特許第6751085号(P6751085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6751085
(24)【登録日】2020年8月17日
(45)【発行日】2020年9月2日
(54)【発明の名称】埋め込み用整形外科用具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/02 20060101AFI20200824BHJP
   A61B 17/66 20060101ALI20200824BHJP
   A61B 17/70 20060101ALI20200824BHJP
   A61B 17/86 20060101ALI20200824BHJP
【FI】
   A61B17/02
   A61B17/66
   A61B17/70
   A61B17/86
【請求項の数】16
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-521119(P2017-521119)
(86)(22)【出願日】2015年10月21日
(65)【公表番号】特表2017-535324(P2017-535324A)
(43)【公表日】2017年11月30日
(86)【国際出願番号】US2015056548
(87)【国際公開番号】WO2016064939
(87)【国際公開日】20160428
【審査請求日】2018年10月10日
(31)【優先権主張番号】14/519,961
(32)【優先日】2014年10月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ポンムディ,ヴァラン
(72)【発明者】
【氏名】カルポウィッツ,エドワード
【審査官】 山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−050714(JP,A)
【文献】 米国特許第05944658(US,A)
【文献】 特開2007−014787(JP,A)
【文献】 特表2008−509763(JP,A)
【文献】 特開2000−230528(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0194697(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/02
A61B 17/66
A61B 17/70
A61B 17/86
A61B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
整形外科システムであって、
第1の骨ピンであって、下側ねじ部分及び上側ねじ部分を備える、第1の骨ピンと、
前記第1の骨ピンの上に送達される第1の幅広のブロッキングブレードであって、外科的処置における組織の牽引中に周囲の組織への保護を提供する少なくとも2つのブロッキングパネルを備える、第1の幅広のブロッキングブレードと、
前記第1の骨ピンの上に送達され、隣接した椎体を伸延して椎間板の高さを正しい解剖学的位置に戻す第1の伸延ブレードであって、前記第1の骨ピンを内部に受容するためのスロットを含む、第1の伸延ブレードと、
第2の骨ピンであって、下側ねじ部分及び上側ねじ部分を備える、第2の骨ピンと、
前記第2の骨ピンの上に送達される第2の幅広のブロッキングブレードであって、外科的処置における組織の牽引中に周囲の組織への保護を提供する少なくとも2つのブロッキングパネルを備える、第2の幅広のブロッキングブレードと、
前記第2の骨ピンの上に送達され、隣接した椎体を伸延して椎間板の高さを正しい解剖学的位置に戻す第2の伸延ブレードであって、前記第2の骨ピンを内部に受容するためのスロットを含む、第2の伸延ブレードと、
(i)前記第1の伸延ブレード及び前記第2の伸延ブレード、または(ii)前記第1の幅広のブロッキングブレード及び前記第2の幅広のブロッキングブレードのいずれかのうちの少なくとも1つに取り付けられるフレームと、を備え、
前記第1の幅広のブロッキングブレードが、第1のブロッキングパネル、第2のブロッキングパネル、及び前記第1のブロッキングパネルを前記第2のブロッキングパネルに接続する移行パネルを備える、整形外科システム。
【請求項2】
前記フレームが、ラチェット機構を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の骨ピンは、前記第1の骨ピンの軸に沿って摺動することが可能なリングまたは環状部材の摺動を止める部分を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記移行パネルが曲線状である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の伸延ブレードが、広がった曲線輪郭を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の伸延ブレードが、取り付け部分を有し、前記取り付け部分が、前記フレームに接続可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の伸延ブレードが、平らな上側区分を備え、前記上側区分から前記取り付け部分が延びるまたは突出する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
整形外科システムであって、
第1の骨ピンと、
前記第1の骨ピンの上に送達される第1の幅広のブロッキングブレードと、
前記第1の骨ピンの上に送達され、隣接した椎体を伸延して椎間板の高さを正しい解剖学的位置に戻す第1の伸延ブレードであって、前記第1の骨ピンを内部に受容するためのスロットを含む、第1の伸延ブレードと、
第2の骨ピンと、
前記第2の骨ピンの上に送達される第2の幅広のブロッキングブレードと、
前記第2の骨ピンの上に送達され、隣接した椎体を伸延して椎間板の高さを正しい解剖学的位置に戻す第2の伸延ブレードであって、前記第2の骨ピンを内部に受容するためのスロットを含む、第2の伸延ブレードと、
(i)前記第1の伸延ブレード及び前記第2の伸延ブレード、または(ii)前記第1の幅広のブロッキングブレード及び前記第2の幅広のブロッキングブレードのいずれかのうちの少なくとも1つに取り付けられるフレームと、を備え、
前記第1の幅広のブロッキングブレードが、外科的処置における組織の牽引中に周囲の組織への保護を提供する第1のブロッキングパネル及び第2のブロッキングパネル、並びに、前記第1のブロッキングパネルを前記第2のブロッキングパネルに接続する移行パネルを備える、整形外科システム。
【請求項9】
前記第1の伸延ブレード内の前記スロットは、前記第1の伸延ブレードの最遠位端に向かって広くなる形状である、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の骨ピンが、一組の上側ねじ部と、一組の下側ねじ部と、を備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記上側ねじ部のピッチが、前記下側ねじ部のピッチとは異なる、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の伸延ブレードの前記スロットが、前記第1の骨ピンを受容するためのスロット状スリーブの一部である、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の骨ピンが、骨に接合された骨ピンである、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
整形外科システムであって、
第1の骨ピンと、
前記第1の骨ピンの上に送達される第1の幅広のブロッキングブレードと、
第2の骨ピンと、
前記第2の骨ピンの上に送達される第2の幅広のブロッキングブレードと、
前記第1の幅広のブロッキングブレード及び前記第2の幅広のブロッキングブレードに取り付けられる、フレームと、を備え、
前記第1の幅広のブロッキングブレードが、外科的処置における組織の牽引中に周囲の組織への保護を提供する第1のブロッキングパネル及び第2のブロッキングパネル、並びに、前記第1のブロッキングパネルを前記第2のブロッキングパネルに接続する移行パネルを備える、整形外科システム。
【請求項15】
前記第1のブロッキングパネルが、前記第2のブロッキングパネルとは異なる平面上にある、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1の骨ピンに取り付けられ、隣接した椎体を伸延して椎間板の高さを正しい解剖学的位置に戻す第1の伸延ブレードと、前記第2の骨ピンに取り付けられ、隣接した椎体を伸延して椎間板の高さを正しい解剖学的位置に戻す第2の伸延ブレードと、を更に備える、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本出願は、概して、伸延及び組織牽引のための改善された器具及び器具特徴部を対象とする。
【0002】
〔背景技術〕
脊椎固定処置は、変性椎間板によって引き起こされる腰痛を治療するために、患者に行われる。脊椎固定処置中、外科医は、椎間腔をその元の高さに戻してから、椎体間固定デバイス及び移植材料を椎間腔に挿入する。これを達成するために、外科医は、伸延器具を使用して隣接した骨を分離する。手術部位にアクセスするために、外科医は、組織を牽引する。組織牽引は、伸延器具とは別の牽引器具によって行われる。
【0003】
骨伸延及び組織牽引の両方の目的をより良く果たすための用具の必要性が存在する。
【0004】
〔先行技術文献〕
〔特許文献〕
〔特許文献1〕米国特許第5944658号明細書
〔特許文献2〕米国特許出願公開第2007/0100212号明細書
〔特許文献3〕米国特許出願公開第2012/0303034号明細書
〔特許文献4〕米国特許出願公開第2004/0230191号明細書
〔特許文献5〕米国特許出願公開第2014/0066718号明細書
〔発明の概要〕
本出願は、概して、伸延及び組織牽引のための改善された器具及び器具特徴部を対象とする。一部の実施形態において、整形外科システムは、第1の骨ピンであって、下側ねじ部分及び上側ねじ部分を備える、第1の骨ピンと、第1の骨ピンの上に送達される第1の幅広のブロッキングブレードであって、少なくとも2つのブロッキングパネルを備える、第1の幅広のブロッキングブレードと、第1の骨ピンの上に送達される第1の伸延ブレードであって、第1の骨ピンを内部に受容するためのスロットを含む、第1の伸延ブレードと、第2の骨ピンであって、下側ねじ部分及び上側ねじ部分を備える、第2の骨ピンと、第2の骨ピンの上に送達される第2の幅広のブロッキングブレードであって、少なくとも2つのブロッキングパネルを備える、第2の幅広のブロッキングブレードと、第2の骨ピンの上に送達される第2の伸延ブレードであって、第2の骨ピンを内部に受容するためのスロットを含む、第2の伸延ブレードと、(i)第1の伸延ブレード及び第2の伸延ブレード、または(ii)第1の幅広のブロッキングブレード及び第2の幅広のブロッキングブレードのいずれかのうちの少なくとも1つに取り付けられるフレームと、を備える。
【0005】
他の実施形態において、整形外科システムは、第1の骨ピンと、第1の骨ピンの上に送達される第1の幅広のブロッキングブレードと、第1の骨ピンの上に送達される第1の伸延ブレードであって、第1の骨ピンを内部に受容するためのスロットを含む、第1の伸延ブレードと、第2の骨ピンと、第2の骨ピンの上に送達される第2の幅広のブロッキングブレードと、第2の骨ピンの上に送達される第2の伸延ブレードであって、第2の骨ピンを内部に受容するためのスロットを含む、第2の伸延ブレードと、(i)第1の伸延ブレード及び第2の伸延ブレード、または(ii)第1の幅広のブロッキングブレード及び第2の幅広のブロッキングブレードのいずれかのうちの少なくとも1つに取り付けられるフレームと、を備える。
【0006】
他の実施形態において、整形外科システムは、第1の骨ピンと、第1の骨ピンの上に送達される第1の幅広のブロッキングブレードと、第2の骨ピンと、第2の骨ピンの上に送達される第2の幅広のブロッキングブレードと、第1の幅広のブロッキングブレード及び第2の幅広のブロッキングブレードに取り付けられるフレームと、を備える。
【0007】
〔図面の簡単な説明〕
図1は、一部の実施形態に従う、椎体に取り付けられた一対の伸延ブレードを含むシステムを示す。
【0008】
図2は、図1の伸延ブレードの異なる図を示す。
【0009】
図3は、一部の実施形態に従う、一体型骨ピンを有する一対の伸延ブレードを含むシステムを示す。
【0010】
図4は、一部の実施形態に従う、一体型骨ピンから分離した伸延ブレードを示す。
【0011】
図5は、一部の実施形態に従う、代替伸延ブレード及び一体型骨ピンを示す。
【0012】
図6は、図5の伸延ブレードを示す。
【0013】
図7は、一部の実施形態に従う、骨ピンを示す。
【0014】
図8A及び8Bは、一部の実施形態に従う、フレームの異なる図を示す。
【0015】
図9は、一部の実施形態に従う、一体型骨ピンとのボールソケット接続部を有する代替伸延ブレードを示す。
【0016】
図10は、一部の実施形態に従う、骨ピンとのボールソケット接続部を有する伸延ブレードの背面図を示す。
【0017】
図11は、一部の実施形態に従う、代替伸延ブレード及び接合骨ピンを示す。
【0018】
図12は、一部の実施形態に従う、一体型接合骨ピンを有する伸延ブレードを示す。
【0019】
図13は、一部の実施形態に従う、一対の幅広のブロッキングブレードを含むシステムを示す。
【0020】
図14は、図13の一対の幅広のブロッキングブレードを含むシステムの上面図を示す。
【0021】
図15は、一部の実施形態に従う、一対の幅広のブロッキングブレードを示す。
【0022】
図16〜21は、一部の実施形態に従う、1つ以上の幅広のブロッキングブレードの、1つ以上の伸延ブレードとの組み立て方法を示す。
【0023】
図22は、一部の実施形態に従う、フレームと共に使用中の、一対の幅広のブロッキングブレードを示す。
【0024】
〔発明を実施するための形態〕
本出願は、概して、伸延及び組織牽引のための改善された器具及び器具特徴部を対象とする。具体的には、本出願は、伸延及び組織牽引の両方が可能であり、それにより、脊椎処置中に複数の器具を使用する必要性を有利に取り除く、脊椎手術器具を説明する。
【0025】
脊椎固定処置中に、外科医は、椎間腔をその元の高さに戻してから、椎体間固定デバイス及び移植材料を椎間腔に挿入する。この高さ回復を達成するために、外科医は、伸延器具を使用して隣接した骨を分離する。手術部位にアクセスして伸延を行うために、外科医は、組織を牽引してその部位への経路を提供しなければならない。組織牽引は、典型的に伸延器具とは別の牽引器具を使用して行われる。
【0026】
脊椎処置の1つの一般的な種類は、ACDF処置である。過去十年で、ACDF処置の件数は二倍を超え、成功率が非常に高い。この高い成功率にも関わらず、依然として改善が必要である。研究は、ACDF後の嚥下障害の発生率が非常に高くなり得ることを見出し、患者の最大47%が短期的な嚥下機能不全を経験することを示す報告があり、恐らくはより多くが報告されずに終わっている。嚥下障害の存在は、ACDF牽引器によって周囲の軟組織に加えられる力、頚長筋の切開、ならびに挿管配管に関連すると考えられる。典型的な自己保持牽引器の恒常的な移動から遅延が起こり得、別個の伸延器と共に使用される牽引器フレームの混雑から目視困難が生じる場合(全てが最小の切開を必要とすることが意図されるものに含まれる)、ACDF処置中に追加の懸念が生じる。
【0027】
本出願は、嚥下障害及びACDF処置中に起こり得る他の副作用の可能性を低減する器具及び器具特徴部を対象とする。本明細書に記載される器具を使用して、組織を牽引すると共に椎体をそれらの元の高さに伸延することができ、それにより、別個の器具を使用する必要性を低減し、手術部位に対する可視性を高める。組織を牽引すると共に椎骨を伸延することができる器具を提供することによって、伸延プロセス中に組織を保護することができ、それにより、患者に対する嚥下障害の危険性を低減する。本明細書に記載される器具は、ACDF処置に関して例証されるが、当業者であれば、これらの器具が、胸部、腰部、及び仙骨領域内のものを含む、他の椎骨部材にも同様に適用され得ることを理解するであろう。
【0028】
図1及び2は、一部の実施形態に従う、骨伸延及び組織牽引の両方が可能である一対の新規の伸延器ブレードを備える、外科用システムの異なる図を示す。伸延ブレード10の各々は、骨部材を通じて位置付けられる一体型ねじ骨ピン25と関連付けられる。図1に示される通り、第1の骨ピン25は、第1の、または上椎骨2に挿入されるのに対して、他の骨ピン25は、第2の、または下椎骨3に挿入される。一部の実施形態において、骨部材への骨ピン25の設置は、伸延ブレード10を骨ピン25に送達する前に起こり得る。骨ピン25が所定の位置に設置されると、伸延ブレード10は、スロット18を介して骨ピン25の上及び周りに下向きに位置付けられ得る。伸延ブレード10は、伸延の準備において、緩み止めナット29(図7に示される)を介して伸延ブレードを骨ピン25に固定する前に、骨ピン25のワッシャー、フランジ、突出部、または棚特徴部32(同じく図7に示される)上に置くことができる。一部の実施形態において、緩み止めナット29を緩く締めて伸延ブレード10を骨ピン25に固定することができ、それにより、外科的処置中に追加の器具使用のための余地を提供するための角形成及びワンディングを可能にする。有利に、伸延ブレード10は、骨ピン25に向かって挿入されるにつれて組織を牽引し、一旦骨ピンに固定されると、組織を牽引し続けることができる。
【0029】
図1及び2に示される通り、2つの伸延ブレード10が一体型骨ピン25と共に所定の位置に設置されると、伸延ブレード10は、隣接した椎体を伸延して椎間板の高さを回復することができる。伸延は、手または器具を介して起こり得る。一部の実施形態において、伸延のための1つ以上の器具が、伸延ブレード10の各々に提供される取り付け部分19に取り付けられ得る。一部の実施形態において、フレーム50は、図8A及び8Bに示される通り、伸延ブレード10に取り付けることができ、フレーム50の第1のアーム51は、第1の伸延ブレード10に取り付けられ、第2のアーム52は、第2の伸延ブレード10に取り付けられる。フレーム50は、伸延ブレード10が隣接した椎体を伸延するのを助けることができる機構(例えば、ラチェット機構)を含み得る。そのようなものとして、2つの伸延ブレード10は、組織を牽引し続けながら、伸延のために有利に使用され得、それにより、別個の伸延及び牽引器具の必要性を低減する。伸延ブレード及び一体型ピンを含む外科用システムの個々の構成要素は、下で更に詳述される。
【0030】
図3は、一部の実施形態に従う、一体型骨ピンを有する一対の伸延ブレードを含むシステムを示す。伸延ブレード10の各々は、上側部分及び下側部分を有する本体16を含む。本体16の上側部分は、平らな区分を含み、そこから取り付け部分19が延びる、または突出する。取り付け部分19は、安定化、牽引、及び/または伸延のためのフレームまたは他の器具への取り付けが可能である。本体16の上側部分は、それを通して骨ピン25を受け入れるための開口またはスロットを含む、下側の広がった部分へと下向きに傾斜する。本実施形態において、フープまたはリング要素17(図4及び6においてより良く示される)は、下側の広がった部分から外向きに延びる。リング要素17は、図7に示される、一体型骨ピン25を受容すると共に、骨ピンの棚特徴部32上に載るように設計され得る。
【0031】
一旦伸延ブレード10が骨ピン25を受容すると、緩み止めナット29(図7に示される)は、骨ピン25の上に下向きにねじ込まれ、伸延ブレード10及び骨ピン25を固定することができる。一部の実施形態において、緩み止めナット29は、下向きにねじ込まれるが、完全には締められず、それにより伸延ブレード10は、角形成またはワンディングすることができる。他の実施形態において、緩み止めナット29は、下向きにねじ込まれ、完全に絞められて、それにより伸延ブレード10は固定され、ワンディングすることができない。一対の伸延ブレード10を必要とする一部の実施形態において、いずれかのブレードを固定することができ、及び/またはワンディングすることが可能である。緩み止めナット29が下向きにねじ込まれ、完全に締められるか、または部分的に締められるかに関わらず、伸延ブレード10は、骨ピン25に取り付けられる。その時点で、2つ以上の伸延ブレード10がそれぞれの骨ピンに取り付けられる場合、伸延器具は、第1の椎体を別の椎体から伸延するように両方に取り付けられ得る。
【0032】
図4は、一部の実施形態に従う、一体型骨ピンから分離された伸延ブレードを示す。この図から、伸延ブレード10の本体16が、平らな表面から取り付け部分19が延びる上側部分と、上側部分から延びる下側の広がった部分と、を有する様子を見ることができる。下側の広がった部分は、外向きにテーパ状であり、それにより、伸延ブレード10の最遠位端は、ブレード10の最も幅広の部分である。伸延ブレード10の広がった形状は固有であり、椎体に沿った輪郭にするのを可能にすることで、一体型骨ピン25とのより確実な位置付けを可能にする。図4に示される通り、ブレードの本体16を通って延びるスロット18は、伸延ブレード10のより遠位端に向かって広くなる、広がった部分を有することもできる。スロット18のこの拡幅は、有利に、ピン25が伸延ブレード10内でより容易に受容されるのを可能にする。
【0033】
図4において、骨ピン25は、伸延ブレード10とは別に示される。骨ピン25は、2つの異なる構成要素、ねじポスト27及び緩み止めナット29で構成される。一部の実施形態において、ねじポスト27は、その本体の長さに沿って延びる1つ以上のねじ部を有し得る。図7に示される通り、ねじポスト27は、異なるピッチを有する複数のねじ部を有し得る。これらのねじ部は、後述される。ねじ部に加えて、ねじポスト27は、ワッシャー、フランジ、突出部、または棚部分32を有し得、緩み止めナット29を下向きにねじ込む前に、伸延ブレード10のリング要素17がその上に位置し得る。図4に示される通り、緩み止めナット29は、ねじポスト27とは別の構成要素であり、ねじポスト27をねじ下げるための内部ねじ部を含む。
【0034】
図5は、一部の実施形態に従う、代替伸延ブレード及び一体型骨ピンを示すのに対して、図6は、単に伸延ブレードを示す。伸延ブレード10は、上記ブレードと同様であり、取り付け部分19が延びる上側の平らな部分と、スロット18を含む下向きに広がった部分と、下向きに広がった部分から外向きに延びるリング要素17と、を有する本体16を含む。しかしながら、前述の実施形態とは反対に、スロット18は広がって開いていないが、むしろ伸延ブレード10の長さに沿って下方に連続した幅を維持する。この形状区別にも関わらず、異なる実施形態からのスロット18のうちのいずれかは有利に、伸延ブレード10が、所望により、挿入された骨ピン25の上に側部載置されるのを可能にする。加えて、伸延ブレード10は、所望により、例えば、リング要素17を骨ピン25の上に置くことによって、挿入された骨ピン25の上に頂部載置することもできる。これらの図から、伸延ブレード10の本体16のはっきりした輪郭を見ることができる。図面に示される通り、伸延ブレード10の上側の平らな部分から始まって、本体16はテーパ状であり、外向きに広がっていることにより、伸延ブレード10の遠位部分9は、伸延ブレードの近位部分7よりも幅広である。
【0035】
図7は、一部の実施形態に従う、骨ピンを示す。骨ピン25は、本明細書に記載される伸延ブレードのうちのいずれかと共に使用され得る。骨ピン25は、2つの構成要素、ねじポスト27及び緩み止めナット29を備える。図7に示される通り、ねじポスト27は、フランジ付きの棚部分32によって下側区分から分離された上側区分を備える。ねじポスト27の下側区分は、ねじポスト27を骨に打ち込むのを助けるための下側ねじ部36を含む。ねじポスト27の上側区分は、滑らかな断絶部分28によって分離された第1の上側ねじ部の組35と、第2の上側ねじ部の組38と、を含む。第1の上側ねじ部の組35は、第2の上側ねじ部の組38よりもねじポスト27の遠位端の近くに位置付けられる。第1の上側ねじ部の組35及び第2の上側ねじ部の組38は、緩み止めナット29が下向きにねじ込まれるのを可能にする同様のねじ部である。有利に、第1の上側ねじ部の組35及び第2の上側ねじ部の組38は、滑らかな断絶部28によって分離され、これにより緩み止めナット29が、ねじ込まずに滑らかな断絶部28を容易に通過することができるため、速やかに下向きに置かれるのを助ける。
【0036】
図7に示される通り、緩み止めナット29は、ねじポスト29の上に下向きにねじ込まれ得る。緩み止めナット29は、駆動器具を受容するための駆動開口39を備える。一部の実施形態において、駆動開口39は、六角スクリュードライバーを受容するための六角開口を備える。
【0037】
図8A及び8Bは、一部の実施形態に従う、フレームの異なる図を示す。フレーム50は、第1の伸延ブレード10の取り付け部分19を把持するための第1のアーム51と、第2の伸延ブレード10の取り付け部分19を把持するための第2のアーム52と、を備える。フレーム10は、載置台を取り付けるための載置台取り付け部分64を含む。フレーム10は、直動するラチェット機構65を含む。ラチェット機構65を起動するために、ノブ61を回転させることができる(例えば、任意のバタフライキー62を介して)。バタフライキー62の使用は、有利に、一方向のラチェット機構65の制御移動を可能にする。ラチェット機構65を反対方向に動かすために、外科医は、ラッチ67を押圧することができ、これによりラチェット歯から解放され、逆方向移動を可能にする。
【0038】
第1の伸延ブレード10が第1のアーム51に取り付けられ、第2の伸延ブレード10が第2のアーム52に取り付けられると、フレーム50は、第1の伸延ブレード10を第2の伸延ブレード10から分離するように力を加えることができ、それにより隣接した椎体を伸延する。一部の実施形態において、2つ以上のフレーム50を、互いの上に積み重ねて、切開側を2方向、3方向、4方向以上に開かせることができる。一部の実施形態において、フレーム50の取り付け前または後に、伸延ブレード10を保持するように、頂部載置手持ち式アダプターも提供され得る。
【0039】
図9は、一部の実施形態に従う、一体型骨ピンとのボールソケット接続部を有する代替伸延ブレードを示す。図10は、伸延ブレードの背面図を示す。これらの実施形態において、伸延ブレード110は、それから取り付け部分119が延びる上側の平らな部分と、下側掃引部分と、を有する本体116を備える。伸延ブレード110の遠位部分は、ねじポスト127の頭部を内部に受容するためのボールソケット接続部117を備える。伸延ブレード10が、ブレード10をねじポスト27に固定するためのリング要素17及び緩み止めナット29を含む実施形態とは反対に、本実施形態では、ねじポスト127が、スナップ嵌めを介してボールソケット接続部117に取り付けられ得る。
【0040】
図10に示される通り、より丸く、より球形の頭部で示されるねじポスト127を、伸延ブレード110の裏側に形成された背面開口113に挿入して、伸延ブレード110にしっかりスナップ嵌めすることができる。有利に、ねじポスト127の頭部が丸いため、伸延ブレード110は、ねじポスト116の周りを多軸方向に調節することができ、それにより、伸延及び牽引中のブレード110の角形成及びワンディングを可能にする。第1のねじポスト127を第1の椎体に挿入し、第2のねじポスト127を第2の椎体に挿入した後に、第1の伸延ブレード110は、第1のねじポスト127にスナップ嵌めされ得るのに対して、第2の伸延ブレード110は、第2のねじポスト127にスナップ嵌めされ得る。一対のブレードが所定の位置に設置されると、器具(例えば、図8A及び8Bにおけるフレーム)をブレード110に取り付けて、その器具を使用して有意に組織を牽引し、骨部材を伸延することができる。
【0041】
図11及び12は、一部の実施形態に従う、代替伸延ブレード及び接合された骨ピンを示す。伸延ブレード210は、取り付け部分219がそこから延びる上側部分と、テーパ状であり、外向きに広がる下側部分と、を有する本体216を備える。ブレード210の下側部分は、それを通して接合された骨ピン225を受容するためのスロット状スリーブまたはシム217を含む。
【0042】
接合された骨ピン225は、2つの構成要素、ねじポスト227及び緩み止めナット229を備える。ねじポスト227は、骨にねじ込むための遠位ねじ部分236を含む。遠位ねじ部分236に近位である区分において、ねじポスト227は、有利に、ねじポスト227がスロット状スリーブ217を通して受容された後であっても、それが屈曲し、角形成するのを許す、接合された部分235を含む。一部の実施形態において、スロット状シム217を有する伸延ブレード210は、ねじポスト227の上に頂部載置される。一旦伸延ブレード210がねじポスト227の上に受容されると、緩み止めナット229を、ねじポスト227の上に下向きにねじ込むことができる。緩み止めナット229の下向きねじ込みは、伸延ブレード210をねじポスト227の方へ更に押し下げ、ブレード210の後退を防ぐことによって、伸延ブレード210をねじポスト227に固定する。
【0043】
有利に、伸延ブレード210がねじポスト227に取り付けられた後であっても、接合された部分235は、伸延ブレード210の角形成及びワンディングを可能にし、それにより、伸延及び牽引中に、より大きい器具、または追加の器具を収容する。一部の実施形態において、伸延ブレード210は、緩み止めナットが、ねじポスト227の下方にきつくねじ込まれる229まで、角形成及びワンディングが可能である。一部の実施形態において、スロット状シムまたはスリーブ217は、伸延ブレード210の角形成及びワンディングに対応するように接合することもできる。したがって、一部の実施形態において、ねじポスト227及び/またはスロット状シムまたはスリーブ227は、伸延ブレード210の角形成またはワンディングに対応するように接合され得る。
【0044】
上記の実施形態と同様に、伸延ブレード210は、図8A及び8Bに示されるフレーム等の牽引及び/または伸延器具に取り付けるための取り付け部分219を含み得る。一部の実施形態において、第1の伸延ブレード210は、第1の接合されたポスト227の上に位置付けることができ、第2の伸延ブレード210は、第2の接合されたポスト227の上に位置付けることができる。第1の緩み止めナット229は、第1の伸延ブレード210を第1の接合されたポスト227に固定位置で固定するように下向きに置くことができるのに対して、第2の緩み止めナット229は、第2の伸延ブレード210を第2の接合されたポスト227に固定するように下向きに置くことができる。フレーム50(図8A及び8Bに示される通り)は、第1の伸延ブレード210及び第2の伸延ブレード210の各々に取り付けられ得る。フレーム50は、直線的にラチェットされ得、それにより、第1の伸延ブレード210を第2の伸延ブレード210から引き離し、したがって、隣接した椎体の伸延を引き起こす。有利に、ブレード210はまた、外科的プロセス中に組織を牽引し、器具及び埋め込み片をブレード210の間に挿入するための開口を維持する。
【0045】
上述される通り、周囲組織は、組織牽引及び骨伸延の両方の間に傷害または損傷され得る。上記の伸延ブレード210は、伸延及び牽引の両方を行うように設計され、それにより追加の器具の必要性を低減し、組織損傷を防ぐために手術部位の可視性を高める一方で、周囲組織の追加の保護が所望される場合がある。追加の保護を周囲組織に提供するために、1つ以上の幅広のブロッキングブレードが提供され得る。これらのブレードを、それら自体で、または上記の伸延ブレードと共に有利に使用して、周囲組織への保護を提供する。
【0046】
図13は、一部の実施形態に従う、一対の幅広のブロッキングブレードを備える外科用システムを示す。図14は、幅広のブロッキングブレードの上面図を示す。幅広のブロッキングブレード350は、有利に、外科的処置中に、特に中央から横方向に組織を牽引し、周囲組織への保護を提供する。有利に、幅広のブロッキングブレード350は、上記の骨ピン25に取り付けられ得、それにより、それらを上記の伸延ブレードのうちのいずれかと併せて使用され得る。
【0047】
一部の実施形態において、幅広のブロッキングブレード350の各々は、第1のブロッキングパネル354と、移行パネル355と、第2のブロッキングパネル356と、を備える。第1のブロッキングパネル354は、骨ピン受容器366に取り付けられた実質的に平らな壁(図14に示される)を備える。骨ピン受容器366は、それが骨ピン25の棚部分上に載るまで、骨ピン25の軸に沿って摺動することが可能なリングまたは環状部材を備える(図15に示される通り)。図14の構成において、第1のブロッキングパネル354は、特に頭側から尾側方向に組織を保護することができる。第1のブロッキングパネル354に隣接しているのは、湾曲した移行パネル355である。湾曲した移行パネル355は、第1のブロッキングパネル354を第2のブロッキングパネル356に接続する湾曲した壁を備える。有利に、湾曲した移行パネル355は、外科的処置中に組織を損傷から保護するブロッキング壁としても機能し得る。湾曲した移行パネル355の反対側には、第1のブロッキングパネル354よりも幅広の第2のブロッキングパネル356がある。図14の構成において、第2のブロッキングパネル356は、特に中央から横方向に組織を保護することができる。別の器具(例えば、フレーム50)に取り付けるための取り付け区分359は、第2のブロッキングパネル356の上表面上に見出され得る。
【0048】
一部の実施形態において、パネルのうちの1つ以上は、開口、窓、または窓割り377を含み得る(図13において第2のブロッキングパネル356上に示される)。これらの窓割り377は任意であり、周囲組織のいかなる潜在的な損傷をも軽減するように設計される。図13に示される通り、窓割り377は、パネル壁に沿って上下方向に形成され得るが、他の実施形態において、窓割りは、横方向または任意の他の形状若しくはパターンで形成され得る。
【0049】
幅広のブロッキングブレード350は、それ自体で、または上述の伸延ブレードのうちのいずれかと共に有利に使用され得る。1つ以上の幅広のブロッキングブレード350の、1つ以上の伸延ブレード10との組み立て方法がここで説明される。
【0050】
図15は、一部の実施形態に従う、一対の幅広のブロッキングブレードを示す。幅広のブロッキングブレード350の各々は、第1のブロッキングパネル354と、移行パネル355と、第2のブロッキングパネル356と、を備える。骨ピン受容器366は、第1のブロッキングパネル354から外向きに延びる。この図から、骨ピン受容器366が、骨ピン25の遠位部分に位置するまで、それが骨ピン25の周りに摺動可能に受容される様子を見ることができる。一部の実施形態において、骨ピン受容体366は、ある特定の内部形状(例えば、六角形)であり得、それにより、幅広のブロッキングブレード350は、一旦それらが骨ピン25上に置かれると回転しない。
【0051】
図16〜21は、一部の実施形態に従う、1つ以上の伸延ブレードと併せた1つ以上の幅広のブロッキングブレードのシステムの組み立て方法を示す。一部の実施形態において、1つ以上の幅広のブロッキングブレードのシステムの組み立て方法は、以下を含む。
【0052】
(i)最初に、わずかに中心線からずれた切開を形成する。手持ち式牽引器を使用して、組織を中心から横方向に牽引する。
【0053】
(ii)第1及び第2の骨ピン25(図16に示される)を、標的椎間板レベルの上及び下の椎体の中心に挿入する。この時点で、骨ピン25と関連付けられる緩み止めナットは、幅広のブロッキングブレード及び/または伸延ブレードが骨ピン25の上に送達されるのを可能にするために、骨ピン25を挿入する前に取り除く必要がある。
【0054】
(iii)図17に示される通り、第1の幅広のブロッキングブレード350を、第1の骨ピン25の上に位置付けて、組織を中央から横方向に牽引する。第2の幅広のブロッキングブレード350を、第2の骨ピン25の上に位置付けて、組織を中央から横方向に牽引することができる。頭部から尾部への組織牽引が必要とされない場合、第1及び第2の緩み止めナットは、骨ピン25の下方にねじ込まれ、幅広のブロッキングブレード350を所定の位置に固定することができる。一部の実施形態において、所望により、2つの幅広のブロッキングブレード350を、同じ骨ピン25上に置いて、交互側に牽引することができる。これは、多レベルACDFに対して特に有用であり得る。有利に、本明細書に記載される処置に長筋切開が必要とされず、それにより、患者への傷害または外傷の危険性を低減する。
【0055】
(iv)所望により、第1の伸延ブレード10はまた、図19に示される通り、第1の幅広のブロッキングブレード350上で第1の骨ピン25の下方に送達され得る。伸延ブレード10は、幅広のブロッキングブレード350から異なる角度で位置付けられ得る。幅広のブロッキングブレード350が、組織をある方向に(例えば、中心から横方向に)牽引することができる場合、伸延ブレード10は、有利に、異なる方向に(例えば、頭部から尾部方向に)組織を牽引し、骨伸延を補助することができる。同じアセンブリを第2の骨ピン25に対して形成することができ、それにより、少なくとも4つの壁を有する牽引及び伸延システムを形成する。
【0056】
(v)伸延ブレード10及び幅広のブロッキングブレード350が骨ピン25上の所定の位置に設置されると、緩み止めナット29は、図20〜21に示される通り、骨ピン25の下方に送達されてアセンブリを固定する。
【0057】
(iv)この時点で、1つ以上のフレーム50(図8A及び8Bに示される通り)は、骨ピン25の組み立てられたシステムに取り付けられ得る。1つ以上のフレーム50は、1つ以上の方向に椎骨を伸延することができる。
【0058】
上記の実施形態は、1つ以上の伸延ブレードと共に使用される幅広のブロッキングブレード350を示しているが、一部の実施形態において、伸延ブレードを追加する必要はない。図22は、上述の伸延ブレードの追加のない、一対の幅広のブロッキングブレード350を示す。この幅広のブロッキングブレード350は、フレーム50に接続することができ、これを使用して、必要に応じて幅広のブロッキングブレード350を離して保持することができる。これは、手術器具がそこを通って挿入されるための、幅広のブロッキングブレード350間の空間を創出する。
【0059】
1つ以上の伸延ブレード及び幅広のブロッキングブレードを備えるものを含む、上記の様々なシステムは、様々な脊椎処置を補助することができる。具体的に、ACDF処置等の固定処置は、上記のシステムの使用から利益を享受し得る。上記のシステムは、手術部位へのアクセスを提供することができ、それにより、ケージ及びスペーサー(拡張型及び非拡張型の両方)等の埋め込み片、ならびに移植材料が容易に挿入され得る。加えて、上記のシステムは、安定化部材(棒、フック部材、及び骨ねじ等、後頭部板システムを含む)、人工部材(人工椎間板を含む)、及び様々な他の脊椎デバイスを含むが、これらに限定されない多くの他の埋め込み片と共に使用され得る。
【0060】
本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、様々な修正及び変型が本発明において行われ得ることは、当業者には明らかであろう。更に、改善された骨ねじアセンブリ及び関連する使用方法は、上述される目的、利点、特徴、及び態様の全てを特色とする必要はない。したがって、例えば、当業者は、本発明が、本明細書に教示または示唆され得る他の目的または利点を達成する必要なく、本明細書に教示されるある利点または一群の利点を達成または最適化する方法で具現化または実行され得ることを認識するであろう。加えて、本発明の多くの変型が詳細に図示及び説明されてきたが、本発明の範囲内である他の修正及び使用方法は、本開示に基づいて当業者には容易に明らかとなるであろう。実施形態のこれらの特定の特徴及び態様の様々な組み合わせまたは部分的組み合わせが為されてもよく、また依然として本発明の範囲内であることが企図される。したがって、開示される実施形態の様々な特徴及び態様が、論じられる骨ねじアセンブリの様々に異なる形態を形成するために、互いに組み合わされ得るか、または代用され得ることを理解する必要がある。したがって、本発明は、本発明の修正及び変型を網羅することが意図されるが、但し、それらは添付される特許請求の範囲またはそれらの同等物に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1】一部の実施形態に従う、椎体に取り付けられた一対の伸延ブレードを含むシステムを示す。
図2図1の伸延ブレードの異なる図を示す。
図3】一部の実施形態に従う、一体型骨ピンを有する一対の伸延ブレードを含むシステムを示す。
図4】一部の実施形態に従う、一体型骨ピンから分離した伸延ブレードを示す。
図5】一部の実施形態に従う、代替伸延ブレード及び一体型骨ピンを示す。
図6図5の伸延ブレードを示す。
図7】一部の実施形態に従う、骨ピンを示す。
図8A】一部の実施形態に従う、フレームの異なる図を示す。
図8B】一部の実施形態に従う、フレームの異なる図を示す。
図9】一部の実施形態に従う、一体型骨ピンとのボールソケット接続部を有する代替伸延ブレードを示す。
図10】一部の実施形態に従う、骨ピンとのボールソケット接続部を有する伸延ブレードの背面図を示す。
図11】一部の実施形態に従う、代替伸延ブレード及び接合骨ピンを示す。
図12】一部の実施形態に従う、一体型接合骨ピンを有する伸延ブレードを示す。
図13】一部の実施形態に従う、一対の幅広のブロッキングブレードを含むシステムを示す。
図14図13の一対の幅広のブロッキングブレードを含むシステムの上面図を示す。
図15】一部の実施形態に従う、一対の幅広のブロッキングブレードを示す。
図16】一部の実施形態に従う、1つ以上の幅広のブロッキングブレードの、1つ以上の伸延ブレードとの組み立て方法を示す。
図17】一部の実施形態に従う、1つ以上の幅広のブロッキングブレードの、1つ以上の伸延ブレードとの組み立て方法を示す。
図18】一部の実施形態に従う、1つ以上の幅広のブロッキングブレードの、1つ以上の伸延ブレードとの組み立て方法を示す。
図19】一部の実施形態に従う、1つ以上の幅広のブロッキングブレードの、1つ以上の伸延ブレードとの組み立て方法を示す。
図20】一部の実施形態に従う、1つ以上の幅広のブロッキングブレードの、1つ以上の伸延ブレードとの組み立て方法を示す。
図21】一部の実施形態に従う、1つ以上の幅広のブロッキングブレードの、1つ以上の伸延ブレードとの組み立て方法を示す。
図22】一部の実施形態に従う、フレームと共に使用中の、一対の幅広のブロッキングブレードを示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
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図16
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図20
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図22