘導板の間でかつそのうちの一つの前記水流誘導板の近くに配置されることを特徴とする請求項1に記載の遮音機能付き排水ポンプ。
【請求項5】
複数の前記水流誘導板は円弧状を呈することを特徴とする請求項1に記載の遮音機能付き排水ポンプ。
【請求項6】
複数の前記水流誘導板は前記円筒構造の軸心を中心に時計回りに並んで広がることを特徴とする請求項1に記載の遮音機能付き排水ポンプ。
【請求項7】
複数の前記板状ストッパーの幅は前記スリットの幅と同であるか、それより大きいことを特徴とする請求項1に記載の遮音機能付き排水ポンプ。
【請求項8】
前記蓋は複数のフック部を有し、複数の前記フック部は前記蓋の外側から下方に伸びて形成され、前記ハウジングはさらに外側面に複数の嵌合部を有し、前記蓋は複数の前記フック部が複数の前記嵌合部に引っ掛かることによって前記ハウジングに固定され、複数の前記溢水孔はそれぞれ前記嵌合部に対応する位置の下方に配置されることを特徴とする請求項1に記載の遮音機能付き排水ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水装置に関し、詳しく言えば空調装置に用いられる遮音機能付き排水ポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1により掲示された空調装置用排水ポンプは、モーターのハウジングの下方に配置された蓋と、モーターを支える円筒状の外側筒部および内側筒部と、残水を外部へ誘導するために外側筒部の排水用スリットに配置された誘導部材とが特徴である。
該案は残水を外部へ誘導するために外側筒部の排水用スリットだけでなく、蓋の排水用スリットにも誘導部材を配置することを開示している。該案は外側筒部によって内側筒部の隙間を遮蔽し、モーターの稼働に伴って生じた騒音を部分的に遮断することができるが、排水経路が長過ぎることが原因で残水排出処理の困難性が高くなるという問題を抱えている。
【0003】
特許文献2により掲示された空調装置用排水ポンプは、モーターケースの下方の円筒状胴部に形成された複数のスリットと、複数のスリットに跨る水流誘導板からなる外向きの流路とによって排水経路を短縮することが特徴である。
該案は排水経路を短縮し、水流誘導板によって筒状胴部内の音を遮断することができるとしても、筒状胴部内の音を複数のスリットから外部に漏らしてしまうため、騒音抑制効果は限られる。
【0004】
上述した先行技術においては、遮音効果がよければ排水ポンプハウジングの排水経路が比較的長い。それに対して排水経路が比較的短ければ排水ポンプハウジングの騒音が比較的大きい。従って、現在の技術は遮音および排水経路短縮を同時に実現させることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許CN104514725A号公報
【特許文献2】台湾特許I612221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、騒音を遮断できるだけでなく、排水経路を短縮できる遮音機能付き排水ポンプを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、遮音機能付き排水ポンプはホルダー、ハウジングおよび蓋を備える。ホルダーは底部に形成された吸水口および側面に形成された排水口を有する。ハウジングは円筒状を呈し、ホルダーの上方に配置されてホルダーとの間が排水室になる。吸水口および排水口は排水室に繋がる。ハウジングはモーター格納室および溢水収容室を有する。排水羽根車は排水室内に配置される。モーターはモーター格納室内に格納される。溢水収容室はモーター格納室の下方に位置する。ハウジングは底板および底板に形成された穿孔を有する。穿孔は排水室に繋がる。排水羽根車およびモーターの駆動軸は穿孔によって相互に連結される。蓋はハウジングに配置されてモーター格納室に被さる。ハウジングはさらに複数のスペーサーおよび複数のスリットを有する。複数のスペーサーはハウジングの底板から上に伸びて形成され、溢水収容室内に円弧状に配置されて穿孔を囲んで円筒構造になる。複数のスリットは二つずつのスペーサーの間に所定距離を置いて形成され、円筒構造の軸心に対して等角を呈するように配置される。複数のスペーサーは複数の水流誘導板を有する。複数の水流誘導板はそれぞれ前記スリットを挟む二つの前記スペーサーのうち一方の前記スペーサーの端部から、前記スリットを跨ぐように、前記円筒構造の外側に向かって円弧状に伸びて形成されて他方の前記スペーサーとの間に、開口部が外向きの流路を形成する。複数の水流誘導板は他方の前記スペーサーとの間に、開口部が外向きの流路を形成しており、他方の前記スペーサーとの間に所定距離を置いて、開口部が外向きの流路を形成している。複数のスペーサーから囲まれた空間は複数のスリットおよび複数の流路によって外部に繋がる。ハウジングはさらに複数の板状ストッパーおよび外壁面を有する。複数の板状ストッパーはハウジングの底板から上に伸びて形成され、それぞれスリットに対応してスリットと穿孔との間に位置する。板状ストッパーは対応するスリットに所定距離を置いてスリットを開放状態に維持する。外壁面は複数のスペーサーからなる円筒構造の外側を囲んで円筒構造との間が環状空間になる。外壁面は複数の溢水孔を有する。複数の溢水孔は底部がハウジングの底板に位置し、かつ環状空間に繋がる。
【0008】
上述したとおり、本発明は外壁面、板状ストッパーおよび水流誘導板で音を多重に遮断する構造によって良好な騒音抑制効果を発揮することができる。
【0009】
さらに詳しく言えば、溢水孔を水流誘導板の近くに配置する、即ち二つの隣り合う水流誘導板の間かつそのうちの一つの水流誘導板の近くに溢水孔を配置すれば、従来の技術と比べて流路が短くなり、排水が容易になる。つまり、従来の技術と比べて、本発明は上述した配置方式により流路短縮効果および騒音抑制効果を同時に発揮し、機能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態による遮音機能付き排水ポンプを示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態による遮音機能付き排水ポンプを示す分解斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による遮音機能付き排水ポンプのハウジングの内部構造を示す分解斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による遮音機能付き排水ポンプのモーターの底部を示す斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による遮音機能付き排水ポンプのハウジングの内部構造を示す平面図である。
図6図5中の6−6線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明による遮音機能付き排水ポンプを図面に基づいて説明する。
【0012】
(一実施形態)
図1から図6に示すように、本発明の一実施形態による遮音機能付き排水ポンプ10はホルダー11、ハウジング21、および蓋31を備える。
【0013】
ホルダー11は、底部に形成された吸水口12および側面に形成された排水口14を有する。
【0014】
ハウジング21は、円筒状を呈し、ホルダー11の上方に配置されてホルダー11との間が排水室18になる。吸水口12および排水口14は排水室18に繋がる。ハウジング21はモーター格納室22および溢水収容室24を有する。排水羽根車19は排水室18内に配置される。モーター23はモーター格納室22内に格納される。溢水収容室24はモーター格納室22の下方に位置する。
ハウジング21は底板211、穿孔212および複数の嵌合部213を有する。穿孔212は底板211に形成された、排水室18に繋がる。排水羽根車19およびモーター23の駆動軸は穿孔212によって相互に連結される。モーター23および駆動軸は熟知されているため、詳しい説明は省略する。複数の嵌合部213はハウジング21の外側面に形成される。
【0015】
蓋31は、ハウジング21に配置されてモーター格納室22を覆い、複数のフック部313を有する。複数のフック部313は蓋31の外側から下方に伸びて形成される。蓋31は複数のフック部313が複数の嵌合部213に引っ掛かることによってハウジング21に固定される。
【0016】
ハウジング21は、さらに複数のスペーサー26および複数のスリット27を有する。複数のスペーサー26はハウジング21の底板211から上に伸びて形成され、溢水収容室24内に円弧状に配置されて穿孔212を囲んで円筒構造になる。複数のスリット27は二つずつのスペーサー26の間に所定距離を置いて形成され、円筒構造の軸心に対して等角を呈するように配置される。複数のスペーサー26は複数の水流誘導板261を有する。複数の水流誘導板261はそれぞれのスリット27を挟む二つのスペーサー26のうち一方のスペーサー26の端部からスリット27を跨ぐように、前記円筒構造の外側に向かって円弧状に伸びて形成されて、他方の前記スペーサーとの間に所定距離を置いて、開口部が外向きの流路を形成している。
数のスペーサー26から囲まれた空間は複数のスリット27および複数の流路271によって外部に繋がる。複数の水流誘導板261は円筒構造の軸心を中心に時計回りに並んで広がる。
【0017】
ハウジング21は、さらに複数の板状ストッパー25を有する。複数の板状ストッパー25はハウジング21の底板211から上に伸びて形成され、それぞれスリット27に対応してスリット27と穿孔212との間に位置する。板状ストッパー25は対応するスリット27に所定距離を置いてスリット27を開放状態に維持する。
板状ストッパー25は遮音効果を発揮できるため、筒状構造内の音は複数のストッパー25によって遮断され、複数のスリット27から漏れることがない。板状ストッパー25を配置する際、板状ストッパー25の幅はスリット27の幅と同であるか、それより大きくてもよい。本実施形態において、板状ストッパー25とスリット27は幅が同じである。
【0018】
ハウジング21は、さらに外壁面28を有する。外壁面28は複数のスペーサー26からなる円筒構造の外側を囲んで円筒構造との間が環状空間29になる。外壁面28は複数の溢水孔281を有する。本実施形態は三つの溢水孔281を例として挙げる。複数の溢水孔281は複数の嵌合部213に対応する位置の下方に配置される。詳しく言えば、型を開ける際の利便性をはかるために嵌合部213および溢水孔281を相互に対応させて上方および下方に位置させる。
複数の溢水孔281は底部がハウジング21の底板211に位置し、かつ環状空間29に繋がる。一方、溢水孔281は水流誘導板261の近くに配置される。詳しく言えば溢水孔281は二つの隣り合う水流誘導板261の間の中央位置からずれてそのうちの一つの水流誘導板261の近くに配置される。
【0019】
図6に示すように、製作する際、複数のスペーサー26の高さを一致させてもよい。複数の水流誘導板261の高さおよび複数のスペーサー26の高さを一致させてもよい。複数の板状ストッパー25の高さおよび複数のスペーサー26の高さを一致させてもよい。モーター23の底部を複数のスペーサー26、複数の板状ストッパー25および複数の水流誘導板261の頂部に当接させてもよい。つまり、複数のスペーサー26および溢水収容室24は高さが一致する。モーター格納室22は複数のスペーサー26の頂部の上方に位置する。
図3に示すように、複数のスペーサー26において、一部分のスペーサー26は二つの凸状柱部262を有する。二つの凸状柱部262はスペーサー26の頂部から上に伸びて形成される。モーター23は底部に二つの凹状孔232を有する。モーター23の底部が複数のスペーサー26および複数の水流誘導板261の頂部に当接する際、二つの凸状柱部262は二つの凹状孔232に嵌まり込んで位置決め効果を生じる。凸状柱部262および凹状孔232の数が二つ以上であれば位置決め効果を向上させることができる。
【0020】
複数のスペーサー26および複数の板状ストッパー25は高さが異なってもよい。モーター23の安定性さえ確保できればよい。
【0021】
以上は本発明の構成についての説明である。続いて、本発明の稼働状態について説明を進める。
【0022】
図2に示すように、遮音機能付き排水ポンプ10が正常稼働する際、排水羽根車19はモーター23の駆動力によって回転し、排水室18内の水を排水口14から外部へ排出する。排水口14は通常排水管(図中未表示)に連結され、水を外部へ吸引して流出させる。排水管の連結方式は熟知されているため、図面の表示を省略する。
【0023】
図2図3図5および図6に示すように、モーター23の電源を切るか、モーター23の運転が停止すると、排水羽根車19の回転が停止する。このとき排水管内の水は一部分が排水室18に逆流する。排水羽根車19は排水室18内に配置されるため、逆流した水は排水室18にゆっくり浸入し、穿孔212から溢水収容室24の円筒構造に流れ込む。
続いて円筒構造内の水は複数のスリット27から複数の流路271を通って環状空間29に流れ込む。続いて、溢水孔281は一つの水流誘導板261の近く、即ち流路271の開口部の近くに位置するため、複数の流路271から流出した水は溢水孔281へ迅速に流動し、続いて外部へ流出することができる。
【0024】
溢水孔281は数を状況に応じて決めてもよい。本実施形態において、三つの水流誘導板261の近くに配置された三つの溢水孔281はオーバーフロー効果を十分に発揮できるため、四つ目の溢水孔281を配置することは必要ではない。本実施例に採用された三つの溢水孔281はそれぞれ流路271の開口部の近くに配置されて流路271の短縮および迅速な排水を実現させるため、逆流した水は排出できず円筒構造内に残留して水位を上昇させてモーター23を損害させることが発生しない。一方、四つ目の溢水孔281を配置する際、図5に示すように、溢水孔281と複数の水流誘導板261の相対的関係を参考にして溢水孔281および複数の水流誘導板261を相互に対応させるように配置すればよい。
【0025】
上述をまとめると、本発明において、板状ストッパー25は音がスリット27から漏れることを抑制できる。複数の水流誘導板261はスリット27を通った音を遮断できる。ハウジング21の外壁面28は複数の水流誘導板261の外側に配置されて遮音効果を生じることができる。つまり、本発明は複数の水流誘導板261および外壁面28によって騒音を多重に遮断し、遮音効果を向上させることができる。
一方、従来の技術と比べて、溢水孔281が水流誘導板261の近くに配置されるため、流路271は短縮され、溢水収容室24内の水を迅速に流出させることができる。つまり、従来の技術と比べて、本発明は流路短縮効果および騒音抑制効果を同時に発揮し、機能を向上させることができる。
【符号の説明】
【0026】
10 遮音機能付き排水ポンプ
11 ホルダー
12 吸水口
14 排水口
18 排水室
19 排水羽根車
21 ハウジング
211 底板
212 穿孔
213 嵌合部
22 モーター格納室
23 モーター
232 凹状孔
24 溢水収容室
25 板状ストッパー
26 スペーサー
261 水流誘導板
262 凸状柱部
27 スリット
271 流路
28 外壁面
281 溢水孔
29 環状空間
31 蓋
313 フック部
【要約】      (修正有)
【課題】遮音機能付き排水ポンプを提供する。
【解決手段】遮音機能付き排水ポンプ10のハウジング21は複数のスペーサー26、複数の板状ストッパー25、複数のスリット27、複数の水流誘導板261および外壁面28を有する。複数のスペーサーおよび複数の板状ストッパーはハウジングの底板211から上に伸びて形成される。複数のスリットは二つずつのスペーサーの間に所定距離を置いて形成される。複数の水流誘導板はそれぞれスペーサーからスリットの辺縁部に沿って外側かつ斜めに伸びて形成される。複数の水流誘導板はスリットの別の一つの辺縁部に位置するスペーサーに所定距離を置いて開口部が外向きの流路を形成する。複数の板状ストッパーはそれぞれスリットと穿孔212との間に位置する。外壁面は複数のスペーサーからなる円筒構造の外側を囲んで円筒構造との間が環状空間になる。外壁面は複数の溢水孔281を有する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6