(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含む。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るプロジェクタの概観斜視図である。
図1(a)は、プロジェクタのアッパーケースを上方から見た斜視図、
図1(b)は、プロジェクタのボトムケースを下方から見た斜視図である。また、方向を説明する場合は、プロジェクタの投射方向を前面とし、前面に対して右を右面、左を左面、後を後面と表記する。
図1に示すように、プロジェクタ10は、上側から被せる樹脂からなるアッパーケース11(筺体)(
図1(a))と、下側の筺体、光学系部品および電子機器類からなるボトムセット12(
図1(b))とから構成される。
図1(a)に示すように、アッパーケース11(筺体)には、操作ボタン19が配置され、アッパーケース11の前面11aにはスピーカ用の開口部17と、投射窓18が配置される。アッパーケース11の左面11cには、共通吸気口13が設けられる。
【0011】
図1(b)に示すように、ボトムセット12の後面12bには、コネクタ接続部20が設けられている。プロジェクタ10は、内部に設けた複数のファンにより、ボトムセット12の後面12bに設けたランプ吸気口14およびボトムセット12の下側の吸気口16から外気を筺体内部に取り込み、発熱部(図示略)を冷却し、温まった空気をボトムセット
右面12dに設けた共通排気口15とアッパーケース11の左面12cに設けた共通吸気口13から排出する。
【0012】
次に、
図2〜
図7を参照してプロジェクタ10の内部構成について説明する。
図2は、アッパーケース11を取り外したプロジェクタ10の上面斜視図である。
図2に示すように、アッパーケース11を取り外すと、制御基板21等が露出する。制御基板21は、アッパーケース11の左後方角部に設置される。アッパーケース11の操作ボタン19(
図1(a))を押下すると、制御基板21のメンブネレンキーボード(図示略)に接触し、入力信号が制御基板21に流れ、プロジェクタ10を操作できる。
投射レンズ25は、投射レンズ25のホルダー26に保持され、制御基板21の下側に配置される。また、アッパーケース11(
図1(a))の前面11aに設けられたスピーカ用の開口部17(
図1(a))に対応する位置に、スピーカ17aが配置されている。
ボトムセット12(
図1(b))の後面12bのボトムセット右面12dに近い位置には、ランプ吸気ダクト23とランプ(光源)24が配置され、ボトムセット12の前面12aに向かって流路セパレータ27を挟んで電源排気ダクト22が配置されている。
【0013】
図3は、アッパーケース11、制御基板21、電源排気ダクト22、ランプ吸気ダクト23および投射レンズ25のホルダー26を取り外したプロジェクタ10の上面斜視図である。
図3に示すように、ランプ(光源)24より出射された光は、光学系29内部を通過し、投射レンズ25から出射されスクリーン(図示略)に投影される。光学系29は、アイリスと、光をR、G、Bに分離するPBS(Polarization Beam Splitter:偏光ビームスプリッタ)と、各分離光に対応するレンズ、ミラーおよび偏光板と、各分離光を再度合成するプリズムとからなる。このような構成の光学系は一般に良く知られているため、詳細な説明は省略する。
共通吸気口13の内側には、共通吸気ダクト31が配置され、取り込んだ外気の流れを制御する。投射レンズ25のホルダー26(
図2)の下側には、ボトムセット下側の吸気口16が位置し、外気を取り込む。また、電源排気ダクト22(
図2)の内部には、電源30が格納されており、電源排気ダクト22内を通過する空気により冷却される。
【0014】
図4は、アッパーケース11、制御基板21、電源排気ダクト22、ランプ吸気ダクト23、投射レンズのホルダー26、ランプ(光源)24、光学系29、投射レンズ25、流路セパレータ27および電源30を取り外したプロジェクタ10の上面斜視図である。
図4に示すように、ボトムセット右面12d近傍には、電源排気ファン28およびランプ排気ファン32が配置され、プロジェクタ10内で発熱源を冷却した空気を筐体外に排気する。電源排気ファン28およびランプ排気ファン32は、
図8で後記するように、ベース40に固定されている。ボトムセット後面12b近傍には、ランプ吸気ファン33およびランプファンダクト34が配置され、ランプ吸気ファン33は、ボトムセット左面12cに配置された共通吸気ダクト31からプロジェクタ10の中央方向に向け延在するGパネル冷却ダクト35と、BパネルおよびPBS冷却ダクト36と、Rパネル冷却ダクト52とからアッパーケース11(
図1(a))方向に向かい吹き上げられる空気を含むプロジェクタ10内の空気51(
図5)を吸気し、ランプファンダクト34を通じランプ(光源)24(
図3)に送風する。
【0015】
図5は、プロジェクタ10を
図4のランプファンダクト34位置で切断した断面上面図である。
図5に示すように、ランプ吸気ファン33(
図4)は、プロジェクタ10内の空気51を、空気51aとしてランプファンダクト34(
図4)を通じランプ(光源)24(
図4)に送風する。ランプ(光源)24を冷却した空気51bは、ランプ排気ファン32により排気51cされる。BパネルおよびPBS吸気ファン37、Gパネル吸気ファン38およびRパネル吸気ファン39は、
図8で後記するように、ベース42に固定されている。
【0016】
図6は、アッパーケース11、制御基板21、電源排気ダクト22、ランプ吸気ダクト23、投射レンズ25のホルダー26、ランプ(光源)24、光学系29、投射レンズ25、流路セパレータ27、電源30、共通吸気ダクト31、ランプファンダクト34、Gパネル冷却ダクト35およびBパネルおよびPBS冷却ダクト36を取り外したプロジェクタ10の上面斜視図である。
図6に示すように、ボトムセット左面12c近傍に配置された共通吸気ダクト31(
図3)内には、BパネルおよびPBS吸気ファン37、Gパネル吸気ファン38およびRパネル吸気ファン39が格納され、それぞれBパネルおよびPBS冷却ダクト36(
図4)、Gパネル冷却ダクト35(
図4)およびRパネル冷却ダクト52(
図4)内に送風する。ランプ吸気ファン33は、
図8で後記するように、ベース41に固定されている。
【0017】
図7は、プロジェクタ10をGパネル冷却ダクト35およびBパネルおよびPBS冷却ダクト36位置で切断した断面上面図である。
図7に示すように、BパネルおよびPBS吸気ファン37(
図6)は、Bパネル51dおよびPBS51eに送風し、Gパネル吸気ファン38(
図6)は、Gパネルに送風51fし、Rパネル吸気ファン39(
図6)はRパネルに送風51gする。
【0018】
[ファン固定のベース]
<ベースの構造>
次に、
図8を参照して、光学系部品および電子部品からの熱を冷却する複数のファンを固定するベースについて説明する。
図8は、複数のファンを固定するベースの上面斜視図である。
プロジェクタ10は、前記
図6および
図7に示したように、アッパーケース11(筺体)内に、主に光学系部品からの熱を冷却するBパネルおよびPBS吸気ファン37、Gパネル吸気ファン38、およびRパネル吸気ファン39を備える。さらに、プロジェクタ10は、前記
図4および
図5に示したように、制御基板21、ランプ(光源)24、電源30などの電子部品からの熱を冷却する電源排気ファン28、ランプ排気ファン32、およびランプ吸気ファン33を備える。
【0019】
本実施形態のプロジェクタ10は、上記複数のファン(電源排気ファン28、ランプ排気ファン32、ランプ吸気ファン33、ランプファンダクト34、BパネルおよびPBS吸気ファン37、Gパネル吸気ファン38、Rパネル吸気ファン39)が固定される板状のベース40,41,42(後記)を備えることを特徴とする。すなわち、プロジェクタ10は、アッパーケース11(筺体)内に、上記複数のファンを固定するためのベース40,41,42を新たに設けたことを特徴とする。ベース40,41,42は、ファン等の取付け用の部材(取付け金具)ではなく、振動騒音を低減する目的で新たに設ける。この目的のため、ベース40,41,42は、プロジェクタ10の筐体を構成する部材(アッパーケース11(
図1(a))よりも密度が大きい部材で構成される。具体的には、ベース40,41,42は、鉄板で構成され、樹脂で形成されたアッパーケース11(
図1(a))よりも密度が大きい。なお、ベース40,41,42は、密度が大きい部材であればどのような材質のものでもよい。例えば、鉄以外の金属の部材や、重い材質の樹脂を用いてもよい。あるいは、アンカー(重り)を有するものでもよい。
【0020】
また、ベース40,41,42は、
図9および
図10で後記するように、板状の平板部40a,41a,42aを有し、この平板部40a,41a,42a上に上記複数のファンが固定される。上記複数のファンとベース40,41,42との固定は、ボルト・ナット・ネジ止め等による締結固定、接着剤による接着、溶接による固定、嵌合固定のいずれでもよい。そして、ベース40,41,42は、アッパーケース11(
図1(a))の底面部に沿って配置されることで、制振機能が高められる。密度が大きいベース40,41,42がアッパーケース11(
図1(a))の底部に配置されることで、上記複数のファンはより安定してベース40,41,42の平板部40a,41a,42aに固定される。本実施形態では、ベース40,41,42は、
図9および
図10で後記するように、直方体形状のアッパーケース11(
図1(a))の底面部に、この底面部と略平行(水平)に配置される。
さらに、ベース40,41,42は、上記複数のファンを固定した後、ボルト等の固定手段を用いて、より重量(自重)のあるボトムセット12(
図1(b))に固定手段を用いて固定される。
【0021】
ベース40,41,42について具体的に説明する。
図8の左図に示すように、ベース40は、電源排気ファン28およびランプ排気ファン32を固定するベースであり、密度の大きい鉄板からなる。ベース40は、板状の平板部40aを有し、この平板部40a上に電源排気ファン28およびランプ排気ファン32が立設して固定される。ベース40は、
図6に示すように、アッパーケース11(
図1(a))の底面部に、この底面部と略平行(水平)に配置され、さらにボトムセット12(
図1(b))に固定手段を用いて固定される。
【0022】
図8の中図に示すように、ベース41は、BパネルおよびPBS冷却ダクト36内に、ランプ吸気ファン33を固定するベースであり、密度の大きい鉄板からなる。ベース41は、板状の平板部41aを有し、この平板部41a上にランプ吸気ファン33が立設して固定される。なお、ベース41は、
図6に示すように、アッパーケース11(
図1(a))の底面部に、この底面部と略平行(水平)に配置され、さらにボトムセット12(
図1(b))に固定される。
【0023】
図8の右図に示すように、ベース42は、BパネルおよびPBS吸気ファン37、Gパネル吸気ファン38およびRパネル吸気ファン39を固定するベースであり、密度の大きい鉄板からなる。ベース42は、連続した一様な部材で形成されており、ボトムセット12(
図1(b))を構成する部材よりも密度が大きくてもよい。ベース42は、板状の平板部42aを有し、この平板部42a上にBパネルおよびPBS吸気ファン37、Gパネル吸気ファン38およびRパネル吸気ファン39が固定される。ここで、Rパネル吸気ファン39は、面積の広い平板部42aに対し直立させ、軸方向に平行に固定され、BパネルおよびPBS吸気ファン37、およびGパネル吸気ファン38は、横向きで軸方向に垂直に固定される。ベース42は、
図8に示すように、アッパーケース11(
図1(a))の底面部に、この底面部と略平行(水平)に配置され、さらにボトムセット12(
図1(b))に固定手段を用いて固定される。
【0024】
本実施形態では、電源排気ファン28およびランプ排気ファン32を固定するベース40と、ランプ吸気ファン33を固定するベース41と、BパネルおよびPBS吸気ファン37、Gパネル吸気ファン38およびRパネル吸気ファン39を固定するベース42とを別部材で構成している。各ベース40,41,42を別部材で構成することで、ファン取付けや組み立ての作業性を向上させることができる。ちなみに、各ベース40,41,42が別部材で構成されていても、個々のベースには所定の重量(自重)があるので、ファンの制振機能は高められている。
なお、本実施形態では、ベース40,41,42を別部材で構成する例について説明したが、例えばベース41とベース42を1つの部品で構成してもよい。
また、各ベース40,41,42は、ボトムセット12(
図1(b))よりも密度が大きい金属などで形成してもよい。
【0025】
<ベースの配置>
上記複数のファンを固定した各ベース40,41,42は、ボトムセット12(
図1(b))に固定手段を用いて固定される。以下、
図9および
図10を参照して、ベース42のボトムセット12(
図1(b))への固定について説明する。ベース40,41についても同様に固定される。
【0026】
図9は、BパネルおよびPBS吸気ファン
37近傍の上面断面図である。
図10は、
図9のA−Aで切断した断面図である。
図9および
図10に示すように、ベース42の平板部42aには、BパネルおよびPBS吸気ファン37、Gパネル吸気ファン38およびRパネル吸気ファン39が固定される。そして、
図10に示すように、BパネルおよびPBS吸気ファン37、Gパネル吸気ファン38およびRパネル吸気ファン39を固定したベース42は、ボトムセット12に設けられたボス44に対しボルト45などの固定手段で固定される。上記固定手段は、ボス44とボルト45に限らず、接着剤などの手段で固定してもよい。
図10に示すように、
ボトムセット12は、支持脚53により支持される。また、ボトムセット12は、ベース42の平板部42aと対向する面に梁54を有し、梁54によってこの面が補強される。
【0027】
このように、BパネルおよびPBS吸気ファン37、Gパネル吸気ファン38およびRパネル吸気ファン39は、ベース42に固定され、これら複数のファンを固定したベース42はさらにボトムセット12に固定される。
なお、
図10に示すように、共通吸気口13の内側には、共通吸気ダクト31が配置され、さらに
共通吸気ダクト31の内側にはBパネルおよびPBS冷却ダクト36が配置されている。BパネルおよびPBS冷却ダクト36には、光学系部品43と対向する位置に開口部36aが設けられている。
【0028】
以上説明したように、本実施形態に係るプロジェクタ10は、光学系部品および電子部品を収容するアッパーケース11(筺体)(
図1(a))およびボトムセット12(
図1(b))と、電源排気ファン28およびランプ排気ファン32を固定するベース40と、BパネルおよびPBS冷却ダクト36内に、ランプ吸気ファン33を固定するベース41と、BパネルおよびPBS吸気ファン37、Gパネル吸気ファン38およびRパネル吸気ファン39を固定するベース42と、を備え、ベース40,41,42は、アッパーケース11を構成する部材よりも密度が大きい材料からなり、アッパーケース11の底面部に、この底面部と略平行(水平)に配置されるとともに、ボトムセット12に固定手段を用いて固定される。
【0029】
この構成により、アッパーケース11内の各ファン、すなわち電源排気ファン28、ランプ排気ファン32、ランプ吸気ファン33、BパネルおよびPBS吸気ファン37、Gパネル吸気ファン38およびRパネル吸気ファン39を、重量の大きいベース40,41,42に固定することで、上記各ファンのエネルギが質量の大きなベース40,41,42に伝わる。これにより、上記各ファンの回転駆動に伴う振動を抑制し、騒音を低減することができる。
【0030】
特に、上記各ファンを固定したベース40,41,42は、アッパーケース11内の任意の位置に配置できるので、従来例のように、ファンを光源のホルダーの近傍にしか設置できないといった制約がなくなり、発熱部の冷却に最適なファンの配置を実現することができる。ファンの配置を最適化してファンの冷却性能を高めることができるので、ファンの小型化や個数削減、低コスト化(低コストのファンの使用)、回転速度の低減による省電力や振動騒音低減が期待できる。
【0031】
本実施形態では、上記各ファンを固定したベース40,41,42を、さらに重量の大きいボトムセット12に固定手段を用いて固定しているので、ベース40,41,42の制振機能を高めることができ、ファンの振動騒音をより一層低減することができる。
【0032】
(第2の実施形態)
図11は、本発明の第2の実施形態に係るプロジェクタのBパネルおよびPBS吸気ファン
37近傍の上面断面図である。
図12は、
図11のA−Aで切断した断面図である。
図9および
図10と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
図11および
図12に示すように、第2の実施形態に係るプロジェクタのベース42は、共通吸気口13に近い平板部42aに通風用の開口部46が設けられている。ベース42に開口部46が設けられているので、共通吸気口13から取り込まれる外気47は、仮にベース42の下側に位置する共通吸気口13から筐体内に取り込まれても、ベース42の開口部46を通過して筐体内に取り込まれる外気47aとなり、更に、BパネルおよびPBS吸気ファン37に供給される外気47bと合流できる。
これにより、本実施形態では、ベース42は、筺体内の空気を通す通風用の開口部46を備えるので、ベース42をBパネルおよびPBS吸気ファン37の下側に設けても、共通吸気口13全体から外気47を取り込むことができる。
なお、上記開口部46の位置や形状は、任意に変更してもよい。
【0033】
このように、本実施形態では、ベース42は、共通吸気口13に近い平板部42aに開口部46を設けているので、ベース42の下側に位置する共通吸気口13から筐体内に取り込まれた空気をベース42の上側に通気させることができ、冷却性能を高めることができる。
【0034】
(第3の実施形態)
図13は、本発明の第3の実施形態に係るプロジェクタのBパネルおよびPBS吸気ファン
37近傍の上面断面図である。
図14は、
図13のA−Aで切断した断面図である。
図11および
図12と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
図13および
図14に示すように、第3の実施形態に係るプロジェクタは、ボトムセット12に開口部12eが設けられる。また、ベース42は、ボトムセット12に開口部12eに略対向する平板部42aに通風用の開口部46aが設けられる。
このように、本実施形態では、ボトムセット12に開口部12eを設け、その近傍に位置するベース42の平板部42aに開口部46aを設けることで、ボトムセット12に設けられた開口部12eを通過して筐体内に取り込まれる外気47cを得ることができる。これにより、BパネルおよびPBS吸気ファン37の送風量が増加するので、温度を低減することができ、冷却性能を向上させることができる。
【0035】
(第4の実施形態)
図15は、本発明の第4の実施形態に係るプロジェクタのBパネルおよびPBS吸気ファン32近傍の上面断面図である。
図16は、
図15のA−Aで切断した断面図である。
図11および
図12と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
図15および
図16に示すように、第4の実施形態に係るプロジェクタは、ベース42の平板部42aが、BパネルおよびPBS冷却ダクト36の端部の近傍まで延出している。そして、このベース42の平板部42a部分に通風用の開口部46bが設けられている。また、共通
吸気ダクト31の下流側は、封止部56により封止される。封止部56のさらに下流側(
図16の右側)には、ファン55が設置され、ファン55は、共通
吸気口13の風向に略対向する向きに送風する。詳細は、
図19により後記する。
BパネルおよびPBS冷却ダクト36の端部に設けられた開口部36aの近傍で、ベース42の平板部42aに開口部46bが開口し、かつ、端部が封止部56により封止されている。これにより、ファン55からの送風を受けて共通吸気口13の対面側(
図16の右側)から取り込まれる筐体内の空気47dも光学系部品43に供給される。
【0036】
図19は、ファン55の送風を模式的に示す上面断面図である。
図19は、ファン55からの空気の流れを分かり易くするために、共通吸気口13およびファン55以外の図示を省略している。
図19(a)に示すように、ファン55は、上面視して、筺体の一方の側面側(
図19(a)の右側)に、共通吸気口13と反対方向に送風するように配置される。ファン55から送風された空気58aは、筺体の側面に沿って流れ(空気58b参照)、さらにランプ・電源等の構造物57に沿って流れ(空気58c参照)、結果的には共通吸気口13に略対向する向きに送風される。この構造により、レイアウト上の自由度を高めることができる。また、
図19(b)に示すように、ファン55は、上面視して、共通
吸気口13の風向に略対向する向きに送風(空気58a参照)するように配置してもよい。なお、ファン55は、
図19の配置例に限られず、どのようなものでもよい。また、ファン55の個数も限定されない。
【0037】
図15および
図16の説明に戻って、光学系部品43の位置は、プロジェクタの機種ごとに固定される。このため、ベース42に固定されるファンの固定部を最適な位置に設けら
れず、光学系部品43の下部まで延在させざるを得ないことがある。このような構造において、BパネルおよびPBS冷却ダクト36の端部に設けられた開口部36aの近傍で、ベース42の開口部
46bを設けることで、共通吸気口13の対面側から取り込まれる筐体内の空気47dも光学系部品43に供給できるため、冷却性能を向上させることができる。本実施形態では、共通吸気口13の対面側から取り込まれる筐体内の空気47dが共通吸気口13側に流れないようにするため、ボトムセット12に風向制御構造48(例えば、凸部)を設けている。
【0038】
(第5の実施形態)
図17は、本発明の第5の実施形態に係るプロジェクタのBパネルおよびPBS吸気ファン32近傍の上面断面図である。
図18は、
図17のA−Aで切断した断面図である。
図11および
図12と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
図17および
図18に示すように、本実施形態に係るプロジェクタでは、BパネルおよびPBS冷却ダクト36内にランプ吸気ファン33(
図8)を固定するベース41が配置される。このベース41は、固定手段を用いてボトムセット12に固定される。
【0039】
ボトムセット12に固定する位置が最適化できないなどの理由で、
図18に示すように、ベース41がBパネルおよびPBS冷却ダクト36内に延在する場合がある。この場合、ベース41の一部が、BパネルおよびPBS吸気ファン37(
図8)の送風路の一部を形成する。本実施形態では、ベース41に風向制御構造49を設け、ベース41の一部を通風路として用いる。風向制御構造49は、例えばベース41の平板部41a上に設けた凸部(
図18)である。また、風向制御構造49は、例えばベース41の平板部41aを窪ませた凹部(図示省略)であってもよく、この凹部に通風路が形成されることで風向きを制御できる。
ここで、上記風向制御構造49は、ベース42に形成されていてもよい。
また、ベース41は、BパネルおよびPBS冷却ダクト36を支持する支持部材50を備えることで、BパネルおよびPBS冷却ダクト36をより安定に保つことができる。なお、支持部材50は、ベース42に形成されていてもよい。
【0040】
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
【0041】
上記各実施形態は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。