【実施例】
【0118】
以下、合成例、実施例中での生成物の測定は、次の機器装置類を用いて行われた。
核磁気共鳴スペクトル:
1H−NMR:AM−500(500MHz)(ブルッカー社製)
外部標準物質:テトラメチルシラン
ガスクロマトグラフ(GC):GC−2010AF(島津製作所製)
カラム;DB−WAX(30m×0.32nm×0.5μm)(ヒューレット・パッカード製)、IC−1(30m×0.25mm×0.25μm)、(ヒューレット・パッカード製)、Rtx−1(30m×0.25mm×0.25μm)(Restek製)
キラルカラム(光学純度測定);Beta DEX
TM 225(30m×0.25mm×0.25μm)、Beta DEX
TM 325(30m×0.25mm×0.25μm)(スペルコ製)
高分解能質量スペクトル(HRMS):JMS−T100GCV(日本電子製)、LCMS−IT−TOF(島津製作所製)
旋光度:JASCO P−1020(日本分光製)
融点:融点測定装置(シリアルナンバー:2678)(柳本製作所製)
【0119】
[合成例1]3−メチルシトロネラール(3,3,7−トリメチル−6−オクテナール)(例示化合物3)の合成
【0120】
【化38】
【0121】
本反応は窒素雰囲気下にて行った。滴下漏斗を有した2Lの四つ口フラスコを用意し、フラスコにヨウ化銅(100g、1.05eq.)及びジエチルエーテル(200mL)を添加し、系内を0〜5℃まで攪拌しつつ冷却した。滴下漏斗にメチルリチウム・エーテル溶液(1.08mol/L、992mL、2.05eq.vs.CuI)を添加し、ゆっくりと2時間を要し滴下した。滴下終了後温度を保ちつつ30分攪拌し、系内を−60℃以下まで冷却した。滴下漏斗にシトラール(76.1g、500mmol)及びジエチルエーテル(50mL)を添加し、ゆっくりと20分を要し滴下した。終了後に1時間温度を保ちつつ攪拌し、徐々に系内温度を0〜5℃まで昇温した。1時間後にGCにて反応の終了を確認し、後処理として、飽和塩化アンモニウム水溶液を冷却したままゆっくりと滴下した。混合溶液をセライト濾過し、油層を飽和塩化アンモニウム水溶液で3回・飽和食塩水で1回洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥して減圧濃縮した(78.4g)。本反応を合計3回行い、得られたオイルをクライゼン蒸留装置により単蒸留し(0.1mmHg、塔頂60〜65℃、バス温85〜95℃)、目的物(180g、収率72%)を得た。
【0122】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ(s,3H),1.33−1.39(m,2H),1.60(s,3H),1.68(d,3H,J=0.85Hz),1.94−2.01(m,2H),2.27(d,2H,J=3.2Hz),5.06−5.11(m,1H),9.85(t,J=3.1Hz).
【0123】
[合成例2]5−メチルイソプレゴール(5,5−ジメチル−2−(プロプ−1−エン−2−イル)シクロヘキサノール)(例示化合物 rac−4)の合成
【0124】
【化39】
【0125】
コンデンサを有した200mLの四つ口フラスコに活性シリカアルミナ(771mg、2質量%)、3−メチルシトロネラール(3)(25.8g、153mmol)、トルエン(77mL)を添加した。80℃にて攪拌して反応させ、2時間後に反応を終了させた(conv.>99%)。触媒を濾過後、クライゼン蒸留装置により単蒸留し(<0.1Pa、塔頂55〜56℃、バス温88℃)、目的物である無色オイル(24.6g、収率66%)を得た。シス/トランス比は13/87であった。
【0126】
HRMS:質量168.1514 実測値168.1535
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.90−0.95(m,3H),0.96(s,3H),1.09−1.16(m,1H),1.18−1.27(m,1H),1.26−1.41(m,2H),1.44−1.58(m,2H),1.74(br,3H),1.75−1.88(m,2H),3.62−3.66(m,1H),4.85−4.86(m,1H),4.83−4.98(m,1H)(trans/cis mix)
【0127】
[合成例3]trans−5−メチルメントール(trans−2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサノール)(rac−trans−5)の合成
【0128】
【化40】
【0129】
合成例2で得られた5−メチルイソプレゴール(rac−4)(10.0g、59.4mmol)及びパラジウム炭素担持(N.E.Chemcat.Wet、STD 5%、100mg、1質量%)及びメタノール(20mL)を添加した。水素圧下1MPa〜2MPa、50℃にて15時間反応させた。GCにて反応の完結を確認し、後処理を行った。触媒をセライト濾過後に濃縮し、trans−5−メチルメントール(9.80g、収率97%)を白色固体として得た。
【0130】
融点 60〜64℃
HRMS:質量170.1671 実測値170.1680
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.84(d,3H,J=7.0Hz),0.89(s,3H,>C−CH
3),0.93−0.95(m,6H),1.04−1.21(m,5H),1.37(dt,1H,J=9.6,2.6Hz),1.46−1.50(m,1H),1.68−1.73(m,1H),2.12−2.21(m,1H,),3.53−3.62(m,1H).
【0131】
[合成例4](+)−5−メチルメントン((+)−2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサノン)(例示化合物 (+)−7)の合成
【0132】
【化41】
【0133】
窒素雰囲気下にて滴下漏斗を2つ有した1Lの四つ口フラスコを用意し、フラスコ内にメチルマグネシウムブロミド・テトラヒドロフラン(THF)溶液(0.92mol/L、500mL、460mmol、1.25eq.)を添加し、系内を−10℃まで撹拌しつつ冷却した。滴下漏斗にヨウ化銅(13.4g、20mol%)のTHF懸濁液(25mL)を用意し、系内にゆっくりと添加した。添加終了後30分熟成し、滴下漏斗に(−)−ピペリトン(53.9g、354mmol)のTHF溶液(50mL)を添加し、系内温度を−5℃以下に保ちつつ、1時間半を要しゆっくりと滴下した。滴下終了後1時間で(−)−ピペリトンの完全消費を確認し、後処理を行った。系内温度を−10℃のまま系内にゆっくりと飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)を撹拌しつつ加えた。添加終了後に30分撹拌し、徐々に室温まで昇温した。反応溶液を分液漏斗に移送してトルエンを添加し、飽和塩化アンモニウム水溶液で3回洗浄した。油層を濾過濃縮後にクライゼン蒸留を行い(バス温100℃、塔頂56℃、0.1Pa)、目的の(+)−5−メチルメントンを黄色がかったオイルとして得た(54.2g、収率88%、85%ee.)。
【0134】
[α]
D20=+25.4(c=0.2,EtOH)
HRMS:質量168.1514 実測値168.1512
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.88(d,3H,J=1.5Hz),0.90(br,9H),1.01(s,3H),1.52−1.67(m,4H),1.89−2.02(m,2H),2.07−2.16(m,2H).
【0135】
[合成例5]5−メチルメントン(2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサノン)(例示化合物 rac−7)の合成
【0136】
【化42】
【0137】
合成例4で得られた(+)−5−メチルメントン((+)−7)(10.0g)を90℃にて3時間加熱撹拌することで、定量的に目的の5−メチルメントンを無色オイルとして得た。
【0138】
HRMS:質量168.1514 実測値168.1521
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.88(d,3H,J=1.6Hz),0.90(br,9H),1.01(s,3H),1.52−1.67(m,4H),1.89−2.02(m,2H),2.07−2.15(m,2H).
【0139】
[実施例1]5−メチルメンチルアミド(2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサンカルボキシアミド)(例示化合物 14a−50)の合成
【0140】
【化43】
【0141】
本反応は窒素雰囲気下にて行った。フラスコ内にカリウムt−ブトキシド(396mg、1.2eq.)及びTHF(5ml)、滴下漏斗内にp−トルエンスルホニルメチルイソシアニド(590mg、1.1eq.)及びTHF(10ml)を添加し、0〜5℃にて冷却撹拌しつつ漏斗内の溶液を滴下した。2時間後、系内の温度を−10℃まで冷却し、合成例5で得られた5−メチルメントン(rac−7)(500mg、2.94mmol)のTHF溶液(5ml)を撹拌しつつ滴下した。滴下終了後、徐々に昇温し、内温45℃にて8時間反応させた。後処理として、室温まで冷却後に減圧濃縮し、THFを留去した。得られた残渣にトルエンと水道水を添加し、油層を水道水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過・減圧濃縮した後、コンデンサを有した四つ口フラスコに、得られたオイルと、水酸化カリウム(500mg、3.2eq.)水道水及びt−ブタノール(6ml)を添加し、9時間還流撹拌を行った。後処理としてトルエン・水道水で抽出して油層を常法により洗浄・乾燥させ、濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)にて単離精製し、更にヘプタン/酢酸エチルで再結晶を行い、目的の5−メチルメンチルアミドを白色固体として得た(121mg、収率25%)。
【0142】
融点 141〜145℃
HRMS:質量198.1852 実測値198.1841([M+H]
+)
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.83(d,1H,J=6.9Hz),0.87−0.94(m,9H),1.12−1.28(m,2H),1.40−1.55(m,5H),1.80(quid,1H,J=13.9,2.5Hz),2.23(td,1H,J=11.9,3.7Hz),5.53−5.56(br,2H).
【0143】
[合成例6]5−メチルメンチルクロリド(3−クロロ−4−イソプロピル−1,1−ジメチルシクロヘキサン)の合成
【0144】
【化44】
【0145】
200mLフラスコに、合成例3で得られたtrans−5−メチルメントール(rac−trans−5)(11.0g、64.6mmol)、トルエン(5.5mL)、塩化亜鉛(28.2g、3.2eq.)及び濃塩酸(16.2mL)を添加し、室温にて6時間反応を行った。GC−MSにて反応の完結を確認し、後処理を行った。分液漏斗にて水層を除去し、油層を水道水にて5回洗浄した。無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過濃縮して残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン)にて単離精製し、5−メチルメンチルクロリド(10.4g、収率70%)の異性体混合物を薄黄色オイルとして得た。
【0146】
HRMS:質量233.1312 実測値233.1314([M+Cl]
−)
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.81(d,3H,J=7.0 Hz),0.90(s,3H),0.92(d,3H,J=7.0Hz),0.94(s,3H),0.97−1.12(m,1H),1.19−1.38(m,2H),1.41(dt,1H,J=9.5,1.5Hz),1.52−1.60(m,2H),1.94−2.00(m,1H),2.34(quid,1H,J=7.0,1.5Hz),3.95(td,1H,J=12.0,1.6Hz).
【0147】
[実施例2]5−メチルメンチルカルボン酸メチルエステル(メチル 2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサンカルボキシレート)(例示化合物 15a−6)の合成
【0148】
【化45】
【0149】
窒素雰囲気下にてコンデンサと滴下漏斗を有した200mLの四つ口フラスコに、マグネシウム(1.51g、1.30eq.)を添加し、滴下漏斗に合成例6で得られた5−メチルメンチルクロリド(9.00g、47.7mmol)及びTHF(40mL)を添加した。フラスコ内温を45℃に加熱し、攪拌しつつ漏斗内の溶液を、1時間を要して滴下した。漏斗内に炭酸ジメチル(8.03mL、2.00eq.)及びTHF(5mL)を添加し、凡そ40分で滴下した。終了後に系内温度を55℃まで昇温し、合計8時間加熱攪拌を行った。後処理として、系内を冷却し塩化アンモニウム水溶液で反応を終了させ、常法により得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=6/1)にて単離精製し無色オイルとして目的物を得た(9.13g、43.0mmol、収率90%)。
【0150】
HRMS:質量213.1837 実測値213.1849 ([M+H]
+)
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.81(d,3H,J=7.0Hz),0.88(s,3H),0.90(d,3H,J=6.9Hz),0.92(s,3H),1.14−1.35(m,4H),1.36−1.68(m,4H),2.42−2.50(m,1H).3.65(s,3H).
【0151】
[合成例7]5−メチルメンチルカルボン酸(2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸)(例示化合物 rac−11a)の合成
【0152】
【化46】
【0153】
コンデンサを有した200mLフラスコに実施例2で得られた5−メチルメンチルカルボン酸メチルエステル(15a−6)(8.16g、38.4mmol)、エタノール(10mL)及び25質量%水酸化ナトリウム水溶液(23mL)を添加し、95℃にて6時間加熱攪拌を行った。溶液を室温まで冷却後、減圧濃縮し、トルエン及び水道水を添加して分液漏斗に移送した。油層をカットし、水層を希塩酸にて液性を酸性とし、クロロホルムで抽出した。油層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的の白色固体を得た(5.07g、収率65.6%)。
【0154】
融点 91〜94℃
HRMS:質量198.1620 実測値198.1619
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.84(d,3H,J=7.0Hz),0.89(s,3H),0.91(d,3H,J=14.0Hz),0.93(s,3H),1.15−1.26(m,2H),1.38−1.51(m,4H),1.61(dt,2H,J=13.0,3.0Hz),1.70−1.78(m,1H),2.42−2.50(n,1H),8.0−13.0(br,1H).
【0155】
[合成例8]5−メチルメンチルカルボン酸(2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸)(例示化合物 rac−11a)の合成
【0156】
【化47】
【0157】
実施例1で得られた5−メチルメンチルアミド(15a−60)を25質量%水酸化ナトリウム水溶液とエチレングリコールを用いて還流撹拌し同様に加水分解することで、同様の化合物を得た(収率32%)。
【0158】
[合成例9]5−メチルメンチルカルボン酸(2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸)(例示化合物 rac−11a)の合成
【0159】
【化48】
【0160】
窒素雰囲気下にてコンデンサと滴下漏斗を有した200mL四つ口フラスコに、マグネシウム(2.68mg、1.30eq.)を添加し、滴下漏斗に合成例6で得られた5−メチルメンチルクロリド(16.0g、84.8mmol)及びTHF(80mL)を添加した。フラスコ内温を45℃に加熱し攪拌しつつ漏斗内の溶液を、2時間を要して滴下した。その後、系内に炭酸ガスを吹き込みつつ合計9時間加熱攪拌を行った。後処理として、溶媒を回収後に系内を冷却しトルエン及び水道水を添加した。水層に希塩酸を添加してクロロホルムにて抽出し、油層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後に減圧濃縮することで目的の白色結晶を得た(5.76g、収率34%)。
【0161】
[合成例10]光学活性(−)−trans−5−メチルイソプレゴール((1R,2S)−trans−5,5−ジメチル−2−(プロプ−1−エン−2−イル)シクロヘキサノール)(例示化合物 (1R,2S)−trans−4)の合成
【0162】
【化49】
【0163】
本反応は窒素雰囲気下にて行った。コンデンサを有した200mLフラスコに(R)−1,1’−ビ−2−ナフトール((R)−BINOL)(1.22mg、1.6eq.vs.Al)、トルエン(27mL)を加え、撹拌しつつトリエチルアルミニウム・トルエン溶液(2.7mL、5mol%)をゆっくりと添加した。一時間室温にて撹拌後、系内を0〜5℃に冷却し合成例1で得られた3−メチルシトロネラール(9.00g、53.5mmol)をゆっくりと滴下した。3時間後にGCにて反応の完結を確認し後処理として、トルエン/塩酸にてクエンチ後、油層を水道水・飽和食塩水で各一回洗浄した。無水硫酸マグネシウムにて乾燥してシリカゲルカラムクロマトグラフィーを通過させ、減圧濃縮して目的の光学活性(−)−trans−5−メチルイソプレゴールを無色オイルとして得た(7.42g、収率83%、80%ee.)。
【0164】
[α]
D25=−6.6(c=0.6,CHCl
3)
HRMS:質量168.1519 実測値168.1514
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.94(s,3H,CH
3),0.96(s,3H,CH
3),1.14(t,1H,J=11.7Hz),1.22(td,1H,J=13.0,4.6Hz),1.26−1.41(m,2H),1.45−1.57(m,2H),1.74(dd,3H,J=1.5,0.9Hz),1.75−1.87(m,2H),3.61−3.66(m,1H),4.85−4.86(m,1H),4.89−4.91(m,1H).
【0165】
[合成例11]光学活性trans−5−メチルイソプレゴール((1S,2R)−trans−5,5−ジメチル−2−(プロプ−1−エン−2−イル)シクロヘキサノール)((1S,2R)−trans−4)の合成
【0166】
【化50】
【0167】
合成例5の手法を用いて、配位子として(S)−BINOLを用い、3−メチルシトロネラール(5.00g、29.7mmol)より(+)−trans−5−メチルイソプレゴールを無色オイルとして得た(3.90g、収率78%、78%ee.)
【0168】
[α]
D25=+5.8(c=0.3,CHCl
3).
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.93(s,3H,CH
3),0.96(s,3H,CH
3),1.14(t,1H,J=11.7Hz),1.22(td,1H,J=13.2,4.7Hz),1.25−1.42(m,2H),1.45−1.59(m,2H),1.74(br,3H),1.76−1.88(m,2H),3.64(td,1H,J=10.7,4.4Hz),4.85−4.87(m,1H),4.89−4.92(m,1H).
【0169】
[合成例12]光学活性(−)−trans−5−メチルメントール((1R,2S)−trans−2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサノール)(例示化合物 (1R,2S)−trans−5)の合成
【0170】
【化51】
【0171】
100mLオートクレーヴに、合成例10で得られた(−)−trans−5−メチルイソプレゴール((1R,2S)−trans−4)(9.00g、54.0mmol)及びパラジウム炭素担持(N.E.Chemcat.Wet、STD 5%、90mg、1質量%)及びメタノール(9mL)を添加した。水素圧を1MPaまでチャージし、50℃にて26時間反応させた。GCにて反応の完結を確認し、触媒をセライト濾過後に濃縮してメタノール/ヘプタンで再結晶し、(−)−trans−5−メチルメントールを白色固体として得た(7.80g、収率86%、80%ee.)。
【0172】
融点 79〜82℃
[α]
D20=−36.7(c=0.1,CHCl
3)
HRMS:質量170.1671 実測値170.1671
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.84(d,3H,J=7.0Hz),0.89(s,3H),0.93−0.95(m,6H),1.04−1.21(m,5H),1.37(dt,1H,J=9.6,2.6Hz),1.46−1.50(m,1H),1.68−1.73(m,1H),2.12−2.21(m,1H,),3.57(sep,1H,J=4.7Hz)
【0173】
[合成例13]光学活性(+)−trans−5−メチルメントール((1S,2R)−trans−2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサノール)(例示化合物 (1S,2R)−trans−5)の合成
【0174】
【化52】
【0175】
合成例12の手法で、合成例11で得られた(+)−trans−5−メチルイソプレゴール((1S,2R)−trans−4)(1.00g、5.94mmol)より(+)−5−メチルメントールを白色固体として得た(0.91g、収率90%、78%ee.)。
【0176】
融点 78〜81℃
[α]
D20=+37.0(c=0.1,CHCl
3)
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.84(d,3H,J=7.0Hz),0.89(s,3H),0.93−0.96(m,6H),1.04−1.20(m,5H),1.37(dt,1H,J=9.6,2.5Hz),1.46−1.51(m,1H),1.70(dq,1H,J=12.3,2.5Hz),2.12−2.23(m,1H),3.58(sep,1H,J=4.7Hz).
【0177】
[合成例14](+)−(1R,2S)−5−メチルメンチルクロリド((+)−(1R,2S)−3−クロロ−4−イソプロピル−1,1−ジメチルシクロヘキサン)の合成
【0178】
【化53】
【0179】
滴下漏斗及びコンデンサを有した100mLフラスコに、合成例12で得られた(−)−5−メチルメントール((1R,2S)−trans−5)(9.09g、53.4mmol)、トルエン(4.5mL)、塩化亜鉛(23.28g、3.2eq.)及び濃塩酸(13.3mL、3.0eq.)を添加し、室温にて8時間反応を行った。GCにて反応の完結を確認し、後処理を行った。分液漏斗にて水層を除去し、油層を水道水にて3回洗浄、さらに1質量%NaOH水溶液、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過濃縮して残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン)にて単離精製した。得られた光学活性−5−メチルメンチルクロリドは無色のオイルとなった(4.89g、収率57.2%、80%ee.)。
【0180】
[α]
D20=+27.5(c=0.3,EtOH)
HRMS:質量233.1312 実測値233.1301([M+Cl]
−)
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.80(d,3H,J=7.0Hz),0.90(s,3H),0.92(d,3H,J=7.0Hz),0.94(s,3H),0.97−1.12(m,1H),1.19−1.38(m,2H),1.41(dt,1H,J=9.5,1.5Hz),1.52−1.60(m,2H),1.94−1.99(m,1H),2.29−2.40(m,1H),3.95(td,1H,J=12.0,1.6Hz).
【0181】
[合成例15](−)−5−メチルメンチルカルボン((−)−2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸)(例示化合物 (1R,2S)−11a)酸の合成
【0182】
【化54】
【0183】
窒素雰囲気下にてコンデンサと滴下漏斗を有した200mL四つ口フラスコに、マグネシウム(718mg、1.30eq.)を添加し、滴下漏斗に合成例14で得られた(−)−5−メチルメンチルクロリド(4.29g、22.7mmol)及びTHF(22mL)を添加した。フラスコ内温を45℃に加熱し攪拌しつつ漏斗内の溶液を、2時間を要して滴下した。系内に炭酸ガスを吹き込みつつ合計9時間加熱攪拌を行った。後処理として、溶媒を回収後に系内を冷却しトルエン及び水道水を添加した。水層に希塩酸を添加してクロロホルムにて抽出し、油層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後に減圧濃縮、カラムクロマトグラフィークロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル)で精製することで目的の白色固体を得た(1.17g、収率26%、80%ee.)。
【0184】
融点 73〜76℃
[α]
D20=−30.0(c=0.1,EtOH)
HRMS:質量198.1620 実測値198.1608
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.84(d,3H,J=7.0Hz),0.89(s,3H),0.91(d,3H,J=13.8Hz),0.93(s,3H),1.15−1.26(m,2H),1.38−1.51(m,4H),1.61(dt,2H,J=13.0,3.0Hz),1.70−1.78(m,1H),2.42−2.50(n,1H),7.5−13.0(br,1H).
【0185】
[合成例16](−)−cis−5−メチルメントール((−)−cis−2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサノール)(例示化合物 (1R,2R)−5)の合成
【0186】
【化55】
【0187】
200mLの四つ口フラスコに合成例4で得られた(+)−5−メチルメントン((+)−7)(19.7g、117mmol)及びメタノール(80mL)を添加し、10℃以下に撹拌しつつ冷却した。ヒドロホウ素化ナトリウム(5.32g、1.2eq.)をゆっくりと添加し、そのまま1時間熟成した。反応の完結を確認し、後処理としてゆっくりと1N塩酸を添加した。トルエン及びヘプタンで抽出を行い、油層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥して濾過濃縮した。クライゼン蒸留(バス温100℃、塔頂58〜67℃、0.1〜0.2Pa)により精製し、目的の無色オイルを得た(19.7g、収率99%)。
【0188】
[α]
D20=−9.6(c=0.2,EtOH)
HRMS:質量170.1664 実測値170.1671
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.83−0.90(m,4H),0.95(t,6H,J=6.2Hz),1.06−1.08(m,4H),1.13−1.21(m,1H),1.33(dd,1H,J=14.5,3.3Hz),1.40−1.60(m,4H),1.64(tt,1H,J=14.4,2.9Hz),4.11(qui,1H,J=3.2Hz).
【0189】
[合成例17]cis−5−メチルメントール(cis−2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサノール)(例示化合物 rac−cis−5)の合成
【0190】
【化56】
【0191】
合成例16の手法を用いて、合成例5で得られた5−メチルメントン(rac−7)(30.0g、17.8mmol)からcis−5−メチルメントールを無色オイルとして得た(28.5g、収率94%)。
【0192】
HRMS:質量170.1656 実測値170.1671
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.83−0.90(m,4H),0.95(t,6H,J=6.2Hz),1.06−1.08(m,4H),1.13−1.21(m,1H),1.33(dd,1H,J=14.5,3.3Hz),1.40−1.66(m,5H),4.11(br,1H).
【0193】
[合成例18]5−メチルメンチルカルバルデヒド(2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサンカルバルデヒド)(例示化合物 rac−13a)の合成
【0194】
【化57】
【0195】
本反応は窒素雰囲気下にて行った。コンデンサを有した10L四つ口フラスコに、(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(1344g、3.92mol、1.1eq.)、トルエン(3000mL)及び合成例4で得られた(+)−5−メチルメントン((+)−7)(600g、3.57mol、1.1eq.)を添加した。系内温度20℃まで昇温したのち、カリウムt−ブトキシド(440g、3.92mol、1.1eq.)を系内温度30℃以下に保ちつつ、1時間半を要してゆっくりと添加した。1時間後にGCにて(+)−5−メチルメントンの消失及びメチルエノールエーテル(20)の生成を確認し、35%塩酸水(743g、7.13mol、2.0eq.)を添加した。1時間半を要して70℃まで昇温させたのち、系内温度70℃にて1時間熟成させ、GCにてメチルエノールエーテルの完全消費を確認した。後処理として水道水を添加して油層を洗浄し、さらに5%重曹水で1回洗浄した。その後、水道水及びヘプタンを添加し、系内温度5℃以下で1時間熟成させた。溶液を吸引濾過して濾液を分液漏斗に移し、水層を除去した。油層を減圧濃縮後、クライゼン蒸留を行い(バス温120〜135℃、塔頂58〜94℃、2.2〜4.7mmHg)、目的の5−メチルメンチルカルバルデヒド(13a)(593g、収率93%)を黄色がかったオイルとして得た。
【0196】
メチルエノールエーテル(20a)
GCMS:質量196.18 実測値196.2
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ0.76−0.82(m,3H),0.85−0.93(m,9H),1.09−1.21(m,1H),1.36−1.46(m,2H),1.47−1.70(m,3H),1.71−1.87(m,1H),2.14−2.33(m,1H),3.49−3.51(m,3H),5.71−5.82(m,1H).
【0197】
5−メチルメンチルカルバルデヒド(13a)
GCMS:質量182.17 実測値182.2
1H−NMR(400MHz,CDCl
3):δ0.81(d,3H,J=7.2Hz),0.87−0.96(m,9H),1.16−1.29(m,3H),1.31−1.37(m,1H),1.41−1.56(m,3H),1.62−1.72(m,1H),2.26−2.42(m,1H),9.46(d,1H,J=3.6Hz).
【0198】
[合成例19]5−メチルメンチルカルボン酸(2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸)(例示化合物 rac−11a)の合成
【0199】
【化58】
【0200】
コンデンサと滴下漏斗を有した5L四つ口フラスコに、67%硝酸(223g、2.37mol、1.5eq.)を添加し、系内内温が46℃になるまで撹拌しつつ昇温した。滴下漏斗に合成例18で得られた5−メチルメンチルカルバルデヒド(13a)(28.8g、0.158mol、0.1eq.)を用意し、系内温度46〜54℃に保ちつつ、30分間を要して滴下した。続いて合成例18で得られた5−メチルメンチルカルバルデヒド(rac−13a)(259g、1.42mol、0.9eq.)のヘプタン溶液(288mL)を滴下漏斗に用意し、系内温度46〜54℃に保ちつつ、4時間を要して滴下した。滴下終了後、内温50℃にて2時間熟成させ、後処理を行った。水道水及びトルエンを添加して洗浄し、分液漏斗に移して水層を除去した。油層に亜硫酸ナトリウム(18.9g、0.150mol、0.095eq.)水溶液を添加し、40℃〜50℃で20分間撹拌したのち、30%硫酸水(26.6g、0.079mol、0.05eq.)を添加して洗浄し、分液漏斗に移して水層を除去した。油層に水道水及び25%水酸化ナトリウム水溶液(278g、1.74mol、1.1eq.)を添加し、分液漏斗に移して油層を除去した。さらに水層をトルエンで1回洗浄し、トルエン及び30%硫酸水(350g、0.181mol、0.66eq.)を添加して洗浄し、分液漏斗に移して水層を除去した。油層をさらに水道水で2回洗浄し、油層を減圧濃縮後に乾燥させて目的の5−メチルメンチルカルボン酸(rac−11a)(270g、収率89%)を黄色がかった結晶として得た。
【0201】
[実施例3]例示化合物rac−14a−38(N−(4−(シアノメチル)フェニル)−2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサンカルボキシアミド)の合成
【0202】
【化59】
【0203】
窒素雰囲気下にて100mL四つ口フラスコに合成例7、8、9又は19で得られた5−メチルメンチルカルボン酸(rac−11a)(500mg、2.52mmol)、塩化チオニル(0.27mL、1.50eq.)及びジメチルフラン(DMF)数滴を添加し、室温にて3時間攪拌させた。系内の溶液を溜去し、トルエン(2mL)を添加した。系内を10℃以下に冷却し、4−アミノベンジルシアニド(1.00g、3.00eq.)をゆっくりと加えた。2時間半後に反応溶液を分液漏斗に移し、水道水とクロロホルムを添加して洗浄した。油層を希塩酸で2回洗浄し、更に飽和食塩水で一回洗浄して、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。得られた溶液を減圧濃縮し、ヘプタン/クロロホルムにて再結晶を行い、白色結晶(407mg、収率52%)を得た。
【0204】
融点 121〜122℃
HRMS:質量313.2274 実測値313.2271([M+H]
+)
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.86(d,3H,J=7.0Hz),0.88−1.00(m,9H),1.20−1.31(m,3H),1.39−1.65(m,4H),1.71−1.81(m,1H),2.30(td,1H,J=11.8,3.8Hz),3.70(s,2H),7.26(d,2H,J=8.2Hz),7.32(br,1H),7.56(d,1H,J=8.2Hz).
【0205】
[実施例4]例示化合物rac−14a−38(N−(4−(シアノメチル)フェニル)−2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサンカルボキシアミド)の合成
【0206】
【化60】
【0207】
特許文献16に記載の合成法を用いて、実施例1で得られた5−メチルメンチルアミド(14a−50)とヨウ化銅、リン酸、及び4−ヨードベンジルシアニドを用いても同様の化合物が得られた(収率43%)。
【0208】
[実施例5]例示化合物rac−14a−2(N−エチル−2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサンカルボキシアミド)の合成
【0209】
【化61】
【0210】
窒素雰囲気下にて100mL四つ口フラスコに合成例7、8、9又は19で得られた5−メチルメンチルカルボン酸(rac−11a)(500mg、2.52mmol)、塩化チオニル(0.27mL、1.50eq.)及びDMF数滴を添加し、室温にて3時間攪拌させた。系内の溶液を溜去し、トルエン(2mL)を添加した。系内を10℃以下に冷却し、エチルアミンTHF溶液(6.3mL、2mol/L、5.0eq.)をゆっくりと加えた。2時間半後に反応溶液を分液漏斗に移し、水道水とクロロホルムを添加して洗浄した。油層を希塩酸で2回洗浄し、更に飽和食塩水で一回洗浄して、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。得られた溶液を減圧濃縮し、ヘプタン/クロロホルムにて再結晶を行い、白色結晶(281mg、収率49%)を得た。
【0211】
融点 101〜105℃
HRMS:質量226.2165 実測値226.2162([M+H]
+)
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.80(d,3H,J=6.9Hz),0.89−0.93(m,6H),1.13(t,3H,J=10.1Hz),1.15−1.27(m,3H),1.37−1.53(m,4H),1.71(quid,1H,J=7.0,2.5Hz),2.08(td,1H,J=11.0,4.8Hz),3.23−3.35(m,2H),5.37(br,1H).
【0212】
[実施例6]例示化合物rac−14a−22(メチル 2−(2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサンカルボキシアミド)アセテート)の合成
【0213】
【化62】
【0214】
窒素雰囲気下にて100mL四つ口フラスコに合成例7、8、9又は19で得られた5−メチルメンチルカルボン酸(rac−11a)(500mg、2.52mmol)、塩化チオニル(0.27mL、1.50eq.)及びDMF数滴を添加し、室温にて3時間攪拌させた。系内の溶液を溜去し、トルエン(2mL)を添加した。系内を10℃以下に冷却し、グリシンメチルエステル塩酸塩(633mg、2.00eq.)及びトリエチルアミン(2mL)をゆっくりと加えた。2時間半後に反応溶液を分液漏斗に移し、水道水とクロロホルムを添加して洗浄した。油層を希塩酸で2回洗浄し、更に飽和食塩水で一回洗浄して、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。得られた溶液を減圧濃縮し、ヘプタン/クロロホルムにて再結晶を行い、白色結晶(422mg、収率62%)を得た。
【0215】
融点 101〜104℃
HRMS:質量292.1883 実測値292.1886([M+Na]
+)
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.82(d,3H,J=6.9Hz),0.87−0.97(m,9H),1.08−1.33(m,2H),1.36−2.02(m,6H),2.26(td,1H,J=11.7,4.3Hz),3.76(s,3H),4.05(d,2H,J=5.3Hz),6.16(br,1H).
【0216】
[実施例7]例示化合物rac−14a−33(2−イソプロピル−N−(4−メトキシフェニル)−5,5−ジメチルシクロヘキサンカルボキシアミド)の合成
【0217】
【化63】
【0218】
窒素雰囲気下にて100mL四つ口フラスコに合成例7、8、9又は19で得られた5−メチルメンチルカルボン酸(rac−11a)(400mg、2.52mmol)、塩化チオニル(0.22mL、1.50eq.)及びDMF数滴を添加し、室温にて3時間攪拌させた。系内の溶液を溜去し、トルエン(5mL)を添加した。系内を10℃以下に冷却し、p−アニシジン(497mg、2.00eq.)及びトリエチルアミン(1.6mL)をゆっくりと加えた。2時間半後に反応溶液を分液漏斗に移し、水道水とクロロホルムを添加して洗浄した。油層を希塩酸で2回洗浄し、更に飽和食塩水で一回洗浄して、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。得られた溶液を減圧濃縮し、ヘプタン/クロロホルムにて再結晶を行い、白色結晶(445mg、収率73%)を得た。
【0219】
融点 115〜118℃
HRMS:質量303.2238 実測値303.2198
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.85(d,3H,J=7.0Hz),0.91−0.95(m,9H),1.16−1.30(m,2H),1.35−1.62(m,5H),1.76−1.83(m,1H),2.24(td,1H,J=11.5,4.5Hz),6.85(d,2H,J=9.0Hz),7.02(br,1H),7.43(d,2H,J=8.5Hz).
【0220】
[実施例8]例示化合物rac−14a−23(エチル 2−(2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサンカルボキシアミド)アセテート)の合成
【0221】
【化64】
【0222】
窒素雰囲気下にて100mL四つ口フラスコに合成例7、8、9又は19で得られた5−メチルメンチルカルボン酸(rac−11a)(400mg、2.52mmol)、塩化チオニル(0.22mL、1.50eq.)及びDMF数滴を添加し、室温にて3時間攪拌させた。系内の溶液を溜去し、トルエン(5mL)を添加した。系内を10℃以下に冷却し、グリシンエチルエステル塩酸塩(563mg、2.00eq.)及びトリエチルアミン(1.6mL)をゆっくりと加えた。2時間半後に反応溶液を分液漏斗に移し、水道水とクロロホルムを添加して洗浄した。油層を希塩酸で2回洗浄し、更に飽和食塩水で一回洗浄して、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。得られた溶液を減圧濃縮し、ヘプタン/クロロホルムにて再結晶を行い、白色結晶(409mg、収率62%)を得た。
【0223】
融点 104〜107℃
HRMS:質量283.2161 実測値283.2147
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.82(d,3H,J=6.6Hz),0.88−0.92(m,9H),1.15−1.27(m,2H),1.29(t,3H,J=7.0Hz),1.41−1.54(m,5H),1.73(quid,1H,J=7.0,2.5Hz),2.23(td,1H,J=11.5,4.0Hz),4.03(d,2H,J=6.6Hz),4.22(q,2H,J=7.0Hz),5.91(br,1H).
【0224】
[実施例9]例示化合物rac−14a−40(2−イソプロピル−N−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)−5,5−ジメチルシクロヘキサンカルボキシアミド)の合成
【0225】
【化65】
【0226】
窒素雰囲気下にて100mL四つ口フラスコに合成例7、8、9又は19で得られた5−メチルメンチルカルボン酸(rac−11a)(600mg、3.03mmol)、塩化チオニル(0.33mL、1.50eq.)及び触媒量のDMFを添加し、室温にて3時間攪拌させた。系内の溶液を減圧溜去し、トルエン(2mL)を添加した。系内を氷浴にて10℃以下に冷却し、2−メチル−4−メトキシアニリン(1.25g、3.0eq.)をゆっくりと加えた。2時間半後にGC−MSにて反応の完結を確認し、後処理を行った。反応溶液を分液漏斗に移し、水道水とクロロホルムを添加して洗浄した。油層を希塩酸で2回洗浄し、更に飽和食塩水で1回洗浄して、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=4/1)にて単離精製を行い、アモルファス状固体を得た(770mg、収率80%)。
【0227】
HRMS:質量 317.2355 実測値 317.2370
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.88(d、3H,J=6.9Hz),0.92−0.98(m,9H),1.20−1.31(m,3H),1.43−1.64(m,4H),1.82−1.91(m,1H),2.22(s,3H),2.31(td,1H,J=11.6,1.2Hz),3.77(s,3H),6.71−6.76(m,2H),6.82(br,1H),7.47−7.52(m,1H).
【0228】
[実施例10]例示化合物rac−14a−46(メチル 4−(2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサンカルボキシアミド)−3−メチルベンゾエート)の合成
【0229】
【化66】
【0230】
窒素雰囲気下にて100mL四つ口フラスコに合成例7、8、9又は19で得られた5−メチルメンチルカルボン酸(rac−11a)(600mg、3.03mmol)、塩化チオニル(0.33mL、1.50eq.)及び触媒量のDMFを添加し、室温にて3時間攪拌させた。系内の溶液を減圧溜去し、トルエン(2mL)を添加した。系内を氷浴にて10℃以下に冷却し、3−メチル−4−アミノ安息香酸メチルエステル(1.50g、3.0eq.)をゆっくりと加えた。2時間半後にGC−MSにて反応の完結を確認し、後処理を行った。反応溶液を分液漏斗に移し、水道水とクロロホルムを添加して洗浄した。油層を希塩酸で2回洗浄し、更に飽和食塩水で1回洗浄して、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=4/1)にて単離精製を行い、アモルファス状固体を得た(306mg、収率29%)。
【0231】
HRMS:質量 345.2304 実測値 345.2298
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.85−0.98(m,12H),1.20−1.33(m,3H),1.45−1.65(m,4H),1.82(quid,1H,J=6.6,2.1Hz),2.29−2.40(m,4H),7.05(br,1H),7.86−7.90(m,2H),8.14(d,1H,J=8.2Hz).
【0232】
[実施例11]例示化合物rac−14a−41(N−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサンカルボキシアミド)の合成
【0233】
【化67】
【0234】
窒素雰囲気下にて100mL四つ口フラスコに合成例7、8、9又は19で得られた5−メチルメンチルカルボン酸(rac−11a)(300mg、1.51mmol)、塩化チオニル(0.17mL、1.50eq.)触媒量のDMFを添加し、室温にて3時間攪拌させた。系内の溶液を減圧溜去し、トルエン(2mL)を添加した。系内を氷浴にて10℃以下に冷却し、2−アミノ−5−メトキシフェノール(632mg、3.0eq.)をゆっくりと加えた。2時間半後にGC−MSにて反応の完結を確認し、後処理を行った。反応溶液を分液漏斗に移し、水道水とクロロホルムを添加して洗浄した。油層を希塩酸で2回洗浄し、更に飽和食塩水で1回洗浄して、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=5/1)にて単離精製を行い、アモルファス状固体を得た(446mg、収率92%)。本固体をヘプタン/クロロホルムで再結晶し、白色結晶を得た。
【0235】
融点 93〜98℃
HRMS:質量 320.2220 実測値 320.2227([M+H]
+)
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.85(d,3H,J=7.0Hz),0.90−1.00(m,9H),1.19−1.30(m,3H),1.41−1.60(m,4H),1.79−1.84(m,1H),2.23(quid,1H,J=14.0,3.1Hz),3.87(s,3H),6.79(d,2H,J=8.6Hz),6.93(br,1H),7.04−7.11(m,2H).
【0236】
[実施例12]例示化合物rac−14a−16(2−イソプロピル−5,5−ジメチル−N−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキシアミド)の合成
【0237】
【化68】
【0238】
窒素雰囲気下にて100mL四つ口フラスコに合成例7、8、9又は19で得られた5−メチルメンチルカルボン酸(rac−11a)(400mg、2.02mmol)、塩化チオニル(0.35mL、1.50eq.)触媒量のDMFを添加し、室温にて3時間攪拌させた。系内の溶液を減圧溜去し、トルエン(2mL)を添加した。系内を氷浴にて10℃以下に冷却し、2−(2−アミノエチル)−ピリジン(739mg、3.0eq.)をゆっくりと加えた。2時間半後にGC−MSにて反応の完結を確認し、後処理を行った。反応溶液を分液漏斗に移し、水道水とクロロホルムを添加して洗浄した。更に飽和食塩水で2回洗浄して、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=5/1〜0/1)にて単離精製を行い、アモルファス状固体を得た(342mg、収率52%)。本固体をヘプタン/クロロホルムで再結晶し、白色結晶を得た。
【0239】
融点 104〜107℃
HRMS:質量303.2431 実測値303.2421([M+H]
+)
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.68(d,3H,J=6.9Hz),0.83(d,3H,J=7.0Hz),0.85(s,3H),0.89(s,3H),1.05−1.27(m,3H),1.35−1.48(m,4H),1.55−1.62(m,1H),2.0−2.10(m,1H),2.99(t,2H,J=6.4Hz),3.58−3.74(m,2H),6.30(br,1H),7.13−7.18(m,2H),7.61(td,1H,J=7.6,1.8Hz),8.52−8.55(m,2H).
【0240】
[実施例13]例示化合物rac−14a−47(N−(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)−2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサンカルボキシアミド)の合成
【0241】
【化69】
【0242】
窒素雰囲気下にて100mL四つ口フラスコに合成例7、8、9又は19で得られた5−メチルメンチルカルボン酸(rac−11a)(300mg、1.51mmol)、塩化チオニル(0.17mL、1.50eq.)触媒量のDMFを添加し、室温にて3時間攪拌させた。系内の溶液を減圧溜去し、トルエン(2mL)を添加した。系内を氷浴にて10℃以下に冷却し、2−アミノベンジルアルコール(559mg,3.0eq.)をゆっくりと加えた。2時間半後にGC−MSにて反応の完結を確認し、後処理を行った。反応溶液を濾過しつつ分液漏斗に移し、水道水とクロロホルムを添加して洗浄した。油層を希塩酸で2回洗浄し、更に飽和食塩水で1回洗浄して、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶液を減圧濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルで再結晶を行い、黄色結晶を得た(330mg、収率72%)。
【0243】
融点 165−172℃
HRMS:質量326.2091 実測値326.2083([M+Na]
+)
1H−NMR(500MHz,DMSO−D
6):δ0.83(d,3H,J=6.9Hz),0.85(d,3H,J=6.9Hz),0.91(d,6H,J=7.3Hz),1.10−1.22(m,2H),1.32−1.51(h,5H),1.62(quid,1H,J=6.8,2.4Hz),2.43−2.52(m,1H),4.42(s,2H),5.06(br,1H),7.21(d,2H,J=8.4Hz),7.52−7.60(m,2H),9.82(s,1H).
【0244】
[実施例14]例示化合物rac−17a−2((S)−(trans−2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキシル)2−ヒドロキシプロパノエート)の合成
【0245】
【化70】
【0246】
特許文献25の合成法に従い合成を行った。窒素雰囲気下にてdean−starkコンデンサを有した50mLシュレンクに合成例3で得られたラセミ−trans−5−メチルメントール(rac−trans−5)(1.50g、8.81mmol)、(S)−乳酸(1.35g、15.0mmol、1.7eq.)、ヘプタン(25mL)を添加し、撹拌を開始した。系内に触媒量の濃硫酸を添加し、系内を100℃まで昇温し、水を系内より除去しつつ還流撹拌した。4時間後にGC−MSにて反応の進行を確認し、後処理を行った。系内温度を室温まで冷却し、1質量%水酸化ナトリウム水溶液で1回、飽和食塩水で1回洗浄した。油層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過・濃縮後にカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=7/1)にて単離精製を行い、目的の無色オイルを得た(766mg、収率36%)。
【0247】
[α]
D20=−5.13(c=0.5,EtOH)
HRMS:質量 265.1774 実測値 265.1768([M+Na]
+)
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.80(dd,3H,J=7.0,3.7Hz),0.90(dd,3H,J=7.0,3.7Hz),0.93−0.97(m,6H),1.14−1.30(m,3H),1.35−1.43(m,4H),1.58(br,2H),1.68−1.76(m,1H),1.79−1.88(m,1H),2.84(d,1H,5.4Hz),4.18−4.25(m,1H),4.90−4.98(m,1H).
【0248】
[実施例15]例示化合物(1R,2S)−17a−2((S)−((1R,2S)−2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキシル)2−ヒドロキシプロパノエート)の合成
【0249】
【化71】
【0250】
実施例14の手法を用いて、合成例12で得られた(−)−trans−5−メチルメントール(750mg、4.40mmol)より(−)−体を無色オイルとして得た(367mg、収率34%)。
【0251】
[α]
D20=−62.3(c=0.2,EtOH)
HRMS:質量 243.1970 実測値 243.1960(FI)
11H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.81(d,3H,J=6.9Hz),0.90(d,3H,J=7.0Hz),0.93−0.97(m,6H),1.14−1.30(m,3H),1.35−1.43(m,4H),1.58(br,2H),1.71(dq,1H,J=12.2,2.4Hz),1.79−1.88(m,1H),2.89(br,1H),4.18−4.25(br,1H),4.95(td,1H,J=11.0,4.6Hz).
【0252】
[実施例16]例示化合物(1S,2R)−17a−2((S)−((1S,2R)−2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキシル)2−ヒドロキシプロパノエート)の合成
【0253】
【化72】
【0254】
実施例14の手法を用いて、合成例13で得られた(+)−trans−5−メチルメントール(750mg、4.40mmol)より(+)−体を無色オイルとして得た(367mg、収率34%)。
【0255】
[α]
D20=+41.1(c=0.4,EtOH)
HRMS:質量 265.1774 実測値 265.1777(ESI,[M+Na]
+)
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.79(d,3H,J=6.9Hz),0.91(d,3H,J=7.0Hz),0.93−0.97(m,6H),1.14−1.30(m,3H),1.35−1.43(m,4H),1.58(br,2H),1.75(dq,1H,J=12.2,2.4Hz),1.79−1.88(m,1H),2.84(d,1H,5.4Hz),4.18−4.25(m,1H),4.93(td,1H,J=11.0,4.6Hz).
【0256】
[実施例17]例示化合物rac−14a−43(メチル 2−(2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサンカルボキシアミド)ベンゾエート)の合成
【0257】
【化73】
【0258】
本反応は窒素雰囲気下にて行った。100mLリアクターに合成例7、8、9又は19で得られた5−メチルメンチルカルボン酸(rac−11a)(400mg、2.02mmol)、塩化チオニル(0.22mL、1.50eq.)及びDMF数適を添加し、室温にて3時間攪拌させた。系内の溶液を溜去し、トルエンを2mL添加した。系内を氷浴にて10℃以下に冷却し、2−アミノ安息香酸メチル(610mg、2.0eq.)をゆっくりと加えた。2時間半後にGC−MSにて反応の完結を確認し、後処理を行った。反応溶液を濾過しつつ分液漏斗に移し、水道水とクロロホルムを添加して洗浄した。油層を希塩酸で2回洗浄し、更に飽和食塩水で1回洗浄して、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィーにて単離精製し、目的のアモルファス状のオイルを得た(510mg、収率76%)。
【0259】
HRMS:質量 332.2220 実測値 332.2240([M+H]
+)
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.87(d,3H,J=6.9Hz,),0.92(d,1H,J=6.9Hz).0.95(s,6H),1.21−1.32(m,3H),1.44−1.67(m,4H),1.78(quid,1H,J=7.0,2.7Hz),2.38−2.45(m,1H),3.94(s,3H),7.04−7.05(m,1H),7.51−7.56(m,1H),8.03(dd,1H,J=8.0,1.4Hz),8.77(dd,1H,J=8.5,1.0Hz),11,1(br,1H).
【0260】
[実施例18]例示化合物rac−19a−1(6−イソプロピル−9,9−ジメチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)メタノール)の合成
【0261】
【化74】
【0262】
本反応は窒素雰囲気下にて行った。Dean−starkコンデンサを有した反応フラスコに、合成例5で得られた5−メチルメントン(rac−7)(3.00g、17.8mmol)、グリセロール(9.85g、7.80mL、6.0eq.)、トルエン(20mL)及び濃硫酸数滴を添加し、還流撹拌した。コンデンサには系中より析出した水が観測された。15時間後、系内を室温まで冷却し、反応溶液を濃縮してカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)にて精製し、目的のオレンジがかったオイル(1.96g、収率45%)を得た。
【0263】
HRMS:質量242.1892 実測値242.1881
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.86−1.01(m,12H),1.18−1.88(m,8H),2.01−2.19(m,1H),36.52−3.81(m,3H),3.96−4.30(m,2H)(diastereomers mixture)
【0264】
[実施例19]例示化合物14a−38i((−)−trans−N−(4−(シアノメチル)フェニル)−2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサンカルボキシアミド)の合成
【0265】
【化75】
【0266】
本反応は窒素雰囲気下にて行った。100mLリアクターに合成例15で得られた(−)−5−メチルメンチルカルボン酸(1R,2S)−11a)(450mg、2.27mmol)、塩化チオニル(0.25mL、1.50eq.)及びDMF数滴を添加し、室温にて3時間攪拌させた。系内の溶液を溜去し、トルエンを2mL添加した。系内を氷浴にて10℃以下に冷却し、4−アミノベンズシアニド(900mg、3.0eq.)をゆっくりと加えた。2時間半後にGC−MSにて反応の完結を確認し、後処理を行った。反応溶液を分液漏斗に移し、水道水とクロロホルムを添加して洗浄した。油層を希塩酸で2回洗浄し、更に飽和食塩水で1回洗浄して、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィーにて単離精製を行い、アモルファス状固体を得た(545mg、収率77%、80%ee.)。
【0267】
[α]
D20=−20.6(c=0.5,EtOH)
HRMS:質量317.2202 実測値317.2211(FI)
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.86(d,3H,J=7.0Hz),0.88−1.00(m,9H),1.20−1.31(m,3H),1.39−1.65(m,4H),1.71−1.81(m,1H),2.30(td,1H,J=11.8,3.8Hz),3.70(s,2H),7.26(d,2H,J=8.0Hz),7.32(br,1H),7.56(d,1H,J=8.0Hz).
【0268】
[実施例20]例示化合物rac−14a−42(N−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサンカルボキシアミド)の合成
【0269】
【化76】
【0270】
本反応は窒素雰囲気下にて行った。100mLリアクターに合成例7、8、9又は19で得られた5−メチルメンチルカルボン酸(rac−11a)(350mg、1.77mmol)、塩化チオニル(0.19mL、1.50eq.)及びDMF数滴を添加し、室温にて3時間攪拌させた。コールド系内の溶液を溜去し、トルエンを2mL添加した。系内を氷浴にて10℃以下に冷却し、2−アミノ−5−メトキシフェノール(491mg、2.0eq.)をゆっくりと加えた。室温で2時間半後に内温60℃にて1時間撹拌し、GC−MSにて反応の完結を確認した。後処理として反応溶液を分液漏斗に移し、水道水とクロロホルムを添加して洗浄した。油層を希塩酸で2回洗浄し、更に飽和食塩水で一回洗浄して、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。系内にさらにシリカゲルを添加して撹拌後に溶液を濾過・濃縮し白色固体を得た(401mg、1.255mmol、収率71%)。少量の本化合物をヘプタン/クロロホルムで再結晶し、白色結晶を得た。
【0271】
融点 153〜155℃
HRMS:質量 320.2220 実測値 320.2226([M+H]
+)
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.87(d,3H,J=6.9Hz),0.92−0.98(m,9H),1.19−1.31(m,3H),1.45−1.65(m,7H),1.75−1.83(m,1H),2.41(td,1H,J=12.0,3.5Hz),6.61(d,1H,J=2.9Hz),6.70(dd,1H,J=8.9,3.0Hz),6.94(d,1H,J=8.9Hz),8.08(s,1H).
【0272】
[実施例21]例示化合物rac−14a−44(メチル 3−(2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサンカルボキシアミド)ベンゾエート)の合成
【0273】
【化77】
【0274】
本反応は窒素雰囲気下にて行った。100mLリアクターに合成例7、8、9又は19で得られた5−メチルメンチルカルボン酸(rac−11a)(400mg、4.03mmol)、塩化チオニル(0.35mL、1.50eq.)及びDMF数滴を添加し、室温にて3時間攪拌させた。系内の溶液を溜去し、トルエンを2mL添加した。系内を氷浴にて10℃以下に冷却し、メチル−m−アミノベンゾエート(610mg、2.0eq.)をゆっくりと加えた。室温で2時間、内温50℃にて1時間撹拌し、GC−MSにて反応の完結を確認した。後処理として反応溶液を分液漏斗に移し、水道水とクロロホルムを添加して洗浄した。油層を希塩酸で2回洗浄し、更に飽和食塩水で一回洗浄して、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィーにて単離精製を行い、アモルファス状固体を得た(529mg、1.60mmol、収率79%)。
【0275】
HRMS:質量 332.2220 実測値 332.2237([M+H]
+)
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.83−0.97(m,12H),1.20−1.35(m,3H),1.39−1.67(m,4H),1.76−1.84(m,1H),2.30(td,1H,J=11.8,4.1Hz),7.30(br,1H),7.39(d,1H,J=7.9Hz),7.75−7.80(m,1H),7.87−8.05(h,2H).
【0276】
[実施例22]例示化合物rac−14a−45(メチル 4−(2−イソプロピル−5,5−ジメチルシクロヘキサンカルボキシアミド)ベンゾエート)の合成
【0277】
【化78】
【0278】
本反応は窒素雰囲気下にて行った。100mLリアクターに合成例7、8、9又は19で得られた5−メチルメンチルカルボン酸(rac−11a)(400mg、4.03mmol)、塩化チオニル(0.35mL、1.50eq.)及びDMF数滴を添加し、室温にて3時間攪拌させた。系内の溶液を溜去し、トルエンを2mL添加した。系内を氷浴にて10℃以下に冷却し、メチル−p−アミノベンゾエート(610mg、2.0eq.)をゆっくりと加えた。室温で2時間、内温50℃にて1時間撹拌し、GC−MSにて反応の完結を確認した。後処理として反応溶液を分液漏斗に移し、水道水とクロロホルムを添加して洗浄した。油層を希塩酸で2回洗浄し、更に飽和食塩水で一回洗浄して、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィーにて単離精製を行い、アモルファス状固体を得た(491mg、1.48mmol、収率73%)。
【0279】
HRMS:質量 332.2220 実測値 332.2232([M+H]
+)
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):δ0.83−0.97(m,12H),1.20−1.35(m,3H),1.44−1.64(m,4H),1.73−1.83(m,1H),2.30(td,1H,J=11.9,3.7Hz),7.30(br,1H),7.62(d,1H,J=8.7Hz),7.99(dt,1H,J=9.1,1.9Hz).
【0280】
[実施例23]例示化合物rac−14a−38の官能評価
【0281】
【化79】
【0282】
官能評価は従来知られている化合物のうち冷感が強く、構造が類似している比較化合物1(Evercool180)と比較して行った。例示化合物rac−14a−38、比較化合物1は共に、2ppm水溶液として評価を行った。
【0283】
[官能所見]
・例示化合物rac−14a−38を口に含んで1分〜数分経過した後冷感が発現した。冷感は30分以上持続した。
・冷感特徴が比較化合物1(Evercool180)より自然な感じであった。Evercool180はメントール的な特徴を有するのに対し、rac−14a−38は冷感のみを覚えた。
・冷感特徴が比較化合物1(Evercool180)よりrac−14a−38の方がシャープであった。
【0284】
[実施例24]例示化合物rac−14a−23の官能評価
【0285】
【化80】
【0286】
官能評価は従来知られており、構造が類似している比較化合物2と比較して行った。例示化合物rac−14a−23、比較化合物2は共に、30ppm水溶液として評価を行った。
【0287】
[官能所見]
rac−14a−23は鋭い冷感刺激は比較化合物2より強かった。冷感発現は比較化合物2より遅く、冷感強度のピークは比較化合物2と同等であった。rac−14a−23の鋭い冷感は持続性に富み、終始冷感の底上げをしているような印象であった。持続性は比較化合物2より勝っていた。
【0288】
[実施例25]例示化合物rac−14a−34の官能評価
【0289】
【化81】
【0290】
官能評価は従来知られており、構造が類似している比較化合物3と比較して行った。例示化合物rac−14a−34、比較化合物3は共に、30ppm水溶液として評価を行った。
【0291】
[官能所見]
rac−14a−34のトップの旨味感は比較化合物3と同等で、冷感発現の出だしは遅かった。時間が経つにつれて冷感強度が上がってきた。旨味が持続するゆえ、唾液分泌が続くところが興味深い特徴であった(唾液は喉奥から分泌される感じであった)。
【0292】
[実施例26]例示化合物rac−14a−40の官能評価
【0293】
【化82】
【0294】
官能評価は従来知られており、構造が類似している比較化合物3と比較して行った。例示化合物rac−14a−40、比較化合物3は共に30ppm水溶液として評価を行った。
【0295】
[官能所見]
rac−14a−40のトップの旨味・塩味は比較化合物3より強くシャープであった。旨味と痺れ感が同時に発現するため、サリベーション効果がありそうな印象であった。
【0296】
[実施例27]例示化合物rac−14a−46の官能評価
【0297】
【化83】
【0298】
官能評価は従来知られている比較化合物3と比較して行った。例示化合物rac−14a−46、比較化合物3は共に30ppm水溶液として評価を行った。
【0299】
[官能所見]
rac−14a−46はエステル特有のクリアで軽いタッチであるが、出方が遅く、冷感強度の持続性があった。
【0300】
[実施例28]例示化合物rac−14a−41の官能評価
【0301】
【化84】
【0302】
官能評価は従来知られている比較化合物3と比較して行った。例示化合物rac−14a−41、比較化合物3は共に30ppm水溶液として評価を行った。
【0303】
[官能所見]
rac−14a−41は比較化合物3よりやや早い冷感の立ち上がりが見られた。先味にケミカル様の苦味をやや覚えるものの、しばらくしたら消失するので問題のない程度であった。冷感強度は比較化合物3の1.2〜1.3倍程度の強い強度であった。冷感に灼熱感よりもクリア感が伴い、好ましい冷感が見られた。喉奥に冷感がかなり残り、持続性もある結果となった。
【0304】
[実施例29]例示化合物rac−14a−47の官能評価
【0305】
【化85】
【0306】
官能評価は従来知られている比較化合物3と比較して行った。例示化合物rac−14a−47、比較化合物3は共に30ppm水溶液として評価を行った。
【0307】
[官能所見]
rac−14a−47は早い冷感の立ち上がりが特徴的であった。比較化合物3と同様、旨味を伴うが、比較化合物3よりも強い旨味が感じられた。冷感強度は比較化合物3の1.5〜2倍程度と大変強く、冷感に灼熱感(ヒリヒリ感)があった。喉奥に冷感がかなり残り、持続性もある結果となった。
【0308】
[実施例30]シャンプーに賦香した評価
【0309】
【化86】
【0310】
L−メントール及び、従来知られている比較化合物4または例示化合物rac−14a−38をそれぞれ賦香したシャンプー(A)〜(C)を調製し、官能評価を行った。以下にシャンプー(A)〜(C)の配合を示す。
【0311】
(A)ボディーシャンプーBASE 900g + L−メントール 30g + ジプロピレングリコール(DPG) 70g
(B)ボディーシャンプーBASE 900g + L−メントール 30g + 比較化合物4 10% in DPG 70g
(C)ボディーシャンプーBASE 900g + L−メントール 30g + 例示化合物rac−14a−38 1% in DPG 70g
【0312】
なお、ボディーシャンプーBASEの処方箋は以下の通りである。
【0313】
【表1】
【0314】
[評価コメント]
シャンプー(B)及びシャンプー(C)の処方はシャンプー(A)よりも冷感効果があり、シャンプー(C)はシャンプー(B)の1/10の冷感剤の配合量ながらも、シャンプー(B)と同等若しくはそれ以上の冷感効果を有した。
【0315】
[実施例31]ビール風味飲料に賦香した評価
【0316】
【化87】
【0317】
L−メントール及び、例示化合物rac−14a−38または従来知られている比較化合物4をそれぞれ賦香したビール風味飲料(D)〜(F)を調製し、官能評価を行った。以下にビール風味飲料(D)〜(F)の配合を示す。
(D)ノンアルコールビールテイスト飲料 1000g
(E)ノンアルコールビールテイスト飲料 1000g + L−メントール 1mg(1ppm) + 比較化合物4 1mg(1ppm)添加
(F)ノンアルコールビールテイスト飲料 1000g + L−メントール 1mg(1ppm) + 例示化合物rac−14a−38 0.1mg(0.1ppm)添加
【0318】
なお、ビールフレーバーの処方箋は以下の通りである。
【0319】
【表2】
【0320】
上記処方のビールフレーバーを用いたビール風味飲料の処方箋は以下の通りである。
【0321】
【表3】
【0322】
[評価コメント]
ビール風味飲料(E)及びビール風味飲料(F)はビール風味飲料(D)よりも冷感効果があり、ビール風味飲料(F)はビール風味飲料(E)の1/10の冷感剤の配合量ながらもビール風味飲料(E)と同等若しくはそれ以上の冷感効果を有した。さらにビール風味飲料(F)はビール風味飲料(E)と比較して質の良い、快い冷感を有した。
【0323】
[実施例32]歯磨き粉賦香評価
【0324】
【化88】
【0325】
L−メントール及び、例示化合物rac−14a−38又は従来知られている比較化合物4をそれぞれ賦香した歯磨き粉(G)〜(I)を調製し、官能評価を行った。以下に歯磨き粉(G)〜(I)の配合を示す。
(G)歯磨き粉基剤 990g + ツースペーストフレーバーBASE 4g + L−メントール 4g + エチルアルコール(EtOH) 2g
(H)歯磨き粉基剤 990g + ツースペーストフレーバーBASE 4g + L−メントール 4g + 比較化合物4 10% in EtOH 2g
(I)歯磨き粉基剤 990g + ツースペーストフレーバーBASE 4g + L−メントール 4g + 例示化合物rac−14a−38 1% in EtOH 2g
【0326】
なお、ツースペーストフレーバーBASEの処方箋は以下の通りである。
【0327】
【表4】
【0328】
また、歯磨き粉基剤の処方は以下の通りである。
【0329】
【表5】
【0330】
[評価コメント]
歯磨き粉(H)及び歯磨き粉(I)は歯磨き粉(G)よりも冷感効果があり、歯磨き粉(I)は歯磨き粉(H)の1/10の冷感剤の配合量ながらも歯磨き粉(H)以上の冷感効果を有した。さらに歯磨き粉(I)は30分以上の冷感効果が感じられた。また同時にツースペーストフレーバーのミント感が強く広がる効果も感じられた。
【0331】
[実施例33]冷感強度評価
各化合物の冷感強度を表6〜表8に示す。冷感強度測定は非特許文献6を参考に行った。冷感を感じる濃度EC
50値を冷感強度の指標として、以下に示す。
【0332】
【表6】
【0333】
【表7】
【0334】
【表8】
【0335】
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は2015年3月25日出願の日本特許出願(特願2015−062301)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。