(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
それぞれが複数のサブフレームを含む複数の周期的に反復する時分割多重(TDM)フレームを使用する、遠隔制御デバイスと無人航空機(UAV)との間の無線通信のための方法であって、前記方法は、
前記複数のサブフレームの第1のサブセットを利用し、第1のデータ帯域幅で、前記遠隔制御デバイスから前記UAVにアップリンクデータを転送するステップ(a)であって、前記アップリンクデータは、第1の符号化スキームを使用して符号化され、かつ、前記UAVの動作を制御するための制御データを含む、ステップ(a)と、
前記複数のサブフレームの第2のサブセットを利用し、前記第1のデータ帯域幅より広い第2のデータ帯域幅で、前記UAVから前記遠隔制御デバイスにダウンリンクデータを転送するステップ(b)であって、前記ダウンリンクデータは、前記第1の符号化スキームより高い効率比の第2の符号化スキームを使用して符号化され、かつ、画像データを含む、ステップ(b)と、
前記ステップ(a)又は(b)の前に、複数の周波数チャネルのそれぞれに関連する1つ以上の品質の特性に少なくとも部分的に基づいて、前記複数の周波数チャネルから動作周波数チャネルを選択するステップ(c)であって、選択された前記動作周波数チャネルは前記ダウンリンクデータを転送するために利用される、ステップ(c)と、
前記ステップ(a)と同時に、前記遠隔制御デバイスと前記UAVとの間で、前記アップリンクデータの転送又は前記ダウンリンクデータの転送に関するタイミング情報を送信することによって前記遠隔制御デバイスと前記UAVとの間を同期させるステップ(d)と、を含む、方法。
前記ダウンリンクデータの転送が失敗したと判定した場合、前記UAVから前記遠隔制御デバイスに前記ダウンリンクデータを再転送するステップをさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
1つ以上のチャネル条件に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の符号化スキームまたは前記第2の符号化スキームを動的に変化させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、通信端末間の改善されたデータ通信のためのシステムおよび方法を提供する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるシステムおよび方法は、アップリンクデータ送信とダウンリンク送信との間の干渉を回避すると同時に、堅調なアップリンクデータ送信および広帯域のダウンリンクデータ送信を提供する。
【0036】
アップリンクおよびダウンリンクデータ通信間の干渉を回避するために、アップリンクとダウンリンクが重複しない時間帯で同じ通信チャネルを共有する、時分割多重(TDM)モードの通信を使用する。堅調なアップリンクと広帯域のダウンリンクを確保するために、異なる符号化および/または変調スキームを使用して、アップリンクデータおよびダウンリンクデータを符号化および/または変調させる。本開示のシステムおよび方法は、基地局または制御デバイスと、無人航空機(UAV)等の遠隔制御された物体またはデバイスとの間のデータ通信に適用することができる。例えば、堅調なアップリンクは、基地局からUAVに制御データを送信するために使用可能であり、一方で広帯域のダウンリンクは、UAVから基地局に画像データまたは他のセンサデータを送信するために使用可能である。
【0037】
本発明の態様によって、それぞれが複数のサブフレームを含む、複数の周期的に反復するTDMフレームを使用した、第1の端末と第2の端末との間の無線通信のための方法を提供する。本方法は、複数のサブフレームの第1のサブセットの使用中に、第1のデータ帯域幅で、第1の端末から第2の端末にアップリンクデータを転送することであって、アップリンクデータは、第1の符号化スキームを使用して符号化されることと、複数のサブフレームの第2のサブセットの使用中に、第1のデータ帯域幅とは異なる第2の帯域幅で、第2の端末から第1の端末にダウンリンクデータを転送することであって、ダウンリンクデータは、第2の符号化スキームを使用して符号化され、第2の符号化スキームは、第1の符号化スキームとは異なることと、を含む。
【0038】
本発明の別の態様によって、それぞれが複数のサブフレームを含む複数の周期的に反復するTDMフレームを使用した、第1の端末と第2の端末との間の無線通信のための別の方法を提供する。本方法は、複数のサブフレームの第1のサブセットの使用中に、第1のデータ帯域幅で、第1の端末から第2の端末にアップリンクデータを転送することであって、アップリンクデータは、第1の変調スキームを使用して変調されることと、複数のサブフレームの第2のサブセットの使用中に、第1のデータ帯域幅とは異なる第2の帯域幅で、第2の端末から第1の端末にダウンリンクデータを転送することであって、ダウンリンクデータは、第2の変調スキームを使用して変調され、第2の変調スキームは、第1の変調スキームとは異なることと、を含む。
【0039】
本発明の別の態様によって、それぞれが複数のサブフレームを含む複数の周期的に反復するTDMフレームを使用した、第1の端末と第2の端末との間の無線通信のための別の方法を提供する。本方法は、複数のサブフレームの第1のサブセットの使用中に、第1の端末から第2の端末にアップリンクデータを転送することと、複数のサブフレームの第2のサブセットの使用中に、1つ以上のチャネルと関連するチャネル品質を測定して、動作周波数を選択することと、複数のサブフレームの第3のサブセットの使用中に、動作周波数を使用して、第2の端末から第1の端末にダウンリンクデータを転送することと、を含む。
【0040】
本発明の別の態様によって、それぞれが複数のサブフレームを含む複数の周期的に反復する時分割多重(TDM)フレームを使用した、第1の端末と第2の端末との間の無線通信のための別の方法を提供する。本方法は、複数のサブフレームの第1のサブセットの使用中に、第1の端末から第2の端末にアップリンクデータを転送することであって、アップリンクデータは、第1の端末と第2の端末の操作を同期させるのに有用な同期情報を含み、アップリンクデータは、第1の変調スキームを使用して変調されることと、複数のサブフレームの第2のサブセットの使用中に、第2の端末から第1の端末にダウンリンクデータを転送することであって、ダウンリンクデータは、第1の変調スキームとは異なる第2の変調スキームを使用して変調されることと、を含む。
【0041】
本発明の別の態様によって、遠隔端末と車両の通信モジュールとの間の無線通信のための方法を提供し、前記車両は、センサを備え、前記無線通信は、各TDMフレームが複数のサブフレームを含む複数の周期的に反復するTDMフレームを使用する。本方法は、複数のサブフレームの第1のサブセットの使用中に、遠隔端末から車両の通信モジュールにアップリンクデータを転送することと、複数のサブフレームの第2のサブセットの使用中に、車両の通信モジュールから、遠隔端末にセンサからのデータを含むダウンリンクデータを転送することであって、第2のサブセット内のサブフレームの数は、第1のサブセット内のサブフレームの数よりも多いことと、を含む。
【0042】
本発明の別の態様によって、データ通信システムを提供する。データ通信システムは、アップリンク送信機とダウンリンク受信機とを備える第1の端末と、アップリンク受信機とダウンリンク送信機とを備える第2の端末と、を備え、アップリンク送信機は、第1の時間帯で第2の端末にアップリンクデータを送信するように構成され、ダウンリンク受信機は、第2の時間帯で、1つ以上のチャネルと関連するチャネル品質を測定して、動作周波数を選択し、第3の時間帯で、動作周波数を使用して、第2の端末によって提供されるダウンリンクデータを受信するように構成され、アップリンク受信機は、第1の時間帯でアップリンクデータを受信するように構成され、ダウンリンク送信機は、第3の時間帯で、動作周波数を使用して、ダウンリンクデータを送信するように構成される。
【0043】
図1は、ある実施形態による本発明の態様を実現するための例となる通信システム100を図示する。図示されるように、システム100は、互いに通信することが可能な第1の端末102および第2の端末104を含む。種々の実施形態において、第1の端末または第2の端末は、基地局、中継局、遠隔制御デバイス、モバイルプラットフォームもしくは可動物体、例えば地上、水上、もしくは空中の(有人もしくは無人)車両、コンピュータサーバ、パーソナルコンピュータ、形態電話、スマートフォン、スマートTV、セットアップボックス、または他の移動式もしくは固定式デバイスもしくは物体といった、(デジタルまたはアナログの)データの送信および受信が可能な任意のデバイスを含み得るか、またはそれに含まれ得る。一実施形態において、第1の端末は基地局であり、第2の端末は無人航空機(UAV)である。
【0044】
種々の実施形態において、第1の端末と第2の端末との間のデータ通信は、第1の端末と第2の端末との間に確立された通信チャネルを介して発生し得る。通信チャネルの例には、銅線、光ファイバ、および無線通信チャネルを挙げることができる。通信チャネル上で送信されるデータは、電圧、電波、マイクロ波、赤外線シグナル等の電磁シグナルとして表すことができる。
【0045】
図示されるように、第1の端末102と第2の端末104との間のデータ通信には、アップリンク106およびダウンリンク108が含まれ得る。アップリンク106は、第1の端末102から第2の端末104にデータを送信するために使用される通信リンクである。逆に、ダウンリンク108は、第2の端末104から第1の端末102にデータを送信するために使用される。一実施形態において、アップリンク106およびダウンリンク108は、同じ通信チャネルを異なる時間で共有する。他の実施形態において、アップリンク106およびダウンリンク108は、異なる通信チャネルを使用してもよい。アップリンク通信のために、第1の端末102には、アップリンク106を介してデータ(以下、アップリンクデータ)を第2の端末104に送信するためのアップリンク送信機110が含まれ得る。また第2の端末104は、送信されたアップリンクデータを受信するためのアップリンク受信機114を含み得る。同様に、ダウンリンク通信のために、第2の端末104は、ダウンリンク108を介してデータ(以下、ダウンリンクデータ)を第1の端末102に送信するためのダウンリンク送信機116を含み得る。また第1の端末102は、送信されたダウンリンクデータを受信するためのダウンリンク受信機112を含み得る。いくつかの実施形態において、端末の送信機および受信機は、トランシーバに組み合わせることができる。トランシーバは、トランシーバおよび受信機の機能性を兼ね備え得、共通の回路および/または単一のハウジングを共有し得る。例えば、送信機および受信機は、同じ物理的装置、または共通の構成要素を有する別個のデバイスによって実装され得る。他の実施形態において、送信機および受信機は、共通の回路および/またはハウジングを共有しなくてもよい。
【0046】
本明細書に使用される際、アップリンクデータおよびダウンリンクデータは、それぞれ、アップリンクおよびダウンリンクを使用して送信されるデータおよびシグナルを指す。アップリンクデータおよびダウンリンクデータは、異なる種類のデータを含み得る。いくつかの実施形態において、アップリンクデータは、第2の端末の動作を制御するためのデータまたはシグナルを含み得る。いくつかの実施形態において、アップリンクデータは、車両または他の可動物体の移動または動作を制御することができる。例えば、アップリンクデータは、UAVまたはその構成要素(例えば、ペイロードデバイス、検知モジュール、推進システム等)と関連する速度、位置、配向、または他の動作もしくは航行パラメータを制御するための情報を含み得る。アップリンクデータはまた、第1の端末と第2の端末の動作を同期させるために使用可能な同期情報を含み得る。例えば、アップリンクデータは、スケジューリングおよび/またはアップリンクデータ送信およびダウンリンク
データ送信の順序に関するタイミング情報を含み得る。アップリンクデータはまた、一方の端末から送信されたデータが他方の端末によって無事に受信されたかどうか、受信されたデータが十分な品質のものであるかどうか等、エラーメッセージまたは他のフィードバック情報を含み得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、ダウンリンクデータは、第2の端末によって取得、収集、または生成された画像データまたは他のデータを含み得る。いくつかの実施形態において、ダウンリンクデータは、未加工データまたは処理済みデータを含み得る。未加工データには、第2の端末と関連する検知モジュール(1つ以上のセンサを含む)によって収集されたセンサデータ、例えば、画像データ、位置データ、加速度または配向データ等が含まれ得る。未加工データを、例えば、処理装置によって処理して、第2の端末と関連する状態情報(例えば、位置、移動、配向)および/または周囲環境に関するもの等の処理済みデータを導出または生成することができる。このようなセンサデータを取得するために使用されるセンサの例には、視覚または光センサ(例えば、カメラ、ビデオカメラ、赤外線センサ)、音声センサ、近接センサ、位置センサ(例えば、GPS受信機、高度計)、磁気センサ(例えば、磁気探知機、方位磁石)、温度センサ、タッチセンサ、慣性センサ(例えば、ジャイロスコープ、加速度計)等を挙げることができる。センサデータおよび/またはその処理済みデータは、ダウンリンクデータとして第1の端末に送信され得る。他の実施形態において、ダウンリンクデータはまた、エラー情報、フィードバック情報、同期情報等の他の情報を含み得る。
【0048】
主として制御データから構成されるアップリンクデータの送信、および大量の画像データまたは他のセンサデータを含むダウンリンクデータの送信を最適化するために、アップリンクは、堅調である必要があり、一方でダウンリンクは、広いデータ帯域幅(または広帯域ダウンリンク)を有する必要がある。本明細書に記載されるように、アップリンクデータおよびダウンリンクデータは、異なる種類のデータを含み得る。したがって、アップリンクデータおよびダウンリンクデータの送信について、異なる要件が存在し得る。例えば、アップリンクデータは、しばしば、重要な制御情報を含む。このような制御情報は、UAVの種々の動作を制御するために使用され得る。例えば、制御情報は、UAVの航行システムまたは推進システムを制御するために使用され得る。そのような場合において、このような制御情報の損失または破損は、UAVの制御の損失および/またはそれに対する損傷をもたらし得る。一方で、ダウンリンクデータは、典型的に、可動物体(例えば、UAV)から受信デバイス(例えば、基地局)へのセンサデータ(例えば、画像データ)を含む。ダウンリンクデータの損失または破損は、典型的に、ダウンリンクデータの再送信を必要とするだけであり、可動物体の動作に影響を及ぼすものではない。したがって、アップリンクデータは、しばしば、ダウンリンクデータよりも堅調な方式で送信する必要がある。本明細書に使用される際、堅調性とは、エラー、ノイズ、干渉、障害、または他の有害要因を伴う場合でさえも、通信リンクが適正に動作する能力を指す。対照的に、堅調性要件は、ダウンリンクデータが典型的には遠隔制御物体の動作に重要であるとはみなされれないため、ダウンリンクデータに対してはアップリンクデータに対するものほど高度でなくてもよい。しかしながら、ダウンリンクデータは、しばしば、アップリンクデータ(例えば、制御データ)よりも多い量のデータ(例えば、画像データ)を含む。したがって、データ帯域幅要件は、典型的に、ダウンリンクデータに対して、アップリンクデータに対するものよりも高度である。本明細書に使用される際、データ帯域幅とは、ある単位時間で転送されるデータの速度を指す。データ帯域幅が広いほど、データ転送が高速で転送される。典型的に、データ帯域幅は、ビット/秒、kビット/秒、Mビット/秒、Tビット/秒等、ビットレートで測定される。種々の実施形態において、データ帯域幅は、全転送データの速度(例えば、総ビットレート)、送達が成功したデータの平均速度(例えば、スループット)、転送された有用な情報の速度(例えば、純ビットレート)等で測定することができる。要約すると、主として制御データから構成されるアップリンクデータの送信、および大量の画像データまたは他のセンサデータを含むダウンリンクデータの送信を最適化するために、アップリンクは、堅調である必要があり、一方でダウンリンクは、広いデータ帯域幅(または広帯域ダウンリンク)を有する必要がある。
【0049】
本明細書に記載のように、データ通信システムにおいて、堅調なアップリンクおよび広帯域のダウンリンクを達成するための種々の方法を提供する。そのうちの一部を、以下に記載する。
【0050】
本発明の態様によって、異なる符号化スキームを使用して、アップリンクデータおよびダウンリンクデータを符号化して、堅調なアップリンクおよび広帯域のダウンリンクを達成する。具体的には、より効率的な符号化スキームを使用して、ダウンリンクデータを符号化して、符号に割り当てられる帯域幅を低減させることができる。一般的に、前方エラー訂正(FEC)またはチャネル符号化を使用して、エラーを制御し、冗長性の原理を使用して通信チャネルを介するデータ送信の信頼性を増加させることができる。チャネル符号化スキームは、リードソロモン(RS)符号化、ターボ符号化、低密度パリティ検査(LDPC)等、ブロック符号および畳み込み符号を含み得る。いくつかの実施形態において、1つの単一符号化スキームを使用して、所与のデータのセットを符号化する。他の実施形態において、2つ以上の異なる種類の符号化スキームを、連結、混合、または他の技術を使用するなど、所与のデータセットに対して、組み合わせて使用することができる。1つ以上のチャネル符号化スキームを使用して、k−ビットのブロックまたはストリームの入力データを符号化して、n−ビットのブロックまたはストリームの出力データを生成することができ、ここで、nはkよりも大きい。符号化の結果として生成される余剰n−kパリティビットに留意されたい。符号化されたデータを、符号化データの受信機によって復号化し、元の入力データにおけるエラーを検出および/または訂正することができる。
【0051】
固定データ帯域幅を有する通信チャネルについては、チャネル符号化は、概して、余剰帯域幅を、チャネル符号化の結果としてパリティビットに割り当てる必要があるため、有用な情報のために使用されるデータ帯域幅を低減させる。したがって、所与のチャネル符号化スキームまたは複数のチャネル符号化スキームの組み合わせの効率は、符号化の結果として、全ビット(有用およびパリティビットの両方を含む)に対する有用なビットの比率によって測定することができる。例えば、3/4の効率比を有する符号化スキームでは、全符号化ビットの3/4が、有用なビットである。全ビット中の残りの1/4は、パリティビットである。異なるチャネル符号化スキームは、異なるレベルの効率を有し得る。
【0052】
一般に、低効率の符号化スキームは、より多くの冗長性を提供する傾向にあり、(冗長性を使用して)エラーからの修復能力を増加させ、それによって、データ送信の信頼性および堅調性を増加させる。さらに、低効率の符号化スキームの復号化プロセスは、一般に、高効率の符号化スキームの復号化プロセスよりも、必要とする受信機側の計算リソース(例えば、電力、メモリ、処理能力等)がより少ない。したがって、アップリンクデータは、典型的に、高レベルの信頼性で送信される必要があるが、モバイルプラットフォームまたは可動物体(例えば、UAV、モバイルデバイス)等、アップリンクデータの受信機は、典型的に、復号化プロセスのための計算リソースの量が限られているため、低効率の符号化スキームは、アップリンクデータ(例えば、制御データ)を符号化するのにより好適である。いくつかの実施形態において、低効率の符号化スキームは、1/10以下の効率比を有し得る。他の実施形態において、低効率の符号化スキームは、1/10を上回る効率比を有し得る。
【0053】
逆に、高効率の符号化スキームは、一般に、冗長性が低減する代わりに、より良好なデータ帯域幅をもたらす(有用な情報に対するパリティビットの量を減少させることによって)。さらに、高効率の符号化スキームの復号化プロセスは、一般に、低効率の符号化スキームの復号化プロセスよりも、計算がより複雑であり、所要時間が長い。したがって、このような高効率の符号化スキームは、典型的に容量が大きいダウンリンクデータ(例えば、画像データ)の符号化に好適である。さらに、基地局等、ダウンリンクデータの受信機は、復号化プロセスのためにより多くの計算リソースへのアクセスを有する。いくつかの実施形態において、高効率の符号化スキームは、1/2以上の効率比を有し得る。他の実施形態において、
高効率の符号化スキームは、1/2未満の効率比を有し得る。
【0054】
ある実施形態において、ダウンリンクデータは、高効率LDPCを使用して符号化されてもよく、ダウンリンクデータは、比較的単純で低効率である符号化スキーム(変調スキームに加えて)と見なすことができる、直接シーケンススペクトル拡散(DSSS)を使用して符号化されてもよい。DSSSはまた、意図的または非意図的な妨害、複数のユーザ間での単一のチャネルの共有、シグナル/バックグラウンドノイズレベルの障害物の低減、送信機と受信機との間の相対的タイミングの判定といった他の利点を提供する。
【0055】
本発明の別の態様によると、異なる変調スキームを使用して、アップリンクデータおよびダウンリンクデータを変調させて、堅調なアップリンクおよび広帯域のダウンリンクを達成することができる。このような変調スキームは、上述のような異なるチャネル符号化スキームを使用することに加えてか、またはその代りに、使用することができる。いくつかの実施形態において、1つの単一変調スキームを使用して、所与のデータのセットを変調させる。他の実施形態において、2つ以上の異なる種類の変調スキームを、所与のデータセットに対して、組み合わせて使用してもよい。
【0056】
ある実施形態において、ダウンリンクデータは、アップリンクデータを変調させるために使用されるものよりも多い搬送波シグナルを使用して変調される。例えば、ダウンリンクデータは、複数搬送波変調スキームを使用して変調され得、一方でアップリンクデータは、単一搬送波変調スキームを使用して変調され得る。一般に、復調プロセスは、複数搬送波変調スキームでは副搬送波間の干渉の問題および副搬送波シグナルの負担の問題を解決する必要があるため、複数搬送波変調スキームよりも、単一搬送波変調スキームではより計算が単純である。したがって、単一
搬送波変調スキームは、データをより迅速かつ容易に復調することができ、復調プロセスに必要な計算リソースがより少ないため、複数搬送波変調スキームよりも、アップリンクデータの変調に適している。一方で、複数搬送波変調スキームは、複数の搬送波シグナル、およびしたがってより多くのデータを、一度に送信することができるため
、単一
搬送波変調スキーム
よりもダウンリンクデータに、より適している。
【0057】
別の実施形態において、ダウンリンクデータは、アップリンクデータを変調させるために使用されるものよりも高次の変調スキームを使用して変調される。一般に、デジタル変調スキームの変調の次数は、変調スキームを使用して送信され得る異なる符号の数によって決定される。例えば、二元偏移変調(BSK)、ガウス周波数偏移変調(GFSK)といった二次変調スキームは、2つの符号(例えば、「0」および「1」)のみを送信することができる。一方で、四位相偏移変調(QPSK)または直交振幅変調(QAM)といった高次変調スキームは、より多くの符号を送信することができる。いくつかの実施形態において、所与の変調スキームは、異なる効率比(例えば、1/2、2/3、3/4、5/6)、および/または他のパラメータに伴う複数の変動を有し得る。例えば、ある16QAM変動は、1/2の効率比を有し得るが、別の16QAM変動は、3/4の効率比を有し得る。ダウンリンクデータに高次変調スキームを使用することにより、1回でより多くのデータを、ダウンリンクを通じて送信することができる。同時に、受信機側(例えば、基地局)におけるダウンリンクデータの復調に、典型的に、より多くの計算力が必要である。
【0058】
種々の実施形態において、符号化および/または変調スキームの異なる組み合わせを、それぞれ、アップリンクデータおよびダウンリンクデータに使用することができる。例えば、ある実施形態において、アップリンクは、低次および/または単一搬送波変調スキームと、DSSS、FHSS、およびGFSKといった低効率の符号化スキームの組み合わせを使用して、アップリンクデータの堅調性および信頼性を確保することができる。対照的に、ダウンリンクは、高次および/または複数搬送波変調スキームと、QAMおよびLDPCといった高効率の符号化スキームの組み合わせを使用して、ダウンリンクデータのための広いデータ帯域幅を確保することができる。
【0059】
本発明の別の態様によると、アップリンク
データおよびダウンリンク
データは、異なるデータ帯域幅で送信され得る。具体的には、ダウンリンクデータは、妥当な時間で大量の画像データまたは他のセンサデータを送信できるように、アップリンクデータよりも広いデータ帯域幅を使用して送信することができる。種々の方法を使用して、アップリンクとダウンリンクとの間で非対称的なデータ帯域幅を割り当てることができ、その一部は上で考察されている。例えば、非対称的なデータ帯域幅は、上述のように、異なる変調および/またはチャネル符号化スキームを使用することによって達成することができる。
【0060】
さらに、いくつかの実施形態において、アップリンクデータおよびダウンリンクデータは、異なるチャネル帯域幅(Hzまたはビット毎秒で測定される)の周波数チャネルを介して送信され得る。例えば、より広いデータ帯域幅を提供するように、より広いチャネル帯域幅の周波数チャネルを、ダウンリンクデータの送信に使用することができ、一方で、より狭いチャネル帯域幅の周波数チャネルを、アップリンクデータの送信に使用することができる。例えば、アップリンクデータ送信のための周波数チャネル帯域幅は、100KHz〜2MHzであり得、ダウンリンクデータ送信のための周波数チャネル帯域幅は、2MH〜10MHであり得る。種々の実施形態において、アップリンク周波数チャネル帯域幅は、ダウンリンク周波数チャネル帯域幅と重複する場合もあり、または重複しない場合もある。時分割多重(TDM)通信モード(以下により詳細に記載される)において、アップリンク周波数チャネル帯域幅およびダウンリンク周波数チャネル帯域幅は、アップリンク送信およびダウンリンク送信の時間が重複しないため、互いに干渉することなく重複し得る。
【0061】
いくつかの実施形態において、異なるデータ帯域幅を達成するために、アップリンクデータおよびダウンリンクデータは、異なる長さの時間で送信され得る。例えば、TDM様式等、アップリンクとダウンリンクとが、同じ通信チャネルを共有する場合、以下により詳細に記載されるように、アップリンクデータ送信よりも、ダウンリンク送信に対して、全時間中のより多くの割合を割り当てることができる。
【0062】
本発明の一態様によると、アップリンクデータ送信とダウンリンクデータ送信との間の干渉は、TDM通信モードを使用することによって回避することができる。具体的には、アップリンクデータ送信およびダウンリンクデータ送信は、共有の通信チャネルを介して行われるが、時間が重複することはない。干渉の回避の他にも、従来のシステムに必要とされる、2つの別個の通信システム、およびしたがって2セットの通信装置(1つがアップリンク用で1つがダウンリンク用)に対する必要性が、排除され得る。その代りに、アップリンクおよびダウンリンク両方の送信のために、1セットの通信装置のみが必要となり、通信装置を収納するために必要な空間、ならびに通信装置の維持および操作のための費用を低減させる。
【0063】
TDM通信モード下において、時間領域は、複数の周期的に反復するTDMフレームに分割される。各フレームは、複数の固定長サブフレームを含む。いくつかの実施形態において、フレーム内の全てのサブフレームは、同じ長さを有する。いくつかの他の実施形態において、フレーム内のサブフレームは、異なる長さを有してもよい。いくつかの場合において、TDMフレームは、それぞれ、同じサブフレーム数および/または同じフレーム長を有する。他の場合において、TDMフレームは、可変のサブフレーム数および/可変のフレーム長を有してもよい。アップリンクデータ送信が、複数のサブフレームの一部(アップリンクサブフレーム)または第1の時間帯において発生し、ダウンリンクデータ送信が、他のサブフレームの一部(ダウンリンクサブフレーム)または第2の時間帯において発生し得る。アップリンクサブフレーム(第1の時間帯)は、ダウンリンクサブフレーム(第2の時間帯)と時間が重複することはない。本明細書に使用される際、時間帯とは、1つ以上のサブフレームのセットを指す。時間帯は、ガードインターバルを含まない。フレームは、1つ以上の重複しない時間帯を含み得る。いくつかの実施形態において、TDMフレームはまた、アップリンクデータ送信またはダウンリンクデータ送信以外の機能専用のサブフレームを含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、フレームは、多数のチャネルと関連するチャネル条件が監視または測定される、チャネル測定サブフレームを含み得る。いくつかの他の実施形態において、TDMフレームはまた、エラー訂正サブフレーム、同期サブフレーム等を含み得る。連続する2つのサブフレームの間、または所与のサブフレームの最後に、個々の送信が互いに干渉しないことを確実にするためのサブフレーム間ガードインターバルが存在し得る。同様に、2つの連続するフレームまたは所与のフレームの最後に、送信間の干渉を回避するためのフレーム間ガードインターバルが存在し得る。
【0064】
図2は、いくつかの実施形態によるいくつかの例となるTDMフレームを図示する。図示されるように、TDMフレーム200は、複数の固定長サブフレーム204、ならびに任意で、連続するサブフレーム/フレーム間に1つ以上のガードインターバル206および208を含む。所与のTDMフレームのサブフレーム210(または時間帯210)の一部(例えば、サブフレームT1)を、アップリンクデータ送信(例えば、対応するフレームの簡略表示201における上向き矢印210で示されるもの)に割り当てることができる。同じTDMフレームの他のサブフレーム212(または時間帯212)の一部(例えば、サブフレームT2〜T9)を、ダウンリンクデータ送信(例えば、対応するフレームの簡略表示201における
下向き矢印212で示されるもの)に割り当てることができる。いくつかの実施形態において、TDMフレーム内の1つを上回るサブフレームを、アップリンク送信、例えば、フレーム214のアップリンクサブフレーム218(T8〜T9)によって図示されるものに割り当てることができる。いくつかの場合において、TDMフレーム内の全てのサブフレームを、アップリンクデータ送信またはダウンリンクデータ送信等の単一の機能に割り当ててもよい。例えば、フレーム222内の全てのサブフレームを、ダウンリンクデータ送信に割り当て、フレーム224内の全てのサブフレームを、アップリンク送信に割り当てる。したがって、種々の実施形態において、TDMフレームは、0、1、2、またはそれ以上のアップリンク時間帯、ダウンリンク時間帯、および/または他の機能に割り当てられた時間帯を有し得る。
【0065】
アップリンクサブフレームおよびダウンリンクサブフレームの順序は、任意の好適な順序で発生し得る。例えば、アップリンクデータ送信は、ダウンリンクデータ送信よりも早い段階でTDMフレームに発生し得る。そのような場合において、アップリンクサブフレームは、フレーム200(およびその簡略表示201)によって図示されるもののように、ダウンリンクサブフレームよりも早い段階でTDMフレームに発生し得る。あるいは、アップリンクデータ送信は、ダウンリンクデータ送信よりも後にTDMフレームに発生してもよい。そのような場合において、アップリンクサブフレームは、フレーム214(およびその簡略表示220)によって図示されるように、ダウンリンクサブフレームよりも
遅い段階でTDMフレームに発生し得る。いくつかの実施形態において、アップリンク送信およびダウンリンク送信は、アップリンクサブフレームおよびダウンリンクサブフレームが、互いに混合し得るように、交互様式でTDMフレームに発生してもよい。
【0066】
ある実施形態において、ダウンリンクデータ送信に割り当てられるダウン
リンクサブフレームの数は、アップリンクデータ送信に割り当てられるアップリンクサブフレームの数よりも多い。制御データを含むアップリンクデータの量が、典型的に、画像、動画、または他のセンサデータを含み得るダウンリンクデータのものよりも少ないため、アップリンクデータ送信とダウンリンクデータ送信の間のサブフレームのこのような非対称割り当ては、アップリンクデータよりも多いダウンリンクデータが、同じ時間で同じ通信チャネルを介して送信されることを有利に可能にする。
【0067】
種々の実施形態において、アップリンクデータ送信およびダウンリンクデータ送信専用のサブフレームの割り当ては、種々の要因に基づいて決定することができる。例えば、サブフレームの割り当ては、アップリンクデータ送信およびダウンリンク送信が発生する通信チャネル、データ送信要件(例えば、堅調性、信頼性、帯域幅、ビットレート、スループット、制御および/もしくはステータス更新の速度等に関して)、通信端末のハードウェアおよび/またはソフトウェアのパラメータまたは条件、環境要因等と関連する、1つ以上の条件または特性に、少なくとも部分的に基づいて決定することができる。いくつかの事例において、サブフレームの割り当て(例えば、どのようにしてアップリンク送信とダウンリンク送信とに分割するか)は、即時またはほぼ即時で決定することができる。このような決定に基づいて、サブフレームの割り当ては、同じまま留まり得るか、または経時的に調節することができる。いくつかの場合において、割り当ては、即時またはほぼ即時で動的に調節することができる。
【0068】
本発明の別の態様によると、第1の端末および第2の端末の動作を同期するのに使用可能な同期情報が、チャネル条件が悪い場合でさえも、システムの堅調かつ信頼できる動作を可能にするように、アップリンク接続を使用して送信される。典型的に、このような同期情報は、TDMサブフレームの割り当ておよびスケジューリング情報、エラーメッセージ、フィードバック情報等を含み得る。このような同期情報は、典型的に、1対の端末間での通信の同期を確実にするために、端末間、ならびに同じ端末での送信機と受信機との間で送信される必要がある。端末間通信をより堅調なアップリンク(堅調性の低いダウンリンクとは対照的に)に頼ることにより、同期情報は、ノイズ、干渉、エラー等といった、好ましくないチャネル条件でさえも、確実に送達される可能性がより高い。
【0069】
本発明の別の態様によると、アップリンクおよびダウンリンクデータ送信に加えて、TDMフレームの1つ以上のサブフレーム(以下、チャネル測定サブフレーム)を、チャネルの走査または測定に割り当てることができる。チャネル測定サブフレーム中に、現在の通信チャネルまたは電磁環境と関連する特性または条件を測定して、ダウンリンクデータ送信に使用される最適動作周波数を選択することができる。具体的には、N個(N≧1)の利用可能な周波数チャネルと関連する特性または条件を測定して、最適動作周波数を選択することができる。種々の実施形態において、そのような特性または条件には、ノイズ、干渉、シグナル対ノイズ比(SNR)、ビットエラーレート、フェージング率等を挙げることができる。例えば、最適動作周波数は、測定された周波数チャネルの中で、最も低いノイズまたはエネルギーを有し得る。ある実施形態において、チャネル測定および動作周波数選択プロセスは、ダウンリンクデータの受信機(例えば、基地局)によって行われる。他の実施形態において、チャネル測定および動作周波数選択プロセスの態様は、代替として、または追加として、ダウンリンクデータの送信機(例えば、UAV)、または第3のデバイスによって行われてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態において、N個の周波数チャネルと関連する条件を、M個のフレーム(M≦N)の期間にわたって走査および測定することができ、ここで、N個の周波数チャネルのうちの1つ以上が、M個のフレームのそれぞれのチャネル測定サブフレーム(複数可)中に測定される。N個の周波数チャネルの全てが測定された後、最適動作周波数を、測定結果に基づいて選択することができる。例えば、ある実施形態において、最も低いノイズまたは干渉を有する周波数チャネルを、動作周波数として選択する。別の例として、周波数の選択は、別の要因、または一部もしくは全ての要因の組み合わせに基づいてもよい。ある実施形態において、新しい動作周波数が別の一連のチャネル測定の後に選択されるまで、選択された動作周波数を後続のフレームで使用して、(例えば、ダウンリンク送信機によって、およびダウンリンクデータの受信機によって)ダウンリンクデータを転送することができる。
【0071】
種々の実施形態において、アップリンクサブフレーム、ダウンリンクサブフレーム、およびチャネル測定サブフレームは、任意の好適な順序で配置することができる。例えば、
図3は、いくつかの実施形態によるいくつかの例となるTDMフレームを図示する。図示されるように、フレーム302において、アップリンクサブフレーム304は、チャネル測定サブフレーム306よりも前に発生し、これは、ダウンリンクサブフレーム308の前に発生する。換言すると、第1の時間帯304をアップリンクデータ送信に使用し、第2の時間帯306をチャネル測定に使用し、第3の時間帯308をダウンリンクデータ送信に使用する。フレーム312では、チャネル測定サブフレーム314は、アップリンクサブフレーム316の前に発生し、これは、ダウンリンクサブフレーム318の前に発生する。換言すると、第1の時間帯314をチャネル測定に使用し、第2の時間帯316をアップリンクデータ送信に使用し、第3の時間帯318をダウンリンクデータ送信に使用する。フレーム322では、チャネル測定サブフレーム324は、ダウンリンクサブフレーム326の前に発生し、これは、アップリンクサブフレーム328の前に発生する。換言すると、第1の時間帯324をチャネル測定に使用し、第2の時間帯326をダウンリンクデータ送信に使用し、第3の時間帯328をアップリンクデータ送信に使用する。フレーム332では、アップリンクサブフレーム334は、ダウンリンクサブフレーム336の前に発生し、これは、チャネル測定サブフレーム338の前に発生する。換言すると、第1の時間帯334をアップリンクデータ送信に使用し、第2の時間帯336をダウンリンクデータ送信に使用し、第3の時間帯338をチャネル測定に使用する。フレーム342では、ダウンリンクサブフレーム344は、チャネル測定サブフレーム346の前に発生し、これは、アップリンクサブフレーム348の前に発生する。換言すると、第1の時間帯344をダウンリンクデータ送信に使用し、第2の時間帯346をチャネル測定に使用し、第3の時間帯348をアップリンクデータ送信に使用する。フレーム352では、ダウンリンクサブフレーム354は、アップリンクサブフレーム356の前に発生し、これは、チャネル測定サブフレーム358の前に発生する。換言すると、第1の時間帯354をダウンリンクデータ送信に使用し、第2の時間帯356をアップリンクデータ送信に使用し、第3の時間帯358をチャネル測定に使用する。いくつかの実施形態において、フレームは、3つよりも多いかまたは少ない異なるインターバルに分割することができる。例えば、フレームは、1つがチャネル測定用で1つがアップリンクまたはダウンリンクデータ送信用である、2つのインターバルのみを含んでもよい。別の例として、フレームは、アップリンクもしくはダウンリンクデータ送信、またはチャネル測定用の1つのインターバルのみを含んでもよい。さらにいくつかの他の実施形態において、フレームは、それぞれがアップリンクデータ送信、ダウンリンクデータ送信、チャネル測定、および何らかの他の機能に割り当てられた、3つを上回る異なるインターバルに分割されてもよい。
【0072】
図4は、ある実施形態による例となるTDMフレーム400を図示する。図示されるように、TDMフレーム400は、3つの時間帯に分割された合計19個のサブフレーム(T1〜T19)を含む。第1の時間帯はサブフレームT1を含み、第2の時間帯はサブフレームT2を含み、第3の時間帯はサブフレームT3〜T19を含む。さらに、TDMフレーム400は、第1の時間帯と第2の時間帯の間に第1のガードインターバルTG1、第2の時間帯と第3の時間帯の間に第2のガードインターバルTG2、および第3の時間帯の後に第3のガードインターバルTG3を含む。種々の実現形態において、3つの時間帯のそれぞれは、任意の好適な数のサブフレームを含み得、3つの時間帯の順序は、図示された順序と異なってもよい。
【0073】
図5は、ある実施形態による
図4に示されたTDMフレームの例となる構成500を図示する。図示されるように、フレームは、それぞれが0.25ミリ秒の19個のサブフレーム(T1〜T19)、それぞれが150マイクロ秒の2つのガードインターバルTG1およびTG2、ならびにそれぞれが200マイクロ秒の第3のガードインターバルTG3を含む、5ミリ秒である。フレームの開始時に、アップリンクデータ送信が、250
マイクロ秒間、アップリンクサブフレームT1において発生する。
図4〜5は、1つのサブフレームのみが、アップリンクデータ送信に割り当てられるように示すが、他の実施形態において、1つを上回るサブフレームが、アップリンクデータ送信に割り当てられてもよいことに留意されたい。この時間中に、アップリンクデータの送信機(例えば、基地局)は、アップリンクデータの受信機(例えば、UAV等のモバイルプラットフォーム)にアップリンクデータを送信する。アップリンクデータは、速度、配向、位置、およびUAVと関連する他の特性の制御のためといった、制御情報の受信機の動作を制御するための遠隔制御コマンドまたはシグナルを含む、制御情報を含み得る。さらに、アップリンクデータは、サブフレームの割り当ておよび/またはスケジューリング等と関係するタイミング情報といった同期情報を含み得る。同期情報は、例えば、アップリンクデータの受信機が、いつダウンリンクデータの送信を開始すべきか、および/またはその期間を示すことができる。例えば、図示説明される実施例において、同期情報は、アップリンクデータの受信機が、サブフレームT3からサブフレームT13まで、ダウンリンクデータを送信することを可能にし得る。いくつかの場合において、アップリンクデータは、本明細書に記載されるチャネル測定の結果として、ダウンリンク送信のために選択される動作周波数を含み得る。選択される動作周波数は、ノイズ、SNR、干渉等、1つ以上のチャネル条件(複数可)に基づいて、複数の利用可能な周波数チャネルから選択され得る。いくつかの場合において、アップリンクデータは、現在のフレームまたは1つ以上の以前に発生したフレーム内でのイベントに関するステータス情報、エラーメッセージ等を含み得る。例えば、このようなステータス情報は、現在のフレームまたは以前のフレームにおけるダウンリンク送信中のダウンリンクデータの受信が成功したかどうかを示すことができる。
【0074】
図5によって示されるように、アップリンクデータは、低次変調スキームである、周波数偏移変調(FSK)を使用して変調される。アップリンクデータの堅調性を確保するために、アップリンクデータの符号化および/または変調のための他の方法が、提供されてもよい。例えば、3/4の効率比を有する比較的低効率のチャネル符号化スキームを、使用してもよい。
【0075】
いくつかの実施形態において、アップリンク接続に使用される周波数チャネルは、アップリンクの送信機および/または受信機に対して事前に決定され、既知のものであり得る。周波数チャネルが、一方にのみ判明しており、他方には不明である場合、相手側は、チャネル走査を介して接続を確立してもよい。いくつかの実施形態において、アップリンク接続は、周波数チャネルが接続の送信機および受信機の両方に判明している疑似ランダムシーケンスに従って絶えず変化する、周波数ホッピングの送信方法を利用することができる。このような周波数ホッピング機構は、干渉に対するアップリンクの抵抗性を提供することができる。
【0076】
150マイクロ秒のガードインターバルTG1の後に、チャネル品質を、チャネル測定
サブフレームT2において測定することができる。
図4〜5は、1つのサブフレームのみがチャネル測定に割り当てられているとして図示されるが、他の実施形態において、1つを上回るサブフレームが、チャネル測定に割り当てられてもよい。T2の間、通信チャネルの品質を、現在1つ以上の走査されたチャネルと関連する1つ以上の特性または条件を測定することによって、監視および/または測定することができる。いくつかの実施形態において、1つのフレームにつき1つのチャネルのみを測定する。他の実施形態において、1つのフレームにつき1つを上回るチャネルを測定してもよい。種々の実施形態において、このような特性または条件には、ノイズ、干渉、シグナル対ノイズ比(SNR)、ビットエラーレート、フェージング率等を挙げることができる。ある実施形態において、チャネル測定は、ダウンリンクデータの受信機(例えば、基地局)によって行われる。他の実施形態において、チャネル測定は、代替として、または追加として、ダウンリンクデータ端末の送信機(UAV)、または第3のデバイスによって行われてもよい。
【0077】
依然として
図5を参照すると、150マイクロ秒のガードインターバルTG2の後に、ダウンリンクデータの送信機は、T3からT19までのダウンリンクサブフレームの間に、送信を開始することができる。ある実施形態において、ダウンリンクデータの送信機は、T3の間にステータス情報を送信して、アップリンクデータの受信が成功したかどうかを示す。成功した場合、
ダウンリンクデータの送信機は、T4で開始してT19まで(16個のサブフレーム)、画像データまたは他のセンサデータといった他のダウンリンクデータの送信を開始することができる。したがって、画像データ送信専用となる時間の量は、0.25*16=4ミリ秒である。アップリンクデータの受信が失敗した場合、
ダウンリンク送信機は、アップリンクデータの再送信(例えば、20回等、所定の回数)を試みるかどうかを決定することができる。いくつかの実施形態において、ダウンリンク送信に使用される動作周波数は、本明細書に記載されるように、既に行われたチャネル測定の結果として選択することができる。ダウンリンクの送信機および受信機に、同期メッセージを介して動作周波数が通知され得る。
【0078】
本明細書に記載のように、ダウンリンクデータは、広いデータ帯域幅を確保するために符号化および/または変調され得る。例えば、ダウンリンクデータは、LDPC等、高効率の符号化スキームを使用して符号化することができる。代替としておよび/または追加として、ダウンリンクデータは、複数搬送波および/または高次変調スキームを使用して変調されてもよい。ダウンリンク変調スキームの例には、QPSK、QAM等を挙げることができる。図示される実施例において、ダウンリンクデータは、QPSK、16QAM、64QAM、および256QAMのうちのいずれか1つ以上を使用して、符号化および/または変調される。
【0079】
依然として
図5を参照すると、200マイクロ秒のフレーム間ガードインターバルTG3の後に、新しいフレームが、再び開始してもよい。いくつかの実施形態において、アップリンク送信、ダウンリンク送信、および/またはチャネル測定間のサブフレームの割り当ては、送信ステータス(例えば、ダウンリンクおよび/もしくはアップリンクデータの受信が成功したかどうか)、通信チャネルの条件、データ送信要件(例えば、堅調性、信頼性、帯域幅、ビットレート、スループット、制御および/もしくはステータス更新の速度等)等といった、種々の要因に少なくとも部分的に基づいて、動的に変化し得る。例えば、現在のチャネル条件が非常に悪い場合、ダウンリンク送信を全く行わず、全フレームをアップリンク送信専用にして、アップリンク接続の確立を優先させることができる。別の例として、大量のダウンリンクデータを迅速に送信する必要がある場合、より多くのサブフレームを、ダウンリンク送信に割り当ててもよい。代替として、または追加として、アップリンクおよび/またはダウンリンクに関連する周波数帯域幅もまた、類似の要因に基づいて動的に調節することができる。例えば、多くのダウンリンクデータを転送する必要がある場合、より広い周波数帯域幅を、ダウンリンク送信に割り当ててもよい。さらに、アップリンクおよび/またはダウンリンクデータに使用される符号化および/または変調スキームもまた、類似の要因に基づいて動的に変化し得る
【0080】
図6は、ある実施形態による
図4に示されたTDMフレームの別の例となる構成600を図示する。図示される構成は、チャネル測定サブフレーム(T1)およびアップリンクサブフレーム(T2)の順序が逆であることを除いて、
図5に示されるものに類似する。
図6では、チャネル測定は、T2において発生するアップリンクデータ送信の前に、T1において発生する。
【0081】
種々の実施形態において、フレームの割り当ては、制御データと画像データの送信に関する異なるデータ送信要件または拘束を満たすために使用することができる。そのような要件は、データの量、データ転送の速度、画像フレームのリフレッシュまたは更新の速度、エラーレート、待ち時間、遅延時間等に関係し得る。例えば、
図5〜6に示されるフレームの割り当てを、次の制御データ送信要件を満たすために使用することができる(通信が、基地局とUAVとの間であると仮定する):1)基地局からUAVへの送信速度が、26.3kbps未満とならないこと、2)UAVから基地局への送信速度が、8kbps未満とならないこと、ならびに3)制御とステータス更新との間のインターバルが、このような更新に必要なデータ量が0.1841kbであると仮定して、7ミリ秒を超えないこと。
【0082】
図5〜6に示されるように、基地局からUAVへの制御データの送信には0.25ミリ秒(T2)かかり、これは、0.25/5=全フレーム(5ミリ秒)の5%である。チャネル帯域幅が4MHzであるとして、3/4チャネルの符号化スキームを使用する場合、基地局からUAVへの制御データの送信速度は、4*3/4*0.05=0.15Mbpsで26.3kbpsを上回り、したがって、上述の要件1)を満たす。同様に、UAVから基地局へのステータスデータの送信にもまた、0.25ミリ秒(T3)かかり、したがって、UAVから基地局への
ステータスデータの送信速度は、8kpbsを上回り、したがって、上述の要件2)を満たす。最後に、送信速度に基づいて、各フレームで送信されるデータの量を、0.15Mbps*0.002秒=0.3kbとして計算することができる。したがって、3つの連続するフレーム(6ミリ秒)において、送信されるデータの量は、0.3*3=0.9kbで、0.1841kbを上回る。したがって、制御およびステータス更新の要件3)もまた満たす。
【0083】
画像データの送信速度は、
図5〜6に図示されるフレーム割り当てに基づいて、同様に計算することができる。上に例示され説明されたように、16個のサブフレーム(T4〜T19)または0.25*16=4ミリ秒が、画像データ送信に割り当てられる(T3がステータスデータの送信に割り当てられている場合)。全フレームが5ミリ秒であるとして、画像データ送信は、フレーム内の4/5=全時間の80%を占める。画像データの送信速度(例えば、スループット)は、周波数帯域幅、時間帯比、符号化比、符号当たりのビット数、および
スペクトル効率の積として計算することができる。例えば、QPSK3/4については、符号化比は3/4であり、符号当たりのビット数は2である。スペクトル効率が1ビット/秒/Hzであり、周波数帯域幅が4MHzであると仮定すると、4*0.8*0.75*2=4.8Mbpsのスループットが得られる。
【表1】
【0084】
図7aは、ある実施形態によるデータ通信の方法を実現するための例となるプロセス700aを図示する。プロセス700Aの態様は、本明細書に記載されるような1つ以上の端末によって実行することができる。プロセス700A(または本明細書に記載される任意の他のプロセス、またはそれらの変化形および/もしくは組み合わせ)の一部または全ての態様は、実行可能な命令を有して構成される1つ以上のコンピュータ/制御システムの制御下で実行することができ、また、ハードウェアまたはその組み合わせによって、1つ以上のプロセッサで集合的に実行されるコード(例えば、実行可能な命令、1つ以上のコンピュータプログラム、または1つ以上のアプリケーション)として実現され得る。コードは、例えば、1つ以上のプロセッサによって実行可能な複数の命令を含むコンピュータプログラムの形態で、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。コンピュータ可読記憶媒体は、非一過性であり得る。動作が記載される順序は、制限として解釈されることを意図するものではなく、任意の数の記載される動作を、任意の順序および/または並行して組み合わせて、プロセスを実現することができる。
【0085】
ある実施形態において、プロセス700Aは、第1の時間帯でアップリンクデータを転送すること702を含む。いくつかの実施形態において、第1の時間帯は、
図3の304、316、328、334、348、および356によって図示されるもの等、1つ以上のアップリンクサブフレーム(複数可)を包含するTDM時間帯を含み得る。転送は、第1の端末(例えば、基地局)と第2の端末(例えば、UAV)との間で発生し得る。具体的には、アップリンクデータの転送702は、第1の端末が第2の端末にアップリンクデータを送信することと、第2の端末が第1の端末からアップリンクデータを受信することと、を含み得る。いくつかの実施形態において、アップリンクデータは、第2の端末の動作(例えば、航行、遠隔検知)および/または状態(例えば、位置、配向)を制御するための制御情報を含み得る。追加または代替として、アップリンクデータは、TDMフレームのスケジューリングおよび/または割り当てを示すタイミング情報を含む、同期情報を含み得る。例えば、タイミング情報は、TDMフレームが、第1の時間帯、第2の時間帯、および第3の時間帯を含み得ることを示し得る。TDMフレームはまた、連続する時間帯間および/またはフレーム間に1つ以上のガードインターバルを含み得る。時間帯のそれぞれは、
図2〜4に示されるもの等、1つ以上の固定長サブフレームを含み得る。
【0086】
ある実施形態において、第1の端末は、アップリンクデータを送信するように構成されるアップリンク送信機を含み、第2の端末は、アップリンクデータを受信するように構成されるアップリンク受信機を含む。さらに、第2の端末は、ダウンリンクデータを送信するように構成されるダウンリンク送信機を含み、第1の端末は、ダウンリンクデータを受信するように構成されるダウンリンク受信機を含む。いくつかの実施形態において、第1の端末のアップリンク送信機およびダウンリンク受信機は、例えば、シグナルまたはメッセージを介して、互いに通信し得る。同様に、第2の端末のアップリンク受信機およびダウンリンク送信機もまた、互いに通信し得る。いくつかの実施形態において、アップリンク送信機およびダウンリンク受信機は、全体的な寸法および費用を縮小するために、同じデバイスに共に配置され得る。同様に、アップリンク受信機およびダウンリンク送信機もまた、共配置され得る。
【0087】
アップリンクデータは、堅調性および信頼性をアップリンクデータに提供するために、本明細書に記載されるもの等、1つ以上の所定の符号化スキームおよび/または変調スキームを使用して、符号化および/または変調することができる。例えば、ある実施形態において、アップリンクデータは、DSS
S、FHSS、およびGFSK技術の組み合わせを使用して、符号化/変調され得る。アップリンクデータを受信すると、アップリンク受信機は、対応する復号化/復調スキームを使用して、復号化/復調されたアップリンクデータを取得することができる。
【0088】
アップリンクデータを送信した後、第1の端末のアップリンク送信機は、同期情報を生成し、それを第1の端末のダウンリンク受信機に提供することができる。同期情報は、ダウンリンク受信機に、いつおよび/またはどのようにしてダウンリンクデータ(例えば、画像データ)を受信するかを知らせるように、TDMフレームのスケジューリングおよび/または割り当てを示す、タイミング情報を含み得る。
【0089】
アップリンクデータを受信した後、第2の端末のアップリンク受信機は、同期情報を取得して、それを第2の端末のダウンリンク送信機に提供することができる。同期情報は、ダウンリンク送信機に、いつおよび/またはどのようにしてダウンリンクデータ(例えば、画像データ)を送信するかを知らせるように、TDMフレームのスケジューリングおよび/または割り当てを示す、タイミング情報を含み得る。
【0090】
ある実施形態において、プロセス700Aは、第2の時間帯でチャネル品質を測定して、動作周波数を選択すること704を含む。いくつかの実施形態において、第2の時間帯は、
図3の306、316、324、338、346、および358によって図示されるもの等、1つ以上のチャネル測定サブフレームを包含するTDM時間帯を含み得る。第2の時間帯は、
第1の時間帯と時間が重複することはない。チャネル測定サブフレーム中に、現在の電磁環境と関連する特性または特徴を測定して、ダウンリンクデータ送信に使用される最適動作周波数を選択することができる。具体的には、N個(N≧1)の利用可能な周波数チャネルと関連する特性または条件を測定して、最適動作周波数を選択することができる。種々の実施形態において、このような特性または条件には、ノイズ、干渉、シグナル対ノイズ比(SNR)、ビットエラーレート(BER)、フェージング率等を挙げることができる。例えば、最適動作周波数は、測定された周波数チャネルの中で、最も低いノイズを有し得る。
【0091】
ある実施形態において、チャネル測定および動作周波数選択プロセスは、ダウンリンクデータの受信機(例えば、基地局)によって行われる。例えば、チャネル測定および動作周波数選択は、第1の端末のダウンリンク受信機によって行うことができる。続いて、第1の端末のダウンリンク受信機は、動作周波数情報を第1の端末のアップリンク送信機に提供し得、これは、このような動作周波数情報を第2の端末のアップリンク受信機に提供し得る。動作周波数情報を受信すると、アップリンク受信機は、動作周波数を使用してダウンリンクデータを送信するように構成され得るダウンリンク送信機に、このような情報を提供することができる。他の実施形態において、チャネル測定および動作周波数選択プロセスの態様は、代替または追加として、アップリンクデータの送信機、または他のデバイスもしくはプロセスによって行われてもよい。
【0092】
ある実施形態において、プロセス700Aは、第3の時間帯で、選択された動作周波数を使用してダウンリンクデータを転送すること706を含む。いくつかの実施形態において、第3の時間帯は、
図3の308、318、326、336、344、および354によって図示されるもの等、1つ以上のダウンリンクサブフレーム(複数可)を包含するTDM時間帯を含み得る。第3の時間帯は、第1の時間帯とも第2の時間帯とも時間が重複することはない。いくつかの実施形態において、ダウンリンクデータの転送706は、第2の端末が第1の端末にダウンリンクデータを送信することと、第1の端末が第2の端末からダウンリンクデータを受信することと、を含み得る。いくつかの実施形態において、ダウンリンクデータは、第2の端末または第2の端末と通信状態にあるデバイスによって取得される画像データまたは他のセンサデータを含み得る。例えば、データは、搭載されている、および/または第2の端末と通信状態にある、1つ以上のセンサによって取得され得る。ある実施形態において、第2の端末は、ダウンリンク送信機を介してダウンリンクデータを送信し、第1の端末は、プロセス700Aのステップ704で選択された動作周波数で、ダウンリンク受信機を介してダウンリンクデータを受信する。
【0093】
ダウンリンクデータは、広いデータ帯域幅をアップリンクデータに提供するために、本明細書に記載されるもの等、1つ以上の所定の符号化スキームおよび/または変調スキームを使用して、符号化および/または変調することができる。例えば、ある実施形態において、ダウンリンクデータは、LDPCおよびQAMの組み合わせを使用して符号化および/または変調することができる。ダウンリンクデータを受信すると、ダウンリンク受信機は、対応する復号化/復調スキームを使用して、復号化/復調されたダウンリンクデータを取得することができる。
【0094】
第1の端末のダウンリンク受信機は、受信したダウンリンクデータの品質を測定して、品質測定の結果を第1の端末のアップリンク送信機に提供することができ、これが、次いで、その結果を第2の端末のアップリンク受信機に送信することができる。第2の端末のアップリンク受信機は、品質測定結果を受信すると、その結果を第2の端末のダウンリンク送信機に提供することができる。その結果に基づいて、ダウンリンク送信機は、ダウンリンクデータに使用される符号化および/または変調スキームを変更するかどうかを判定することができる。いくつかの実施形態において、符号化および/または変調スキームは、ノイズ、干渉、SNR、BER等といった品質測定結果および/またはチャネル条件に基づいて、動的に変化し得る。異なる符号化/変調スキームを適用する必要があると判定された場合、新しい符号化および/または変調スキームがダウンリンクデータに適用され得、これは、次いで第1の端末に送信される。例えば、チャネル条件が良好であると判定された場合、より広いデータ帯域幅を提供するように構成される符号化および/または変調スキームが使用され得、一方で、チャネル条件が悪い場合、ダウンリンクデータにさらなる信頼性および堅調性を提供するように構成される符号化および/または変調スキームが使用され得る。第1の端末は、次いで、新しい符号化および/変調スキームに対応する復号化および/または復調スキームを使用して、送信されたダウンリンクデータを取得することができる。あるいは、既存の符号化および/または変調スキームを変更する必要がないと判定された場合(例えば、それらに与えられた現在のチャネル条件が最適であるため)、それぞれ、既存の符号化/変調スキームおよび対応する復号化/復調スキームを使用して、ダウンリンクデータの送信および受信を行う。
【0095】
図7Bは、ある実施形態によるデータ通信の方法を実現するための別の例となるプロセス700Bを図示する。具体的には、プロセス700Bは、
図7Aに記載されるもの等、第1の端末および第2の端末によって実装され得る。図示されるように、ステップ708において、第1の端末は、第2の端末にアップリンクデータを送信する708。ステップ710において、第2の端末は、アップリンクデータを受信し、受信したアップリンクデータからタイミング情報を取得する。タイミング情報は、第1の時間帯、第2の時間帯、および第3の時間帯を含み得る。ある実施形態において、タイミング情報はまた、上述の時間帯のいずれかの前後に、第1のガードインターバル、第2のガードインターバル、および第3のガードインターバルを含み得る。ステップ712において、第1の端末は、第2の時間帯でチャネル品質を測定し、測定結果に基づいて動作周波数を選択する。ステップ714において、第2の端末は、第3の時間帯で、動作周波数を使用して第1の端末にダウンリンクデータを送信する。ステップ716において、第1の端末は、動作周波数を使用して、第2の端末によって送信されたダウンリンクデータを受信する。
【0096】
ある実施形態において、第1の端末は、アップリンク送信機およびダウンリンク受信機を含む。アップリンク送信機は、第2の端末にアップリンクデータを送信するように構成される。ダウンリンク受信機は、第2の時間帯で、チャネル測定を行い、測定結果に基づいて動作周波数を選択するように構成される。ダウンリンク受信機はまた、動作周波数でダウンリンクデータを受信するように構成される。
【0097】
アップリンク送信機は、第2の端末にアップリンクデータを送信した後、同期情報を生成し、その同期情報を第1の端末のダウンリンク受信機に提供して、ダウンリンク受信機が動作する(例えば、ダウンリンクデータの受信に備える)ように通知するができる。
【0098】
ある実施形態において、第2の端末は、アップリンク受信機およびダウンリンク送信機を含む。アップリンク受信機は、アップリンク送信機によって送信されたアップリンクデータを受信し、アップリンクデータからタイミング情報を取得するように構成される。いくつかの実施形態において、このようなタイミング情報を取得するために、ある程度の演算または計算が必要であり得る。ダウンリンク送信機は、第3の時間帯で、第1の端末にダウンリンクデータを送信するように構成される。
【0099】
第2の端末のアップリンク受信機は、アップリンクデータからのタイミング情報を計算して、タイミング情報を取得し、このタイミング情報をダウンリンク送信機に提供して、ダウンリンク送信機が動作する(例えば、ダウンリンクデータの送信に備える)ように通知することができる。タイミング情報は、上述の同期情報と実質的に類似であり得る。
【0100】
ダウンリンク受信機は、動作周波数に関する情報(動作周波数情報)をアップリンク送信機に提供することができ、アップリンク送信機は、動作周波数情報を送信することができる。アップリンク受信機は、動作周波数情報を受信し、動作周波数情報をダウンリンク送信機に提供することができ、ダウンリンク送信機は、動作周波数情報を受信することができる。
【0101】
いくつかの実施形態において、ダウンリンク送信機は、ダウンリンクデータを送信する前に、所定の符号化および/または変調スキームに従ってダウンリンクデータを符号化および/または変調させる。ダウンリンク受信機は、ダウンリンクデータを受信した後、使用された変調および/符号化スキームに対応する好適な復調および/または復号化スキームに従って、受信データを復調および/または復号化する。
【0102】
いくつかの実施形態において、ダウンリンク受信機は、受信したダウンリンクデータの品質を測定し、その結果をアップリンク送信機に提供し、これが、その結果を送信する。アップリンク受信機は、結果を受信し、その結果をダウンリンク送信機に提供する。ダウンリンク送信機は、その結果ならびに現在の符号化および/または変調方法に基づいて、現在の復号化および/または変調方法を変更するかどうかを判定する。このような変更が必要であると判定された場合、ダウンリンク送信機は、更新された符号化および/または変調方法を使用して、ダウンリンクデータを符号化および/または変調し、データを送信する。ダウンリンク受信機は、更新された方法を使用して符号化および/変調されたダウンリンクデータを受信し、対応する方法を使用してそのデータを復調および/または復号化する。このような変更が必要ない(すなわち、現在の符号化および/変調方法が最適である)と判定された場合、ダウンリンク送信機は、既存の方法を使用してダウンリンクデータの送信を継続する。
【0103】
図8は、ある実施形態によるデータ通信の方法を実現するための例となるプロセス800を図示する。プロセス800は、基地局等の第1の端末、またはアップリンクデータを第2の端末(例えば、UAV)に送信し、第2の端末からダウンリンクデータを受信するように構成される類似の制御デバイスによって、実現することができる。いくつかの実施形態において、プロセス800は、繰り返し発生する方式で、各TDMフレームについて実現することができる。第1の端末は、アップリンク送信機とダウンリンク受信機とを含み、第2の端末は、本明細書に記載されるもの等、アップリンク受信機とダウンリンク送信機とを含み得る。
【0104】
ある実施形態において、プロセス800は、アップリンク送信機によって、ダウンリンク受信機の状態を確認すること802を含む。いくつかの実施形態において、アップリンク送信機は、ダウンリンク受信機の状態に関する情報を収集するか、またはダウンリンク受信機が、それを提供してもよい。このような状態情報は、例えば、ダウンリンク受信機が、ダウンリンクデータの受信プロセス中であるか、またはダウンリンクデータの受信を終了したかを示すことができる。
【0105】
状態情報によって判定された場合のように、ダウンリンク
受信機がダウンリンクデータの受信を終了した時点で、アップリンク送信機は、同期情報を生成し、それをダウンリンク受信機に提供して、ダウンリンク受信機の動作を一時的に防ぐことができる804。ダウンリンク送信機がダウンリンクデータの受信を終了していない場合、アップリンク
受信機は、ダウンリンク送信が終了するのを待機してもよい。
【0106】
ダウンリンク
受信機がダウンリンクデータの受信を終了したことを判定した時点で、アップリンク送信機は、例えば、遠隔制御される第2の端末(例えば、UAV)へのアップリンクデータの送信を開始することができる806。アップリンクデータは、制御情報、ならびに第1の端末と第2の端末の動作を同期するために使用可能な同期情報を含み得る。例えば、アップリンクデータは、TDMサブフレームまたは時間帯の割り当ておよび/またはスケジューリングに関するタイミング情報を含み得る。例えば、同期情報は、いつおよび/またはどのようにしてダウンリンクデータを送信するかを示すことができる。種々の実施形態において、アップリンクデータは、アップリンク送信の堅調性を確保するために、本明細書に記載されるように、アップリンクデータに好適な符号化および/または変調スキームに従って、符号化および/または変調することができる。
【0107】
アップリンクデータが送信された時点で、アップリンク送信機は、同期情報を生成し、それをダウンリンク受信機に提供して、ダウンリンク
受信機が動作するのを許可する808。同期は、アップリンク受信機に提供される同期と実質的に類似するタイミング情報を含み得る。例えば、同期情報は、いつおよび/またはどのようにしてダウンリンクデータを受信するかを示すことができる。
【0108】
最後に、アップリンク送信機は、ステップ802で開始するプロセス800を反復する前に、現在のTDMフレームにおいて、ダウン
リンク受信機が、ダウンリンクデータの受信を終了するまで待機する810。種々の実施形態において、符号化および/または変調スキーム、サブフレームの割り当てまたはスケジューリング(例えば、アップリンク送信とダウンリンク送信の間)、チャネル帯域幅の割り当て(例えば、アップリンク送信とダウンリンク送信の間)等といった、データ送信と関連する種々の特性またはパラメータが、チャネル条件、データ特性(例えば、量、品質、重要性、BER要件)等といった、種々の要因に基づいて、動的に決定および/または調節することができる。例えば、高解像度の動画を第2の端末から第1の端末に送信する必要がある場合、ダウンリンクのサブフレームの数を増加させて、ダウンリンクのスループットを増加させることができる。そのような調節は、任意の好適な時間に行うことができる。例えば、調節は、各フレーム毎、または数個のフレーム毎に発生してもよい。別の例として、調節は、ある特定の事前に定義された閾値(例えば、SNR、BER)に達するか、またはそれを超えたときに、発生してもよい。
【0109】
図9aは、ある実施形態によるデータ通信の方法を実現するための例となるプロセス900Aを図示する。プロセス
900Aは、第1の端末(例えば、基地局、携帯型遠隔制御デバイス)からアップリンクデータを受信し、第1の端末にダウンリンクデータを送信するように構成される、モバイルプラットフォーム(例えば、UAV)等の第2の端末によって実現され得る。いくつかの実施形態において、プロセス900Aは、繰り返し発生する方式で、本明細書に記載される各TDMフレームについて実現することができる。第2の端末は、それぞれ、第1の端末からアップリンクデータを受信し、第1の端末にダウンリンクデータを送信するための、アップリンク受信機とダウンリンク送信機とを含み得る。
【0110】
ある実施形態において、プロセス900Aは、同期情報を生成し、それをダウンリンク送信機に提供して、その動作を防止する902、アップリンク受信機を含み得る。続いて、アップリンク受信機は、アップリンクデータの受信を開始する904。ステップ906において、アップリンクデータの受信が成功したかどうかを判定する。アップリンクデータの受信が成功したと判定された場合、アップリンク
受信機は、同期情報を生成し、それをダウンリンク送信機に提供して、それに応じて動作することを許可する908。同期情報は、TDMサブフレームの割り当て/スケジューリングを示すタイミング情報を含み得る。タイミング情報がダウンリンク送信機に提供され、それが好適な時間および/または好適な方式でダウンリンクデータを送信することを許可することができる。
【0111】
いくつかの実施形態において、ダウンリンク送信機は、所定の動作周波数、または本明細書に記載のチャネル測定方法に従って選択された動作周波数で、データを送信することができる。動作周波数情報は、第1の端末によって提供され得る。ダウンリンクデータは、第2の端末または第2の端末と関連するセンサもしくはデバイスによって取得される、画像データまたは他のセンサデータを含み得る。送信の前に、ダウンリンクデータは、本明細書に記載されるもの等、ダウンリンクデータに好適な任意の符号化および/または変調スキームを使用して、符号化および/変調され得る。いくつかの実施形態において、使用される符号化および/または変調スキームは、ダウンリンク送信に広いデータ帯域幅を提供するように構成される。
【0112】
いくつかの場合において、ダウンリンク送信機に提供される同期情報は、アップリンクデータから導出され得る。アップリンクデータの受信が不可能である場合等、他の場合において、同期情報は、水晶発振器、原子発振器等、アップリンクデータから独立した計時装置に基づいて計算され得る。水晶発振器が使用される場合、環境要因(例えば、温度、湿度、圧力、振動)および老朽化により、閾値期間後に、不正確な同期情報の生成をもたらす可能性がある。いくつかの実施形態において、閾値期間は、アップリンクデータ送信の失敗がN回(Nは2以上である)に達するのに要する時間によって定義される。閾値期間内で(例えば、アップリンクデータ送信の失敗回数が、N回未満である場合)、ダウンリンク送信が、生成された同期情報に従って反復される。閾値期間を越えると(例えば、アップリンクデータ送信の失敗回数がN回である)、生成された同期情報は、不正確であると見なされ得、第2の端末は、アップリンクデータの受信が再度成功し得るまで、アップリンク送信のみが通信チャネル全体を独占する(すなわち、アップリンクのみが許可され、ダウンリンク送信は許可されない)、アップリンクオンリーモードに入ってもよい。アップリンクが確立した後にのみ、ダウンリンク送信機がダウンリンクデータの送信を再開することが許可される。有利なことには、アップリンク送信の確立の成功は、重要な制御データの堅調な送信を確保するために、悪いチャネル条件下において(例えば、ダウンリンク送信よりも)優先される。さらに、ダウンリンクデータは、再送信され(例えば、最大N−1回)、ダウンリンク送信の信頼性を増加させることができる。
【0113】
図9Aに図示されるように、アップリンクデータの受信が失敗したと判定された場合906、ステップ908において、アップリンクデータ送信の失敗回数が、N回未満(Nは2以上である)であるかどうかを判定する。アップリンクデータ送信の失敗回数が、N回に満たないと判定された場合、アップリンク送信機は、ローカルタイマー(例えば、水晶発振器)を使用して同期情報を生成し、それをダウンリンク送信機に提供することができる。このような場合において、生成された同期情報は、依然として比較的正確であると見なされ、したがって、依然としてダウンリンク送信機に提供される(ステップ910)。アップリンクデータ送信の失敗回数が、N回以上であると判定された場合、同期情報は生成されず、アップリンク送信機は、アップリンクデータの受信が成功するまで、アップリンクデータの受信(ステップ904)を継続する。
【0114】
ある実施形態において、同期情報がダウンリンク送信機に提供された場合、アップリンク受信機は、ステップ902で開始するプロセス900Aを再度反復する前に、ダウンリンク送信機が現在のTDMフレームでダウンリンクデータの送信を終了するまで待機する908。
【0115】
図9bは、ある実施形態による第2の端末を実現するための別の例となるプロセス900Bを図示する。プロセス900Bは、
図9Aに記載されるプロセス900Aと類似している。例えば、ステップ914、916、920、および922は、
図9Aのステップ902、904、910、および912に対応し得る。しかしながら、ステップ918において、アップリンクデータの受信に失敗したと判定された場合、プロセス900Bは、ステップ922に進み、ここで、アップリンク受信機は、
図9Aのステップ908によって示されるようにアップリンク送信の失敗回数がN回未満であるかどうかを判定するのではなく、ダウンリンク送信機がダウンリンクデータの送信を終了するまで待機する。
【0116】
図10は、いくつかの実施形態による本発明の方法を実現するための例となるシステム1000を図示する。システム1000は、UAV等、モバイルプラットフォームまたは可動物体を制御するために使用可能である。システム1000は、本明細書に開示されるシステム、デバイス、および方法の任意の好適な実施形態と組み合わせて使用することができる。システム1000は、検知モジュール1002、処理装置1004、メモリ1006、制御モジュール1008、および通信モジュール1010を含み得る。
【0117】
検知モジュール1002は、異なる手段で可動物体に関係する情報を収集する、異なる種類のセンサを利用することができる。異なる種類のセンサは、異なる種類のシグナルまたは異なる源からのシグナルを検知することができる。例えば、センサには、慣性センサ、GPSセンサ、近接センサ(例えば、ライダー)、または視覚/画像センサ(例えば、カメラ)を挙げることができる。検知モジュール1002は、複数のプロセッサを有する処理装置1004に動作可能に接続され得る。
【0118】
処理装置1004は、プログラム可能プロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU))等、1つ以上のプロセッサを有し得る。処理装置1004は、メモリ1006に動作可能に接続され得る。メモリ1006は、データ、ならびに/または1つ以上のルーチンもしくは機能を行うために処理装置1004によって実行可能な論理、コード、および/もしくはプログラム命令を記憶するように構成される、一過性および/または非一過性の記憶媒体を含み得る。メモリは、1つ以上のメモリユニット(例えば、SDカード等の取り外し可能媒体もしくは外部記憶装置、またはランダムアクセスメモリ(RAM))を含み得る。いくつかの実施形態において、検知モジュール1002からのデータは、メモリ1006のメモリユニットに直接移動させ、その中に記憶することができる。メモリ1006のメモリユニットは、処理装置1004によって、本明細書に記載される方法の任意の好適な実施形態を行うように実行可能な論理、コード、および/またはプログラム命令を記憶することができる。例えば、処理装置1004は、処理装置1004の1つ以上のプロセッサに、送信のためのデータ(例えば、検知モジュールによって取得されるセンサデータ)を準備させる(例えば、データを符号化および/または変調することによって)命令を実行し、通信モジュール1010によって受信されたデータを(例えば、データを復号化および/または復調することによって)処理し、通信モジュール1010にデータを送信および/または受信させ、通信モジュール1010の構成要素間の同期情報の転送をもたらす等を行うように構成され得る。メモリユニットは、処理装置1004によって処理される、検知モジュールからのセンサデータを記憶することができる。いくつかの実施形態において、メモリ1006のメモリユニットは、処理装置1004によって生成される処理結果を記憶するために使用することができる。
図10は、単一の処理装置1004および単一のメモリ1006を描写するが、当業者であれば、これは、制限することを意図するものではなく、システム1000は、複数の処理装置および/またはメモリのメモリユニットを含み得ることを理解するであろう。
【0119】
いくつかの実施形態において、処理装置1004は、可動物体の状態を制御するように構成される、制御モジュール1008に動作可能に接続され得る。例えば、制御モジュール1008は、6自由度に関して、可動物体の空間的配置、速度、および/または加速度を調節するための推進機構を制御するように構成され得る。代替として、または組み合わせて、制御モジュール1008は、可動物体または可動物体によって担持される物体(例えば、カメラ等のペイロードデバイス)の1つ以上の構成要素(例えば、検知モジュール)の状態を制御することができる。いくつかの実施形態において、制御モジュールは、本明細書に記載されるアップリンクデータに含まれるもの等、遠隔で送信される制御データによって制御され得る。制御データは、推進機構、検知モジュール、または可動物体の他の構成要素を制御するために使用可能である。いくつかの場合において、制御データは、可動物体の動作を制御するために非常に重要であり、堅調な様式で送信および受信される必要がある。
【0120】
処理装置1004は、1つ以上の遠隔デバイス(例えば、基地局、携帯型制御デバイス等)からデータを送信および/または受信するように構成される通信モジュール1010に動作可能に接続され得る。例えば、通信モジュール1010は、検知モジュール1002からのセンサデータ、処理装置1004によって生成される処理結果、制御データ、同期情報等のうちの1つ以上を送信および/または受信することができる。通信モジュール1010は、それぞれ、データを遠隔デバイスに、およびそこから、送信および受信するように構成される、送信機1014および受信機1016を含み得る。いくつかの実施形態において、通信モジュールは、送信機と受信機の機能性を兼ね備える、トランシーバを含み得る。いくつかの実施形態において、送信機および受信機は、互いに、ならびに処理ユニット1004と、通信することができる。例えば、送信機および受信機は、それらの動作を同期するために、同期情報を交換することができる。本明細書に記載される有線通信または無線通信等の任意の好適な通信手段を使用することができる。
【0121】
図11は、ある実施形態による例となる通信端末1100を図示する。いくつかの実施形態において、通信端末1100は、基地局、携帯型遠隔制御デバイス、または本明細書に記載されるようなアップリンクデータの送信およびダウンリンクデータの受信が可能な類似のデバイスによって、実現され得る。例えば、通信端末1100は、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、携帯電話、スマートフォン、スマートTV、セットアップボックス、携帯型制御デバイス等といった、モバイルまたは非モバイルのデバイスを含み得る。通信端末1100は、ダウンリンク受信機1102、アップリンク送信機1104、およびアンテナ1106を含む。アンテナ1106は、無線周波数シグナル等の電磁シグナルを受信および送信するように構成される。アンテナ1106は、内部または外部であり得る。いくつかの実施形態において、1つを上回るアンテナが提供されてもよい。
【0122】
アップリンク送信機1104は、本明細書に記載される好適なアップリンク符号化および/または変調スキームを使用して、アップリンクデータを符号化および/または変調するように構成され得る。ダウンリンク受信機
1102は、ダウンリンクデータを受信し、本明細書に記載されるダウンリンク変調および/または
符号化スキームに対応する好適なダウンリンク復調および/または復号化スキームを使用して、それを復調および/または復号化するように構成され得る。アップリンク符号化および/または変調スキームは、アップリンクスキームが、アップリンク送信にさらなる堅調性を提供するように構成され得、一方でダウンリンクスキームは、ダウンリンク送信により良好なデータ帯域幅を提供するように構成され得るという点で、ダウンリンク符号化および/または変調スキームとは異なり得る。ある実施形態において、アップリンク送信機1104およびダウンリンク受信機1102は、異なる符号化および/変調スキームがアップリンクおよびダウンリンク送信に使用され得るにもかかわらず、複数のアンテナを収納するのに必要な空間および費用を低減させるために、アンテナ1106を共有するように構成される。そのような配設は、いくつかの実施形態において、アップリンクおよびダウンリンクデータ送信は、時間が重複しないという事実によって、可能となり得る。他の実施形態において、アップリンク送信機1104およびダウンリンク受信機1102は、異なるアンテナを使用するように構成されてもよい。
【0123】
ダウンリンク受信機1102およびアップリンク送信機1104は、互いに通信し合うように構成され得る。伝達される情報は、TDMサブフレームのスケジューリングおよび割り当てに関連するタイミング情報といった同期情報、ならびに、受信されたダウンリンクデータ、送信されるアップリンクデータ等といった実際のデータを含み得る。
【0124】
ダウンリンク受信機1102およびアップリンク送信機1104は、
図10に記載される処理装置1004に類似する処理装置(示されない)に接続され得る。処理装置は、シグナル符号化、データ処理、入力/出力処理、および通信端末1100の実現に必要な他の機能を行うように構成され得る。処理装置は、
図10に記載されるメモリ1006に類似するメモリ(示されない)に接続され得る。メモリは、データ、ならびに/または本明細書に記載される方法の任意の好適な実施形態を行うために、処理装置によって実行可能な論理、コード、および/もしくはプログラム命令を記憶するように構成される、一過性および/または非一過性の記憶媒体を含み得る。
【0125】
図12は、ある実施形態による例となる通信端末1200を図示する。通信端末1200は、モバイルプラットフォーム(例えば、UAV)、または
図1に記載される通信端末1100へ、およびそこからといった、ダウンリンクデータの送信およびアップリンクデータの受信が可能な他の遠隔制御される可動物体によって、実現することができる。通信端末1200は、アップリンク受信機1204、ダウンリンク送信機1202、およびアンテナ1206を含む。アンテナ1206は、
図11に記載されるアンテナ1106に類似し得る。
【0126】
ダウンリンク送信機1202は、本明細書に記載される好適なダウンリンク符号化および/または変調スキームを使用して、ダウンリンクデータを符号化および/または変調し、それを送信するように構成され得る。アップリンク受信機1204は、アップリンクデータを受信し、本明細書に記載されるアップリンク変調および/または符号化スキームに対応する好適なアップリンク復調および/復号化スキームを使用して、それを復調および/または復号化するように構成され得る。アップリンク符号化および/変調スキームは、アップリンクスキームが、アップリンク送信にさらなる堅調性を提供するように構成され得、一方でダウンリンクスキームは、ダウンリンク送信により良好なデータ帯域幅を提供するように構成され得るという点で、ダウンリンク符号化および/または変調スキームとは異なり得る。ある実施形態において、ダウンリンク送信機1202およびアップリンク受信機1204は、異なる符号化および/または変調スキームがアップリンクおよびダウンリンク送信に使用され得るにもかかわらず、複数のアンテナを収容するのに必要な空間および費用を低減するために、同じアンテナ1206を共有するように構成される。そのような配設は、いくつかの実施形態において、アップリンクおよびダウンリンクデータ送信は、時間が重複しないという事実によって、可能となり得る。他の実施形態において、ダウンリンク送信機1202およびアップリンク受信機1204は、異なるアンテナを使用するように構成されてもよい。
【0127】
アップリンク受信機1204およびダウンリンク送信機1202は、互いに通信し合うように構成され得る。伝達される情報は、TDMサブフレームのスケジューリングまたは割り当てに関連するタイミング情報といった同期情報、ならびに、受信されたアップリンクデータ、送信されるダウンリンクデータ等といった実際のデータを含み得る。
【0128】
アップリンク受信機1204およびダウンリンク送信機1202は、
図10に記載される処理装置1004に類似する処理装置(示されない)に接続され得る。処理装置は、シグナル符号化、データ処理、入力/出力処理、および通信端末1200の実現に必要な他の機能を行うように構成され得る。処理装置は、
図10に記載されるメモリ1006に類似するメモリ(示されない)に接続され得る。メモリは、データ、ならびに/または本明細書に記載される方法の任意の好適な実施形態を行うために、処理装置によって実行可能な論理、コード、および/もしくはプログラム命令を記憶するように構成される、一過性および/または非一過性の記憶媒体を含み得る。
【0129】
本明細書に記載されるシステムおよび方法を適用して、広範な可動物体と通信することができる。前述のように、UAVについての本明細書のいずれの説明も、任意の可動物体に適用および使用することができる。本発明の可動物体は、空中(例えば、固定翼航空機、回転翼航空機、または固定翼も回転翼も有さない航空機)、水中(例えば、船または潜水艦)、地上(例えば、車、トラック、バス、バン、二輪車等の自動車、杖、釣竿等の可動構造物もしくはフレーム、または電車)、地下(例えば、地下鉄)宇宙空間(例えば、宇宙住還機、人工衛星、または宇宙探査機)、あるいはこれらの環境の任意の組み合わせといった、任意の好適な環境内で移動するように構成され得る。可動物体は、本明細書の他の箇所に記載される車両等の車両であり得る。可動物体は、ヒトまたは動物といった生体に載置されてもよい。好適な動物には、鳥類(avine)、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、イルカ(delphine)、齧歯類、または昆虫を挙げることができる。
【0130】
可動物体は、6自由度に関して、環境内で自由に移動することが可能であり得る(例えば、3自由度の並進および3自由度の回転)。あるいは、可動物体の移動は、所定の進路、軌道、または配向によって等、1つ以上の自由度に関して拘束されてもよい。移動は、エンジンまたはモータ等、任意の好適な作動機構によって作動され得る。可動物体の作動機構は、電気エネルギー、磁気エネルギー、太陽エネルギー、風力エネルギー、重力エネルギー、化学エネルギー、核エネルギー、またはこれらの任意の好適な組み合わせといった、任意の好適なエネルギー源を動力とし得る。可動物体は、本明細書の他の箇所に記載されるように、推進システムを介して自己推進され得る。推進システムは、電気エネルギー、磁気エネルギー、太陽エネルギー、風力エネルギー、重力エネルギー、化学エネルギー、核エネルギー、またはこれらの任意の好適な組み合わせといった、エネルギー源で駆動し得る。あるいは、可動物体は、生体によって担持されてもよい。
【0131】
いくつかの事例において、可動物体は、車両であり得る。好適な車両は、船舶、航空機、宇宙機、または地上車両を含み得る。例えば、航空機は、固定翼航空機(例えば、飛行機、グライダー)、回転翼航空機(例えば、ヘリコプター、回転翼機)、固定翼と回転翼の両方を有する航空機、またはそのいずれも有さない航空機(例えば、小型飛行船、熱気球)であり得る。車両は、空中、水上もしくは水中、宇宙空間、または地上もしくは地下での自己推進等、自己推進し得る。自己推進型車両は、推進システム、例えば、1つ以上のエンジン、モータ、車輪、車軸、磁石、ロータ、プロペラ、羽根、ノズル、またはこれらの任意の好適な組み合わせを含む推進システムを、利用し得る。いくつかの事例において、推進システムを使用して、可動物体が、表面からの離陸、表面への着陸、その現在の位置および/もしくは配向の維持(例えば、ホバリング)、配向の変更、ならびに/または位置の変更を行うことを可能にすることができる。
【0132】
可動物体は、ユーザによって遠隔で制御され得るか、または可動物体内もしくはその上の乗員によって現地で制御され得る。可動物体は、UAV等の無人可動物体である。UAV等の無人可動物体は、乗員が可動物体に同乗しない場合がある。可動物体は、ヒトもしくは自律制御システム(例えば、コンピュータ制御システム)、またはこれらの任意の好適な組み合わせによって、制御され得る。可動物体は、人工知能を有して構成されるロボット等、自律または半自律ロボットであってもよい。
【0133】
可動物体は、任意の好適な大きさおよび/または寸法を有し得る。いくつかの実施形態において、可動物体は、車両内またはその上に人間の乗員を有するような大きさおよび/または寸法であり得る。あるいは、可動物体は、車両内またはその上に人間の乗員を有することが可能なものよりも小さい大きさおよび/または寸法であってもよい。可動物体は、人間が持ち上げるかまたは担持するのに好適な大きさ/寸法であってもよい。あるいは、可動物体は、人間が持ち上げるかまたは担持するのに好適な大きさ/寸法よりも大きくてもよい。いくつかの事例において、可動物体は、約2cm、5cm、10cm、50cm、1m、2m、5m、または10m以下の最大寸法(例えば、長さ、幅、高さ、直径、対角線)を有してもよい。最大寸法は、約2cm、5cm、10cm、50cm、1m、2m、5m、または10m以上であってもよい。例えば、可動物体の対向するロータのシャフト間の距離は、約2cm、5cm、10cm、50cm、1m、2m、5m、または10m以下であってもよい。あるいは、対向するロータのシャフト間の距離は、約2cm、5cm、10cm、50cm、1m、2m、5m、または10m以上であってもよい。
【0134】
いくつかの実施形態において、可動物体は、100cm×100cm×100cm未満、50cm×50cm×30cm未満、または5cm×5cm×3cm未満の体積を有してもよい。可動物体の総体積は、約1cm
3以下、2cm
3以下、5cm
3以下、10cm
3以下、20cm
3以下、30cm
3以下、40cm
3以下、50cm
3以下、60cm
3以下、70cm
3以下、80cm
3以下、90cm
3以下、100cm
3以下、150cm
3以下、200cm
3以下、300cm
3以下、500cm
3以下、750cm
3以下、1000cm
3以下、5000cm
3以下、10,000cm
3以下、100,000cm
3以下、1m
3以下、または10m
3以下であってもよい。逆に、可動物体の総体積は、約1cm
3以上、2cm
3以上、5cm
3以上、10cm
3以上、20cm
3以上、30cm
3以上、40cm
3以上、50cm
3以上、60cm
3以上、70cm
3以上、80cm
3以上、90cm
3以上、100cm
3以上、150cm
3以上、200cm
3以上、300cm
3以上、500cm
3以上、750cm
3以上、1000cm
3以上、5000cm
3以上、10,000cm
3以上、100,000cm
3以上、1m
3以上、または10m
3以上であってもよい。
【0135】
いくつかの実施形態において、可動物体は、約32,000cm
2以下、20,000cm
2以下、10,000cm
2以下、1,000cm
2以下、500cm
2以下、100cm
2以下、50cm
2以下、10cm
2以下、または5cm
2以下のフットプリント(可動物体により包含される横方向の断面積を指し得る)を有してもよい。逆に、フットプリントは、約32,000cm
2以上、20,000cm
2以上、10,000cm
2以上、1,000cm
2以上、500cm
2以上、100cm
2以上、50cm
2以上、10cm
2以上、または5cm
2以上であってもよい。
【0136】
いくつかの事例において、可動物体は、重量が1000kgを超えないものであり得る。可動物体の重量は、約1000kg以下、750kg以下、500kg以下、200kg以下、150kg以下、100kg以下、80kg以下、70kg以下、60kg以下、50kg以下、45kg以下、40kg以下、35kg以下、30kg以下、25kg以下、20kg以下、15kg以下、12kg以下、10kg以下、9kg以下、8kg以下、7kg以下、6kg以下、5kg以下、4kg以下、3kg以下、2kg以下、1kg以下、0.5kg以下、0.1kg以下、0.05kg以下、または0.01kg以下であってもよい。逆に、重量は、約1000kg以上、750kg以上、500kg以上、200kg以上、150kg以上、100kg以上、80kg以上、70kg以上、60kg以上、50kg以上、45kg以上、40kg以上、35kg以上、30kg以上、25kg以上、20kg以上、15kg以上、12kg以上、10kg以上、9kg以上、8kg以上、7kg以上、6kg以上、5kg以上、4kg以上、3kg以上、2kg以上、1kg以上、0.5kg以上、0.1kg以上、0.05kg以上、または0.01kg以上であってもよい。
【0137】
いくつかの実施形態において、可動物体は、可動物体が担持する積載量と比較して小さくてもよい。積載量は、以下にさらに詳細に記載されるように、ペイロードおよび/またはキャリアを含み得る。いくつかの例において、可動物体の重量と積載重量との比率は、約1:1を上回るか、それを下回るか、またはそれと等しくてもよい。いくつかの事例において、可動物体の重量と積載重量との比率は、約1:1を上回るか、それを下回るか、またはそれと等しくてもよい。場合によっては、キャリア重量と積載重量との比率は、約1:1を上回るか、それを下回るか、またはそれと等しくてもよい。所望される場合、可動物体の重量と積載重量との比率は、1:2以下、1:3以下、1:4以下、1:5以下、1:10以下、またはそれをさらに下回ってもよい。逆に、可動物体の重量と積載重量との比率は、2:1以上、3:1以上、4:1以上、5:1以上、10:1以上、またはそれをさらに上回ってもよい。
【0138】
いくつかの実施形態において、可動物体は、低いエネルギー消費量を有し得る。例えば、可動物体は、約5W/h未満、4W/h未満、3W/h未満、2W/h未満、1W/h、またはそれを下回る量を使用する。いくつかの事例において、可動物体のキャリアは、低いエネルギー消費量を有し得る。例えば、キャリアは、約5W/h未満、4W/h未満、3W/h未満、2W/h未満、1W/h未満、またはそれを下回る量を使用する。場合によっては、可動物体のペイロードは、5W/h未満、4W/h未満、3W/h未満、2W/h未満、1W/h未満、またはそれを下回るもの等、低いエネルギー消費量を有し得る。
【0139】
図13は、本発明の実施形態による無人航空機(UAV)1300を図示する。UAVは、本明細書に記載される可動物体の一例であり得る。UAV1300は、4つのロータ1302、1304、1306、および1308を有する推進システムを含み得る。任意の数(例えば、1、2、3、4、5、6またはそれ以上)のロータが提供され得る。ロータは、本明細書の別の箇所に記載される自己締結型ロータの実施形態であってもよい。無人航空機のロータ、ロータアセンブリ、または他の推進システムは、無人航空機が、ホバリングする/位置を維持する、配向を変える、および/または位置を変更することを可能にし得る。対向するロータのシャフト間の距離は、任意の好適な長さ1310であり得る。例えば、長さ1310は、2m以下、または5m以下であり得る。いくつかの実施形態において、長さ1310は、40cm〜7m、70cm〜2m、または5cm〜5mであってもよい。本明細書に記載される全てのUAVの記述は、異なる種類の可動物体等、任意の可動物体に適用され得、その逆もまた同様である。
【0140】
いくつかの実施形態において、可動物体は、積載物1312を担持するように構成され得る。
積載物は、乗客、貨物、装置、機器等のうちの1つ以上を含み得る。積載物は、ハウジング内に提供されてもよい。ハウジングは、可動物体のハウジングから分離しているか、または可動物体のハウジングの一部であってもよい。あるいは、可動物体はハウジングを有さないが、積載物が、ハウジングを伴って提供されてもよい。あるいは、積載物の一部または全積載物が、ハウジングなしで提供されてもよい。積載物は、可動物体に対してしっかりと固定され得る。場合によっては、積載物は、可動物体に対して可動(例えば、可動物体に対して並進可能または回転可能)であり得る。
【0141】
いくつかの実施形態において、積載物は、ペイロードを含む。ペイロードは、いずれの操作または機能も行うことのないように構成され得る。あるいは、ペイロードは、機能的ペイロードとしても知られる、ある操作または機能を行うように構成されるペイロードであってもよい。例えば、ペイロードは、1つ以上の標的を調査するための1つ以上のセンサを含み得る。例えば、ペイロードは、画像キャプチャデバイスであり得る。任意の好適なセンサが、画像キャプチャデバイス(例えば、カメラ)、音声キャプチャデバイス(例えば、放物面マイクロホン)、赤外線撮像デバイス、または紫外線撮像デバイス等のペイロードに組み込まれ得る。センサは、静的検知データ(例えば、写真)または動的検知データ(例えば、動画)を提供することができる。いくつかの実施形態において、センサは、ペイロードの標的に検知データを提供する。代替として、または組み合わせて、ペイロードは、1つ以上の標的にシグナルを提供するための1つ以上のエミッタ―を含み得る。発光源または音源といった任意の好適なエミッタ―を使用することができる。いくつかの実施形態において、ペイロードは、例えば、可動物体から離れたモジュールとの通信のための、1つ以上のトランシーバを含む。場合によっては、ペイロードは、環境または標的と相互作用するように構成され得る。例えば、ペイロードは、ロボットアーム等、物体を操作することが可能なツール、機器、または機構を含み得る。
【0142】
任意で、積載物は、キャリアを含んでもよい。キャリアが、ペイロードのために提供され得、ペイロードは、直接的(例えば、可動物体に直接接触して)または間接的(例えば、可動物体に接触することなく)のいずれかで、キャリアを介して可動物体に接続され得る。逆に、ペイロードは、キャリアを必要とすることなく、可動物体に載置されてもよい。ペイロードは、キャリアと一体化して形成されてもよい。あるいは、ペイロードは、キャリアに解放可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態において、ペイロードは、1つ以上のペイロード要素を含み得、ペイロード要素のうちの1つ以上は、上述のように、可動物体および/またはキャリアに対して可動であり得る。
【0143】
キャリアは、可動物体と一体化して形成されてもよい。あるいは、キャリアは、可動物体に解放可能に接続されてもよい。キャリアは、可動物体に直接的または間接的に接続されてもよい。キャリアは、ペイロードに支持を提供することができる(例えば、ペイロードの重量の少なくとも一部を担持する)。キャリアは、ペイロードの移動を安定化および/または指示することが可能な好適な載置構造(例えば、ジンバルプラットフォーム)を含み得る。いくつかの実施形態において、キャリアは、可動物体に対するペイロードの状態(例えば、位置および/または配向)を制御するように適合され得る。例えば、キャリアは、可動物体の動きにかかわらず、ペイロードが、好適な基準フレームに対するその位置および/または配向を維持するように、可動物体に対して移動する(例えば、1、2、もしくは3度の並進、および/または1、2、もしくは3度の回転)ように構成され得る。基準フレームは、固定基準フレーム(例えば、周囲環境)であってもよい。あるいは、基準フレームは、移動する基準フレーム(例えば、可動物体、ペイロード標的)であってもよい。
【0144】
いくつかの実施形態において、キャリアは、キャリアおよび/または可動物体に対するペイロードの移動を許可するように構成され得る。移動は、最大3度の自由度に関する(例えば、1、2、もしくは3つの軸に沿った)並進、または最大3度の自由度に関する(例えば、1、2、もしくは3つの軸を中心とした)回転、またはそれらの任意の好適な組み合わせであり得る。
【0145】
いくつかの事例において、キャリアは、キャリアフレームアセンブリおよびキャリア作動アセンブリを含み得る。キャリアフレームアセンブリは、ペイロードに対する構造的支持を提供することができる。キャリアフレームアセンブリは、個々のキャリアフレーム構成要素を含み得、その一部は、互いに対して可動であり得る。キャリア作動アセンブリは、個々のキャリアフレーム構成要素の移動を作動させる、1つ以上の作動装置(例えば、モータ)を含み得る。作動装置は、同時に複数のキャリアフレーム構成要素の移動を許可することができるか、または一度に1つのキャリアフレーム構成要素の移動を許可するように構成され得る。キャリアフレーム構成要素の移動は、対応するペイロードの移動をもたらし得る。例えば、キャリア作動アセンブリは、1つ以上の回転軸(例えば、ロール軸、ピッチ軸、またはヨー軸)を中心とした1つ以上のキャリアフレーム構成要素の回転を作動させ得る。1つ以上のキャリアフレーム構成要素の回転は、ペイロードを、可動物体に対して1つ以上の回転軸を中心に回転させ得る。代替として、または組み合わせて、キャリア作動アセンブリは、1つ以上の並進軸に沿った1つ以上のキャリアフレーム構成要素の並進を作動させ、それによって、可動物体に対する1つ以上の対応する軸に沿ったペイロードの並進をもたらすことができる。
【0146】
いくつかの実施形態において、可動固定基準フレーム(例えば、周囲環境)および/または互いに対する、可動物体、キャリア、およびペイロードの移動は、制御デバイスによって制御することができる。制御デバイスは、可動物体、キャリア、および/またはペイロードから離れた位置にある遠隔制御デバイスであり得る。制御デバイスは、支持プラットフォーム上に配置されるか、またはそこに付着され得る。例えば、制御デバイスは、基地局の1つ以上のコンピュータデバイスを含み得る。あるいは、制御デバイスは、携帯型または着用可能デバイスであってもよい。例えば、制御デバイスは、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、コンピュータ、眼鏡、手袋、ヘルメット、マイクロホン、またはこれらの好適な組み合わせを含み得る。制御デバイスは、キーボード、マウス、ジョイスティック、タッチスクリーン、またはディスプレイ等のユーザインターフェースを含み得る。手動で入力されるコマンド、音声制御、ジェスチャー制御、または位置制御(例えば、制御デバイスの移動、位置、または傾きを介して)等、任意の好適なユーザ入力を使用して、制御デバイスと相互作用することができる。
【0147】
制御デバイスを使用して、可動物体、キャリア、および/またはペイロードの任意の好適な状態を制御することができる。例えば、制御デバイスを使用して、互いから固定基準に対する、および/または互いに対する、可動物体、キャリア、および/またはペイロードの位置および/または配向を制御することができる。いくつかの実施形態において、制御デバイスを使用して、キャリアの作動アセンブリ、ペイロードの、センサ、およびペイロードのエミッタ等、可動物体、キャリア、および/またはペイロードの個々の要素を制御することができる。制御デバイスは、可動物体、キャリア、またはペイロードのうちの1つ以上と通信するように適合される、無線通信デバイスを含み得る。
【0148】
制御デバイスは、可動物体、キャリア、および/またはペイロードの情報を確認するための好適な表示装置を含み得る。例えば、制御デバイスは、位置、並進速度、並進加速度、配向、角速度、角加速度、またはこれらの任意の好適な組み合わせに関する可動物体、キャリア、および/またはペイロードの情報を表示するように構成され得る。いくつかの実施形態において、制御デバイスは、機能的ペイロードによって提供されるデータ(例えば、カメラまたは他の画像キャプチャデバイスによって記録される画像)等、ペイロードによって提供される情報を表示し得る。
【0149】
場合によっては、いくつかの制御デバイスは、可動物体、キャリア、および/もしくはペイロード、ならびに/または可動物体、キャリア、および/もしくはペイロードの状態の制御、ならびに可動物体、キャリア、および/またはペイロードからの情報の受信および/または表示の両方を行うことができる。例えば、制御デバイスは、ある環境に対するペイロードの位置付けを制御し、同時に、ペイロードによってキャプチャされた画像データまたはペイロードの位置に関する情報を表示することができる。あるいは、異なる制御デバイスを、異なる機能に使用してもよい。例えば、第1の制御デバイスは、可動物体、キャリア、および/またはペイロードの移動または状態を制御することができ、一方で第2の制御デバイスは、可動物体、キャリア、および/またはペイロードからの情報を受信および/または表示することができる。例えば、第1の制御デバイスを使用して、ある環境に対するペイロードの位置付けを制御することができ、一方で第2の制御デバイスは、ペイロードによってキャプチャされた画像データを表示する。可動物体と、可動物体の制御およびデータの受信の両方を行う一体化制御デバイスとの間、または可動物体と、可動物体の制御およびデータの受信を行う複数の制御デバイスとの間で、種々の通信モードを利用することができる。例えば、少なくとも2つの通信モードが、可動物体と可動物体の制御および可動物体からのデータの受信の両方を行う制御デバイスとの間に、形成され得る。
【0150】
図14は、実施形態による可動物体1400および制御デバイス1412を図示する。可動物体および制御デバイスは、本明細書に記載される通信端末の例であり得る。可動物体1400は、キャリア1402およびペイロード1404を含み得る。可動物体1400は、航空機として描写されているが、この描写は、制限することを意図するものではなく、本明細書に上述のように、任意の好適な種類の可動物体が使用可能である。当業者であれば、航空機システムに関連して本明細書に記載される実施形態のいずれをも、任意の好適な可動物体(例えば、UAV)に適用することができることを理解するであろう。いくつかの事例において、ペイロード1404は、キャリア1402を必要とすることなく、可動物体1400に提供されてもよい。可動物体1400は、推進機構1406、検知システム1408、および通信システム1410を含み得る。
【0151】
推進機構1406は、上述のように、ロータ、プロペラ、羽根、エンジン、モータ、車輪、車軸、磁石、またはノズルのうちの1つ以上を含み得る。例えば、推進機構1406は、本明細書の他の箇所に記載のように、自己締結型ロータ、ロータアセンブリ、または他の回転式推進ユニットであってもよい。可動物体は、1つ以上、2つ以上、3つ以上、または4つ以上の推進機構を有してもよい。推進機構は、全てが同じ種類であってもよい。あるいは、1つ以上の推進機構は、別の種類の推進機構であってもよい。推進機構1406は、本明細書の他の箇所に記載される支持要素(例えば、駆動シャフト)等の任意の好適な手段を使用して、可動物体1400に載置することができる。推進機構1406は、可動物体1400の任意の好適な位置、例えば、上部、底部、前面、背面、側面、またはそれらの好適な組み合わせに載置することができる。
【0152】
いくつかの実施形態において、推進機構1406は、可動物体1400が、可動物体1400のいずれの水平方向移動も必要とすることなく(例えば、滑走路を走行することなく)、表面から垂直方向に離陸するか、または表面に垂直に着陸することを可能にすることができる。場合によっては、推進機構1406は、可動物体1400が、特定の位置および/または配向で、空中でホバリングすることを可能にするように動作可能であり得る。推進機構1400のうちの1つ以上は、他の推進機構から独立して制御することができる。あるいは、推進機構1400は、同時に制御されるように構成されてもよい。例えば、可動物体1400は、可動物体に揚力および/または推力を提供することが可能な複数の水平方向に配向されるロータを有し得る。複数の水平方向に配向されるロータを作動させて、可動物体1400に、垂直方向の離陸、垂直方向の着陸、およびホバリング能力を提供することができる。いくつかの実施形態において、水平方向に配向されたロータのうちの1つ以上は、時計回りの方向で回転し得、一方で、水平方向のロータのうちの1つ以上は、反時計回りの方向で回転し得る。例えば、時計回りのロータの数は、反時計回りのロータの数と同じであり得る。水平方向に配向されたロータのそれぞれの回転速度は、各ロータによって生成される揚力および/推力を制御し、それによって、可動物体1400の空間的配置、速度、および/または加速度(例えば、最大3度の並進および最大3度の回転に関する)を調節するために、独立して変化し得る。
【0153】
検知システム1408は、可動物体1400の空間的配置、速度、および/または加速度(例えば、最大3度の並進および最大3度の回転に関する)を検知することができる1つ以上のセンサを含み得る。1つ以上のセンサは、全地球測位システム(GPS)センサ、運動センサ、慣性センサ、近接センサ、または画像センサを含み得る。検知システム1408によって提供される検知データを使用して、可動物体1400の空間的配置、速度、および/または配向を(例えば、以下に記載される好適な処理装置および/または制御モジュールを使用して)制御することができる。あるいは、検知システム1408を使用して、天候条件、可能性のある障害物に対する近接性、地理的特徴物の位置、人工構築物の位置等といった、可動物体を包囲する環境に関するデータを提供することができる。
【0154】
通信システム1410は、無線シグナル1416を介して、通信システム1414を有する制御デバイス1412との通信を可能にする。通信システム1410、1414は、無線通信に好適な任意の数の送信機、受信機、および/またはトランシーバを含み得る。通信は、データを一方向にのみ送信することが可能な一方向通信であり得る。例えば、一方向通信は、可動物体1400のみが制御デバイス1412にデータを送信することを伴い得るか、またはその逆もまた同様であり得る。データは、通信システム1410の1つ以上の送信機から、通信システム1412の1つ以上の受信機に送信され得るか、または逆もまた同様であり得る。あるいは、通信は、データが、可動物体1400と制御デバイス1412の間で双方向に送信され得る、二方向通信であってもよい。二方向通信は、通信システム1410の1つ以上の送信機から、通信システム1414の1つ以上の受信機にデータを送信することを伴ってもよく、逆もまた同様であり得る。
【0155】
いくつかの実施形態において、制御デバイス1412は、可動物体1400、キャリア1402、およびペイロード1404のうちの1つ以上に制御データを提供し、可動物体1400、キャリア1402、およびペイロード1404のうちの1つ以上から情報を受信することができる(例えば、可動物体、キャリア、ペイロードの位置および/または運動情報;ペイロードカメラによってキャプチャされた画像データ等、ペイロードによって検知されるデータ)。いくつかの事例において、制御デバイスからの制御データは、可動物体、キャリア、および/またはペイロードの相対位置、移動、作動、または制御のための命令を含み得る。例えば、制御データは、可動物体の位置および/または配向の変更(例えば、推進機構1406の制御を介して)、または可動物体に対するペイロードの移動(例えば、キャリア1402の制御を介して)をもたらし得る。制御デバイスからの制御データは、カメラまたは他の画像キャプチャデバイスの動作の制御等、ペイロードの制御をもたらし得る(例えば、静止画像または動画の撮影、拡大または縮小、電源のオンまたはオフ、撮像モードの切り替え、画像解像度の変更、焦点の変更、被写界深度の変更、露出時間の変更、視角または視野の変更)。いくつかの事例において、可動物体、キャリア、および/またはペイロードからの通信は、1つ以上のセンサ(例えば、検知システム1408またはペイロード1404のもの)からの情報を含み得る。通信は、1つ以上の異なる種類のセンサ(例えば、GPSセンサ、運動センサ、慣性センサ、近接センサ、または画像センサ)から検知された情報を含み得る。そのような情報は、可動物体、キャリア、および/またはペイロードの位置(例えば、位置、配向)、移動、または加速度に関するものであり得る。ペイロードからのそのような情報は、ペイロードからキャプチャされたデータ、または検知されたペイロードの状態を含み得る。制御デバイス1412によって提供される送信された制御データは、可動物体1400、キャリア1402、またはペイロード1404のうちの1つ以上の状態を制御するように構成され得る。代替として、または組み合わせて、キャリア1402およびペイロード1404はまた、それぞれ、制御デバイスが独立して可動物体1400、キャリア1402、およびペイロード1404のそれぞれと通信し、それらを制御することができるように、制御デバイス1412と通信するように構成される通信モジュールも含み得る。
【0156】
いくつかの実施形態において、可動物体1400は、制御デバイス1412に加えて、または制御デバイス1412の代わりに、別の遠隔デバイスと通信するように構成されてもよい。制御デバイス1412は、可動物体1400だけではなく、別の遠隔デバイスと通信するように構成され得る。例えば、可動物体1400および/または制御デバイス1412は、別の可動物体、または別の可動物体のキャリアもしくはペイロードと、通信することができる。所望される場合、遠隔デバイスは、第2の遠隔デバイスまたは他のコンピュータデバイス(例えば、コンピュータ、ラップトップ、タブレット、スマートフォン、もしくは他のモバイルデバイス)であり得る。遠隔デバイスは、可動物体1400にデータを送信し、可動物体1400からデータを受信し、制御デバイス1412にデータを送信し、制御デバイス1412からデータを受信するように構成され得る。場合によっては、可動物体1400および/または制御デバイス1412から受信されるデータを、ウェブサイトまたはサーバにアップロードできるように、遠隔デバイスは、インターネットまたは他の電気通信ネットワークに接続され得る。
【0157】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書に示され、説明されてきたが、このような実施形態が、単なる例示として提供されることが、当業者には明らかであろう。ここで、多数の変形、変更、および置換が、本発明を逸脱することなく、当業者に思いつくであろう。本明細書に記載される実施形態に対する種々の代替形態が、本発明の実施において採用され得ることを理解されたい。本明細書に記載される本発明の実施形態に対する種々の代替が、本発明の実施に採用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本発明を定義し、これらの特許請求の範囲およびその等価物の範囲内での方法および構造がそれによって網羅されることが意図される。