【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、複数本の小径シールドトンネルは、分岐合流部におけるトンネル横断面の大きさに応じて配置する必要があるため、横断面が大きな断面位置では、隣り合う小径シールドトンネル相互の間隔が大きくなり、特許文献1〜4記載の各工法では、上述した止水性や安全性を確保すべく、周辺地山の改良をより大規模に行わねばならない。
【0008】
一方、分岐合流部におけるトンネル横断面の大きさに応じて小径シールドトンネルの本数を断面位置ごとに変化させる工法も提案されており(特許文献5)、同工法によれば、どの断面位置でも小径シールドトンネル相互の間隔を概ね一定にすることができるため、止水性や安全性確保のための地盤改良を過大な規模で行う必要がなくなる。
【0009】
加えて、上記工法によれば、小径シールドトンネル相互の間隔を小さく保つことができるため、互いに隣り合う2つの小径シールドトンネルのうち、一方の小径シールドトンネルから互いに異なる角度方向に向けて2本の突条を延設するとともに、該2本の突条を、他方の小径シールドトンネルから同様に延設された2本の突条とそれらの先端でそれぞれ接続することにより、小径シールドトンネル同士の隙間を確実に閉じることが可能となり、上記箇所における止水性確保を裏込めのみによって行いやすくなるとともに、地盤改良工事が別途必要になるとしても、その改良範囲や改良程度を最小限に抑えることができる。
【0010】
しかしながら、上述の突条を設けるためには、小径シールドのカッターヘッドで掘削された円形断面空間を側方に余堀り可能なサイドカッターを、小径シールドの周面から突設される形で該小径シールドに設けておかねばならない。
【0011】
そのため、小径シールドを発進到達させる際、サイドカッターが坑口周縁に設けられた環状止水部材を押し拡げて該環状止水部材を小径シールドの周面から離間させ、該離間箇所で止水性が低下する懸念があった。
【0012】
加えて、上述した突条は、2本を一組として二組設ける必要があるとともに、対向する突条同士を接続しなければならないため、突条を形成するのに精度が要求されるという問題も生じていた。
【0013】
ちなみに、この問題は、小径シールドトンネルの本数を変化させない工法、例えば特許文献1〜4記載の各工法に上記構成を適用する際にも同様に生じる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、隣り合う2本の小径シールドトンネル間における止水性や安全性確保に多大なコストをかけることなく、なおかつ小径シールドを発進到達させる際に坑口での止水性低下を防止可能な大断面トンネルの構築方法を提供することを目的とする。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明に係る大断面トンネルの構築方法は請求項1に記載したように、大断面トンネルが構築される構築予定領域の周縁に沿って複数本からなる小径シールドトンネルを該大断面トンネルのトンネル軸線方向に延設し、該複数本の小径シールドトンネルを先受け構造体として外殻を構築した後、該外殻で囲まれた内側領域を掘削する大断面トンネルの構築方法において、
前記小径シールドトンネルを構築するにあたって小径シールドで地山掘削を行う際、隣り合う小径シールドトンネルが先行構築されている場合には、該先行構築側で、先行構築された小径シールドトンネルのシールドセグメント背後に拡がる裏込め領域の一部を切削しつつ該裏込め領域に近接する側方地山を掘削することにより、トンネル軸線方向に沿った側方空間を形成するとともに、隣り合う小径シールドトンネルが未だ構築されていない場合には、該未構築側で側方地山を掘削することにより、トンネル軸線方向に沿った側方空間を形成し、
前記側方空間の形成工程と並行して又はその形成後、該側方空間に流動性固化材を充填することにより、前記先行構築側では、前記裏込め領域と連続一体化する拡張裏込め領域を形成するとともに、前記未構築側では、あらたな裏込め領域を形成する
大断面トンネルの構築方法であって、
前記小径シールドを、径方向に沿って出入自在なサイドカッターが設けられた小径シールドとし、該小径シールドを発進到達させる際には、前記サイドカッターを前記小径シールドのシールド本体周面よりも内側に退避させ、前記各側方空間を形成する際には、前記サイドカッターを前記シールド本体の周面よりも外側に突出させるものである。
【0016】
また、本発明に係る大断面トンネルの構築方法は、前記外殻を構築する際の施工範囲が前記拡張裏込め領域の外側に拡がる隣接地山に及ぶことがないように該拡張裏込め領域を形成するものである。
【0017】
また、本発明に係る大断面トンネルの構築方法は、前記構築予定領域をシールドトンネルの拡幅予定領域とするとともに該拡幅予定領域の横断面が最大となる断面位置を基準断面位置とし、該基準断面位置と横断面の大きさが実質的に同一の区間を大断面区間、前記基準断面位置よりも横断面の大きさが小さくかつその大きさが実質的に変化しない区間を小断面区間、横断面の大きさが前記大断面区間における大きさから前記小断面区間における大きさへと徐々に変化する区間を移行区間として、前記大断面区間では、前記複数本の小径シールドトンネルが前記拡幅予定領域の横断面輪郭線に沿ってすべて配置されるように、前記小断面区間では、前記複数本の小径シールドトンネルのうち、前記基準断面位置での配置間隔とほぼ同等になるために必要な本数だけが前記横断面輪郭線に沿って配置されるように、前記移行区間では、前記複数本の小径シールドトンネルのうち、前記基準断面位置での配置間隔とほぼ同等になるために必要な本数だけが前記横断面輪郭線に沿って配置されるとともに残りがその背後に配置されるように、前記複数本の小径シールドトンネルをそれぞれ延設するとともに、前記複数本の小径シールドトンネルのうち、前記横断面輪郭線に沿って隣り合う2つの小径シールドトンネルを構築する際及び前記横断面輪郭線に沿って配置された小径シールドトンネルと該小径シールドトンネルに隣り合うように背後に配置された小径シールドトンネルとを構築する際に前記側方空間の形成工程と前記充填工程とを行うものである。
【0018】
また、本発明に係る大断面トンネルの構築方法は、前記外殻を構築する際の施工範囲が、前記拡張裏込め領域のうち、前記横断面輪郭線に沿って隣り合う2つの小径シールドトンネル間に形成される拡張裏込め領域の外側に拡がる隣接地山に及ぶことがないように該拡張裏込め領域を形成するものである。
【0019】
また、本発明に係る大断面トンネルの構築方法は請求項5に記載したように、大断面トンネルが構築される構築予定領域の周縁に沿って複数本からなる小径シールドトンネルを該大断面トンネルのトンネル軸線方向に延設し、該複数本の小径シールドトンネルを先受け構造体として外殻を構築した後、該外殻で囲まれた内側領域を掘削する大断面トンネルの構築方法において、
前記小径シールドトンネルを構築するにあたって小径シールドで地山掘削を行う際、隣り合う小径シールドトンネルが先行構築されている場合には、該先行構築側で、先行構築された小径シールドトンネルのシールドセグメント背後に拡がる裏込め領域の一部を切削しつつ該裏込め領域に近接する側方地山を掘削することにより、トンネル軸線方向に沿った側方空間を形成するとともに、隣り合う小径シールドトンネルが未だ構築されていない場合には、該未構築側で側方地山を掘削することにより、トンネル軸線方向に沿った側方空間を形成し、
前記側方空間の形成工程と並行して又はその形成後、該側方空間に流動性固化材を充填することにより、前記先行構築側では、前記裏込め領域と連続一体化する拡張裏込め領域を形成するとともに、前記未構築側では、あらたな裏込め領域を形成する
大断面トンネルの構築方法であって、
前記側方空間を形成する工程において、先行構築側で掘削する際には、前記先行構築された小径シールドトンネルに最も近い角度位置における深さよりもその両側における深さの方が大きくなるように前記側方空間を形成し、未構築側で掘削する際には、構築予定の小径シールドトンネルに最も近い角度位置を中心とした一定角度範囲で深さがほぼ均等となるように前記側方空間を形成するものである。
また、本発明に係る大断面トンネルの構築方法は請求項6に記載したように、大断面トンネルが構築される構築予定領域の周縁に沿って複数本からなる小径シールドトンネルを該大断面トンネルのトンネル軸線方向に延設し、該複数本の小径シールドトンネルを先受け構造体として外殻を構築した後、該外殻で囲まれた内側領域を掘削する大断面トンネルの構築方法において、
前記小径シールドトンネルを構築するにあたって小径シールドで地山掘削を行う際、隣り合う小径シールドトンネルが先行構築されている場合には、該先行構築側で、先行構築された小径シールドトンネルのシールドセグメント背後に拡がる裏込め領域の一部を切削しつつ該裏込め領域に近接する側方地山を掘削することにより、トンネル軸線方向に沿った側方空間を
前記小径シールドの径方向に余堀りする形で形成するとともに、隣り合う小径シールドトンネルが未だ構築されていない場合には、該未構築側で側方地山を掘削することにより、トンネル軸線方向に沿った側方空間を
前記小径シールドの径方向に余堀りする形で形成し、
前記側方空間の形成工程と並行して又はその形成後、該側方空間に流動性固化材を充填することにより、前記先行構築側では、前記裏込め領域と連続一体化する拡張裏込め領域を形成するとともに、前記未構築側では、あらたな裏込め領域を形成する大断面トンネルの構築方法であって、
前記構築予定領域をシールドトンネルの拡幅予定領域とするとともに該拡幅予定領域の横断面が最大となる断面位置を基準断面位置とし、該基準断面位置と横断面の大きさが実質的に同一の区間を大断面区間、前記基準断面位置よりも横断面の大きさが小さくかつその大きさが実質的に変化しない区間を小断面区間、横断面の大きさが前記大断面区間における大きさから前記小断面区間における大きさへと徐々に変化する区間を移行区間として、前記大断面区間では、前記複数本の小径シールドトンネルが前記拡幅予定領域の横断面輪郭線に沿ってすべて配置されるように、前記小断面区間では、前記複数本の小径シールドトンネルのうち、前記基準断面位置での配置間隔とほぼ同等になるために必要な本数だけが前記横断面輪郭線に沿って配置されるように、前記移行区間では、前記複数本の小径シールドトンネルのうち、前記基準断面位置での配置間隔とほぼ同等になるために必要な本数だけが前記横断面輪郭線に沿って配置されるとともに残りがその背後に配置されるように、前記複数本の小径シールドトンネルをそれぞれ延設するとともに、前記複数本の小径シールドトンネルのうち、前記横断面輪郭線に沿って隣り合う2つの小径シールドトンネルを構築する際及び前記横断面輪郭線に沿って配置された小径シールドトンネルと該小径シールドトンネルに隣り合うように背後に配置された小径シールドトンネルとを構築する際に前記側方空間の形成工程と前記充填工程とを行うものである。
【0020】
本発明に係る大断面トンネルの構築方法においては、小径シールドトンネルを構築するにあたって小径シールドで地山掘削を行う際、隣り合う小径シールドトンネルが先行構築されている場合には、該先行構築側で、先行構築された小径シールドトンネルのシールドセグメント背後に拡がる裏込め領域の一部を切削しつつ該裏込め領域に近接する側方地山を掘削することで、トンネル軸線方向に沿った側方空間を形成する。
【0021】
一方、隣り合う小径シールドトンネルが未だ構築されていない場合には、該未構築側で側方地山を掘削することにより、トンネル軸線方向に沿った側方空間を形成する。
【0022】
これらの側方空間は、小径シールドの先端に設けられたカッターヘッドによる円形断面状の掘削空間を径方向に拡張する、つまり径方向に余堀りする形で形成される。
【0023】
なお、先行構築側の側方空間を形成するにあたっては、裏込め領域の一部を切削する際、先行構築された小径シールドトンネルと干渉することがないよう、該小径シールドトンネルに最も近い角度位置における深さよりもその両側における深さの方が大きくなるように形成するのが典型例となり、未構築側の側方空間を形成するにあたっては、構築予定の小径シールドトンネルに最も近い角度位置を中心とした一定角度範囲で深さがほぼ均等となるように形成するのが典型例となる。
【0024】
上述した側方空間が形成されたならば、それと並行して又はその後、該側方空間に流動性固化材を充填することにより、先行構築側では、上述の裏込め領域と連続一体化する拡張裏込め領域を形成するとともに、未構築側では、あらたな裏込め領域を形成する。
【0025】
このようにすると、隣り合う2つの小径シールドトンネル間に形成された拡張裏込め領域によって止水性と地山崩落に対する安全性が確保されるため、外殻を構築する際に大がかりな地盤改良が不要になるほか、従来工法のように、2本を一組とした突条を二組設けた上で、対向する突条同士を先端で接続するという複雑な構造を構築する必要もない。
【0026】
小径シールドで地山掘削を行う際には、上述したように、隣り合う小径シールドトンネルが先行構築されている場合と未だ構築されていない場合とがあるが、例えば小径シールドトンネルの構築開始時のように、いずれの側も未構築側となる場合がある一方で、構築終了時のように、いずれの側も先行構築側となる場合があり、前者の場合には、両側であらたな裏込め領域がそれぞれ形成され、後者の場合には、両側で拡張裏込め領域がそれぞれ形成されることとなる。
【0027】
拡張裏込め領域は、隣り合う2つの小径シールドトンネル間に外殻を構築する際、一定の止水性と地山崩落に対する安全性が確保されれば足りるものであって、必ずしも外殻構築時の施工範囲をすべてカバーする必要はなく、薬液注入等の止水措置を部分的に施しながら、拡張裏込め領域の機能を補う構成が可能であるが、外殻を構築する際の施工範囲が前記拡張裏込め領域の外側に拡がる隣接地山に及ぶことがないように該拡張裏込め領域を形成するようにしたならば、外殻構築作業が拡張裏込め領域内で行われることとなって、追加の止水措置を省略し、あるいは軽減することが可能となる。
【0028】
本発明に係る大断面トンネルの構築方法において、小径シールドトンネルとは、大断面トンネルに対する相対的概念を表した表現であって、その径がシールド工法における当業者の認識に拘束されるものではなく、本発明の小径シールドトンネルとして、シールド工法分野で中口径と呼ばれる大きさ、例えばφ4m程度のシールドトンネルを用いる場合も本発明に包摂される。
【0029】
また、本発明に係る大断面トンネルの構築方法は、大断面トンネルの構築予定領域の周縁に沿って複数本の小径シールドトンネルを延設し、次いで、該小径シールドトンネルを利用して外殻を構築した後、該外殻の内側を掘削して大断面トンネル空間を形成する工法であって、外殻構築の際、隣り合う2本の小径シールドトンネル相互の離間による止水性や安全性の低下を防止する必要がある全ての場合に適用可能であり、複数本の小径シールドトンネルをどのように構築するかは任意であるし、大断面トンネルの用途も任意であり、さらには、断面位置によって小径シールドトンネルの本数が変化するか一定であるかも任意である。
【0030】
例えば、大断面トンネルの構築予定領域をシールドトンネルの拡幅予定領域とし、大断面区間では、複数本の小径シールドトンネルが拡幅予定領域の横断面輪郭線に沿ってすべて配置されるように、小断面区間では、複数本の小径シールドトンネルのうち、基準断面位置での配置間隔とほぼ同等になるために必要な本数だけが横断面輪郭線に沿って配置されるように、移行区間では、複数本の小径シールドトンネルのうち、基準断面位置での配置間隔とほぼ同等になるために必要な本数だけが横断面輪郭線に沿って配置されるとともに残りがその背後に配置されるように、複数本の小径シールドトンネルをそれぞれ延設する場合にも適用可能である。
【0031】
かかる場合においては、複数本の小径シールドトンネルのうち、横断面輪郭線に沿って隣り合う2つの小径シールドトンネルを構築する際に上述した各側方空間の形成工程と充填工程とを行うが、横断面輪郭線に沿って配置された小径シールドトンネルが該横断面輪郭線から離隔して他の小径シールドトンネルから離脱する箇所や、横断面輪郭線から離隔する小径シールドトンネルが該横断面輪郭線に沿って配置された小径シールドトンネルに割り込むように進入する箇所では、横断面輪郭線に沿って隣り合う2つの小径シールドトンネル相互の間隔が大きくなって、上述した各側方空間の形成工程及び充填工程の実施が困難になる場合がある。
【0032】
しかし、その場合であっても、横断面輪郭線に沿った小径シールドトンネルの背後に、離脱又は進入しようとする小径シールドトンネルが近接配置されているので、これらを構築する際に上述した各側方空間の形成工程及び充填工程を行えば、横断面輪郭線に沿った小径シールドトンネルとその背後に配置された小径シールドトンネルとの間が確実に閉じられることとなり、その結果、横断面輪郭線に沿って隣り合う2つの小径シールドトンネル相互の間隔が大きくなる場合にも、大がかりな地盤改良を行うことなく、止水性と地山崩落に対する安全性を確保することが可能となる。
【0033】
拡幅部は、シールドトンネルの分岐合流部、特に本線トンネルとランプトンネルとの接合箇所における分岐合流部として形成される場合が典型例となるが、緊急避難ゾーン、非常駐車帯その他任意の目的で構築される拡幅部が包摂される。
【0034】
拡張裏込め領域のうち、横断面輪郭線に沿って隣り合う2つの小径シールドトンネル間に形成される拡張裏込め領域については、上述したと同様、必ずしも外殻構築時の施工範囲をすべてカバーする必要はなく、薬液注入等の止水措置を部分的に施しながら、拡張裏込め領域の機能を補う構成が可能であるが、外殻を構築する際の施工範囲が前記拡張裏込め領域の外側に拡がる隣接地山に及ぶことがないように該拡張裏込め領域を形成するようにしたならば、外殻構築作業が拡張裏込め領域内で行われることとなって、追加の止水措置を省略し、あるいは軽減することが可能となる。
【0035】
一方、拡張裏込め領域のうち、横断面輪郭線に沿って配置された小径シールドトンネルと該小径シールドトンネルに隣り合うように背後に配置された小径シールドトンネルとの間に形成される拡張裏込め領域については、後者の小径シールドトンネルが横断面輪郭線から離隔しているため、該拡張裏込め領域で外殻構築時の施工範囲をすべてカバーすることは本来的に困難であって、拡張裏込め領域が形成された反対の側から地下水が外殻構築時の施工範囲に浸水するおそれがあるが、かかる場合には、拡張裏込め領域でカバーされていない範囲を薬液注入や凍結といった方法で別途止水すればよい。
【0036】
上述した各側方空間をどのように形成するかは任意であるが、例えば、前記小径シールドを、径方向に沿って出入自在なサイドカッターが設けられた小径シールドとし、該小径シールドを発進到達させる際には、前記サイドカッターを前記小径シールドのシールド本体周面よりも内側に退避させ、前記各側方空間を形成する際には、前記サイドカッターを前記シールド本体の周面よりも外側に突出させる構成を採用することが可能である。
【0037】
かかる構成によれば、小径シールドの周面に突出物がない状態で該小径シールドの発進到達が可能になるため、発進エリアの坑口に設けられた環状止水部材は、該小径シールドの周面に密着し隙間が生じるおそれがなくなり、かくして坑口での止水性低下を防止することが可能となる。