特許第6751285号(P6751285)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6751285画像形成装置、画像形成方法、及びプログラム並びに画像形成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6751285
(24)【登録日】2020年8月18日
(45)【発行日】2020年9月2日
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成方法、及びプログラム並びに画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20200824BHJP
   B65H 1/00 20060101ALN20200824BHJP
【FI】
   G03G21/00 378
   !B65H1/00 501B
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-122625(P2015-122625)
(22)【出願日】2015年6月18日
(65)【公開番号】特開2017-9681(P2017-9681A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2018年5月15日
【審判番号】不服2019-10091(P2019-10091/J1)
【審判請求日】2019年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】酒巻 久
(72)【発明者】
【氏名】岡本 義文
(72)【発明者】
【氏名】冨田 綾子
【合議体】
【審判長】 尾崎 淳史
【審判官】 藤本 義仁
【審判官】 畑井 順一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−50376(JP,A)
【文献】 特開2013−21531(JP,A)
【文献】 特開2012−198691(JP,A)
【文献】 特開2008−5500(JP,A)
【文献】 特開2000−181323(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
B41J 29/38
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
前記画像形成装置の使用を監視して、監視した前記画像形成装置に載置された原稿の原稿サイズに関する情報を含む使用履歴を記憶する記憶手段と、
前記画像形成装置に載置された原稿を検知して、検知した原稿が非定型サイズか否かを判定する判定手段と、
前記原稿の画像を読み取る読取手段と、
前記判定手段にて前記原稿が非定型サイズと判定された場合、前記記憶手段から前記使用履歴を読み出し、前記読み出した使用履歴に基づいて、前記読取手段にて読み取った画像を出力する用紙サイズを決定する決定手段と、
を備え、
前記記憶手段は、前記画像形成装置に載置された原稿が非定型サイズの場合、前記原稿サイズに関する情報として非定型サイズを示す情報を前記使用履歴に記憶し、
前記決定手段は、前記非定型サイズを示す情報が含まれる該使用履歴に基づいて、前記読取手段にて読み取った画像を出力する用紙サイズを決定する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記記憶手段において、前記使用履歴は、ユーザ毎に記憶されており、
前記決定手段は、前記原稿を載置したユーザの使用履歴に基づいて、前記原稿を出力する用紙サイズを決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記記憶手段において、前記使用履歴は、時間毎に記憶されており、
前記決定手段は、前記画像形成装置の使用を開始する時間を時計から読み出し、前記読み出した時間に対応する前記使用履歴を前記記憶手段から読み出し、当該使用履歴に基づいて、前記原稿を出力する用紙サイズを決定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
画像形成装置の使用を監視して、監視した前記画像形成装置に載置された原稿の原稿サイズに関する情報を含む使用履歴を記憶する記憶工程と、
前記画像形成装置に載置された原稿を検知して、検知した原稿が非定型サイズか否かを判定する判定工程と、
読取手段により前記原稿の画像を読み取る読取工程と、
前記判定工程にて前記原稿が非定型サイズと判定された場合、前記記憶工程にて記憶された使用履歴に基づいて、前記読取手段にて読み取った画像を出力する用紙サイズを決定する決定工程と、
を備え、
前記記憶工程は、前記画像形成装置に載置された原稿が非定型サイズの場合、前記原稿サイズに関する情報として非定型サイズを示す情報を前記使用履歴に記憶し、
前記決定工程は、前記非定型サイズを示す情報が含まれる該使用履歴に基づいて、前記読取手段にて読み取った画像を出力する用紙サイズを決定する
ことを特徴とする画像形成方法。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置の各手段の制御手段としてコンピュータを機能させるプログラム。
【請求項6】
載置した原稿の画像を読み取る画像形成装置と、前記画像形成装置に載置された原稿の原稿サイズに関する情報を含む前記画像形成装置の使用履歴を記憶する外部装置とを有する画像形成システムであって、
前記画像形成装置に載置された原稿を検知して、検知した原稿が非定型サイズか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段にて前記原稿が非定型サイズと判定された場合、前記使用履歴を読み出し、前記読み出した使用履歴に基づいて、読み取った画像を出力する用紙サイズを決定する決定手段と
を備え、
前記外部装置は、前記画像形成装置に載置された原稿が非定型サイズの場合、前記原稿サイズに関する情報として非定型サイズを示す情報を前記使用履歴に記憶し、
前記決定手段は、前記非定型サイズを示す情報が含まれる該使用履歴に基づいて、前記画像形成装置にて読み取った画像を出力する用紙サイズを決定する
ことを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法、及びプログラム並びに画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、A4やB4等の定型サイズの原稿をセットした場合に、使用履歴に基づく原稿サイズと用紙サイズの組み合わせを表示することにより、用紙サイズを単一の操作で容易に設定する画像形成装置がある。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3532474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、定型サイズの原稿について用紙サイズを設定するにすぎない。そのため、定型サイズとはサイズの異なる、非定型サイズの原稿を載置した場合、用紙サイズを設定することができない。すなわち、原稿を載置するたびに、操作パネルを使って用紙サイズを設定しなければならず、ユーザの手間がかかる。
そこで、本発明は、非定型サイズの原稿を載置した場合でも、ユーザの手間を軽減する仕組みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本願発明は以下の構成を有する。すなわち、
画像形成装置であって、
前記画像形成装置の使用を監視して、監視した前記画像形成装置に載置された原稿の原稿サイズに関する情報を含む使用履歴を記憶する記憶手段と、
前記画像形成装置に載置された原稿を検知して、検知した原稿が非定型サイズか否かを判定する判定手段と、
前記原稿の画像を読み取る読取手段と、
前記判定手段にて前記原稿が非定型サイズと判定された場合、前記記憶手段から前記使用履歴を読み出し、前記読み出した使用履歴に基づいて、前記読取手段にて読み取った画像を出力する用紙サイズを決定する決定手段と、
を備え
前記記憶手段は、前記画像形成装置に載置された原稿が非定型サイズの場合、前記原稿サイズに関する情報として非定型サイズを示す情報を前記使用履歴に記憶し、
前記決定手段は、前記非定型サイズを示す情報が含まれる該使用履歴に基づいて、前記読取手段にて読み取った画像を出力する用紙サイズを決定する
ことを特徴とする
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、非定形サイズの原稿を載置した場合でも、ユーザの手間を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施の形態に係る画像処理装置の概略構成を示す図である。
図2図1におけるコントローラのハードウエア構成を示す図である。
図3図1の画像処理装置の外観構成を示す図である。
図4図3における操作部の構成を示す図である。
図5図3におけるスキャナの構成を示す図である。
図6図3におけるプリンタの構成を示す図である。
図7A】使用履歴の一例を示す図である。
図7B】該当するユーザの使用履歴の一例を示す図である。
図8】用紙サイズ設定処理の手順を示すフローチャートである。
図9】時間毎における用紙サイズ設定処理の手順を示すフローチャートである。
図10】時間毎における使用頻度の一例を示す図である。
図11】本発明の実施の形態に係る画像処理システムについてのシーケンス図である。
図12】本発明の実施の形態に係る画像処理システムの概略構成を示す図である。
図13A】原稿ガラスのサイズ検出センサの一例を示す図である。
図13B】原稿サイズの検出結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照し、本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0009】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例である画像処理装置100(印刷装置)の概略構成を示す図である。
図1において、画像処理装置100は、コントローラ101、スキャナ102、プリンタ103、フィニッシャ104、ネットワークインタフェース105、及び操作部106で構成される。
【0010】
コントローラ101は、画像処理装置100を制御する。コントローラ101の詳細については後述する。スキャナ102は、バスで接続されたコントローラ101によって制御される。また、スキャナ102は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサを走査することで、原稿の画像を読み取り、画像データを生成する。生成された画像データに基づいて、原稿のカラー判定やサイズ判定などが行われる。
【0011】
プリンタ103は、バスで接続されたコントローラ101によって制御され、用紙(記録媒体、シート)に画像を印刷する。
【0012】
フィニッシャ104は、プリンタ103で印刷された複数の用紙をまとめてステイプル(ホッチキス)処理することが可能となっている。なお、図では分かりやすくするために、フィニッシャ104はプリンタ103のみに接続されているが、バスを介してコントローラ101とも接続され、コントローラ101によって制御される。
【0013】
ネットワークインタフェース105はイーサネット(登録商標)などのネットワークに対するインタフェースであり、コントローラ101に対してネットワークによる双方向通信を提供しており、ネットワークを介してパソコン107との接続が可能となっている。このパソコン107からも、印刷などの画像処理を指示することができるようになっている。
【0014】
リーダ/ライタ108は、バスで接続されたコントローラ101によって制御され、ICカード(認証装置)等の識別情報を読み取り、データを書き込むことが可能となっている。なお、コントローラ101はリーダ/ライタで読み取った識別情報に基づいて、予め登録された識別情報か否かを判断する認証処理も実行する。
【0015】
操作部106はユーザインターフェイスであり、タッチパネル機能をもち、情報を表示するディスプレイ203及びキーボード204から構成されている。そして、操作部106は、コントローラ101からの情報表示を行うとともにユーザからの指示をコントローラ101に伝える。具体的に、ディスプレイ203に表示する処理は、後述するCPU201が、表示すべき画面に対応するプログラムを、後述するDISK211から読み出すことで実行される。CPU201は、後述するメモリ202内のデータ等を参照し、DISK211から画面描画データを読み出して、ディスプレイ203に表示するデータを記憶するVRAM上に表示画面を構成する。こうして、ディスプレイ203にVRAMに記憶されたデータが表示される。
【0016】
図2は、図1におけるコントローラ101のハードウエア構成を示す図である。
図2において、コントローラ101は、CPU201、メモリ202、ROM210、及びDISK211を含み、これらはバス209で接続されている。
【0017】
CPU201は、画像処理装置100全体を制御する。CPU201は、画像処理装置の使用を監視し使用履歴として記録させる。メモリ202(記憶手段)は、CPU201の作業領域として使用される。例えば、画像処理を実行するためのプログラムを展開するために使用される。また、メモリ202には使用履歴が記録されている。ROM210には、画像処理装置100を動作させるためのプログラムを含む各種情報が記憶されている。
【0018】
DISK211は、ハードディスク、フレキシブルディスク、半導体ディスクなどである。このDISK211には、各種制御プログラムが記憶されており、これらの各種制御プログラムは、必要に応じて順次メモリ202に読み出されてCPU201によって実行される。
【0019】
このDISK211は、画像処理装置100に着脱可能であってもよいし、内蔵されたものでもよい。また、上記各種プログラムは、ネットワークを介してダウンロードし、DISK211に記憶されるようにしてもよい。
【0020】
また、DISK211、メモリ202は、スキャナ102、またはネットワークインタフェース105により取得されたデータを記憶することが可能である。取り外し可能なメモリ202に予めデータを記憶しておき、そのメモリ202をコントローラ101に装着することによって、コントローラ101が、メモリ202からデータを取り込むことも可能である。
【0021】
さらに、DISK211に記憶されている画像データはメモリ202に移動、またはコピーすることが可能になっている。そして、操作部106から指示された内容によってメモリ202に記憶された画像データに、例えばページの数字部分など、様々な付加画像を合成することができる。
【0022】
この構成において、CPU201は、ディスプレイ203に対して表示を行わせ、また、CPU201がキーボード204またはディスプレイ203で入力されたデータを読み出すことにより、ユーザからの指示を受け付ける。受け付けた指示を示す情報はメモリ202、DISK211のいずれかに転送、記憶され、様々な処理に使用される。
【0023】
また、CPU201は、ネットワークインタフェース105からのデータを読み込んだり、ネットワークインタフェース105にデータを送信させることで、ネットワークを使用した通信を行う。
【0024】
さらに、CPU201は、スキャナ102、プリンタ103、及びフィニッシャ104との間でデータをやり取りすることによりスキャン、印刷、後処理などの動作を実行させたり、それらの各種ステータスを取得したりする。
【0025】
なお、プリンタ103、フィニッシャ104、及びスキャナ102は、画像処理装置100の内部ではなく、ネットワーク上にそれぞれ単体の周辺機器として存在し、それらをコントローラ101がネットワークを介して制御してもよい。
【0026】
図3は、図1の画像処理装置100の外観構成を示す図である。
図3において、上述したスキャナ102は、画像処理装置100の上方に位置し、プリンタ103は、用紙が保持される複数のカセットの上方に位置する。また、操作部106は、スキャナ102と一体化されている。さらに、手差しトレイ304は、プリンタ103の近傍に位置する。
【0027】
図4は、図3における操作部106の構成を示す図である。
図4において、ディスプレイ203には、タッチパネルシートが貼られており、操作画面及びソフトキーを表示するとともに、表示してあるソフトキーが押下されるとその位置情報をコントローラ101のCPU201に伝える。
【0028】
次いでキーボード204について説明する。スタートキー402は原稿の読み取り動作を開始するときなどに用いる。スタートキー402の中央部には、緑と赤の2色LED403があり、その色によってスタートキー402が使える状態にあるか否かが示される。ストップキー404は稼働中の動作を止める働きをする。
【0029】
テンキー405は、数字と文字のボタン郡で構成されており、コピー部数の設定や、ディスプレイ203の画面の切り替えを指示する。ユーザモードキー406は機器の設定を行うときに押下される。
【0030】
図5は、図3におけるスキャナ102の構成を示す図である。
まず、自動原稿給紙ユニット(以下、ADF)を使用した原稿画像読取動作について、説明する。
【0031】
スキャナ102は、原稿読み取り装置519の露光部513に対して原稿503を相対的に移動させながら、原稿503の画像を読み取る。原稿503は原稿トレイ502にセットされる。原稿給紙ローラー504は分離パッド505と対になっていて、原稿503を1枚ずつ搬送する。
【0032】
搬送された原稿503は中間ローラー506、大ローラー508と第1従動ローラー509、及び大ローラー508と第2従動ローラー510によって搬送される。大ローラー508と第2従動ローラー510とで搬送された原稿503は、流し読み原稿ガラス512と原稿ガイド板517との間を通り、ジャンプ台518を経由して、大ローラー508と第3従動ローラー511により搬送される。
【0033】
大ローラー508と第3従動ローラー511とにより搬送された原稿503は原稿排紙ローラー対507により装置外に排出される。なお流し読み原稿ガラス512と原稿ガイド板517との間では原稿503は原稿ガイド板517によって流し読み原稿ガラス512に接触する形で搬送される。
【0034】
原稿503は流し読み原稿ガラス512上を通過する際に、流し読み原稿ガラス512に接している面が露光部513によって露光される。その結果得られる原稿503からの反射光がミラーユニット514に伝達される。伝達された反射光はレンズ515を通過して集光されCCDセンサ部516にて電気信号に変換され、コントローラ101に伝達される。
【0035】
また、ADFを使用しない原稿画像読取動作について説明する。ADFを使用しない原稿画像読取動作を行う場合、ユーザが原稿を原稿ガラス512上に載置する。ユーザにより読み取り開始指示が入力されると、CPU201は、露光部513を移動させ、シェーディングを実施する。シェーディングの終了後、露光部513を原稿ガラス512の直下よりも図5で左側の位置に移動させ、助走開始位置に達した時点で停止させる。
【0036】
露光部513を助走開始位置に停止させた後、図5の右側方向に移動させることで、原稿ガラス512上の原稿の画像を読み取ることができる。コントローラ101から指定された原稿サイズに基づく走査長だけ露光部513を移動させながら原稿の画像を読み取った後、露光部513を基の位置まで移動させる。これにより、原稿固定読みシーケンスが終了する。
【0037】
図6は、図3におけるプリンタ103の構成を示す図である。
図6におけるプリンタ103の構成は4色のフルカラーで印刷する場合の構成の一例を示している。
【0038】
感光ドラム601は1次帯電器611により特定の極性電位に帯電処理され、図示しない露光手段によって矢印612に示される位置がコントローラ101からの指示に従って露光される。このようにして第1の色成分に対応した静電潜像が形成される。
【0039】
その後、現像機602の中の1つを使用して現像される。中間転写ベルト603は矢印の方向に駆動され、感光ドラム601に形成された第1の色成分画像が、感光ドラム601と中間転写ベルト603の接合部分を通る過程で1次転写ローラー610によって形成された電界によって中間転写ベルト603に転写される。
【0040】
中間転写ベルト603に転写を終えた感光ドラム601の表面はクリーニング装置604によって清掃される。この処理を順次繰り返し、4色の画像を中間転写ベルト603に重ね合わせて、カラー画像を形成する。
【0041】
単色の画像を形成する場合は一度だけ転写処理を行う。中間転写ベルト603に転写された画像は二次転写ローラー609部分でカセット605より給紙された用紙に印刷される。画像が印刷された用紙は定着機606で加熱され定着される。定着後、607を通過し、排紙口613まで用紙が搬送され機外に排出される。両面印刷を行う場合は、反転パス608をとおって用紙を循環させ、印刷処理を繰り返す。
【0042】
<用紙サイズ設定処理>
図8は、図2におけるCPU201により実行される用紙サイズ設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の説明ではADFを使用しない原稿画像読取動作時の用紙サイズ設定処理について説明するが、ADFを使用した原稿画像読取動作時に用いてもよい。
【0043】
スタートキー402が押下されると、CPU201は原稿ガラス512上に載置された原稿の原稿サイズを検知して、原稿が定型サイズか非定型サイズかを判定する(S801)。定型サイズか非定型サイズかの判定は、図13Aおよび図13Bを用いて説明する。
【0044】
図13Aは、原稿ガラス512のサイズ検出センサの一例を示す図である。原稿サイズの検出は、図13に示すように4個のサイズ検出センサ1301、1302、1303、1304の検出結果によって、原稿のサイズを判断する。なお、検出センサの数は一例であり、より詳細な原稿検知を行うためにより多くの検出サンサを設けてもよい。
【0045】
図13Bは、原稿サイズの検出結果の一例を示す図である。図13Bに示す白丸(○)は各センサ1301〜1304において原稿ありと検出されたことを示し、黒丸(●)は原稿なしと検出されたことを表す。図13Bに示すように、各センサ1301〜1304の検出結果の組み合わせから原稿のサイズが判断される。したがって、図13Bに記載していない検出結果の組み合わせは、存在しない原稿サイズ、すなわち非定型サイズと判断される。
【0046】
なお、定型サイズ/非定型サイズの判断は、上述した以外に、カセットに保持されている用紙サイズ、または手差しトレイ304に載置されている用紙サイズを定型サイズとし、その他を非定型サイズと判断してもよい。
【0047】
また、原稿サイズ検知は、原稿ガラス512に載置された原稿に光を照射して、原稿からの反射光の輝度分布を読み取り、読み取った輝度分布情報から原稿の原稿領域と非原稿領域とを検出して原稿サイズを検知してもよい。
【0048】
S801にて非定型サイズと判定された場合、CPU201はメモリ202から使用履歴の読み出しを行う(S802)。
ここで、使用履歴について、図7Aを参照して説明する。図7Aは、使用履歴の一例を示す図である。なお、使用履歴700は、1操作につき1レコード単位で、操作が発生した順に時系列に沿って記録されるものとする。
【0049】
受付番号の欄701には、画像処理装置が受け付けた任意の番号が記録される。結果の欄702には、ジョブの結果が記録される。日時の欄703には、使用日時が記録される。ジョブ名の欄704には、ジョブ名(例えば、コピー、スキャナ)が記録される。部門名の欄705には、部門名が記録され、ユーザ名の欄706には、ユーザ名が記録される。なお、画像処理装置100を利用する際に、リーダ/ライタ108を用いてIDカード等にて認証を行い、部門名/ユーザ名を記録してもよいし、操作部106を用いて入力した部門名/ユーザ名を記録してもよいし、予めユーザ名に対応する部門名を記憶しておき、認証/入力されたユーザ名に対応する部門名を記録してもよい。
【0050】
枚数×部数の欄707には、印刷した枚数と部数が記録される。原稿サイズの欄708には、載置された原稿のサイズが記録される。用紙サイズの欄709には、出力した用紙サイズが記録される。
【0051】
CPU201は、読み出した使用履歴700に基づいて用紙サイズを決定する(S803)。具体的には、原稿サイズ709が「非定型」の使用履歴700に対する用紙サイズ709を用紙サイズ別に集計し、集計数の多い用紙サイズ709を用紙サイズとして決定する。例えば、図7Aの場合、原稿サイズ709が「非定型」に対する用紙サイズは、「A4」サイズが2件、「A3」サイズが1件となるので、集計数の多い「A4」サイズが決定される。なお、集計数が同等の場合は、例えば、直近の使用履歴700の用紙サイズ709を適用する、予め決められた優先順位(例えば、A3 > A4 > A5)を適用するとしてもよい。
【0052】
S801にて定型サイズと判定された場合、CPU201は、デフォルトの用紙サイズを使用する(S804)。デフォルトの用紙サイズを使用するとは、ユーザが予め用紙サイズを「A4」と設定していた場合は「A4」サイズを使用し、ユーザが予め用紙サイズを「自動検知」としていた場合は、不図示の原稿サイズ検出センサにて検出した定型サイズ(例えば、「A5」)と同等の用紙サイズ(「A5」サイズ)を使用する。
【0053】
CPU201は、S802にて決定された用紙サイズ、またはデフォルトの用紙サイズに基づいて、印刷処理を行う(S805)。
【0054】
以上説明したように、本実施形態では、非定型サイズの原稿を載置した場合、使用履歴に基づいて用紙サイズを決定するので、ユーザの手間を軽減することができる。
【0055】
なお、使用履歴700はユーザ毎/部門毎に記録されているので、該当するユーザ/部門の使用履歴に基づいて、用紙サイズを決定してもよい。具体的には、図8のS802にて、CPU201はメモリ202から画像処理装置を利用するユーザ/部門の使用履歴を抽出する。図7Bは、該当するユーザの使用履歴の一例を示す図である。例えば、画像処理装置を利用するユーザが「User1」の場合、CPU201はメモリ202から「User1」に対する使用履歴700を抽出して読み出す。
【0056】
S803にて、CPU201は読み出した使用履歴700に基づいて用紙サイズを決定する。例えば、図7Bの場合、原稿サイズ709が「非定型」に対する用紙サイズは、「A4」サイズが2件となるので、集計数の多い「A4」サイズが決定される。
【0057】
ユーザ毎/部門毎に用紙サイズを決定することにより、よりユーザのニーズに沿った用紙サイズを決定することができる。
【0058】
<第2の実施形態>
以下では、図9図10を参照して、本発明における第2の実施形態について説明する。本実施形態では、画像処理装置の使用を開始する時間によって用紙サイズを決定する処理について説明する。なお、本実施形態の動作の大部分が第1の実施形態の動作と共通するため、ここでは、第1の実施形態と異なる動作についてのみ説明し、共通の動作については説明を省略する。
【0059】
図9は、時間毎における用紙サイズ設定処理の手順を示すフローチャートである。CPU201は、S801にて原稿ガラス512上に載置された原稿が非定型サイズと判定した場合、CPU201はメモリ202から使用履歴700の読み出しを行う(S802)。
【0060】
CPU201は、画像処理装置100に内蔵されている不図示の内蔵時計から現在の時間(画像処理装置の使用を開始する時間)を読み出す(S901)。
【0061】
CPU201は、S802にて読み出した使用履歴700と、S901にて読み出した時間とに基づいて用紙サイズの決定を行う(S902)。具体的には、原稿サイズ709が「非定型」の使用履歴700に対する用紙サイズ709を用紙サイズ毎・時間毎に集計し、S901にて読み出した時間に対応する時間帯の集計数の多い用紙サイズ709を用紙サイズとして決定する。
【0062】
図10は、使用履歴700に基づいて算出された時間毎における使用頻度の一例を示す図である。例えば、図10の場合、画像処理装置の使用を開始する時間が「8時15分」ならば、8時台に一番多く使用されている用紙サイズは、「A4」である。従って、用紙サイズは「A4」サイズが決定される。
【0063】
以上説明したように、本実施形態では、画像処理装置の使用を開始する時間に対応する使用履歴に基づいて用紙サイズを決定するので、例えば、朝はA4サイズにて印刷したいが、夕方はA3サイズにて印刷したい等、よりユーザのニーズに応えることができる。
【0064】
<第3の実施形態>
第1の実施形態では、画像処理装置にて使用履歴を記録し、用紙サイズを決定する処理について説明したが、本実施形態では、画像処理装置を使用するための認証装置(例えば、ICカード)にて画像処理装置の使用履歴を記録し、用紙サイズを決定する処理について説明する。なお、本実施形態の動作の大部分が第1の実施形態の動作と共通するため、ここでは、第1の実施形態と異なる動作についてのみ説明し、共通の動作については説明を省略する。
【0065】
図11は、本発明の実施の形態に係る画像処理システムについてのシーケンス図である。
ユーザが画像処理装置100を操作するために、ユーザが所持するICカードでログインする(S1101)。画像処理装置100にて印刷などの処理を行い(S1102)、その使用履歴をCPU201は、ICカードに記録する(S1103)。
【0066】
ユーザが所持するICカードでログインし(S1104)、画像処理装置100にて載置された原稿が非定型サイズであると判定されると(S1105)、CPU201はICカードに使用履歴の読み出し要求を行う(S1106)。ICカードから使用履歴を受信すると(S1107)、CPU201は用紙サイズ決定処理を行う(S1108)。
【0067】
以上説明したように、本実施形態では、上述した画像処理システムを構築することで、画像処理装置100の容量を軽減でき、画像処理装置100のハードウエアリソースに要求される仕様や条件を緩和することができる。
【0068】
また、ICカードには、ICカードを所持するユーザの使用履歴のみ記録されるので、よりユーザのニーズに沿った用紙サイズを決定することができる。
【0069】
<第4の実施形態>
第1の実施形態では、画像処理装置にて使用履歴を記録し、用紙サイズを決定する処理について説明したが、本実施形態では、ネットワークを介して接続されたサーバ装置にて画像処理装置の使用履歴を記録し、用紙サイズを決定する処理について説明する。なお、本実施形態の動作の大部分が第1の実施形態の動作と共通するため、ここでは、第1の実施形態と異なる動作についてのみ説明し、共通の動作については説明を省略する。
【0070】
図12は、画像処理システムの一例を示す図である。サーバ装置1201は、コンピュータの一種であり、情報処理装置である。サーバ装置1201は、複数の画像処理装置100とネットワークを介して接続されている。
【0071】
サーバ装置1201では、ハードディスクドライブ(HDD1204)に記憶されているソフトウエアにしたがってCPU1202が各種手段として機能する。メモリ1203は、RAMやROMなどを含む。ネットワークインタフェース1205は、ネットワークを通じて他のコンピュータと通信するための通信回路である。HDD1204は、オペレーティングシステムに加え、使用履歴700を記憶する。
【0072】
なお、画像処理装置100のCPU201は、使用履歴700の各レコードに、ユーザ名と画像処理装置100の識別情報を書き込む。
【0073】
画像処理装置100は、使用履歴700を、定期的(例えば、レコードが記録される毎、時間毎)またはサーバ装置1201から要求されたときにサーバ装置1201へ送信する。サーバ装置1201は、受信した使用履歴700をHDD1204に記憶する。
【0074】
図8に示したフローチャートのS802、S803は画像処理装置100のCPU201に代えて、サーバ装置1201のCPU1202が実行する。なお、図8に示したフローチャートのS803の用紙サイズ設定処理は、画像処理装置100が行ってもよい。
【0075】
以上説明したように、本実施形態では、上述した画像処理システムを構築することで、画像処理装置100の容量を軽減でき、画像処理装置100のハードウエアリソースに要求される仕様や条件を緩和することができる。
【0076】
<その他の実施形態>
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウエア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B