特許第6751206号(P6751206)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6751206電力接触器及び電力接触器用ハウジング体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6751206
(24)【登録日】2020年8月17日
(45)【発行日】2020年9月2日
(54)【発明の名称】電力接触器及び電力接触器用ハウジング体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/04 20060101AFI20200824BHJP
   H01H 50/12 20060101ALI20200824BHJP
   H01H 49/00 20060101ALI20200824BHJP
【FI】
   H01H50/04 T
   H01H50/12 A
   H01H49/00 D
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-522719(P2019-522719)
(86)(22)【出願日】2017年11月7日
(65)【公表番号】特表2019-533885(P2019-533885A)
(43)【公表日】2019年11月21日
(86)【国際出願番号】EP2017078441
(87)【国際公開番号】WO2018087075
(87)【国際公開日】20180517
【審査請求日】2019年4月26日
(31)【優先権主張番号】102016121345.4
(32)【優先日】2016年11月8日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】300002160
【氏名又は名称】ティーディーケイ・エレクトロニクス・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】TDK ELECTRONICS AG
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】特許業務法人ナガトアンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン, ローベルト
【審査官】 関 信之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−134691(JP,A)
【文献】 実開昭57−123968(JP,U)
【文献】 特開2016−046007(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0039935(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 50/04
H01H 49/00
H01H 50/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力接触器(1)であって、
第1の電気接点(3)及び第2の電気接点(4)と、
開位置及び閉位置を占めることができるスイッチング素子(5)であって、前記閉位置において前記第1の電気接点(3)と前記第2の電気接点(4)を互いに接続し、前記開位置にある場合には前記第1の接点(3)と前記第2の接点(4)が互いに絶縁される、スイッチング素子(5)と、
前記第1の電気接点(3)及び/又は前記第2の電気接点(4)から所定の距離における前記電力接触器(1)の温度を検出するように構成された、前記電力接触器(1)に一体化された少なくとも1つの温度センサ(12)と、
ハウジング体(14)と、その内部に前記スイッチング素子(5)が少なくとも部分的に配置された接触室(15)とを有する接触室装置(9)と、を含み、
前記ハウジング体(14)は前記接触室(15)を少なくとも部分的に取り囲み、前記ハウジング体(14)内に前記温度センサ(12)が配置されており、
前記ハウジング体(14)が凹部(29)を備え、前記温度センサ(12)が前記凹部(29)内に配置されている、電力接触器(1)。
【請求項2】
前記ハウジング体(14)がセラミック材料を含むか、又は、セラミック材料から成る、請求項1に記載の電力接触器(1)。
【請求項3】
前記接触室装置(9)の前記ハウジング体(14)が、それを通じて前記第1の電気接点(3)が導かれる第1の開口部(23)と、それを通じて前記第2の電気接点(4)が導かれる第2の開口部(25)と、を有する底壁(21)を備え、前記凹部(29)は前記ハウジング体(14)の前記底壁(21)に配置されている、請求項1又は2に記載の電力接触器(1)。
【請求項4】
前記接触室装置(9)の前記ハウジング体(14)が側壁(27)を備え、前記凹部(29)は前記ハウジング体(14)の前記側壁(27)に配置されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力接触器(1)。
【請求項5】
前記接触室装置(9)の前記ハウジング体(14)が側壁(27)及び底壁(21)を含み、前記底壁(21)は、それを通じて前記第1の電気接点(3)が導かれる第1の開口部(23)と、それを通じて前記第2の電気接点(4)が導かれる第2の開口部(25)と、を備え、
前記凹部(29)は、前記底壁(21)と前記側壁(27)とが交わるエッジ領域に配置されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力接触器(1)。
【請求項6】
前記凹部(29)は、三角形の底面を有するプリズム形状の凹部として形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力接触器(1)。
【請求項7】
前記温度センサ(12)は、前記ハウジング体(14)の材料と同じ又は類似の熱膨張係数を有し、従って前記ハウジング体(14)の熱膨張に適合する接着剤によって、前記ハウジング体に取り付けられている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力接触器(1)。
【請求項8】
請求項2〜7のいずれか1項に記載の電力接触器(1)の接触室装置(9)のためのハウジング体(14)を製造するための方法であって、前記接触室装置(9)のためのハウジング体グリーンボディがセラミック粉末の乾式プレスによって製造され、前記ハウジング体グリーンボディは前記温度センサ(12)を受容するための前記凹部(29)を既に備えており、前記ハウジング体グリーンボディは、続いて焼結される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力接触器及び電力接触器用ハウジング体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力接触器は、電気的に駆動される遠隔操作可能なスイッチである。電力接触器は、負荷回路をオン/オフすることのできる制御回路を有している。
【0003】
電力接触器の可能な適用の一つは、電動車両におけるバッテリー回路の開路及び断路である。その際、通常は、バッテリーのプラス及びマイナスの接触部が共に、電力接触器を用いて断路される。断路は、車両が静止している状態において、及び、例えば事故などの障害の際に、行われる。その際、車両への給電を断ち、電流を遮断することが、電力接触器の主要な役割である。
【0004】
電力接触器の内部の接触抵抗によって、電力接触器は加熱される。過度の加熱は、電力接触器の損傷を、最終的には故障をもたらす可能性がある。
【0005】
一般に、電力接触器、導線及び固定手段の適切な設計が行われ、その結果、通常の作動において過度の加熱が生じる可能性はない。しかしながら、そのような設計によって阻止され得ない故障が発生する可能性がある。例えば、摩耗のため、電力接触器の内部に、小さな電流であっても既に高い加熱をもたらし得るような比較的高い接触抵抗が生じる可能性がある。そのような欠陥は、外部からは認識され得ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の根底にある課題は、電力接触器の信頼性を高めることに寄与し、特に過熱による電力接触器の機能不全を確実に防止することに寄与する電力接触器を創作することである。更なる課題は、電力接触器の安価な製造を可能にする、電力接触器用ハウジング体の製造方法を創作することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
最初に言及した課題は、第1の独立請求項の特徴によって解決される。第2の課題は、第2の独立請求項による方法によって解決される。本発明の有利な発展形態は、従属請求項において明らかにされる。
【0008】
本発明は、第1の態様によれば、第1の電気接点と第2の電気接点とを備える電力接触器を特徴とする。電力接触器は、開位置及び閉位置を占めることができるスイッチング素子を含み、スイッチング素子は、閉位置において第1の電気接点と第2の電気接点とを互いに接触させ、スイッチング素子が開位置にある場合、第1の電気接点と第2の電気接点は互いに絶縁される。更に、電力接触器は、電力接触器に一体化された少なくとも1つの温度センサを含み、当該温度センサは、第1の電気接点及び/又は第2の電気接点から所定の距離における電力接触器の温度を検出するように構成されている。
【0009】
温度センサの電力接触器への一体化は、電力接触器の幾何学的形状及び内部構造が変化せず、較正によって温度センサの出力温度から実際の接点温度を推測することができるため、電力接触器の温度の絶対値をも検出又は確定することができるという利点を有する。
【0010】
温度センサの電力接触器への一体化によって、温度センサ及び電力接触器は単一の機能的ユニットを形成する。それらは、共に製作され、互いに適合するよう調整され得る。したがって、例えば、温度センサは、電力接触器の特定の温度挙動を考慮に入れることができるように較正され得る。更に、例えばバッテリー断路ユニット内における電力接触器及び温度センサの組み付けは、これらの部材がユニットとして共に組み付けられ得るために、大幅に簡略化される。
【0011】
温度センサは、電力接触器と温度センサが空間的に直接的に近接して配置されている場合に、電力接触器に一体化されていると称することができる。特に、電力接触器及び温度センサは、共通のハウジングによって囲まれ、及び/又は、共通のハウジング内に配置され得る。したがって、温度センサは、ハウジングの外側に、及び/又は、電力接触器の1つ又は複数の外側接点に、配置又は固定される必要はない。
【0012】
電力接触器及び電流センサは、共に製作され得る。電力接触器及び電流センサは、共通のユニットとして、ユーザに納入され得る。高いレベルの一体化を通じて、電流センサのための追加のスペースは殆ど必要とされない。それによって、一体化された電流センサを備える電力接触器は、とりわけ、非常に限られたスペースしか利用できない適用に際して、有利であり得る。
【0013】
好ましくは、所定の距離は、1つ又は複数の電気接点からの熱拡散の時間が所定の時間を超えないように、及び/又は、例えば周囲への熱放散が低い、即ち所定の閾値を超えないように、及び/又は、熱放散が所定の精度で確定され且つ較正によって考慮され得るように、選択され得る。
【0014】
第1の態様による有利な構成において、電力接触器は、ハウジング体及び接触室を有する接触室装置を含んでいる。接触室内には、スイッチング素子が少なくとも部分的に配置されている。ハウジング体は、接触室を少なくとも部分的に取り囲み、ハウジング体内には、温度センサが配置されている。これは、温度センサが熱源の近傍、特に電気接点の近傍に配置されるという利点を有する。電力接触器の温度は、短い遅延時間で測定することができる。遅延時間の短縮は、温度に依存する電力接触器の調整を簡略化することができるという更なる利点を有する。接触室内には、特に、スイッチング素子のコンタクトブリッジが配置されている。
【0015】
第1の態様による更なる有利な構成において、ハウジング体は、セラミック材料を含むか、又は、セラミック材料から成っている。有利なことに、ハウジング体は、それによって高い温度安定性及び非常に良好な電気絶縁特性を有する。温度センサがセラミックのハウジング体に組み込まれていることにより、温度センサは、電力接触器の接点に印加される電位から分離されている。
【0016】
第1の態様による更なる有利な構成において、ハウジング体は凹部を備え、温度センサは当該凹部内に配置されている。
【0017】
第1の態様による更なる有利な構成において、接触室装置のハウジング体は底壁を備え、凹部は当該底壁に配置されている。この場合、底壁は、それを通じて第1の電気接点が導かれる第1の開口部と、それを通じて第2の電気接点が導かれる第2の開口部とを含んでいる。凹部を底壁に配置することにより、有利なことに、温度センサを接点の近傍に配置しつつも、電力接触器の電気接点からの温度センサの良好な電気的絶縁を保証することが可能となる。
【0018】
第1の態様による更なる有利な構成において、接触室装置のハウジング体は側壁を備え、凹部は当該ハウジング体の側壁に配置されている。凹部を側壁に配置することにより、有利なことに、温度センサを熱源の直近に、特に電気接点の近傍に配置しつつも、電力接触器の電気接点からの温度センサの良好な電気的絶縁を保証することが可能となる。
【0019】
第1の態様による更なる有利な構成において、接触室装置のハウジング体は、側壁及び底壁を含んでいる。凹部は、底壁と側壁が交わるエッジ領域に配置されている。底壁は、それを通じて第1の電気接点が導かれる第1の開口部と、それを通じて第2の電気接点が導かれる第2の開口部とを含んでいる。凹部をエッジ領域に配置することにより、有利なことに、第一に、温度センサを熱源の直近に配置しつつも、電力接触器の電気接点からの温度センサの良好な電気的絶縁を保証することが可能となる。更に、凹部をエッジ領域に配置することにより、ハウジング本体の安価な製造及び温度センサの簡単な取り付けが可能となる。特に、そのような配置は、特にセラミックグリーンボディの製造のために乾式プレスを利用する場合に、ハウジング体のためのセラミックグリーンボディの簡略化された信頼性のある製造を可能とする。
【0020】
第1の態様による更なる有利な構成において、凹部は、三角形の底面を有するプリズム形状の窪みとして形成されている。
【0021】
これは、ハウジング体の安価な製造及び温度センサの簡単な取り付けを可能とする。特に、そのような配置は、特にセラミックグリーンボディの製造のために乾式プレスを利用する場合に、ハウジング体のためのセラミックグリーンボディの簡略化された信頼性のある製造を可能とする。凹部は、非常に容易且つ正確に形成され得る。
【0022】
更なる有利な構成において、温度センサは、ハウジング体の材料と同じ又は類似の熱膨張係数を有し、従ってハウジング体の熱膨張に適合する接着剤によって、ハウジング体に取り付けられている。これは、熱応力を回避又は少なくとも低減することができ、したがって、温度センサとハウジング体の間の接続の信頼性を高めることができるという利点を有する。
【0023】
本発明は、第2の態様によれば、第1の態様による電力接触器の接触室装置のためのハウジング体を製造するための方法を特徴とする。
【0024】
この場合、接触室装置のためのハウジング体グリーンボディは、セラミック粉末の乾式プレスによって製造され、ハウジング体グリーンボディは、温度センサを受容するための凹部を既に備えている。ハウジング体グリーンボディは、続いて焼結される。これは、ハウジング本体のためのネガティブプレス型が、凹部が乾式プレスの製造工程中にハウジング体グリーンボディに生成され、更なる製造工程において形成される必要がないように形成されており、特に隆起部を備えていることを意味する。有利なことに、これによって、温度センサを備えた電力接触器、特に電力接触器のためのハウジング体を、安価に製造することが可能となる。
【0025】
本発明の実施例が、以下において、概略的な図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】電力接触器の一実施例を示す。
図2】電力接触器の接触室装置の断面図である。
図3a】接触室装置のハウジング体の一実施例の斜視図を示す。
図3b】接触室装置のハウジング体の一実施例の斜視図を示す。
図3c】接触室装置のハウジング体の一実施例の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
同一の構造又は機能の要素には、全図において同一の参照符号が付与されている。
【0028】
図1は、電力接触器の一実施例を示す。
【0029】
電力接触器1は、スイッチング素子5及び接触室装置9を含んでいる。スイッチング素子5は、例えば、少なくとも1つのコイル6と、当該少なくとも1つのコイル6の内部に配置されたプランジャ(Stosel)7とを備えた磁気ドライブ、及び、可動のコンタクトブリッジ8を含んでいる。コイル6には、プランジャ7内に磁界を発生させるために外部から電圧を印加することができ、それによって、プランジャ7は、その長手軸に沿って軸方向に接触室装置9の方向へ移動可能である。コイル6及びプランジャ7は、好ましくは磁化可能なヨークの内部に配置されている。
【0030】
接触室装置9は、第1の電気接点3と、第2の電気接点4と、ハウジング体14と、接触室15とを備えている。
【0031】
スイッチング素子5、特にプランジャ7は、コイル6の通電に応じて、コンタクトブリッジ8が第1の電気接点3と第2の電気接点4を導電接続する第1の位置と、第1の電気接点3と第2の電気接点4が絶縁される第2の位置との間で、接触室装置9のコンタクトブリッジ8を切り替えるように配置され、形成されている。第1及び第2の電気接点3、4はそれぞれ、内側接点16、17及び外側接点18、19を備えている。
【0032】
電力接触器1は、以下に例示するように複数の接触抵抗を有している。
・内側接点16、17の内側接触面10と、可動のコンタクトブリッジ8と、の間の内部接触抵抗、及び/又は、
・外側接点18、19のうちの1つと、それに取り付けられた配線及び/又はワッシャ及び/又はスナップリングと、の間の第1の外部接触抵抗、及び/又は、
・電力接触器1の一部である外側接点18、19のうちの1つと、接続配線、例えば銅レールと、の間の第2の外部接触抵抗。
【0033】
接触抵抗によって、電力接触器1は、作動中の通電の際に加熱される。過度の加熱は、電力接触器1の損傷を、最終的には故障をもたらす可能性がある。加熱の量は、通常、電力接触器1及びその導線並びに固定機構の適切な設計を通じて考慮される。しかしながら、外部からの影響が生じる可能性がある。例えば、振動に起因して、外側接点18、19のうちの1つへの導線の押し付け力が減少し、それによって比較的高い接触抵抗が生じる可能性があり、これは、小さな電流であっても高い加熱をもたらし得る。
【0034】
更に、内部接触抵抗は、負荷及びそれに付随する内側接触面10の焼損の下での反復的なスイッチオフによって、上昇する可能性がある。この効果は外部からは認識され得ない。
【0035】
更に、付加的な加熱は、不適切な取り付けによって、例えば、電力接触器1の外部接点18、19のうちの1つへの電力ケーブルの不適切な外部取り付けに起因して、生じ得る。不適切な取り付けは、例えば、小さすぎるケーブルシュー、ワッシャの使用、及び/又は、小さすぎる配線断面によって、引き起こされる可能性がある。
【0036】
電力接触器1は、大抵の場合、安全上の課題を満たすので、電力接触器1の温度の信頼できる監視が少なくとも望まれる。
【0037】
電力接触器1の温度を検出するために、電力接触器1は、少なくとも1つの一体化された温度センサ12を備えている。
【0038】
図2は、接触室装置9の断面図を示している。
【0039】
接触室装置9の接触室15内には、ガスがあることが好ましい。接触室装置9は、例えば蓋と共に接触室15を形成するハウジング体14を含んでいる。
【0040】
ハウジング体14は、例えば、中空の直方体又は「桶」(Trog)の形状を有し、一方の側が開いている。ハウジング体14は、例えば、底壁21及び周囲を取り巻く側壁27を備えている。ハウジング体14は、セラミック材料、例えば酸化チタン又は酸化アルミニウムをベースとする材料を含むか、又は、それから成っている。ハウジング体14は、好ましくは、乾式プレス法によって製造される。セラミック材料は、高温及びアーク放電に対して強く、酸化されず、良好な電気絶縁特性を有するという利点を有する。
【0041】
ハウジング体14は、開口部に沿って、例えば1つの周囲を取り巻くタップ(Spund)を備えている。接触室装置9のハウジング体14の開口部に対向する底壁21は、第1の開口部23及び第2の開口部25を備え、それらを通じて、第1の電気接点3及び第2の電気接点4が導かれる。
【0042】
接触室装置9には、温度センサ12が一体化されている。このために、ハウジング体14は、好ましくは、温度センサ12を受容するための凹部29を備えている。
【0043】
図3a〜3cは、それぞれ、接触室装置9のハウジング体14の一実施例の斜視図を示している。
【0044】
凹部29は、例えば、底壁21又は側壁27に配置されている。代替的に、凹部29は、底壁21と周囲を取り巻く側壁27とが交わるエッジ領域に配置されていてもよい。
【0045】
凹部29は、例えば、三角形の底面を有するプリズム形状の窪みを含んでいる。
【0046】
温度センサ12は、好ましくは接着によって、ハウジング体の凹部29内に固定される。例えば、温度センサ12は、ハウジング体の材料と同じ又は類似の熱膨張係数を有し、従ってハウジング体の熱膨張に適合する接着剤によって、ハウジング体に取り付けられる。ハウジング体は、例えば5×10-6 1/K〜9×10-6 1/Kの範囲の熱膨張係数を有することができ、接着剤は、例えば、2×10-6 1/K〜20×10-6 1/Kの範囲の熱膨張係数を有することができる。
【0047】
温度センサ12は、例えば、正の温度係数の抵抗を有する。
【符号の説明】
【0048】
1 電力接触器
2 駆動ユニット
3 第1の電気接点
4 第2の電気接点
5 スイッチング素子
6 コイル
7 プランジャ
8 コンタクトブリッジ
9 接触室装置
10 接続面
12 温度センサ
14 ハウジング体
15 接触室
16,17 内側接点
18,19 外側接点
21 底壁
23 第1の開口部
25 第2の開口部
27 側壁
29 凹部
図1
図2
図3a
図3b
図3c