【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ▲1▼ 発行日:平成28年7月22日、発行者名:ライオン株式会社 刊行物名:プレスリリース「発表資料」 商16−33号 ▲2▼ 公開日:平成28年7月22日、ウェブサイトのアドレス:http://www.lion.co.jp/ja/company/press/2016/1753 ▲3▼ 展示日:平成28年10月4日 展示会名:2016東京国際包装展 開催場所:東京ビックサイト 東ホール
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記台座部は、前記折り曲げ部において、前記台紙本体の一端側に第1折り曲げ線を介して延設され前記開口部が形成された前記上面板と、前記上面板の一端側に第2折り曲げ線を介して延設された前記前面板と、前記前面板の一端側に第3折り曲げ線を介して延設された前記底面板と、前記底面板の一端側に第4折り曲げ線を介して延設された前記背面板と、を含み、
前記側壁部は、前記底面板の側縁から所定距離離れた位置に各々形成された立設折り曲げ線と、前記第3折り曲げ線及び前記第4折り曲げ線を前記側縁から前記所定距離で切り離した切り離し線とで区画された部分を前記立設折り曲げ線で上方に折り曲げたときに、前記前面板と前記背面板とに係合し、
前記所定距離は、前記前面板の高さよりも短く、
前記流通孔は、前記側壁部の上端と前記上面板との間に前記所定の開口面積に規定されて形成されていることを特徴とする
請求項2記載の台紙付きシュリンクフィルム包装体。
前記台座部は、前記折り曲げ部において、前記台紙本体の一端側に第1折り曲げ線を介して延設され前記開口部が形成された上面板と、前記上面板の一端側に第2折り曲げ線を介して延設された前面板と、前記前面板の一端側に第3折り曲げ線を介して延設された底面板と、前記底面板の一端側に第4折り曲げ線を介して延設された背面板と、を含み、
前記側壁部は、前記底面板の側縁から所定距離離れた位置に各々形成された立設折り曲げ線と、前記第3折り曲げ線及び前記第4折り曲げ線を前記側縁から前記所定距離で切り離した切り離し線とで区画された部分を前記立設折り曲げ線で上方に折り曲げたときに、前記前面板と前記背面板とに係合し、
前記所定距離は、前記前面板の高さと略同一であり、
前記流通孔は、前記所定の開口面積に規定された、前記側壁部を貫通する貫通孔または切欠きであることを特徴とする
請求項2記載の台紙付きシュリンクフィルム包装体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載された包装体は、台座部の内部空間が側壁を形成する立設フラップ片によって閉塞されているため、台座部の上面に形成された開口部を介して内部空間に挿入した部分の被包装物およびシュリンクフィルムに対して熱風を吹き付けることが困難であり、十分にシュリンクできないという問題が生じる。
【0006】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、シュリンクに支障を来すことなく高級感を付与できる台紙付きシュリンクフィルム包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に従えば、被包装物が包装されるシュリンクフィルムが前面に取り付けられている台紙本体と、前記台紙本体の下側に延設された折り曲げ部を折り曲げて水平方向に延びる角筒状に形成され、前記シュリンクフィルムの下端部が挿入される開口部を有する上面板、前記シュリンクフィルムの下端部の前面を覆う前面板、底面板および背面板を少なくとも有する台座部と、前記折り曲げ部の一部が折り曲げられ、前記水平方向の一端側および他端側において前記台座部の内部空間の一部を閉塞するとともに、前記内部空間への気体の流通を可能とし所定の開口面積に規定された流通孔を形成する側壁部とを備えることを特徴とする台紙付きシュリンクフィルム包装体が提供される。
【0008】
また、上記本発明の一態様に係る台紙付きシュリンクフィルム包装体において、前記側壁部は、折り曲げられたときに前記内部空間に臨む少なくとも二面に係合することを特徴とする。
【0009】
また、上記本発明の一態様に係る台紙付きシュリンクフィルム包装体において、前記台座部は、前記折り曲げ部において、前記台紙本体の一端側に第1折り曲げ線を介して延設され前記開口部が形成された前記上面板と、前記上面板の一端側に第2折り曲げ線を介して延設された前記前面板と、前記前面板の一端側に第3折り曲げ線を介して延設された前記底面板と、前記底面板の一端側に第4折り曲げ線を介して延設された前記背面板と、を含み、前記側壁部は、前記底面板の側縁から所定距離離れた位置に各々形成された立設折り曲げ線と、前記第3折り曲げ線及び前記第4折り曲げ線を前記側縁から前記所定距離で切り離した切り離し線とで区画された部分を前記立設折り曲げ線で上方に折り曲げたときに、前記前面板と前記背面板とに係合し、前記所定距離は、前記前面板の高さよりも短く、前記流通孔は、前記側壁部の上端と前記上面板との間に前記所定の開口面積に規定されて形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、上記本発明の一態様に係る台紙付きシュリンクフィルム包装体において、前記台座部は、前記折り曲げ部において、前記台紙本体の一端側に第1折り曲げ線を介して延設され前記開口部が形成された上面板と、前記上面板の一端側に第2折り曲げ線を介して延設された前面板と、前記前面板の一端側に第3折り曲げ線を介して延設された底面板と、前記底面板の一端側に第4折り曲げ線を介して延設された背面板と、を含み、前記側壁部は、前記底面板の側縁から所定距離離れた位置に各々形成された立設折り曲げ線と、前記第3折り曲げ線及び前記第4折り曲げ線を前記側縁から前記所定距離で切り離した切り離し線とで区画された部分を前記立設折り曲げ線で上方に折り曲げたときに、前記前面板と前記背面板とに係合し、前記所定距離は、前記前面板の高さと略同一であり、前記流通孔は、前記所定の開口面積に規定された、前記側壁部を貫通する貫通孔または切欠きであることを特徴とする。
【0011】
また、上記本発明の一態様に係る台紙付きシュリンクフィルム包装体において、前記側壁部は、前記第4折り曲げ線よりも前記背面板側に突出する係止片を有し、前記背面板は、前記係止片が係止する係止口を有することを特徴とする。
【0012】
また、上記本発明の一態様に係る台紙付きシュリンクフィルム包装体において、シュリンクされた前記シュリンクフィルムに前記被包装物が包装されて前記開口部に挿入され、前記台紙本体に保持されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、シュリンクに支障を来すことなく高級感を付与できる台紙付きシュリンクフィルム包装体を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の台紙付きシュリンクフィルム包装体の実施の形態を、
図1ないし
図10を参照して説明する。
なお、以下の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
【0016】
[第1実施形態]
図1は、前面にシュリンクフィルムFが配置された第1実施形態に係る台紙付きシュリンクフィルム包装体1の外観斜視図である。
図2は、図示を省略したシュリンクフィルムFで被包装物Sが保持された台紙付きシュリンクフィルム包装体1の外観斜視図である。
【0017】
台紙付きシュリンクフィルム包装体1は、上下方向に延びる台紙本体10と、台紙本体10の下側に配置された台座部30と、台紙本体10の前面に接着されたシュリンクフィルムFとを有している。
【0018】
なお、以下では、台紙本体10と台座部30とが並ぶ方向を上下方向とし、台紙本体10の幅方向を水平方向(横方向)とし、台紙本体10にシュリンクフィルムFが接着される面を前面とし、台紙本体10の前面と逆側の面を背面として、各部材の形状や位置関係を説明する。ただし、これは、あくまで説明の便宜のために各方向を定義したものであって、本発明の台紙付きシュリンクフィルム包装体の設置姿勢を限定するものではない。
【0019】
台座部30は、台紙本体10の下側に延設された折り曲げ部40を折り曲げることにより、水平方向に延びる四角筒状に形成されている。台座部30は、上方に開口する開口部31aを有する上面板31と、前面板32と、底面板33と背面板34とによって形成されている。
【0020】
図3は、台紙本体10および折り曲げ部40を有し、折り曲げ部40が折り曲げられる前のブランク状態の台紙20を示す平面図である。
台紙20は、台紙本体10と折り曲げ部40とが横方向に横断する第1折り曲げ線41によって区画されている。折り曲げ部40は、第1折り曲げ線41を介して台紙本体10の下側に同一幅で延設されている。台紙20を構成する材料は特には限定されないが、例えば各種の樹脂製シートや紙材をシート基材とするシートを用いることができる。シート基材が紙材である場合、例えば、紙のみからなる厚紙や、紙製シートに各種樹脂をコーティング又は樹脂製シートや蒸着シートを張り合わせた合成紙等が一例として挙げられ、その厚さは、例えば0.2〜2mm程度、特に0.5〜1.5mm程度が好ましい。
【0021】
台紙本体10は、横方向の中央にシュリンクフィルムFが接着される接着領域11を有している。また、台紙本体10の上側の側縁近傍には、横方向の中央に吊り下げ孔12が形成されており、店頭等において吊り下げて陳列可能になっている。
【0022】
折り曲げ部40は、第1折り曲げ線41を介して下側に延設され横方向中央に開口部31aが形成された上面板31と、上面板31の下側に第2折り曲げ線42を介して延設された前面板32と、前面板32の下側に第3折り曲げ線43を介して延設された底面板33と、底面板33の下側に第4折り曲げ線44を介して延設された背面板34とを含む。前面板32の上側の側縁における横方向の中央には、開口部31aに張り出す張出部32aが形成されている。
【0023】
第1折り曲げ線41、第2折り曲げ線42、第3折り曲げ線43および第4折り曲げ線44は、互いに平行に形成されている。第1折り曲げ線41、第2折り曲げ線42、第3折り曲げ線43および第4折り曲げ線44としては、押し罫線やミシン目等、各種の折り曲げ罫線が使用できる。
【0024】
上面板31と底面板33との高さ(上下方向の長さ;以下、単に高さと称する)は、略同一である。背面板34は、下側の側縁が台紙本体10の背面に重ね合わされた状態で、台紙本体10から開口部31aに張り出す張出部13に接着される。背面板34は、台紙本体10の背面と重ね合わされるため、重ね合わされる長さ分、前面板32の高さよりも大きな高さに形成されている。
【0025】
底面板33には、横方向の両側の側縁から前面板32の高さよりも短い距離、具体的には、一例として前面板32の高さの1/4乃至3/4の長さで離れた位置にそれぞれ立設折り曲げ線45が形成されている。また、第3折り曲げ線43は、側縁から立設折り曲げ線45に至る箇所が切り離し線46によって切り離されている。さらに、底面板33には、横方向の両側の側縁から所定幅の係止片33aが背面板34にそれぞれ張り出している。第4折り曲げ線44は、側縁から係止片33aの縁部および立設折り曲げ線45に至る箇所が切り離し線47によって切り離されている。立設折り曲げ線45および切り離し線46、47によって区画された部分は、係止片33aを含み、後述するように、立設折り曲げ線45で上方に折り曲げられたときに水平方向の一端側および他端側において台座部30の内部空間の一部を閉塞する側壁部48を構成する。
【0026】
背面板34には、上側の側縁から底面板33に所定長さで張り出す足部34aが横方向の中央部に設けられている。足部34aは、張り出した縁部が切り離し線49によって底面板33と切り離されている。また、背面板34には、立設折り曲げ線45の延長線上に位置して、係止口34bが貫通して形成されている。係止口34bと第4折り曲げ線44との距離は、立設折り曲げ線45と係止片33aとの距離に設定されている。また、係止口34bは、係止片33aが挿入可能なように、係止片33aにおける横方向の長さおよび高さよりも大きく形成されている。
【0027】
シュリンクフィルムFは、一例として、上下方向に延びる筒状に形成されており、台紙本体10の接着領域11に上下方向の中央部が接着剤により固定されている。すなわち、シュリンクフィルムFは、長さ方向の両側は接着されない状態である。接着されたシュリンクフィルムFの下側の端部は、台座部30の内部空間に位置する。
【0028】
シュリンクフィルムFは、前後方向に潰れた扁平状であって、横方向の両側縁が折れ線となって扁平状に折り畳まれた状態にある。前後方向に潰れた扁平状のシュリンクフィルムFのうち、前面側のシュリンクフィルムFには、両側縁の近傍に上下方向にミシン目が形成されていてもよい。ミシン目に沿ってシュリンクフィルムFの一部を帯状に切離除去して開封することにより、シュリンクフィルムFに包装された被包装物Sを容易に取り出すことが可能になる。
【0029】
接着剤としては、各種の接着剤を使用することができ、例えば、エラストマー系接着剤、熱可塑性樹脂系接着剤、およびホットメルト接着剤等が挙げられる。特に加熱塗工でき、常温で粘着性を有するホットメルト接着剤が好適である。特に、台紙1のシート基材が紙材の場合には、紙への接着性の観点から湿気反応型ホットメルト接着剤が好適である。但し、接着剤ではなく両面テープ等で接着してもよい。
【0030】
シュリンクフィルムFとしては、種々のフィルムを使用でき、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ乳酸(PLA)等のポリエステル系、ポリスチレン系(PS)、並びにポリアミド、およびポリ塩化ビニル等の樹脂からなるフィルムが使用できる。これらの中でも適切な収縮応力と高い透明性を有することからポリエステル系(ポリエチレンテレフタレート系、ポリ乳酸系)、ポリスチレン系のフィルムが好ましく、特にポリエステル系フィルムが好ましい。また、これらの樹脂を二種以上混合した樹脂混合物を含むフィルムを用いることもでき、二種以上のフィルムを積層した積層フィルムを用いることもできる。また、主として筒状に形成されたフィルムの周方向に収縮する一軸延伸フィルムを使用できるが、筒状に形成されたフィルムの軸線方向にも収縮する二軸延伸フィルムであってもよい。
【0031】
上記構成の台紙20を用いて台紙付きシュリンクフィルム包装体1を組み立てる際には、まず、第3折り曲げ線43を山折りとして、
図4に示すように、第3折り曲げ線43より下側の底面板33および背面板34を背面側に折り返す。折り返された底面板33および背面板34のうち、背面板34の下側の側縁を台紙本体10の背面に重ね合わせた状態で接着剤等を用いて張出部13と背面板34とを接着固定する。
図4は、第3折り曲げ線43より下側の底面板33および背面板34が背面側に折り返された台紙20を示す平面図である。
図5は、第3折り曲げ線43より下側の底面板33および背面板34が背面側に折り返された台紙20を示す背面図である。
【0032】
また、
図4に示されるように、台紙本体10の前面側にシュリンクフィルムFを接着する。なお、台紙本体10へのシュリンクフィルムFの接着は、第3折り曲げ線43より下側の底面板33および背面板34を背面側に折り返した後に限定されず、底面板33および背面板34を背面側に折り返す前に接着してもよい。
【0033】
図6は、台座部30を拡大した部分的な斜視図である。
底面板33および背面板34を背面側に折り返し接着した後には、第1折り曲げ線41を谷折りし、第2折り曲げ線42を山折りし、第4折り曲げ線44を前面側から視て谷折りすることにより、
図1、
図2および
図6に示すように、折り曲げ部40においては、内部空間35を有し横方向に(水平方向)に延びる四角筒状の台座部30が形成される。
【0034】
図7は、
図6におけるA−A線視断面図である。
台座部30が形成されると、
図7に示されるように、立設折り曲げ線45で側壁部48を上方に折り曲げる。これにより、側壁部48は、前面板32と対向する縁部が当該前面板32に係合し、背面板34と対向する縁部が当該背面板34に係合する。側壁部48が前面板32および背面板34に係合することにより、台座部30の角筒形状が維持される。また、側壁部48を上方に折り曲げた際には、
図6に示されるように、係止片33aを係止口34bに挿入して係止させる。これにより、側壁部48は、立設折り曲げ線45を中心とした折り曲げ方向の位置が維持される。従って、台座部30の内部空間35が水平方向の一端側および他端側において下側の部分が閉塞された状態で、台座部30の断面形状が平行四辺形状ではなくロ字状(長方形状)に維持される。
【0035】
また、側壁部48の高さは、前面板32の高さの1/4乃至3/4の長さであり前面板32の高さよりも低いため、側壁部48の上側の側縁と上面板31との間には、
図8に示すように、前面板32の高さの1/4乃至3/4の高さで、上面板31および底面板33と略同一幅の所定開口面積に規定された孔部が形成される。この孔部は、内部空間35への後述するシュリンク用の熱風の流通を可能とする流通孔50を形成する。
【0036】
台座部30が形成されると、
図2および
図8の右側面図に示すように、シュリンクフィルムF内に被包装物Sを挿入するとともに、シュリンクフィルムFおよび被包装物Sの下端部を、開口部31を介して内部空間35に挿入し台座部30に被包装物Sを支持させる。
【0037】
被包装物Sの形状は 、例えば、略円柱状、略円錐状、略多角柱状、又は略多角錐状であってもよい 。具体的には、チューブ容器が挙げられる。
【0038】
台座部30に被包装物Sが支持されると、シュリンクフィルムFに対して、樹脂材に応じた温度の熱風を吹き付けることでシュリンクフィルムFをシュリンクさせ、被包装物Sを包装する。ここで、シュリンクフィルムFおよび被包装物Sの下端部は、台座部30の内部空間35に挿入されているため、台座部30から突出している部分と比較して露出面積は小さいが、水平方向両側に配置された流通孔50を介して熱風を内部空間35に流通させてシュリンクフィルムFに吹き付けてシュリンクさせることができる。
このように、被包装物SがシュリンクフィルムFを介して保持された台紙付きシュリンクフィルム包装体1を組み立てることができる。
【0039】
以上説明したように、本実施形態の台紙付きシュリンクフィルム包装体1では、被包装物Sを支持する台座部30を設けた場合でも、流通孔50を介して内部空間35に熱風を流通させることができるため、シュリンクフィルムFによるシュリンクに支障を来すことなく高級感を付与できる。また、本実施形態の台紙付きシュリンクフィルム包装体1では、側壁部48を形成するための立設折り曲げ線45について側縁からの距離を前面板32の高さよりも短くするという簡単な構成で容易に流通孔50を形成することが可能である。加えて、本実施形態の台紙付きシュリンクフィルム包装体1では、側壁部48に設けた係止片33aを、背面板34に設けた係止口34bに挿入して係止させているため、側壁部48の位置および姿勢を保持して、台座部30の形状を容易に維持することが可能になる。
【0040】
[第2実施形態]
続いて、第2実施形態に係る台紙付きシュリンクフィルム包装体1について、
図9および
図10を参照して説明する。これらの図において、
図1乃至
図8に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
第2実施形態と上記の第1実施形態とが異なる点は、流通孔50の構成であるため、以下ではこの点について説明する。
【0041】
図9は、台紙付きシュリンクフィルム包装体1の右側面図である。
図10は、台座部30の前後方向の略中心部における断面図である。
図9および
図10に示されるように、本実施形態の底面板33における両側の側縁から立設折り曲げ線45までの距離は、前面板32の高さと略同一である。また、本実施形態における側壁部48は、上方に折り曲げられたときに互いに対向する位置に貫通孔が流通孔50として形成されている。
【0042】
本実施形態においても、側壁部48を貫通する流通孔50を介して熱風を内部空間35に流通させてシュリンクフィルムFに吹き付けてシュリンクさせることができ、上記第1実施形態の台紙付きシュリンクフィルム包装体1と同様の作用・効果が得られることに加えて、立設折り曲げ線45の位置等の制約を受けることなく、側壁部48における任意の位置および大きさで流通孔50を形成することが可能になる。ここでは、流通孔50の大きさは、側壁部48の1/4乃至3/4の開口面積に規定されていることが好ましい。
【0043】
流通孔50の位置に特に制限はないが、熱風を円滑に内部空間35に流通させるためには互いに対向する位置に配置することが好ましい。また、互いに対向する位置ではなく、例えば、一方の側壁部48については上下方向の中心より上側に流通孔50を設け、他方の側壁部48については上下方向の中心より下側に流通孔50を設ける構成としてもよい。流通孔50を互いに対向する位置に配置した場合には、流通孔50間を熱風が円滑に流通できる反面、内部空間35において流通孔50同士が対向する領域から外れた位置には熱風が流通しづらい領域が生じてシュリンクに分布が生じる可能性があるが、流通孔50の位置を非対向とすることで一方の流通孔50から内部空間35に流入した熱風が迂回した後に他方の流通孔から流出することでシュリンクに分布が生じることを抑制できる。
【0044】
さらに、流通孔50の数は一つに限られず、例えば、格子状あるいは千鳥状に複数の流通孔50を全面的に配列させる構成としてもよい。この構成を採ることにより、偏りなく熱風を内部空間35に流通させることが可能になるとともに、化粧処理が施されていない内部空間35を外側から見えにくくすることができ、外観性の向上にも寄与できる。
【0045】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0046】
例えば、上記第2実施形態では、側壁部48に設けた流通孔50が貫通孔である構成を例示したが、この構成に限定されるものではなく、側壁部48に設けた切欠きにより流通孔50を形成する構成であってもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、台座部30が四角筒状である構成を例示したが、他の角数の角筒状であってもよい。