特許第6752029号(P6752029)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6752029
(24)【登録日】2020年8月20日
(45)【発行日】2020年9月9日
(54)【発明の名称】灯具及び照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 3/02 20060101AFI20200831BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20200831BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20200831BHJP
   F21S 8/02 20060101ALI20200831BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20200831BHJP
【FI】
   F21V3/02 400
   F21S2/00 215
   F21V17/00 154
   F21S8/02 400
   F21Y115:10
【請求項の数】6
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2016-41635(P2016-41635)
(22)【出願日】2016年3月4日
(65)【公開番号】特開2017-157489(P2017-157489A)
(43)【公開日】2017年9月7日
【審査請求日】2018年12月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099461
【弁理士】
【氏名又は名称】溝井 章司
(74)【代理人】
【識別番号】100187300
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 靖子
(72)【発明者】
【氏名】後藤 直樹
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−018648(JP,A)
【文献】 実開昭56−082810(JP,U)
【文献】 特開2013−033725(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 3/02
F21S 2/00
F21S 8/02
F21V 17/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源の周囲に環状に形成された係合溝部を有する本体部と、
一端部と他端部とを有するカバー主部と前記一端部に形成された筒状の取付部とを備え、前記取付部が前記係合溝部に挿入された状態で前記本体部に取り付けられたカバーと
を備え、
前記カバー主部は、
前記一端部に凹部を有すると共に、前記一端部から前記他端部に向かって窄むように形成されており、
前記光源は、
前記カバー主部に覆われており、
前記カバー主部は、さらに、
前記凹部から前記一端部の最下端にかけて凸部を有し、前記一端部の最下端から前記凸部及び前記凹部にかけて、略S字状の滑らかな曲線を描くように形成されている灯具。
【請求項2】
前記カバー主部は、
前記光源と対向した第1主部と、
前記一端部から前記一端部と前記他端部との中間まで形成された第4主部であって前記凹部及び前記凸部が形成された第4主部と、
前記第4主部から前記第1主部に向かって形成された第3主部と、
前記第3主部と前記第1主部とをつなぐ第2主部と
を備えた請求項に記載の灯具。
【請求項3】
前記第3主部は、
前記第4主部から前記第2主部に向かう方向に徐々に傾斜した請求項に記載の灯具。
【請求項4】
前記本体部は、
前記係合溝部の周囲に前記一端部と当たっている当接部と、前記当接部から窄むように形成された外周部とを有し、
前記一端部の径は、前記当接部の径より小さい請求項1から請求項のいずれか1項に記載の灯具。
【請求項5】
前記灯具は、
前記本体部において前記カバーの反対側に配置された口金を有し、
前記カバー主部の高さ寸法は、前記口金が配置された前記本体部において前記当接部から前記口金の先端部までの高さ寸法の90%以上である請求項に記載の灯具。
【請求項6】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の灯具と、前記灯具が直脱自在に取り付けられた照明器具とを備えた照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)を用いた灯具、灯具に用いられるカバー、灯具を用いた照明装置に関する。特に、ダウンライト装置に装着する電球形ランプである灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電球形蛍光ランプを装着して使用するダウンライト装置及びダウンライト装置に装着される電球形蛍光ランプが開示されている。特許文献1には、スパイラルタイプの電球形蛍光ランプを側方に向けて装着するダウンライト装置が開示されている。また、特許文献2及び3には、発光管が長尺方向に沿って配置され、スパイラルタイプよりもスリムである電球形蛍光ランプが開示されている。
【0003】
また、従来、電球形蛍光ランプを電球形LEDランプに置き換えて使用するダウンライト装置が開示されている。特許文献4には、ダウンライト装置に装着されたT形の電球形LEDランプが開示されている。特許文献4で開示されている電球形LEDランプは、所謂ミニクリプトン電球のような小型電球タイプの態様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−198525号公報
【特許文献2】特開2007−115658号公報
【特許文献3】特開2011−181256号公報
【特許文献4】特開2013−055043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献4の技術を、E26口金が用いられる一般電球タイプの電球形LEDランプに適用した場合、コスト高となり採算性が悪い。また、コスト削減を図ることができるカバーの開口近傍に光源を配置した電球形ランプでは、光の取り出し効率が悪いという課題がある。
【0006】
本発明は、ダウンライト装置への装着性の改善を最少のコスト負担で実現し得ると共に、光の取り出し効率を向上させた電球形ランプである灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る灯具は、光源の周囲に環状に形成された係合溝部を有する本体部と、一端部と他端部とを有するカバー主部と前記一端部に形成された筒状の取付部とを備え、前記取付部が前記係合溝部に挿入された状態で前記本体部に取り付けられたカバーとを備え、前記カバー主部は、前記一端部に凹部を有すると共に、前記一端部から他端部に向かって窄むように形成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る灯具によれば、カバー主部が、光源近傍の一端部に凹部を有すると共に、一端部から他端部に向かって窄むように形成されているので、光の取り出し効率を向上させた灯具を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る灯具100の分解斜視図。
図2】実施の形態1に係る灯具100の斜視図であり、(a)が口金1の側から見た斜視図、(b)がカバー4の側から見た斜視図。
図3】実施の形態1に係る灯具100を示す図であり、(a)が平面図、(b)が底面図。
図4】実施の形態1に係る灯具100を示す図であり、(a)が正面図、(b)が側面図、(c)が(a)のA−A断面図。
図5】実施の形態1に係る絶縁部2の斜視図であり、(a)が上方から見た斜視図、(b)が下方から見た斜視図。
図6】実施の形態1に係る絶縁部2を示す図であり、(a)が平面図、(b)が底面図。
図7】実施の形態1に係る絶縁部2を示す図であり、(a)が正面図、(b)が側面図、(c)が(a)のJ−J断面図、(d)が(b)のK−K断面図。
図8】実施の形態1に係る本体部3を示す図であり、(a)は上部から見た斜視図、(b)は下部から見た斜視図。
図9】実施の形態1に係る本体部3を示す図であり、(a)が平面図、(b)が底面図。
図10】実施の形態1に係る本体部3を示す図であり、(a)が正面図、(b)が図9の(c)のE−E断面図、(c)が図9の(a)のD−D断面図。
図11】実施の形態1に係る本体部3を示す図であり、(a)が図10の(b)のA部拡大図、(b)が図10の(c)のB部拡大図。
図12】実施の形態1に係る本体部3を示す図であり、(a)が図11の(a)の斜視図、(b)が図11の(b)の斜視図。
図13】実施の形態1に係るカバー4の斜視図である。
図14】実施の形態1に係るカバー4を示す図であり、(a)が平面図、(b)が底面図。
図15】実施の形態1に係るカバー4を示す図であり、(a)が正面図、(b)が側面図、(c)が(a)のB−B断面図、(d)が(b)のC−C断面図。
図16】実施の形態1に係るカバー4を示す図であり、図13のC部拡大斜視図。
図17】実施の形態1に係る本体部3とカバー4との取付け構造を示す図であり、(a)が挿入切欠き部35に係合突起部46を挿入する状態を示す図、(b)が挿入切欠き部35に係合突起部46を挿入した状態を示す図。
図18】実施の形態1に係る本体部3とカバー4との取付け構造を示す図であり、挿入切欠き部35に係合突起部46を挿入した後にカバー4を回転した状態を示す図。
図19】実施の形態2に係る灯具100の部分拡大断面図。
図20】実施の形態3に係る灯具100aの斜視図であり、(a)が口金1の側から見た斜視図、(b)がカバー4aの側から見た斜視図。
図21】実施の形態3に係る灯具100aの部分断面図と、部分断面図のD部拡大図。
図22】実施の形態4に係る灯具100bの斜視図であり、(a)が口金1の側から見た斜視図、(b)がカバー4bの側から見た斜視図。
図23】実施の形態4に係る灯具100bの部分断面図と、部分断面図のE部拡大図。
図24】実施の形態5に係る灯具100cの斜視図であり、(a)が口金1の側から見た斜視図、(b)がカバー4aの側から見た斜視図。
図25】実施の形態5に係る灯具100cの部分断面図と、部分断面図のF部拡大図である。
図26】実施の形態6に係る灯具100dの斜視図であり、(a)が口金1の側から見た斜視図、(b)がカバー4bの側から見た斜視図。
図27】実施の形態6に係る灯具100dの部分断面図と、部分断面図のG部拡大図。
図28】実施の形態7に係る灯具100aを埋め込みタイプの照明器具2000に装着した照明装置3000を示す図。
図29】実施の形態8に係る灯具100aを、実施の形態7とは異なる埋め込みタイプの照明器具2000aに装着した照明装置3000aを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、上、下、左、右、前、後、表、裏といった方向あるいは位置が示されている場合、それらの表記は、説明の便宜上、そのように記載しているだけであって、装置、器具、部品等の配置や向き等を限定するものではない。
【0011】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係る灯具100の分解斜視図である。
図2は、本実施の形態に係る灯具100の斜視図であり、(a)が口金1の側から見た斜視図、(b)がカバー4の側から見た斜視図である。
図3は、本実施の形態に係る灯具100を示す図であり、(a)が平面図、(b)が底面図である。
図4は、本実施の形態に係る灯具100を示す図であり、(a)が正面図、(b)が側面図、(c)が(a)のA−A断面図である。
【0012】
灯具100は、口金1と、絶縁部2と、本体部3と、カバー4と、電源部5と、光源部6とを有する。
図1に示すように、灯具100の中心軸を軸Oとする。
軸Oと平行な方向を軸方向あるいは矢印Zの方向(Z方向)という。軸方向の一端とは、図4の(a)において、上部をいう。軸方向の他端とは、図4の(a)において、下部をいう。
灯具100の上部側への向きを、上方あるいは発光向きという。また、灯具100の下部側への向きを、下方あるいは発光向きの反対向きという。なお、光源が発する光の向きを発光向きという。
軸Oと直交する方向を径方向という。図3に示すように、矢印Xの方向(X方向)、矢印Yの方向(Y方向)は径方向の一例である。また、軸Oの周囲を回転する方向を周方向という。
【0013】
本実施の形態における灯具100は、具体的には、LEDを光源として用い、カバー4を除く外形が一般照明用白熱電球(エジソン電球)と略同一のフォルムをなす特徴を有する電球形ランプである。
【0014】
<口金1の説明>
口金1は、本体部3においてカバー4の反対側に配置される。口金1は、ネジ部10が絶縁部2の下部のネジ部210にねじ込まれ、絶縁部2に取り付けられる。
図1から図4に示すように、口金1は、絶縁部2のネジ部210にねじ込まれるネジ部10、口金1の下端部のアイレット部12を有する。口金1は、後述する照明器具2000のソケット2004から受電する受電部ともいう。また、口金1は、灯具100の外郭部としての機能を有する。
【0015】
<絶縁部2の説明>
図5は、本実施の形態に係る絶縁部2の斜視図であり、(a)が上方から見た斜視図、(b)が下方から見た斜視図である。
図6は、本実施の形態に係る絶縁部2を示す図であり、(a)が平面図、(b)が底面図である。
図7は、本実施の形態に係る絶縁部2を示す図であり、(a)が正面図、(b)が側面図、(c)が(a)のJ−J断面図、(d)が(b)のK−K断面図である。
【0016】
図1から図7を用いて、絶縁部2について説明する。
絶縁部2は、樹脂などの電気絶縁性を備えた材料を用いて形成される。
絶縁部2は、絶縁筐体、樹脂筐体、内部筐体、ハウジングともいう。
絶縁部2は、射出成形法の他、付加製造技術(Additive Manufacturing Technology;一般に、3Dプリンターとも称される)を用いて形成されてもよい。
なお、本実施の形態における絶縁部2のうち蓋部26は、電気絶縁性を備えた材料をシート状に成形されたものを抜型、カッターなどを用いて形成される。
【0017】
絶縁部2は、外周部21と内周部22とを有する筒状の筒部20と、筒部20の上部を塞ぐ蓋部26とを有する。
筒部20及び蓋部26は、樹脂などの絶縁材により形成される。
【0018】
筒部20の外周部21の下部には、口金1がねじ込まれるネジ部210が形成される。
ネジ部210の外周にはネジが切られている。
絶縁部2は、ネジ部210の下端部、すなわち口金1の側に下部開口を形成する第1開口端部24と、筒部20の上端部、すなわち光源部6の側に上部開口を形成する第2開口端部25とを有する。
第1開口端部24から第2開口端部25までは連通する。
なお、筒部20の外周部21の下部は、口金1が固定可能な構造であればネジ部210以外の形で形成されてもよい。
【0019】
図5に示すように、筒部20の外周部21には、絶縁部2を本体部3に挿入する際のガイドとなる挿入ガイド凸部212と、本体部3の下部に係止される鍔部211とを備える。挿入ガイド凸部212は、後述するリブ23の外側に形成される。
図4の(a),(b),(c)に示すように、本体部3と口金1の間には、絶縁部2の鍔部211が露出する。
鍔部211は、外周部21とネジ部210との境界に、外周部21から環状に突き出して形成される。鍔部211は灯具100の外殻部である。
図4の(a),(b)に示すように、鍔部211は、灯具100の高い器具装着性と意匠性とを実現するために、ネジ部210側の下端部と上端部との間は曲面で形成される。
【0020】
ネジ部210の下端の周縁、すなわち第1開口端部24には、口金1のネジ部10に接続される第1電線を通過させる通線凹部240が形成される。通線凹部240は、図7の(c)に示すように幅W34で第1開口端部24を切り欠いて形成される。また、鍔部211の下端部には、この第1電線の端部を配置するための電線配置溝213が形成される。ここでは、第1電線の図示を省略する。
【0021】
第2開口端部25には、光源部6及び蓋部26をネジ止めするためのネジ孔251が形成された第1凸部250が設けられる。第1凸部250はボスともいう。
図5の(a),(b)に示すように、第1凸部250は、第2開口端部25の略直径上に2つ形成されている。本実施の形態では、2つの第1凸部250が、中心軸に対して回転対称に2箇所配置されているが、第1凸部250を配置する位置及び数は、上述以外の位置及び数でも構わない。
【0022】
なお、図6及び図7に示すように、鍔部211より上部の筒部20の最大径W31は、鍔部211の最大径W28よりも若干小さい。また、2つの第1凸部250の各中心部の間隔W12(図6の(a))は、鍔部211より上部の筒部20の最大径W31よりも若干小さい。
【0023】
上述したように、挿入ガイド凸部212は、第1凸部250から下方に向かって形成されると共に、外周部21から突出して形成されている。また、リブ23は、第1凸部250から下方に向かって形成されると共に、内周部22から突出して形成されている。
図5の(a)に示すように、第1凸部250と挿入ガイド凸部212とリブ23とは、上下方向に延びた円柱状であり、筒部20の壁部に配置され、壁部の外周部21から挿入ガイド凸部212が突出すると共に壁部の内周部22からリブ23が突出する。
【0024】
第2凸部252は、2つの第1凸部250の間の第2開口端部25から上部に突き出すように形成される。図6に示すように、第2凸部252は、幅W29で上部に突き出ている。第2凸部252は、本体部3に対する絶縁部2の回転方向の向きを特定するために配置されており、後述する本体部3の第2凹部361に挿入される。
本体部3に対する絶縁部2の回転方向の向きを特定することによって、電源部5と光源部6とを電気的に繋いで光源部6に点灯電力を供給する経路となる第1電線対(不図示)の長さを最短とすることができる。よって、製造コストの削減を図ることができる。また、第1電線対の余長が光を妨げ、影が発生することもない。
【0025】
蓋部26は、筒部20の第2開口端部25を覆うように取り付けられる。
蓋部26には、筒部20の第1凸部250を貫通させて位置決めすると共に、ネジを貫通させるネジ貫通部260と、電線を貫通させる電線貫通孔261とが形成される。
【0026】
ここで、筒部20と蓋部26とからなる絶縁部2は、LEDを光源として用い、カバー4を除く外形がJISに定義されている一般照明用白熱電球(エジソン電球)と略同一のフォルムを有する電球形ランプにも用いることができるように形成されている。
【0027】
<電源部5の説明>
電源部5は、筒状の絶縁部2の内部に収納される。
電源部5は、外部電力を入力とし、光源を点灯させる電源を光源部6に供給する。
電源部5は、点灯回路基板50を有する。点灯回路基板50には、点灯回路部品51が実装される。
口金1と電源部5とは、第1電線対により電気的に接続される。第1電線対は、電源部5に外部電力を供給する経路となる。ここでは、第1電線対の図示は省略する。
また、電源部5と光源部6とは、第2電線対により電気的に接続される。第2電線対は、光源部6に点灯電力を供給する経路となる。ここでは、第2電線対の図示は省略する。
なお、点灯回路基板50の枚数は1枚でなくてもよい。点灯回路基板50は、複数に分割されてもよいものとする。
【0028】
ここで、点灯回路基板50と点灯回路部品51とからなる電源部5は、LEDを光源として用い、カバー4を除く外形がJISに定義されている一般照明用白熱電球(エジソン電球)と略同一のフォルムを有する電球形ランプにも用いることができるように形成されている。
【0029】
<光源部6の説明>
光源部6は、後述する本体部3の光源配置部30に取り付けられる。
光源部6は、光源回路基板60と、光源回路基板60の実装面である実装部61に実装される光源素子67とを備える。光源素子67は、具体的には、LEDである。また、光源回路基板60には、ネジ貫通孔65が形成され、ネジ7を用いて本体部3に取り付けられる。光源部6は、光源回路基板60の実装部61の裏面である熱伝達部62と光源配置部30とが当接した状態で、光源配置部30に固定される。
また、光源回路基板60には、電源部5に接続された電線を挿通させる電線挿通孔66が形成される。
なお、図1は灯具100の下部から見た斜視図であるため実際には光源素子67を目視できないので、光源素子67の位置を点線にて示している。
光源素子67は、できるだけ光源回路基板60の実装部61の周縁近傍に配置される。このように配置することにより、口金1の側への配光を向上させることができる。例えば、広配光の灯具100を実現できる。例えば、灯具100は、全配光(広配光)特性220°を実現することができる。
【0030】
図1に示すように、ネジ7は、光源回路基板60のネジ貫通孔65、光源配置部30のネジ貫通孔32、蓋部26のネジ貫通部260を貫通し、絶縁部2の第1凸部250に設けられたネジ孔251にねじ込まれる。このネジ7により、光源部6、本体部3、絶縁部2の蓋部26及び筒部20を一体に固定する。
なお、ネジ7の他にリベット、粘着テープ、接着剤などを用いて、光源回路基板60を光源配置部30に取り付けてもよい。粘着テープ、接着剤などにより光源回路基板60を光源配置部30に取り付ける場合は、本体部3、絶縁部2の蓋部26及び筒部20を他のネジにより一体に固定する必要がある。
【0031】
ここで、光源回路基板60と光源素子67とからなる光源部6は、カバー4を除く外形がJISに定義されている一般照明用白熱電球(エジソン電球)と略同一のフォルムを有する電球形ランプにも用いることができるように形成されている。そして、ネジ7により、光源部6、本体部3、絶縁部2の蓋部26及び筒部20を一体に固定された状態で、カバー4を除く外形がJISに定義されている一般照明用白熱電球(エジソン電球)と略同一のフォルムを有する電球形ランプにも用いることができる。
【0032】
<本体部3の説明>
図8は、本実施の形態に係る本体部3を示す図であり、(a)は上部から見た斜視図、(b)は下部から見た斜視図である。
図9は、本実施の形態に係る本体部3を示す図であり、(a)が平面図、(b)が底面図である。
図10は、本実施の形態に係る本体部3を示す図であり、(a)が正面図、(b)が図9の(c)のE−E断面図、(c)が図9の(a)のD−D断面図である。
図11は、本実施の形態に係る本体部3を示す図であり、(a)が図10の(b)のA部拡大図、(b)が図10の(c)のB部拡大図である。
図12は、本実施の形態に係る本体部3を示す図であり、(a)が図11の(a)の斜視図、(b)が図11の(b)の斜視図である。
【0033】
図1図4及び図8図12を用いて、本体部3の構成について説明する。
本体部3は、光源部6が配置される光源配置部30と、光源配置部30の周囲に環状に形成された係合溝部34とを有する。すなわち、本体部3は、光源部6の周囲に環状に形成された係合溝部34を有する。
【0034】
光源配置部30は、本体部3の上面部であり、光源回路基板60の裏面である熱伝達部62から光源配置部30に対して熱伝達可能に当接した状態で、光源部6が取り付けられる。ここで、当接は、光源配置部30と熱伝達部62との間に熱伝導性の樹脂材料(不図示)などが介在した態様を含む。樹脂材料は接着機能を備えてもよい。
また、本体部3は、絶縁部2を内部に収納する筒部37を備える。筒部37の下部の開口端部376から絶縁部2が挿入される。筒部37は灯具100の外郭部の機能を有する。
図8の(a),(b)に示すように、本体部3は、係合溝部34の周囲に、後述するカバー主部40の一端部441の最下端である下端部44と当たる上面部347(当接部)と、上面部347から窄むように形成された外周部373とを有する。
図11の(a),(b)に示すように、光源配置部30は、筒部37の上面部347の周縁である上面縁部346よりL12だけ下方に下がった位置に形成されている。これにより、光源部6が光源配置部30に取り付けられた場合に、光源素子67が上面部347と略同一面上に位置し、灯具100の配光特性を向上させる。なお、所望の配光特性を得ることができれば、光源配置部30は、筒部37の上面部347の周縁である上面縁部346と同一面上に設けられていてもよいし、上面縁部346より高い位置に設けられていても構わない。
【0035】
筒部37は、上面縁部346から下方に向かって曲率R4で内側に窄んだ第1錐状部370と、第1錐状部370から下方に形成された第2錐状部371と、第2錐状部371から下方に形成された第3錐状部372とを備える。
第1錐状部370において曲率R4で窄んだ形状は、後述するカバー4の第4主部48と同じ曲率R4で窄んでいる。第1錐状部370とカバー4の第4主部48とは、上面縁部346を基準に上限方向のバランスが考慮された曲面を構成し、意匠性に優れた外観を提供する。
第2錐状部371は、窄んだり膨らんだりせずに、徐々に縮径した形状である。
第3錐状部372は、曲率R3で外側に膨らんだ形状である。第3錐状部372は、絶縁部2の鍔部211と連続して滑らかな曲面をなす。
筒部37の下端部、すなわち第3錐状部372の下端部は、開口端部376となる。
【0036】
筒部37は、外周面である外周部373と、内周面である内周部374とを備える。
内周部374には、凹みである挿入ガイド凹部375が形成される。挿入ガイド凹部375は、絶縁部2の挿入ガイド凸部212と係合して、絶縁部2における筒部37への挿入をガイドする。
外周部373は、全体として、上部から下部にかけて滑らかな曲面を成している。
【0037】
本体部3は、熱伝導性を有する金属などの材料で形成され、外部筐体、熱伝導筐体、放熱部、ヒートシンクともいう。
本体部3は、灯具100の外殻部として安定して形態を維持させる機能、及び、光源部6の光源素子67から発せられる動作熱を灯具100の外部へ放散させる機能を備える。本体部3の材質は、材料コストや成型性を優先するとアルミニウム、チタンなどの金属材料が望ましい。あるいは、これらの金属を含む合金材料、熱伝導性のフィラーが混合された樹脂材料、セラミックなどを用いることができる。
また、本体部3は、射出成形法、切削法の他、付加製造技術(Additive Manufacturing Technology)を用いて形成されてもよい。
【0038】
光源配置部30は、光源部6の光源回路基板60と当接する光源配置面部31を有する。
光源配置部30には、光源部6が取り付けられた場合に、光源回路基板60のネジ貫通孔65と連通するネジ貫通孔32と、光源回路基板60の電線挿通孔66と連通する電線貫通孔33とが形成される。
光源回路基板60のネジ貫通孔65及び電線挿通孔66の形、光源配置部30のネジ貫通孔32及び電線貫通孔33の形は、図1図8の形でなくてもよく、他の形でも構わない。
【0039】
図10の(b),(c)に示すように、筒部37の内部は空洞部378となっている。空洞部378には、内部に電源部5が収納された絶縁部2が配置される。
図11の(a)に示すように、空洞部378を形成する上面である内面部36には、絶縁部2の第1凸部250が嵌まり込む第1凹部360が形成される。第1凸部250が第1凹部360に嵌った状態で、ネジ貫通孔32と絶縁部2のネジ孔251とが連通する。
また、図11の(b)に示すように、内面部36には、絶縁部2の第2凸部252が嵌まり込む第2凹部361が形成される。第2凸部252が第2凹部361に嵌ることにより、絶縁部2の回転方向の位置決めをする。
第2凹部361の幅W13(図10の(b))は、第2凸部252の幅W29(図7の(b)(c))より若干広く形成される。
【0040】
図11の(b)に示すように、係合溝部34は、両側の側壁349と側壁349の底に設けられた底部344とを有する。また、係合溝部34は、底部344に対向する位置に開口部345を有する。係合溝部34の深さはL13である。
両側の側壁349のうち内側の側壁349を側壁内周部340とし、外側の側壁349を側壁外周部341とする。側壁外周部341は係合溝部34の側壁349の一例である。側壁外周部341の上部には、側壁外周部341の上端から外側に開く傾斜を有する第2外周部342が形成される。
【0041】
図11の(b)に示すように、側壁外周部341は、底部344から上方に向かって徐々に内側に傾斜するように形成されている。よって、底部344の幅W27より、開口部345の幅W26の方が幅W25だけ狭く形成されている。
つまり、係合溝部34は下端部の幅より上端部(開口端部)の幅が若干狭くなっており、係合溝部34の側壁外周部341は、上端部(開口端部)から下端部に向って徐々に外側に広がるように若干傾斜している。
【0042】
このように、底部344の幅W27を開口部345の幅W26よりも広くすることにより、後述するカバー4の係合突起部46が係合溝部34から抜けにくくなり、係合溝部34と係合突起部46とがより確実に係合するようにしている。
係合溝部34は二次加工によって全周に形成される。なお、係合溝部34は係合突起部46の幅W9(図14の(b)参照)以上の寸法であれば部分的に形成されても良い。
【0043】
図8の(a)に示すように、側壁外周部341には、側壁外周部341の直径上において対向する2箇所に、カバー4の取付部45が係合溝部34に挿入される際に係合突起部46を収容するための挿入切欠き部35が形成されている。挿入切欠き部35は、取付部45が係合溝部34に挿入される際に側壁349において係合突起部46に対応する位置に形成されている。
【0044】
また、側壁内周部340には、対向する2箇所に、上述したネジ貫通孔32が形成される。ネジ貫通孔32は側壁内周部340から内側に凹むように形成される。
図8の(a)及び図9の(a)に示すように、係合溝部34では、挿入切欠き部35とネジ貫通孔32とが対向するように配置される。
【0045】
挿入切欠き部35は、側壁外周部341が外側に凹むように切り欠かれて形成される。
図12の(b)示すように、挿入切欠き部35は、側壁外周部341が切り欠かれた部分の最奥部に形成される切欠き外周部350と、切り欠かれた部分の側部である切欠き側壁部353と、切り欠かれた部分の底部である切欠き底部354とを有する。また、切欠き外周部350と対向する位置は切欠き開口部355となる。
切欠き外周部350は、上端より略垂直に形成された第1外周部351と、第1外周部351の下端から内側に向かって傾斜した第2外周部352とを有する。なお、切欠き外周部350は、上端より略垂直に形成された第1外周部351のみから構成されていてもよい。
【0046】
以上のように、挿入切欠き部35は、係合溝部34の側壁外周部341に凹状に形成される。図11の(a)示すように、挿入切欠き部35の切欠き底部354は、係合溝部34の底部344よりも外側にW24だけ広がっている。また、挿入切欠き部35の幅W14は、係合突起部46の幅W9より広く形成される(W14>W9)。
挿入切欠き部35の数は、収納する係合突起部46の数以上であればよい。また、挿入切欠き部35の位置は、収納する係合突起部46の位置と対応していればよく、図8の(a)に示す位置に限らない。
【0047】
ここで、光源配置部30と係合溝部34とを有する本体部3は、LEDを光源として用い、カバー4を除く外形がJISに定義されている一般照明用白熱電球(エジソン電球)と略同一のフォルムを有する電球形ランプにも用いることができるように形成されている。詳しくは、外形がJISに定義されている一般照明用白熱電球(エジソン電球)と略同一のフォルムを有する電球形ランプとするためには、本体部3に取り付けられたカバーの形状を、例えば、第1錐状部370と繋がる面を第1錐状部370の曲率R2と同じ曲率R2で形成して、実施の形態1とは異なる連続した滑らかな曲面とするとよい。
【0048】
<カバー4の説明>
図13は、本実施の形態に係るカバー4の斜視図である。
図14は、本実施の形態に係るカバー4を示す図であり、(a)が平面図、(b)が底面図である。
図15は、本実施の形態に係るカバー4を示す図であり、(a)が正面図、(b)が側面図、(c)が(a)のB−B断面図、(d)が(b)のC−C断面図である。
図16は、本実施の形態に係るカバー4を示す図であり、図13のC部拡大斜視図である。
【0049】
図1図4及び図13から図16を用いて、カバー4の構成について説明する。
カバー4は、光源部6を覆った状態で本体部3に取り付けられる。カバー4は、光透過部、透光部、光拡散部、グローブともいう。
カバー4は、本体部3と比較して熱伝導率が小さい樹脂材料を用いて形成されている。灯具100は、外殻部に占めるカバー4の割合が比較的大きいため、使用者は灯具100を照明器具2000に取り付けたり取り外したりするときにカバー4を握ることが想定される。カバー4が本体部3と比較して熱伝導率が小さい樹脂材料を用いて形成されることにより、使用者が、消灯直後に灯具100に触れた場合でも不快感を覚えることがない。また、火傷など怪我のリスクも大幅に低減させることができる。
カバー主部40は、光透過性の材料を含んで形成されている。また、カバー主部40は、光拡散性の材料、光色変換可能な材料などを含んで形成されていてもよい。
【0050】
カバー4は、カバー主部40と、カバー主部40の一端側である下端部44と、下端部44を基準にカバー主部40と反対側に形成された取付部45とを備える。
カバー4は、ブロー成形法(中空成形法)、射出成形法の他、付加製造技術(Additive Manufacturing Technology)を用いて形成されてもよい。
【0051】
図13に示すように、カバー4は、一端部441と他端部442とを有するカバー主部40と、一端部441に形成された筒状の取付部45とを備える。カバー4は、取付部45が係合溝部34に挿入された状態で本体部3に取り付けらる。
【0052】
カバー主部40は、一端部441に凹部480を有すると共に、一端部441から他端部442に向かって窄むように形成されている。
図15の(a)に示すように、凹部480は、曲率R4で滑らかに凹んだ曲面により形成される。
【0053】
カバー主部40は、一端部441が開口し他端部442が閉口した筒形である。詳しくは、カバー主部40は、下端部44が最大径W53であり他端側に向かって徐々に縮径するように形成され、本体部3の光源配置部30を覆う。カバー主部40は、他端側から配された第1主部41、第2主部42、第3主部47、および第4主部48を備える。
カバー主部40は、光源部6と対向する第1主部41と、一端部441から一端部441と他端部442との中間まで形成された第4主部48と、第4主部48から第1主部に向かって形成された第3主部47と、第3主部47と第1主部41とをつなぐ第2主部42とを備える。第4主部48には、曲率R4で滑らかに凹んだ曲面である凹部480が形成されている。
【0054】
実施の形態1のカバー4は、カバー主部40と下端部44と取付部45とが一つの部品として一体に成形されているが、これに限らず複数の部品を組み合わせて一体的に形成されたものであってもよい。
【0055】
図15の(a)に示すように、第1主部41は、曲率R1で外側に膨らんだ形状である。
第2主部42は、曲率R2で外側に膨らんだ形状である。
第3主部47は、第4主部48から第2主部42に向かう方向に徐々に傾斜した形状である。すなわち、第3主部47は、窄んだり膨らんだりせずに、第2主部の下端から第4主部48に向かって徐々に拡径した形状である。
第4主部48は、曲率R4で内側に窄んだ形状である。すなわち、第4主部48は、曲率R4で滑らかに凹んだ曲面を成す形状である。
カバー4が本体部3に取り付けられると、第4主部48と本体部3の第1錐状部370とは、本体部3の上面縁部346を基準に上限方向のバランスが考慮された曲面を構成し、意匠性に優れた外観を提供する。本体部3の上面縁部346は、第4主部48と第1錐状部370の間において、曲率R4の曲面どうしの境界であり外側に向かって張り出した形状を成し外観上のアクセントとなっている。
【0056】
なお、R1,R2,R4の関係は、例えば、R1≧R2、R4≧R2となる。
【0057】
カバー4は、第2主部42が、第1主部41と第3主部47との間に配置されており、他端側の張出量を抑制している。このため、照明器具に対する着脱性が向上する。第1主部41の最大径W51と第2主部42の最大径W52との関係は、例えば、W51≦W52÷2である。
【0058】
図15の(c),(d)に示すように、カバー4は、第3主部47の外周面は中心軸0に直交する仮想面に対して傾斜角度θ1で傾斜している。また、内周面は中心軸0に直交する仮想面に対して傾斜角度θ2で傾斜している。カバー4が射出成形法を用いて形成される場合には、2つの傾斜角度θ1,θ2は90°より小さい角度であることが好ましい。
なお、実施の形態1において、傾斜角度θ1は傾斜角度θ2とは同じ大きさであるが、カバー4は2つの傾斜角度が異なる角度で形成されてもよい。
【0059】
カバー主部40は、一端部441の側の厚み寸法が他端部442の側の厚み寸法より大きい。具体的には、第4主部48において、一端部441の側の厚み寸法が他端部442の側の厚み寸法より大きい。
【0060】
図15の(c),(d)に示すように、カバー4は、カバー主部40のうち第1主部41、第2主部42、および第3主部47は同じ厚み寸法T1で形成されている。そして、第4主部48は、第3主部側から下端部44に向かって徐々に厚み寸法が大きくなるように形成されている。光源素子67に近い第4主部48から照射される光のみが極端に明るくなることを抑制し、カバー4から照射される光を全体に均一にする効果を得る。また、光源素子67から出射される直進性が強い直接光による眩しさや粒状感を軽減する効果を得る。
なお、第1主部41、第2主部42、および第3主部47の厚み寸法は、光源素子67の配置、カバー4の寸法などに応じて異なる厚み寸法としてもよい。第3主部47から第4主部48にかけて徐々に厚み寸法が大きくなる構成でもよい。また、上述した効果と異なる効果を得る場合にも、異なる厚み寸法としてもよい。
【0061】
一端部441の最下端である下端部44は、カバー4が本体部3に取り付けられる際に、本体部3の上面部347(当接部)と接する部分である。
図15に示すように、カバー4は、一端部441から他端部442に向かって窄むように形成されているので、一端部441の最下端である下端部44の最大外径W53は、カバー主部40の最大外径である。本体部3は、上面部347(当接部)から窄むように形成された外周部373を有するので、上面部347(当接部)の最大外径W11が本体部3の最大外径である。
ここで、下端部44の最大外径W53は、本体部3の最大外径W11(図10の(a)等参照)より若干小さいことが好ましい。
【0062】
図14の(b)に示すように、カバー4の下端部44には、最大口径W10の開口部440が形成される。カバー4が本体部3に取り付けられると、開口部440の位置と同じ高さの位置に光源部6が配置されるため、カバー主部40により光源部6が覆われる。
【0063】
ここで、前述の通り、本体部3は、LEDを光源として用い、カバー4を除く外形がJISに定義されている一般照明用白熱電球(エジソン電球)と略同一のフォルムを有する電球形ランプにも用いることができるように形成されている。つまり、カバー4は、LEDを光源として用い、カバー4を除く外形がJISに定義されている一般照明用白熱電球(エジソン電球)と略同一のフォルムを有する電球形ランプにも用いることができるように形成された本体部3に取り付けられ、一般照明用白熱電球(エジソン電球)とは異なる外形である灯具100(電球形ランプ)を製造するために用いられるカバーである。
【0064】
取付部45は、開口部440の周縁から筒状に突き出した形状である。取付部45は、本体部3の係合溝部34に挿入される。取付部45の最大外径W7は、カバー主部40の最大外径W53よりも小さく形成される。すなわち、取付部45の最大外径W7は、下端部44の最大外径W53よりも小さく形成される。
【0065】
取付部45は、下端部44から突き出た筒部450と、筒部450の下端部から外側に突き出した鍔部451とを有する。本実施の形態においては、鍔部451は無くても構わない。なお、取付部45の最大外径W7は、鍔部451の最大外径を指すものとする。
カバー主部40は、取付部45と一体に形成されると共に、最大外径W53が取付部45の最大外径W7より大きい。
【0066】
図16に示すように、取付部45は、筒部450と鍔部451とを有する。筒部450の外周面である筒部外周面部4501は、取付部45の筒状の周面の一例である。
取付部45の鍔部451は、鍔部451の外周面となる鍔部外周面部452と、筒部450から立ち上がり鍔部外周面部452に連続する鍔部上面部453と、鍔部下面部459とを有する。
【0067】
取付部45は、筒状の周面である筒部外周面部4501から突き出した係合突起部46であって弾性体により形成された係合突起部46を有する。
係合突起部46は、係合溝部34に挿入された状態で、係合溝部34の側壁である側壁外周部341と対向し、側壁外周部341により弾性変形される。
係合突起部46では、弾性変形をする材料、形状が決定される。また、係合突起部46は、側壁外周部341よりも柔らかい材料が好適である。
【0068】
係合突起部46は、筒部外周面部4501及び鍔部外周面部452から外側に突き出している。
図16に示すように、係合突起部46は、筒部外周面部4501から立ち上がる突起上面部467と、筒部外周面部4501及び鍔部外周面部452から立ち上がる一対の突起側面部468と、係合突起部46の外周面である突起外周面部465と、突起下面部469とを有する。突起外周面部465は、下方に向かって広がるように傾斜する。突起外周面部465と突起下面部469との境界が、係合突起部46において最も外側に突き出た突起先端部466である。突起下面部469は、鍔部下面部459から突起先端部466に向かって滑らかな曲面を成す。
なお、突起先端部466が鍔部下面部459と同じ高さにあり、突起下面部469が鍔部下面部459と連続する平面状であってもよい。
【0069】
取付部45は、周面に係合突起部46を少なくとも2つ有する。図14の(b)に示すように、取付部45の筒状の直径上において対向する2箇所に設けられる。よって、鍔部451の最大外径W7は、係合突起部46を含めた取付部45の最大外径W6より若干小さくなる(W6>W7)。
係合突起部46を収容する本体部3の挿入切欠き部35は、取付部45が係合溝部34に挿入される際に側壁349において係合突起部46に対応する位置に形成される。
【0070】
図示は省略するが、カバー4は、係合突起部46の上部のカバー主部40の表面に、係合突起部46の位置を示すガイドマークを有していてもよい。ガイドマークは、係合突起部46の位置を作業者に認識させるためのマークである。灯具100の光学性能及び意匠性等を考慮すると、ガイドマークはカバー主部40の下端部寄り、すなわち第4主部48に設けられることが好ましい。ガイドマークは、成形による立体形状、印刷、刻印などにより設けられていてもよい。
【0071】
<本体部3とカバー4との取付け構造について>
図17は、本実施の形態に係る本体部3とカバー4との取付け構造を示す図であり、(a)が挿入切欠き部35に係合突起部46を挿入する状態を示す図、(b)が挿入切欠き部35に係合突起部46を挿入した状態を示す図である。
図18は、本実施の形態に係る本体部3とカバー4との取付け構造を示す図であり、挿入切欠き部35に係合突起部46を挿入した後にカバー4を回転した状態を示す図である。
【0072】
図17及び図18を用いて、本体部3とカバー4との取付け手順について説明する。
(1)作業者は、ガイドマークにより係合突起部46の位置を確認し、係合突起部46を本体部3の係合溝部34の挿入切欠き部35の位置に合わせながら、取付部45を係合溝部34に挿入する。図17の(a),(b)は(1)の手順を示している。
このとき、図17の(b)に示すように、係合突起部46の突起外周面部465は、係合溝部34の側壁外周部341よりも外側に位置している。すなわち、係合突起部46の厚みは、対応する側壁外周部341と側壁内周部340との間隔よりも大きい。
つまり、取付部45の下端部における、カバー中心軸から係合突起部46の外周までの最短距離は、本体中心軸から挿入切欠き部35の外壁である切欠き外周部350までの最短距離より若干小さい。また、取付部45の下端部における、カバー中心軸から係合突起部46の外周までの最短距離は、本体中心軸から係合溝部34の側壁外周部341までの最短距離より若干大きい。
【0073】
(2)次に、作業者は、カバー4をT1方向に回転させる。あるいは、作業者は、本体部3をT2方向に回転させる。作業者は、カバー4をT1方向に回転させると共に、本体部3をT2方向に回転させてもよい。
この回転により、係合突起部46は、本体部3の係合溝部34における挿入切欠き部35の位置から、側壁外周部341と側壁内周部340とに挟まれた位置に移動する。図18は(2)の手順後を示している。
【0074】
上述したように、係合突起部46の厚みは側壁外周部341と側壁内周部340との間隔よりも大きいので、係合突起部46が側壁外周部341と側壁内周部340との間に圧入される。係合突起部46が側壁外周部341と側壁内周部340との間に圧入されると、係合突起部46は、係合溝部34の側壁である側壁外周部341と対向した状態で側壁により弾性変形される。
【0075】
図18に示すように、突起外周面部465は、係合溝部34の側壁外周部341によりP方向に押圧される。すなわち、係合突起部46が若干弾性変形した状態で、突起外周面部465または突起先端部466が係合溝部34の側壁外周部341に押し付けられる。突起外周面部465または突起先端部466は、矢印Pの向きに押し返される。このようにして係合突起部46は係合溝部34によって係止され、カバー4は本体部3と強く密着する。
【0076】
以上のように、カバー4の取付部45が、挿入切欠き部35に係合突起部46を収容しながら係合溝部34に挿入された状態から係合溝部34の周方向(溝方向ともいう)に回転すると、係合突起部46は、取付部45の回転にしたがって挿入切欠き部35の位置から側壁である側壁外周部341と対向した位置に移動する。
係合突起部46は、側壁外周部341と対向する位置において、側壁外周部341により弾性変形するため、少なくとも側壁外周部341は係合突起部46よりも硬い材料であることが好適である。
【0077】
ここで、前述の通り、本体部3は、LEDを光源として用い、カバー4を除く外形がJISに定義されている一般照明用白熱電球(エジソン電球)と略同一のフォルムを有する電球形ランプにも用いることができるように形成されている。つまり、カバー4は、LEDを光源として用い、カバー4を除く外形がJISに定義されている一般照明用白熱電球(エジソン電球)と略同一のフォルムを有する電球形ランプにも用いることができるように形成された本体部3に取り付けられ、一般照明用白熱電球(エジソン電球)とは異なる外形形状である灯具100(電球形ランプ)を製造するために用いられるカバーである。このため、取付部45は、異なる主部を有する他のカバーと同一の構成としており、本体部3とカバー4との取付け構造についても同一のとすることができる。
【0078】
<灯具100の形状について>
次に、図4を用いて、灯具100の形状について説明する。
本実施の形態に係る灯具100は、例えば、発光管が長手方向に沿って配置された電球形蛍光ランプと、包絡形状と長手方向における発光部分の比率が略同じである電球形LEDランプであり、その形状は以下の通りである。
(a)カバー主部40の高さ寸法L2は、灯具100の高さ寸法L1の45%以上である。
(b)本体部3の高さ寸法L3は、灯具100の高さ寸法L1の25%以下である。
(c)カバー主部40の高さ寸法L2は、本体部3の高さ寸法L3より大きい。
(d)本体部3の高さ寸法L3は、カバー主部40の高さ寸法L2の50%以下である。(e)カバー主部40は下端部44が最大径となっており、カバー主部40の最大径寸法W53は、本体部3の最大径寸法W11より小さい(W53<W11)。
(f)カバー主部40の最大径寸法W53は、本体部3の最大径寸法W11の99%以下である。これによりカバー4の下端部44が本体部3の上面縁部346の外側にはみ出すことがない。
(g)カバー主部40の包絡体積は、本体部3の包絡体積より大きい。
(h)カバー主部40において、第1主部41と第2主部42との部分の高さ寸法L6は、第3主部47の高さ寸法L7より小さい(L6<L7)。
(i)カバー主部40において、第4主部48の高さ寸法L8は、第3主部47の高さ寸法L7より小さい(L8<L7)。
(j)カバー主部40において、第1主部41と第2主部42との部分の高さ寸法L6は、第4主部48の高さ寸法L8より大きい(L6>L8)。
(k)光源部6(発光部)がカバー主部40の下端部44と同じ高さになる位置に配置(実装)される。
(l)本体部3の最大径寸法W11は、本体部3の高さ寸法L3と鍔部211の高さ寸法L4とを合わせた高さ(L3+L4)以上である(W11≧L3+L4)。
(m)カバー主部40の高さ寸法L2は、本体部3の高さ寸法L3と鍔部211の高さ寸法L4と口金1の高さ寸法L5とを合わせた高さ(L3+L4+L5)の90%以上である(L2≧0.9×(L3+L4+L5))。カバー主部の高さ寸法L2は、口金1が配置された本体部3において上面部347(当接部)から口金1の先端部(最下端)までの高さ寸法(L3+L4+L5)の90%以上である。
(n)光源部6(発光部)の発光中心(光源)は本体部3の最小径領域の120%以内の領域に配置される。これにより、光源素子67から出射する光をカバー4の第1主部41から第3主部47にかけて効率よく照射させて光の利用効率を向上させることができる。また、カバーを除く外形がJISに定義されている一般照明用白熱電球(エジソン電球)と略同一のフォルムを有する電球形ランプに光源部6(発光部)を用いた場合に口金1側への配光が向上する。
なお、実施の形態に係る灯具100は、上述のように、灯具(電球形ランプ)全体における本体部3の占める高さ寸法の割合が低く抑えられている。このため、本体部3の筒部37の内部に収容される絶縁部2について、蓋部26の厚さ寸法を最小化(フィルム化、シート化)することによって、電源部5が収納される絶縁部2の筒部20の容積を確保しながら本体部3の高さ寸法L3を小さくすることができる。
【0079】
また、より具体的には、本実施の形態に係る灯具100は以下のような特徴を有することが好ましい。
(A)外形が、長手方向に沿って発光管が配置された電球形蛍光ランプの包絡形状と略同じであること。
(B)長手方向において発光部分が占める長さの比率が略同じであること。
(C)本体部3の外形がJISに定義されている一般照明用白熱電球(エジソン電球)と完全同一フォルムであること。
(D)白熱電球用の照明器具に取り付けが可能であること。
(E)発光管がスパイラルタイプある電球形蛍光ランプ用の照明器具に取り付けが可能であること。
(F)発光管が長手方向に沿って配置された電球形蛍光ランプ用の照明器具に取り付けが可能であること。
(G)全体のバランスが良く、意匠性に優れた外径形状であること。
【0080】
***本実施の形態の効果の説明***
以上のように、本実施の形態に係る灯具100によれば、カバー主部40が光源部6近傍となる一端部441に滑らかに凹んだ凹部480を有するので、コスト削減を図ることができると共に、光の取り出し効率を向上させることができる。すなわち、ダウンライト装置への装着性の改善を最少のコスト負担で実現し得る電球形ランプである灯具を提供することができる。
【0081】
また、本実施の形態に係る灯具100では、第2主部42が、第1主部41と第3主部47との間に配置されており、他端側の張出量を抑制しているので、照明器具に対する着脱性が向上する。
また、本実施の形態に係る灯具100では、第3主部47の傾斜角度θ1,θ2を90°より小さい角度にすることにより、カバー4を射出成形法により容易に形成することができる。
また、本実施の形態に係る灯具100では、第4主部48と本体部3の第1錐状部370とが、本体部3の上面縁部346を基準に上限方向のバランスが考慮された曲面を構成するので、意匠性に優れた外観を提供する。また、第4主部48が光源部6近傍に滑らかに凹んだ凹部480を有するので、光の取り出し効率を向上させることができる。また、第4主部48の厚みが第3主部47側から下端部44に向かって徐々に厚くなるように形成されているので、光源素子67に近い第4主部48から照射される光のみが極端に明るくなることを抑制することができる。また、カバー4から照射される光を全体に均一にすると共に、光源素子67から出射される直進性が強い直接光による眩しさや粒状感を軽減する。
【0082】
また、本実施の形態に係る灯具100では、取付部45の係合突起部46が本体部3の挿入切欠き部35に沿うように中心軸方向に挿入され、カバー4を本体部3へ押付けた状態で、カバー4または本体部3を中心軸を基準に回転させる。そして、係合突起部46が挿入切欠き部35から係合溝部34に移動した位置で回転を停止する。このようにカバー4が本体部3に取り付けられた状態では、取付部45の係合突起部46が若干弾性変形した状態となっており、係合突起部46の弾性力によって係合突起部46の突起先端部466が係合溝部34の若干傾斜した側壁外周部341に押し付けられる。このとき、カバー4は、若干傾斜した側壁外周部341の反力を受けるので、係合突起部46が本体部3の係合溝部34の下端部に向って押し戻される。つまり、カバー4は本体部3に密着して取り付けられることになり、本体部3に取り付けられたカバー4は、本体部3から外れるおそれがない。
【0083】
また、本実施の形態において、灯具(電球形ランプ)100全体における本体部(ヒートシンク)3の占める割合が低く抑えられているので、灯具100は軽量化できる。そして、カバー4は相対的に大きくなるため重くなり、相対的に小さくなる本体部3に対して確実に取り付ける必要がある。そこで、本実施の形態に係る取付け構造によれば、灯具100のカバー4と本体部3とはより確実に取り付けられるため、本体部3に取り付けられたカバー4が相対的に重くなっても本体部3から外れるおそれがない。
【0084】
また、本実施の形態に係る灯具100では、カバー主部40と取付部45とが1つの部品で形成されているため、製造コストを削減できると共に、製造品質も向上させることができる。
また、外観意匠部品であり光を透過する光学部品であるカバーは、照明装置(ランプ)にとって最も重要な部品であり、カバーの表面に固着痕を残す製造方法は、意匠性、光学特性を損なうおそれがある、本実施の形態に係る灯具100では、カバー主部40と取付部45とが1つの部品として形成されているため、意匠性、光学特性を損なうおそれがない。
このように、本実施の形態に係る灯具100によれば、簡単な構成によりカバー4と本体部3とを確実に接合することができるので、製造コストを削減できる。また、カバー4は1つの部品により形成されているので、製造品質も向上させると共に、意匠性、光学特性を損なうおそれがない。
【0085】
取付部45と本体部3とが取り付けられる部分は、カバー4の最大径となり、光源素子(LED)67は本体部(ヒートシンク)3のカバー4に覆われる部分に形成された光源配置部30に配置(実装)される。そこで、光源素子67から出射する光をカバー4の第1主部41から第3主部47にかけて効率よく照射させて光の利用効率を向上させるためには、光源素子(LED)67は光源配置部30のなるべく外縁側に配置(実装)されることが好ましい。このため、取付部45は、光源配置部30の更に外縁部の極々限られた領域に取り付ける必要がある。
本実施の形態に係る本体部3とカバー4との取付け構造によれば、取付部45の周面から突出した係合突起部46を弾性変形させて係合溝部34の側壁外周部341に密着させるので、係合溝部34の幅を小さくして、光源配置部30の面積を大きくすることができる。
なお、本体部に対するカバーの寸法は、例えば摂氏25度以上の環境で調整し、灯具100を点灯させたときにカバー4が若干熱膨張するようにすれば、少なくとも灯具100に通電させているときにカバー4が落下するおそれがない。
【0086】
***他の構成***
本実施の形態では、係合突起部は、取付部の外側の周面である筒部外周面部から突出するように形成されていた。しかし、係合突起部が取付部の内側の周面から内側に突出するように取り付けられていてもよい。あるいは、取付部の両側の周面から突出していてもよい。
例えば、係合突起部が取付部の内側の周面から突出する場合、係合突起部を側壁内周部に形成された凹みであるネジ貫通孔に沿わせながら、取付部を係合溝部に挿入する。その後、カバーを回転させて、係合突起部が側壁内周部に対向する位置まで移動させる。このとき、本実施の形態と同様に、側壁内周部により係合突起部が弾性変形され、カバーと本体部とが密着する。
また、例えば、係合突起部が取付部の両側の周面から突出する場合、係合突起部を側壁外周部に形成された挿入切欠き部と側壁内周部に形成されたネジ貫通孔とに沿わせながら、取付部を係合溝部に挿入する。その後、カバーを回転させて、係合突起部が側壁外周部と側壁内周部とに挟まれる位置まで移動させる。このとき、本実施の形態と同様に、側壁外周部と側壁内周部とに挟まれ係合突起部が弾性変形され、カバーと本体部とが密着する。
【0087】
また、本実施の形態では光源素子67としてLEDを用いているが、LED以外の光源素子を用いてもよい。具体的には、光源素子として、有機ELあるいはレーザーを用いてもよい。
本実施の形態では、カバーと本体部との取付け構造について、LEDを光源として用いた白熱電球と同一フォルムの電球形ランプを例として説明したが、その他の形態の電球形ランプでも適用可能である。例えば、LEDを光源として用いたミニクリプトンタイプの小型電球でも適用可能である。
【0088】
実施の形態2.
本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる点について説明する。
図19は、本実施の形態に係る灯具100の部分拡大断面図である。図19では、本体部3の係合溝部34と、取付部45のうち係合突起部46が設けられていない部分との係合状態を示している。
図19において、実施の形態1と同様の構成部については同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0089】
本実施の形態に係る取付部45と係合溝部34との取付け構造は、係合溝部34に接着剤8を充填するものである。
図19に示すように、取付部45を係合溝部34に接着固定する場合に、硬化した接着剤8が取付部45の鍔部451を抱え込んで保持する。筒部外周面部4501と鍔部上面部453と鍔部外周面部452とにより形成されるくぼみ部分に接着剤8が入り込んで硬化することで接着力が高まるアンカー効果を増大させることができる。
【0090】
実施の形態3.
本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる点について説明する。
本実施の形態において、実施の形態1,2と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図20は、本実施の形態に係る灯具100aの斜視図であり、(a)が口金1の側から見た斜視図、(b)がカバー4aの側から見た斜視図である。
図21は、本実施の形態に係る灯具100aの部分断面図と、部分断面図のD部拡大図である。
【0091】
図20に示すように、本実施の形態に係る灯具100aでは、カバー4aと本体部3aの形状が実施の形態1と異なる。
【0092】
本実施の形態に係るカバー4aは、実施の形態1の第4主部48よりも高さ寸法が小さい第4主部48aを有する。また、第4主部48aは、凹部480aを有する。
図21のD部拡大図に示すように、第4主部48aの高さ寸法はL11である。第4主部48aの高さ寸法L11は、実施の形態1の第4主部48の高さ寸法L8より小さい(L8>L11)。
第3主部47は、本体部3aの上面部347近傍まで形成され、本体部3aの上面部347からL11離れた位置近傍から曲率R6の凹部480aが形成される。ここで、曲率R6と第4主部48aの高さ寸法はL11との関係はR6≧L11である。D部拡大図において、点線の部分が実施の形態1のカバー4及び本体部3である。
【0093】
本実施の形態に係る本体部3aは、第1錐状部370の上端部3701から上面部347に向かって形成された立設部3700を有する。立設部3700は、上面部347に対して略垂直に形成されている。
このとき、カバー4aの最大外径W41は、本体部3aの最大外径W71より若干小さい(W41<W71)。
【0094】
本実施の形態に係るカバー4aによれば、厚み寸法が大きくなる第4主部48aの高さを低く抑えることができるので、光の利用率を向上させることができ、相対的に第4主部48a付近の明るさを向上させることができるという光学的な効果がある。また、第4主部48a付近でカバー4aが小型化できることによる経済的な効果がある。また、カバー4aが軽量化できることにより取付け品質が向上するという効果がある。
【0095】
また、本実施の形態に係る本体部3aによれば、小型化できることによる経済的な効果、及び、軽量化できることにより輸送品質が向上するという効果がある。また、本体部3aは、実施の形態1と同じ金型を用いて成形した後に切削工程を追加することのみによって形成できるので、カバー4aを除く外形がJISに定義されている一般照明用白熱電球(エジソン電球)と略同一のフォルムを有する電球形ランプにも用いることができるように形成された本体部3と同じ金型を用いることができ、金型投資の抑制効果がある。
【0096】
実施の形態4.
本実施の形態では、主に、実施の形態3と異なる点について説明する。
本実施の形態において、実施の形態1から3と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図22は、本実施の形態に係る灯具100bの斜視図であり、(a)が口金1の側から見た斜視図、(b)がカバー4bの側から見た斜視図である。
図23は、本実施の形態に係る灯具100bの部分断面図と、部分断面図のE部拡大図である。
【0097】
図22に示すように、本実施の形態に係る灯具100bでは、カバー4bの形状が実施の形態1と異なる。また、本実施の形態では、本体部3aの形状は実施の形態3で説明したものと同様である。
【0098】
本実施の形態に係るカバー4bは、実施の形態1の第4主部48よりも高さ寸法が小さい第4主部48bを有する。また、第4主部48bは、凹部480bと、凸部482とを有する。すなわち、カバー4bのカバー主部40は、一端部441に凸部482を有する。凸部482は、滑らかに突き出た曲面により形成されている。また、凹部480bも滑らかに凹んだ曲面により形成されている。
図23のE部拡大図に示すように、カバー4bのカバー主部40は、一端部441の最下端である下端部44から凸部482及び凹部480bにかけて、略S字状の滑らかな曲線を描くように形成される。
【0099】
図23のE部拡大図に示すように、第4主部48bの高さ寸法はL12である。第4主部48bの高さ寸法L12は、実施の形態1の第4主部48bの高さ寸法L8より小さい(L8>L12)。
第3主部47は本体部3aの上面部347近傍まで形成され、第3主部47の下端から曲率R7の凹部480bが形成される。また、凹部480bの下端から下端部44に向かって曲率R8の凸部482が形成される。このように、第4主部48bは断面が略S字形状をなす。
なお、第4主部48bの凹部480bの曲率R7と、第4主部48bの凸部482の曲率R8と、実施の形態3で説明した第4主部48aの曲率R6との関係は、R7≦R6、R8≦R6となる。E部拡大図において、点線の部分が実施の形態1のカバー4及び本体部3である。
【0100】
また、カバー4bの最大外径W42は、本体部3aの最大外径W71より若干小さい(W42<W71)。
【0101】
本実施の形態に係るカバー4bによれば、厚み寸法が大きくなる第4主部48bの高さを低く抑えることができるので、光の利用率を向上させることができ、相対的に第4主部48b付近の明るさを向上させることができる光学的な効果がある。また、第4主部48b付近でカバー4bを小型化できることにより経済的な効果がある。また、カバー4bが軽量化できることにより取付け品質が向上する効果がある。また、本実施の形態に係るカバー4bは凸部482を設けているので、カバー全体の剛性を向上させることができるという効果がある。
【0102】
実施の形態5.
本実施の形態では、主に、実施の形態3と異なる点について説明する。
本実施の形態において、実施の形態1から4と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図24は、本実施の形態に係る灯具100cの斜視図であり、(a)が口金1の側から見た斜視図、(b)がカバー4aの側から見た斜視図である。
図25は、本実施の形態に係る灯具100cの部分断面図と、部分断面図のF部拡大図である。
【0103】
図24に示すように、本実施の形態に係る灯具100cでは、本体部3bの形状が実施の形態3と異なる。また、本実施の形態では、カバー4aの形状は実施の形態3で説明したものと同様である。
【0104】
本実施の形態に係る本体部3bは、第1錐状部370の上端部3701から立設部3700にかけて曲率R9の曲部3702を有する。つまり、第1錐状部370と立設部3700との境界が角部ではなくRが形成されている。
なお、曲率R9は実施の形態3で説明した凹部480aの曲率R6より大きい(R9>R6)。また、曲率R9は実施の形態3で説明した第4主部48aの高さ寸法L11より大きい。
【0105】
また、カバー4aの最大外径W41は、本体部3bの最大外径W72より若干小さい(W41<W72)。F部拡大図において、点線の部分が実施の形態1のカバー4及び本体部3である。
【0106】
本実施の形態に係る本体部3bによれば、小型化できることによる経済的な効果、及び、軽量化できることにより輸送品質が向上する効果がある。また、第1錐状部370と立設部3700との境界にRが形成されるので、本体部3bの外観が滑らかに形成され、意匠性が向上する効果がある。また、本体部3bは、実施の形態1と同じ金型を用いて成形した後に切削工程を追加することのみによって形成できるので、カバー4aを除く外形がJISに定義されている一般照明用白熱電球(エジソン電球)と略同一のフォルムを有する電球形ランプにも用いることができるように形成された本体部3と同じ金型を用いることができ、金型投資の抑制効果が期待できる。
【0107】
実施の形態6.
本実施の形態では、主に、実施の形態4,5と異なる点について説明する。
本実施の形態において、実施の形態1から5と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図26は、本実施の形態に係る灯具100dの斜視図であり、(a)が口金1の側から見た斜視図、(b)がカバー4bの側から見た斜視図である。
図27は、本実施の形態に係る灯具100dの部分断面図と、部分断面図のG部拡大図である。
【0108】
図26に示すように、本実施の形態に係る灯具100dでは、カバー4bと、本体部3bとを有する。カバー4bは、実施の形態4で説明したものと同様である。本体部3bは実施の形態5で説明したものと同様である。
【0109】
なお、曲率R9は実施の形態4で説明した凹部480bの曲率R7より大きい(R9>R6)。また、曲率R9は実施の形態4で説明した凸部482の曲率R8より大きい(R9>R8)。また、曲率R9は実施の形態3で説明した第4主部48aの高さ寸法L11より大きい(R9>L11)。
【0110】
また、カバー4bの最大外径W42は、本体部3bの最大外径W72より若干小さい(W42<W72)。G部拡大図において、点線の部分が実施の形態1のカバー4及び本体部3である。
【0111】
なお、本実施の形態に係るカバー4b及び本体部3bの効果は、実施の形態4及び5で説明したものと同様である。
【0112】
実施の形態7.
本実施の形態では、主に、実施の形態1から6と異なる点について説明する。
図28は、実施の形態3に係る灯具100aを埋め込みタイプの照明器具2000に装着した照明装置3000を示す図である。
図28において、実施の形態1から6と同様の構成部については同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0113】
照明器具2000は、天井面などの取付部(造営部)6000に設けられた取付孔7000に、取付金具2005により取り付けられる。
照明器具2000は、反射板枠2001、器具本体2002、ソケットホルダ2003、ソケット2004、端子台2006などを備える。
灯具100aは、照明器具2000のソケット2004に装着される。
本実施の形態において、照明器具2000に取り付けられる灯具100aは小型化されているので、灯具を斜め方向に着脱する照明器具2000への着脱性が向上する。また、灯具100aは軽量化されているので、照明器具2000への負担が軽減される。
【0114】
実施の形態8.
本実施の形態では、主に、実施の形態7と異なる点について説明する。
図29は、実施の形態3に係る灯具100aを、実施の形態7とは異なる埋め込みタイプの照明器具2000aに装着した照明装置3000aを示す図である。
図29において、実施の形態1から8と同様の構成部については同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0115】
照明器具2000aは、天井面などの取付部(造営部)6000に設けられた取付孔7000に取り付けられる。
照明器具2000aは、反射板枠2001a、器具本体2002a、ソケットホルダ2003a、ソケット2004a、端子台2006aなどを備える。
灯具100aは、照明器具2000aのソケット2004aに装着される。
本実施の形態において、照明器具2000aに取り付けられる灯具100aは小型化されているので、灯具を水平方向に着脱する照明器具2000aへの着脱性が向上する。また、灯具100aは軽量化されているので、照明器具2000aへの負担が軽減される。
【0116】
以上、本発明の実施の形態1から8について説明したが、これらの実施の形態のうち、2つ以上を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つを部分的に実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施しても構わない。その他、これらの実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
なお、上記の実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物及び用途の範囲を制限することを意図するものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0117】
1 口金、10 ネジ部、12 アイレット部、2 絶縁部、20 筒部、21 外周部、210 ネジ部、211 鍔部、212 挿入ガイド凸部、213 電線配置溝、22 内周部、220 収容部、23 リブ、24 第1開口端部、240 通線凹部、25 第2開口端部、250 第1凸部、251 ネジ孔、252 第2凸部、26 蓋部、260 ネジ貫通部、261 電線貫通孔、3,3a,3b 本体部、30 光源配置部、31 光源配置面部、32 ネジ貫通孔、33 電線貫通孔、34 係合溝部、340 側壁内周部、341 側壁外周部、342 第2外周部、344 底部、345 開口部、35 挿入切欠き部、350 切欠き外周部、351 第1外周部、352 第2外周部、353 切欠き側壁部、354 切欠き底部、355 切欠き開口部、345 傾斜部、346 上面縁部、347 上面部、349 側壁、36 内面部、360 第1凹部、361 第2凹部、37 筒部、370 第1錐状部、371 第2錐状部、372 第3錐状部、373 外周部、374 内周部、375 挿入ガイド凹部、376 開口端部、378 空洞部、4,4a,4b カバー、40 カバー主部、41 第1主部、42 第2主部、44 下端部、440 開口部、441 一端部、442 他端部、45 取付部、450 筒部、4501 筒部外周面部、451 鍔部、452 鍔部外周面部、453 鍔部上面部、459 鍔部下面部、46 係合突起部、465 突起外周面部、466 突起先端部、467 突起上面部、468 突起側面部、469 突起下面部、47 第3主部、48,48a,48b 第4主部、480,480a,480b 凹部、482 凸部、5 電源部、50 点灯回路基板、51 点灯回路部品、6 光源部、60 光源回路基板、61 実装部、62 熱伝達部、65 ネジ貫通孔、66 電線挿通孔、67 光源素子、7 ネジ、8 接着剤、100,100a,100b,100c,100d 灯具、2000,2000a 照明器具、2001,2001a 反射板枠、2002,2002a 器具本体、2003,2003a ソケットホルダ、2004,2004a ソケット、2005 取付金具、2006,2006a 端子台、3000,3000a 照明装置、3700 立設部、3701 上端部、3702 曲部、6000 取付部(造営部)、7000 取付孔。
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