(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第一混合装置及び前記第二混合装置により混合した混合粉体の混合度が所定範囲外の場合に当該混合粉体を排除する粉体排除部を具備する請求項1又は2記載の粉体混合度測定装置。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態における粉体圧縮成形機は、回転式の粉体圧縮成形機である。はじめに、この回転式粉体圧縮成形機の全体概要を述べる。
【0026】
図1に示すように、成形機のフレーム1内には、回転軸となる立シャフト2が設立され、その立シャフト2の上部に接続部21を介して回転盤3が取り付けられる。立シャフト2の下端側には、ウォームホイール7が取り付けられる。ウォームホイール7には、ウォームギア10が噛合する。ウォームギア10は、モータ8により駆動されるギア軸9に固定している。モータ8が出力する駆動力は、ベルト11によってギア軸9に伝わり、ウォームギア10、ウォームホイール7を介して立シャフト2を回転させる。そして、立シャフト2が回転することにより、回転盤3及び杵5、6が回転する。
【0027】
回転盤3は、立シャフト2の軸回りに水平回転、即ち自転する。回転盤3は、テーブル(臼ディスク)31と、上杵保持部32と、下杵保持部33とからなる。
図2に示すように、テーブル31は略円板状をなしており、その外周部に回転方向に沿って所定間隔で複数の臼孔4を有する。臼孔4は、テーブル31を上下方向に貫通している。なお、テーブル31は、複数のプレートに分割するものでもよい。また、テーブル31自体に直接臼孔4を有するものでなく、臼孔4を備える臼をテーブル31に装着するものであってもよい。
【0028】
各臼孔4の上下には、上杵5及び下杵6を、それぞれが個別に臼孔4に対して上下方向に摺動可能であり、上杵胴部52を上杵保持部32で、下杵胴部62を下杵保持部33で保持する。上杵5の杵先53は、臼孔4に対して出入りする。下杵6の杵先63は、常時臼孔4に挿入してある。上杵5及び下杵6は、回転盤3とともに立シャフト2の軸回りに水平回転、即ち公転する。
【0029】
回転盤3の臼孔4に対して粉体を充填するためには、フィードシューXを用いる。フィードシューXは、攪拌フィードシューとオープンフィードシューとがあり、いずれのフィードシューであってもかまわない。フィードシューXへの粉体の供給は、粉体混合度測定装置Mの排出部M6である粉体供給路191から行われる。粉体混合度測定装置Mの供給部M5への粉体の供給には、バッファタンク19を用いる。
【0030】
図3に示すように、上杵5、下杵6の立シャフト2の軸回りの公転軌道上には、上杵5、下杵6を挟むようにして上下に対をなす予圧上ロール12及び予圧下ロール13、本圧上ロール14及び本圧下ロール15がある。予圧上ロール12及び本圧上ロール14は、上杵5の頭部51を押圧し、予圧下ロール13及び本圧下ロール15は、下杵6の頭部61を押圧する。そして、予圧上ロール12及び予圧下ロール13並びに本圧上ロール14及び本圧下ロール15は、臼孔4内に充填された粉体を杵先53、63の先端面で上下から圧縮するべく、上杵5及び下杵6を互いに接近させる方向に付勢する。
【0031】
上杵5、下杵6はそれぞれ、ロール12、13、14、15によって押圧される頭部51、61と、この頭部51、61よりも細径な胴部52、62とを有する。回転盤3の上杵保持部32は、上杵5の胴部52を上下に摺動可能に保持し、下杵保持部33は、下杵6の胴部62を上下に摺動可能に保持する。胴部52、62の先端部位53、63は、臼孔4内に挿入可能であるように、それ以外の部位と比べて一層細く、臼孔4の内径に略等しい直径である。杵5、6の公転により、ロール12、13、14、15は杵5、6の頭部51、61に接近し、頭部51、61に乗り上げるようにして接触する。さらに、ロール12、13、14、15は上杵5を下方に押し下げ、下杵6を上方に押し上げる。ロール12、13、14、15が杵5、6上の平坦面に接している期間は、杵5、6が臼孔4内の粉体に対して所要の圧力を加え続ける。
【0032】
本圧上ロール14及び本圧下ロール15による加圧位置から、回転盤3、上杵5及び下杵6の回転方向に沿って先に進んだ下流位置には、成形品回収部を構成する。この成形品回収部は、臼孔4から押し出された成形品を案内するダンパ17を備える。ダンパ17は、成形品回収位置18を基端とし、その先端が臼4の回転の軌跡よりもテーブル31の中心側にあるように延びている。下杵6により臼孔4から押し出された成形品は、このダンパ17に接触して、成形品回収位置18に向かって移動することとなる。
【0033】
成形品の製造工程を概説すると、まず、
図3に示すように、下杵6が降下し、下杵6の杵先63が挿入されている臼孔4内にフィードシューXから粉体(混合粉体)が充填される(充填工程)。次に、臼孔4内に充填された粉体(混合粉体)が必要量となるように下杵6が上昇し、臼孔4から溢れた粉体が擦り切られる。
【0034】
そして、上杵5が下降し、予圧上ロール12及び予圧下ロール13が上杵5の頭部51及び下杵6の頭部61を押圧し、それら杵5、6の杵先53、63で臼孔4内の粉体を圧縮する予圧縮が行われる。続いて、本圧上ロール14及び本圧下ロール15が上杵5の頭部51及び下杵6の頭部61を押圧し、杵5、6の杵先53、63で臼孔4内の粉体を圧縮する本圧縮を行う(圧縮成形工程)。
【0035】
その後、下杵6の杵先63の上端面が臼孔4の上端つまりはテーブル31の上面と略同じ高さとなるまで下杵6が上昇して、臼孔4内にある成形品を臼孔4から盤面上に押し出す。臼孔4を出た成形品は、回転盤3の回転によりダンパ17に接触し、ダンパ17に沿って成形品回収位置18まで移動する。
【0036】
なお、本粉体圧縮成形機の成形品回収部には、特定の成形品、例えばサンプリング品や不良品を、成形品回収位置18に回収する成形品群から選り分けるための成形品排除機構を設けている。具体的には、ダンパ17の内部に、加圧空気を流通させる空気通路16を形成し、その空気通路16の先端を回転盤3の径方向に沿って外側方に向けて開口させた空気噴射ノズル16aとしている。加圧空気を供給するポンプ等の空気供給源(図示せず)と空気通路16とを接続する流路20上には、当該流路20を開閉する制御バルブ22を設置してある。制御バルブ22は、例えば、制御装置Cから与えられる制御信号により開弁する電磁ソレノイドである。
【0037】
臼孔4から押し出された特定の成形品がダンパ17に接触する前、空気噴射ノズル16aの近傍を通過するときに、制御バルブ22を開弁すると、空気供給源から供給される加圧空気が、流路20及びダンパ17内の空気通路16を経由して空気噴射ノズル16aから噴出する。この噴出した空気は、特定の成形品をテーブル31の外側方に吹き飛ばす。吹き飛ばされた当該成形品は、ダンパ17に沿った先にある成形品回収位置18に到着することはない。このように、本粉体圧縮成形機にあっては、空気供給源から供給される空気の流通路16、20、噴射ノズル16a及び制御バルブ22が、成形品排除機構を構成する。
【0038】
以降、バッファタンク19に粉体を供給する粉体混合供給装置Zについて述べる。
図4及び
図5に示すように、本実施形態では、粉体混合供給装置Zにおける計量フィーダZ1を三台(Z1a、Z1b、Z1c)使用する。計量フィーダZ1の数は、混合する粉体の種類数によって変化するため、二台又は四台以上であってもよく、特に数を限定するものではない。
【0039】
また、本実施形態では、第一計量フィーダZ1a、第二計量フィーダZ1b、第三計量フィーダZ1cではそれぞれ別種の粉体を計量供給するが、同種の粉体を計量供給するものであってもよい。本実施形態においては、第一計量フィーダZ1aは主薬、第二計量フィーダZ1bは乳糖等の賦形剤等の粉体、第三計量フィーダZ1cは滑沢剤をそれぞれ計量供給する。
【0040】
図4及び
図5に示しているように、粉体混合供給装置Zは、第一計量フィーダZ1aと、第二計量フィーダZ1bと、垂直混合装置Z3(第一混合装置)と、計量フィーダZ1(Z1a、Z1b)と垂直混合装置Z3とを接続する第一接続管Z2aと、水平混合装置Z4(第二混合装置)と、垂直混合装置Z3と水平混合装置Z4とを接続する第二接続管Z2bと、第三計量フィーダZ1cと水平混合装置Z4とを接続する第三接続管Z2cと、水平混合装置Z4とバッファタンク19とを接続する第四接続管Z2dとから構成される。
図4は粉体圧縮成形機に粉体混合供給装置Zを取り付けた状態を示す斜視図、
図5は粉体混合供給装置Zの側面図である。なお、計量フィーダ(Z1a、Z1b、Z1c)の配置や形状等は変更でき、
図4及び
図5に示した態様には限定されない。
【0041】
第一計量フィーダZ1a及び第二計量フィーダZ1bの各々では、粉体即ち主薬及び賦形剤等を計量しながら第一接続管Z2aに供給する。第三計量フィーダZ1cでは、粉体即ち滑沢剤を計量しながら第三接続管Z2cに供給する(計量供給工程)。これら計量フィーダZ1は、例えばロスインウェイト方式(減量積算値方式)の既知のもので、フィーダZ1から吐出された粉体の重量が重量センサを介して常時計測され、その重量の推移が設定された目標吐出流量と合致しているかどうかが比較され、両者の偏差が縮小する方向にフィーダZ1の吐出速度が増減されるという、フィードバック制御が行われる装置である。このように、供給するべき各粉体を計量しながら接続管Z2a、Z2cに供給することで、成形品における主薬等の含有量が安定する。
【0042】
既に述べた通り、第一接続管Z2aは、第一計量フィーダZ1a及び第二計量フィーダZ1bと垂直混合装置Z3とを接続する管であり、第一計量フィーダZ1aから排出される主薬及び第二計量フィーダZ1bから排出される賦形剤等を垂直混合装置Z3に供給する。第二接続管Z2bは、垂直混合装置Z3と水平混合装置Z4とを接続する管であり、垂直混合装置Z3から排出される主薬と賦形剤との混合粉体を水平混合装置Z4に供給する。第三接続管Z2cは、第三計量フィーダZ1cと水平混合装置Z4とを接続する管であり、第三計量フィーダZ1cから排出される滑沢剤を水平混合装置Z4に供給する。並びに、第四接続管Z2dは、水平混合装置Z4とバッファタンク19とを接続する管であり、水平混合装置Z4から排出される主薬、賦形剤及び滑沢剤の混合粉体をバッファタンク19に供給する。
【0043】
より詳しく記すと、第一接続管Z2aは、第一計量フィーダZ1aと接続する第一枝管Z2a1と、第二計量フィーダZ1bと接続する第二枝管Z2a2と、第一枝管Z2a1及び第二枝管Z2a2とそれぞれ接続する主管Z2a3とから構成される。主管Z2a3の下部は、垂直混合装置Z3と接続される。これにより、第一計量フィーダZ1a及び第二計量フィーダZ1bから計量供給された粉体は垂直混合装置Z3で混合される(第一混合工程)。
【0044】
第二接続管Z2b、第三接続管Z2c及び第四接続管Z2dについては、後述する。
【0045】
図5、
図6、
図7及び
図8に示すように、垂直混合装置Z3は、粉体が供給される供給口Z361を備える蓋部Z36と、蓋部Z36の下方に位置する漏斗状の第一ケースZ31と、第一ケースZ31の略中央部に配置され自転する攪拌軸Z33と、攪拌軸Z33に取り付けられた攪拌羽根Z34(第一混合部材)と、攪拌軸Z33を回転(自転)させるモータZ37と、第一ケースZ31の下部に配置され、複数の孔Z321を備える粉体通過部材Z32と、粉体が粉体通過部材Z32の孔Z321を通過するように促す補助羽根Z35(第一混合部材)と、粉体通過部材Z32を覆う第二ケースZ38とから構成される。ここで、攪拌羽根Z34及び補助羽根Z35は、いずれも第一混合部材である。本実施形態では、攪拌羽根Z34及び補助羽根Z35の両方を備える構成としているが、いずれか一方だけを備えるようにしてもよい。
【0046】
垂直混合装置Z3では、必ずしも攪拌軸Z33が垂直に配置されている必要はなく、斜めに傾いていてもよい。垂直混合装置Z3は、供給口Z361から供給された粉体が下方に流れ、その間に粉体を攪拌混合できるものであればよい。
【0047】
垂直混合装置Z3の供給口Z361に供給された粉体は、攪拌羽根Z34の回転により混合される(第一混合工程)。無論、補助羽根Z35の回転により混合されるものであってもよい。
【0048】
蓋部Z36は、供給口Z361と、攪拌軸Z33を通すための軸口Z362とを備え、第一ケースZ31の上部開口部を覆う形状である。蓋部Z36は、粉体が第一ケースZ31からこぼれたり飛散したりしないように第一ケースZ31に取り付けられている。蓋部Z36の供給口Z361は、第一接続管Z2aと接続されている。供給口Z361から第一ケースZ31内に供給された粉体は、攪拌羽根Z34及び/又は補助羽根Z35の回転によって攪拌混合される。貯留部Z30の粉体通過部材Z32は複数の孔Z321を有し、混合された粉体が粉体通過部材Z32の孔Z321を通過する。
【0049】
なお、供給口Z361からの粉体の供給量を調節したり、補助羽根Z35の回転数を増加したりすることにより、孔Z321を通過する粉体量より供給口Z361から供給される粉体量を多くなるようにすることができる。そのため、粉体はある程度貯留部Z30内に留まる。つまり、垂直混合装置Z3内で、第一計量フィーダZ1a及び第二計量フィーダZ1bから計量供給された粉体の少なくとも一部が貯留部Z30に留まり(貯留工程)、補助羽根Z35によって攪拌されることにより粉体の混合度が向上する。供給口Z361は、複数設けられていてもよい。
【0050】
第一ケースZ31は、その上部が開口しており、その下部には粉体通過部材Z32が設けられている。本実施形態における第一ケースZ31の形状は略漏斗状のものであるが、このような形状に限定されず、粉体通過部材Z32に粉体を供給できるような構成であればどのような形状であってもよい。
【0051】
攪拌軸Z33は、第一ケースZ31の平面視中央部に設けられ、モータZ37の駆動によって回転(自転)する。攪拌軸Z33の軸方向の上部及び中央部には攪拌羽根Z34が取付けられており、下部には補助羽根Z35が取付けられている。攪拌軸Z33が回転することにより攪拌羽根Z34及び補助羽根Z35が回転する。
【0052】
攪拌羽根Z34(第一混合部材)は、第一ケースZ31内に供給口Z361から供給された粉体を攪拌混合する。攪拌羽根Z34の形状はどのようなものであってもよい。
図5及び
図6では、攪拌羽根Z34はその先端が矩形した形状であり、攪拌軸Z33上の二ヶ所配置されている。一方、
図8に示した垂直混合装置Z3は、
図5及び
図6に示している垂直混合装置Z3とは構造が一部異なる。
図8に示す垂直混合装置Z3では、攪拌羽根Z34が攪拌軸Z33上に一ヶ所配置され、
図5及び
図6の攪拌羽根Z34とは異なる形状である。なお、
図5、
図6及び
図8は、攪拌羽根Z34の形状や配置位置を限定するものではない。
【0053】
図7に示すように、貯留部Z30における粉体通過部材Z32は、第一ケースZ31の下部に設けられており、複数の孔Z321を備えている。また、粉体通過部材Z32は、第二ケースZ38に覆われている。粉体通過部材Z32の孔Z321を通過した粉体は、第二ケースZ38の下部に設けられている排出口Z381から排出される。孔Z321の数、径の大きさは任意である。このような構成により、粉体通過部材Z32に粉体が留まり、粉体の混合度が向上する。第一垂直混合装置Z3aにおいて、粉体通過部材Z32の孔Z321を通過した粉体は、第二接続管Z3bを経由して水平混合装置Z4に供給される。
【0054】
なお、補助羽根Z35は、貯留部Z30内の粉体を攪拌する。補助羽根Z35は、貯留部Z30の平面視中央部に設けられており、攪拌軸Z33の下部に設けられている。本実施形態においては、補助羽根Z35の形状は、粉体通過部材Z32の内部形状に合わせた構造となっており、粉体が孔Z321を通過するのを促す。なお、補助羽根Z35も攪拌羽根の一種である。
【0055】
また、本実施形態の垂直混合装置Z3は攪拌羽根Z34を備えるものであるが、垂直混合装置Z3が、第二ケースZ38と、粉体通過部材Z32と、補助羽根Z35とから構成されていてもよい。第二ケースZ38は、粉体通過部材Z32を覆い、略漏斗状の形状であり、下部に排出口Z381を備える。第二ケースZ38は、粉体通過部材Z32の孔Z321を通過した粉体を排出口Z381に導く。
【0056】
第二接続管Z2bは、垂直混合装置Z3と後述する水平混合装置Z4とを接続する管である。第二接続管Z2bは、垂直混合装置Z3の下部及び水平混合装置Z4の上部にそれぞれ接続され、垂直混合装置Z3における排出口Z381を通過した粉体を水平混合装置Z4に供給する。
【0057】
第二混合装置である水平混合装置Z4は、
図5に示すように、筒状のケースZ41と、ケースZ41の略中央部に配置された自転する攪拌軸Z42と、攪拌軸Z42を回転(自転)させるモータZ43と、その攪拌軸Z42に取り付けられ、回転により略水平方向に粉体を移動させる攪拌羽根Z44とから構成される。この水平混合装置Z4により、供給された粉体、即ち主薬及び賦形剤等と滑沢剤とを混合する(第二混合工程)。本実施形態では、ケースZ41は回転(自転)しないが、ケースZ41が回転するような構成でもよい。さすれば、粉体の混合度はさらに向上する。
【0058】
ケースZ41は、上部にケースZ41内に粉体を供給するための複数の供給口と、ケースZ41から混合粉体を排出する排出口Z413とを備える。本実施形態では、二ヶ所の供給口(第一供給口Z411、第二供給口Z412)を使用し、第二接続管Z2bは水平混合装置Z4のケースZ41における第一供給口Z411に接続されている。第一供給口Z411は、ケースZ41内に主薬と賦形剤等とを混合した粉体を供給する供給口である。ケースZ41内に供給された混合粉体は、攪拌羽根Z44の回転により、ケースZ41の排出口Z413に向かって移動する。第二供給口Z412は、第三接続管Z2cからもたらされる滑沢剤を供給する供給口である。ケースZ41内に供給された滑沢剤は、攪拌軸Z42及び攪拌羽根Z44の回転により、ケースZ41の排出口Z413に向かって移動する。なお、使用しない供給口は蓋で閉塞する。
【0059】
排出口Z413は、ケースZ41の下部に配置されている。排出口Z413には、後述する第四接続管Z2dが接続されている。そして、ケースZ41内の混合粉体は、攪拌羽根Z44の回転により、排出口Z413から排出され、第四接続管Z2dに移動する。
【0060】
攪拌軸Z42は、ケースZ41の長手方向に延び、断面視略中央部に配置されている。攪拌軸Z42はモータZ43の駆動により回転(自転)する。
図9に示すように、攪拌軸Z42には攪拌羽根Z44が取付けられている。攪拌軸Z42が回転することにより攪拌羽根Z44が回転し、粉体が混合されながら排出口Z413側に移動する。
【0061】
攪拌羽根Z44は、ケースZ41内に供給口(Z411、Z412)から供給された粉体を攪拌混合するためのものである。攪拌羽根Z44の形状はどのようなものであってもよいが、粉体を混合しながら排出口Z413側に流すような構成が好ましい。
図9に示すように、本実施形態では攪拌羽根Z34の両端が広がった形状となっており、攪拌軸Z42に対する攪拌羽根Z44の角度は自由に調節できる。
【0062】
第三計量フィーダZ1cは、滑沢剤を水平混合装置Z4に計量供給するためのものである。第三計量フィーダZ1cの下部には、第三接続管Z2cが接続されている。第三計量フィーダZ1c内の滑沢剤は、第三接続管Z2cを通じて水平混合装置Z4に供給される(滑沢剤供給工程)。なお、μRフィーダ(日清エンジニアリング株式会社製)によって滑沢剤を水平混合装置Z4に供給してもよい。また、滑沢剤を水平混合装置Z4に供給するために、噴霧装置(噴射装置)を用いてもよい。
【0063】
第三接続管Z2cは、枝管Z2c1と主管Z2c2とを備える。枝管Z2c1の一端は第三計量フィーダZ1cの下部に接続されており、他端は主管Z2c2に接続されている。主管Z2c2の下部は、水平混合装置Z4の第二供給口Z412に接続されている。
【0064】
第四接続管Z2dは、上端が水平混合装置Z4の排出口Z413と接続され、下端はバッファタンク19の供給口Z361と接続されている。水平混合装置Z4により混合粉体が排出口Z413から第四接続管Z2dを通過してバッファタンク19に供給される。
【0065】
バッファタンク19の下部は、粉体圧縮成形機に接続されている。バッファタンク19を通過した混合粉体は、粉体圧縮成形機内のフィードシューXに供給され、最終的に臼孔4内で圧縮成形される。
【0066】
しかして、粉体混合供給装置Zのバッファタンク19から粉体圧縮成形機に向けて排出される混合粉体は、粉体混合度測定装置Mによりその混合度が測定される。混合度が所定範囲外であれば、その混合粉体の排出、警告音の鳴動、装置の停止等を行う。つまり、粉体混合供給装置Zにより、混合された粉体の混合度をリアルタイムで測定し対応している。
【0067】
混合粉体の混合度を測定する方法としては、ラマン分光分析、赤外分光、X線回折、X線透過測定、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等、様々なものが挙げられるが、混合粉体の混合度をリアルタイムで測定できるものであればどのような方法であってもかまわない。本実施形態では、主に近赤外分光分析(NIR、又は近赤外吸収スペクトル法)を用いている。即ち、粉体混合供給装置Zから成形機のフィードシューXに向けて移動する混合粉体における主薬の占める量又は割合(比率)、換言すれば混合粉体の均一性(偏析が生じていないかどうか)を評価するべく、移動する混合粉体に対して近赤外分光を照射し、光の吸収及び散乱を計測し、スペクトルを用いて主薬の濃度その他の定性・定量分析を行うことを、所定周期で繰り返す。測定波長としては、賦形剤や滑沢剤のピークがなく主薬の特異的な吸収ピークである波長帯を利用する。また、近赤外分光分析によれば、混合粉体の粒径を測定することもできる。
【0068】
本実施形態では、粉体の混合度等を測定するPAT(Process Analytical Technology)センサとして、近赤外線センサを用いる。
図10、
図11に示すように、本実施形態ではまず、バッファタンク19に混合粉体が貯留される前に、近赤外線センサである第一センサS1を用いて混合粉体の混合度を測定する。
【0069】
粉体混合供給装置Zによって混合された粉体は、第一センサS1によりその混合度を測定した後、貯留装置であるバッファタンク19によって一時的に貯留される。バッファタンク19に貯留された粉体は、再度近赤外線センサS2を用いてその混合度を測定した後に、粉体混合度測定装置Mに供給される。なお、バッファタンク19内で混合粉体をさらに攪拌混合するような構成であってもよい。
【0070】
図12及び
図13に示すように、粉体混合度測定装置Mは、ケースM1と、ケースM1内の移動部材である回転体M2と、回転体M2を駆動させる駆動装置であるモータM3と、粉体の混合度を測定するセンサである近赤外線センサS2、S3と、不良の混合粉体を排除するための粉体排除部M4と、バッファタンク19からもたらされる混合粉体をケースM1内に導入するための供給部M5と、粉体圧縮成形機の充填装置である攪拌フィードシューXに混合粉体を排出する排出部M6とからなる。
【0071】
図14に示すように、ケースM1の底面には、近赤外線センサS3を設置するための取付孔M11と、粉体を排除する排除孔M12(粉体排除部M4)と、粉体を粉体供給路191に排出するための排出孔M13(排出部M6)とが設けられている。ケースM1の上面には、ケースM1内に粉体を供給する供給部M5が設けられている。混合粉体は、バッファタンク19及び供給部M5を経由してケースM1内に至る。供給部M5には、当該供給部M5を通過する混合粉体の混合度を測定するための近赤外線センサである第二センサS2が設置される。
【0072】
回転体M2は、複数の移動部M21を備える。移動部M21には供給部M5から混合粉体が供給される。回転体M2は、回転体M2の上方に位置するモータM3によって回転駆動する。
【0073】
近赤外線センサである第三センサS3は、ケースM1の取付孔M11に取付けられており、移動部M21に供給された粉体の混合度を測定するのに用いる。
【0074】
粉体排除部M4は、ケースと、駆動体M41と、駆動体M41を駆動させる駆動装置M42とからなる。粉体排除部M4のケースは、ケースM1と一体となっている。駆動体M41は、本実施形態では円盤状であり、中央に駆動装置M42と係合する突起M411と、一部に切り欠き部M412とを備える。駆動装置M42は、
図13に示すY軸方向に対して前後駆動する先端部M421を備え、その先端側には駆動体M41の突起M411と係合する係合孔M422を備える。
【0075】
駆動装置M42の先端部M421が、
図13に示すようにY軸の正方向に移動した状態のとき、駆動体M41の切り欠き部M412がケースM1の排除孔M12の中央位置に位置する。逆に、先端部M421がY軸の負の方向に移動した状態のとき、切り欠き部M412はケースM1の排除孔M12から外れる。
【0076】
つまり、駆動装置M42の駆動により、先端部M421がY軸方向に対して負の方向に移動すると、連動して駆動体M41が時計周りに駆動し、切り欠き部M412が排除孔M12に重なり合わない。この場合は回転体M2の移動部M21の粉体は排除されない。翻って、駆動装置M42の駆動により、先端部M421がY軸方向に対して正方向に移動すると、連動して駆動体M41が反時計周りに駆動し、切り欠き部M412が排除孔M12に重なり合う。この場合は回転体M2の移動部M21の粉体が排除される。
【0077】
なお、本実施形態では、駆動体M41は時計周り及び反時計周りに駆動して回転体M2の移動部M21の粉体を排除しているが、駆動体M41が一方向にだけ回転して移動部M21の粉体を排除するようにしてもよい。
【0078】
第一センサS1、第二センサS2及び/又は第三センサS3を介して測定した粉体の混合度、即ち混合粉体における主薬の占める量又は割合(比率)が所定範囲外であることが分かると、移動部M21内にあるその混合粉体が粉体排除部M4によって排除される。なお、第一センサS1、第二センサS2、第三センサS3によるすべての混合度の測定値が所定範囲外の場合に移動部M21内の混合粉体を排除することとしてもよく、いずれかのセンサSによる測定値が所定範囲外の場合に移動部M21内の混合粉体を排除することとしてもよい。
【0079】
因みに、粉体排除部M4は、混合粉体のサンプリングに利用することもできる。
【0080】
粉体排除部M4で排除されなかった混合粉体は、排出孔M13を通過して粉体供給路191に移動する。つまり、その混合粉体は排出部M6に移動する。
【0081】
粉体供給路191に移動した混合粉体は、粉体圧縮成形機の充填装置である攪拌フィードシューX内に導かれる前に、近赤外線センサである第四センサS4によりその混合度を測定する。さらに、本実施形態では、粉体圧縮成形機の攪拌フィードシューX内でも、近赤外線センサである第五センサS5を用いて混合粉体の混合度を測定する。
【0082】
第四センサS4及び/又は第五センサS5を介して測定した粉体の混合度が所定範囲外である場合には、その混合粉体を一旦フィードシューXから成形機のテーブル31の臼孔4に充填し、これを上杵5及び下杵6により圧縮成形して成形品の形にする。その上で、当該成形品を、成形品回収位置18に到達する前に、成形品排除機構により排除する。即ち、粉体圧縮成形機において、不良の混合粉体が充填され成形品が打錠された臼孔4が空気噴射ノズル16aの近傍を通過するときに制御バルブ22を開弁し、空気噴射ノズル16aから空気を噴射して当該成形品をテーブル31外に吹き飛ばす。
【0083】
総じて言えば、第一センサS1、第二センサS2及び/又は第三センサS3により混合粉体の混合度が所定範囲外であることが判明したならば、その混合粉体は粉体排除部M4で排除され、第四センサS4及び/又は第五センサS5により混合粉体の混合度が所定範囲外であることが判明したならば、当該混合粉体が圧縮成形された後に成形品排除機構により排除される。
【0084】
本実施形態の粉体圧縮成形機、粉体混合供給装置Z及び粉体混合度測定装置Mを備えたシステムにより実施される、連続式の圧縮成形品の製造の流れをおさらいする。まず、第一計量フィーダZ1aにより主薬を計量しながら供給し、第二計量フィーダZ1bにより賦形剤等を計量しながら供給する(計量供給工程)。次に、第一混合装置である垂直混合装置Z3にそれら主薬及び賦形剤等の粉体が供給されて混合される(第一混合工程)。垂直混合装置Z3は、略上下方向の軸である攪拌軸Z33を中心として攪拌羽根Z34が回転し、主薬及び賦形剤等の粉体を混合する。
【0085】
第一混合工程を経た主薬及び賦形剤等の混合粉体は、第二混合装置である水平混合装置Z4に供給されて再度混合される(第二混合工程)。水平混合装置Z4は、略水平方向の軸である攪拌軸Z42を中心として攪拌羽根Z44が回転し、主薬及び賦形剤等の粉体を混合する。このような工程を経ることにより、少なくとも二種類の粉体(主薬及び賦形剤等)の混合度が向上し、主薬の偏析も生じにくくなる。なお、水平混合装置Z4による第二混合工程の後に、さらなる垂直混合装置に粉体が供給されてこれが混合される第三混合工程を行ってもよい。さすれば、より一層粉体の混合度が向上する。
【0086】
前記第一混合工程においては、前記粉体の少なくとも一部を貯留する貯留工程を備えるものが好ましい。つまり、複数の孔Z321を備える粉体通過部材Z32において、粉体は孔Z321を通過するが、孔Z321を通過する粉体の量より第一垂直混合装置Z3aに供給される粉体の量のほうが多くしたり、補助羽根Z35の回転数を増加したりすることにより、粉体は貯留部Z30に貯留する。そして補助羽根Z35による攪拌により粉体は混合されつつ孔Z321を通過する。
【0087】
以上に加えて、第三計量フィーダZ1cにより滑沢剤を計量しながら供給する(滑沢剤供給工程)。本実施形態では、滑沢剤を水平混合装置Z4に供給しているが、滑沢剤の供給場所は水平混合装置Z4に限定されず、例えば第二垂直混合装置Z3bまたはフィードシューXに滑沢剤を供給してもよい。また、滑沢剤は、μRフィーダ(日清エンジニアリング株式会社製)を用いて供給してもよく、噴霧装置(噴射装置)を用いて供給してもよい。
【0088】
主薬、賦形剤等及び滑沢剤を混合して製造した混合粉体は、粉体圧縮成形機のバッファタンク19に供給される。バッファタンク19に供給された混合粉体は、その後に混合度をセンサS2、S3により測定する(測定工程)。無論、混合粉体がバッファタンク19に供給される前に、センサS1により混合粉体の混合度を測定してもよい。
【0089】
測定した混合粉体の混合度が所定範囲外の場合には、その混合粉体を排除する(排除工程)。続いて、混合粉体は、充填装置であるフィードシューXに供給される。なお、フィードシューX内でセンサS5により混合粉体の混合度を測定してもよいし、混合粉体がフィードシューXに供給される直前にセンサS4により混合粉体の混合度を測定してもよい。
【0090】
フィードシューXに供給された混合粉体は、粉体圧縮成形機の回転盤3のテーブル31に設けている臼孔4内に充填される(充填工程)。臼孔4内に充填された混合粉体は、上杵5及び下杵6により圧縮成形される(圧縮成形工程)。圧縮成形された混合粉体は、成形品としてダンパ17によって成形品回収位置18に回収される。
【0091】
なお、粉体圧縮成形機における臼孔4に粉体を充填する充填工程に先んじて、上杵5の下端面、下杵6の上端面及び臼孔4の内周面に滑沢剤(外部滑沢剤)を噴射してもよい(滑沢剤供給工程)。
【0092】
元来、主薬の単位時間あたりの供給重量(流量)は第一計量フィーダZ1aによりフィードバック制御され、賦形剤等の単位時間あたりの供給重量は第二計量フィーダZ1bによりフィードバック制御され、かつ滑沢剤の単位時間あたりの供給重量は第三計量フィーダZ1cによりフィードバック制御されており、それらの混合比率は所望の比率となっているはずである。にもかかわらず、何らかの理由により、計量フィーダZ1から吐出され混合装置Z3、Z4に供給される粉体の量が、その本来の目標量から乖離することがあり得る。現に、計量フィーダZ1から混合装置Z3、Z4に供給される粉体の量が目標量よりも少ないことは間々あり、その結果として、混合粉体における主薬の占める量が所望の比率に満たず、あるいは逆に過剰となる場合がある。そのような混合粉体を圧縮成形して得た成形品は、期待される薬効を発揮できない不良品となる。
【0093】
そうでなくとも、混合装置Z3、Z4における粉体の混合が不十分で、粉体圧縮成形機のフィードシューXに供給される混合粉体に含まれる主薬又は賦形剤等に偏析が生じると、個々の成形品毎に含有成分の量がばらつき、やはり不良品が発生してしまう。
【0094】
そこで、本実施形態のシステムの制御装置Cは、第一センサS1、第二センサS2、第三センサS3、第四センサS4及び/又は第五センサS5による混合粉体の混合度の測定値に基づいて、各計量フィーダZ1a、Z1b、Z1cによるそれぞれの粉体の供給量、垂直混合装置Z3の攪拌軸Z33、攪拌羽根Z34及び補助羽根Z35の回転速度、水平混合装置Z4の攪拌軸Z42及び攪拌羽根Z44の回転速度、並びに粉体圧縮成形機における回転盤3の回転速度を調節する。制御装置Cは、プロセッサ、メモリ、補助記憶デバイスや入出力インタフェースを備えたマイクロコンピュータシステムであったり、プログラマブルコントローラであったり、汎用のパーソナルコンピュータ又はワークステーションであったりする。
【0095】
第一センサS1、第二センサS2、第三センサS3、第四センサS4及び/又は第五センサS5により反復的に測定している、混合粉体中に含まれる主薬の量又は割合と、その目標値との偏差の絶対値が所定の閾値を上回っている(つまり、主薬の占める割合が不当に小さいか不当に大きい)状態が一定時間以上続いている場合には、第一計量フィーダZ1a、第二計量フィーダZ1b及び第三計量フィーダZ1cのうちのいずれか少なくとも一つによる粉体の供給量が適正でないと考えられる。この場合、制御装置Cは、計量フィーダZ1自身による重量フィードバック制御を一時中断させる割り込みを行い、第一センサS1、第二センサS2、第三センサS3、第四センサS4及び/又は第五センサS5で測定される混合粉体中の主薬の量又は割合が目標値近傍に収束するよう、各計量フィーダZ1の駆動モータの回転速度を調節する。例えば、測定された混合粉体中の主薬の量又は割合が目標値を下回っているのであれば、第一計量フィーダZ1aによる主薬の吐出量を増加させ、及び/又は、第二計量フィーダZ1bによる滑沢剤等の吐出量や第三計量フィーダZ1cによる滑沢剤の吐出量を減少させる。逆に、測定された混合粉体中の主薬の量又は割合が目標値を上回っているのであれば、第一計量フィーダZ1aによる主薬の吐出量を減少させ、及び/又は、第二計量フィーダZ1bによる滑沢剤等の吐出量や第三計量フィーダZ1cによる滑沢剤の吐出量を増加させる。
【0096】
あるいは、混合粉体中に含まれる主薬の量又は割合とその目標値との偏差の絶対値が閾値を上回っている状態が一定時間以上続いている場合において、その供給量を適正化するべく、制御装置Cから各Z1a、Z1b、Z1cに指令している粉体の吐出量の目標値を変更するようにしても構わない。例えば、測定された混合粉体中の主薬の量又は割合が目標値を下回っているのであれば、第一計量フィーダZ1aに与える主薬の吐出量の目標値をそれ以前の値よりも引き上げ、及び/又は、第二計量フィーダZ1bに与える滑沢剤等の吐出量の目標値や第三計量フィーダZ1cに与える滑沢剤の吐出量の目標値をそれ以前の値よりも引き下げる。逆に、測定された混合粉体中の主薬の量又は割合が目標値を上回っているのであれば、第一計量フィーダZ1aに与える主薬の吐出量の目標値をそれ以前の値よりも引き下げ、及び/又は、第二計量フィーダZ1bに与える滑沢剤等の吐出量の目標値や第三計量フィーダZ1cに与える滑沢剤の吐出量の目標値をそれ以前の値よりも引き上げる。
【0097】
第一センサS1、第二センサS2、第三センサS3、第四センサS4及び/又は第五センサS5により反復的に測定している、混合粉体中に含まれる主薬の量又は割合と、その目標値との偏差の絶対値が閾値を上回っている状態が一定時間以上続いているわけではないものの、瞬時的に又は短時間だけ偏差の絶対値が閾値を上回る場合には、粉体圧縮成形機のフィードシューXに向けて移動する混合粉体(の主薬、賦形剤等又は滑沢剤)に偏析が生じている、即ち局所的に主薬の濃度の高い部分と低い部分とができていると考えられる。この場合、制御装置Cは、垂直混合装置Z3の攪拌軸Z33ひいては攪拌羽根Z34、Z35の回転速度を加減し、及び/又は、水平混合装置Z4の攪拌軸Z42ひいては攪拌羽根Z44の回転速度を加減することで、粉体の混合度をより一層高める。
【0098】
上述したように、各計量フィーダZ1a、Z1b、Z1cによる粉体の吐出量を増減させたり、垂直混合装置Z3の撹拌軸Z33の回転速度を変化させたり、水平混合装置Z4の撹拌軸Z42の回転速度を変化させたりすると、粉体供給路191を通じてフィードシューXに供給される混合粉体の単位時間あたりの流量が変動する可能性がある。フィードシューXに供給される混合粉体の流量が変化したにもかかわらず、恒常的に一定の回転速度で回転盤3及び杵5、6を回転させ続けていると、粉体圧縮成形機における混合粉体の単位時間あたりの消費量が変化しないことから、臼孔4に充填するべき粉体が欠乏するか、又は消費が供給に追いつかずフィードシューXや臼孔4から粉体が溢れるオーバーフローが起こり、いずれにせよ成形品の生産に支障を来す。
【0099】
よって、本実施形態のシステムの制御装置Cは、粉体供給路191を通じてフィードシューXに供給される混合粉体の流量を流量計S6を介して測定するとともに、その流量の多寡に応じて、粉体圧縮成形機の回転盤3及び杵5、6の回転速度を調節する。即ち、フィードシューXに供給される混合粉体の流量が多くなるほど回転盤3及び杵5、6の回転速度を上昇させ、フィードシューXに供給される混合粉体の流量が少なくなるほど回転盤3及び杵5、6の回転速度を低下させるように、モータ8を制御する。流量計S6は、例えば静電容量式のセンサを用いて構成する。
【0100】
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、混合粉体の混合度を測定するセンサの数は任意であり、その数は五個に限定されない。
【0101】
粉体の供給は、μRフィーダ(日清エンジニアリング株式会社製)と同様の供給機能を有する装置を用いて行ってもよい。また、混合装置(第一混合装置、第二混合装置)への粉体の供給を停止した上で、混合装置内の粉体を混合してもよい。
【0102】
その他、各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変形が可能である。