(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
コリオリ式質量流量計(フローメーター)および振動式デンシトメーターの如き振動式導管センサーは、一般的に、流動物質を収容している振動する導管の運動を検出することにより作動するようになっている。質量流量、密度などの如き導管内の物質に関する物性は、導管に接続されている運動トランスデューサから受け取る測定信号を処理することにより求めることができる。物質を充填した振動システムの振動モードは、収容している導管およびその導管に収容されている物質の質量、剛性およびダンピング特性を組み合わせたものに影響されるのが一般的である。
【0003】
典型的なコリオリ式質量流量計は、配管または他の移送システムにインラインで接続されているとともに、システム内のたとえば流体、スラリー、エマルジョンなどの物質を移送する1つ以上の導管を有している。各導管は、たとえば単純曲げモード、ねじれモード、ラジアルモードおよび結合モードを含む一組の固有の振動モードを有していると考えることができる。コリオリ式質量流量測定の典型的な用途では、物質が導管を流れている時に、導管が1つ以上の振動モードで励振され、導管の運動が、導管の間隔をおいて位置する複数の部位で測定される。励振は、通常、導管を周期的に摂動するボイスコイルタイプのドライバの如き電気機械デバイスのようなアクチュエータによって加えられる。質量流量については、複数のトランスデューサ設置位置での振動と振動との間の遅延時間または位相差を測定することによって求めることができる。このようなトランスデューサ(または、ピックオフセンサー)は、通常2つ用いられて1つ以上のフロー導管の振動応答が測定され、通常アクチュエータの上流側および下流側に配置される。これらの2つのピックオフセンサーは電子計装装置に接続される。電子計装装置は、2つのピックオフセンサーから信号を受け取り、これらの信号を処理してたとえば質量流量測定値などを算出する。したがって、コリオリ式質量流量計およびデンシトメーターを含む振動式フローメーターには、流体を測定するために振動する1つ以上のフローチューブが用いられている。
【0004】
環境によっては、電気信号を防炎性の物理的バリアを通して伝達させる必要がある場合もある。たとえば、防炎性の物理的バリアは、現場に取り付けるトランスミッターハウジングのコンパートメントを分離するようになっていてもよい。危険な環境で用いられるように設計されたプロセス制御トランスミッターについては、可燃性ガスのコントロール不良の爆発を回避するために防炎性のハウジングおよび/またはバリアを用いた複数の防護方法を組み合わせたものが用いられることが多い。国際規約には、防炎性のデバイスおよび構造についての順守要件が規定されている。
コリオリ流量計のトランスミッターの場合、電気機器内の電気エネルギーに起因して生じるうる気体の爆発がエンクロージャを越えて伝搬しないように防炎性のコンパートメントの中に能動的電子機器部品を入れてしまうことがよく知られている。さらに、ユーザによるアクセス可能な電子機器の接続設備には、防護方法として防炎性ではなく、接続設備がスパークを発生しないために可燃性気体を発火さる恐れのないことを証明する「強化された安全性」を取ることが好まれる場合もある。いずれの規約の場合であっても、発火を引き起こすおそれのある能動的電子機器は、いかなる発火であってもコンパートメント内から伝搬することができないようになっているコンパートメントの中に封入されるようになっている。
【0005】
2つのコンパートメントを電気的に接続させるために、防炎性のフィードスルーが用いられる。従来の典型的な防炎性のフィードスルーは、セメンティッドジョイントブッシュ(cemented joint bushing)である。セメンティッドジョイントブッシュでは、セメントを用いたジョイント(接合)がコンダクタとブッシュケースとの間に形成されるようになっていてもよいし、または、セメントを用いたジョイントがコンダクタの絶縁被膜とブッシュケースとの間に形成されるようになっていてもよい。セメントを用いないジョイントでは、ブッシュケースとコンパートメントの壁との間に、ネジ切りされたブッシュケース、スピゴットブッシュケースおよび他のブッシュケースに対するジョイントインターフェースを含む公差の小さなインターフェースが用いられるようになっていてもよい。防炎性であると承認されるためには、両方のタイプのジョイントは特定の要件を満たす必要がある。特定の要件には、たとえば温度評価指数(temperature index rating)および化学的適合性(chemical compatibility)、極めてきつい公差(たとえば約0.1または0.15ミリメートルという程度)、スレッドカウント(thread count)および深さ(depth)、ネジジョイントの公差(tolerance on a threaded joint)などが含まれる。
【0006】
図2には従来のスピゴットタイプのフィードスルー(spigot−type feed−through)が示されている。ワイヤー、ピンまたは他のコンダクタがフィードスルー本体の中に形成され、フィードスルー本体を貫通している。スピゴットタイプのフィードスルー本体の周面は、開口の内側表面と実質的に接触していわゆるスピゴットジョイント(スピゴット接合)を形成するようになっている。フィードスルー本体の外側表面と開口の内側表面との間には、ギャップ、ひいては炎路が存在している。スピンゴットタイプのフィードスルー本体は、承諾しがたいほど大きなギャップおよび承諾しがたいほど短い炎路が存在しない最小限のギャップを実現しなければならない。
【0007】
スピンゴットタイプのフィードスルー本体はプラスチックの如き陶器材料(potting material)から構成されてもよい。陶器材料は、たとえば、開口の形状に形成され、固められるまたは硬化させられ、スピンゴットジョイントフィードスルーとして開口の中に取り付けられるようになっている。
図3には従来のフランジタイプのフィードスルーが示されている。フランジタイプのフィードスルー本体は、開口を覆うように配置されて開口を閉鎖するようになっている。フランジタイプのフィードスルー本体は、開口よりも大きく、開口をオーバーラップするようになっている。ギャップおよび炎路は、半径方向の径路であり、フランジタイプのフィードスルー本体と、バリア、ハウジングまたは開口を含む他の構造体の外側表面との間の軸線から外側に延びている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらのすべてのアプローチはある欠点を共有する。第1に、個別のコンダクタの存在により、電気接続特性インピーダンスを制御する能力が制限されてしまう。その結果、電気接続により効果的に搬送されうる信号周波数が従来のフィードスルーのインピーダンスにより制限されてしまう。第2に、フィードスルーを製造する方法が、個別のコンダクタのまわりに物理的バリアを形成するためにセメントの塗布および硬化を必要とするかまたはプラスチックオーバーモールド成形行程(plastic over−molding
process)を必要とする。これらのステップは、受け入れ可能な従来の防炎性のフィードスルーを製造する場合の製造時間、複雑さおよびコストを増大させてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの態様では、開口に用いられるように構成されている防炎性のフィードス
ルーは、ほぼ平面形状と第1のインターフェース領域と第2のインターフェース領域とを有しているフィードスルー要素であって、これら第1のインターフェース領域と第2のインターフェース領域との間に1つ以上のコンダクタが延設されている、 フィードスルー
要素と、フィードスルー要素に取り付けられ、当該フィードスルー要素を開口に対して適切な位置に保持する1つ以上の本体部分とを備えており、フィードスルー要素の第1のインターフェース領域が、防炎性のフィードスルーの第1の側に少なくとも部分的に延出し、フィードスルー要素の第2のインターフェース領域が、防炎性のフィードスルーの第2の側に少なくとも部分的に延出している。
【0010】
好ましくは、フィードスルー要素がプリント回路板(PCB)である。
好ましくは、1つ以上のコンダクタが1つ以上の内側コンダクタまたは外側コンダクタである。
好ましくは、フィードスルー要素が1つ以上のコンダクタに所定のインピーダンス特性を提供する。
好ましくは、フィードスルー要素が所定のプロフィール公差に合わせて機械加工される。
好ましくは、1つ以上の本体部分が2つ以上の本体部分であり、 フィードスルー要素
のフィードスルー端部が2つ以上の本体部分の周面と実質的に面一になるように機械加工される。
好ましくは、1つ以上の本体部分がスピゴットタイプのジョイント(joint)を形成するためにフィードスルー要素を狭持する2つ以上の本体部分であり、 当該2つ以上
の本体部分の周面およびフィードスルー要素のフィードスルー端部がフィードスルー要素と開口との間に実質的に防炎性のインターフェースを形成するために所定の周囲サイズおよび形状に合わせて機械加工される。
【0011】
好ましくは、1つ以上の本体部分がスピゴットタイプのジョイントを形成するためにフィードスルー要素を狭持する2つ以上の本体部分であり、2つ以上の本体部分の周面およびフィードスルー要素のフィードスルー端部が、フィードスルー要素と開口との間に実質的に防炎性のインターフェースを形成するために所定の周囲サイズおよび形状に合わせて機械加工され、 フィードスルー要素が、当該フィードスルー要素と2つ以上の本体部分
との間に実質的に防炎性のインターフェースを形成するために所定のプロフィール公差に合わせて機械加工される。
好ましくは、1つ以上の本体部分が単一の本体部分であり、 フィードスルー要素が、
単一の本体部分と、フィードスルー要素と、開口を取り囲む面との間に実質的に防炎性のフランジタイプのインターフェースを形成するように所定のプロフィール公差に合わせて機械加工される。
【0012】
本発明の1つの態様では、開口に用いられるように適合されている防炎性のフィードスルーを形成する方法は、ほぼ平面の形状と第1のインターフェース領域と第2のインターフェース領域とを有するフィードスルー要素を提供する工程であって、第1のインターフェース領域と第2のインターフェース領域との間に1つ以上のコンダクタが延設される、フィードスルー要素を提供する工程と、フィードスルー要素を開口に対して適切な位置に保持する1つ以上の本体部分をフィードスルー要素に取り付ける工程とを含み、フィードスルー要素の第1のインターフェース領域が、防炎性のフィードスルーの第1の側に少なくとも部分的に延出し、フィードスルー要素の第2のインターフェース領域が、防炎性のフィードスルーの第2の側に少なくとも部分的に延出する。
【0013】
好ましくは、フィードスルー要素がプリント回路板(PCB)である。
好ましくは、1つ以上のコンダクタが1つ以上の内側コンダクタまたは外側コンダクタである。
好ましくは、フィードスルー要素が1つ以上のコンダクタに所定のインピーダンス特性を提供する。
好ましくは、所定のプロフィール公差に合わせてフィードスルー要素を機械加工する工程をさらに含む。
好ましくは、1つ以上の本体部分が2つ以上の本体部分であり、フィードスルー要素のフィードスルー端部が2つ以上の本体部分の周面と略面一になるように機械加工される。
【0014】
好ましくは、1つ以上の本体部分が2つ以上の本体部分であり、 上述の取り付けるこ
とが、スピゴットタイプのジョイントを形成するために2つ以上の本体部分にフィードスルー要素を狭持させることと、 防炎性のフィードスルーと開口との間に実質的に防炎性
のインターフェースを形成するために所定の周囲サイズおよび形状に合わせて2つ以上の本体部分の周面およびフィードスルー要素のフィードスルー端部を機械加工することとをさらに含む。
好ましくは、1つ以上の本体部分が2つ以上の本体部分であり、 上述の取り付けるこ
とが、フィードスルー要素と2つ以上の本体部分との間に実質的に防炎性のインターフェースを形成するために所定のプロフィール公差に合わせて、フィードスルー要素を機械加工することと、 スピゴットタイプのジョイントを形成するために2つ以上の本体部分に
フィードスルー要素を狭持させることと、 フィードスルー要素と開口との間に実質的に
防炎性のインターフェースを形成するために所定の周囲サイズおよび形状に合わせて2つ以上の本体部分の周面およびフィードスルー要素のフィードスルー端部を機械加工することとを含む。
好ましくは、1つ以上の本体部分が単一の本体部分であり、 かかる方法が、単一の本
体部分と、フィードスルー要素と、開口を取り囲む面との間に実質的に防炎性のフランジタイプのインターフェースを形成するために所定のプロフィール公差に合わせてフィードスルー要素を機械加工することをさらに含む。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図3〜
図8および以下の記載には、本発明を最良のモードで実施および利用する方法を当業者に教示するための具体的な実施形態が示されている。本発明の原理を教示するために、従来技術の一部が単純化または省略されている場合もある。当業者にとって明らかなように、これらの実施形態の変形例もまた本発明の技術範囲内に含まれる。また、当業者にとって明らかなように、以下に記載の構成要素をさまざまな方法で組み合わせて本発明の複数の変形例を形成することもできる。したがって、本発明は、以下に記載の特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定さ
れるものである。
【0017】
図1には、本発明にかかる振動式フローメーター5が示されている。振動式フローメーター5は、フローメーター組立体10と、メーター電子機器20とを備えている。メーター電子機器20は、リード線100を介してメーター組立体10へ接続され、密度、質量流量、体積流量、総質量流量、温度、および他の測定値もしくは情報のうちの1つ以上の測定値を通信経路26を介して提供するように構成されている。当業者にとって明らかなように、振動式フローメーター5は、ドライバ、ピックオフセンサー、フロー導管の数または動作振動モードにかかわらず、いかなる振動式フローメーターであってもよい。実施形態によっては、振動式フローメーター5がコリオリ式質量流量計である場合もある。それに加えてまたはそれに代えて、振動式フローメーター5が振動式デンシトメーターであってもよいことはいうまでもない。
【0018】
フローメーター組立体10は、1対のフランジ101、101bと、マニホルド102、102bと、ドライバ104と、ピックオフセンサー105、105bと、フロー導管103A、103Bとを備えている。ドライバ104およびピックオフセンサー105、105bは、フロー導管103A、103Bに接続されている。
フランジ101a、101bはマニホルド102a、102bに固定されている。実施形態によっては、マニホルド102、102bは、スペーサ106の両端に固定されている場合もある。スペーサ106は、配管の力がフロー導管103A、103Bにまで伝達されないように、マニホルド102とマニホルド102bとの間の間隔を維持するようになっている。測定される流動流体を運ぶ配管(図示せず)の中にフローメーター組立体10が挿入されると、流動流体がフランジ10を通ってフローメーター組立体10の中に流入し、流入口マニホルド102aを通り、流動流体の全量がフロー導管103A、103Bの中に流れ、フロー導管103A、103Bを流れ、流出口マニホルド102bの中へ流入し、フランジ101bからメーター組立体10の外へと流出する。
【0019】
流動流体は液体であってもよい。流動流体は気体であってもよい。流動流体は混入気体および/または混入固体を含有する液体の如き多相流体であってもよい。
フロー導管103A、103Bは、それぞれ、曲げ軸Wa−Wa、Wb−Wbに対して実質的に同一の質量分布、慣性モーメントおよび弾性モジュールを有するように選択され、流入口マニホルド102aおよび流出口マニホルド102bに適切に取り付けられる。フロー導管103A、103Bは、マニホルド102a、102bから外側に向けてほぼ並列に延びている。
フロー導管103A、103Bは、それぞれ対応する曲げ軸線Wa、Wbを中心としてかつ振動式フローメーター5のいわゆる第1の逆位相曲げモードで、互に反対方向に向けてドライバ104により振動させられる。ドライバ104は、たとえばマグネットをフロー導管103Aに取り付け、それと対をなすコイルをフロー導管103Bに取り付けたような構成の如き複数の公知の構成のうちの1つの構成を有していてもよい。この対向するコイルに交流を流して両方の導管を振動させる。メーター電子機器20により、適切なドライブ信号がリード線110を介してドライバ104へ加えられる。他のドライバデバイスも考えられており、それらもまた本明細書および特許請求の範囲に含まれる。
【0020】
メーター電子機器20は、リード線111およびリード線111bからそれぞれセンサー信号を受け取る。メーター電子機器20がリード線110上にドライブ信号を生じさせ、この信号により、ドライバ104がフロー導管103A、103Bを振動させる。他のセンサーデバイスも考えられており、それらもまた本明細書および特許請求項の範囲に含まれる。
メーター電子機器20は、ピックオフセンサー105、105bからの左側速度信号および右側速度信号を処理し、たとえば流量などを計算する。通信経路26は、メーター電
子機器20にオペレータまたは他の電子装置との通信を可能とさせる入力手段および出力手段を提供している。
図1の記載は、コリオリ式フローメーターの動作の一例を提供しているに過ぎず、本発明の教示を限定することを意図したものではない。
一実施形態では、メーター電子機器20は、フローチューブ103A、103Bを振動させるように構成されている。振動はドライバ104によって実行される。また、メーター電子機器20は、ピックオフセンサー105a、105bから得られる振動信号をさらに受信する。これらの振動信号は、フローチューブ103A、103Bの応答振動である。メーター電子機器20は、これらの応答振動を処理して応答周波数および/または位相差を求める。また、メーター電子機器20は、応答振動を処理して流動流体の質量流量および/または密度を含む1つ以上のフロー(流れ)に関する測定値を求める。他の応答振動特性および/またはフローに関する測定値も考えられており、それらもまた本明細書および特許請求の範囲に含まれる。
【0021】
一実施形態では、フローチューブ103A、103Bは図示されているように実質的にU字形のフローチューブであってもよい。それに代えて、他の実施形態では、フローチューブ103A、103Bは、実質的に真っ直ぐなフローチューブであってもよいしまたはU字型のフローチューブ以外の1つ以上の湾曲したフローチューブであってもよい。さらなるフローメーターの形状および/または形態が用いられてもよく、それらもまた本明細書および特許請求の範囲に含まれる。
図4は、本発明のある実施形態にかかる防炎性のフィードスルー200を示す分解組立図である。本実施形態にかかる防炎性のフィードスルー200は、ほぼ平面形状と、第1のインターフェース領域211と、第2のインターフェース領域212とを備えているフィードスルー要素210を有しており、第1のインターフェース領域211と第2のインターフェース領域212との間には、1つ以上のコンダクタ217が延設されている。防炎性のフィードスルー200はフィードスルー要素210に取り付けられる1つ以上の本体部分220をさらに備えている。1つ以上の本体部分220は、フィードスルー要素210を開口に対して適切な位置に保持するようになっている。フィードスルー要素210の第1のインターフェース領域211は、防炎性のフィードスルー200の第1の側201に少なくとも部分的に延びている。フィードスルー要素210の第2のインターフェース領域212は、防炎性のフィードスルー200の第2の側202に少なくとも部分的に延びている。
【0022】
図示されている実施形態では、たとえば、第1の本体部分220Aおよび第2の本体部分220Bの如き2つ以上の本体部分220が用いられている。それに代えて、他の実施形態では、単一の本体部分220が用いられるようになっていてもよい。さらに他の実施形態では、2つを超える数の本体部分220を組み立てて防炎性のフィードスルー200が形成されるようになっていてもよい。
本実施形態にかかる防炎性のフィードスルー200が組み立てられると、フィードスルー要素210は第1の本体部分220Aと第2の本体部分220Bとの間に狭持される。第1の本体部分220A、フィードスルー要素210および第2の本体部分220Bを組み立てると、フィードスルー要素210と第1の本体部分220Aおよび第2の本体部分220Bの各々との間に実質的に防炎性のインターフェースが形成される。第1の本体部分220Aおよび第2の本体部分220Bは、開口の中に嵌め込まれて開口を実質的に塞ぐように構成されている(たとえば、
図5を参照)。
【0023】
当該開口は、バリア、壁または他のパーティションに設けられた開口であってもよい。それに代えて、当該開口は、シェル、チャンバまたはハウジングに設けられた開口であってもよい。また、当該開口では、2つの側面の間またはチャンバと当該チャンバの外側との間で電力および/または電気信号を伝達するフィードスルーを用いることが必要となる場合もある。
実施形態によっては、フィードスルー要素210はほぼ平面形状を有している場合もある。フィードスルー要素210は、第1の本体部分220Aおよび第2の本体部分220Bにより締め付けられるほぼ平坦なまたは平面形状の面を有している。しかしながら、フィードスルー要素210は、いかなる所望のまたは必要な形状に形成されてもよい。フィードスルー要素210は、第1のインターフェース領域211と第2のインターフェース領域212とを有している。実施形態によっては、第2のインターフェース領域212は、第1のインターフェース領域211の実質的に反対側に位置している場合もある。しかしながら、このことは必要要件ではなく、第2のインターフェース領域212は第1のインターフェース領域211に対していかなる位置/向きにあってもよい。
【0024】
フィードスルー要素210は、第1のインターフェース領域211から第2のインターフェース領域212まで延びる1つ以上のコンダクタ217を有している。1つ以上のコンダクタ217は、フィードスルー要素210の外側表面に形成される外側コンダクタであってもよい。それに代えて、1つ以上のコンダクタ217は、フィードスルー要素210内に部分的にまたは完全に形成される内側コンダクタであってもよい。1つ以上のコンダクタ217は、第1のインターフェース領域211と第2のインターフェース領域212との間を電気および/または電気信号を伝達するようになっていてもよい。
フィードスルー要素210は電気絶縁材料であってもよい。フィードスルー要素210は、不燃性材料、防炎性材料または耐熱材料であってもよい。実施形態によっては、フィードスルー要素210はプリント回路板(PCB)である場合もある。1つ以上のコンダクタ217は、フィードスルー要素210の外側表面に形成されてもよいし、またはフィードスルー要素210の内部に部分的にまたは完全に設けられていてもよい。
【0025】
図示されているフィードスルー要素210が第1の本体部分220Aと第2の本体部分220Bとの間に固定されている時、第1のインターフェース領域211は、第1の側201から少なくとも部分的に延びており、第2のインターフェース領域212は第2の側202から少なくとも部分的に延びている(
図5を参照)。したがって、第1のインターフェース領域211の1つ以上のコンダクタ217の端部は電気的に接触または結合されるように暴露されている。それと同様に、第2のインターフェース領域212の1つ以上のコンダクタ217の端部も電気的に接触または結合されるように同様に露出されている。第1のインターフェース領域211およびそこのコンダクタには、第1の電気コネクタ(または類似のデバイス)が取り付けられるようになっていてもよいしまたは固定されるようになっていてもよい。第2のインターフェース領域212およびそこのコンダクタには、第2の電気的なコネクタ(または類似のデバイス)が取り付けられるようになっていてもよいしまたは固定されるようになっていてもよい。
【0026】
第1の本体部分220A、フィードスルー要素210および第2の本体部分220Bが組み立てられ、第1の本体部分220Aおよび第2の本体部分220Bによりフィードスルー要素210が狭持されると、フィードスルー要素210と第1の本体部分220Aおよび第2の本体部分220Bの各々との間に実質的に防炎性のインターフェースが形成される。防炎性のフィードスルー200を組み立てると、フィードスルー要素210のいずれ側にも潜在的な炎路が形成される。潜在的な炎路は、第1の本体部分220Aおよび第2の本体部分220Bの接触面231A、231B(すなわち、第1の本体部分220Aおよび第2の本体部分220Bがフィードスルー要素210と接触する面)における厚みと等しい炎路長を有している。2つの接触面231A、231Bの各々とフィードスルー要素210との間のギャップを最小限に抑えることが重要である。フィードスルー要素210と本体部分220との間の炎路は、ギャップサイズと炎路長との両方に依存する。防炎性規格に準拠すれば、ギャップを小さく、炎路の長さを長く、またはその両方を維持することが必要とされる。
フィードスルー要素210と第1の本体部分220Aおよび第2の本体部分220Bの
各々との間のギャップが所定のギャップ許容値未満である場合、炎路長は、発火を引き起こすための十分な熱含有量またはエネルギー含有量を有した炎が防炎性のフィードスルー200の一方の側から他方の側まで伝搬させないように選択されてもよい。
【0027】
本体部分220Aおよび本体部分220Bの各々とフィードスルー要素210との間の嵌合は非常に重要である。ギャップは存在しないことが望ましい。ギャップは、気体の漏洩を許すので、気体の発火を引き起こす恐れがある。ギャップは、発火生成物質(ignition products)が接合部を通って伝搬することを可能にする恐れがある。したがって、フィードスルー要素210および接触面231A、231Bは、非常に滑らかでかつ均一である、すなわち所定の表面仕上げ要件を満たすものである。
それに加えて、本体部分220の外側表面232が開口にフィットするも重要である場合もある。本体部分220と開口の内側表面との間のギャップが、最小ギャップおよび適切な炎路長のうちの一方または両方を達成することが非常に望ましい。
いくつかの実施形態にかかる組立て方法では、1つ以上の本体部分220がスピゴットタイプ接合部を形成するようにフィードスルー要素210に取り付けられるようになっている場合もある。次いで、組み立てられた防炎性のフィードスルー200は、その周面が開口の内面に対して所定のギャップを達成するように、平削りされ、ミルにかけられ、グラインダにかけられ、エッチングされ、旋盤にかけられ、または他の方法で処理される。換言すれば、組み立てられた防炎性のフィードスルー200の外側表面は、開口に対して、所定のギャップ許容値未満のギャップを達成するように処理される。
【0028】
いくつかの実施形態にかかる組立て方法では、1つ以上の本体部分220の周面232とフィードスルー要素210のフィードスルー端部216とは所定のサイズに機械加工されるようになっている場合もある。2つ以上の本体部分220A、220Bの周面232A、232Bとフィードスルー要素210のフィードスルー端部216とは、防炎性のフィードスルー200と開口との間に実質的に防炎性のインターフェースを形成するために所定のサイズに機械加工されてもよい。フィードスルー要素210のフィードスルー端部216は、2つ以上の本体部分220A、220Bの周面232A、232Bと実質的に面一となるように機械加工されてもよい。
いくつかの実施形態にかかる組立て方法では、フィードスルー要素210は、所定のプロフィール(輪郭度)公差に合うように機械加工される場合もある。所定のプロフィール公差は所定の表面平坦度を含んでいてもよい。所定のプロフィール公差は所定の表面平滑度を含んでいてもよい。たとえば、フィードスルー要素210とクロス開口フランジ230A、230B(
図6を参照)のうちの一方または両方が、組み立てられた時点で実質的に防炎性のインターフェースを達成するように、すなわち本体部分220とフィードスルー要素210との間に所定の許容ギャップ未満であるギャップを達成するように、平削りされてもよいしまたは他の方法で機械加工されてもよい。当該機械加工は、開口に対して外側表面公差(external surface tolerance)および最小ギャップフィット(minimal gap fit)を達成するために行われてもよい。当該機械加工は、2つ以上の本体部分220A、220Bの接触面231A、231Bを機械加工することをさらに含んでいてもよい(
図4を参照)。1つ以上の本体部分220が単一の本体部分220である場合、フィードスルー要素210は所定のプロフィール公差に合わせて機械加工され、フィードスルー要素210と開口を取り囲む面との間に、実質的に防炎性のフランジタイプインターフェースが形成される。
【0029】
いずれの実施形態にかかる組立て方法であっても、本体部分220およびフィードスルー要素210のうちの一方または両方が、所定の表面平滑度を達成するようにおよび/または所定のギャップ許容値未満のギャップを達成するように機械加工されるようになっていればよい。たとえばフィードスルー要素210および/または2つ以上の本体部分220A、220Bが所望の厚さよりも大きくなるように製造され、次いで、組み立てられた
防炎性のフィードスルー200が、防炎性のフィードスルー200が所望の周囲サイズおよび形状ならびに所望の均一性を有するまで、平削りされ、ミルにかけられ、エッチングされ、研磨され、または他の方法で処理されるようになっていてもよい。フィードスルー要素210および/または2つ以上の本体部分220A、220Bは、所定の周囲サイズ、所定の周囲形状、所定の周囲表面平滑度、および/または、所定の周囲表面均一性のうちの1つ以上を達成するように機械加工されてもよい。
【0030】
防炎性のシール機能を実行することに加えて、フィードスルー要素210は、1つ以上のコンダクタ217に所定のインピーダンス特性を提供する電気的インターフェースをさらに提供してもよい。いうまでもなく、個々のコンダクタ217のインピーダンス特性は同じであってもよいしまたは異なっていてもよい。フィードスルー要素210の1つ以上のコンダクタ217は高精度に形成されてもよい。1つ以上のコンダクタ217は所定の厚みおよび所定の幅で形成されてもよい。1つ以上のコンダクタ217は所定の幾何学的形状またはパターンで形成されてもよいし、1つ以上の接地板を有していてもよい。1つ以上のコンダクタ217は所定のコンダクタ組成から形成されてもよい。さらに、1つ以上のコンダクタ217は所定のDC抵抗および/または所定のACインピーダンスを有するように形成されてもよい。このことは、フィードスルー要素210の一部としてまたは後続の電気回路の一部として受動的電気部品および/または能動的電気部品を有することを含みうる。さらに、実施形態によっては、防炎性のフィードスルー200は、さまざまなインピーダンス/抵抗を有する交換可能なフィードスルー要素210を有していてもよい。したがって、防炎性のフィードスルー200は、複数の有力な候補のインピーダンス/抵抗の中から所望のインピーダンス/抵抗を有するように組み立てることができる。
【0031】
実施形態によっては、フィードスルー要素210は少なくとも部分的に曲げやすくなっている場合もある。フィードスルー要素210が曲げやすくなっている実施形態では、当該フィードスルー要素210は、2つの本体部分220A、220Bの間に狭持されるように構成され、バリアの外側201からおよびバリアの内側202から任意の向きに延びるようになっていてもよい。たとえば、実施形態によっては、フィードスルー要素210は、リボンケーブルに類似する可撓性部材である場合もある。
実施形態によっては、防炎性のフィードスルー200は、本体部分220とフィードスルー要素210との間に1つ以上のシール(図示せず)をさらに有している場合もあり、また、防炎性のフィードスルー200は、本体部分220と開口の内側表面との間に1つ以上のシール(図示せず)を有している場合もある。
【0032】
1つ以上のシールは、上述の構成部品と構成部品との間に狭持されうるO−リング、ガスケット、または他の構成部品の如き1つ以上の固形のシールであってもよい。それに代えて、1つ以上のシールは、所定の形状を有せずかつ防炎性のフィードスルー200の構成部品のうちの1つ以上に塗布しうる液体、ペースト、グリースあるいは他の材料であってもよい。1つ以上のシールは、実質的に変化しない材料であってもよい。それに代えて、1つ以上のシールは、固くなる、硬化する、もしくは他の方法で変わる材料であってもよいしまたは組立工程時にもしくは組立工程後に変わる材料であってもよい。
図5には、開口内に位置する本発明の実施形態にかかる防炎性のフィードスルー200が示されている。この実施形態にかかる防炎性のフィードスルー200はスピゴットジョイントを形成する。防炎性のフィードスルー200の周面232が開口の内側表面とフィットし、生じるギャップが所定のギャップしきい値未満であるように設計されている。所定のギャップしきい値は、炎路長とともに、防炎基準を満たさなければならない。
【0033】
防炎性のフィードスルー200は真っ直ぐな側面を有していてもよいしまたはテーパ状の側面を有していてもよい。先細形状の防炎性のフィードスルー200は、取り除く際、より大きな抵抗が生じうる−たとえば第1の側201と第2の側202との間に圧力差が
存在する。また、この先細形状の特徴は、製品の組立てを容易にもしている。
また、防炎性のフィードスルー200は、第1の本体部分220Aとフィードスルー要素210との間のギャップと、およびフィードスルー要素210と第2の本体部分220Bとの間のギャップをさらに有している。
【0034】
この図から分かるように、フィードスルー要素210は防炎性のフィードスルー200を貫通している。フィードスルー要素210は、第1の側201および第2の側202に突出している。その結果、フィードスルー要素210の第1のインターフェース領域211は、第1の側201に少なくとも部分的に延出し、また、第2のインターフェース領域212は第2の側202に少なくとも部分的に延出している。
図6は、本発明の他の実施形態にかかる防炎性のフィードスルー200を示す分解組立図である。図示されている実施形態にかかる防炎性のフィードスルー200は、フィードスルー要素210と、第1の本体部分220Aと、少なくとも第2の本体部分220Bとを備えている。
この実施形態では、フィードスルー要素210は1つ以上のスロット215を有していてもよい。1つ以上のスロット215は、コネクタまたは他の部品の位置調整をするよう機能するようになっていてもよい。
【0035】
この実施形態では、フィードスルー要素210は、1つ以上のファスナー開口218を有していてもよい。図示されているように、1つ以上のファスナー開口218は第2のインターフェース領域212に位置していてもよい。1つ以上のファスナー開口218は、第1の本体部分220Aおよび第2の本体部分220Bを結合する1つ以上の対応するファスナー235を受けるようになっていてもよい。いうまでもなく、1つ以上のファスナー開口218は、フィードスルー要素210に沿った炎路の全長を避けるであろう短い炎路を提供しないように配置されてもよい。
この実施形態では、フィードスルー要素210は1つ以上の第1の開口213を有しうる。1つ以上の第1の開口213は第1のインターフェース領域211に位置していてもよい。1つ以上の第1の開口213は、任意の電気コンダクタを受けるようになっていてもよいし、または、コネクタもしくは他の構成部品を受けるようになっていてもよい。1つ以上の第1の開口213は、任意のパッド、導通のための貫通めっき、またはコンダクタを結合するための他の機能を有していてもよい。
【0036】
この実施形態では、フィードスルー要素210は第2のインターフェース領域212に1つ以上の第2の開口219を有していてもよい。1つ以上の第2の開口219は、任意の電気コンダクタを受けるようになっていてもよいし、またはコネクタもしくは他の構成部品を受けるようになっていてもよい。1つ以上の第2の開口219は、任意のパッド、導通のための貫通めっき、またはコンダクタを結合するための他の機能を有していてもよい。実施形態によっては、1つ以上のコンダクタ217は、1つ以上の第1の開口213と1つ以上の第2の開口219と間に延設されてもよい。
この実施形態では、第1の本体部分220Aおよび第2の本体部分220Bは、外側に延出する取付け用のフランジ221Aおよび221Bを有している。取付け用のフランジ221A、221Bは、開口を取り囲む面(または、複数の面)に取り付けられるように構成されていてもよい。取付け用のフランジ221A、221Bは、第1の本体部分220Aおよび第2の本体部分220Bが開口の中に入りすぎることまたは開口を通り抜けることを防止するように構成されていてもよい。取付け用のフランジ221A、221Bは、当該取付け用のフランジ221A、221Bを開口表面部分に取り付けるための1つ以上のファスナー開口223を有していてもよい。1つ以上のファスナー開口223にはいかなる適切なファスナーが挿入されてもよい。
【0037】
この実施形態では、第1の本体部分220Aおよび第2の本体部分220Bは、開口の
中に少なくとも部分的に延設される開口フランジ229A、229Bを有していてもよい。開口フランジ229A、229Bは、開口の1つ以上の側壁に対応し、フィットするようになっていてもよい。開口フランジ229A、229Bは、開口の形状に実質的に一致するようになっている。
周囲フランジ229は1つ以上のファスナー開口228を有していてもよい。それに代えて、1つ以上の開口228は1つ以上の位置合わせくぎ227を受けるための1つ以上の位置合わせ開口228であってもよい。
本体部分220A、220Bは、フィードスルー要素210の両側面に押し付けられるように構成されているクロス開口フランジ230A、230Bを有している。クロス開口フランジ230A、230Bは、開口のほぼ中央部位を横切って延びている。実施形態によっては、クロス開口フランジ230A、230Bは実質的に開口を二分するようになっている場合もあるが、いうまでもなく、クロス開口フランジ230A、230Bは開口内のいかなる位置に配置されてもよい。
【0038】
クロス開口フランジ230A、230Bは、クリアランスファスナー開口240A、240Bを有していてもよいし、また、係合ファスナー開口241A、241Bを有していてもよい。クリアランスファスナー開口240は係合ファスナー開口241と交互になっていてもよい。この場合、ファスナー235が一方の本体部分220内のクリアランスファスナー開口240を通り抜け、他方の本体部分220内の係合ファスナー開口241と係合することになる。実施形態によっては、係合ファスナー開口241がネジ切りされた開口であり、ファスナー235がネジ切りされたファスナーである場合もある。
第1の本体部分220Aおよび第2の本体部分220Bは、バリア開口を横断して閉鎖するように構成されているフェイスプレート226A、226Bを有している。フェイスプレート226A、226Bは、開口フランジ229A、229Bとクロス開口フランジ230A、230Bとの間に延設されていてもよい。
第1の本体部分220Aと第2の本体部分220Bは、機能263の如き他の位置合わせ機能またはファスナー機能を有していてもよい。これらの機能263は、防炎性のフィードスルー200の第1の側201の1つ以上の構成部品を受けるまたはそれと協働する凹部および/または凸部を有していてもよい。
【0039】
組み立てられると、フィードスルー要素210は、第1の本体部分220Aと第2の本体部分220Bとの間に狭持され、また、フィードスルー要素210は、第1のインターフェース領域211が組み立てられた防炎性のフィードスルー200の第1の側201から少なくとも部分的に延びるとともに、第2のインターフェース領域212が組み立てられた防炎性のフィードスルー200の第2の側202から少なくとも部分的に延びるように位置する。第1の電気コネクタ(または、同様のデバイス)は、第1のインターフェース領域211およびそこにあるコンダクタに取り付けられてもよいしまたは固定されてもよい。第2の電気コネクタ(または、同様のデバイス)は、第2のインターフェース領域212およびそこにあるコンダクタに取り付けられてもよいしまたは固定されてもよい。ファスナー235は、クリアランス開口240A、240Bを貫通し、係合ファスナー開口241A、241Bと係合し、第1の本体部分220Aと第2の本体部分220Bとを締め付けるようになっていてもよい。それに加えて、ファスナー235は、機械加工作業の後でさえ各本体部分の配列を確かなものとするようになっていてもよい。
【0040】
上述のように、フィードスルー要素210が2つ以上の本体部分220A、220Bの間に狭持され、次いで、組み立てられた防炎性のフィードスルー200が、その周面が開口の内面に対して所定のギャップ許容値を達成するように、平削りされ、ミルにかけられ、グラインダにかけられ、エッチングされ、旋盤にかけられ、または他の方法で処理されてもよい。それに代えて、上述のように、フィードスルー要素210およびクロス開口フランジ230A、230Bのうちの一方または両方は、組み立てられた時、実質的に防炎
性のインターフェースを実現するように、すなわち、本体部分220とフィードスルー要素210との間に所定のギャップしきい値未満のギャップを達成するようにおよび/または開口に対する外側表面公差および最小ギャップを達成するように機械加工されてもよい。いずれの実施形態にかかる組立て方法であっても、本体部分220およびフィードスルー要素210のうちの一方または両方は、所定のギャップしきい値未満のギャップを達成するように機械加工されるようになっていてもよい。
【0041】
図7には、
図6のフィードスルー要素210に組み付けられている第1の本体部分220Aおよび第2の本体部分220Bが示されている。図から分かるように、フィードスルー要素210と第2のクロス開口フランジ230Bとの間には実質的なギャップまたは炎路が存在していない。組み立てられた防炎性のフィードスルー200は開口内にいつ配置されてもよい状態にある。
図8には、本発明の他の実施形態にかかる防炎性のフィードスルー200が示されている。防炎性のフィードスルー200は本体部分220とフィードスルー要素210とを備えている。この実施形態にかかる防炎性のフィードスルー200はフランジ接合を形成している。この実施形態にかかる防炎性のフィードスルー200では、1つ以上の本体部分220は単一の本体部分220から構成されている。フィードスルー要素210は所定のプロフィール公差に合わせて機械加工され、フィードスルー要素210と開口を囲む面との間には実質的に防炎性のフランジタイプのインターフェースが形成される。
本体部分220は、開口をオーバーラップし、開口表面の一方の側に配置されてもよい(例示のみを目的として第1の側201に示されている)。上述のように、本体部分220は、いかなる適切な厚みを有していてもよいし、また、いかなる適切な材料から形成されていてもよい。本体部分220は、第1の側201と第2の側202との間に高圧差が存在する場合であっても構造的完全性を維持することが可能となっている。
【0042】
本体部分220は、開口の形状に一致する形状を有していてもよく、たとえば開口が円形の場合には本体部分220は円形である。実施形態によっては、本体部分220が開口の実質的に一定かつ均一なオーバーラップを維持するように、本体部分220の形状が開口の形状に一致している場合もある。実施形態によっては、本体部分220は開口を完全に閉鎖するようになっている場合もある。それに代えて、本体部分220は開口と形状が異なってもよい。
同様に、フィードスルー要素210も開口にオーバーラップする。ただし、フィードスルー要素210によるオーバーラップは本体部分220によるオーバーラップと一致するものには限定されない。フィードスルー要素210は、本体部分220と開口を取り囲む面との間に狭持されており、また、フィードスルー要素210は、開口を閉塞することにより開口に防炎性の閉鎖手段を提供するようになっている。
防炎性のフィードスルー200は、開口を取り囲む面に本体部分220を固定する1つ以上のファスナー866を備えていてもよい。図示されているように、1つ以上のファスナー866は本体部分220と開口を取り囲む面との間にフィードスルー要素210を狭持するようになっていてもよい。したがって、本体部分220およびフィードスルー要素210は、1つ以上のファスナー866に開口を取り囲む面を係合させることを可能とする1つ以上の対応する開口を有していてもよい。
【0043】
上述のように、フィードスルー要素210はいかなる適切な厚みを有していてもよいし、また、いかなる適切な材料から形成されてもよい。上述のように、フィードスルー要素210は1つ以上のコンダクタ217を有していてもよい。フィードスルー要素210は開口の形状に一致する形状を有していてもよい。それに代えて、フィードスルー要素210は、形状において、開口とは異なっていてもよい。しかしながら、フィードスルー要素210は、開口をオーバーラップし、開口を完全にオーバーラップし、開口の部分で覆われないまま残っている部分はない。
フィードスルー要素210は、第1の側201で本体部分220から少なくとも部分的に延びている第1のインターフェース領域(または、複数の第1のインターフェース領域)211を有している。第1のインターフェース領域211は、電気コネクタ860または他の適切な構成部品を有するまたは受けるようになっていてもよい。
【0044】
フィードスルー要素210は、開口内に存在し、第2の側201でフィードスルー要素210から少なくとも部分的に延びている第2のインターフェース領域212を有している。第2のインターフェース領域212は、防炎性のフィードスルー200の第2の側202にアクセス可能である。第2のインターフェース領域212は、電気コネクタ862または他の適切な構成部品を有するまたは受けるように構成されていてもよい。
所望ならば、本発明にかかる防炎性のフィードスルー200および本発明にかかる方法は、複数の利点を提供するために、上述の実施形態のうちのいずれに従って具象化されてもよい。防炎性のフィードスルー200は、炎が開口を通り抜けるのを防止するようになっていてもよい。防炎性のフィードスルー200は、一定でかつ/または所定の電気インピーダンスを提供するようになっていてもよい。防炎性のフィードスルー200は、経済的にかつ正確に製造しうる公差の小さなまたはギャップの小さなフィードスルーであってもよい。
【0045】
上述の実施形態の詳細な記載は、本発明の技術範囲内に含まれるものとして本発明者が考えているすべての実施形態を完全に網羅するものではない。さらに正確にいえば、当業者にとって明らかなように、上述の実施形態のうちの一部の構成要素をさまざまに組み合わせてまたは除去してさらなる実施形態を作成してもよいし、また、このようなさらなる実施形態も本発明の技術範囲内および教示範囲内に含まれる。また、当業者にとって明らかなように、本発明の技術および教示の範囲に含まれるさらなる実施形態を作成するために、上述の実施形態を全体的にまたは部分的に組み合わせてもよい。したがって、本発明の技術範囲は添付の特許請求の範囲によって決められる。