(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電極端子を有する複数の電池セルが並び方向に並べられ前記電極端子が設けられる電極設置面が形成され前記複数の電池セルが互いに電気的に接続される電池セル集合体と、
外部機器の相手側コネクタに接続可能な接続コネクタを有し前記電極設置面に搭載され前記複数の電池セルの電池状態を前記接続コネクタを介して前記外部機器に出力する電池監視ユニットと、
前記電池セル集合体の前記並び方向の両端部に設けられ前記並び方向の両側から前記電池セル集合体を挟持する一対のエンドプレートと、を備え、
前記電池監視ユニットは、電子回路が形成された基板を有し、
前記一対のエンドプレートは、前記電極設置面と同じ面側に位置するプレート上面と、前記プレート上面よりも窪んで形成されており前記接続コネクタの少なくとも一部を収容する凹部と、を有し、
前記接続コネクタは、前記一対のエンドプレートの前記並び方向の端部よりも前記電池セル集合体側に位置し且つ前記凹部の底部と前記基板との間に位置し、前記相手側コネクタが前記並び方向から挿抜可能に前記基板に設けられることを特徴とする電池モジュール。
電極端子を有する複数の電池セルが並び方向に並べられ前記電極端子が設けられる電極設置面が形成され前記複数の電池セルが互いに電気的に接続される電池セル集合体の前記並び方向の両端部に設けられ前記並び方向の両側から前記電池セル集合体を挟持する一対のエンドプレートを備え、
前記一対のエンドプレートは、
前記電極設置面と同じ面側に位置するプレート上面と、
前記プレート上面よりも窪んで形成されており、外部機器の相手側コネクタに接続可能な接続コネクタを有し前記電極設置面に搭載され前記複数の電池セルの電池状態を前記接続コネクタを介して前記外部機器に出力する電池監視ユニットの前記接続コネクタの少なくとも一部を収容する凹部と、を有し、
前記電池監視ユニットは、電子回路が形成された基板を有し、
前記接続コネクタは、前記一対のエンドプレートの前記並び方向の端部よりも前記電池セル集合体側に位置し且つ前記凹部の底部と前記基板との間に位置し、前記相手側コネクタが前記並び方向から挿抜可能に前記基板に設けられることを特徴とする電池監視ユニット搭載構造。
電極端子を有する複数の電池セルが並び方向に並べられ前記電極端子が設けられる電極設置面が形成され前記複数の電池セルが互いに電気的に接続される電池セル集合体の前記並び方向の両端部に設けられ前記並び方向の両側から前記電池セル集合体を挟持する一対のエンドプレートを備え、
前記一対のエンドプレートは、
前記電極設置面と同じ面側に位置するプレート上面と、
前記プレート上面よりも窪んで形成されており、外部機器の相手側コネクタに接続可能な接続コネクタを有し前記電極設置面に搭載され前記複数の電池セルの電池状態を前記接続コネクタを介して前記外部機器に出力する電池監視ユニットの前記接続コネクタの少なくとも一部を収容する凹部と、を有し、
前記電池監視ユニットは、電子回路が形成された基板を有し、
前記接続コネクタは、前記一対のエンドプレートの前記並び方向の端部よりも前記電池セル集合体側に位置し且つ前記基板の前記並び方向の端部に位置し、前記相手側コネクタが前記並び方向から挿抜可能に前記基板に設けられるとを特徴とする電池監視ユニット搭載構造。
電極端子を有する複数の電池セルが並び方向に並べられ前記電極端子が設けられる電極設置面が形成され前記複数の電池セルが互いに電気的に接続される電池セル集合体の前記並び方向の両端部に設けられ前記並び方向の両側から前記電池セル集合体を挟持する一対のエンドプレートを備え、
前記一対のエンドプレートは、
前記電極設置面と同じ面側に位置するプレート上面と、
前記プレート上面よりも窪んで形成されており、外部機器の相手側コネクタに接続可能な接続コネクタを有し前記電極設置面に搭載され前記複数の電池セルの電池状態を前記接続コネクタを介して前記外部機器に出力する電池監視ユニットの前記接続コネクタの少なくとも一部を収容する凹部と、を有し、
前記電池監視ユニットは、電子回路が形成された基板と、前記基板及び前記接続コネクタを接続するコネクタ接続線とを有し、
前記接続コネクタは、前記一対のエンドプレートの前記並び方向の端部よりも前記電池セル集合体側に位置し、
前記凹部は、前記コネクタ接続線の一部を収容することを特徴とする電池監視ユニット搭載構造。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0013】
〔実施形態1〕
実施形態1に係る電池モジュール1について説明する。電池モジュール1は、例えば、電気自動車やハイブリッド車等の車両に搭載され、当該車両の走行用の駆動源に電力を供給する二次蓄電池である。電池モジュール1は、
図1、
図2に示すように、電池セル集合体10と、複数のバスバ20と、電池監視ユニット30と、一対のエンドプレート40とを備える。
【0014】
ここで、電池セル集合体10は、複数の電池セル11が並んで形成されており、例えば、直方体形状及び立方体形状を含む方体状に形成される。以下の説明では、電池セル集合体10の各電池セル11が並ぶ方向を並び方向と称する。並び方向は、典型的には、電池セル集合体10の互いに対向する第1両側面に交差(例えば直交)する方向である。また、電池セル集合体10の幅に沿った方向を幅方向と称する。幅方向は、典型的には、電池セル集合体10の第1両側面とは異なる第2両側面に交差(例えば直交)する方向である。また、電池セル集合体10の高さに沿った方向を高さ方向と称する。高さ方向は、典型的には、電池セル集合体10の上面及び下面に交差(例えば直交)する方向である。電池セル集合体10の下面は、電池セル集合体10が車両等に設置される側の面であり、電池セル集合体10の上面は、下面の反対側の面である。電池セル集合体10の上面側を高さ方向の上側と称し、電池セル集合体10の下面側を高さ方向の下側と称する。並び方向、高さ方向、及び、幅方向は、互いに略直交する。
【0015】
電池セル集合体10は、複数の電池セル11の集合体であり、複数の電池セル11と、絶縁構造体12とを備える。各電池セル11は、正極の電極端子11aと負極の電極端子11bとを有し、例えば、直方体形状に形成される。各電池セル11は、各電極端子11a、11bが高さ方向の上側に設けられ、各電極端子11a、11bが露出する。電池セル集合体10は、各電池セル11が並び方向に沿って配列され、各電池セル11の各電極端子11a、11bが並び方向に沿って2列に並ぶ。電池セル集合体10は、例えば、各列の電極端子11a、11bが並び方向に沿って正極と負極とが交互に配置される。各電極端子11a、11bは、後述する電極設置面14から高さ方向に沿って立設する。電池セル集合体10は、高さ方向の上側に平坦状の電極設置面14が形成される。なお、各電極端子11a、11bは、電極設置面14から立設されなくてもよく、例えば、平面状に形成されてもよい。この場合、接続方法として、例えば、平面状の各電極端子に穴あきバスバを載せてレーザー溶接する。
【0016】
絶縁構造体12は、各電池セル11を絶縁するものである。絶縁構造体12は、例えば、絶縁用の樹脂板12aを複数備える。絶縁構造体12は、各樹脂板12aにより電池セル11の各々を並び方向の両側から挟むことで電池セル11の各々を絶縁する。つまり、絶縁構造体12は、電池セル11と樹脂板12aとを並び方向に沿って交互に配列し、隣接する電池セル11の間に樹脂板12aを介在させることで各電池セル11を絶縁する。
【0017】
各バスバ20は、各電池セル11の電極端子11a、11bを電気的に接続する部材である。各バスバ20は、金属等の導電性材料により矩形の板状に形成され、電極端子11a、11bが挿入される端子挿入孔21を2つ有する。各バスバ20は、各電池セル11の並び方向で隣り合う正極の電極端子11aと負極の電極端子11bとが各端子挿入孔21に挿通され係止されることにより、隣り合う2つの電極端子11a、11bを電気的に接続する。この例では、各バスバ20は、各電池セル11を直列に接続するが、これに限定されない。各バスバ20は、2つの端子挿入孔21の片方に電極端子11a、11bが接続されないバスバ20が2つ含まれており、一方のバスバ20aは所謂総正極となり、他方のバスバ20bは所謂総負極となる。
【0018】
電池監視ユニット30は、各電池セル11の電池状態を監視する機器である。電池監視ユニット30は、電極設置面14に搭載される。電池監視ユニット30は、例えば、電極設置面14において一方側のエンドプレート40Aの近傍に搭載される。
【0019】
電池監視ユニット30は、基板31と、監視ユニット筐体32と、接続コネクタ33と、バスバ接続線34とを備える。基板31は、種々の電子部品が実装され、当該電子部品を電気的に接続する電子回路を構成するものであり、いわゆるプリント回路基板(Printed Circuit Board)である。基板31は、例えば、エポキシ樹脂、ガラスエポキシ樹脂、紙エポキシ樹脂やセラミック等の絶縁性の材料からなる絶縁層に銅箔等の導電性部材によって配線パターンが形成(印刷)されている。監視ユニット筐体32は、接続コネクタ33の一部及び基板31を収容する部材であり、絶縁性の樹脂により直方体形状に形成される。監視ユニット筐体32は、内部空間部32aを有し、この内部空間部32aに接続コネクタ33の一部及び基板31を収容する。監視ユニット筐体32は、高さ方向の厚みを可能な限り薄く形成することで電池監視ユニット30の小型化を実現している。監視ユニット筐体32は、接続コネクタ33の高さ方向の厚みにより当該監視ユニット筐体32の一部が突出して形成された突出部32bを有する。突出部32bは、監視ユニット筐体32の高さ方向の下側且つ並び方向の一方側に設けられる。監視ユニット筐体32は、この突出部32bにより内部空間部32aを拡張することで接続コネクタ33を収容する。
【0020】
接続コネクタ33は、雌型のコネクタであり、外部機器の雄型の相手側コネクタ2aが挿抜される。接続コネクタ33は、基板31に設けられる。接続コネクタ33は、基板31に電気的に接続され並び方向に延在する端子33aと、端子33aを収容し開口部33bを有する端子収容部33cとを備える。接続コネクタ33は、端子33aが基板31に直接接続される。接続コネクタ33は、監視ユニット筐体32の内部空間部32aに収容され、端子収容部33cの一部が監視ユニット筐体32の突出部32bにより拡張した内部空間部32aに収容される。接続コネクタ33は、相手側コネクタ2aが並び方向から挿抜可能に端子収容部33cの開口部33bが外部に露出する。接続コネクタ33は、例えば、外部機器としてのECU(電子制御ユニット;Electronic Control Unit)2の相手側コネクタ2aが並び方向に沿って開口部33bから挿入され当該相手側コネクタ2aに接続される。
【0021】
バスバ接続線34(
図1参照)は、電池監視ユニット30と各バスバ20とを電気的に接続する導電線である。電池監視ユニット30は、基板31の電子部品がバスバ接続線34を介して各バスバ20に接続され、各電池セル11の電圧値や電流値等の電池状態を監視する。電池監視ユニット30は、各電池セル11の電池状態を監視した結果を接続コネクタ33を介してECU2に出力する。
【0022】
一対のエンドプレート40は、電池セル集合体10の並び方向の両端部に設けられ、並び方向の両側から電池セル集合体10を挟持する一対の部材である。一対のエンドプレート40は、金属部材等により外形が直方体状に形成される。一対のエンドプレート40は、並び方向から見た場合、各電池セル11の形状と同等の形状である矩形状に形成される。一対のエンドプレート40は、電池セル集合体10の並び方向の両端部に設けられる。そして、一対のエンドプレート40は、図示しない連結バーにより連結され、電池セル集合体10を両端から挟持する。一対のエンドプレート40は、プレート本体41と、プレート装着面42と、プレート上面43とを有する。
【0023】
プレート装着面42は、プレート本体41の電池セル11側の端部に設けられ、電池セル集合体10の並び方向の端部の電池セル11に組み付けられる面部である。プレート装着面42は、並び方向から見た場合、電池セル11の形状と同等の形状である矩形状に形成される。
【0024】
プレート上面43は、プレート本体41の高さ方向の上側に設けられ、平面状に形成された面部である。プレート上面43は、電池セル集合体10の電極設置面14と同じ面側に位置する。この例では、プレート上面43は、電池セル集合体10の電極設置面14と高さ方向の高さが揃って位置する。つまり、プレート上面43は、電池セル集合体10の電極設置面14と面一に位置する。なお、プレート上面43は、電池セル集合体10の電極設置面14と高さ方向の高さが揃っていなくてもよい。
【0025】
一方側のエンドプレート40Aは、凹部44を有する。凹部44は、プレート本体41の高さ方向の上側に設けられ、プレート上面43よりも窪んで形成された部分である。凹部44は、プレート本体41の幅方向の略中央に位置する。凹部44は、並び方向から見た場合、矩形の溝状に形成される。凹部44は、高さ方向の深さが少なくとも接続コネクタ33の一部を収容可能な深さである。凹部44は、電池監視ユニット30が電極設置面14に搭載された場合、接続コネクタ33の少なくとも一部を凹部44の収容空間部45に収容する。このとき、接続コネクタ33は、凹部44の底部46と電池監視ユニット30の基板31との間に位置する(
図2参照)。
【0026】
以上のように、実施形態1に係る電池モジュール1は、電池セル集合体10と、電池監視ユニット30と、一対のエンドプレート40とを備える。電池監視ユニット搭載構造3は、一対のエンドプレート40を備える。電池セル集合体10は、電極端子11a、11bを有する複数の電池セル11が並び方向に並べられ、電極端子11a、11bが設けられる電極設置面14が形成され、複数の電池セル11が互いに電気的に接続される。電池監視ユニット30は、外部機器の相手側コネクタ2aに接続可能な接続コネクタ33を有し、電極設置面14に搭載され、複数の電池セル11の電池状態を接続コネクタ33を介して外部機器に出力する。一対のエンドプレート40は、電池セル集合体10の並び方向の両端部に設けられ、並び方向の両側から電池セル集合体10を挟持する。一対のエンドプレート40は、電極設置面14と同じ面側に位置するプレート上面43と、プレート上面43よりも窪んで形成されており接続コネクタ33の少なくとも一部を収容する凹部44とを有する。
【0027】
この構成により、電池モジュール1及び電池監視ユニット搭載構造3は、電池監視ユニット30の接続コネクタ33を凹部44の収容空間部45に収容するので当該接続コネクタ33の高さ方向における突出量を抑制できる。この構成により、電池モジュール1及び電池監視ユニット搭載構造3は、電池監視ユニット30が電極設置面14に搭載された場合、電池監視ユニット30が高さ方向の上側に突出することを抑制できる。この構成により、電池モジュール1及び電池監視ユニット搭載構造3は、電池モジュール1全体の高さ方向のサイズが大きくなることを抑制でき、低背化することができる。この結果、電池モジュール1及び電池監視ユニット搭載構造3は、電池モジュール1の大型化を抑制できる。
【0028】
上記電池モジュール1において、電池監視ユニット30は、電子回路が形成された基板31を備える。接続コネクタ33は、凹部44の底部46と基板31との間に位置し、相手側コネクタ2aが並び方向から挿抜可能に基板31に設けられる。この構成により、電池モジュール1は、接続コネクタ33の基板31から高さ方向の下側に突出する突出量を凹部44により吸収することができる。この構成により、電池モジュール1は、電池監視ユニット30が電極設置面14に搭載された場合、電池監視ユニット30が高さ方向の上側に突出することを抑制できる。
【0029】
〔実施形態2〕
次に、実施形態2に係る電池モジュール1Aについて説明する。実施形態2に係る電池モジュール1Aは、電池監視ユニット30Aの接続コネクタ33Aの位置が実施形態1と異なる。なお、以下の実施形態2〜4において、実施形態1と同等の構成には同一符号を付しその詳細な説明を省略する。
【0030】
実施形態2に係る接続コネクタ33Aは、
図3に示すように、基板31に電気的に接続され並び方向に延在する端子33aと、端子33aを収容し開口部133bを有する端子収容部133cとを備える。接続コネクタ33Aは、基板31に設けられ、基板31の並び方向の端部31aに位置する。つまり、接続コネクタ33Aは、端子収容部133cの開口部133bとは反対側の背面部33dが基板31の並び方向の端部31aに対向(当接)した状態で基板31に設けられる。接続コネクタ33Aは、端子33aが基板31に直接接続される。接続コネクタ33Aは、監視ユニット筐体32の内部空間部32aに収容され、端子収容部133cの一部が監視ユニット筐体32の突出部32bにより拡張した内部空間部32aに収容される。接続コネクタ33Aは、相手側コネクタ2aが並び方向から挿抜可能に端子収容部133cの開口部133bが外部に露出する。
【0031】
以上のように、実施形態2に係る電池モジュール1Aにおいて、電池監視ユニット30Aは、電子回路が形成された基板31を備える。接続コネクタ33Aは、基板31の並び方向の端部31aに位置し、相手側コネクタ2aが並び方向から挿抜可能に基板31に設けられる。この構成により、電池モジュール1Aは、接続コネクタ33Aの基板31から高さ方向の下側に突出する突出量を凹部44により吸収することができる。この構成により、電池モジュール1Aは、電池監視ユニット30Aが電極設置面14に搭載された場合、電池監視ユニット30Aが高さ方向の上側に突出することを抑制できる。
【0032】
〔実施形態3〕
次に、実施形態3に係る電池モジュール1Bについて説明する。実施形態3に係る電池モジュール1Bは、電池監視ユニット30Bの接続コネクタ33Bがコネクタ接続線36を介して基板31に接続される点で実施形態1、2と異なる。電池監視ユニット30Bは、
図4、
図5に示すように、基板31と、監視ユニット筐体32と、基板接続コネクタ35と、コネクタ接続線36と、接続コネクタ33Bとを備える。なお、
図4、
図5では、説明の理解を容易にするために、監視ユニット筐体32の図示を一部省略している。監視ユニット筐体32は、内部空間部32aを有し、この内部空間部32aに基板接続コネクタ35及び基板31を収容する。監視ユニット筐体32は、高さ方向の厚みを可能な限り薄く形成することで電池監視ユニット30Bの小型化を実現している。監視ユニット筐体32は、実施形態1の監視ユニット筐体32のような突出部32bを有しておらず、高さ方向の下側において平面状に形成される。
【0033】
基板接続コネクタ35は、基板31に設けられ、当該基板31に電気的に接続される。また、基板接続コネクタ35は、コネクタ接続線36の一端に電気的に接続される。コネクタ接続線36は、例えば、可撓性を有する導電性のワイヤハーネスである。コネクタ接続線36は、一定の長さを有し、上述のように一端が基板接続コネクタ35に電気的に接続されており、他端が接続コネクタ33Bに電気的に接続される。接続コネクタ33Bは、コネクタ接続線36及び基板接続コネクタ35を介して基板31に電気的に接続される。接続コネクタ33Bは、基板31の基板接続コネクタ35から延在するコネクタ接続線36の端部に設けられており、自在に配置可能な自由端部である。接続コネクタ33Bは、当該接続コネクタ33Bの全体が監視ユニット筐体32から露出する。接続コネクタ33Bは、コネクタ接続線36に電気的に接続される端子33aと、端子33aを収容し開口部233bを有する端子収容部233cとを備える。端子収容部233cは、開口部233bと反対側の底面部33eに端子33aが設けられる。端子収容部233cは、端子33aにコネクタ接続線36が電気的に接続され、底面部33e側からコネクタ接続線36が延在する。
【0034】
一方側のエンドプレート40Bの凹部244は、プレート本体41の高さ方向の上側に設けられ、プレート上面43よりも窪んで形成された部分である。凹部244は、プレート本体41の幅方向の略中央に位置する。凹部244は、並び方向から見た場合、矩形の溝状に形成される。凹部244は、高さ方向の深さが少なくとも接続コネクタ33Bの一部を収容可能な深さである。好ましくは、凹部244は、高さ方向の深さが接続コネクタ33Bの全体を収容可能な深さである。具体的には、凹部244は、高さ方向の深さが接続コネクタ33Bの高さ方向の長さよりも深い。凹部244は、底部246に接続コネクタ33Bを固定するための複数の突起部47を有する。各突起部47は、凹部244の底部246から高さ方向に突出した部分であり、接続コネクタ33Bの端子収容部233cの幅方向のサイズと同等の間隔をあけて設けられる。各突起部47は、接続コネクタ33Bの端子収容部233cを挟持して係止する。各突起部47は、例えば、爪等の係止構造により接続コネクタ33Bの端子収容部233cを引っ掛けて係止する。凹部244は、電池監視ユニット30Bが電極設置面14に搭載された場合、各突起部47により接続コネクタ33Bを係止した状態で接続コネクタ33Bの全体を凹部244の収容空間部45に収容し、且つ、コネクタ接続線36の一部を収容する。このとき、コネクタ接続線36は、高さ方向に沿って延在する。接続コネクタ33Bは、相手側コネクタ2aが並び方向から挿抜可能に端子収容部233cの開口部233bが外部に露出する。接続コネクタ33Bは、相手側コネクタ2aが並び方向に沿って開口部233bから挿入され当該相手側コネクタ2aに接続される。
【0035】
以上のように、実施形態3に係る電池モジュール1Bは、接続コネクタ33Bが基板接続コネクタ35及びコネクタ接続線36を介して基板31に接続され、当該接続コネクタ33Bの少なくとも一部及びコネクタ接続線36の一部が凹部244の収容空間部45に収容され、好ましくは、接続コネクタ33Bの全体が凹部244の収容空間部45に収容される。この構成により、電池モジュール1Bにおいて、基板接続コネクタ35は、外部機器と接続されないので接続コネクタ33Bより構造を簡素化することが可能となり小型化できる。この構成により、電池モジュール1Bは、電池監視ユニット30Bの高さ方向のサイズを小さくすることができる。また、電池モジュール1Bは、電池監視ユニット30Bが電極設置面14に搭載された場合、接続コネクタ33Bを凹部244の収容空間部45に収容するので、当該接続コネクタ33Bのサイズが電池モジュール1B全体のサイズに影響することを抑制できる。この構成により、電池モジュール1Bは、電池モジュール1B全体の高さ方向のサイズが大きくなることを抑制でき、低背化することができる。なお、実施形態3に係る電池モジュール1Bは、接続コネクタ33Bを複数設け、接続コネクタ33Bにより他の電池モジュール1Bと接続してもよい。
【0036】
〔実施形態4〕
次に、実施形態4に係る電池モジュール1Cについて説明する。実施形態4に係る電池モジュール1Cは、相手側コネクタ2aが高さ方向から接続コネクタ33Cに挿抜する点で実施形態1〜3と異なる。電池監視ユニット30Cは、
図6、
図7に示すように、基板31と、監視ユニット筐体32と、基板接続コネクタ35と、コネクタ接続線36と、接続コネクタ33Cとを備える。なお、
図6、
図7では、説明の理解を容易にするために、監視ユニット筐体32の図示を一部省略している。監視ユニット筐体32は、内部空間部32aを有し、この内部空間部32aに基板接続コネクタ35及び基板31を収容する。監視ユニット筐体32は、高さ方向の厚みを可能な限り薄く形成することで電池監視ユニット30Cの小型化を実現している。監視ユニット筐体32は、実施形態1の監視ユニット筐体32のような突出部32bを有しておらず、高さ方向の下側において平面状に形成される。
【0037】
基板接続コネクタ35は、基板31に設けられ、当該基板31に電気的に接続される。また、基板接続コネクタ35は、コネクタ接続線36を介して接続コネクタ33Cに電気的に接続される。接続コネクタ33Cは、基板31の基板接続コネクタ35から延在するコネクタ接続線36の端部に設けられており、自在に配置可能な自由端部である。接続コネクタ33Cは、当該接続コネクタ33Cの全体が監視ユニット筐体32から露出する。接続コネクタ33Cは、コネクタ接続線36に電気的に接続される端子33aと、端子33aを収容し開口部333bを有する端子収容部333cとを備える。端子収容部333cは、開口部333bと反対側の底面部33eに端子33aが設けられる。端子収容部333cは、端子33aにコネクタ接続線36が電気的に接続され、底面部33e側からコネクタ接続線36が延在する。端子収容部333cは、高さ方向に対して段差が形成された段差部33fを有する。
【0038】
一方側のエンドプレート40Cの凹部344は、プレート本体41の高さ方向の上側に設けられ、プレート上面43よりも窪んで形成された部分である。凹部344は、プレート本体41の幅方向の略中央に位置する。凹部344は、並び方向から見た場合、下向きの凸形の溝状に形成される。つまり、凹部344は、高さ方向に対して段差を有した溝部として形成される。凹部344は、高さ方向の深さが少なくとも接続コネクタ33Cの一部を収容可能な深さである。凹部344は、上述のように段差を有した溝部であり、支持面48と、支持面48より深い位置にある底部346とを有する。凹部344は、電池監視ユニット30Cが電極設置面14に搭載された場合、接続コネクタ33Cの開口部333bが高さ方向の上側を向いた状態で、接続コネクタ33Cが凹部344の収容空間部45に収容される。このとき、凹部344は、支持面48に接続コネクタ33Cの端子収容部333cの段差部33fが当接することで接続コネクタ33Cを支持する。そして、凹部344は、図示しない爪等の係止構造により接続コネクタ33Cを固定する。凹部344は、接続コネクタ33Cを固定した状態で、端子収容部333cの底部46と凹部344の底部346との間に間隔を有する。凹部344は、この間隔により端子収容部333cの底部46から延在するコネクタ接続線36の一部を凹部344の収容空間部45に収容する。接続コネクタ33Cは、相手側コネクタ2aが高さ方向から挿抜可能に端子収容部333cの開口部333bが外部に露出する。接続コネクタ33Cは、相手側コネクタ2aが高さ方向に沿って開口部333bから挿入され当該相手側コネクタ2aに接続される。
【0039】
以上のように、実施形態4に係る電池モジュール1Cは、接続コネクタ33Cが基板接続コネクタ35及びコネクタ接続線36を介して基板31に接続され、当該接続コネクタ33Cの少なくとも一部及びコネクタ接続線36の一部が凹部344の収容空間部45に収容され、高さ方向から相手側コネクタ2aが挿抜される。電池モジュール1Cは、電池監視ユニット30Cが電極設置面14に搭載された場合、接続コネクタ33Cの一部を凹部344の収容空間部45に収容するので、当該接続コネクタ33Cのサイズが電池モジュール1C全体のサイズに影響することを抑制できる。この構成により、電池モジュール1Cは、電池モジュール1C全体の高さ方向のサイズが大きくなることを抑制でき、低背化することができる。また、電池モジュール1Cは、接続コネクタ33Cの開口部333bが高さ方向の上側を向いているので、相手側コネクタ2aを高さ方向から挿抜することができる。なお、実施形態4に係る電池モジュール1Cは、接続コネクタ33Cを複数設け、接続コネクタ33Cにより他の電池モジュール1Cと接続してもよい。
【0040】
〔変形例〕
次に、実施形態の変形例について説明する。電池モジュール1、1A、1B、1Cは、車両に搭載され当該車両の走行用の駆動源に電力を供給する例について説明したが、他の用途に使用してもよい。
【0041】
電池監視ユニット30、30A、30B、30Cは、各電池セル11の電圧値や電流値等を検出する例について説明したが、これに限定されず、さらに各電池セル11の温度等を検出してもよい。
【0042】
〔参考例1〕
次に、参考例1に係る電線組み付け例について説明する。参考例1に係る電線組み付け例では、はんだにより基板100に導電部材200の複数の電線211を電気的に接続する(
図11参照)。ここで、以下の説明では、電線211が延在する方向を延在方向と称する。延在方向に交差(例えば直交)し、各電線211が並ぶ方向を並び方向と称する。基板100の実装面に直交する方向を高さ方向と称する。延在方向、並び方向、及び、高さ方向は、互いに略直交する。
【0043】
導電部材200は、例えば、平たく形成した可撓性扁平導電部材として構成する。導電部材200は、例えば、フラットケーブル(所謂FC)、フレキシブルフラットケーブル(所謂FFC)、フレキシブルプリント回路基板(所謂FPC)やメンブレン配線板等の印刷回路体等を用いることができる。この例では、導電部材200は、フレキシブルフラットケーブルを例に挙げる。導電部材200は、電線部210と、縁部220とを有し、外観形状が長尺の平板状に形成される。電線部210は、3本の電線211と、被覆部材212とを備える。電線部210は、3本の電線211が並び方向に間隔をあけて配置され、各電線211の先端部211aが露出した状態で絶縁性の被覆部材212により被覆される。縁部220は、電線部210の並び方向の両側に設けられ、被覆部材212により平坦状に形成される。
【0044】
基板100は、種々の電子部品が実装され、当該電子部品を電気的に接続する電子回路を構成するものであり、いわゆるプリント回路基板である。基板100は、例えば、エポキシ樹脂、ガラスエポキシ樹脂、紙エポキシ樹脂やセラミック等の絶縁性の材料からなる絶縁層に銅箔等の導電性部材によって配線パターンが形成(印刷)されている。基板100は、例えば、配線パターンが形成された絶縁層を複数枚積層させ多層化されたもの(つまり、多層基板)である。基板100は、配線パターンと電線211との接続性を向上させるために配線パターンのパッド(接続用の導体パターン)110の上に予備はんだ120が形成される。
【0045】
ここで、従来例に係る基板101は、例えば、
図8、
図9に示すように、1本の電線211に対して1本の線状のパッド102が基材180に形成され、このパッド102の上に予備はんだ103が形成される。基板101は、パッド102に形成された予備はんだ103の上に電線211の先端部211aが位置合わせされた状態で、予備はんだ103と共に当該予備はんだ103とは異なる接続はんだが溶融されることでパッド102と電線211の先端部211aとが電気的に接続される。従来例に係る基板101は、予備はんだ103が表面張力の作用により表面が湾曲状に形成され、この湾曲状の予備はんだ103の上に電線211の先端部211aが位置合わせされる。このため、従来例に係る基板101は、電線211が不安定となり電線211の位置ずれが生じる傾向がある。従来例に係る基板101は、この位置ずれを回避するために冶具を使用して位置決めをしたり電線211を強固に保持したりする必要がある。
【0046】
これに対して、参考例1に係る基板100は、
図10、
図11、
図12に示すように、1本の電線211に対して2本の線状のパッド110が電線211の線径程度の間隔をあけて並び方向に並んで基材180に形成される。そして、基板100は、各パッド110の上に予備はんだ120が形成される。基板100は、各パッド110の間に電線211の先端部211aが配置されることで位置合わせが行われる。そして、基板100は、電線211の位置合わせが行われた状態で、予備はんだ120と共に接続はんだが溶融されることで各パッド110と電線211の先端部211aとが電気的に接続される。なお、基板100は、電線211の被覆部材212と電線211の露出部分である先端部211aとの基板100の実装面における高さ方向の位置を合わせるために、基材180の被覆部材212に係る部分に窪み部130が形成される。基板100は、この窪み部130により被覆部材212の厚みを吸収した状態で先端部211aの高さ方向の位置を実装面に合わせることができるので、先端部211aの位置合わせを容易に行うことができる。なお、基板100は、窪み部130により先端部211aの高さ方向の位置を実装面に合わせたが、これに限定されない。例えば、基板100は、窪み部130を形成せずに、先端部(芯線部)211aを実装面側に撓ませることにより、先端部(芯線部)211aの高さ方向の位置を実装面に合わせてもよい。隣接するパッド110のうち、片方のパッド110は、基板100に形成されたスルーホール170に接続される。
【0047】
以上のように、参考例1に係る基板100は、予備はんだ120が形成された各パッド110の間に電線211を配置することにより、各パッド110に対する電線211の位置決めを行う。この構成により、基板100は、電線211の先端部211aを各パッド110により挟むことにより電線211の先端部211aの並び方向の位置決めができ、配線パターンのパッド110に対する電線211の位置を一義的に定めることができる。この構成により、基板100は、電線211を安定させた状態で予備はんだ120及び接続はんだにより当該電線211をパッド110に固定することができる。この結果、基板100は、パッド110に対して電線211の位置がずれることを抑制することができる。また、基板100は、従来のように、冶具による電線211とパッド110との位置決めを不要とすることができ、電線211を強固に保持することを不要とすることができる。
【0048】
〔参考例2〕
次に、参考例2に係る電線組み付け例について説明する。なお、参考例2〜6において、参考例1と同等の構成には同一符号を付しその詳細な説明を省略する。参考例2は、電線211の先端部211aを延在方向に当接させる当接パッド111を有する点で参考例1と異なる。参考例2に係る基板100Aは、
図13、
図14、
図15に示すように、1本の電線211に対して2本の線状の線状パッド112が電線211の線径程度の間隔をあけて並び方向に並んで基材180に形成され、さらに、各線状パッド112の延在方向の奥側に並び方向に沿った端面111aを有する当接パッド111が基材180に形成される。当接パッド111は、電線211の先端部211aを挟む一対の線状パッド112と電気的に接続される。当接パッド111及び一対の線状パッド112から構成されるパッドは、高さ方向から見た場合、角部が矩形のU字形状に形成される。各線状パッド112及び当接パッド111の上には、予備はんだ120が形成される。
【0049】
基板100Aは、各線状パッド112の間に電線211の先端部211aが配置され且つ電線211の先端部211aが当接バッド111の端面111aに当接されることで位置合わせが行われる。そして、基板100Aは、電線211の位置合わせが行われた状態で、予備はんだ120と共に接続はんだが溶融されることで線状パッド112及び当接パッド111と電線211の先端部211aとが電気的に接続される。
【0050】
以上のように、参考例2に係る基板100Aは、予備はんだ120が形成された各線状パッド112の間に電線211を配置し且つ当接パッド111の端面111aに当接することにより、配線パターンのパッド110に対する電線211の位置決めを行う。この構成により、基板100Aは、電線211の先端部211aを各線状パッド112により挟むことにより電線211の先端部211aの並び方向の位置決めができ、さらに、当接パッド111の端面111aに電線211の先端部211aを当接させることにより電線211の先端部211aの延在方向の位置決めができる。この構成により、基板100Aは、配線パターンのパッド110に対する電線211の位置を一義的に定めることができる。この構成により、基板100Aは、電線211をより安定させた状態で予備はんだ120及び接続はんだにより当該電線211を配線パターンのパッド110に固定することができる。
【0051】
〔参考例3〕
次に、参考例3に係る電線組み付け例について説明する。参考例3は、各線状パッド112の間に溝部112aを設ける点で参考例1、2と異なる。参考例3に係る基板100Bは、
図16に示すように、1本の電線211に対して2本の線状の線状パッド112が電線211の線径程度の間隔をあけて並び方向に並んで基材180に形成される。そして、基板100Bは、各線状パッド112の延在方向の奥側に並び方向に沿った端面111aを有する当接パッド111が基材180に形成され、電線211に隣接する線状パッド112の間に溝部112aが基材180に形成される。溝部112aは、延在方向に沿って延在し、電線211の先端部211aの一部を収容する。以上のように、参考例3に係る基板100Bは、電線211の先端部211aの一部を溝部112aに収容するので、さらに電線211の位置決め効果を向上できる。
【0052】
〔参考例4〕
次に、参考例4に係る電線組み付け例について説明する。参考例4は、レジスト及びシルクにより電線211の位置決めを行う点で参考例1〜3と異なる。参考例4に係る基板100Cは、基板100Cのパッド113を含む配線パターンに対して外部との電気的が不要な部分に保護膜としてのレジスト層140を基材180に積層し、さらにレジスト層140の上から品番等の印字に用いられるシルク層141を基材180に積層する。基板100Cは、
図17に示すように、レジスト層140及びシルク層141により構成された壁部140aがパッド113の並び方向の両側に設けられる。壁部140aは、電線211の線径の半分程度の高さを有し、壁部140aの間隔は、電線211の線径程度である。以上のように、参考例4に係る基板100Cは、レジスト層140及びシルク層141により形成される壁部140aの間に電線211を配置することによりパッド113に対する電線211の位置決めを行う。この構成により、基板100Cは、電線211の先端部211aを壁部140aにより挟むことで電線211の先端部211aの並び方向の位置決めができ、配線パターンのパッド113に対する電線211の位置を一義的に定めることができる。この構成により、基板100Cは、電線211を安定させた状態で接続はんだにより当該電線211をパッド113に固定することができる。この結果、基板100Cは、パッド113に対して電線211の位置がずれすることを抑制することができる。
【0053】
〔参考例5〕
次に、参考例5に係る電線組み付け例について説明する。参考例5は、ステープラ150により電線211を基板100Dに組み付ける点で参考例1〜4と異なる。参考例5に係る基板100Dは、
図18、
図19に示すように、線状のパッド114が基材180に形成され、このパッド114に電線211の先端部211aが位置合わせされた状態で、ステープラ150により導電部材200Aを基板100Dに固定する。
【0054】
導電部材200Aは、第1貫通孔230と、第2貫通孔231とを有する。第1貫通孔230は、被覆部材212の先端部211a側において隣接する電線211の間にそれぞれ設けられ、この例では、2つ設けられる。第2貫通孔231は、被覆部材212の先端部211a側において電線部210Aの両側の縁部220にそれぞれ設けられ、この例では、2つ設けられる。
【0055】
基板100Dは、第3貫通孔160と、第4貫通孔161とを有する。第3貫通孔160及び第4貫通孔161は、それぞれ基板100Dを貫通する孔部である。第3貫通孔160は、基板100Dのパッド114に導電部材200Aが位置合わせされた状態で、導電部材200Aの各第1貫通孔230と連通する位置に設けられる。第4貫通孔161は、基板100Dのパッド114に導電部材200Aが位置合わせされた状態で、導電部材200Aの各第2貫通孔231と連通する位置に設けられる。
【0056】
ステープラ150は、絶縁性の樹脂等から形成され、ステープラ本体151と、押し当て部152と、位置決め棒153と、固定部154とを備える。ステープラ本体151は、角部が丸みを有した矩形の板状に形成される。押し当て部152は、ステープラ本体151の長手方向(並び方向)の中央部に設けられ、被覆部材212により被覆された部分の電線211である電線部210Aを基板100Dに押し当てる部分である。押し当て部152は、電線部210Aの延在方向に沿って凹部152aが形成され、当該凹部152aが電線部210Aの外周面に当接する。押し当て部152は、凹部152aが電線部210Aの外周面に当接することで、電線部210Aが長手方向(並び方向)に移動することを規制する。
【0057】
位置決め棒153は、電線部210Aの位置を規定する部材である。位置決め棒153は、ステープラ本体151の長手方向(並び方向)の中央部に設けられ、ステープラ本体151から高さ方向の一方側に突出した棒状の部材である。位置決め棒153は、長手方向(並び方向)に沿って電線部210Aの被覆された電線211の線径程度の間隔をあけて設けられ、この例では、2本設けられる。位置決め棒153は、基板100Dのパッド114に電線部210Aが位置合わせされた状態で、電線部210Aの第1貫通孔230及び基板100Dの第3貫通孔160に挿通する。
【0058】
固定部154は、ステープラ本体151を基板100Dに固定する部材である。固定部154は、ステープラ本体151の長手方向(並び方向)の両側に設けられ、ステープラ本体151から高さ方向の一方側に突出した棒状の部材であり、この例では、2本設けられる。固定部154は、基板100Dのパッド114に導電部材200Aが位置合わせされた状態で、導電部材200Aの第2貫通孔231及び基板100Dの第4貫通孔161に挿通する。そして、固定部154は、第2及び第4貫通孔231、161に挿通され、ステープラ本体151とは反対側の端部が基板100Dから突出した状態で、当該突出した部分が溶融されることで、溶融された部分が基板100Dの第4貫通孔161よりも大きく形成される。この構成により、固定部154は、ステープラ本体151を基板100Dに固定する。
【0059】
以上のように、参考例5に係る基板100Dは、パッド114に電線211の先端部211aが位置合わせされた状態で、ステープラ150により導電部材200Aを基板100Dに固定する。ステープラ150は、位置決め棒153が導電部材200Aの第1貫通孔230及び基板100Dの第3貫通孔160に挿通することで、導電部材200Aが延在方向に引き抜かれることによる導電部材200Aの位置ずれを抑制することができる。また、ステープラ150は、固定部154が導電部材200Aの第2貫通孔231及び基板100Dの第4貫通孔161に挿通し係止されることで、導電部材200Aが基板100Dから引き剥がされることによる導電部材200Aの位置ずれを抑制することができる。さらに、ステープラ150は、固定部154により導電部材200Aが延在方向に引き抜かれることによる導電部材200Aの位置ずれを抑制することができる。この結果、ステープラ150は、従来のように接着剤により導電部材200Aを基板100Dに固定する場合と比較して、導電部材200Aの位置ずれを抑制することができる。また、ステープラ150は、従来のように接着剤の塗布量の調整や溶剤の管理を省略することができるので、接着剤により導電部材200Aを基板100Dに固定する場合と比較して、製造工程を簡略化することができる。また、ステープラ150は、従来のようにコネクタにより電線を基板に接続する場合と比較して、小型化することができる。
【0060】
なお、固定部154は、ステープラ本体151とは反対側の端部を溶融することによりステープラ本体151を基板100Dに固定する例について説明したが、これに限定されない。固定部156は、例えば、
図20に示すように、ステープラ本体151とは反対側の端部に係止爪155を設けてもよい。係止爪155は、弾性変形が可能な部材であり、外力が加えられていない状態では固定部本体157の外側に突出し、例えば、テーパ状に広がる。係止爪155は、基板100Dの第4貫通孔161に挿通され外力が加えられた状態では固定部本体157側に畳み込まれる。この構成により、係止爪155は、基板100Dの第4貫通孔161の一方側から挿通されると固定部本体157側に畳み込まれる。そして、係止爪155は、基板100Dの第4貫通孔161の他方側から抜け出ると固定部本体157の外側に突出してテーパ状に広がる。この構成により、係止爪155は、基板100Dの裏面側に係止することでステープラ150Aを基板100Dに係止することができる。この結果、固定部156は、固定部154のように溶融する工程を省略することができるので製造工程を簡略化することができる。