(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6750983
(24)【登録日】2020年8月17日
(45)【発行日】2020年9月2日
(54)【発明の名称】主幹制御器
(51)【国際特許分類】
B60L 15/00 20060101AFI20200824BHJP
H01H 9/54 20060101ALI20200824BHJP
【FI】
B60L15/00 C
H01H9/54 A
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-168327(P2016-168327)
(22)【出願日】2016年8月30日
(65)【公開番号】特開2018-38151(P2018-38151A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2019年4月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003115
【氏名又は名称】東洋電機製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100161148
【弁理士】
【氏名又は名称】福尾 誠
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 明彦
【審査官】
笹岡 友陽
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2015/145922(WO,A1)
【文献】
特開2007−020380(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3023769(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 15/00
H01H 9/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルと、
前記ハンドルに連動するカムと、
前記ハンドルの位置に応じて前記カムと導通する第1のカムスイッチと、該第1のカムスイッチと異なる種類の第2のカムスイッチとを備え、
前記第1のカムスイッチはリード接点タイプであり、
前記第2のカムスイッチは遮断能力が前記リード接点タイプよりも大きい、主幹制御器。
【請求項2】
前記第2のカムスイッチが導通した後に、前記第1のカムスイッチが導通し、かつ、前記第1のカムスイッチが遮断した後に、前記第2のカムスイッチが遮断する、請求項1に記載の主幹制御器。
【請求項3】
前記カムは、円柱状の形状を有するカム本体部と、前記第1のカムスイッチと接触可能な、前記カム本体部の径方向に突出する第1の突起と、前記第2のカムスイッチと接触可能な、前記径方向に突出する第2の突起とを備え、
前記カム本体部の周方向における前記第1の突起の幅が、前記第2の突起の幅よりも短い、請求項1又は2に記載の主幹制御器。
【請求項4】
前記第1の突起及び前記第2の突起が共に円弧状の形状を有し、前記カム本体部の中心軸を中心とする同心円上に配置されている、請求項3に記載の主幹制御器。
【請求項5】
前記第1のカムスイッチと前記第2のカムスイッチとは、前記カム本体部の中心軸の方向に互いに並列に配置されている、請求項3又は4に記載の主幹制御器。
【請求項6】
前記第1のカムスイッチ及び前記前記第2の突起のセットと、前記第2のカムスイッチ及び前記第2の突起のセットと、がそれぞれ複数設けられている、請求項3〜5のいずれか一項に記載の主幹制御器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カムを備える主幹制御器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両の制御装置に対して指示をするための主幹制御器が知られている(例えば特許文献1及び2参照)。
図6は、従来の鉄道車両用主幹制御器の概略断面図である。
図6の主幹制御器110は、運転手が操作する6ノッチのハンドル103を備える。ハンドル103に連動して、主幹制御器110に内蔵されるカム102が回動する。
【0003】
カム102は、円柱状の形状を有するカム本体部100を備える。カム本体部100の外周面には、6つの突起102a〜102fが形成されている。カム102の突起の数はハンドル103のノッチ数と等しく、
図6の例ではともに6である。カム102がカム本体部100の中心軸の周りに回動すると、その回転角度によって、突起102a〜102fはそれぞれ、カムスイッチ101a〜101fのローラと、接触したり離れたりする。言い換えれば、ハンドル103の位置に応じて、カム102の突起102a〜102fはそれぞれ、カムスイッチ101a〜101fと接触したり離れたりする。
【0004】
カムの突起が、あるカムスイッチと接触している場合に、当該カムスイッチを介して入力信号がカムに伝達される。以下の説明では、このようにそれぞれのカムスイッチと接触するカムの各部分を、「カム接点」というものとする。カム102の突起102a〜102fそれぞれがカムスイッチと接触する部分は、カム接点#101〜#106となる。
【0005】
図7は、ハンドル103が「切」、及び「1」〜「5」の各位置に存在する場合に、カム接点#101〜#106と、カムスイッチ101a〜101fとが接触しているか否かを示す図(カム展開図)である。
【0006】
図7でカム接点が台形で囲まれている場合には、カム接点とカムスイッチとが接触し、入力信号がカムスイッチを介してカムに伝達されていることを示す。例えば、ハンドル103が「切」に位置している場合、カム接点#101がカムスイッチ101aと接触して導通しており、他のカム接点#102〜#106はカムスイッチ101b〜101fから遮断されていることがわかる。また、ハンドル103が「1」に位置している場合、カム接点#102がカムスイッチ101bと接触して導通しており、他のカム接点#101及び#103〜#106はカムスイッチ101a及び101c〜101fから遮断されていることがわかる。ハンドルが他の位置にある場合については、説明を省略する。
【0007】
カム102には、コネクタ105が接続されている。コネクタ105の信号線I
1〜I
6は、カムスイッチ101a〜101fを介してカム接点#101〜#106が受けた信号を伝達する。
【0008】
コネクタ105が出力する信号の数はカム接点の数と等しく、ここで示す例では6つである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平5−244707号公報
【特許文献2】特開平7−59213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、鉄道車両の編成は多様であり、例えば1両編成の車両を備える小型編成のものから、例えば16両編成の大型編成のものまで多岐に亘っている。中でも、大型編成の鉄道車両は、負荷が大きく、大きな電流を必要とする。一方、小型編成の鉄道車両は、負荷が小さく、必ずしも大きな電流を必要としない。
【0011】
この点、従来から、大きな電流の通電及び遮断が可能な、大きな電流容量を有するカムスイッチを備える主幹制御器が用いられている。
【0012】
そもそも、主幹制御器は、ハンドル等の可動部を有するため隙間が存在する構造となっており、また、運転手によって頻繁に扱われる部分であるため、埃や塵等が混入しやすい。大型編成の鉄道車両のように大きな電流が流れる場合、混入された埃や塵等は電流によって焼き切ることが可能である。
【0013】
しかしながら、小型編成の鉄道車両で使われるような微小な電流では、混入された埃や塵等を焼き切ることができず異物として残ることから、接触不良を引き起こすおそれがあった。
【0014】
そこで、本発明の目的は、上記問題に鑑み、微小電流による接触不良を防止する主幹制御器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の態様としての主幹制御器は、ハンドルと、前記ハンドルに連動するカムと、前記ハンドルの位置に応じて前記カムと導通する第1のカムスイッチと、該第1のカムスイッチと異なる種類の第2のカムスイッチとを備え、前記第1のカムスイッチはリード接点タイプであ
り、前記第2のカムスイッチは遮断能力が前記リード接点タイプよりも大きい。
【0016】
また、本発明の1つの実施形態として、前記第2のカムスイッチが導通した後に、前記第1のカムスイッチが導通し、かつ、前記第1のカムスイッチが遮断した後に、前記第2のカムスイッチが遮断することが好ましい。
【0017】
更に、本発明の1つの実施形態として、前記カムは、円柱状の形状を有するカム本体部と、前記第1のカムスイッチと接触可能な、前記カム本体部の径方向に突出する第1の突起と、前記第2のカムスイッチと接触可能な、前記径方向に突出する第2の突起とを備え、前記カム本体部の周方向における前記第1の突起の幅が、前記第2の突起の幅よりも短いことが好ましい。
【0018】
更に、本発明の1つの実施形態として、前記第1の突起及び前記第2の突起が共に円弧状の形状を有し、前記カム本体部の中心軸を中心とする同心円上に配置されていることが好ましい。
【0019】
更に、本発明の1つの実施形態として、前記第1のカムスイッチと前記第2のカムスイッチとは、前記カム本体部の中心軸の方向に互いに並列に配置されていることが好ましい。
【0020】
更に、本発明の1つの実施形態として、前記第1のカムスイッチ及び前記第1の突起のセットと、前記第2のカムスイッチ及び前記第2の突起のセットと、がそれぞれ複数設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、微小電流による接触不良を防止する主幹制御器を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係る主幹制御器の概略上面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る主幹制御器からカムとカムスイッチとを抜き出して示した概略断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る主幹制御器のカムの概略斜視図である。
【
図4】
図4は本発明の一実施形態に係る主幹制御器のカムの一部を拡大して示す概略斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る主幹制御器が出力する信号の一部を示す図である。
【
図7】従来の主幹制御器が出力する信号を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、
図6、
図7に示した構成と同一の構成要素には同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。
【0024】
図1は本発明の一実施形態に係る主幹制御器1の概略上面図である。
図1に示すように、主幹制御器1は、ハンドル3と、カム2と、第1のカムスイッチ11と、第2のカムスイッチ12とを備える。
【0025】
ハンドル3は、運転手の操作により複数のポジション、すなわち、ノッチ位置を切替可能に有する。例えば、ハンドル3は、“切”、“1”−“5”の6つのポジションを有する。
【0026】
カム2は、ハンドル3と連動して回動する。より具体的に、カム2は、円柱状の形状を有するカム本体部20を備え、ハンドル3の動作と連動して、カム本体部20の中心軸Oの周りに回動する。
【0027】
第1のカムスイッチ11及び第2のカムスイッチ12は、ハンドル3の位置に応じてカム2と導通する。また、第1のカムスイッチ11と第2のカムスイッチ12とは互いに種類が異なるものである。
【0028】
具体的に、第1のカムスイッチ11はリード接点タイプである。一方、第2のカムスイッチ12は、リード接点タイプではない(以下、「通常タイプ」と記載する)。リード接点タイプのカムスイッチは、通常タイプよりも、微小な電流でも接触しやすく、接触不良を起こしにくいという性質を有する。これに対し、通常タイプのカムスイッチは、リード接点タイプよりも遮断能力が大きく、大きな電流を遮断できるという性質を有する。
【0029】
図2は、本発明の一実施形態に係る主幹制御器1からカム2と、6つのカムスイッチ11a〜11f及び6つの12a〜12fとを抜き出して示した概略断面図である。
図2に示すように、第1のカムスイッチ11及び第1の突起21のセットと、第2のカムスイッチ12及び第2の突起22のセットと、はそれぞれ複数設けられている。これらセットの数は、ノッチ位置の数、すなわちハンドル3のポジション数と等しい。上述のように本実施形態ではハンドル3のポジション数は6である。従って、本実施形態の主幹制御器1には、6つのセットの第1のカムスイッチ11a〜11f及び第1の突起21a〜21fと、6つの第2のカムスイッチ12a〜12f及び第2の突起22a〜22fのセットとが設けられている。
【0030】
図2に示すように、第1のカムスイッチ11a〜11fと第2のカムスイッチ12a〜12fとが、カム本体部20の中心軸Oの方向に沿って交互に配置されている。また、カム本体部20の中心軸Oの方向において、第1のカムスイッチ11a〜11fは、それぞれ第1の突起21a〜21fに接触可能な位置に配置され、第2のカムスイッチ12a〜12fは、それぞれ第2の突起22a〜22fに接触可能な位置に配置されている。さらに、第1のカムスイッチ11a〜11f及び第2のカムスイッチ12a〜12fは、カム本体部20の中心軸Oの方向に互いに並列に配置されている。換言すれば、第1のカムスイッチ11a〜11f及び第2のカムスイッチ12a〜12fは、カム本体部20の周方向Aのおいて同じ位置に、すなわち、同一平面内に配置されている。換言すれば、
図1の紙面の手前側から奥側に向かって重なるように配置されている。
【0031】
図3は、本発明の一実施形態に係る主幹制御器1のカム2の概略斜視図である。
図3に示すように、カム2は、カム本体部20の径方向に突出する第1の突起21a〜21fと、カム本体部20の径方向に突出する第2の突起22a〜22fとを備える。この第1の突起21a〜21fは、第1のカムスイッチ11a〜11fと接触可能であり、第2の突起22a〜22fは、第2のカムスイッチ12a〜12fと接触可能である。より具体的に、第1の突起21a〜21fは、第1のカムスイッチ11a〜11fのローラと接触可能であり、第2の突起22a〜22fは、第2のカムスイッチ12a〜12fのローラと接触可能である。なお、第1の突起21a及び第2の突起22aは、
図3の紙面において裏側に位置するものであるため、表記は省略されている。
【0032】
より具体的に、6つの第1の突起21a〜21fと6つの第2の突起22a〜22fとは、カム本体部20の外周面に、カム本体部20の中心軸Oの方向に沿ってそれぞれ交互に配置されている。また、カム本体部20の周方向Aにおいて、第1の突起21a〜21fの幅は、第2の突起22a〜22fの幅よりもそれぞれ短い。また、第2の突起22a〜22fは、カム本体部20の周方向Aにおいて、第1の突起21a〜21fが配置されている範囲内にそれぞれ位置する。
【0033】
ハンドル3によりカム2がカム本体部20の中心軸Oの周りに回動すると、その回転角度によって、第1の突起21a〜21fはそれぞれ、第1のカムスイッチ11a〜11fと、それぞれ接触したり離れたりする。また、第2の突起22a〜22fは、第2のカムスイッチ12a〜12fと、それぞれ接触したり離れたりする。言い換えれば、ハンドル3の位置に応じて、第1の突起21a〜21f及び第2の突起22a〜22fは、第1のカムスイッチ11a〜11f及び第2のカムスイッチ12a〜12fと、それぞれ接触したり離れたりする。
【0034】
次に、突起について、代表して1つの第1の突起21b及び1つの第2の突起22bについて例示的に説明する。
図4は本発明の一実施形態に係る主幹制御器1のカム2の一部を拡大して示す概略斜視図であり、具体的に、複数の第1の突起21a〜21f及び第2の突起22a〜22fのうち、1つの第1の突起21b及び1つの第2の突起22bを抜き出して示したものである。
【0035】
図4に示すように、カム本体部20の周方向Aにおける第1の突起21bの幅は、カム本体部20の周方向Aにおける第2の突起22bの幅よりも短い。また、上述のように、第1のカムスイッチ11b及び第2のカムスイッチ12bは、カム本体部20の周方向Aにおいて同じ位置に位置している。このような構成とすることにより、ハンドル3の操作によってカム2が所定の一方向に回動することに伴い、先ず第2の突起22bが第2のカムスイッチ12bと接触する。次に、第2の突起22bが第2のカムスイッチ12bと接触したままの状態で、所定の時間遅れて、第1の突起21bが第1のカムスイッチ11bと接触する。遮断の場合は、ハンドル3の所定の一方向への回動に伴い、先ず、第1の突起21bが第1のカムスイッチ11bから離れる。次に、所定の時間遅れて、第2の突起22bが第2のカムスイッチ12bから離れる。換言すれば、第2のカムスイッチ12bが導通した後に、第1のカムスイッチ11bが導通し、かつ、第1のカムスイッチ11bが遮断した後に、第2のカムスイッチ12bが遮断する。
【0036】
カム2の突起が、所定のカムスイッチと接触している場合に、この所定のカムスイッチを介して入力信号がカム2に伝達される。以下の説明では、それぞれのカムスイッチと接触するカム2の各部分を、「カム接点」というものとする。具体的に、第1の突起21a〜21fのそれぞれが第1のカムスイッチ11a〜11fと接触する部分を第1のカム接点31a〜31fとし、第2の突起22a〜22fのそれぞれが第2のカムスイッチ12a〜12fと接触する部分を第2のカム接点32a〜32fとする。
【0037】
図5は本発明の一実施形態に係る主幹制御器1が出力する信号の一部を示す図であり、ハンドル3が「切」、及び「1」〜「5」の各位置に存在する場合に、第1のカム接点31b及び第2のカム接点32bと、第1のカムスイッチ11b及び第2のカムスイッチ12bとが接触しているか否かを示す図である。なお、
図5において、台形で囲まれた範囲は、第1のカム接点31b及び第2のカム接点32bと第1のカムスイッチ11b及び第2のカムスイッチ12bとがそれぞれ接触して入力信号が伝達されている状態を示す。
【0038】
具体的に、
図5に示すように、例えば、ハンドル3を“切”からポジション“1”に切替えるとき、カム2が所定の一方向に回動して、先に、第2のカム接点32bが第2のカムスイッチ12bと接触する。第2のカムスイッチ12bは、通常タイプであり、大きな電流に対しては確実に接触して導通させることができる。
【0039】
次に、若干遅れて、第1のカム接点31bが第1のカムスイッチ11bと接触する。第1のカムスイッチ11bは、リード接点タイプであり、微小な電流に対して接触不良を起こしにくい。リード接点タイプのカムスイッチを後から導通させることにより、微小な電流に対して通常タイプのカムスイッチが接触しない場合であっても、接触不良を起こさずに確実に接触して導通させることができる。
【0040】
また、例えば、ハンドル3をポジション“5”から“切”に切替えるとき、カム2が所定の一方向に回動して、先に、第1のカム接点31bが第1のカムスイッチ11bから離れる。
【0041】
次に、若干遅れて、第2のカム接点32bが第2のカムスイッチ12bから離れる。通常タイプのカムスイッチは、遮断能力が大きく、大きな電流であっても確実に遮断することができる。
【0042】
以上のようにして、大きな電流を遮断できると共に、微小電流でも接触不良を防止できる主幹制御器1を提供することができる。
【0043】
また、
図4に示すように、第1の突起21b及び第2の突起22bが共に円弧状の形状を有し、カム本体部20の中心軸Oを中心とする同心円上に配置されているのが好ましい。
【0044】
なお、1つの第1の突起21b及び1つの第2の突起22bを例示的に説明したが、他の第1の突起21a及び21c〜21f並びに第2の突起22a及び22c〜22fについても同様の配置関係で構成されている。具体的に、カム本体部20の周方向Aにおける第1の突起21a及び21c〜21fの幅は、第2の突起22a及び22c〜22fの幅よりもそれぞれ短い(
図3参照)。これにより、第2のカムスイッチ12a及び12c〜12fが導通した後に、第1のカムスイッチ11a及び11c〜11fが導通し、かつ、第1のカムスイッチ11a及び11c〜11fが遮断した後に、第2のカムスイッチ12a及び12c〜12fが遮断する。
【0045】
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。例えば、カム本体部の周方向において、第2の突起が、第1の突起が配置されている範囲内に位置する例について説明したがこれに限られるものでなく、カム本体部の周方向において、第2の突起が第1の突起が配置されている範囲外に位置するものであってもよい。この場合、カムスイッチはカム本体部の周方向において異なる位置に配置される。本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲に記載した内容を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、カムを備える主幹制御器に利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
1:主幹制御器
2:カム
3:ハンドル
11、11a〜11f:第1のカムスイッチ
12、12a〜12f:第2のカムスイッチ
20:カム本体部
21、21a〜21f:第1の突起
22、22a〜22f:第2の突起
31a〜31f:第1のカム接点
32a〜32f:第2のカム接点
A:カム本体部の周方向
O:カム本体部の中心軸