特許第6751531号(P6751531)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6751531
(24)【登録日】2020年8月19日
(45)【発行日】2020年9月9日
(54)【発明の名称】コンバインの原動部構造
(51)【国際特許分類】
   A01D 41/12 20060101AFI20200831BHJP
   A01D 67/00 20060101ALI20200831BHJP
   B60K 11/04 20060101ALI20200831BHJP
   B60K 11/06 20060101ALI20200831BHJP
   B60K 15/01 20060101ALI20200831BHJP
   F01P 5/06 20060101ALI20200831BHJP
   F01P 5/02 20060101ALI20200831BHJP
   F01P 3/18 20060101ALI20200831BHJP
   F01P 7/04 20060101ALI20200831BHJP
   F01P 7/12 20060101ALI20200831BHJP
   F01P 11/10 20060101ALI20200831BHJP
   F01P 11/12 20060101ALI20200831BHJP
【FI】
   A01D41/12 E
   A01D67/00 C
   B60K11/04 D
   B60K11/06
   B60K15/01 Z
   F01P5/06 510A
   F01P5/02 G
   F01P5/02 H
   F01P3/18 G
   F01P7/04 J
   F01P7/12 C
   F01P11/10 J
   F01P11/12 F
   F01P11/12 G
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-145059(P2017-145059)
(22)【出願日】2017年7月27日
(65)【公開番号】特開2019-24355(P2019-24355A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2019年5月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】特許業務法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 靖
(72)【発明者】
【氏名】上路 嘉隆
(72)【発明者】
【氏名】村本 恭平
【審査官】 大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−111468(JP,A)
【文献】 特開2013−247908(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0284419(US,A1)
【文献】 特開2010−285902(JP,A)
【文献】 特開2010−220532(JP,A)
【文献】 特開2016−154513(JP,A)
【文献】 実開昭53−003344(JP,U)
【文献】 特開平04−252731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 41/12
A01D 67/00
B60K 11/00−15/10
F01P 1/00−11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンルーム(6)に内装されたエンジン(E)の外側にラジエータ(30)を設け、該ラジエータ(30)の外側に濾過体(9A)を設けたコンバインの原動部構造であって、
前記エンジン(E)とラジエータ(30)の間に、正回転状態で外気を前記濾過体(9A)の外側からエンジンルーム(6)内に吸引し、逆回転状態では前記濾過体(9A)の内側から外側へ送風する複数の電動ファン(40)を設け、
前記ラジエータ(30)の外側上部に、作動オイルを冷却する第1オイルクーラ(32)を設け、前記ラジエータ(30)の外側下部に、作動オイルを冷却する第2オイルクーラ(33)を設け、該第2オイルクーラ(33)の外側に、前記エンジン(E)に供給される燃焼用の混合気体を冷却するインタクーラ(35)を設け、機体側面視において、前記第2オイルクーラ(33)の前側に、前記エンジン(E)に供給される燃料を冷却する燃料クーラ(34)を設け、
前記電動ファン(40)を、第1電動ファン(41)と第2電動ファン(42)と第3電動ファン(43)で構成し、
機体側面視で、前記第1電動ファン(41)の回転軸を第1オイルクーラ(32)に重なる位置に設け、前記第2電動ファン(42)の回転軸を第2オイルクーラ(33)に重なる位置に設け、前記第3電動ファン(43)の回転軸を燃料クーラ(34)の近傍に設け、
前記ラジエータ(30)の冷却水の温度に応じて、第1電動ファン(41)と第2電動ファン(42)と第3電動ファン(43)の回転速度を増減速制御する構成とし、
前記第1オイルクーラ(32)のオイルの温度に応じて第1電動ファン(41)の回転速度を増減速制御し、前記第2オイルクーラ(33)のオイルの温度に応じて第2電動ファン(42)の回転速度を増減速制御し、前記燃料クーラ(34)の燃料の温度とインタクーラ(35)を循環する混合気体の温度に応じて第3電動ファン(43)の回転速度を増減速制御する構成としたコンバインの原動部構造。
【請求項2】
機体側面視で前記電動ファン(40)の回転域の一部がエンジン(E)の外側に位置する構成とした請求項1記載のコンバインの原動部構造。
【請求項3】
前記第3電動ファン(43)の回転軸を、上下方向において、前記第1電動ファン(41)の回転軸と第2電動ファン(42)の回転軸の間の位置に設けた請求項1又は23記載のコンバインの原動部構造。
【請求項4】
前記電動ファン(40)を、前記エンジン(E)とラジエータ(30)の間に換えて、前記濾過体(9A)が設けられたエンジンルームカバー(9)の内側であって、前記インタークーラ(35)よりも外側に設けた請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバインの原動部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインの原動部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のコンバインの原動部は、エンジンルーム内に搭載されたエンジンとラジエータの間に、外気をエンジンルーム内に吸引する冷却ファンを設け、エンジンの出力回転を冷却ファンに伝動して回転させる構成である。
また、特許文献1には、エンジンとラジエータの間に設けた冷却ファンとは別に、ラジエータと、このラジエータの外側に設けられた濾過体(防塵網)との間に、濾過体の内側から外側へ塵埃除去用の風を送風する単一の電動ファンを設ける技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010―220532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された技術では、ラジエータと濾過体との間に設けられた電動ファンが単一の小径のファンであるため、送風範囲が狭く、濾過体に広範囲に付着した塵埃を十分に除去することができない。
また、エンジンやラジエータの温度に応じてファンの回転速度を任意に設定することができないので、エンジンやラジエータの冷却効率が低く、エンジンのオーバーヒートや出力低下を来たしやすくなる問題がある。
なお、特許文献1には、この電動モータを正転駆動してラジエータおよびエンジンを冷却する技術思想は存しない。
【0005】
そこで、本発明の課題は、エンジンやラジエータを効率良く冷却できるコンバインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
すなわち、請求項1記載の発明は、エンジンルーム(6)に内装されたエンジン(E)の外側にラジエータ(30)を設け、該ラジエータ(30)の外側に濾過体(9A)を設けたコンバインの原動部構造であって、
前記エンジン(E)とラジエータ(30)の間に、正回転状態で外気を前記濾過体(9A)の外側からエンジンルーム(6)内に吸引し、逆回転状態では前記濾過体(9A)の内側から外側へ送風する複数の電動ファン(40)を設け、
前記ラジエータ(30)の外側上部に、作動オイルを冷却する第1オイルクーラ(32)を設け、前記ラジエータ(30)の外側下部に、作動オイルを冷却する第2オイルクーラ(33)を設け、該第2オイルクーラ(33)の外側に、前記エンジン(E)に供給される燃焼用の混合気体を冷却するインタクーラ(35)を設け、機体側面視において、前記第2オイルクーラ(33)の前側に、前記エンジン(E)に供給される燃料を冷却する燃料クーラ(34)を設け、前記電動ファン(40)を、第1電動ファン(41)と第2電動ファン(42)と第3電動ファン(43)で構成し、機体側面視で、前記第1電動ファン(41)の回転軸を第1オイルクーラ(32)に重なる位置に設け、前記第2電動ファン(42)の回転軸を第2オイルクーラ(33)に重なる位置に設け、前記第3電動ファン(43)の回転軸を燃料クーラ(34)の近傍に設け、
前記ラジエータ(30)の冷却水の温度に応じて、第1電動ファン(41)と第2電動ファン(42)と第3電動ファン(43)の回転速度を増減速制御する構成とし、
前記第1オイルクーラ(32)のオイルの温度に応じて第1電動ファン(41)の回転速度を増減速制御し、前記第2オイルクーラ(33)のオイルの温度に応じて第2電動ファン(42)の回転速度を増減速制御し、前記燃料クーラ(34)の燃料の温度とインタクーラ(35)を循環する混合気体の温度に応じて第3電動ファン(43)の回転速度を増減速制御する構成としたコンバインの原動部構造である。
【0007】
請求項2記載の発明は、機体側面視で前記電動ファン(40)の回転域の一部がエンジン(E)の外側に位置する構成とした請求項1記載のコンバインの原動部構造である。
【0008】
【0009】
請求項記載の発明は、前記第3電動ファン(43)の回転軸を、上下方向において、前記第1電動ファン(41)の回転軸と第2電動ファン(42)の回転軸の間の位置に設けた請求項1又は2記載のコンバインの原動部構造である。
【0010】
請求項記載の発明は、前記電動ファン(40)を、前記エンジン(E)とラジエータ(30)の間に換えて、前記濾過体(9A)が設けられたエンジンルームカバー(9)の内側であって、前記インタークーラ(35)よりも外側に設けた請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバインの原動部構造である。
【0011】
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、エンジン(E)とラジエータ(30)の間に、正回転状態で外気を濾過体(9A)の外側からエンジンルーム(6)内に吸引し、逆回転状態では濾過体(9A)の内側から外側へ送風する複数の電動ファン(40)を設け、
ラジエータ(30)の外側上部に、作動オイルを冷却する第1オイルクーラ(32)を設け、ラジエータ(30)の外側下部に、作動オイルを冷却する第2オイルクーラ(33)を設け、該第2オイルクーラ(33)の外側に、エンジン(E)に供給される燃焼用の混合気体を冷却するインタクーラ(35)を設け、機体側面視において、第2オイルクーラ(33)の前側に、エンジン(E)に供給される燃料を冷却する燃料クーラ(34)を設け、電動ファン(40)を、第1電動ファン(41)と第2電動ファン(42)と第3電動ファン(43)で構成し、機体側面視で、第1電動ファン(41)の回転軸を第1オイルクーラ(32)に重なる位置に設け、第2電動ファン(42)の回転軸を第2オイルクーラ(33)に重なる位置に設け、第3電動ファン(43)の回転軸を燃料クーラ(34)の近傍に設け、
ラジエータ(30)の冷却水の温度に応じて、第1電動ファン(41)と第2電動ファン(42)と第3電動ファン(43)の回転速度を増減速制御する構成とし、
第1オイルクーラ(32)のオイルの温度に応じて第1電動ファン(41)の回転速度を増減速制御し、第2オイルクーラ(33)のオイルの温度に応じて第2電動ファン(42)の回転速度を増減速制御し、燃料クーラ(34)の燃料の温度とインタクーラ(35)を循環する混合気体の温度に応じて第3電動ファン(43)の回転速度を増減速制御する構成としたので、複数の電動ファン(40)の正回転による広範囲にわたる吸引風によって、エンジン(E)とラジエータ(30)を効率良く冷却できる。また、複数の電動ファン(40)を逆回転状態とすることで、濾過体(9A)を広範囲にわたって清掃でき、塵埃を除去して濾過体(9A)の通気面積を確保し、エンジン(E)の冷却効果を高め、エンジン(E)のオーバーヒートや出力低下を防ぎ、作業能率を高めることができる。
第1電動ファン(41)で第1オイルクーラ(32)を、第2電動ファン(42)で第2オイルクーラ(33)を、第3電動ファン(43)で燃料クーラ(34)を、それぞれ効率良く冷却できる。
また、ラジエータ(30)の温度が上昇した場合に、ラジエータ(30)を迅速に冷却できる。
さらに、第1オイルクーラ(32)と、第2オイルクーラ(33)と、燃料クーラ(34)の温度を適正な温度に維持することが可能となる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明による効果に加えて、機体側面視で電動ファン(40)の回転域の一部がエンジン(E)の外側に位置する構成としたので、電動ファン(40)で吸引された外気をエンジン(E)に向けて効率良く送風でき、エンジン(E)をより効率よく冷却できる。
【0014】
【0015】
請求項記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明による効果に加えて、第3電動ファン(43)の回転軸を、上下方向において、第1電動ファン(41)の回転軸と第2電動ファン(42)の回転軸の間の位置に設けたので、第3電動ファン(43)で吸引された外気が、第1電動ファン(41)と第2電動ファン(42)で吸引された外気と干渉しにくくなり、エンジン(E)に向かって効率良く送風でき、エンジン(E)をさらに効率良く冷却できる。
【0016】
請求項記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、電動ファン(40)を、エンジン(E)とラジエータ(30)の間に換えて、濾過体(9A)が設けられたエンジンルームカバー(9)の内側であって、インタークーラ(35)よりも外側に設けたので、電動ファン(40)の保守・交換をより容易に行うことができる。
【0017】
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】コンバインの左側面図である。
図2】コンバインの右側面図である。
図3】エンジンルームの正面図である。
図4】エンジンルームの右側面図である。
図5】エンジンルームの平面図である。
図6】第1実施形態のファンを説明する(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は正面図である。
図7】コントローラの接続図である。
図8】第2実施形態の電動ファンを説明する(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は正面図である。
図9】第2実施形態の電動ファンを(a)は右下がり姿勢にした正面図、(b)は左下がり姿勢にした正面図である。
図10】第2実施形態の電動ファンを後左側傾斜姿勢と、電動ファンを後右側傾斜姿勢にした平面図である。
図11】第3実施形態のファンを説明する(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は正面図である。
図12】第4実施形態のファンを説明する(a)は右側面図、(b)は正面図である。
図13】第5実施形態のファンを説明する(a)は右側面図、(b)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明について図面を参照しつつ説明する。なお、操縦者から見て、前方を前側、後方を後側、右手側を右側、左手側を左側として便宜的に方向を示して説明する。
【0020】
図1,2に示すように、コンバインは、機体フレーム1の下側に土壌面を走行する左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の前側に圃場の穀稈を刈取る刈取装置3が設けられ、刈取装置3の後側左部に刈取られた穀稈を脱穀・選別処理する脱穀装置4が設けられ、刈取装置3の後側右部に操縦者が搭乗する操縦部5が設けられている。
【0021】
操縦部5の下側にはエンジンEを搭載するエンジンルーム6が設けられ、操縦部5の後側には脱穀・選別処理された穀粒を貯留するグレンタンク7が設けられ、グレンタンク7の後側に穀粒を外部に排出する上下方向に延在する縦排出筒と前後方向に延在する横排出筒からなる排出オーガ8が設けられている。
【0022】
図3〜5に示すように、エンジンEで燃焼された排気ガスは、エンジンEの後側に設けられた排気浄化装置20によって排気ガス中の不純物が浄化された後に外部に排気される。
【0023】
排気浄化装置20は、排気ガス中の未燃焼ガスを酸化する触媒であるDOC21と、DOC21から排気された排気ガス中の窒素酸化物を尿素水溶液(以下、尿素水と言う。)から発生するアンモニアで還元して浄化するSCR触媒22から構成されている。
【0024】
エンジンEの排気口とDOC21の下部に形成された排気ガスの流入口は、可撓性の部分を有する接続管11で接続され、DOC21の上部に形成された排気ガスの流出口とSCR触媒22の後部に形成された流入口は、両端部に可撓性の部分を有する接続管12で接続されている。また、接続管12の上流部には、接続管12内に尿素水を噴射する噴射装置23が設けられ、噴射装置23の後方には、ホース13を介して噴射装置23に尿素水を供給する供給装置24が設けられ、供給装置24の後方には、ホース14を介して供給装置24に供給される尿素水を貯留する尿素水タンク25が設けられている。
【0025】
エンジンEとエンジンルーム6のエンジンルームカバー9の間には、エンジンEに供給される冷却水を冷却するラジエータ30が設けられている。また、ラジエータ30の外周には、ラジエータ30からエンジンEに向かって延在する薄い鉄板から形成されたシュラウド31が設けられている。
【0026】
ラジエータ30における前後方向の中間部の上側部位の右側には、刈取装置3を昇降させる昇降シリンダに供給される作動オイルを冷却する第1オイルクーラ32が設けられ、ラジエータ30における前後方向の後部の下側部位の右側には、走行装置2のトランスミッションに供給される作動オイルを冷却する第2オイルクーラ33が設けられ、第2オイルクーラ33の前側には所定の間隔を隔ててエンジンEに供給される燃料を冷却する燃料クーラ34が設けられている。
【0027】
第2オイルクーラ33の右側には、エンジンEに供給される燃焼用の混合気体を冷却するインタクーラ35が設けられている。機体右側側面視において、インタクーラ35における前後方向の中間部の上側部位は、第1オイルクーラ32の下部に重なり、インタクーラ35における前後方向の前部の下側部位は、燃料クーラ34の後部に重なって設けられている。
【0028】
インタクーラ35の右側上方には、操縦部5の空調機器に供給される冷却媒体を冷却するコンデンサ36が設けられている。機体右側側面視において、コンデンサ36の下部は、インタクーラ35の上部に重なって設けられている。なお、本明細書では、ラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、第2オイルクーラ33と、燃料クーラ34と、インタクーラ35と、コンデンサ36を総称して、便宜的に冷却装置Aと言う。
【0029】
<第1実施形態>
エンジンルーム6に軸流ファンである電動ファン40を設けた第1実施形態について説明する。図6に示すように、電動ファン40は、シュラウド31の機体内側に位置する左面に支持部材を介して取付けられている。なお、電動ファン40の回転速度や回転方向は、コントローラ10によって切替えられる。これにより、エンジンEの出力軸の回転速度に関係なくファン40の回転速度を設定することができる。また、電動ファン40固定用の部材を設ける必要もなく部品点数を削減することもできる。
【0030】
電動ファン40を正転方向に回転させた正回転状態の場合は、エンジンルームカバー9に設けられた濾過体9Aを介してエンジンルーム6内に外気を吸引してラジエータ30等を冷却することができる。また、吸引された外気をエンジンEに向けて送風してエンジンEを冷却することができる。一方、電動ファン40を逆転方向に回転させた逆回転状態の場合には、エンジンEによって暖められた空気(以下、「内気」と言う。)をエンジンルームカバー9の外側に向けて排出してエンジンルームカバー9の濾過体9Aに付着した藁屑等の塵埃を除去することができる。
【0031】
第1実施形態の電動ファン40は、第1電動ファン41と、第2電動ファン42と、第3電動ファン43から形成されている。なお、第1電動ファン41と、第2電動ファン42と、第3電動ファン43の羽根部の外径は同一径に形成されている。
【0032】
機体右側面視で第1電動ファン41の回転軸は、ラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、コンデンサ36上に位置し、機体右側面視で第1電動ファン41の羽根部の回転域は、ラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、インタクーラ35と、コンデンサ36に重なっている。これにより、第1電動ファン41を正転方向に回転させた場合は、外気を吸引してラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、インタクーラ35と、コンデンサ36を冷却することができ、特に、第1電動ファン41の羽根部との重なり部分が多いラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、コンデンサ36を効率良く冷却することができる。
【0033】
機体右側面視で、第2電動ファン42の回転軸は、ラジエータ30と、第2オイルクーラ33と、インタクーラ35に重なる部位に位置し、機体右側面視で第2電動ファン42の羽根部の回転域は、ラジエータ30と、第2オイルクーラ33と、インタクーラ35に重なっている。これにより、第2電動ファン42を正転方向に回転させた場合は、外気を吸引してラジエータ30と、第2オイルクーラ33と、インタクーラ35を冷却することができる。
【0034】
機体右側面視で、第3電動ファン43の回転軸は、ラジエータ30と、インタクーラ35に重なる部位に位置し、機体右側面視で第3電動ファン43の羽根部の回転域は、ラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、燃料クーラ34と、インタクーラ35と、コンデンサ36に重なっている。これにより、第3電動ファン43を正転方向に回転させた場合は、外気を吸引してラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、燃料クーラ34と、インタクーラ35と、コンデンサ36を冷却することができ、特に、第3電動ファン43の羽根部の回転域との重なり部分が多いラジエータ30と、燃料クーラ34と、インタクーラ35を効率良く冷却することができる。
【0035】
図4に示すように、機体右側面視で第1電動ファン41の羽根部の回転域と第2電動ファン42の羽根部の回転域は、エンジンEの外周部よりも後側に延出して設けられている。これにより、第1電動ファン41と第2電動ファン42によって吸引された外気がエンジンEに向かって効率的に送風されてエンジンEを効率良く冷却することができる。また、図6に示すように、上下方向において、第3電動ファン43の回転軸は、第1電動ファン41の回転軸と第2電動ファン42の回転軸の間の中心に位置している。これにより、第3電動ファン43で吸引された外気が、第1電動ファン41と第2電動ファン42で吸引された外気によって妨害されずエンジンEに向かって効率良く送風することができる。
【0036】
図7に示すように、操縦部6に設けられたコントローラ10の入力側には、ラジエータ30を循環する冷却水の温度を測定する第1温度センサ30Aの測定値と、第1オイルクーラ32を循環するオイルの温度を測定する第2温度センサ32Aの測定値と、第2オイルクーラ33を循環するオイルの温度を測定する第3温度センサ33Aの測定値と、燃料クーラ34を循環する燃料の温度を測定する第4温度センサ34Aの測定値と、インタクーラ35を循環する混合気体の温度を測定する第5温度センサ35Aの測定値と、コンデンサ36を循環する冷却媒体の温度を測定する第6温度センサ36Aの測定値が所定の入力インターフェース回路を介して接続されている。一方、コントローラ10の出力側には、第1電動ファン41と、第2電動ファン42と、第3電動ファン43が所定の出力インターフェース回路を介して接続されている。
【0037】
コントローラ10は、第1温度センサ30Aの測定値が所定の温度よりも低い場合は、第1電動ファン41と、第2電動ファン42と、第3電動ファン43の回転を自動的に停止し、第1温度センサ30Aの測定値が所定の温度を超えて高い場合には、第1電動ファン41と、第2電動ファン42と、第3電動ファン43を回転させる。また、第1温度センサ30Aの測定値と所定の温度の温度差に応じて第1電動ファン41と、第2電動ファン42と、第3電動ファン43の回転速度の増速ないし減速を自動的に行う。これにより、ラジエータ30を効率良く冷却することができる。
【0038】
また、コントローラ10は、第2温度センサ32Aの測定値と第6温度センサ36Aの測定値に応じて第1電動ファン41の回転速度の増速ないし減速を自動的に行い、第3温度センサ33Aの測定値と第5温度センサ35Aの測定値に応じて第2電動ファン42の回転速度の増速ないし減速を自動的に行い、第4温度センサ34Aの測定値と第5温度センサ35Aの測定値に応じて第3電動ファン43の回転速度の増速および減速を自動的に行う。これにより、第1オイルクーラ32と、第2オイルクーラ33と、燃料クーラ34と、インタクーラ35と、コンデンサ36を効率良く冷却することができる。
【0039】
<第2実施形態>
エンジンルーム6に電動ファン40を設けた第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一部品と同一部材には、同一符号を付して説明を省略する。
【0040】
図8に示すように、電動ファン40は、エンジンルームカバー9の機体内側に位置する左面に支持部材を介して取付けられている。電動ファン40は、第1電動ファン41と、第2電動ファン42と、第3電動ファン43から構成され、第1電動ファン41と、第2電動ファン42と、第3電動ファン43の羽根部の外径は同一径に形成されている。これにより、電動ファン40の保守・交換をより容易に行うことができる。
【0041】
また、図9に示すように、第1電動ファン41をコンデンサ36の右面に支持部材50を介して取付け、第2電動ファン42をインタクーラ35の右面に支持部材51を介して取付けることができる。なお、この場合には、第3電動ファン43もインタクーラ35の右面に支持部材(図示省略)を介して取付けるのが好ましい。
【0042】
支持部材50の左部と支持部材51の開口部である中間部は、上下方向に延在する連結部材52に連結され、支持部材51の左部とモータ54の出力軸に設けられたクランク部材55は、連結部材53で連結されている。なお、モータ54は、インタクーラ35の右面に支持部材を介して取付けられている。
【0043】
図9(a)に示すようにモータ54の出力軸が反時計方向に回転してクランク部材55の先端部が下方に移動した場合は、第1電動ファン41と第2電動ファン42の上部が機体内側である左側に移動し、第1電動ファン41と第2電動ファン42の下部が機体外側である右側に移動した右下がり姿勢になる。一方、図9(b)に示すようにモータ54の出力軸が時計方向に回転してクランク部材55の先端部が上方に移動した場合には、第1電動ファン41と第2電動ファン42の上部が機体外側である右側に移動し、第1電動ファン41と第2電動ファン42の下部が機体内側である右側に移動した左下がり姿勢になる。
【0044】
これにより、モータ54を駆動して第1電動ファン41と第2電動ファン42の姿勢を変更することによって、第1電動ファン41と第2電動ファン42を正転方向に回転させた場合は、エンジンルームカバー9の濾過体9Aから外気を効率良く吸引することができる。また、第1電動ファン41と第2電動ファン42を逆転方向に回転させた場合には、エンジンルームカバー9の濾過体9Aに付着した塵埃を効率良く除去することができる。
【0045】
さらに、図10に示すように、第1電動ファン41をコンデンサ36の右面に支持部材60を介して取付け、第3電動ファン43をインタクーラ35の右面に支持部材61を介して取付けることができる。なお、この場合には、第2電動ファン42もインタクーラ35の右面に第3支持部材(図示省略)を介して取付けるのが好ましい。
【0046】
支持部材60の左部と支持部材61の開口部である中間部は、前後方向に延在する連結部材62に連結され、支持部材61の左部とモータ64の出力軸に設けられたクランク部材65は、連結部材63で連結されている。なお、モータ64は、インタクーラ35の右面に支持部材を介して取付けられている。
【0047】
モータ64の出力軸が反時計方向に回転してクランク部材65の先端部が前方に移動した場合は、第1電動ファン41と第3電動ファン43の前部が機体外側である右側に移動し、第1電動ファン41と第3電動ファン43の後部が機体内側である左側に移動した後左側傾斜姿勢になる。一方、モータ64の出力軸が時計方向に回転してクランク部材65の先端部が後方に移動した場合には、第1電動ファン41と第3電動ファン43の前部が機体内側である左側に移動し、第1電動ファン41と第3電動ファン43の後部が機体外側である左側に移動した後右側傾斜姿勢になる。
【0048】
これにより、モータ64を駆動して第1電動ファン41と第2電動ファン42の姿勢を変更することによって、第1電動ファン41と第2電動ファン42を正転方向に回転させた場合は、エンジンルームカバー9の濾過体9Aから外気を効率良く吸引することができる。また、第1電動ファン41と第2電動ファン42を逆転方向に回転させた場合には、エンジンルームカバー9の濾過体9Aに付着した塵埃を効率良く除去することができる。
【0049】
<第3実施形態>
エンジンルーム6に電動ファン40を設けた第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一部品と同一部材には、同一符号を付して説明を省略する。
【0050】
図11に示すように、電動ファン40は、エンジンルームカバー9の機体内側に位置する左面に支持部材を介して取付けられる第1電動ファン41と、第2電動ファン42と、第3電動ファン43と、ラジエータ30のシュラウド31の機体内側に位置する左面に支持部材を介して取付けられている第4電動ファン44と、第5電動ファン45から構成されている。
【0051】
第1電動ファン41と、第2電動ファン42と、第3電動ファン43の羽根部の外径は同一径に形成され、第4電動ファン44と、第5電動ファン45の羽根部の外径は同一径に形成され、第4電動ファン44と、第5電動ファン45の羽根部の外径は、第1電動ファン41と、第2電動ファン42と、第3電動ファン43の羽根部の外径よりも大きく形成されている。
【0052】
機体右側面視で第4電動ファン44の羽根部の回転域は、第1電動ファン41の回転域の前部および第3電動ファン43の回転域の上部と重なり、第5電動ファン45の羽根部の回転域は、第2電動ファン42の回転域および第3電動ファン43の回転域の下部後側に重なって設けられている。
【0053】
機体右側面視で、第4電動ファン44の回転軸は、ラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、コンデンサ36に重なる部位に位置し、機体右側面視で、第4電動ファン44の羽根部の回転域は、ラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、インタクーラ35と、コンデンサ36に重なっている。これにより、第4電動ファン44を正転方向に回転させた場合は、外気を吸引してラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、インタクーラ35と、コンデンサ36をより冷却することができ、特に、第4電動ファン44の羽根部の回転域との重なり部分が多いラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、コンデンサ36を効率良く冷却することができる。
【0054】
機体右側面視で、第4電動ファン44の回転域における前部上側の部位は、第1電動ファン41の回転域および第3電動ファン43の回転域と重ならない位置に設けられている。これにより、第4電動ファン44を正転方向に回転させた場合は、外気を吸引してラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、コンデンサ36をより均一に冷却することができる。
【0055】
機体右側面視で、第5電動ファン45の回転軸は、ラジエータ30と、第2オイルクーラ33と、インタクーラ35に重なる部位に位置し、機体右側面視で、第5電動ファン45の羽根部の回転域は、ラジエータ30と、第2オイルクーラ33と、インタクーラ35に重なっている。これにより、第5電動ファン45を正転方向に回転させた場合は、外気を吸引してラジエータ30と、第2オイルクーラ33と、インタクーラ35をより効率良く冷却することができる。
【0056】
機体右側面視で、第5電動ファン45における回転域の前部は、第2電動ファン42の回転域および第3電動ファン43の回転域と重ならない位置に設けられている。これにより、第5電動ファン45を正転方向に回転させた場合は、外気を吸引してラジエータ30と、インタクーラ35をより均一に冷却することができる。
【0057】
<第4実施形態>
エンジンルーム6に電動ファン40を設けた第4実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一部品と同一部材には、同一符号を付して説明を省略する。
【0058】
図12に示すように、電動ファン40は、ラジエータ30のシュラウド31の機体内側に位置する左面に支持部材を介して取付けられ第1電動ファン41および第2電動ファン42と、エンジンルームカバー9の機体内側に位置する左面に支持部材を介して取付けられる第3電動ファン43および第4電動ファン44から構成されている。
【0059】
第1電動ファン41と第2電動ファン42の羽根部の外径は同一径に形成され、第3電動ファン43と第4電動ファン44の羽根部の外径は同一径に形成され、第1電動ファン41および第2電動ファン42の羽根部の外径は、第3電動ファン43および第4電動ファン44の羽根部の外径よりも大きく形成されている。
【0060】
機体右側面視で、第1電動ファン41の羽根部は、第3電動ファン43と、第4電動ファン44の羽根部の外側に設けられ、第2電動ファン41の羽根部は、第3電動ファン43と、第4電動ファン44の羽根部の外側に設けられている。これにより、第1電動ファン41と、第2電動ファン42と、第3電動ファン43と、第4電動ファン44を正転方向に回転させた場合は、外気をより効率良く吸引して、ラジエータ30からエンジンEに向けて吸引された外気を送風することができる。また、第1電動ファン41と、第2電動ファン42と、第3電動ファン43と、第4電動ファン44を逆転方向に回転させた場合には、エンジンEで加熱された内気をより効率良くエンジンルームカバー9の外側に向かって排出して、エンジンルームカバー9の濾過体9Aに付着した塵埃を除去することができる。
【0061】
機体右側面視で、第1電動ファン41の回転軸は、ラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、コンデンサ36に重なる部位に位置し、第1電動ファン41の羽根部の回転域は、ラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、インタクーラ35と、コンデンサ36に重なっている。これにより、第1電動ファン41を正転方向に回転させた場合は、外気を吸引してラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、インタクーラ35と、コンデンサ36をより冷却することができ、特に、第1電動ファン41の羽根部との重なり部分が多いラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、コンデンサ36を効率良く冷却することができる。
【0062】
機体右側面視で、第2電動ファン42の回転軸は、ラジエータ30と、第2オイルクーラ33と、インタクーラ35に重なる部位に位置し、第2電動ファン42の羽根部の回転域は、ラジエータ30と、第2オイルクーラ33と、インタクーラ35に重なっている。これにより、第2電動ファン42を正転方向に回転させた場合は、外気を吸引してラジエータ30と、第2オイルクーラ33と、インタクーラ35をより効率良く冷却することができる。
【0063】
機体右側面視で、第3電動ファン43の回転軸は、ラジエータ30と、第1オイルクーラ32に重なる部位に位置し、第3電動ファン43の羽根部の回転域は、ラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、インタクーラ35と、コンデンサ36に重なっている。これにより、第3電動ファン43を正転方向に回転させた場合は、外気を吸引してラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、インタクーラ35と、コンデンサ36をより効率良く冷却することができ、特に、第3電動ファン43の羽根部の回転域との重なり部分が多いラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、コンデンサ36を効率良く冷却することができる。
【0064】
機体右側面視で、第4電動ファン44の回転軸は、ラジエータ30に重なる部位に位置し、第4電動ファン44の羽根部の回転域は、ラジエータ30と、燃料クーラ34と、インタクーラ35に重なっている。これにより、第4電動ファン44を正転方向に回転させた場合は、外気を吸引してラジエータ30と、燃料クーラ34と、インタクーラ35をより効率良く冷却することができる。
【0065】
<第5実施形態>
エンジンルーム6に電動ファン40を設けた第5実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一部品と同一部材には、同一符号を付して説明を省略する。
【0066】
図13に示すように、電動ファン40は、エンジンルームカバー9の機体内側に位置する左面に支持部材を介して取付けられる第1電動ファン41と、第2電動ファン42と、第3電動ファン43と、第4電動ファン44と、第5電動ファン45と、第6電動ファン46から構成されている。
【0067】
第1電動ファン41と、第2電動ファン42と、第3電動ファン43の羽根部の外径は同一径に形成され、第4電動ファン44と、第5電動ファン45と、第6電動ファン46の羽根部の外径は同一径に形成され、第1電動ファン41と、第2電動ファン42と、第3電動ファン43の羽根部の外径は、第4電動ファン44と、第5電動ファン45と、第6電動ファン46の羽根部の外径よりも大きく形成されている。
【0068】
機体右側面視で、第1電動ファン41の回転軸は、ラジエータ30等に重なる部位に位置し、第1電動ファン41の羽根部の回転域は、ラジエータ30等よりも上側に設けられている。これにより、第1電動ファン41を正転方向に回転させた場合は、第1電動ファン41によって吸引された外気が、エンジンルームカバー9からエンジンEに向かってラジエータ30等の上側を通って送風されて、エンジンEをより効率良く冷却することができる。
【0069】
機体右側面視で、第2電動ファン42の回転軸は、ラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、コンデンサ36に重なる部位に位置し、第2電動ファン42の羽根部の回転域は、ラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、インタクーラ35と、コンデンサ36に重なっている。これにより、第2電動ファン42を正転方向に回転させた場合は、外気を吸引してラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、インタクーラ35と、コンデンサ36をより効率良く冷却することができ、特に、第2電動ファン42の羽根部の回転域との重なり部分が多いラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、コンデンサ36を効率良く冷却することができる。
【0070】
機体右側面視で、第3電動ファン43の回転軸は、ラジエータ30と、第2オイルクーラ33と、インタクーラ35に重なる部位に位置し、第3電動ファン43の羽根部の回転域は、ラジエータ30と、第2オイルクーラ33と、インタクーラ35に重なっている。これにより、第3電動ファン43を正転方向に回転させた場合は、外気を吸引してラジエータ30と、第2オイルクーラ33と、インタクーラ35をより効率良く冷却することができる。
【0071】
機体右側面視で、第4電動ファン44の回転軸は、ラジエータ30等に重なる部位に位置し、第4電動ファン44の羽根部の回転域の下部は、ラジエータ30と、コンデンサ36の上部に臨んでいる。これにより、第4電動ファン44を正転方向に回転させた場合は、第4電動ファン44によって吸引された外気は、エンジンルームカバー9からエンジンEに向かってラジエータ30等の上側を通って送風されて、エンジンEをより効率良く冷却することができる。
【0072】
機体右側面視で、第5電動ファン45の回転軸は、ラジエータ30に重なる部位に位置し、第5電動ファン45の羽根部の回転域は、ラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、インタクーラ35と、コンデンサ36に重なっている。これにより、第5電動ファン45を正転方向に回転させた場合は、外気を吸引してラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、インタクーラ35と、コンデンサ36をより効率良く冷却することができ、特に、第3電動ファン43の羽根部との重なり部分が多いラジエータ30と、第1オイルクーラ32と、コンデンサ36を効率良く冷却することができる。
【0073】
機体右側面視で、第6電動ファン46の回転軸は、ラジエータ30と、燃料クーラ34に重なる部位に位置し、第6電動ファン46の羽根部の回転域は、ラジエータ30と、燃料クーラ34と、インタクーラ35に重なっている。これにより、第6電動ファン46を正転方向に回転させた場合は、外気を吸引してラジエータ30と、燃料クーラ34と、インタクーラ35をより効率良く冷却することができる。
【符号の説明】
【0074】
6 エンジンルーム
9A 濾過体
30 ラジエータ
32 第1オイルクーラ
33 第2オイルクーラ
34 燃料クーラ
40 電動ファン
41 第1電動ファン
42 第2電動ファン
43 第3電動ファン
E エンジン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13