特許第6752012号(P6752012)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6752012
(24)【登録日】2020年8月20日
(45)【発行日】2020年9月9日
(54)【発明の名称】テルペノイド減少抑制剤
(51)【国際特許分類】
   C11B 9/00 20060101AFI20200831BHJP
   A23L 27/00 20160101ALI20200831BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20200831BHJP
   A23L 2/44 20060101ALI20200831BHJP
   A23L 2/02 20060101ALI20200831BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20200831BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20200831BHJP
【FI】
   C11B9/00 Z
   A23L27/00 C
   A23L2/00 B
   A23L2/00 P
   A23L2/02 B
   A23L2/44 101
   A61K8/49
   A61Q13/00 102
【請求項の数】2
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-222963(P2015-222963)
(22)【出願日】2015年11月13日
(65)【公開番号】特開2017-88783(P2017-88783A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年11月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000204181
【氏名又は名称】太陽化学株式会社
(72)【発明者】
【氏名】門脇 章夫
(72)【発明者】
【氏名】檜山 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】大久保 茉見
(72)【発明者】
【氏名】大久保 泰宏
【審査官】 吉岡 沙織
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−166631(JP,A)
【文献】 特開昭49−086557(JP,A)
【文献】 特開2004−166632(JP,A)
【文献】 特表2001−514022(JP,A)
【文献】 特開2011−157366(JP,A)
【文献】 特開2000−236860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11B 9/
A23L
A61K 8/
A61Q
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
HLB10以上の炭素数12〜18の飽和又は一価不飽和の脂肪酸で構成されるポリグリセリン脂肪酸エステル、d−δ−トコフェロール含量が総トコフェロール中0〜30%である抽出トコフェロール及び、ケルセチン、ジヒドロケルセチン、イソクエルシトリン、ルチン、酵素処理イソクエルシトリン及び酵素処理ルチンのいずれかを含有し、水中に分散させたときの平均粒子径が1.0μm以下となることを特徴とする、テルペノイド減少抑制剤であって、テルペノイドがリモネン、テルピネン、テルピノレン、チオテルピネオール、バレンセン及びノートカトンの群より選ばれる少なくとも1種であるテルペノイド減少抑制剤。
【請求項2】
HLB10以上の炭素数12〜18の飽和又は一価不飽和の脂肪酸で構成されるポリグリセリン脂肪酸エステル、抽出トコフェロール及び、ケルセチン、ジヒドロケルセチン、イソクエルシトリン、ルチン、酵素処理イソクエルシトリン及び酵素処理ルチンのいずれかを含有し、フェルラ酸を実質的に含有せず、水中に分散させたときの平均粒子径が1.0μm以下となることを特徴とする、テルペノイド減少抑制剤であって、テルペノイドがリモネン、テルピネン、テルピノレン、チオテルピネオール、バレンセン及びノートカトンの群より選ばれる少なくとも1種であるテルペノイド減少抑制剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トコフェロールおよびケルセチン類を含有することを特徴とするテルペノイド化合物の減少抑制剤に関し、さらには該テルペノイド減少抑制剤を供した食品香料、又は飲食品に関する。
【背景技術】
【0002】
飲食品における香りは非常に重要な要素であり、食品を特徴づけるものであるが、フレーバー成分は加工、流通及び保存中の各要因において損失しやすいことが知られている。フレーバー成分の減少、劣化要因はさまざまであり、殺菌等の加工工程や、飲食品の流通、保管、販売などの各段階において、熱や酸素、光などの影響を受け著しく損失し、さらには異臭を発する成分へと変化し品質の低下を引き起こす。近年、透明又は半透明プラスチック容器入り飲料や、透明袋入り食品の普及、コンビニエンスストアのショーケースにおける販売などにより飲食品が光にさらされる機会は多く、光によるフレーバー成分の劣化が起こりやすい状況となっている。特に、柑橘系のフレーバーは様々なテルペノイド系化合物で構成されており、これら化合物は光照射下による劣化、損失が激しいことが知られている。また、プラスチック容器入り飲食品のホット販売など、酸素透過性の高い容器による高温販売によって、熱、酸素などの影響も受けやすい状況となっている。
【0003】
これら飲食品の風味変化を抑制するため、短時間での殺菌、低温での流通、UV吸収能を持つ機能性容器の開発、酸化防止剤の添加など様々な検討がなされている。その中でも酸化防止剤の添加としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル等の合成の酸化防止剤が古くから用いられている。しかし、これら合成の酸化防止剤は健康に好ましくない影響を与えることが指摘され、添加量、添加する食品の種類などが現在厳しく制限されている。また、アスコルビン酸は安全で且つ優れた酸化防止効果を示すことから、様々な分野で幅広く利用されているが、濃度やその他成分の組合せによっては劣化を促進する場合があることや、熱に弱くアスコルビン酸由来の異味異臭を発する場合が多いことも知られている。
【0004】
また、油性食品の酸化防止に汎用されるものとしてトコフェロールがある。トコフェロールの油に対する酸化防止を過酸化物価やカルボニル価の指標を用いて報告された文献等は多数あるが、水溶性の酸化防止剤との併用における香味成分の劣化防止の報告は少なく、実際、単独では香味成分の劣化防止効果が弱いのが実情である。
【0005】
そこで、これらに代わるフレーバー成分の劣化防止剤、特に柑橘系フレーバーの劣化、損失を抑制する風味劣化防止剤が求められており、各種天然抗酸化物質を単独で又は併用して使用する方法が知られている。例えば、フェルラ酸とプロアントシアニジンとの併用(例えば、特許文献1参照。)、ヤーコンの葉から含水エタノールを用いて抽出した抽出物の添加(例えば、特許文献2参照。)などが提案されている。しかし、これらの劣化防止剤の多くは、効果を得る為に多量に使用する必要があり、劣化防止剤そのものの風味が飲食品の風味に悪影響を与えるという欠点がある。特にフェルラ酸は起源に由来する発酵臭、米糠臭や渋みといった好ましくない風味を有しており、食品用途への利用については大きな制限がある。また、フレーバー成分の劣化は全てが酸化によるものではない。例えば、シトラールはレモン様の特徴的な香気を有するフレーバー成分であるが、光の照射により分子内環化、異性化、分解等によりシトラールの化学構造が変化し、劣化臭成分に変化することが知られている。シトラールの劣化防止方法についても種々の提案が出されており、例えば、カテキン類を含有することを特徴とするシトラールの劣化臭生成抑制剤(例えば、特許文献3参照。)、杜仲葉、ハイビスカス、ビート、ライチ種子、月見草種子、タヒボ、マリーゴールド、ブラッククミン、マリアアザミ、アーティチョーク、アイブライト、エキナセアプルプレア、エキナセアアングスティフォリア及びエキナセアパリダの抽出物を1種又は2種以上含有することを特徴とするシトラール劣化臭抑制剤(例えば、特許文献4参照。)、などが提案されている。しかし、これらは対象をシトラールの劣化防止に限定しており、その他のフレーバー成分への効果については十分に言及されていない。特に柑橘系のフレーバーはシトラールを含む多種のテルペノイド化合物で構成されており、それぞれ劣化のメカニズムが異なるため、特定成分の劣化防止剤では飲食品の香味変化に対して十分な効果を得ることができない場合がある。このように、香味の劣化防止剤としては様々な方法が取られているが、いまだに十分な効果と実用性を有するものは少なく、さらなる開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2983386号公報
【特許文献2】特許第4234349号公報
【特許文献3】特許第5021869号公報
【特許文献4】特許第5224429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、飲食品中にフレーバー成分として存在するテルペノイド化合物の減少を最小限に抑制し、さらに飲食品の外観、風味を損ねることがなく、食品中での分散性に優れたテルペノイド減少抑制剤の開発を目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、より効果的にフレーバー成分の劣化、損失を抑制するため鋭意検討した結果、HLB10以上の界面活性剤、抽出トコフェロール及びケルセチン類を含有し水中に分散させたときの平均粒子径が1.0μm以下となるテルペノイド減少抑制剤が、風味的にも優れ、かつ飲食品、食品香料の加工又は保存中における熱、酸素、光等の影響によるテルペノイド化合物の減少を顕著に抑制し得ることを見出した。
【0009】
また、該テルペノイド減少抑制剤が、特に柑橘系の香りを有する製品のモノテルペン類の減少抑制において特に効果的であることを見出した。
【発明の効果】
【0010】
本発明のテルペノイド減少抑制剤は、従来の風味劣化防止剤と比較して効果を発揮する対象成分の範囲が広く、総合的な風味劣化防止が可能であり、特にテルペノイド化合物をフレーバーの主体とする飲食品に対して優れた効果を発揮するという利点がある。本発明のテルペノイド減少抑制剤を用いることにより、食品香料及び飲食品中の香味成分の劣化を防止することができ、また香味の劣化によって生じる異味異臭の発現を抑制し、香味の良好な飲食品を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
本願発明におけるテルペノイド減少抑制剤とは、飲食品の製造又は保存中における光、熱、酸素などの影響によるテルペノイド化合物の減少を顕著に抑制し得る製剤である。
【0012】
本発明におけるテルペノイドとは特に限定されるものではないが、一般的には五炭素化合物であるイソプレンユニットを構成単位とする一群の天然物化合物であり、フレーバー成分としてはリモネン、シメン、テルピネン、テルピノレン、ピネン、リナロール、シトラール、ゲラニオール、メントール、チモール、カルバクロール、チオテルピネオールなどのモノテルペン類及びその誘導体、バレンセン、ノートカトン、カリオフィレン、フムレン、ビサボレン、クベベン、ファルネセン、カジネンなどのセスキテルペン類及びその誘導体などが挙げられる。本発明におけるテルペノイドの組成は限定されるものではないが、柑橘系のフレーバーを構成する主要なテルペノイドとしてリモネン、テルピネン、テルピノレン、チオテルピネオール、バレンセン、ノートカトンのいずれかを含むことが望ましい。
【0013】
本発明に用いる界面活性剤は特に限定するものではないが、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、モノグリセリド誘導体、ポリオキシエチレン誘導体、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、酵素分解レシチンなどを例示することができ、その1種又は2種以上を併用してもよいが、適切な乳化粒子径の維持、得られるテルペノイド減少抑制剤の安定性といった観点から、好ましくはポリグリセリン脂肪酸エステルを含むことが望ましい。
【0014】
本発明のテルペノイド減少抑制剤を、ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いて調製する場合には、より適切な乳化粒子径の維持、取り扱いの容易な粘度、飲食品に使用時の風味への影響の少なさといった観点から、炭素数12〜18の飽和又は一価不飽和の脂肪酸で構成されるポリグリセリン脂肪酸エステルを使用することが望ましい。炭素数12〜18の飽和又は一価不飽和の脂肪酸とはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などを挙げることができる。一方で、炭素数が12に満たない脂肪酸で構成されるポリグリセリン脂肪酸エステルでは乳化力に劣る場合があり、炭素数が18を超える脂肪酸で構成されるポリグリセリン脂肪酸エステルでは得られるテルペノイド減少抑制剤の安定性が不十分となる場合がある。
【0015】
本発明のテルペノイド減少抑制剤に含まれる界面活性剤量は特に限定するものではなく、界面活性剤の種類やその他の成分量によっても異なり一概には決定できないが、一般的には水中に分散させたときの平均乳化粒子径を1.0μm以下とするため、界面活性剤量として0.1%以上含まれることが望ましい。0.1%未満では1.0μm以下の乳化粒子径を維持することが困難となるばかりか、水系の飲食品へ添加時に油溶性成分が分離する場合がある。
【0016】
また、界面活性剤の親水性、親油性の度合いはHLB(Hydrophile‐Lipophile Balance)で表されるが、本発明のテルペノイド減少抑制剤を得るためにはHLBが10以上、好ましくは14以上であることが望ましい。HLBが10より小さい場合、油溶性の素材を水中に安定的に分散することが困難となる場合がある。
【0017】
HLBの求め方は特に限定するものではなく、既存の種々の手法が利用できる。例えばエステル型の界面活性剤の場合、けん化価と構成脂肪酸の酸価から次式によって算出できる。
【0018】
HLB=20×(1−S/A)
S:けん化価、A:構成脂肪酸の酸価
また、親水基としてポリオキシエチレン鎖だけを持つものは次式で算出できる。
HLB=E/5
E:ポリオキシエチレン基の重量分率
【0019】
これらの算術的な方法の他、実験的にHLBを求めることもできる。すなわちHLB既知の界面活性剤と未知の界面活性剤を組み合わせて、HLB既知の油脂と水を乳化し、もっとも乳化状態が良い混合比のものを選定して、次式より算定できる。
【0020】
{(Wu×HLBu)+(Wa×HLBa)}/(Wu+Wa)=HLBo
Wu:HLB未知の界面活性剤の重量分率
Wa:HLB既知の界面活性剤の重量分率
HLBu:HLB未知の界面活性剤のHLB(求める界面活性剤のHLB)
HLBa:HLB既知の界面活性剤のHLB
HLBo:油脂の所要HLB
【0021】
本願の発明に用いるトコフェロールとは、天然及び合成トコフェロールであって、特に限定されるものではない。植物原料由来の油脂から抽出、精製される場合は、特に限定されるものではないが、代表例として大豆油、小麦胚芽油、パーム油などが挙げられる。また、抽出トコフェロール中のα,β,γ,δの成分比率は、植物の種類や品種、産地などにも影響されるが、工業的に分子蒸留などの工程により特定の同族体組成の成分比率を上げた製品が市販されている。
【0022】
本発明に使用されるトコフェロールは、その精製方法などは特に限定しないが、総トコフェロール中、d−δ−トコフェロールを20%以上含有するものが望ましく、さらに好ましくは、d−δ−トコフェロールを40%以上含有するものが望ましい。抽出トコフェロールの各同族体の内、d−δ−トコフェロールが特に安定性に優れ、持続的な香味劣化抑制効果が期待できる。トコフェロール中の各同族体の含有量は、食品添加物公定書に記載の測定方法(高速液体クロマトグラフ法)により測定が可能である。また、本発明におけるトコフェロールは、その誘導体も含まれる。例えば、d−δ−トコフェロールを酢酸とエステル化したd−δ−トコフェロールの酢酸エステルなどが挙げられる。
【0023】
本発明のテルペノイド減少抑制剤に含まれるトコフェロール量は特に限定するものではないが、0.1〜50重量%が含まれることが好ましく、さらに好ましくは1.0〜20重量%が含まれることが望ましい。本発明のテルペノイド減少抑制剤は、水系の飲食品に使用するため乳化物とするが、0.1%未満では期待される効果を得るために多量の添加を必要とし、20%を超える配合量では水又は多価アルコール中油型の乳化物とした場合に、安定な乳化系とすることが困難となる場合がある。
【0024】
本願の発明に用いるケルセチン類とは特に限定されるものではないが、ケルセチンを基本骨格とする化合物の総称であって、ケルセチン、ジヒドロケルセチン、イソクエルシトリン、ルチン、及びその誘導体として、酵素処理イソクエルシトリン、酵素処理ルチン、アスチルビンなどが挙げられる。
【0025】
本発明に使用されるケルセチン類は、その製造、精製方法などは特に限定しないが、ケルセチン類の溶解性を高める点では、酵素処理ルチンを用いることが好ましい。上記酵素処理ルチンとは、ルチンとデキストリンとの共存下にシクロデキストリングルカノトランスフェラーゼを作用させて得られる、α−グルコシルルチンを含有する組成物であるが、同様の配合組成を有する組成物であれば、他の手法を用いて製造されたものであっても使用することができる。
【0026】
本発明のテルペノイド減少抑制剤に含まれるケルセチン類量は特に限定するものではないが、0.1〜50重量%が含まれることが好ましく、さらに好ましくは1.0〜20重量%が含まれることが望ましい。本発明のテルペノイド減少抑制剤はトコフェロールを含有するため、水系の飲食品に使用する場合に乳化物とするが、ケルセチン類量として0.1%未満では期待される効果は得られにくく、20%を超える配合量では水又は多価アルコール中油型の安定な乳化物を得ることが困難となる場合がある。また、乳化物とする場合には、得られるテルペノイド減少抑制剤の単位量あたりのケルセチン換算量を大きくし、抗酸化能、紫外線吸収能を高めるなどの点から、ケルセチン類としてケルセチンを使用することも好適である。
【0027】
本発明のテルペノイド減少抑制剤を、水及び/又は多価アルコールと界面活性剤で乳化物として調製する場合には、水及び/又は多価アルコール中に界面活性剤を溶解させた後、トコフェロールを含む油相を添加し、乳化装置を用い乳化することにより得られる。ケルセチン類の添加方法は特に限定されるものではなく、乳化の前後の何れでも良いが、水及び/又は多価アルコール中に溶解可能であれば乳化前に添加し、水及び/又は多価アルコール中によく溶解させておくことが望ましい。なお、素材の劣化を防ぎ、製剤の安定性を向上させる目的で、全ての工程を通じて、窒素、ヘリウムといった不活性ガス気流下での調製が望ましい。
【0028】
前記に記載の水及び/又は多価アルコールとは、1つの分子内に2個以上の水酸基を有する化合物の総称であり、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、ソルビタン、キシロース、アラビノース、マンノース、乳糖、砂糖、カップリングシュガー、ブドウ糖、酵素水飴、酸糖化水飴、麦芽糖水飴、麦芽糖、異性化糖、果糖、還元麦芽糖、還元澱粉水飴、蜂蜜などが挙げられる。前記に記載の界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベートなどが挙げられる。前記に記載の乳化装置は、特に限定されるものではないが、具体的には、ホモミキサー、コロイドミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザーなどが挙げられる。
【0029】
本発明のテルペノイド減少抑制剤を、水及び/又は多価アルコールと界面活性剤で乳化物として調製する場合には、平均粒子径1.0μm以下の微細な乳化粒子とすることによって、油溶性であるトコフェロールの分離がなく、分散性が向上するため、最終製品の外観を損ねることがなく効果的にテルペノイド化合物の減少を抑制することができる。粒子径が1.0μmを超えると油溶性であるトコフェロールの分離や浮上が認められ、効果を十分発揮しないばかりでなく、最終製品の外観を損ねるおそれがある。好ましくは0.4μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下の微細な乳化にすることよって、より乳化安定性に優れるものとなる。また、平均粒子径が小さいほど、水中分散時における乳化粒子の表面積が増大し、テルペノイド減少抑制効果を十分に発揮することができる。乳化粒子の粒度分布測定法としては、光学顕微鏡法、共焦点レーザー顕微鏡法、電子顕微鏡法、原子間力顕微鏡法、静的光散乱法、動的光散乱法、レーザー回折法等が知られており、それぞれの原理に対応した装置が市販されている。本発明のテルペノイド減少抑制剤を水中に分散させた時の乳化粒子径は、市販の粒度分布計等で計測することができ、例えばベックマンコールター社の粒度分布測定器(L−230)を用いることで容易に測定することができる。
【0030】
本発明のテルペノイド減少抑制剤は、トコフェロールとケルセチン類を含有することによって、所望の効果が得られるが、必要に応じて公知の酸化防止剤を併用してもよい。例として油溶性酸化防止剤(カンゾウ油抽出物、ゴマ油不けん化物、γ−オリザノール、ナタネ油抽出物)、水溶性酸化防止剤(L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸エステル、L−アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸、クロロゲン酸、ブドウ種子抽出物、ヒマワリ抽出物、ヤマモモ抽出物、食用カンナ抽出物、ブルーベリー葉抽出物等)、また、水、油に難溶である酸化防止剤(ドクダミ抽出物、アオイ花抽出物、ピメンタ抽出物等)、金属封鎖剤(グルコン酸、コウジ酸、フィチン酸、ポリリン酸、キチン、キトサン等)、アミノ酸類、クエン酸等の有機酸類又その塩類、ヘスペリジン、ヘスペレチン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を併用配合してもよい。
【0031】
本発明のテルペノイド減少抑制剤を適用する製品とは特に限定されるものではないが、例えば柑橘系の香りを有する無果汁飲料、果汁入り飲料、アルコール飲料、ミネラル含有飲料、ビタミン含有飲料等の飲料類、乳飲料、乳酸菌飲料、はっ酵乳、ヨーグルト、アイスクリーム等の乳を主原料とする製品、ゼリー、ババロア、プリン等のデザート食品類、キャンディー、スナック食品等の菓子類、及び食品香料などを挙げることができる。また、食品への使用においては、食品原料及び各種食品添加物に適当な濃度となるように混合し使用してもよい。
【0032】
本発明のテルペノイド減少抑制剤の飲食品に対する添加量は、特に限定されるものではなく、テルペノイド減少抑制剤中の成分の純度、配合割合や、添加する飲食品の種類等により変動するが、一般的には飲食品の0.005〜0.5重量%の範囲で添加するのが好ましい。さらに好ましくは0.01〜0.1重量%が望ましい。0.005重量%未満では期待される効果は得られにくく、0.5重量%を超える濃度の添加ではトコフェロールやケルセチン類の香味が飲食品の風味に影響を及ぼす場合がある。
【0033】
本発明において、香料とは特に限定されるものではないが、例えば、精油、エキストラクト、オレオレジン、回収フレーバー、単離香料などの天然香料素材やアルコール類、エステル類、アルデヒド類、ケトン類、ラクトン類などの合成香料素材の中から選ばれた1種又は2種以上を混合したものからなり、形態として、油溶性香料、水溶性香料、乳化香料、粉末香料等の着香料を挙げることができる。また、油溶性、水溶性をそれぞれ単独でも、また併用でも使用することが可能である。
【0034】
本発明のテルペノイド減少抑制剤とこれら食品香料の混合方法及び混合割合は、特に限定されるものではなく、食品香料の香料成分の組成、使用される食品の種類などによって異なるので一概には決定できないが、一般的には食品香料99:1〜1:99の範囲で混合するのが好ましい。
【0035】
以下、本発明の態様を実施例によりさらに記載し、開示する。この実施例は、単なる本発明の例示であり、何ら限定を意味するものではない。
【実施例】
【0036】
実施例1
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノラウレート(太陽化学(株)製、HLB値16)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品1のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0037】
実施例2
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品2のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0038】
実施例3
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノパルミテート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品3のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0039】
実施例4
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノステアレート(太陽化学(株)製、HLB値14)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品4のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0040】
実施例5
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノオレート(太陽化学(株)製、HLB値14)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品5のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0041】
実施例6
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)5gにルチン(関東化学(株)製)5g添加したものを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品6のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0042】
実施例7
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)5gにケルセチン(関東化学(株)製)5g添加したものを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品7のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0043】
実施例8
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで予備乳化させた後、湿式微粒化装置((株)スギノマシン製)にて圧力150MPaで微細乳化し、本発明品8のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0044】
実施例9
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量60%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品9のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0045】
実施例10
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量0%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品10のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0046】
実施例11
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、ヘキサグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値13)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品11のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0047】
実施例12
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、テトラグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値11)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品12のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0048】
実施例13
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、ショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、HLB値15)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品13のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0049】
実施例14
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート(花王(株)製、HLB値15)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品14のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0050】
比較例1
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)10gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品1のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0051】
比較例2
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)10gを添加し、65℃に加温溶解した。これをホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで混合し、比較品2のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0052】
比較例3
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、アスコルビン酸(関東化学(株)製)10gを添加し、65℃に加温溶解した。これをホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで混合し、比較品3のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0053】
比較例4
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、アスコルビン酸(関東化学(株)製)5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品4のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0054】
比較例5
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4gを添加し、65℃に加温溶解した。アスコルビン酸パルミテート(三菱化学フーズ(株)製)10gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品5のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0055】
比較例6
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)5gを添加し、65℃に加温溶解した。アスコルビン酸パルミテート(三菱化学フーズ(株)製)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品6のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0056】
比較例7
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、ジグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値8)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品7のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0057】
比較例8
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、HLB値11)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品8のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0058】
比較例9
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、ショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、HLB値9)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品9のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0059】
比較例10
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)76gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4gを添加し、65℃に加温溶解した。これをホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品10のテルペノイド減少抑制剤を得た。
【0060】
実施例15
市販のレモン果汁飲料(果汁1%、pH3.4、糖度10.0)に実施例1〜14で得られた本発明品1〜14をそれぞれ0.05%添加し、無色透明のペットボトルに充填し、本発明品1〜14添加のレモン飲料を得た。また本発明品1〜14の代わりに比較例1〜10にて得られた比較品1〜10をそれぞれ0.05%添加した比較品1〜10添加のレモン飲料を得た。また、同様にして本発明品1〜14、比較品1〜10を添加していないレモン飲料を得た。
【0061】
試験例1
実施例1〜10で得られた本発明品1〜10、あるいは比較例1〜10にて得られた比較品1〜10が0.1%となるようにそれぞれ水中に分散させ、ベックマンコールター社の粒度分布測定器(L−230)を用いて乳化粒子径を測定した。その結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
試験例2
実施例15で得られたそれぞれのレモン飲料を10,000Lxの蛍光灯照射下に7日間(12℃)放置した後、遮光条件で冷蔵保存しておいたレモン飲料を標準とし、それに対する風味劣化の程度について10名のパネラーによる官能評価を行った。また、保管後のレモン飲料中のテルペノイド残存量は、揮発性成分をSPME法により捕集し、ガスクロマトグラフィー質量分析装置(GC/MS)により分析した。その結果を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】
表2中の官能評価の点数は、下記の基準で採点した各パネラーの平均点である。
(評価基準)
冷蔵保存試料と同等(変化なし) :5点
冷蔵保存試料と比べわずかに変化している :4点
冷蔵保存試料と比べ少し変化している :3点
冷蔵保存試料と比べかなり変化している :2点
冷蔵保存試料と比べ著しく変化している :1点
【0066】
テルペノイド類のGC/MS分析条件は次の通りである。
(前処理条件)
試料 :4g/20mLヘッドスペースバイアル
抽出法 :SPME(Carboxen/PDMS/DVB)
温度 :40℃
抽出時間:30分
(GC条件)
装置 :Agilent Technologies 7890A
カラム:DB―WAX(30m×0.25mm ID, 0.25μm film)
気化室温度 :240℃
注入法 :スプリットレス
オーブン温度:40℃(5分)⇒10℃/分⇒240℃(5分) 合計30分
キャリアガス:ヘリウム
カラム流量 :1.2ml/分
線速度 :36.3cm/秒
(MS条件)
装置 :Agilent Technologies 5975C
イオン化法:EI、70eV
【0067】
また、テルペノイド残存率は(%)は以下の式にしたがって計算した。
遮光冷蔵保存試料のテルペノイド量:A
光照射試料のテルペノイド量 :B
B/A×100=テルペノイド残存率(%)
【0068】
表1及び表2より明らかなように、抽出トコフェロール及びケルセチン類を含有し、かつ平均粒子径が1.0μm以下となる本発明品は、レモン飲料の光による風味劣化を効果的に防止した。また、本発明品は比較品と比べ、レモンのフレーバー成分であるテルペノイド類の残存率が高く、レモンの香調を効果的に維持した。
【0069】
実施例16
市販のオレンジ果汁飲料(果汁10%、pH3.4、糖度10.0)に実施例1〜14で得られた本発明品1〜14をそれぞれ0.05%添加し、無色透明のペットボトルに充填し、本発明品1〜14添加のオレンジ飲料を得た。また本発明品1〜14の代わりに比較例1〜10にて得られた比較品1〜10をそれぞれ0.05%添加した比較品1〜10添加のオレンジ飲料を得た。また、同様にして本発明品1〜14、比較品1〜10を添加していないオレンジ飲料を得た。
【0070】
試験例3
実施例16で得られたそれぞれのオレンジ飲料を10,000Lxの蛍光灯照射下に7日間(12℃)、あるいは遮光条件下で55℃の恒温器中に7日間放置した後、遮光条件で冷蔵保存しておいたオレンジ飲料を標準とし、それに対する風味劣化の程度について10名のパネラーによる官能評価を行った。また、保管後のオレンジ飲料中のテルペノイド残存量は、揮発性成分をSPME法により捕集し、ガスクロマトグラフィー質量分析装置(GC/MS)により分析した。その結果を表3に示す。
【0071】
【表3】
【0072】
表3より明らかなように、本発明品は比較品と比べ、オレンジ飲料の光や熱による風味劣化を効果的に防止した。また、本発明品は比較品と比べ、オレンジのフレーバー成分であるテルペノイド類の残存率が高く、オレンジの香調を効果的に維持した。
【0073】
実施例17
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノラウレート(太陽化学(株)製、HLB値16)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)1gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)1gを混合し、これを油相として多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品15のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0074】
実施例18
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)1gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)1gを混合し、これを油相として多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品16のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0075】
実施例19
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノパルミテート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)1gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)1gを混合し、これを油相として多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品17のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0076】
実施例20
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノステアレート(太陽化学(株)製、HLB値14)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)1gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)1gを混合し、これを油相として多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品18のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0077】
実施例21
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノオレート(太陽化学(株)製、HLB値14)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)1gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)1gを混合し、これを油相として多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品19のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0078】
実施例22
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、ルチン(関東化学(株)製)1gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)1gを混合し、これを油相として多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品20のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0079】
実施例23
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、ケルセチン(関東化学(株)製)1gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)1gを混合し、これを油相として多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品21のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0080】
実施例24
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)1gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)1gを混合し、これを油相として多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで予備乳化させた後、湿式微粒化装置((株)スギノマシン製)にて圧力150MPaで微細乳化し、本発明品22のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0081】
実施例25
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)1gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量60%)1gを混合し、これを油相として多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品23のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0082】
実施例26
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)1gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量0%)1gを混合し、これを油相として多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品24のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0083】
実施例27
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、ヘキサグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値13)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)1gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)1gを混合し、これを油相として多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品25のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0084】
実施例28
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、テトラグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値11)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)1gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)1gを混合し、これを油相として多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品26のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0085】
実施例29
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、ショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、HLB値15)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)1gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)1gを混合し、これを油相として多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品27のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0086】
実施例30
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート(花王(株)製、HLB値15)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)1gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)1gを混合し、これを油相として多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品28のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0087】
比較例11
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)2gを混合し、これを油相として多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品11のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0088】
比較例12
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)2gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gを油相とし、多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品12のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0089】
比較例13
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、アスコルビン酸(関東化学(株)製)2gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gを油相とし、多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品13のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0090】
比較例14
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、アスコルビン酸(関東化学(株)製)1gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)1gを混合し、これを油相として多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品14のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0091】
比較例15
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gとアスコルビン酸パルミテート(三菱化学フーズ(株)製)2gを混合し、これを油相として多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品15のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0092】
比較例16
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)1gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gとアスコルビン酸パルミテート(三菱化学フーズ(株)製)1gを混合し、これを油相として多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品16のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0093】
比較例17
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、ジグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値7)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)1gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)1gを混合し、これを油相として多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品17のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0094】
比較例18
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、HLB値11)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)1gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)1gを混合し、これを油相として多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品18のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0095】
比較例19
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、ショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、HLB値9)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)1gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量30%)1gを混合し、これを油相として多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品19のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0096】
比較例20
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4gを添加し、65℃に加温溶解した。グレープフルーツオイル香料5gを油相とし、多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品20のグレープフルーツ香料製剤を得た。
【0097】
実施例31
グラニュー糖10%、クエン酸0.15%及びクエン酸ナトリウム0.02%を水に溶解してBx.7.5、pH=3の酸糖液を調製した。この酸糖液に実施例17〜30で得られた本発明品15〜28をそれぞれ0.1%添加し、93℃達温にて加熱殺菌後、無色透明のペットボトルにホットパック充填し、冷却して本発明品15〜28添加のグレープフルーツフレーバー飲料を得た。また本発明品15〜28の代わりに比較例11〜20にて得られた比較品11〜20をそれぞれ0.1%添加した比較品11〜20添加のグレープフルーツフレーバー飲料を得た。
【0098】
試験例4
実施例17〜30で得られた本発明品15〜28、あるいは比較例11〜20にて得られた比較品11〜20が0.1%となるようにそれぞれ水中に分散させ、ベックマンコールター社の粒度分布測定器(L−230)を用いて乳化粒子径を測定した。その結果を表4に示す。
【0099】
【表4】
【0100】
試験例5
実施例31で得られたそれぞれのグレープフルーツフレーバー飲料を10,000Lxの蛍光灯照射下に7日間(12℃)放置した後、遮光条件で冷蔵保存しておいたグレープフルーツフレーバー飲料を標準とし、それに対する風味劣化の程度について10名のパネラーによる官能評価を行った。また、保管後のグレープフルーツフレーバー飲料中のテルペノイド残存量は、揮発性成分をSPME法により捕集し、ガスクロマトグラフィー質量分析装置(GC/MS)により分析した。その結果を表5に示す。
【0101】
【表5】
【0102】
表4及び表5より明らかなように、抽出トコフェロール及びケルセチン類を含有し、かつ平均粒子径が1.0μm以下となる本発明品は、グレープフルーツフレーバー飲料の光による風味劣化を効果的に防止した。また、本発明品は比較品と比べ、グレープフルーツフレーバー成分であるテルペノイド類の残存率が高く、グレープフルーツの香調を効果的に維持した。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明のテルペノイド減少抑制剤を用いることにより、日光や強い照明下の飲食品販売時や、高温下での飲食品保存時において、フレーバー成分としてテルペノイドを含有する飲食品の風味劣化を防止することができ、香味の良好な飲食品の提供及び品質保持効果を持続することが可能となり、産業上貢献大である。