(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記トレンド判定部は、前記クエリ取得部により取得された検索クエリのうち、前記検索数が所定値より大きい検索クエリについて、トレンドの対象になった検索クエリであると判定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
前記トレンド判定部は、前記クエリ取得部により取得された検索クエリのうち、当該検索クエリでの検索数の時間経過に応じた変化が、前記遷移情報が示す変化であって検索数の時間経過に応じた変化となる検索クエリについて、トレンドの対象になった検索クエリであると判定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
前記特定部は、前記時間経過の開始時点から第1の時点までの期間である前記第1の期間よりも後の時点に前記検索数の最大値を示す時点を有する前記遷移情報と、前記第2の期間とに基づいて、前記イノベータを特定する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
前記特定部は、前記所定の遷移情報として、前記検索数の累積値の時間経過に応じた変化を示す累積情報と、当該所定の遷移情報に含まれる前記第2の期間とに基づいて、前記イノベータを特定する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
前記特定部は、前記第2の時点として、前記検索数の累積値に基づく値が所定値となった時点である第2の時点までの期間である前記第2の期間に前記検索クエリを用いて検索を行った前記検索者を前記イノベータとして特定する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
前記特定部は、前記検索クエリのうちトレンドの対象になったと判定された検索クエリでの検索数の時間経過に応じた変化を示す前記遷移情報と、前記時間経過に対応する第2の期間とに基づいて、前記イノベータとして特定する
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の情報処理装置。
前記特定部は、トレンドの対象になったと判定された検索クエリのうち、少なくとも異なる2つ以上の検索クエリを用いて前記第2の期間に検索を行った前記検索者を前記イノベータとして特定する
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の情報処理装置。
前記特定部は、前記検索数として、前記検索クエリで検索した検索者の検索者数の時間経過に応じた変化を示す前記遷移情報であって、前記時間経過に対応する第1の期間よりも後の時点に前記検索者数の最大値を示す時点を有する前記遷移情報と、前記時間経過に対応する第2の期間とに基づいて、前記イノベータとして特定する
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の情報処理装置。
前記名称判定部は、前記検索クエリのうち、前記カテゴリが前記特定の名称を定義付ける条件情報を満たす検索クエリについて、前記特定の名称を示すクエリであると判定する
ことを特徴とする請求項13に記載の情報処理装置。
前記イノベータ情報取得部は、前記イノベータ情報として、前記検索者の中から特定されたイノベータであって、前記検索クエリに対応するイノベータのインターネット上での行動を示す行動情報を取得し、
前記分析部は、前記行動情報に基づいて、将来のトレンドの対象であるトレンド対象を予測する
ことを特徴とする請求項15または16に記載の情報処理装置。
前記分析部は、前記イノベータ情報のうち、共通または類似するイノベータ情報を有するイノベータが検索で用いた複数の前記検索クエリに基づいて、当該検索クエリに応じた新たな分類を生成する
ことを特徴とする請求項15〜22のいずれか1つに記載の情報処理装置。
前記分析部は、共通または類似するイノベータ情報として、共通する属性情報、または、共通する趣味嗜好を有する前記イノベータが検索で用いた複数の異なる前記検索クエリに基づいて、複数の異なる前記検索クエリに応じた新たな分類を生成する
ことを特徴とする請求項23に記載の情報処理装置。
前記分析部は、前記共通性として、複数の異なる前記検索クエリ毎の検索数に基づき生成される波形、複数の異なる前記検索クエリ毎の季節性、または、複数の異なる前記検索クエリ間での類似度に基づいて、複数の異なる前記検索クエリに応じた新たな分類を生成する
ことを特徴とする請求項25に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態により本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0012】
〔1.情報処理の概要〕
図1〜5を用いて、実施形態にかかる情報処理の一例について説明する。以下では、実施形態にかかる情報処理を第1の情報処理、および、第2の情報処理に分けて説明する。
図1〜
図3は、第1の情報処理を説明する図に対応する。
図4および
図5は、第2の情報処理を説明する図に対応する。
図1〜5を用いて実施形態にかかる情報処理の一例を説明する前に、まずは、実施形態にかかる情報処理の概要を示すことにする。また、第1の情報処理は、検索者の中からイノベータを特定するための処理である。また、第2の情報処理は、第1の情報処理により特定されたイノベータに関するイノベータ情報を用いてマーケティング分析する処理である。
【0013】
また、
図1〜
図5の説明に先立って、
図6を用いて、実施形態にかかる情報処理システムについて説明する。
図6は、実施形態にかかる情報処理システム1の構成例を示す図である。実施形態にかかる情報処理システム1は、
図6に示すように、端末装置10と、サービス提供装置60と、情報処理装置100とを含む。端末装置10、サービス提供装置60、情報処理装置100は、ネットワークNを介して有線または無線により通信可能に接続される。なお、
図6に示す情報処理システム1には、複数台の端末装置10や、複数台のサービス提供装置60や、複数台の情報処理装置100が含まれてよい。
【0014】
端末装置10は、ユーザによって利用される端末装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。端末装置10は、例えば、ユーザにより入力された検索クエリに対応する検索結果を表示する。例えば、サービス提供装置60が料理のレシピや献立を提供する情報処理装置であるとすると、端末装置10は、ユーザに入力された料理に関する検索クエリをサービス提供装置60に送信する。そして、端末装置10は、サービス提供装置60から受信した検索結果(例えば、検索クエリに対応するレシピ一覧)を表示する。また、このようなことから本実施形態において、「ユーザ」との表記は、適宜、「検索者」と言い換えることができるものとする。すなわち、本実施形態では、「ユーザ」と「検索者」は同義であるものとする。また、「検索者」は、インターネット上で検索しか行わないようなユーザに限定されるわけではなく、インターネット上で検索以外の各種行動も行う場合がある。
【0015】
サービス提供装置60は、各種サービス(例えば、レシピ・献立、ショッピング、オークション、情報検索、宿泊予約、記事等)を提供する情報処理装置(サーバ装置)である。なお、サービス提供装置60が提供するサービスは、ここに挙げたものに限定されない。また、第1の情報処理では、サービス提供装置60は、例えば、コンテンツC1を介して料理のレシピや献立を提供する情報処理装置であるものとする。第2の情報処理では、コンテンツC1を介して料理のレシピや献立を提供するサービス提供装置60以外にも、検索サービスを提供するサービス提供装置60、ショッピングサービスを提供するサービス提供装置60等、ユーザの行動情報を取得可能な各種サービス提供装置60も対象となっている。
【0016】
ここで、実施形態にかかる情報処理が行われるにあたっての前提について説明する。例えば、トレンドとなった対象(例えば、特定のメニュー、あるいは、特定のファッションブランド商品)に対して、いち早く検索していた検索者は、当時、将来的にトレンドとなり得る商品を上手く予測していた最先端に敏感なイノベータといえる。したがって、検索者の中からイノベータといえる検索者を精度よく特定することが出来れば、例えば、その検索者の最近の動向からこの先どのようなものがトレンドとなるかを精度よく予測することができるようになると考えられる。また、トレンドとなるかを精度よく予測することは、マーケティング活動にも大きく役立つと考えられる。
【0017】
このような前提を踏まえて、実施形態にかかる情報処理装置100は、実施形態にかかる情報処理として第1の情報処理、および、第2の情報処理を行う。具体的には、情報処理装置100は、第1の情報処理として、検索クエリを取得し、取得した検索クエリでの検索数の時間経過に応じた変化を示す遷移情報であって、時間経過に対応する第1の期間よりも後の時点に検索数の最大値を示す時点を有する遷移情報と、時間経過に対応する第2の期間とに基づいて、検索クエリを用いて検索を行った検索者の中から、検索クエリに対応するイノベータを特定する。ここで、時間経過に対応する第1の期間よりも後の時点に検索数の最大値を示す時点を有する、と定める最大値に関する条件情報は、後に
図8を用いて説明するトレンド条件N2に対応する。
【0018】
また、より具体的には、情報処理装置100は、時間経過の開始時点から第1の時点までの期間である第1の期間に検索数の最大値を示す時点を有する遷移情報と、第2の期間とに基づいて、イノベータを特定する。例えば、情報処理装置100は、この遷移情報に基づく所定の遷移情報と、当該所定の遷移情報に含まれる第2の期間とに基づいて、イノベータを特定する。一例として、情報処理装置100は、所定の遷移情報として、検索数の累積値の時間経過に応じた変化を示す累積情報と、当該所定の遷移情報に含まれる第2の期間とに基づいて、イノベータを特定する。
【0019】
また、イノベータの特定に用いられる検索クエリは、トレンドの対象になったと判定された検索クエリである。したがって、情報処理装置100は、検索クエリ毎にトレンドの対象になったか否かを判定するトレンド判定処理も行う。なお、検索クエリがトレンドの対象になるとの表現は、その検索クエリが示す対象がトレンドとなったことを示す。情報処理装置100は、検索数に関する情報が所定の条件情報(後に、
図8で説明)を満たす検索クエリについて、トレンドの対象になったと判定する。
【0020】
また、実施形態にかかる検索数は、検索者数を示すものとする。したがって、以下の説明で「検索数」と表記する場合、この「検索数」は「検索者数」を示すものとする。
【0021】
また、本実施形態で対象とされる検索クエリは、所定の分野に関する特定の名称を示すクエリである。したがって、情報処理装置100は、検索クエリが属するカテゴリに基づいて、検索クエリが所定の分野に関する特定の名称を示すクエリであるか否かを判定する名称判定処理も行う。なお、本実施形態では、情報処理装置100は、検索クエリが属するカテゴリに基づいて、検索クエリがメニュー名(料理分野)であるか否かを判定する名称判定処理を行うものとする。
【0022】
また、情報処理装置100は、第2の情報処理として、検索クエリでの検索数の時間経過に応じた変化を示す遷移情報であって、時間経過に対応する第1の期間よりも後の時点に前記検索数の最大値を示す時点を有する遷移情報に基づき、検索クエリで検索を行った検索者の中から特定されたイノベータであって、検索クエリに対応するイノベータに関するイノベータ情報を取得する。すなわち、情報処理装置100は、第1の情報処理で特定されたイノベータについて、当該イノベータに関する情報を取得する。そして、情報処理装置100は、取得したイノベータ情報に基づいて、マーケティングに関する情報を分析する。例えば、情報処理装置100は、イノベータ情報に基づいて、今後のトレンドを予測したり、マーケティング対象を決定したり、新たな分類を決定したりする。
【0023】
〔2.第1の情報処理の一例〕
さて、ここからはまず、
図1を用いて第1の情報処理の一例について説明する。
図1は、実施形態にかかる第1の情報処理の一例を示す図である。
図1では、実施形態にかかる第1の情報処理の一例を手順を追って説明する。また、情報処理装置100が有する記憶部についても適宜説明する。
【0024】
図1に示すサービス提供装置60は、コンテンツC1を介して料理のレシピや献立を提供する情報処理装置(サーバ装置)である。例えば、検索者は、端末装置10にコンテンツC1が表示されている状態で、コンテンツC1に対して、例えば、レシピ等に関する検索クエリを入力し、検索ボタンを押下する。そうすると、端末装置10は、入力された検索クエリをサービス提供装置60に送信する。このため、サービス提供装置60は、各検索者から受け付けた検索クエリと検索日時とを対応付けた検索情報を検索履歴として検索者毎に記憶している。
【0025】
したがって、情報処理装置100は、サービス提供装置60から送信された各検索者の検索情報を受信することで各検索者の検索クエリを取得し、取得した検索クエリを含む検索情報を検索履歴として、検索履歴記憶部121に格納する(ステップS11)。例えば、情報処理装置100は、定期的にサービス提供装置60にアクセスすることで、所定量(所定期間分)の検索情報を取得ることができるが、どのように検索情報を取得するかは限定されない。
【0026】
図1の例によると、検索履歴記憶部121は、「検索者ID」、「時刻情報」、「検索クエリ」といった項目を有する。「検索者ID」は、検索者(ユーザ)または検索者の端末装置10を識別する識別情報を示す。「時刻情報」は、「検索クエリ」を用いて検索が行われた日時を示す。「検索クエリ」は、「時刻情報」が示す日時での検索に用いられた検索クエリであって、例えば、料理に関する検索クエリである。このような検索クエリには、一般料理名(煮つけ、パスタ料理等)を示す検索クエリ、材料名(たまねぎ、にんじん等)を示す検索クエリ、メニュー名(ゴルゴンゾーラニョッキ等)を示す検索クエリ、店舗名を示す検索クエリ、その他料理とは無関係な検索クエリといったあらゆる検索クエリが含まれる。
【0027】
すなわち、
図1に示す検索履歴記憶部121の例では、検索者ID「U1」によって識別される検索者(検索者U1)が「2014年4月3日15時58分」において、検索クエリ「QE11」を用いて検索を行った例を示す。
【0028】
次に、情報処理装置100は、ステップS11で取得した検索クエリが属するカテゴリに基づいて、検索クエリが料理のメニュー名であるか否かを判定する名称判定処理を行う(ステップS12)。名称判定処理の詳細については、後ほど
図9で説明するため
図1では詳細な説明を省略する。例えば、情報処理装置100は、メニュー名であると判定された検索クエリ(以下、「名称クエリ」と表記する場合がある)を所定の記憶部に格納する、あるいは、検索履歴記憶部121に記憶される検索クエリのうち名称クエリに対してタグ付けを行うことができる。このような状態において、情報処理装置100は、名称クエリを抽出する(ステップS13)。以下では、情報処理装置100は、この抽出した名称クエリを用いて処理を行う。
図1の例では、情報処理装置100は、ステップS12において検索クエリのうち、検索クエリNQ1、NQ2、NQ3、NQ4についてメニュー名であると判定したことにより、検索クエリNQ1、NQ2、NQ3、NQ4を抽出したとする。以下、このような検索クエリを名称クエリNQ1、名称クエリNQ2、名称クエリNQ3、名称クエリNQと表記する。
【0029】
次に、情報処理装置100は、名称クエリ毎に当該名称クエリでの検索数を集計し、集計結果を集計結果記憶部122に格納する(ステップS14)。例えば、情報処理装置100は、検索履歴記憶部121に記憶される検索履歴に基づいて、検索数を集計する。本実施形態では、現在から遡って数年間を集計期間と定めている。
図1の例では、「2014年4月」〜「2018年10月」の約5年間が集計期間と定められている。かかる集計期間を集計期間Tとする。そうすると、情報処理装置100は、例えば、集計期間Tに含まれる日毎に検索数を集計することで集計期間Tでの各月の平均検索数を算出し、また、集計期間T全体での総検索数を算出するという集計を名称クエリ毎に行う。
【0030】
ここで、集計結果記憶部122について説明する。集計結果記憶部122は、上記のようにして名称クエリ毎に検索数が集計された集計結果を記憶する。集計結果記憶部122は、「名称クエリ」、「集計期間内総検索数」、「月毎の平均検索数」といった項目を有する。また、「月毎の平均検索数」には、「2014年4月」、「2014年5月」・・・「2018年10月」といったように集計期間T内の各月を示す項目が含まれる。
【0031】
「名称クエリ」は、ステップS12の名称判定処理でメニュー名であると判定された検索クエリである名称クエリを示す。「集計期間内総検索数」は、集計期間Tにおいて対応する「名称クエリ」で検索された検索数の総数を示す。「月毎の平均検索数」に含まれる各項目(例えば、「2014年4月」等)は、その項目が示す月での平均検索数であって、その月の日毎の検索数から求められた平均検索数を示す。また、「月毎の平均検索数」は、検索数の時間経過に応じた変化を示す遷移情報の一例といえる。具体的には、「月毎の平均検索数」は、平均検索数の時間経過に応じた変化を示す遷移情報といえる。したがって、「遷移グラフ」は、この遷移情報に基づき生成されたがグラフを示す。かかるグラフについては後ほど
図2を用いて説明する。なお、遷移情報は、例えば、日毎の検索数の時間経過に応じた変化を示すものであってもよい。すなわち、遷移情報にいてどのような検索数が用いられるかは限定されない。
【0032】
すなわち、
図1に示す集計結果記憶部122の例では、集計期間Tにおいて名称クエリ「NQ1」で検索された検索数の総数である集計期間内総検索数が「TN1」である例を示す。また、
図1に示す集計結果記憶部122の例では、「2014年4月」において名称クエリ「NQ1」で検索された検索数の平均である平均検索数が「AvN44−1」である例を示す。
図1に示す集計結果記憶部122の例では、名称クエリ「NQ1」に対応する遷移情報に基づき遷移グラフGF1が生成された例を示す。なお、
図1の例では、検索数に概念的な記号を用いているが実際には数値が入力される。
【0033】
次に、情報処理装置100は、名称クエリ毎にトレンド対象になったか否かを判定するトレンド判定処理を行う(ステップS15)。例えば、情報処理装置100は、名称クエリのうち、当該名称クエリでの検索数に関する所定の情報が、所定の条件情報を満たす名称クエリについて、トレンドの対象になった名称クエリであると判定する。例えば、情報処理装置100は、、名称クエリのうち検索数が所定値より大きい名称クエリ(トレンド条件N1)について、トレンドの対象になった名称クエリであると判定する。
【0034】
また、情報処理装置100は、名称クエリのうち、当該名称クエリでの検索数の時間経過に応じた変化が、遷移情報が示す変化であって検索数の時間経過に応じた変化となる検索クエリについて、トレンドの対象になった検索クエリであると判定する。具体的には、情報処理装置100は、時間経過の開始時点から第1の時点までの期間である第1の期間に検索数の最大値を示す時点を有する遷移情報を示す名称クエリ(トレンド条件N2)について、トレンドの対象になった名称クエリであると判定する。ここでいう時間経過とは、
図1の例では、集計期間Tに対応する時間経過である。
【0035】
また、情報処理装置100は、名称クエリのうち、当該名称クエリでの検索数であって所定期間毎の検索数を比較した場合の検索数の変化の度合いを示す変化率に基づく値が所定値より高くなる名称クエリについて、トレンドの対象になった名称クエリであると判定する。例えば、情報処理装置100は、1年毎の検索数を1年経過毎に比較した場合の変化の度合いを示す変化率の平均値である平均変化率が所定値より高くなる名称クエリ(トレンド条件N3)について、トレンドの対象になった名称クエリであると判定する。
【0036】
このようなトレンド判定処理について
図8を用いて具体的に説明する。
図8は、実施形態にかかる条件情報記憶部123の一例を示す図である。条件情報記憶部123は、上述した各トレンド条件を示す条件情報を記憶する。
図8の例では、条件情報記憶部123は、「目的」、「要件」、「フィルタ条件」、「トレンド条件」、「条件番号」といった項目を有する。
【0037】
「目的」は、対応する「フィルタ条件」および「トレンド条件」が何のために用いられる条件であるかを規定する。「要件」は、「目的」を果たすために最低限確保すべき情報を規定する。「フィルタ条件」は、どのような名称クエリを処理対象から除外するかが規定された条件情報を示す。具体的には、「フィルタ条件」は、どのような名称クエリをトレンドの対象になっていないと判定するかが規定された条件情報であるとともに、どのような名称クエリを後述するイノベータの特定処理から除外するかが規定された条件情報である。
【0038】
「トレンド条件」は、要は「フィルタ条件」を別の観点から言い換えたものであり、「フィルタ条件」および「トレンド条件」は実質同じものである。したがって、以下の例では、この「トレンド条件」を用いて説明する。「トレンド条件」は、どのような名称クエリを処理対象とするかが規定された条件情報を示す。具体的には、「トレンド条件」は、どのような名称クエリをトレンドの対象になったと判定するかが規定された条件情報であるとともに、どのような名称クエリを後述するイノベータの特定処理に用いるかが規定された条件情報である。「条件番号」は、「フィルタ条件」および「トレンド条件」を識別するための番号である。例えば、条件番号「N1」に対応する「フィルタ条件」をフィルタ条件N1と表記することができる。また、例えば、条件番号「N1」に対応する「トレンド条件」をトレンド条件N1と表記することができる。このようなことからフィルタ条件N1はトレンド条件N1と言い換えることができる。
【0039】
条件情報についてより具体的に説明する。まず、トレンド条件N1について説明する。トレンド条件N1には、「トレンド判定」および「イノベータ特定」が目的として対応付けられている。これは、トレンド条件N1は、トレンド判定処理およびイノベータ特定処理で用いることを目的に定められた条件情報であることを示す。また、トレンド条件N1には、要件「検索者数がある程度担保されていること」が対応付けられている。これは、イノベータを特定するためには「検索者数がある程度担保されていること」が必要であり、これを果たすための条件情報がトレンド条件N1であることを示す。
【0040】
そして、トレンド条件N1は、「検索数が所定値(例えば、1,000)以上」の名称クエリについて、トレンド対象になったと判定するよう条件付けている。この点、フィルタ条件N1では、「検索数が所定値(例えば、1,000)未満」の名称クエリについて、トレンド対象になっていないと判定するよう(トレンド対象から除外するよう)条件付けていると言い換えることができる。検索数は所定期間での総検索数であり、
図1の例では、この検索数は、例えば、集計期間Tでの総検索数を示す。
【0041】
次に、トレンド条件N2について説明する。トレンド条件N2には、「トレンド判定」および「イノベータ特定」が目的として対応付けられている。これは、トレンド条件N2は、トレンド判定処理およびイノベータ特定処理で用いることを目的に定められた条件情報であることを示す。また、トレンド条件N2には、要件「第1の期間内に初期状態が含まれ、且つ、第1の期間よりも後の時点に検索数の最大値を有する時点が含まれること」が対応付けられている。これは、イノベータを特定するためには「第1の期間内に初期状態が含まれ、且つ、第1の期間よりも後の時点に検索数の最大値を有する時点が含まれること」が必要であり、これを果たすための条件情報がトレンド条件N2であることを示す。
【0042】
そして、トレンド条件N2は、「集計期間のうちの初期期間である第1の期間(例えば、2014年4月〜2014年12月)よりも後の時点(月)において、検索数の最大値を示す時点(月)がある」ような名称クエリについて、トレンド対象になったと判定するよう条件付けている。この点、フィルタ条件N2では、「集計期間のうちの初期期間である第1の期間(例えば、2014年4月〜2014年12月)のどこかの時点(月)において、検索数の最大値を示す時点(月)がある」ような名称クエリについて、トレンド対象になっていないと判定するよう(トレンド対象から除外するよう)条件付けていると言い換えることができる。トレンド条件N2を用いたトレンド判定処理については、この後
図2を用いて説明する。
【0043】
なお、トレンド条件N2は、主にイノベータを特定するための条件情報であるが、情報処理装置100は、トレンド判定処理の段階でこのトレンド条件N2を用いて名称クエリを絞り込んでおく。この結果、情報処理装置100は、トレンド対象になった検索クエリに対応するイノベータを高精度に特定できるようになる。
【0044】
また、イノベータとは、トレンドやニーズを先取りする人のことであるため、総検索者数に対して数パーセントしか占めない場合が多い。しかし、例えば、集計が開始されてから間もない期間(第1の期間)に検索数の最大値が現れた場合、総検索者の大半が直ぐに反応していることを示し、このような検索者はもはやイノベータとは言えない。したがって、トレンド条件N2は、このような状況を除外するための条件情報であり、情報処理装置100は、トレンド条件N2を用いることで、結果的に高精度にイノベータを特定することができるようになる。
【0045】
次に、トレンド条件N3について説明する。トレンド条件N3には、「トレンド判定」が目的として対応付けられている。これは、トレンド条件N3は、トレンド判定処理で用いることを目的に定められた条件情報であることを示す。また、トレンド条件N3には、要件「集計期間中において、名称クエリの検索数に上昇傾向がみられること」および「ある程度スパイクが発生していること」が対応付けられている。これは、トレンド対象になったと判定するためには「集計期間中において、名称クエリの検索数に上昇傾向がみられること」および「ある程度の数スパイクが発生していること」が必要であり、これを果たすための条件情報がトレンド条件N3であることを示す。なお、ここでいうスパイクとは、検索数の時間経過に応じた変化を示す遷移情報をグラフ化した場合の遷移グラフに含まれるスパイクである。
【0046】
そして、トレンド条件N3は、「1年毎の検索数を1年経過毎に比較した場合の変化の度合いを示す変化率の平均値である平均変化率が所定値(例えば「1」)以上である」ような名称クエリについて、トレンド対象になったと判定するよう条件付けている。この点、フィルタ条件N3では、「1年毎の検索数を1年経過毎に比較した場合の変化の度合いを示す変化率の平均値である平均変化率が所定値(例えば「1」)未満である」ような名称クエリについて、トレンド対象になっていないと判定するよう(トレンド対象から除外するよう)条件付けていると言い換えることができる。トレンド条件N3を用いたトレンド判定処理については、この後
図2の例で説明する。
【0047】
さて、
図8を用いてトレンド条件について説明してきた。情報処理装置100は、ステップS15では、名称クエリ毎に当該名称クエリがトレンド条件N1〜N3を全て満たすか否かを判定し、トレンド条件N1〜N3を全て満たす名称クエリについて、トレンド対象になったと判定する。
【0048】
ここで、
図2にトレンド判定処理の一例を示す。
図2は、トレンド判定処理を概念的に示す概念図である。
図1の例では、情報処理装置100は、名称クエリNQ1に対応する遷移情報に基づき遷移グラフGF1を生成する。例えば、情報処理装置100は、集計期間Tに含まれる月毎の平均検索数の推移を示す遷移情報、すなわち平均検索数の時間経過に応じた変化を示す遷移情報に基づいて、横軸「月」、縦軸「集計期間総検索数TN1に対する、各月の平均検索数の割合」とする遷移グラフGF1を生成する。また、情報処理装置100は、名称クエリNQ2に対応する遷移情報に基づき遷移グラフGF2を生成する。例えば、情報処理装置100は、集計期間Tに含まれる月毎の平均検索数の推移を示す遷移情報、すなわち平均検索数の時間経過に応じた変化を示す遷移情報に基づいて、横軸「月」、縦軸「集計期間総検索数TN1に対する、各月の平均検索数の割合」とする遷移グラフGF2を生成する。同様にして、情報処理装置100は、名称クエリNQ3に対応する遷移情報に基づき遷移グラフGF3を生成する。また、情報処理装置100は、名称クエリNQ4に対応する遷移情報に基づき遷移グラフGF4を生成する。
【0049】
図2(a)では上記のように生成された遷移グラフGF1〜GF4がそれぞれ示されている。かかる例では、時間経過の開始時点は、集計期間Tにおいて集計が開始された月「2014年4月」である。また、第1の時点は「2014年12月」である。すなわち、
図2(a)の例では、「2014年4月」〜「2014年12月」の期間が第1の期間(初期期間)に相当する。なお、情報処理装置100が第1の時点としてどのような時点を定めるかは限定されないが、開始時点から数えて1年以内の月が第1の時点として設定されることが望ましい。このような状態において、情報処理装置100は、トレンド条件N1〜N3を満たす遷移グラフに対応する名称クエリについて、トレンド対象となった名称クエリと判定する。言い換えれば、情報処理装置100は、フィルタ条件N1〜N3を満たす遷移グラフをフィルタリングすることにより、残った遷移グラフに対応する名称クエリについて、トレンド対象となった名称クエリと判定する。
【0050】
ここで、トレンド条件N2は、「集計期間のうちの初期期間である第1の期間(例えば、2014年4月〜2014年12月)よりも後の時点(月)において、検索数の最大値を示す時点(月)がある」ような名称クエリについて、トレンド対象になったと判定するよう条件付けている。そして、
図2(a)の例では、遷移グラフGF1は、集計期間総検索数TN1に対する、平均検索数の割合が「2014年6月」において最大値となったことを示している。つまり、
図2(a)の例では、遷移グラフGF1は、第1の期間に含まれる「2014年6月」において、検索数の最大値を示している。かかる例は、トレンド条件N2を逆に言い換えたフィルタ条件N2を満たすため、情報処理装置100は、遷移グラフGF1に対応する名称クエリNQ1はトレンド条件N2を満たさないため、トレンド対象になっていないと判定し除外する。
【0051】
また、
図2(a)の例では、遷移グラフGF2は、集計期間総検索数TN1に対する、平均検索数の割合が「2014年8月」において最大値となったことを示している。つまり、
図2(a)の例では、遷移グラフGF2は、第1の期間に含まれる「2014年8月」において、検索数の最大値を示している。かかる例は、トレンド条件N2を逆に言い換えたフィルタ条件N2を満たすため、情報処理装置100は、遷移グラフGF2に対応する名称クエリNQ2はトレンド条件N2を満たさないため、トレンド対象になっていないと判定し除外する。
【0052】
一方、
図2(a)の例では、遷移グラフGF3は、集計期間総検索数TN1に対する、平均検索数の割合が「2016年10月」において最大値となったことを示している。つまり、
図2(a)の例では、遷移グラフGF3は、第1の期間よりも後の月である「2016年10月」において、検索数の最大値を示している。かかる例は、トレンド条件N2を満たすため、情報処理装置100は、この時点では遷移グラフGF3に対応する名称クエリNQ3はトレンド対象の候補である判定する。
【0053】
また、
図2(a)の例では、遷移グラフGF4は、集計期間総検索数TN1に対する、平均検索数の割合が「2017年10月」において最大値となったことを示している。つまり、
図2(a)の例では、遷移グラフGF4は、第1の期間よりも後の月である「2017年10月」において、検索数の最大値を示している。かかる例は、トレンド条件N2を満たすため、情報処理装置100は、この時点では遷移グラフGF4に対応する名称クエリNQ3はトレンド対象の候補である判定する。
【0054】
ちなみに、
図2の例では、名称クエリNQ3およびNQ4はトレンド条件N1を満たしているものとする。
【0055】
次に、情報処理装置100は、名称クエリNQ3およびNQ4について、トレンド条件N3を満たすか否かを判定する。トレンド条件N3は、「1年毎の検索数を1年経過毎に比較した場合の変化の度合いを示す変化率の平均値である平均変化率が所定値(例えば「1」以上である」ような名称クエリについて、トレンド対象になったと判定するよう条件付けている。
図2の例では、情報処理装置100は、集計期間Tに対応する1年毎の総検索数を、2014年から2018年までの4年間において1年経過毎に比較した場合の変化の度合いを示す変化率の平均値である平均変化率算出する。そして、情報処理装置100は、平均変化率が所定値(例えば「1」)以上であるような名称クエリについて、トレンド対象になったと判定する。
【0056】
図2の例では、情報処理装置100は、以下の式(1)により平均変化率を算出する。例えば、情報処理装置100は、以下の式(1)により任意の名称クエリ「i」の平均変化率AV
iを算出する。
【0057】
AV
i={(2014年の総検索数/2015年の総検索数)+(2015年の総検索数/2016年の総検索数)+(2016年の総検索数/2017年の総検索数)+(2017年の総検索数/2018年の総検索数)}/4
【0058】
上記式(1)において「4」は、2014年から2018年までの4年間の平均であることを示す。
【0059】
そして、情報処理装置100は、名称クエリ「i」の遷移情報に基づき算出された平均変化率AV
iが「AV
i≧1」を満たす場合には、名称クエリ「i」はトレンド対象になったと判定する。
【0060】
したがって、情報処理装置100は、式(1)を用いて名称クエリNQ3の遷移情報から算出した平均変化率AV
NQ3が「AV
NQ3≧1」を満たす場合には、名称クエリNQ3はトレンド対象になったと判定する。
図2の例では、情報処理装置100は、名称クエリNQ3はトレンド対象になったと判定したものとする。
【0061】
また、情報処理装置100は、式(1)を用いて名称クエリNQ4の遷移情報から算出した平均変化率AV
NQ4が「AV
NQ4≧1」を満たす場合には、名称クエリNQ4はトレンド対象になったと判定する。
図2の例では、情報処理装置100は、名称クエリNQ4はトレンド対象になったと判定したものとする。また、このようなことから、
図2(b)の例では、トレンド対象になったと判定された名称クエリNQ3に対応する遷移グラフGF3、および、トレンド対象になったと判定された名称クエリNQ4に対応する遷移グラフGF4が残り、遷移グラフGF1およびGF2は除外されている。
【0062】
図1の説明に戻る。情報処理装置100は、トレンド対象になったと判定された名称クエリの遷移情報に基づいて、検索者の中から当該名称クエリに対応するイノベータを特定する特定処理を行う(ステップS16)。例えば、情報処理装置100は、名称クエリの遷移情報に基づく所定の遷移情報と、当該所定の遷移情報に含まれる第2の期間とに基づいて、イノベータを特定する。例えば、情報処理装置200は、所定の遷移情報として、検索数の累積値の時間経過に応じた変化を示す累積情報と、当該所定の遷移情報に含まれる第2の期間とに基づいて、イノベータを特定する。例えば、情報処理装置100は、所定の遷移情報と、時間経過の開始時点から第2の時点までの期間である第2の期間とに基づいて、イノベータを特定する。一例としては、情報処理装置100は、第2の時点として、検索数の累積値に基づく値が所定値となった時点である第2の時点までの期間である第2の期間に検索クエリを用いて検索を行った検索者をイノベータとして特定する。
【0063】
例えば、情報処理装置100は、トレンド対象になったと判定された名称クエリの遷移情報に基づいて、検索数の累積値の時間経過に応じた変化を示す累積グラフを生成し、累積グラフにおいて、時間経過の開始時点を起点に、累積値に基づく値が所定値となった時点(第2の時点)を特定する。そして、情報処理装置100は、開始時点から第2の時点までの期間である第2の期間内に検索を行った検索者をイノベータとして特定する。この点について、
図3を用いて説明する。
図3は、実施形態にかかるイノベータ特定処理を概念的に示す概念図である。
【0064】
図3では、トレンド対象になったと判定された名称クエリNQ3を例に説明するが、名称クエリNQ4についても同様にしてイノベータが特定される。情報処理装置100は、名称クエリNQ3の遷移情報に基づいて、各月の平均検索数を月経過に応じて累積してゆくことに応じた累積値に基づく累積グラフGF31(遷移情報に基づく所定の遷移情報の一例)を生成する。
図3に示すように、情報処理装置100は、例えば、集計期間総検索数TN1に対する、各月までの平均検索数の累積値の割合である累積割合を算出し、横軸「月」、縦軸「累積割合」とする累積グラフGF31を生成する。
【0065】
このような状態において、情報処理装置100は、ステップS16では、累積割合が所定割合(例えば16%)となった時点である第2の時点として「2017年10月」を決定する。そして、情報処理装置100は、時間経過の開始時点「2014年4月」から、「2017年10月」までの期間である第2の期間に検索を行った検索者を名称クエリNQ3に対応するイノベータとして特定する。なお、
図3の例では、情報処理装置100は、累積割合16%(累積値に基づく値の一例)となった時点を第2の時点と決定しているが、時間経過に応じた累積割合の遷移態様(累積グラフの形状)に基づいて、動的に累積値に基づく値を決定し、決定した値に対応する時点を第2の時点と決定することができる。また、情報処理装置100は、イノベータと特定した検索者の検索者IDと、イノベータに対応する名称クエリとを対応付けて所定の記憶部に格納してもよい。
【0066】
さて、これまで説明してきたように、実施形態にかかる情報処理装置100は、複数の条件情報を用いることで検索クエリがトレンド対象となった否かを判定し、トレンド対象となった検索クエリの遷移情報の形状を考慮して、この検索クエリに対応するイノベータを特定するといった第1の情報処理を行う。このように、情報処理装置100は、トレンド対象となった検索クエリを精度よく絞り込んだうえで、この検索クエリの遷移情報の形状に基づきイノベータを特定するため、ユーザ群(検索者群)の中からイノベータとなるユーザ(検索者)を高精度に特定することができる。
【0067】
〔3.第2の情報処理の一例〕
次に、
図4を用いて第2の情報処理の一例について説明する。
図4は、実施形態にかかる第2の情報処理の一例を示す図である。
図4では、実施形態にかかる第2の情報処理の一例を手順を追って説明する。また、情報処理装置100が有する記憶部についても適宜説明する。
【0068】
まず、
図4の例では、情報処理システム1には、例えば、コンテンツC1を介して料理のレシピや献立を提供するサービス提供装置60以外にも、各種サービス(例えば、ショッピング、オークション、情報検索、宿泊予約、記事等)を提供する複数のサービス提供装置60が含まれる。
【0069】
また、これらサービス提供装置60は、対応するサービスをユーザが利用したことに伴うユーザの行動を示す行動情報を含むユーザ情報を所定の記憶部に格納している。かかるユーザ情報には、ユーザの年齢・性別等の属性情報(デモグラフィック属性)も含まれる。また、ここでいうユーザは、サービス提供装置60が提供するサービスを利用した全てのユーザでありこのユーザの中には第1の情報処理で特定されたイノベータ(検索者)も当然含まれる。また、第2の情報処理では、第1の情報処理で特定されたイノベータ以外のユーザを「非イノベータ」と表記する場合がある。よって、ユーザ情報のうちイノベータに関する情報(例えば、イノベータの行動情報や属性情報)についてはイノベータ情報と言い換えることができる。また、ユーザ情報のうち非イノベータに関する情報(例えば、非イノベータの行動情報や属性情報)については非イノベータ情報と言い換えることができる。
【0070】
そして、情報処理装置100は、サービス提供装置60から送信されたユーザ情報を受信することでユーザ情報を取得し、取得したユーザ情報をユーザ情報記憶部124に格納する(ステップS21)。例えば、情報処理装置100は、定期的にサービス提供装置60にアクセスすることで、所定量(所定期間分)のユーザ情報を取得ることができるが、どのようにユーザ情報を取得するかは限定されない。また、情報処理装置100が、ユーザ情報を取得することは、イノベータ情報および非イノベータ情報を取得することに相当する。
【0071】
図1の例によると、ユーザ情報記憶部124は、「ユーザ分類」、「ユーザID」、「名称クエリ」、「属性情報」、「行動情報」といった項目を有する。「ユーザ分類」は、「ユーザID」で識別されるユーザがイノベータまたは非イノベータのいずれに分類されるかを示す。例えば、ユーザ分類「イノベータ」が対応付けられるユーザは、第1の情報処理においてイノベータと特定されたことを示す。また、例えば、ユーザ分類「非イノベータ」が対応付けられるユーザは、イノベータではないことを示す。「ユーザID」は、ユーザまたはユーザの端末装置10を識別する識別情報を示す。
【0072】
「名称クエリ」は、ユーザがどの名称クエリに対応するイノベータとして特定されたかを示す。「属性情報」は、ユーザの各種属性情報を示す。「行動情報」は、ユーザがインターネット上で行った行動を示す行動情報を示す。
【0073】
このような状態において、情報処理装置100は、イノベータ情報に基づいて、マーケティングに関する情報を分析するマーケティング分析を行う(ステップS22)。情報処理装置100が行うマーケティング分析に関する処理の一覧をテーブルTB1に示す。テーブルTB1に示す処理は、情報処理装置100が行うマーケティング分析の一例であり、情報処理装置100は、テーブルTB1に示すもの以外にも各種のマーケティング分析を行うことができる。
【0074】
テーブルTB1に含まれる各項目について説明する。「処理概要」は、マーケティング分析に関する処理としてどのような処理があるのかその概要を示す。
図4の例では処理概要として「トレンド予測」、「マーケティング対象決定」、「新分類生成」が例示されている。これは、情報処理装置100が、マーケティング分析に関する処理として、「トレンド予測」、「マーケティング対象決定」、「新分類生成」といった3つの処理を行うことを示す。また、「トレンド予測」とは、今後のトレンドを予測するためのトレンド予測処理である。「マーケティング対象決定」とは、マーケティング対象を決定するための決定処理である。「新分類生成」とは、新たな分類を生成するための分類処理である。
【0075】
そして、「処理詳細」は、上記トレンド予測処理、決定処理、分類処理の詳細を示し、「使用情報」は、「処理詳細」が示す処理を行う際に用いられる情報を示す。「番号」は、各処理を識別するための情報である。
図4の例では、トレンド予測処理には3つの処理が存在し、各処理には番号「1−1」、「1−2」、「1−3」が対応付けられている。したがって、例えば、番号「1−1」が対応付けられるトレンド予測処理を以下ではトレンド予測処理1−1と表記する。また、この例に倣って、他の処理についても「番号」を用いて表記することができる。例えば、決定処理2−1、分類処理3−1といった具合である。
【0076】
さて、ここからは「処理詳細」に基づいて、各マーケティング分析の詳細について説明する。まず、トレンド予測処理1−1について説明する。情報処理装置100は、トレンド予測処理1−1として、ステップS15でトレンド対象になったと判定された名称クエリが属する分野(料理分野)とは異なる他の分野での今後のトレンド対象を予測するトレンド予測処理を行う。また、トレンド予測処理1−1には、使用情報「集計期間より後の最近のイノベータの各種行動情報」が対応付けられている。このようなことから、情報処理装置100は、トレンド予測処理1−1の具体例として、集計期間Tより後の最近のイノベータの各種行動情報に基づいて、トレンド対象になったと判定された名称クエリが属する分野(料理分野)とは異なる他の分野での今後のトレンド対象を予測する。例えば、情報処理装置100は、イノベータと特定されたユーザ群の行動情報を分析することにより、かかるユーザ群は化粧品PD1を検索したり購入している傾向にあるとの分析結果を得たとする。
【0077】
かかるユーザ群は、対応する名称クエリが示す対象(メニュー)がトレンドとなる前から、この対象にいち早く反応していたユーザのグループである。したがって、現在、このユーザ群が反応している対象は今後高確率でトレンドになるといえる。このような観点から、情報処理装置100は、化粧品PD1を今後のトレンド対象と予測する。また、情報処理装置100により化粧品PD1がトレンド対象となり得ることが予測されたことにより、例えば、情報処理装置100の管理者、あるいは、化粧品PD1のメーカーは、化粧品PD1についてどのようなマーケティングをしてゆけばよいかといった効果的なマーケティング戦略を検討することができるようになる。また、情報処理装置100は、イノベータ特定で対象となった検索クエリが属する分野(ここでは料理分野)以外の他の分野での今後のトレンド対象を予測することで、幅広いトレンド予測を実現することができるため、マーケティング戦略を広範囲に広げてゆくことができる。
【0078】
次に、トレンド予測処理1−2について説明する。情報処理装置100は、トレンド予測処理1−2として、検索クエリが示す対象に対するイノベータの注目度に基づいて、トレンド対象を予測するトレンド予測処理を行う。また、トレンド予測処理1−2には、使用情報「集計期間より後の最近のイノベータの検索情報」が対応付けられている。このようなことから、情報処理装置100は、トレンド予測処理1−2の具体例として、集計期間Tより後の最近の検索行動でイノベータが用いた検索クエリに基づいて、当該検索クエリが示す対象に対するイノベータの注目度を算出する。例えば、情報処理装置100は、検索クエリの検索数に基づいて、検索クエリが示す対象に対するイノベータの注目度を算出する。そして、情報処理装置100は、例えば、算出した注目度が所定値以上の場合には、当該検索クエリが示す対象を今後のトレンド対象と予測する。
【0079】
イノベータとなったユーザ群は、対応する名称クエリが示す対象(メニュー)がトレンドとなる前から、この対象にいち早く反応していたユーザのグループである。したがって、現在、このユーザ群が検索している対象は今後高確率でトレンドになるといえる。このような観点から、情報処理装置100は、最近このユーザ群が検索している対象を今後のトレンド対象と予測する。これにより、情報処理装置100は、トレンド対象を精度よく予測することができる。
【0080】
次に、トレンド予測処理1−3について説明する。情報処理装置100は、トレンド予測処理1−3として、検索クエリが示す対象に対するイノベータの注目度と、当該検索クエリが示す対象に対する非イノベータの注目度とを比較した比較結果に基づいて、トレンド対象を予測するトレンド予測処理を行う。また、トレンド予測処理1−3には、使用情報「集計期間より後の最近のイノベータの検索情報」および「集計期間より後の最近の非イノベータの検索情報」が対応付けられている。
【0081】
このようなことから、情報処理装置100は、トレンド予測処理1−3の具体例として、集計期間Tより後の最近の検索行動でイノベータが用いた検索クエリに基づいて、当該検索クエリが示す対象に対するイノベータの注目度AT11を算出する。例えば、情報処理装置100は、検索クエリの検索数に基づいて、検索クエリが示す対象に対するイノベータの注目度AT11を算出する。また、情報処理装置100は、集計期間Tより後の最近の検索行動で非イノベータが用いた検索クエリに基づいて、当該検索クエリが示す対象に対する非イノベータの注目度AT12を算出する。例えば、情報処理装置100は、検索クエリの検索数に基づいて、検索クエリが示す対象に対する非イノベータの注目度AT12を算出する。なお、注目度AT11が算出された検索クエリと、注目度AT12が算出された検索クエリとは同一のものである。
【0082】
そして、このような状態において、情報処理装置100は、注目度AT11と注目度AT12とを比較することにより注目度の差分を算出し、例えば、注目度の差分が注目度AT11の方が高いことを示す場合には、これら注目度算出の対象となった検索クエリが示す対象を今後のトレンド対象と予測する。ここで、注目度の差分が注目度AT11の方が高いことを示す状況として、非イノベータはあまり注目していないような対象に対して、イノベータは注目しているという状況が考えられる。このようなことから、情報処理装置100は、世間一般はまだ注目していないが、一部の流行に敏感なユーザが注目している対象を精度よく抽出することができるため、レンド対象を精度よく予測することができる。
【0083】
ここからはマーケティング対象を決定するための決定処理について説明するが、説明に先立って、イノベータの属性の傾向を示す属性傾向や、イノベータの特徴の傾向を示す特徴傾向が分析された分析結果の一覧をテーブルTB2に示す。
図5は、テーブルTB2の一例を示す図である。例えば、情報処理装置100は、ステップS21で取得したイノベータの属性情報を解析することによりイノベータの属性傾向を取得する。また、情報処理装置100は、ステップS21で取得したイノベータの行動情報を解析することによりイノベータがどのような特徴の傾向にあるか特徴傾向を推定する。
【0084】
テーブルTB2に含まれる各項目について説明する。「名称クエリ」は、トレンド対象になったと判定された名称クエリを示す。
図5の例では、名称クエリとして、「チーズドック」、「ガパオ」、「ビビンバ」等があるが、テーブルTB2に示される「名称クエリ」は全てメニュー名である。「検索意図」は、対応する「名称クエリ」がどのような検索意図で使用された検索クエリであるかを示す。例えば、
図5の例では、名称クエリ「チーズドッグ」には検索意図「レシピ」が対応付けられている。これは、「チーズドッグ」のレシピを知りたいという検索意図のために、名称クエリ「チーズドック」が用いられたことを示す。また、
図5の例では、名称クエリ「ローストビーフ丼」には検索意図「外食」が対応付けられている。これは、「ローストビーフ丼」のよいお店(外食先)を知りたいという検索意図のために、名称クエリ「ローストビーフ丼」が用いられたことを示す。
【0085】
「イノベータの属性傾向」は、イノベータの属性情報を分析することにより得られた属性傾向であって、対応する「名称クエリ」のイノベータの属性としてはどのような傾向にあるかが分析された属性傾向を示す。例えば、
図5の例では、名称クエリ「チーズドッグ」にはイノベータの属性傾向「10代女性」が対応付けられている。これは、名称クエリ「チーズドッグ」に対応するイノベータであると特定されたユーザの多くは「10代女性」であることにより、名称クエリ「チーズドッグ」に対応するイノベータの属性傾向として「10代女性」が分析結果として得られたことを示す。
【0086】
「イノベータの特徴傾向」は、イノベータの行動情報を分析することにより得られた行動傾向であって、対応する「名称クエリ」のイノベータの特徴としてはどのような傾向にあるかが推定された特徴傾向を示す。例えば、
図5の例では、名称クエリ「チーズドッグ」にはイノベータの特徴傾向「メイクに興味あり、スイーツ好き、高校生」が対応付けられている。これは、名称クエリ「チーズドッグ」に対応するイノベータであると特定されたユーザの多くは「メイクに興味あり、スイーツ好き、高校生」という特徴を有していることにより、名称クエリ「チーズドッグ」に対応するイノベータの特徴傾向として「メイクに興味あり、スイーツ好き、高校生」が推定結果として得られたことを示す。
【0087】
マーケティング対象を決定するための決定処理について説明に戻る。まず、決定処理2−1について説明する。情報処理装置100は、決定処理2−1として、イノベータの属性傾向(属性情報)に基づいて、イノベータに対応する名称クエリが示す対象のマーケティング先を決定する決定処理を行う。また、決定処理2−1には、使用情報「イノベータの属性情報」が対応付けられている。このようなことから、情報処理装置100は、決定処理2−1の具体例として、名称クエリに対応するイノベータ毎に当該イノベータの属性情報を分析することで、当該イノベータの属性傾向を取得する。そして、情報処理装置100は、取得した属性傾向に基づいて、マーケティング先を決定する。
【0088】
図5の例では、情報処理装置100は、名称クエリ「チーズドッグ」に対応するイノベータの属性情報に基づき、名称クエリ「チーズドッグ」のイノベータは「10代女性」という属性傾向にあるとの分析結果を得ている。したがって、かかる例では、情報処理装置100は、「チーズドッグ」のマーケティング対象として「10代女性」を決定する。要するに、情報処理装置100は、「チーズドッグ」のマーケティングは「10代女性」を中心に行えばよいということや、「チーズドッグ」に関する広告配信は「10代女性」を中心に行えばよいということを決定する。
【0089】
これにより、情報処理装置100は、何を誰にどのようにマーケティングすれば効果的であるかを利用者に提供することができるようになる。
【0090】
次に、決定処理2−2について説明する。情報処理装置100は、決定処理2−2として、イノベータの特徴傾向(特徴情報)に基づいて、イノベータに対応する名称クエリが示す対象のマーケティング先を決定する決定処理を行う。また、決定処理2−2には、使用情報「イノベータの特徴情報」が対応付けられている。このようなことから、情報処理装置100は、決定処理2−2の具体例として、名称クエリに対応するイノベータ毎に当該イノベータの行動情報を分析することで、当該イノベータの特徴傾向を推定する。そして、情報処理装置100は、推定した特徴傾向に基づいて、マーケティング先を決定する。
【0091】
図5の例では、情報処理装置100は、名称クエリ「チーズドッグ」に対応するイノベータの行動情報に基づき、名称クエリ「チーズドッグ」のイノベータは「メイクに興味あり、スイーツ好き、高校生」という特徴傾向にあるとの推定結果を得ている。したがって、かかる例では、情報処理装置100は、「チーズドッグ」のマーケティング対象として「メイクに興味ありスイーツ好きの10代女性」を決定する。つまり、情報処理装置100は、「チーズドッグ」のマーケティングは「メイクに興味ありスイーツ好きの10代女性」を中心に行えばよいということや、「チーズドッグ」に関する広告配信は「メイクに興味ありスイーツ好きの10代女性」を中心に行えばよいということを決定する。
【0092】
これにより、情報処理装置100は、属性情報に基づき決定したマーケティング対象(例えば、10代女性)から、さらに「〇〇好きの、××に興味のある10代女性」といったようにマーケティング対象を細かく精度よく絞り込むことができるため、より効果的なマーケティングを実現することができる。
【0093】
ここからは新たな分類を生成するための分類処理について説明する。まず、分類処理3−1について説明する。情報処理装置100は、分類処理3−1として、共通する属性情報、または、共通する趣味嗜好を有するイノベータが検索で用いた複数の異なる名称クエリに基づいて、複数の異なる名称クエリに応じた新たな分類を生成する分類処理を行う。また、分類処理3−1には、使用情報「イノベータの属性情報、イノベータの趣味嗜好」が対応付けられている。ここでいう属性情報は、上述した属性傾向であってよい。また、ここでいう趣味嗜好は、上述した特徴傾向であってよい。この点を踏まえて、
図5の例を用いて、分類処理3−1の一例を説明する。
【0094】
図5の例では、イノベータと特定されたユーザのうち、属性傾向「30代女性」で共通しているユーザは、「ガパオ」、「ビビンバ」、「パエリア」、「ほうじ茶ラテ」という複数の異なる名称クエリに対応するイノベータとして特定されている。一見すると、「ガパオ」、「ビビンバ」、「パエリア」、「ほうじ茶ラテ」は料理としては共通性が無いように思われるが、少なくとも「30代女性」にとっては興味の惹かれるメニューであることが示唆されている。このようなことから、情報処理装置100は、「ガパオ」、「ビビンバ」、「パエリア」、「ほうじ茶ラテ」を属性傾向「30代女性」でくくることのできる1つの新たなグループ(分類)として生成する。
【0095】
このように情報処理装置100は、無関係と考えられがちな複数の対象(名称クエリが示す対象)を、新たな特定の分類(上記例では、30代女性)に属させることができるため、例えば、新たな特定の分類(上記例では、30代女性)を対象とするマーケティング活動にこの複数の対象を同時に活用させることができる。
【0096】
次に、分類処理3−2について説明する。情報処理装置100は、分類処理3−2として、複数の異なる名称クエリ毎の検索数に基づき生成される波形、複数の異なる名称クエリ毎の季節性、または、複数の異なる名称クエリ間での類似度に基づいて、複数の異なる名称クエリに応じた新たな分類を生成する分類処理を行う。この点について、例えば、3つの名称クエリNQ21、NQ22、NQ23を例に挙げて説明する。例えば、情報処理装置100は、名称クエリNQ21の検索情報に基づき、検索数の時間経過に応じた遷移グラフGF21(波形グラフの一例)を生成する。また、情報処理装置100は、名称クエリNQ22の検索情報に基づき、検索数の時間経過に応じた遷移グラフGF22(波形グラフの一例)を生成する。また、情報処理装置100は、名称クエリNQ23の検索情報に基づき、検索数の時間経過に応じた遷移グラフGF23(波形グラフの一例)を生成する。
【0097】
そして、情報処理装置100は、遷移グラフGF21、GF22、GF23を比較分析することにより、例えば、波形の形状がどれだけ類似しているかを指標する類似度を算出する。ここで、例えば、情報処理装置100は、遷移グラフGF21およびGF22の形状がほぼ一致していることを示す類似度を算出したとする。かかる場合、情報処理装置100は、遷移グラフGF21に対応する名称クエリNQ21、遷移グラフGF22に対応する名称クエリNQ22とを属させた1つの新たな分類を生成する。例えば、名称クエリNQ21およびNQ22は一見すると互いに共通性が無さそうなものであったとしても、情報処理装置100は、名称クエリNQ21およびNQ22を仲間とする新たな分類を生成する。
【0098】
情報処理装置100は、遷移グラフGF21、GF22、GF23を比較分析することにより、例えば、名称クエリNQ22およびNQ23は特定の時期(例えば、毎年7月〜9月)に検索数が上昇するという季節的な周期性を有するとの分析結果を得たとする。かかる場合、情報処理装置100は、遷移グラフGF22に対応する名称クエリNQ22、遷移グラフGF23に対応する名称クエリNQ23とを属させた1つの新たな分類として、季節分類を生成する。
【0099】
これにより、情報処理装置100は、一見すると関連性の無さそうな複数の名称クエリについて、特定の関連性(共通性)があることを見つけ出すことができるため、この関連性を活用した新たなマーケティング戦略を構築させることができる。
【0100】
さて、これまで説明してきたように、実施形態にかかる情報処理装置100は、イノベータに関するイノベータ情報を用いて、トレンド予測、マーケティング対象決定、新たな分類生成等のマーケティング分析である第2の情報処理を行う。ここで利用されるイノベータ情報は、第1の情報処理で精度よく特定されたイノベータのイノベータ情報であるため、これを活用することにより、情報処理装置100は、高精度なマーケティング分析を実現することができる。
【0101】
〔4.情報処理バリエーションについて〕
上記実施形態にかかる情報処理装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理装置100の他の実施形態について説明する。
【0102】
〔4−1.イノベータ特定について〕
上記実施形態では、情報処理装置100が、トレンド対象となった名称クエリ毎に、当該名称クエリを用いて第2の期間に検索を行った検索者をイノベータとして特定する例を示した。しかし、情報処理装置100は、トレンドの対象になったと判定された検索クエリのうち、少なくとも2以上の検索クエリを用いて第2の期間に検索を行った検索者をイノベータとして特定する。
図1の例を用いると、情報処理装置100は、例えば、名称クエリNQ3およびNQ4を用いて第2の期間に検索を行った検索者をイノベータとして特定する。
【0103】
例えば、より多くのトレンド対象に反応したような検索者は、それだけ流行に敏感といえる。ここでの処理により情報処理装置100は、流行により敏感な検索者を特定することができるため、より高精度にイノベータを特定することができる。
【0104】
〔4−2.名称クエリについて〕
上記実施形態では、検索クエリが所定の分野に関する特定の名称を示すクエリであるか否かを判定する名称判定処理として、情報処理装置100が、検索クエリがメニュー名(料理分野)であるか否かを判定する名称判定処理を行う例を示した。しかし、情報処理装置100は、如何なる分野での名称の判定を行ってもよい。例えば、情報処理装置100は、検索クエリが衣類の製品名(ファッション分野)であるか否かを判定する名称判定処理を行ってもよい。
【0105】
〔5.情報処理装置の構成〕
次に、
図7を用いて、実施形態にかかる情報処理装置100について説明する。
図7は、実施形態にかかる情報処理装置100の構成例を示す図である。
図7に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。例えば、情報処理装置100は、
図1〜
図5で説明した情報処理を行うサーバ装置である。
【0106】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、端末装置10、サービス提供装置60との間で情報の送受信を行う。
【0107】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、検索履歴記憶部121と、集計結果記憶部122と、条件情報記憶部123と、ユーザ情報記憶部124とを有する。これらの記憶部については上で説明済みであるため、ここでの説明は省略する。
【0108】
なお、情報処理装置100は、
図5で説明したテーブルTB2を記憶する記憶部や、名称判定処理で用いられるモデル(後述)を記憶する記憶部も有してもよい。
【0109】
(制御部130について)
制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0110】
図7に示すように、制御部130は、クエリ取得部131と、名称判定部132と、トレンド判定部133と、特定部134と、イノベータ情報取得部135と、分析部136とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図7に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図7に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0111】
(クエリ取得部131について)
クエリ取得部131は、検索クエリを取得する。
図1のステップS11で説明したように、クエリ取得部131は、サービス提供装置60から送信された各検索者の検索情報を受信することで各検索者の検索クエリを取得する。また、クエリ取得部131は、取得した検索クエリを含む検索情報を検索履歴として、検索履歴記憶部121に格納する。また、クエリ取得部131は、例えば、検索クエリが処理で用いられる際には、検索履歴記憶部121から検索クエリを取得し、取得した検索クエリを対応する処理部に送信する。例えば、クエリ取得部131は、名称判定部132により名称判定処理が行われる際には、検索履歴記憶部121から検索クエリを取得し、取得した検索クエリを対応する名称判定部132に送信する。また、クエリ取得部131は、検索クエリのうち、名称判定部132により名称を示すクエリであると判定された検索クエリを取得することもできる。
【0112】
(名称判定部132について)
名称判定部132は、検索クエリが属するカテゴリに基づいて、検索クエリが所定の分野に関する特定の名称を示すクエリであるか否かを判定する。例えば、名称判定部132は、検索クエリのうち、カテゴリが特定の名称を定義付ける条件情報を満たす検索クエリについて、特定の名称を示すクエリであると判定する。より詳細には、例えば、名称判定部132は、入力された検索クエリ(処理対象の検索クエリ)が属するカテゴリを出力するモデルを用いて当該検索クエリが属するカテゴリを判定(特定)する。そして、名称判定部132は、判定したカテゴリに基づいて、検索クエリが所定の分野に関する特定の名称を示すクエリであるか否かを判定する。
【0113】
名称判定部132による名称判定処理の一例について
図9を用いて説明する。
図9は、実施形態にかかる名称判定処理の一例を示す図である。
図9では、名称判定部132は、検索クエリがメニュー名を示す検索クエリであるか否かを判定するものとする。また、メニュー名であると判定された検索クエリは、名称クエリである。
【0114】
図9に示すように、名称判定部132は、ステップS31〜S35にかけて処理対象の検索クエリに対して段階に名称判定処理を行ってゆくことで、処理対象の検索クエリの中から不要な検索クエリを除外してゆき、そして名称クエリを絞り込んでゆく。これにより、情報処理装置100は、名称クエリであるか否かを精度よく判定することができる。
【0115】
まず、初期段階では、所定のコンテンツで使用された総計100,000件の検索クエリがあるものとする。かかる例では、所定のコンテンツを
図1で説明したコンテンツC1であるものとする。コンテンツC1は、サービス提供装置60によって提供され、検索クエリに応じたレシピや献立が表示される。また、この総計100,000件の検索クエリは、例えば、
図1のステップS11でクエリ取得部131により取得されたものである。
【0116】
このような状態において、名称判定部132は、総計100,000件の検索クエリに対してフィルタ条件51を適用することで、最も不要な検索クエリを除外する(ステップS31)。例えば、名称判定部132は、検索クエリ毎にフィルタ条件51を満たすか否か判定し、フィルタ条件51を満たすと判定した検索クエリは名称クエリではないと判定し除外する。例えば、ユーザはコンテンツC1に対して「作り方」、「レシピ」等といった検索クエリを入力する場合があるが、このようなワードは明らかにメニュー名ではない。このようなことから、フィルタ条件51は、メニュー名とは明らかに大きくかけ離れている検索クエリを除外するよう規定する条件情報である。そして、
図9の例では、名称判定部132は、ステップS31により不要な検索クエリを除外することで、総計100,000件の検索クエリから総計60,000件の検索クエリへと絞り込んでいる。
【0117】
ここで、検索クエリを入力として当該検索クエリの属するカテゴリを当該検索クエリに対応付けて出力するモデルMがある。情報処理装置100は、検索クエリの分散表現と、検索クエリと対となる検索クエリの分散表現とが、分散表現空間上で類似するように所定のモデルを生成している。このため、情報処理装置100は、この所定のモデルを用いた強化学習により、モデルMを学習している。
【0118】
このような状態において、名称判定部132は、総計60,000件の検索クエリをそれぞれモデルMに入力することで、各検索クエリが属するカテゴリを判定(特定)する(ステップS32)。
【0119】
この時点で、総計60,000件の検索クエリそれぞれにはカテゴリがタグ付けされる。多くの検索クエリには、複数のカテゴリがタグ付けされる。ここで、本実施形態では、「料理」および「グルメ」といった2つのカテゴリがタグ付けされる検索クエリについて、メニュー名を示す検索クエリと判定するよう決められているものとする。したがって、ステップS33以降では、名称判定部132は、「料理」および「グルメ」といった2つのカテゴリのみ付与されている検索クエリに絞り込めるよう、フィルタ条件を用いて余計なタグが含まれている検索クエリを除外する処理を行ってゆく。
【0120】
まず、名称判定部132は、カテゴリ判定された総計60,000件の検索クエリに対してフィルタ条件52を適用することで、料理とは関係の薄いカテゴリを含む検索クエリを除外する一次判定処理を行う(ステップS33)。例えば、名称判定部132は、検索クエリ毎にフィルタ条件52を満たすか否か判定し、フィルタ条件52を満たすと判定した検索クエリは名称クエリではないと判定し除外する。例えば、フィルタ条件52は、料理とは関係の薄いカテゴリとして、カテゴリ「店舗名」、カテゴリ「ゲーム」等がタグ付けされている検索クエリを除外するよう規定する条件情報である。そして、
図9の例では、名称判定部132は、ステップS33により不要な検索クエリを除外することで、総計60,000件の検索クエリから総計50,000件の検索クエリへと絞り込んでいる。また、名称判定部132は、この残った総計50,000検索クエリを、メニュー名と考えられる一次クエリと判定する。
【0121】
次に、名称判定部132は、一次クエリに対してフィルタ条件53を適用することで、料理に関するがメニュー名ではない検索クエリを除外する二次判定処理を行う(ステップS34)。例えば、名称判定部132は、一次クエリ毎にフィルタ条件53を満たすか否か判定し、フィルタ条件53を満たすと判定した一次クエリは名称クエリではないと判定し除外する。例えば、フィルタ条件53は、料理に関するが、メニュー名ではないことを示すカテゴリ(例えば、「材料名」、「一般料理名」等)を含む検索クエリを除外するよう規定する条件情報である。カテゴリ「材料名」がタグ付けされる検索クエリとしては「たまねぎ、にんじん、醤油」等が挙げられる。また、カテゴリ「一般料理名」がタグ付けされる検索クエリとしては「日本料理、煮物、カレーライス」等が挙げられる。
【0122】
そして、
図9の例では、名称判定部132は、ステップS34により不要な一次クエリを除外することで、総計50,000件の検索クエリから総計8,000件の検索クエリへと絞り込んでいる。また、名称判定部132は、この残った総計8,000検索クエリを、よりメニュー名に近いと考えられる二次クエリと判定する。
【0123】
最後に、名称判定部132は、二次クエリに対してフィルタ条件54を適用することで、さらに不要な検索クエリを除外する二次判定処理を行う(ステップS35)。例えば、名称判定部132は、二次クエリ毎にフィルタ条件54を満たすか否か判定し、フィルタ条件54を満たすと判定した二次クエリは名称クエリではないと判定し除外する。例えば、フィルタ条件54は、カテゴリ「料理」のみ、あるいは、カテゴリ「グルメ」のみを含む検索クエリを除外するよう規定する条件情報である。上記の通り、本実施形態では、カテゴリ「料理」および「グルメ」という組み合わせでタグ付けされている検索クエリに対してメニュー名と判定するよう決められている。したがって、名称判定部132は、フィルタ条件54を用いて、カテゴリ「料理」のみ、あるいは、カテゴリ「グルメ」のみがタグ付けされている二次クエリを除外する。
【0124】
そして、
図9の例では、名称判定部132は、ステップS35により不要な二次クエリを除外することで、総計8,000件の検索クエリから総計5,000件の検索クエリへと絞り込んでいる。また、名称判定部132は、この残った総計5,000検索クエリに対して、メニュー名を示す検索クエリあるク名称クエリと判定する。このような名称クエリの一例として、例えば、
図5に示すようなものがある。
【0125】
(トレンド判定部133について)
トレンド判定部133は、検索クエリ(例えば、名称判定部132により名称クエリであると判定され検索クエリ)のうち、当該検索クエリでの検索数に関する所定の情報が、所定の条件情報を満たす検索クエリについて、トレンドの対象になった検索クエリであると判定する。
【0126】
具体的には、トレンド判定部133は、条件情報記憶部123に記憶されるトレンド条件N1に基づいて、検索クエリのうち、検索数が所定値より大きい検索クエリについて、トレンドの対象になった検索クエリであると判定する。
【0127】
また、トレンド判定部133は、条件情報記憶部123に記憶されるトレンド条件N2に基づいて、検索クエリのうち、集計期間(
図1の例では集計期間T)のうちの初期期間である第1の期間(
図1の例では、2014年4月〜2014年12月)よりも後の時点(月)において、検索数の最大値を示す時点(月)があるような遷移情報であって、検索数の時間経過に応じた変化を示す遷移情報が得られる検索クエリについて、トレンドの対象になった検索クエリであると判定する。
【0128】
また、トレンド判定部133は、条件情報記憶部123に記憶されるトレンド条件N3に基づいて、検索クエリのうち、当該検索クエリでの検索数であって所定期間毎の検索数を比較した場合の検索数の変化の度合いを示す変化率に基づく値が所定値より高くなる検索クエリについて、トレンドの対象になった検索クエリであると判定する。例えば、トレンド判定部133は、1年毎の検索数を1年経過毎に比較した場合の変化の度合いを示す変化率の平均値である平均変化率が所定値より高くなる検索クエリについて、トレンドの対象になった検索クエリであると判定する。
【0129】
すなわち、トレンド判定部133は、トレンド条件N1、N3、N3の全てを満たすっ検索クエリについてトレンドの対象になった検索クエリであると判定する。また、トレンド判定部133は、名称判定部132により名称クエリであると判定され検索クエリ毎に検索数を集計し、集計結果を集計結果記憶部122に格納する処理も行うことができる。また、
図1の例から、集計結果は、検索数の時間経過に応じた変化を示す遷移情報といえる。また、上記の点から、トレンド判定部133は、
図1および
図2で説明したステップS14、S15の処理を行う。
【0130】
(特定部134について)
特定部134は、検索クエリでの検索数の時間経過に応じた変化を示す遷移情報であって、時間経過に対応する第1の期間よりも後の時点に検索数の最大値を示す時点を有する遷移情報と、時間経過に対応する第2の期間とに基づいて、検索クエリを用いて検索を行った検索者の中から、検索クエリに対応するイノベータを特定する。具体的には、特定部134は、時間経過の開始時点から第1の時点までの期間である第1の期間よりも後の時点に検索数の最大値を示す時点を有する遷移情報と、第2の期間とに基づいて、イノベータを特定する。
【0131】
また、例えば、特定部134は、遷移情報に基づく所定の遷移情報と、当該所定の遷移情報に含まれる第2の期間とに基づいて、イノベータを特定する。例えば、特定部134は、所定の遷移情報として、検索数の累積値の時間経過に応じた変化を示す累積情報と、当該所定の遷移情報に含まれる第2の期間とに基づいて、イノベータを特定する。例えば、特定部134は、所定の遷移情報と、時間経過の開始時点から第2の時点までの期間である第2の期間とに基づいて、イノベータを特定する。例えば、特定部134は、第2の時点として、検索数の累積値に基づく値が所定値となった時点である第2の時点までの期間である第2の期間に検索クエリを用いて検索を行った検索者をイノベータとして特定する。
【0132】
また、特定部134は、検索クエリのうちトレンドの対象になったと判定された検索クエリでの検索数の時間経過に応じた変化を示す遷移情報と、時間経過に対応する第2の期間とに基づいて、イノベータとして特定する。また、特定部134は、トレンドの対象になったと判定された検索クエリのうち、少なくとも2以上の検索クエリを用いて第2の期間に検索を行った検索者を前記イノベータとして特定する。また、例えば、特定部134は、検索数として、検索クエリで検索した検索者の検索者数の時間経過に応じた変化を示す遷移情報であって、時間経過に対応する第1の期間よりも後の時点に検索者数の最大値を示す時点を有する遷移情報と、時間経過に対応する第2の期間とに基づいて、イノベータとして特定する。
【0133】
上記の点から、特定部134は、
図1〜
図3で説明したステップS16の処理を行う。
【0134】
(イノベータ情報取得部135について)
イノベータ情報取得部135は、特定部134により特定されたイノベータに関するイノベータ情報を取得する。具体的には、イノベータ情報取得部135は、検索クエリでの検索数の時間経過に応じた変化を示す遷移情報であって、時間経過に対応する第1の期間よりも後の時点に前記検索数の最大値を示す時点を有する遷移情報に基づき、検索クエリで検索を行った検索者の中から特定されたイノベータであって、検索クエリに対応するイノベータに関するイノベータ情報を取得する。例えば、イノベータ情報取得部135は、イノベータ情報として、検索者の中から特定されたイノベータであって、検索クエリに対応するイノベータのインターネット上での行動を示す行動情報を取得する。例えば、イノベータ情報取得部135は、行動情報として、イノベータが最近の検索行動で用いた検索クエリを含む検索情報を取得する。また、イノベータ情報取得部135は、イノベータ以外の検索者である非イノベータが検索行動で用いた検索クエリを含む検索情報をさらに取得する。また、イノベータ情報取得部135は、イノベータ情報として、イノベータの属性を示す属性情報を取得する。このようなことから、イノベータ情報取得部135は、
図4で説明したステップS21の処理を行う。
【0135】
(分析部136について)
分析部136は、イノベータ情報取得部135により取得されたイノベータ情報に基づいて、マーケティングに関する情報を分析する。例えば、分析部136は、イノベータの行動情報に基づいて、将来のトレンドの対象であるトレンド対象を予測する。例えば、分析部は、検索クエリが属する分野とは異なる他の分野での将来のトレンドの対象であるトレンド対象を予測する。また、例えば、分析部136は、検索クエリが示す対象に対するイノベータの注目度に基づいて、トレンド対象を予測する。また、例えば、分析部136は、検索クエリが示す対象に対するイノベータの注目度と、当該検索クエリが示す対象に対する非イノベータの注目度とを比較した比較結果に基づいて、トレンド対象を予測する。このようなことから、分析部136は、
図4で説明したトレンド予測処理1−1、1−2、1−3を行う。
【0136】
また、分析部136は、イノベータの属性情報に基づいて、検索クエリが示す対象のマーケティング先を決定する。分析部136は、イノベータの行動情報から推定されたイノベータの特徴を示す特徴情報に基づいて、検索クエリが示す対象のマーケティング先を決定する。このようなことから、分析部136は、
図4で説明した決定処理2−1、2−2を行う。
【0137】
また、分析部136は、イノベータ情報のうち、共通または類似するイノベータ情報を有するイノベータが検索で用いた複数の検索クエリに基づいて、当該検索クエリに応じた新たな分類を生成する。例えば、分析部136は、共通または類似するイノベータ情報として、共通する属性情報、または、共通する趣味嗜好を有するイノベータが検索で用いた複数の異なる検索クエリに基づいて、複数の異なる検索クエリに応じた新たな分類を生成する。また、分析部136は、イノベータが検索で用いた複数の異なる検索クエリ間での共通性に基づいて、複数の異なる検索クエリに応じた新たな分類を生成する。例えば、分析部136は、共通性として、複数の異なる検索クエリ毎の検索数に基づき生成される波形、複数の異なる検索クエリ毎の季節性、または、複数の異なる検索クエリ間での類似度に基づいて、複数の異なる検索クエリに応じた新たな分類を生成する。このようなことから、分析部136は、
図4で説明した分類処理3−1、3−2を行う。
【0138】
〔6.処理手順〕
次に、
図10および
図11を用いて、実施形態にかかる情報処理の手順について説明する。
図10では、第1の情報処理の手順について説明する。
図11では、第2の情報処理の手順について説明する。
【0139】
〔6−1.第1の情報処理の処理手順〕
図10は、実施形態にかかる第1の情報処理の情報処理手順を示すフローチャートである。なお、
図10に示す第1の情報処理手順は、
図1の例に即している。
【0140】
まず、クエリ取得部131は、処理対象の検索クエリを取得する(ステップS101)。例えば、クエリ取得部131は、所定の分野(例えば、料理分野)に関するコンテンツに入力された検索クエリを処理対象の検索クエリとして取得する。次に、名称判定部132は、処理対象の検索クエリが所定の分野に関する特定の名称を示すクエリであるか否かを判定する名称判定処理を行う(ステップS102)。例えば、名称判定部132は、処理対象の検索クエリが属するカテゴリに基づいて、この検索クエリが所定の分野に関する特定の名称を示すクエリであるか否かを判定する。また、クエリ取得部131は、ステップS102で特定の名称を示すと判定された検索クエリである名称クエリを抽出する(ステップS103)。例えば、クエリ取得部131は、検索履歴記憶部121から名称クエリを取得し、トレンド判定部133に送信する。
【0141】
トレンド判定部133は、名称クエリ毎に、集計期間における日毎の検索数、あるいは、集計期間における月毎の平均検索数を集計し、集計結果に基づいて、検索数の遷移情報を取得(算出)する(ステップS104)。例えば、トレンド判定部133は、検索数の時間経過に応じた変化を示す遷移情報として、「日」単位での検索数の変化を示す遷移情報、あるいは、「月」単位での平均検索数の変化を示す遷移情報を取得する。このような状態において、トレンド判定部133は、取得した遷移情報を用いてトレンド判定処理を行う(ステップS105)。例えば、トレンド判定部133は、検索数に関する所定の情報(例えば、検索数そのもの、あるいは、遷移情報)が所定の条件情報(トレンド条件N1〜N3)を満たす名称クエリについて、トレンドの対象になった名称クエリであると判定する。
【0142】
次に、クエリ取得部131は、トレンド判定部133によりトレンドの対象になったと判定された名称クエリを取得する(ステップS106)。例えば、クエリ取得部131は、トレンド判定部133からトレンドの対象になったと判定された名称クエリを取得し、特定部134に送信する。特定部134は、名称クエリの遷移情報に基づいて、処理対象の検索クエリで検索を行った検索者の中からイノベータ特定する特定処理を行う(ステップS107)。例えば、特定部134は、検索数の累積値の時間経過に応じた変化を示す累積情報と、当該所定の遷移情報に含まれる第2の期間(検索数の累積値に基づく値が所定値となった時点である第2の時点までの期間)とに基づいて、イノベータを特定する。
【0143】
〔6−2.第2の情報処理の処理手順〕
図11は、実施形態にかかる第2の情報処理の情報処理手順を示すフローチャートである。なお、
図11に示す第2の情報処理手順は、
図4の例に即している。
【0144】
イノベータ情報取得部135は、ユーザ情報(イノベータ情報、非イノベータ情報)を取得する(ステップS201)。例えば、イノベータ情報取得部135は、ユーザの行動情報や属性情報を取得する。そして、分析部136は、ユーザ情報に基づいて、マーケティングに関する各種分析処理を行う(ステップS202)。例えば、分析部136は、トレンド予測処理1−1、1−2、1−3を行う。また、例えば、分析部136は、決定処理2−1、2−2を行う。また、分析部136は、分類処理3−1、3−2を行う。
【0145】
〔7.ハードウェア構成〕
また、上記実施形態にかかる情報処理装置100は、例えば
図12に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図12は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0146】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0147】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0148】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0149】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0150】
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0151】
〔8.その他〕
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0152】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0153】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。
【解決手段】本願にかかる情報処理装置は、クエリ取得部と、特定部とを有する。クエリ取得部は、検索クエリを取得する。特定部は、検索クエリでの検索数の時間経過に応じた変化を示す遷移情報であって、時間経過に対応する第1の期間よりも後の時点に検索数の最大値を示す時点を有する遷移情報と、時間経過に対応する第2の期間とに基づいて、検索クエリを用いて検索を行った検索者の中から、検索クエリに対応するイノベータを特定する。