【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の第1の側面によれば、建築物の構造フレームと、前記フレームにより支えられ且つ前記フレームに対して実質的に整列される少なくとも1つの窓あるいはドアと、少なくとも1つの断熱されたサンドウィッチパネルにより形成された外壁であって、前記外壁内の前記パネルが前記フレームに支えられるとともに前記フレームから外方にオフセットされている、外壁とを備え、前記フレームは仕上げられた前記建築物の内部の少なくとも一部に露出されており、前記建築物の内部配線の少なくとも一部は、前記フレームの上及び/または内部に沿って、前記建築物の内部を横切る。
【0027】
ガスや配管などの他のサービスは、また前記建築物の内部を横切るかもしれない。そのため、配線やサービスを隠すための内部壁、あるいはしっくい及びペンキからなる層の使用は必要とされない、それは時間と建設のための潜在的なコストを大きく低減させる。さらに、建設後に配線あるいはサービスを修理あるいは補正することは、より簡単で、早く、安い。
【0028】
好ましくは、実質的に連接部あるいは空間を通して熱が流れることを実質的に低減あるいは除去できるように、外壁は、サンドウィッチパネル同士、あるいはサンドウィッチパネルと窓、ドア、屋根、床、フレーム等の他の建築用部品との間の前記連接部あるいは前記空間に封止手段を備えることができる。より好ましくは、連接部あるいは空間を通して空気が流れることを実質的に低減あるいは除去できるように、外壁は、サンドウィッチパネル同士、あるいはサンドウィッチパネルと窓、ドア、屋根、床、フレーム等の他の建築用部品との間の前記連接部あるいは前記空間に封止手段を備えることができる。前記封止手段は、断熱、防水、あるいは気密な部品であり得る。
【0029】
前記建築物は、サンドウィッチパネル同士、あるいはサンドウィッチパネルと窓、ドア、屋根、床、フレーム等の他の建築用部品との間の連接部あるいは空間内に配置された、サービスあるいは配線のための入り口点を備え得る。前記入り口点は、実質的に前記入り口点を通した空気の流れを低減させるあるいは防止できるように、前記封止手段と前記連接部あるいは空間との間に配置され得る。前記配線あるいはサービスは、前記入り口点からアクセス点へ、あるいはアクセス点からアクセス点へ、前記フレームの内部を横切ることができ、前記アクセス点は前記建築物の内部に位置する。
【0030】
有利には、この建築物は、チューブあるいはパイプあるいは前記フレームの上あるいは中のような通路あるいは導管の中に隠された安全な配線あるいは他のサービス、すなわち、電気的導管、ワイヤ、電気あるいはインターネットあるいはコンピュータあるいはファクスあるいは衛星テレビあるいは電話のためのケーブル、ガスあるいは可能性のある配管の内蔵を提供し、それにより、その建築物は、単純さと前記断熱パネルの断熱性を維持しつつ、容易に、早く、潜在的に安価に設計され建設され得る。
【0031】
好適には、前記構造フレームは、予め仕上げられている。より好ましくは、少なくとも1つの断熱サンドウィッチパネルは、予め仕上げられている。
【0032】
前記建築物は、前記建築物を支持するための下張り床構造と、支持支柱と、梁と、根太と、厚板あるいは切り株状の足場を含む前記下張り床構造への接続部とを含む複数のフレーム部材をさらに備える構造フレームと、複数の断熱サンドウィッチパネルと断熱材料とをさらに備え、実質的に前記フレームの全体が外部の環境から断熱され、前記断熱層の外部にある前記フレームのどの部品あるいは支持接続部からも熱的に分離されるために、断熱サンドウィッチパネルあるいは断熱材料が前記支持連接部あるいは連接部を超えて延びるように、前記フレームは、1つ以上の支持接続部により、前記下張り床構造に接続され、複数の断熱サンドウィッチパネルと断熱材料は、前記フレームの外方に固定される。
【0033】
好ましくは、前記フレームの外部に露出される以外のどんな部分も、実質的に前記フレームのその部分を通した熱の流れが低減あるいは除去されるように、追加の断熱材料が設けられる。前記構造フレームは、実質的に金属から作られている。
【0034】
少なくとも1つのパネルの表面は金属から形成されてもよい。
【0035】
本発明の1つの例によれば、建築物の構造フレームと、前記フレームに固定され、支持される少なくとも1つの断熱サンドウィッチパネルを有する外壁と、金属で形成された前記少なくとも1つのパネルの表面とを備え、前記1つのパネルは前記フレームの外方に配置されている建築物が提供される。
【0036】
その金属で形成されている表面の一部は、前記建築物の他の部品に隣接でき、前記一部は、少なくとも1つの溝が前記パネルの前記一部に沿っての前記少なくとも1つの溝を横切る方向の熱伝導をさえぎるように、少なくとも1つの溝を有する。好ましくは、前記一部は、2つの隣接する通常平行な溝を有する。これらの特徴は、また断熱サンドウィッチパネルを用いる建築物の建設の他の形態への適用可能性を有する。
【0037】
本発明の他の例によれば、建築物の構造フレームと、前記フレームに固定され、支持される少なくとも1つの断熱サンドウィッチパネルを有する外壁と、金属で形成される前記少なくとも1つのパネルの表面であって、その表面の一部が、前記建築物の他の部品に隣接する少なくとも1つのパネルの表面とを備え、前記一部が、少なくとも1つの溝を横切る方向の前記パネルの前記一部に沿った熱的伝導をさえぎるように構成された前記少なくとも1つの溝を有する。
【0038】
好適には、前記一部は2つの隣接する通常は平行な溝を有する。
【0039】
前記溝は、鉄あるいは金属の表面を有する断熱サンドウィッチパネルが断熱された建築物の外形の内側から外側に壁あるいは屋根あるいは床を通って連続的に走り、熱ブリッジが形成され得る前記パネルの表面の一部に沿っての熱伝導をさえぎる溝を提供し、それにより、そのようなさえぎりが、前記パネルの構造的強度の低下を最小限に抑えつつ、前記パネルと他の部品の間のジョイントからの熱の入出を低減させる。
【0040】
好ましくは、前記少なくとも1つの溝は、前記断熱された建築物の外形の内部から外部に走る前記金属を表面とするパネルのどこにでも配置される。前記少なくとも1つの溝は、それが断熱サンドウィッチパネルのようなどの隣接する断熱層の中でも断熱材により覆われるように、前記パネルの表面上に位置される。より好ましくは、前記少なくとも1つの溝は前記断熱された外形の内側表面と前記断熱された外形の外側表面の間に配置される。したがって、前記少なくとも1つの溝は前記建築物の断熱された外形の内側に配置される。これは、断熱パネルの使用により潜在的に引き起こされるどんな熱ブリッジも最小にするかあるいは防止して、表面が金属のサンドウィッチパネルの利点を最大限にし、断熱されたサンドウィッチパネルの建築物に対する使用を許可することにより、よりエネルギー効率のよい建築物の外形に帰結する。
【0041】
建築物の中の部品の熱伝達をモデル化し、さらに熱ブリッジの値を計算することが出来るソフトウェアプログラムが利用可能である。それぞれ2〜4mmのオーダーの幅で、隣接し、お互いに概略平行である2つの狭い溝が、建築物の内部と外部を接続するパネルの内側面に配置されるようにモデル化されたとき、計算された熱ブリッジの値はゼロであるということが驚きをもって発見された。言い換えれば、前記建築物の内部と外部で前記パネルの表面を介した熱伝達はなかった。そのため、そのソフトウェアプログラムは、建築物の内部と外部の間で、潜在的に熱ブリッジとしてふるまうことが出来るパネルの金属表面の部分において2つの溝は非常に効果的に温度断裂を提供することを提案する。
【0042】
サンドウィッチパネルは、表面を金属とした時、もし金属のスキン材が除去されたなら妥協できる構造的整合性を有する。そのため、金属の部分あるいは溝を除去することにより熱伝導を除去することは、パネルを弱くし潜在的に使用できないことに帰結でき、金属を除去したパネルを強化するために余分な材料が必要となることに帰結する。金属表面を有するサンドウィッチパネルにより生ずる熱ブリッジを除去することは、前記パネルの強度を低下させたり妥協することなく達成することは困難である。
【0043】
好適には、少なくとも1つの溝のそれぞれは、幅が1mm〜12mmである。前記パネルの表面の部分が1つのみの溝を有する場合、その通路は8mm〜12mmの幅を有することができる。
【0044】
前記一部が2つ以上の溝を有する場合、溝はより狭くなる。より好適には、溝のそれぞれあるいは少なくとも1つの溝は、1mm〜5mmの間であり、したがって溝は前記パネルの整合性あるいは強度をわずかに妥協するだけとなるような幅であり、前記パネルの前記一部と建築物の他の部品あるいは前記パネルの溝を形成された部分とのジョイントは、強度の補強を必要としないかもしれない。あるいは、もし強度の補強が好ましい場合、さらなる温度ブリッジが生じない限りにおいてジョイントが強化されてもよい。前記パネルジョイントは、屋根と壁のジョイントの場合は、ひさし内の外部防水板を通るサポートを提供することにより強化されるかもしれない、あるいは前記パネルの溝が形成された部分は、PVCや金属パネルの接合に適した潜在的に強度のあるテープなどの断熱材料のひもや細片を用いて前記パネルへの追加的なサポートを提供することにより強化されてもよい。2つの狭い溝は、1つの大きい溝より前記パネルに対して侵襲的でなく、そのため、そのようなジョイントを強化することは容易かもしれない。
【0045】
好適な実施形態としては、溝の間の間隔は、2mm〜46mmの範囲である。
【0046】
好ましくは、前記少なくとも1つのパネルは、配線が前記少なくとも1つのパネルに穴をあけることなく建築物に進入できるように、前記フレームの外方に固定あるいは配置される。前記少なくとも1つのパネルの断熱および構造的特性は、前記少なくとも1つの断熱サンドウィッチパネルが穴をあけられなければ保持される。建築物が、配線あるいはサービスを内蔵することによって前記パネルの断熱特性が低下されていないそのようなパネルにより形成された外壁を有する場合、それに対応して、外壁は高い断熱特性を保証される。さらに、前記パネルの表面は、仕上げられた壁の表面として保持されることができる。
【0047】
前記建築物は、配線及び/またはサービスのための少なくとも1つの入り口点を含むことができる。前記入り口点は、床を通して、あるいは外壁の外表面内に含まれることができる。前記入り口点は、複数の断熱サンドウィッチパネル、前記フレームとパネル、前記フレームと前記屋根の間、前記フレームと床の間、前記フレームと窓及び/またはドアの間、支柱あるいは梁などのフレーム部品といった2つ以上の部品の間または角に形成されたジョイントあるいは連接点の隣あるいは中であり得る。前記入り口点は、前記フレーム、床あるいは屋根の中あるいは、2つ以上の部品の連結あるいは連接点の中あるいは隣に形成された穴であり得る。
【0048】
好適には、前記少なくとも1つの窓あるいはドアは前記フレームに装着され、実質的に前記フレームと整列される。
【0049】
前記外壁は、前記フレーム、窓及びドアから外方にオフセットされて配置され得る。窓とドアを外壁からオフセットさせることは、外壁の断熱の平面が出来る限り窓と整列されるべきであることを典型的に規定する国際パッシブハウス研究所の規程により通常は避けられる構成である。実際、そのような構成は国際パッシブハウス標準に準拠しないように考えられる。しかしながら、窓を建築物の外形からずらすあるいはオフセットさせることは、テストの結果、国際パッシブハウス標準に準拠する構造であることが発見された。
【0050】
前記建築物の部品は、前記フレーム、窓、ドア、床、天井の少なくとも一部であり得る。
【0051】
前記建築物は、また断熱サンドウィッチパネルから構成されるあるいは構成されない内壁を含むかもしれない。
【0052】
好ましくは、前記フレーム、連結部、エッジ部、及び非断熱材料の周囲には、複数の断熱サンドウィッチパネルの間、パネルと窓の間、パネルとドアの間、さらに気候によっては、床の下及び壁と床の間のギャップで断熱外壁が連続するように、断熱材が配置される。
【0053】
連続的な断熱は、持続可能な特徴であり、それは、家屋あるいは建築物を外部の温度変化から断熱し、暖房、冷房の要求あるいは負荷を低減させる。これは次々に、建築物の内部温度の調節に使用されるエネルギーの量を削減し、公共的及び個人的な基本設備への投資を通してのエネルギー使用のコスト、環境への悪影響、家の持ち主あるいは家または建築物の暖房及び冷房の作業者へのコストを低減させる。最も厳格な断熱の標準を例としてあげると、パッシブハウス設計基準(それは、Worfgang Feist 博士に率いられる国際パッシブハウス研究所により公布され、1990年にドイツのダルムシュタットの先駆的なパッシブハウスとともに開始された)。
【0054】
いくつかの実施形態では、それぞれの窓あるいはドアとそのそれぞれの開口部の間、空気あるいは湿気が通過あるいは漏れる他の連接部に実質的に気密な連接部を形成するための封止構造が提供される。
【0055】
外壁は、それぞれの連接部、あるいは、サンドウィッチパネル同士の間の空間、サンドウィッチパネルと窓とフレームを含む他の要素との間の空間を覆う一つ以上の防水板あるいは断熱された防水及び気密の部品を含むことが好ましく、サービスのための前記少なくとも1つの入り口点は、前記連接部あるいは空間の一つに隣接して配置され、前記防水板あるいはそのような気密の部材の後ろに配置されるかもしれない。
【0056】
有利には、前記建築物は、前記フレームが1つ以上の支持連接部により結合される土台をさらに含み、外壁及び/または床が少なくとも部分的にそれらの間の前記連接部に沿って、前記土台とともに封止される。
【0057】
前記土台は、その上に断熱材及び下張り床の表面が置かれる下張り床構造を含んでもよい。
【0058】
好ましくは、断熱されたサンドウィッチパネルは、どのような床の断熱材とも重なるように下に延長され、多層式の建築物の場合は、床を通過してどのような上層階からも下層階へと続き、壁の中に連続的な断熱を提供する。前記パネルは、また前記土台の外部から支持連結部の下の点まで伸びる。もし建築物が切り株状の足場の上にある場合は、前記床の中あるいは下にあるどんな断熱材あるいは断熱パネルも、断熱された外形の内側の構造と前記足場の間の熱ブリッジが最小限となるように、前記足場の上で連続的なライン状に水平に走ることが好ましい。
【0059】
前記構造フレームは、支持支柱と梁をさらに有することができ、前記フレームのどんな部分も建築物の外部に露出されず、熱ブリッジが防がれるか最小となるように、追加の断熱材料が前記建築物の接続点に配置され得る。
【0060】
好ましくは、前記構造フレームは、下張り床構造に接続され、前記建築物の壁、屋根、窓、及びドアに必要とされるどんな構造的なサポートや、風強度や他のサポートを提供する。さらに、断熱材料は、前記フレームが内部に露出可能であり、配線と他のサービルが隠され得るという条件のもとに、前記フレームの全体と他のどんな潜在的な熱ブリッジも外部の環境から断熱されるように、前記フレームや接続部や、エッジ部や非断熱材料の周りに配置され得る。
【0061】
好ましくは、前記構造フレームは予め仕上げられたフレームである。前記予め仕上げられたフレームは、その予め仕上げられたフレームが、断熱されたサンドウィッチパネルの内部になるように、少なくとも内面的に予め仕上げられた断熱サンドウィッチパネルで覆われることができ、それによって建築物のための配線が、サンドウィッチパネル内の断熱を阻害することなく、その内部の予め仕上げられたフレームを通ってあるいは隣接して通過でき、フレームのどの部分も建築物の外部に露出されることなく、熱ブリッジが未然に防がれるか最小にされるように、追加の断熱材料が建築物の連結部に提供され得る。
【0062】
有利には、サンドウィッチパネルの表面を通り越すどのような追加の断熱材料のほとんどあるいはすべてが建築物の内部からは見えない。
【0063】
好ましくは、電灯を、フレーム、あるいはフレームに固定されたアームあるいは可動に取り付けられたアーム、あるいはフレームに吊り掛けられたケーブルに取りつけることにより、パネルに穴をあけることなく電灯が設置される。これは、断熱が連続的であることを確実にし、また、電灯の取り付け具、電力導入点、スイッチの設置により空気の隙間が出来ないことを確実にする。それはまた、中空壁やしっくいを必要とすることなく、電灯や電力のための配線が設置されることを許容する。
【0064】
建築物の要素間および建築物の内部と外部の間の接続および隙間は、建築物へあるいは建築物からの空気及び蒸気の出入りを防ぐために十分に封止されることが好ましい。
【0065】
空気あるいは蒸気が建築物からあるいは建築物内に漏れるような空気の隙間を構成あるいは生成しそうな建築物の接続あるいはジョイントは、Compriband (登録商標)あるいはHannoband (登録商標)などの、鉄、あるいは鉄とコンクリートなどの固い材料の接続、あるいは窓のフレームや他の建築物の部品への接続に用いられるように設計された、柔軟に伸縮する発泡体テープを用いて気密第一にされることができる。伸縮する発泡体テープの使用を必要とする連接部は、建築物の内部から外部に空気が漏れることが可能な連接部であり、複数のパネルが90度の角度で連結あるいは接続される部分、パネルが床あるいは基礎に連結される部分、窓あるいはドアフレームが内部フレームあるいは床に接続される部分、パネルが内部フレームに接続される部分などを含む。
【0066】
膜及びテープは、気密を達成する最初の方法としては効果的ではない、なぜならば、建築物の好適な実施形態の壁は、仕上げのためにしっくいの設置を必要としないからである。膜及びテープは、それらをカバーするために、本発明の好適な実施形態が避けようとしている値段や時間の消費を伴うしっくいや他の形態の板張りあるいは仕上げの設置を必要とするであろう。加えて、伝統的に気密のために使われるテープは、建築物の部品、特に鉄の部品の動きに耐えられないであろう。
【0067】
追加の気密層として、ブチルシールあるいはコーキングなどのテープあるいは封止材も、好ましくは建築物の住人あるいは外部から見えない部分に、適用することができる。テープは伸縮可能な発泡体テープであることが好ましい。これは、断熱材及び防水板が窓あるいはドアの接続部あるいは壁の角などのジョイントの周りに設置される前に行われる。もし必要なら、追加の封止材あるいはコーキングが、建築物のジョイント、例えば、パネル間のジョイント、床と壁のの間のジョイント、窓とフレームの間のジョイント、あるいはフレームと壁パネルの間のジョイントなどの外部あるいは内部に適用可能である。
【0068】
さらに、2つ以上の部品が建築物の角を構成している部分では、発泡体パネルあるいは伸縮可能な発泡体の形態の断熱充填材が、角部を断熱し、気密層を提供するように、これらの部品の端部の間に伸びるように適用されてもよい。これらの部品は、壁、パネル、窓あるいはドアと同様に、支持支柱、梁、足場を含む構造フレーム、サブフレームあるいは基礎の一部を含むことができる。追加のコーキング、封止、膜あるいは防水板が、追加の気密性、及び/あるいは防水を加えるために適用可能である。
【0069】
換気装置が、新鮮な空気を提供し、気温を制御するために使われてもよく、もし建築物が気密あるいは実質的に気密な場合には、必要とされるであろう。
【0070】
本発明のさらなる例では、建築物に用いられるサンドウィッチパネルが提供され、そのパネルは、金属で形成されその一部が前記建築物の他の部品と接するように構成された少なくとも1つの表面を備え、前記一部が少なくとも1つの溝を有し、前記溝が前記パネルの前記一部に沿っての前記溝を横切る方向の熱伝導を阻止するように構成されている。好ましくは、前記一部は、ほぼ平行に隣り合った2つの溝を有する。
【0071】
窓及びドアの開口および日よけ対策の位置とサイズが、パッシブハウス計画パッケージ(Passive House Planning Package (PHPP) )計算ソフトの中のパッシブハウス研究計算あるいは他の建築物理モデル化プログラムに従って設計されることは有利である。
【0072】
建築物の事前設計されたシステムが、気候、向き、サイズ、形状、あるいは他の関連する要因に柔軟に対応でき、建築物がパッシブハウスの原則に合致するように、建築物のパネルの厚さ、窓のガラスの構造あるいは位置及びサイズなどの要素を変更することにより建築物の設計を適合させるように、本発明のどの実施形態の建築物のためにも、PHPPあるいは他の建築物理計算ソフトあるいはプログラムを、提案された建築物の性能をモデル化するために用いることは有利である。
【0073】
断熱サンドウィッチパネルは好ましくは、非構造的である。非構造的なパネルは、多層構造の建築物を容易に建設することを可能にし、それぞれのフロアレベルで潜在的に生じる熱ブリッジを防ぎつつ、壁の高さ方向に連続的な断熱を提供する。
【0074】
建築物の接続点は、様々なフレーム、パネル、窓、ドア、床、下張り床要素の間であり得る。
【0075】
フレームは、好ましくは中空断面の鉄材から作られ、完成された建築物の内面に露出した状態にされてもよいように、有利には適切に仕上げられている。あるいは、フレームは木材から作られてもよい。建築システムの好ましい実施形態は、熱ブリッジを未然に防ぐか防止し、これにより、連続的な断熱の高度な標準に合致し、有利には、その点でパッシブハウスの要求に合致することができる。,
【0076】
配線は、梁の上あるいは下を走ることができ、あるいは、梁の中の通路あるいは導管を通して配置されてもよい。導管は、ワイヤを内蔵するために梁の上あるいは下に配置され得る。典型的には、少なくとも1つの梁は、人が前記少なくとも1つの梁の上を簡単には見ることが出来ないように、人の頭の高さである。配線は、支持支柱の中の通路あるいは導管を通して配置されてもよい。支持支柱は、好ましくは、一連の穴が予め形成されており、配線は、電源、スイッチへの接続、コンピュータへの接続、電灯などへの接続のために、その穴から引き出される。穴は、配線が床を通して上方に導かれるように床の中に設けられてもよい。配線は、潜在的に、支持支柱の開いた下端を通して上方に導かれる。フレームが組み立てられるとき、一連の穴は、配線の設置と引き出しのために決められた位置に予めあけられていることが好ましい。梁及び支柱は、現場に搬入される前に塗装され仕上げられるように、フレームの事前組み立ての時点で穴が予めあけられていることが好ましいが、望みの位置で配線を引き出すために現場で容易に穴をあけることも出来る。
【0077】
断熱パネルは、建築物を仕上げるために追加の層を必要としないように、好ましくは、内面及び外面の両方が予め仕上げられている。外面は、好ましくは鉄で覆われ、典型的には、ペンキ及び/または、亜鉛/アルミニウム合金でコーティングされている。内面もまた、好ましくは鉄で覆われ、典型的には、ペンキ及び/または、亜鉛/アルミニウム合金でコーティングされている。内層と外層の間は、断熱材料であり、最も好ましくは、パネルの幅、高さを横切って途切れず、連続的な断熱を提供する、独立気泡ポリイソシアヌレートなどの堅い熱硬化性のプラスチック発泡体である。パネルは、フレームを建築物の内部に完全に保持することにより、完全に熱ブリッジが最小になるか防がれるように、互いに突き当てられる。フレームは有利には、壁パネルがどの床の断熱材とも重なり、床あるいは下張り構造あるいは厚板の外部に位置することにより、連続的な断熱を形成するようにしつつ、床の下張り構造あるいは厚板の上に設置される。好ましくは、Foamglas (登録商標)あるいはTarecpir (登録商標)などの高い圧縮強度を有する断熱材料が、フレーム、特にフレームの支柱と下張り構造あるいは厚板との間に装着され得る。もし建築物が切り株状の足場の上に位置する場合は、床の下張り構造は、その下にパネルあるいは、もし床の断熱材が不要であるならば、床の断熱材の下の足場との最小の熱ブリッジ接続を可能にしつつ、気密層が配置される根太から構成されてもよい。もし、根太が床の断熱材の下に位置する場合は、Foamglas (登録商標)あるいはTarecpir (登録商標)などの断熱材が根太と内部フレームの間に含まれるかもしれない。
【0078】
パネルは、好ましくは、フレームおよび建築物の内部全体を断熱し、どのような熱ブリッジも防ぐように、床内のどの断熱材の最下位置をも通り越して下に延びる。
【0079】
内部フレームは、好ましくは、その内部に窓及び/またはドアが設置されるフレームを生成し、窓及び/またはドアの支持を提供する。そのため、パネルが窓/ドア及び床の下張り構造あるいは厚板の外部に配置されつつ、窓が、厚板の縁と整列されながら、床の上に配置されるように、床の下張り構造あるいは厚板フレーム部材と整列されることは、有利である。
【0080】
断熱パネルと接続部の周りの断熱材料は、建築物の開口部の間の窓/ドアの周りの連続的な断熱層を提供する。
【0081】
多層構造の建築物に対して、建築物の全ての層を通り越す外部壁の連続的な断熱を提供するために、パネルが配置される。
【0082】
断熱パネルは、また、好ましくは屋根に使用され、それが内部フレームの上部に配置されることで、再びどんな熱ブリッジも防がれる。
【0083】
いくつかの実施形態によれば、オプションとして余分な層が内部的にあるいは外部的に追加されることが可能である一方で、配線がフレームの内部および周囲に一体化されるので、全ての壁の上で、配線を隠すためにこれらの追加の層を用いる必要性は全くない。
【0084】
好ましくは断熱発泡体パネルあるいは伸縮発泡体の形式である追加の断熱層は、パネルの縁、露出されたフレーム、建築物の外部角部、窓あるいはドアの縁の上のどんな隙間も断熱するために用いられる。追加の防水板及び縁取りは、防水のため、建築物を仕上げ、外見を良くするために用いられてもよい。この断熱、縁取り及び防水板は、窓/ドアの変更あるいは保守のため、あるいは建築物の角部を通る配線の追加の改造のためのアクセスのために、容易に移動され、取り外される。露出された領域は、その後、容易に再断熱され、防水板を再設置されることが可能である。
【0085】
いくつかの実施形態によれば、低い伝熱性の堅い断熱片あるいは材料が、熱ブリッジを除きつつ、外部日よけ装置及びフレームのための構造的支持を提供するために、窓フレームあるいは構造フレームの外部に追加されてもよい。
【0086】
建築物の要素の間及び建築物の内部および外部の間の接続および隙間は、
建築物へのあるいは建築物からの空気及び蒸気の出入りを防ぐために十分に封止される。好ましくは、建築物を封止するために用いられる材料は、建築物の内部から見えず、且つそれを隠すためのしっくいあるいは他の材料を必要としない。
【0087】
1つの実施形態によれば、フレームの外部縁及び床あるいは下張り床の縁は、建築物の内部を封止するために、柔軟性のある切片あるいはテープのような適切な材料で効果的に覆われるか、あるいは柔軟性のある封止材が適用される。そのような材料のいくつかは、パネルが設置される前に設置されてもよい。そのような材料のいくつかは、全ての潜在的な空気及び蒸気の隙間が封止されるように、パネルが設置された後で、且つ窓及びドアが設置される前後において設置されてもよい。
【0088】
より小さい建築物では、フレームは、好ましくは、より大きい建築物を作るために互いに接続される一連のポッド(一区切り)あるいは一連のポッドフレームを備える。追加のポッドあるいは建築物の部品は、もし、もともとの建築物の拡張が望まれる場合には、後の過程で追加され得る。
【0089】
それぞれのポッドは、廊下により分離され、断熱パネル、あるいは他の材料がポッドの間の内部壁として用いられ、それにより廊下は、ポッドの間の音響的緩衝を提供する。
【0090】
有利には、全てのフレームシステムを横切って、設定された高さに位置決めされ得る内部梁が存在する。この梁は、配線をまとめるために用いられることが望ましい。この梁は、好ましくは、床レベルから2.4m程度の高さである。あるいは、その梁は、床から2.4mよりも低い高さであり得る。
【0091】
床のレベルから2.4mの高さの梁は、合板あるいはしっくいなどの室内の内張りパネルの一般的な高さと一貫性があり、したがって、そのようなパネルを切る時間及び労働及び無駄材を削減する。
【0092】
有利には、電灯システムは、パネルに穴をあけることなく、梁の内部、あるいは梁に沿った、あるいは梁の上の配線に接続されてもよい。いくつかの実施形態によれば、電灯は、梁の上あるいは下、あるいは梁に沿った、あるいは支柱に沿ったチューブラー電灯、梁の中の穴あるいは梁の穴からつり下げられたケーブルに取り付けられるペンダントあるいは吊り電灯、及び梁あるいは支柱に取り付けられた固定アームあるいは可動アームに装着されたライトのどのような組み合わせも含む。
【0093】
いくつかの実施形態によれば、建築物のエネルギー効率を最大限にし、国際パッシブハウス標準に適合させるように、気密性及び蒸気密のバリアが適用され、熱回収ユニットあるいは換気ユニットが設置される。
【0094】
いくつかの実施形態によれば、熱ブリッジを生成することなくパッシブハウス標準に適合させるように、外部フレーム方法により、日よけが、暑い日の過熱を避けるか最小限にするために提供される。
【0095】
建築物は、建築物の内部が実質的に気密で外部から断熱されたパッシブハウス建築物であり得る。
【0096】
本発明がよりはっきり理解されるように、添付の図面を参照して、限定されない例をあげて、好適な実勢形態について説明する。