特許第6752017号(P6752017)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6752017紙および板紙用のECプライマーコーティング
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  • 特許6752017-紙および板紙用のECプライマーコーティング 図000008
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6752017
(24)【登録日】2020年8月20日
(45)【発行日】2020年9月9日
(54)【発明の名称】紙および板紙用のECプライマーコーティング
(51)【国際特許分類】
   C09D 4/02 20060101AFI20200831BHJP
   B05D 5/04 20060101ALI20200831BHJP
   B05D 5/06 20060101ALI20200831BHJP
   B05D 7/00 20060101ALI20200831BHJP
   C09D 5/00 20060101ALI20200831BHJP
【FI】
   C09D4/02
   B05D5/04
   B05D5/06 101A
   B05D5/06 104A
   B05D7/00 F
   C09D5/00 D
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-553791(P2015-553791)
(86)(22)【出願日】2014年1月15日
(65)【公表番号】特表2016-511776(P2016-511776A)
(43)【公表日】2016年4月21日
(86)【国際出願番号】US2014011601
(87)【国際公開番号】WO2014113425
(87)【国際公開日】20140724
【審査請求日】2016年12月8日
【審判番号】不服2019-3096(P2019-3096/J1)
【審判請求日】2019年3月5日
(31)【優先権主張番号】61/753,576
(32)【優先日】2013年1月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507385165
【氏名又は名称】サン ケミカル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】グレン・ウェブスター
(72)【発明者】
【氏名】ホレイス・シングルトン
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴ・スタンディング
(72)【発明者】
【氏名】ダナ・モー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・スコットランド
【合議体】
【審判長】 蔵野 雅昭
【審判官】 川端 修
【審判官】 木村 敏康
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−347175(JP,A)
【文献】 特開平04−322251(JP,A)
【文献】 特開2005−205258(JP,A)
【文献】 特開平03−243669(JP,A)
【文献】 特開平9−250097(JP,A)
【文献】 特開9−059894(JP,A)
【文献】 特開平7−300794(JP,A)
【文献】 特開平11−174971(JP,A)
【文献】 特表2003−533554(JP,A)
【文献】 特開2012−241088(JP,A)
【文献】 特開昭61−185574(JP,A)
【文献】 特開昭61−185575(JP,A)
【文献】 特開昭61−060878(JP,A)
【文献】 特開平2−182997(JP,A)
【文献】 特開平2−221500(JP,A)
【文献】 特開2008−001784(JP,A)
【文献】 特開2005−212135(JP,A)
【文献】 特開平10−195359(JP,A)
【文献】 特開平9−268269(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 1/00 − 201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキソまたはグラビア塗布コーティング用のプライマー組成物であって、
エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセロールプロポキシトリアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール (200) ジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノール-A ジアクリレート、および、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートとジエチルアミンとの反応生成物(PHOTOMER(登録商標) 5006)から選択されるアクリルモノマーまたはオリゴマーを2種以上含み、
前記プライマー組成物はエネルギー硬化型であり、
前記プライマー組成物中のアクリルモノマーおよびアクリルオリゴマーの合計におけるC−O−C対C=Cの官能基の計算比が1.6を超え、
前記プライマー組成物は溶剤を含まないかまたは500ppm未満の量で含み、
前記プライマー組成物は25℃で測定した場合に30.1〜63.7cPsの粘度を有する、プライマー組成物(但し、ウレタンアクリレートオリゴマーを含むプライマー組成物は除く)。
【請求項2】
前記プライマー組成物中のアクリルモノマーおよびアクリルオリゴマーの合計におけるC−O−C対C=Cの官能基の計算比は1.8を超える、請求項1に記載のプライマー組成物。
【請求項3】
25℃〜45℃において10秒−1で測定した場合、コーティング粘度に少なくとも50%の低下が見られる、請求項1または2に記載のプライマー組成物。
【請求項4】
硬化すると、60以上の総可視光反射率を示す、請求項1または2に記載のプライマー組成物。
【請求項5】
最高で33mN/mまでの静的表面張力を有する、請求項1または2に記載のプライマー組成物。
【請求項6】
45℃で17〜25cPsの粘度を有する、請求項1または2に記載のプライマー組成物。
【請求項7】
請求項1または2に記載のプライマー組成物が硬化した層を含む印刷物であって、任意に、パッケージに使用されるものであってよく、任意に、硬化したプライマー層の少なくとも一部に反射性金属インキが重ね刷りされていてよい、印刷物。
【請求項8】
請求項1または2に記載のプライマー組成物を基材に塗布することを含む、エネルギー硬化型プライマー組成物を印刷する方法であって、前記印刷する方法は、フレキソまたはグラビアである、方法。
【請求項9】
鮮やかな金属コーティングされた紙材を形成させる方法であって、
(a)前記紙材の紙表面に請求項1に記載のプライマー組成物の層をフレキソ塗布またはグラビア塗布する工程と、
(b)プライマーの前記層を硬化させてインキ受容界面層を生成させる工程と、
(c)複数の反射性粒子を含む反射性金属インキを、硬化したプライマー層の少なくとも一部に塗布する工程と、
(d)前記反射性金属インキを乾燥させて、硬化したプライマー上に反射性金属インキ層を形成させる工程と、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年1月17日に出願された米国仮特許出願第61/753,576号に対する優先権を主張するものである。全ての出願は、参照により、その全体として、全ての目的のために本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、インキまたはオーバープリントラッカーに重ね刷り適性および層間密着性を示すだけでなく、パッケージにおける使用に対しても柔軟性を示す、エネルギー硬化型プライマー組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
高反射性の金属効果パッケージ等の特殊効果は、顧客のさらなる注目を促進し、集め、かつ引くために、またそれによって包装された製品の売上げおよび業務を増加させるために、小売業および販売促進用のパッケージデザインにしばしば使用される。このような目的で、従来の印刷方法は、商品用の折り畳み式段ボール箱を製造するために使用されるような、紙または板紙基材(paper or paperboard substrate)にラミネート加工される予め処理された金属箔または金属蒸着フィルムを用いる場合がある。この方法では、折り畳み式段ボール包装用の標準品質のグラフィックデザインを印刷するために使用される標準品質の白色の紙または板紙と比較して、金属基材は比較的高価である。さらに、意図する目に見える金属効果を生成するために金属表面の100%未満を被覆しない状態で残しながら、印刷される色付きグラフィックに十分な面積の中間的な白色下地を提供するために、金属箔または金属蒸着フィルムをラミネート加工した紙または板紙は、典型的には、金属効果を覆って、乳白色のインキでかなりの表面積にわたって重ね刷りされる。
【0004】
より効率的なアプローチでは、金属効果のある印刷インキを使用して、標準品質の白色の塗工紙または板紙上の必要な領域内にのみ金属効果を必要とするパッケージを印刷することができる。多孔質および非平滑基材に塗布された低粘度液体印刷インキは、多孔質基材に浸透して染み込み、かつ/または基材の非平滑表面輪郭に続く非平滑層において乾燥し、結果として、金属箔または金属蒸着フィルムの反射性の高い品質と比較して、目に見えてかつ測定可能に反射性の低い、審美的に美しくない金属的外観をもたらす。プライマーの使用は、金属的な外観の向上を助けるために典型的に推奨される。
【0005】
インキを塗布する前に基材の表面を改善するためにプライマーを使用するという概念は新しいものではないが、金属的な外観を向上させるのに効果的なエネルギー硬化型プライマーに関連する従来技術は非常に限られている。Shorewood Packaging/International Paper(国際公開第2012099698号)からの最近の特許出願は、エネルギー硬化型プライマーおよび金属インキを塗布することを含む、金属的な外観を有するパッケージを製造するための方法を開示している。しかしながら、箔スタンピング、または金属蒸着フィルムでラミネート加工した板(「Met−Pol」板)もしくは薄いアルミ箔でラミネート加工した板(「Transmet」板)等の完全に金属蒸着された板の使用に取って代わる、所望の金属的な外観を有するパッケージの作製を可能にする好適なプライマーの組成物に関する情報は提供されていない。
【0006】
優れた反射性および輝度指数を達成するためには、Shorewoodによって開示されていない特殊なプライマーの特徴が必要である。さらに、米国特許出願第2007/076069号および米国特許第7891799号に開示されるJetrionからの透明な下地プライマー等の従来技術に開示される金属化プライマーは、本発明のプライマーによって示されるのと同じレベルの粘度の温度依存性を提供しない。本発明のプライマーにおけるこの特定のレオロジー挙動は、板への浸透を低減するとともに、塗布温度で優れた平滑化能力をもたらす。その結果、プライマーは、15bcm(10億立方ミクロン/1平方インチ)〜10bcmおよび5bcmという広範囲のアニロックス容積(適用される塗工量に関連する)にわたって優れた光沢保持率を有する。本発明のプライマーは、好ましくは、25℃〜45℃で55%を超える粘度低下率を有するのに対し、従来技術のプライマーは、典型的には約27%を示す。
【0007】
また、従来技術のプライマーは、チャートのコーティングされていない白色部分と比較して、チャートのコーティングされた白色部分におけるプライマー間のBYK Penopacチャート上の光沢差に示されるように、それらが印刷される表面に対して非常に感度が高い。後述の実施例2に示されるように、その感度は、より少ないアニロックス容積によってさらに高められる。
【0008】
したがって、従来技術は、臭い等の官能特性および移行性が重要となるパッケージ(例えば、食品、タバコ、および医薬品のパッケージ)に使用するのに好適なプライマー配合物を開示することもできない。特定の特性を有し、かつ/または好ましくは少なくとも300g/モルのMWを有するアクリレートモノマーおよびオリゴマーを、適切な添加剤、および該当する場合は光開始剤パッケージと組み合わせて選択することにより、低臭気および低裏移り特性(EU指令番号10/2011からの試験による)を有する効果的な金属化プライマーを製造することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2012099698号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願第2007/076069号
【特許文献3】米国特許第7891799号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、プライマー組成物であって、
(a)C−O−CおよびC=C官能基を含むアクリルモノマーと、
(b)C−O−CおよびC=C官能基を含むアクリルオリゴマーと、を含み、
前記プライマー組成物はエネルギー硬化型であり、アクリルモノマーおよびアクリルオリゴマーの合計におけるC−O−C対C=Cの官能基の計算比が1.6を超える、プライマー組成物を提供する。
【0011】
本発明はまた、本発明のプライマー組成物を含む印刷物も提供する。
本発明はさらに、基材に本発明のプライマー組成物を塗布することを含む、エネルギー硬化型プライマー組成物を印刷する方法も提供する。
【0012】
本発明はまた、鮮やかな金属コーティングされた紙材を形成させる方法であって、
(a)紙材の紙表面に本発明のプライマー組成物の層を塗布することと、
(b)プライマーの層を硬化させてインキ受容界面層を生成させることと、
(c)複数の反射性粒子を含む反射性金属インキを、硬化したプライマー層の少なくとも一部に塗布することと、
(d)金属インキを乾燥させて、硬化したプライマー上に反射性金属インキ層を形成させることと、を含む方法を提供する。
【0013】
本発明のこれらおよび他の目的、利点、および特徴は、以下により詳細に記載される方法および配合物の詳細を読むことにより、当業者に明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、15bcmアニロックスを使用して、硬化した実施例1のプライマーでコーティングされ、金属VMPインキSC17604を重ね刷りされた、LenetaチャートのSEM断面を示す。この画像は、板の上に約4.5ミクロンの厚さのプライマーでコーティングされた平滑かつ均一な層を示し、また、板表面自体と比較して表面がいかに改善されたかを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、紙または板等の凹凸のある基板上で使用されるエネルギー硬化型プライマー組成物であって、販売促進または高価なパッケージ用途向けの鏡のような金属効果または他の特殊効果等の優れた外観を生み出すために、後続の金属インキまたは特殊効果インキのインラインまたはオフライン塗布のために非多孔質の平滑な印刷受容面を作成するのに役立つものを記述する。低臭気および低移行性の、間接的に接触する食品、タバコ、または医薬品のパッケージに好適な組成物も開示される。
【0016】
本発明の液体プライマー組成物は、エネルギー硬化型(UVまたは電子線)であり、実質的に溶剤を使わずに塗布することができるか(<500ppm)、または溶剤もしくは水を使用して希釈した場合は蒸発乾燥/UVもしくは電子線硬化を用いて塗布することができ、好ましくは、窒素で不活性化した雰囲気条件の使用の有無にかかわらず、電子線または好適な化学線照射によって開始されるフリーラジカル重合によって硬化させるために、グラビアまたはフレキソ印刷用途の粘度で配合される。組成物は、フレキソまたはグラビア加工によって塗布されるのが好ましいが、他の蒸着方法(例えば、スプレーコーティング、インキジェット、リソグラフ、ロールコーティング、カーテンコーティング等)における使用に好適となるよう改良することもできることを理解されたい。好ましい低表面張力によって、液体プライマーは、紙または板基材の上で良好な湿潤特性を示す。硬化したプライマー被覆基材は、用途および印刷業者/加工業者の操作上の必要性に応じて、後続の印刷ステーションでさらにインラインで加工されてもよいか、または保管されてもよいか、または下流でもしくはオフラインで加工されてもよい。プライマーは、好ましくは、インキまたはオーバープリントラッカーに優れた重ね刷り適性および層間密着性を示すだけでなく、パッケージにおける使用に対しても柔軟性を示す。
【0017】
従来技術と比較して、より粘度の低い配合を必要とする特定の種類のプライマー、例えば、フレキソ塗布およびグラビア塗布したプライマー配合物において、本発明の組成物は、温度が上昇するにつれてはるかに大きい粘度の低下(典型的には、従来技術の30%未満と比較して、25℃〜45℃で50%を上回る粘度の低下)を示すことが好ましい。そのようなレオロジー挙動は、プライマーを任意選択的に高温で塗布できるようにし、板内への浸透を制限する一方で、高温の間に優れた印刷および平滑化を提供する。そのような挙動は、従来技術の配合物と比較して異なるコーティングフィルム重量でのプライマーのより強力な光沢保持性能によっても示される。一実施形態において、組成物はまた、BYK Penopacチャートのコーティングされた部分またはコーティングされていないBYK Penopacチャートの上に印刷された時にわずかな光沢差を示した。そのような特徴は、印刷中に、改善されたプライマー転写効率をもたらし得る。
【0018】
臭いおよび味等の官能的態様が重要なパッケージ用途(例えば、食品、タバコのパッケージ)における使用に適合する効果的なプライマー組成物もまた提示される。商業印刷されたパッケージ構造(例えば、紙もしくは板紙基材+プライマー+好適な金属インキもしくはカラーインキ+好適なオーバープリントワニスもしくはラッカーを含むもの)において硬化された時に、測定される裏移りは、好ましくは、それらの特定移行限度(SML)未満であるか、またはSMLを有しない残りの成分の場合は10ppb未満であることが好ましく、これによって、EU指令番号10/2011による欧州食品安全規定に準拠することが保証される。
【0019】
グラフィックデザインによって必要とされる場合にのみ、UVまたはEB硬化型プライマーコーティングを標準品質の紙または板紙にスポット塗装し、その後、高反射性金属インキをスポット塗装する能力は、典型的には、必要とされる商業用グラフィックの全範囲を作成するために白色インキおよびカラーインキで部分的に重ね刷りされた金属箔層または金属蒸着フィルム層の100%被覆率を有する従来の金属ラミネート加工を施した紙または板紙基材を使用して製造される同等のパッケージに勝る効率的なパッケージデザインならびに改善された収率および処理効率を印刷業者/加工業者に提供する。これはまた、印刷した材料に金属箔をホットまたはコールドスタンピングすることによってもたらされる他の同等の金属グラフィックの効果に勝る同様の利点を可能にする。
【0020】
本発明のプライマーは、より低いフィルム重量でより高い光沢を提供し、基材の気孔率における差に対してより影響を受けにくい。このため、加工業者は、プライマーをより効率的に使用でき(光沢を大幅に損失することなくより良好な印刷面積)、板の気孔率または表面エネルギーの変化にさらに適応しやすくなる。また、硬化したプライマーの好ましい高分散表面エネルギーは、より魅力的なグラフィックを作成し、ひいては加工業者/ブランドオーナーが商品としてより魅力のあるパッケージまたはラベルを作成するのに役立つ、溶剤系インキ(カラーインキまたは特殊効果インキ等)を用いた重ね刷り向けの優れた表面をもたらす。
【0021】
フレキソまたはグラビア塗布コーティングに好適であるほど十分に低い粘度を有するUVまたはEB硬化型コーティングは、典型的には、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、または類似種等の低分子量、低粘度のモノ、ジ、またはトリアクリレートモノマーを含有し、硬化したフィルムからの強い残留硬化臭および著しい残留移行成分の原因となるため、それらは食品またはタバコのパッケージ用途には不適切である。代替として、より許容されるアクリレートモノマーおよびオリゴマーは、グラビア塗布コーティングに配合するには粘性が高すぎることが多い。許容される粘度を達成するための水、溶剤、または可塑剤によるアクリレート官能基の希釈は、硬化の効率もしくは速度の低下、硬化したフィルムの靱性もしくは耐久性の喪失、ピンホールもしくはクレーター等の表面欠陥、または硬化したフィルムにおける望ましくない溶剤の滞留を引き起こし得る。プライマーコーティングの表面欠陥を除去するためのポリジメチルシロキサン、シリコーン油、または他の界面活性剤等の表面張力低下性の表面活性剤の使用も、硬化したプライマーフィルムの表面エネルギーを、プライマーの上に印刷されることが意図される他のインキよりも低く減少させ、インキとプライマーの間でインキの転写不良およびフィルム間密着性不良を生じる。印刷媒体(それが彫刻シリンダまたは加工済みプレートであろうと)から基材への効率的なインキ転写を達成するためには、インキが表面を湿潤させてその上に広がるように、固体基材の表面エネルギーは、その上に転写される液体インキの表面張力よりも高いことが好ましい。プライマーでコーティングされた紙または板紙の場合、硬化したプライマーフィルムは、次に塗布されるインキが湿潤し、その上に転写する基材である。
【0022】
本発明は、特定のパラメータが、紙および板等の多孔質で凹凸のある基材のための最良のエネルギー硬化型プライマーの選択において好ましいことを開示する。これらのパラメータは、典型的には粘度がフレキソプライマーよりも低く、プライマーが板に浸透する潜在的リスクを増加させ、ひいてはあまり魅力的ではない仕上げをもたらす、グラビア印刷可能なプライマーの場合により一層好ましい。
【0023】
一実施形態において、本発明はまた、シリンダ内径28ミリメートルおよびシリンダ外径30ミリメートルならびに1ミリメートルの間隙を用いて、TA Instruments AR−1500レオメータ上で同軸シリンダ(Couette)形状を用いて10逆数秒(秒−1)で測定した場合、45℃で17〜25cPsの粘度を有するグラビア印刷可能なプライマーも導入する。これらの配合物の25℃〜45℃での粘度の低下は、好ましくは55%を超過する。
【0024】
別の実施形態において、従来技術の配合の1.5と比較して、プライマー配合物のモノマーおよびオリゴマー断片中のC−O−C対C=C官能基の比率は>1.6meq/gであり、好ましくは>1.8である。この比率は、コーティング中のアルコキシ官能基の程度がより高いことと関連しており、それは、基材の上を湿潤させるのにさらに役立つ、より低いコーティングの静的表面張力(≦33mN/m)と関連している。
【0025】
好ましい実施形態において、UVまたはEBプライマーの静的液体表面張力は、Cahn DCA−312張力計(20℃の温度で厚さ約0.1mmの25×25mガラス皿を使用するWilhelmyプレート法)を用いて測定した場合、20℃で≦33mN/mであり、硬化したプライマーフィルムは>34mN/m、好ましくは≧37mN/mの分散表面エネルギーを有する。
【0026】
さらに別の実施形態において、本発明の開示は、塗布温度で15〜65cPsの範囲、好ましくは45℃で測定した場合に17〜25cPsの粘度を有し、25℃〜45℃で50%以上の粘度低下係数を有するグラビア印刷可能なプライマーも導入する。好ましい実施形態において、シリンダ内径28ミリメートルおよびシリンダ外径30ミリメートルならびに1ミリメートルの間隙を用いて、TA Instruments AR−1500レオメータ上で同軸シリンダ(Couette)形状を用いて10逆数秒(秒−1)で測定した場合、プライマーは45℃で17〜25cPsの粘度を有する。
【0027】
食品またはタバコのパッケージ等の、臭いおよび匂い等の官能特性が重要な用途では、低臭気および低裏移り特性(EU指令番号10/2011に従う試験による)を有する効果的な金属化プライマーを製造するために、承認される添加剤と、該当する場合は光開始剤パッケージと組み合わせて、好ましくは少なくとも300g/モルのMWを有するモノマーが選択されることが好ましい。
【0028】
本発明の液体プライマーは、好ましくは、化学線照射、例えば、空気中で、または大気中酸素濃度を変位および減少させるように窒素もしくは他のガスで不活性化した場合にUVを用いて、または好ましくは酸素濃度が200ppmを超過しない条件でEBを用いて硬化され得るように配合され、15bcmアニロックスを備えるTMI Flexiprooferを使用して印刷した場合に、好ましくはLeneta N2A−3チャート上で以下の特徴を有する硬化乾燥された重ね刷り可能なフィルムを生じる。
【0029】
硬化後の総表面エネルギーは、Fribro 1100 DAT機器を使用してプローブ液(水およびジヨードメタン)の接触角測定値を用いて測定した場合、好ましくは≧37mN/mである。Fowkesの理論である幾何平均法を用いて総表面エネルギーを割ることによって、分散成分および極性成分を計算した。
【0030】
また、好ましくは、BYK−Gardner Micro−TRI光沢計を使用して測定した場合、20度の角度で硬化した後の光沢は>55であり、60度の角度での光沢は>83である。
【0031】
好適な銀色の金属インキ(例えば、Sun Chemical SC17604 MIRRORTECH(登録商標)S)で重ね刷りし、Meyerの3番巻線コーティングバーを用いて塗布すると、下塗りした金属化表面は、好ましくは、86%以上の輝度指数とともに、64以上の総可視光反射率を示す。
【0032】
本発明のプライマー組成物は、好ましくは、他の材料または溶剤の添加またはそれを用いた希釈を必要とすることなく、グラビアまたはフレキソ用途における性能のために設計される。
【0033】
プライマー配合物は、好ましくは、本質的に溶剤を含まず(<500ppm)、エネルギー硬化型モノマーおよび/またはオリゴマーと、任意選択的に、光開始剤パッケージ(アミン相乗剤を含み得る)と、任意選択的に、表面活性剤、流動化剤/平滑化剤、および/または消泡剤(好ましくは非シリコーン)等の低レベルの添加剤とを含む。任意選択的に、グラフィック複製を向上させるためまたはグラフィックデザインの視覚的印象を強化するために、プライマー配合物は、着色剤、着色パッケージ、または視覚効果顔料も含んでもよい。
【0034】
配合物組成物は、(a)25℃〜45℃において10秒−1で測定した場合、プライマーのコーティング粘度における低下が50%以上であり;(b)Leneta N2A−3チャート上で15bcmアニロックスを備えるFlexiprooferを使用して塗布した硬化したプライマーが37mN/m以上の総表面エネルギーを有し、かつ/または20℃の角度で硬化した後の印刷されたプライマーの光沢が>55であり、60℃の角度での光沢が>83であるように選択される。
【0035】
適切なグラビア用途の粘度、迅速な硬化、最適な硬化フィルムの表面エネルギー、および残りの成分が硬化後に移行する低い可能性のためには、より高い分子量、低粘度、および高い表面張力を有する低粘度のモノマーまたはオリゴマーの選択が好ましい。
【0036】
紙または板紙基材に塗布された時に平滑で欠陥のない液体プライマー表面のためには、プライマー−基材の湿潤、流動化および平滑化、ならびに発泡防止能および消泡能を制御するのに最適な表面活性剤の選択が好ましく、>37mN/mで硬化した時に好ましい分散表面エネルギーを生じる。
【0037】
別の実施形態において、BYK Penopac 2817チャート上に印刷された時に、硬化したコーティングが15〜5bcmのアニロックス容積の範囲にわたって優れた光沢保持率を示すように、コーティング配合物、具体的には添加剤パッケージが選択される。優れた光沢保持率は、15bcmから5bcmのアニロックスに変更した場合に、60度の角度で10ポイント未満の光沢の低下、および20度の角度で20ポイント未満の光沢の低下として定義される。好適な添加剤パッケージの例として、Tego Flow 425、Tego Flow 300、Tego Flow 370、Tego Wet 270、BYK 361、およびBYK 3455等のポリアクリレート流動促進剤および平滑化促進剤が挙げられる。
【0038】
さらなる実施例において、添加剤パッケージは、チャートのコーティングされていない白色領域を覆う硬化したコーティングと比較して、BYK Penopac2817チャートのコーティングされた白色領域を覆う硬化したコーティングの光沢差によって示されるように、コーティングされた板およびコーティングされていない板の上に強力な光沢性能を提供するように選択されることが好ましい。好ましい組成物は、60度の角度で、15bcmでは2未満および10bcmでは4未満の光沢差を示す。
【0039】
本発明のプライマーの有効性は、ビールのラベルに使用されるような薄い塗工紙(合計70gsm未満)の上でも実証された。プライマー処理した紙をSC17604で金属化したところ、真空金属蒸着を用いて調製したビールのラベルに匹敵する、同様の輝度および金属的な外観を呈した。真空金属蒸着は、真空金属蒸着の前に最初にラベルをプライマー処理し、次いで、最終的にはラッカーで被覆される印刷インキに好適な印刷表面を提供するラッカーを重ね刷りすることを必要とする技術である。本発明のプライマーを用いると、金属化プライマーの後には銀色インキが塗られ、グラフィックおよびオーバープリントワニスを用いて直接印刷可能であるため、少なくとも1つのワニスの層および関連する真空金属蒸着の無駄を排除する。
【0040】
本発明のプライマーはまた、共押出プラスチック層(PEなど)を有する熱可塑性フィルムまたは板の表面特性を改善するため、ひいてはプライマーの上に印刷されるグラフィックの外観を改善するためにも使用することができる。そのような基材の例として、例えば、従来、高品質で印刷することが困難な基材である牛乳パックが挙げられる。本発明のプライマーはまた、高分子種、セルロース、木材、金属等の他の基材に使用することもできる。
【0041】
本発明のプライマーはまた、着色剤を含んでもよい。好適な着色剤は、限定されないが、有機または無機の顔料および染料を含む。染料は、限定されないが、アゾ染料、アントラキノン染料、キサンテン染料、アジン染料、それらの組み合わせ等を含む。顔料は、限定されないが、コーティングされたまたはされていない雲母または他の無機金属酸化物、真珠光沢顔料、オパールセント、角度依存性および他のフォトニック顔料、カーボンブラック、アルミニウムまたは青銅等の金属または金属合金、ならびに有機顔料を含む。
【0042】
ほとんどのコーティング組成物と同様に、種々の特性を強化するために添加剤が組み込まれてもよい。そのような添加剤の部分的なリストは、限定されないが、アミンまたはアミノ官能性化合物等の密着性促進剤および架橋剤、チタン酸塩、ジルコン酸塩、リン酸塩、または他の無機または有機の酸官能性化合物等の有機金属化合物、光安定剤、脱ガス添加剤、流動促進剤、消泡剤、酸化防止剤、UV安定剤、界面活性剤、分散剤、可塑剤、レオロジー添加剤、ワックス、シリコーン、他の表面または界面改質剤等を含む。
【0043】
溶剤系グラビア塗布による銀色効果インキは、所与のプライマー例を用いて金属効果を生み出すために使用され、有効な結果は、限定されないが、水性、エネルギー硬化性、フレキソ、グラビア、インキジェット、オフセット、および他の一般的に適用される印刷またはコーティング法を含む、プライマーを覆う効果インキのための他の印刷用途プロセスを用いて達成することもできる。
【0044】
本発明のプライマー組成物は、以下に示すように、従来技術における既知の組成物と比較してより輝度の高い金属的な外観を提供する能力を示した。非平滑な多孔質基材に対するこれらの迅速硬化型プライマーコーティングは、基材表面を改質して、低粘度の液体金属効果インキを塗布するための非多孔質の平滑でガラスのように滑らかな印刷受容面にし、金属箔または金属蒸着フィルムの視覚的反射効果に酷似するほぼ鏡のような表面の外観でインキが乾燥する。これらの組成物でプライマー処理した基材はまた、他の用途に使用されてもよく、その場合、より鮮やかな視覚効果、または光沢もしくはグラフィックの外観における全体的な改善を提供するために、インキまたは他のカラーインキもしくは特殊効果インキをプライマーに重ね刷りしてもよい。
【実施例】
【0045】
以下の実施例は、本発明の特定の態様を例示するものであって、いずれの点においてもその範囲を限定することを意図するものではなく、そのように解釈されるべきではない。
【0046】
実施例1〜9
一連のEBおよびUVプライマー配合物を、20度および60度での光沢、ならびに輝度指数について比較した。最初に、15bcmアニロックスを備えたTMI Flexiprooferを使用して各プライマーをLeneta N2A−3チャート上に印刷し、プライマーを硬化させ、次いで、Meyerの3番バーを用いてLeneta Form N2A−3の上(白色の板(white board)の上)に塗布したSun ChemicalのSC17604アセテート溶剤系の真空金属蒸着顔料銀色インキを重ね刷りすることによって印刷を行った。参照基準であるTransmetおよびMetpol板の輝度指数も測定した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
3−エトキシ−トリメチロールプロパントリアクリレートの例として、TMPEOTA、Cytec Surface Specialties;Photomer 4149、IGM Resins;EM2380、Eternal Chemical Co.;Miramer 3130、Miwon Specialty Chemical Co.およびSR454、Sartomer Companyが挙げられる。ポリエチレングリコール(200)ジアクリレートの例として、Photomer 4050、IGM Resins;EM224 Eternal Chemical Co.;Miramer 282、Miwon Specialty Chemical Co.およびSR259、Sartomer Companyが挙げられる。2−プロポキシネオペンチルグリコールジアクリレートの例として、Photomer 4127、IGM Resins;EM2251 Eternal Chemical Co.;Miramer M216、Miwon Specialty Chemical Co.およびSR9003、Sartomer Companyが挙げられる。ポリアクリレート流動添加剤および平滑化添加剤の例として、Tego Flow 425、Tego Flow 300、Tego Flow 370、およびTego Wet 270、Evonik IndustriesならびにBYK 361−N、およびBYK 3455;BYK USA Inc.が挙げられる。ポリマー消泡剤/脱気剤添加剤の例として、BYK−A 535、BYK USA Inc.およびTego Airex 920、Evonik Industriesが挙げられる。
【0051】
適切な低臭気、低移行性の市販のフリーラジカル光開始剤および光相乗剤の添加は、これらの例を等しく効果的なUV硬化型プライマーコーティングに変換することができる。そのようなフリーラジカル光開始剤および光相乗剤の添の例として、Irgacure 127、BASF Corp.;Omnipol Series、IGM Resins;Speedcure 7000 Series、Lambson Ltd.;Genopol Series、Rahn USA Corp.およびCN3715LM、Sartomer Companyが挙げられる。
【0052】
下の表4は、本発明のプライマーに使用するのに好ましいモノマーおよびオリゴマーの部分的なリストの物理的特性を示す。表4は、部分的なリストを開示しているに過ぎず、加熱中に現れる表面エネルギー、光沢保持、および粘度低下の好ましい特性を示す任意の他の材料もまた好ましい。官能基の密度は、推定純度100%のモノマー/オリゴマー材料の理論上の構造に基づいて計算した。
【0053】
【表4】
【0054】
参照のために、表5に示すように、印刷していないMet−PolおよびTransmet板の代表的なサンプルを入手した。
【0055】
【表5】
【0056】
輝度指数試験方法
総可視光反射率(Y)および輝度指数は、X−Rite XP−64球体分光光度計を使用して、4mmの開口設定を用いて測定した。鏡面反射成分含有(SCI)モードと鏡面反射成分不含(SCE)モードの両方において、ASTM E313−98に従って測定を行った。鏡面光反射の程度に基づいてサンプルがいかに金属的に見えるかを示唆する輝度指数を、以下の式から計算した:
輝度指数(%)=[YSCI−YSCE]/YSCI*100
【0057】
本発明のUVおよびEBプライマーは、好ましくは25℃(周囲室温)〜45℃(典型的な最大塗布温度)で粘度にはるかに大きな低下を示す特徴的な粘度温度依存性を有する。これらの配合物は、米国特許出願第2007/076069号(実施例6〜8)の従来技術の金属化下地/プライマーと比較して、より高い光沢、総可視光反射率、および輝度指数を提供する。実施例1および2は、臭いおよび味の影響を受けやすいパッケージ用途のための、1モル当たり>300グラムの個々の分子量を有するモノマーおよびオリゴマーを含む本発明のグラビア印刷可能なEB配合物を示す。実施例3は、臭いおよび味の影響を受けやすいパッケージには好ましくないグラビア印刷可能なEB配合物を示す。実施例4および5は、臭いおよび味の影響を受けやすいパッケージ用途のための、1モル当たり>300グラムの個々の分子量を有するモノマーおよびオリゴマーを含む本発明のグラビア印刷可能なUV配合物を示す。実施例9は、低臭気特性を有する本発明のフレキソグラフィック印刷可能な配合物の例である。低臭気配合物の実際の塗布では、プライマーにインキおよびオーバープリントワニスまたはラッカーを上塗りし、欧州委員会規定EU10−2011に従ってTenax食品刺激物を使用した試験プロトコルに基づいて、<10ppbの裏移りを示すことが予想された。
【0058】
光沢結果
TMI UV Flexiproofer 100を使用して、いくつかのUVプライマー配合物をBYK Penopacチャート2817に塗布した。チャートは、コーティングされた白色領域とコーティングされていない領域を有していた。両方の領域上で、BYK−Gardner micro−TRI光沢計を使用して60度での光沢を測定した。強度100W/inのUVランプで、200fpmの速度でサンプルを硬化させた。
【0059】
【表6】
【0060】
結果は、実施例4と同じ光開始剤および光開始剤レベルならびに流動添加剤を使用した、従来技術のプライマー(実施例6)および実施例6の配合物の変形例(実施例7および8)と比較して、本発明のプライマーの例(実施例4)は、優れた光沢保持率を示している。さらなる結果は、コーティングされた白色領域の保持率、およびコーティングされた領域とコーティングされていない領域との間の光沢差の両方を見ると、実施例4の添加剤パッケージと一致するように光開始剤の代わりに流動添加剤を導入することによって、Penopacチャート2817上の60度での光沢保持率が大きく改善されることを示している。
【0061】
これらの実施例は、BYK Penopac 2817チャート上に印刷された時に、硬化したコーティングが15〜5bcmのアニロックス容積の範囲にわたって優れた光沢保持率を示すように、コーティング配合物、具体的には添加剤パッケージを選択することができることを示している。優れた光沢保持率は、15bcmから5bcmのアニロックスに変更した場合に、60度で10ポイント未満の光沢の低下、および20度で20ポイント未満の光沢の低下として定義される。好適な添加剤パッケージの一例として、Tego370等のポリアクリレート流動促進剤が挙げられるが、他の好適な流動促進剤を使用してもよい。さらに、添加剤パッケージは、チャートのコーティングされていない白色領域を覆う硬化したコーティングと比較して、BYK Penopac 2817チャートのコーティングされた白色領域を覆う硬化したコーティングの光沢差によって示されるように、コーティングされたおよびコーティングされていない板の上に強力な光沢性能を提供するのにも役立ち得る。好ましい組成物は、60度で、15bcmでは2未満および10bcmでは4未満の光沢差を示す。
【0062】
典型的には、UVまたはEBプライマーは、基材上の第1の層として塗布され、その後、金属銀色インキおよび他のインキが塗布される。特定の実際の用途において、印刷されたグラフィックの画質の妨げとなるインキの再湿潤または溶解を行わずに、乾燥したインキの上にUVまたはEBプライマーを塗布する必要があるかもしれない。実施例2は、ニトロセルロース系グラビアインキに対して低い溶解能を有するモノマーおよびオリゴマー組成物を含むプライマーの一例である。プライマー−インキ適合性の実践的な試験は、乾燥したインキの表面上にプライマーの液滴を塗布し、数分後に過剰な流体をふき取り、視覚的に、または光学密度測定を用いて、インキ除去の程度を評価することを含む。実施例2は、数分間の湿潤接触期間にわたるニトロセルロースインキの最小再溶解能、およびこの点に関して実施例1よりも優れた性能を示す。
【0063】
板紙基材以外の用途に本発明のプライマーを使用する能力を示すために、典型的にはビールおよび飲料ビンのラベルに使用される1平方メートル当たり<70グラムの薄い紙基材上に15BCMアニロックスロールを用いて実施例4を塗布した。Meyerの3番バーを使用してSC17604銀色インキで重ね刷りすると、真空金属蒸着した紙基材に匹敵する金属輝度を示す。
【0064】
本明細書に引用される全ての参考文献は、参照により、それらの全体が全ての目的のために本明細書に組み込まれる。
【0065】
本発明を、その特定の実施形態を参照して説明してきたが、当業者であれば、本発明の真の主旨および範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができ、また均等物に置き換えることができることを理解されたい。また、本発明の目的、主旨、および範囲に、特定の状況、材料、組成物、プロセス、プロセスステップ(単数または複数)を適応させるために、多くの修正が行われ得る。全てのそのような修正は、本発明の範囲内であることが意図される。
図1