特許第6752154号(P6752154)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6752154
(24)【登録日】2020年8月20日
(45)【発行日】2020年9月9日
(54)【発明の名称】ねじ切りフライス
(51)【国際特許分類】
   B23C 3/32 20060101AFI20200831BHJP
   B23G 5/18 20060101ALI20200831BHJP
【FI】
   B23C3/32
   B23G5/18
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-572230(P2016-572230)
(86)(22)【出願日】2015年5月12日
(65)【公表番号】特表2017-517404(P2017-517404A)
(43)【公表日】2017年6月29日
(86)【国際出願番号】EP2015060481
(87)【国際公開番号】WO2015188998
(87)【国際公開日】20151217
【審査請求日】2018年3月12日
(31)【優先権主張番号】14172332.0
(32)【優先日】2014年6月13日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506297474
【氏名又は名称】ヴァルター アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】クデラー, ダニエル
【審査官】 中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−266121(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第2018652(GB,A)
【文献】 特表2003−531736(JP,A)
【文献】 特表2005−528229(JP,A)
【文献】 特開平04−152020(JP,A)
【文献】 実開平07−037537(JP,U)
【文献】 特開平11−254218(JP,A)
【文献】 米国特許第05733078(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0018010(US,A1)
【文献】 特表2007−522951(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/055561(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/101512(WO,A2)
【文献】 特開2012−020394(JP,A)
【文献】 特開昭62−162407(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第0307840(EP,A1)
【文献】 実開平04−047910(JP,U)
【文献】 特開平07−060528(JP,A)
【文献】 特開平10−138029(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0041105(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第2213399(EP,A1)
【文献】 米国特許第4648755(US,A)
【文献】 米国特許第5083887(US,A)
【文献】 特表2002−512131(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23C 1/00−9/00
B23G 1/00−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャンク(1)及び円筒の基本形状を有する切削部分(2)を備えた本体と、回転軸(3)と、周方向において間隔が空けられた複数の切れ刃であって、前記回転軸(3)に対して垂直に延在する少なくとも2つの異なるラジアル平面(4)内で前記切削部分(2)上に配置された複数の切れ刃とを有する、ねじ切りフライスであって、前記切削部分(2)が、それぞれ、少なくとも2つの異なるラジアル平面の各々内にそれぞれの標準的な切削インサート(5)を受け入れるための少なくとも2つのシート(6)を有し、前記切れ刃が標準的な切削インサート(5)の切削コーナー(15)によって形成され
様々なラジアル平面内の前記切削インサートが、前記周方向において相互に移動された関係で配置され、
すくい面の平面図内で、前記切削インサート(5)が、正三角形の基本形状であり、且つ、それらのシート内で半径方向に取り付けられる
ことを特徴とする、ねじ切りフライス。
【請求項2】
少なくとも3つの切削インサート(5)が、それぞれ、ラジアル平面(4)内の同じ回転輪上に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のねじ切りフライス。
【請求項3】
前記切削インサートが、全体で少なくとも3つの異なるラジアル平面(4)内に配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のねじ切りフライス。
【請求項4】
前記切削部分(2)の円筒形状の包絡線に対して半径方向に後退した空洞によって形成されたチップ空間(8)が前記切削インサートのすくい面の前に設けられ、前記半径方向における隣接するラジアル平面の相互に最も近い切削インサートの変位が、隣接するラジアル平面内に配置された前記相互に最も近い切削インサートの前記チップ空間が前記周方向において重なるように選択された、ねじれ角に対応することを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のねじ切りフライス。
【請求項5】
前記ラジアル平面(4)の間隔が、1以上の標準的なねじピッチの整数倍であることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項の記載のねじ切りフライス。
【請求項6】
前記切削コーナー(15)のチップが、丸められているか又は縮小されていることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のねじ切りフライス。
【請求項7】
三角形の基本形状を有する前記切削インサート(5)の、軸方向において最も前方に配置され且つフライスの軸に対して傾けられた切削端部(11)が、前記切削部分(2)の前記本体に対して、輪郭を形成する前記切削コーナー(15)の半径方向内側の領域内で、軸方向に突出することを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のねじ切りフライス。
【請求項8】
前記切削インサートの側面が、前記切削インサートの中心の方向において隣接する切削コーナーの間内で引かれ、又は前記中心から外へ拡大されていることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のねじ切りフライス。
【請求項9】
前記切削インサート(5)が、切削インサートの両側がインデックス可能な切削インサートであることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のねじ切りフライス。
【請求項10】
すくい面の平面図内で、前記切削コーナーのチップが、少なくとも1つのねじのフライトの輪郭形状であることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のねじ切りフライス。
【請求項11】
インサート座が、前記切削インサート(5)の接触面のためのシート面(6a)を有し、前記接触面がすくい面の反対側であり、前記シート面(6a)が、前記切削部分(2)の円筒形状の包絡線を越えて半径方向外向きに延在するシート面部分(7a)を有することを特徴とする、請求項1から10に記載のねじ切りフライス。
【請求項12】
前記ラジアル平面内で周方向に延在し、且つ、前記切削インサートのシートの領域及びチップ空間(8)内でのみ遮断される、ウェブ(7)の終端面によって、前記シート面部分(7a)が形成されることを特徴とする、請求項11に記載のねじ切りフライス。
【請求項13】
記シャンクから最も遠隔の前記ラジアル平面の前記切れ刃が、半径方向のたわみを埋め合わせるために、次のラジアル平面の切れ刃に対して1から100μmの大きさのオーダーの小さい半径方向の突出を有することを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のねじ切りフライス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ねじ切りフライスに関する。該ねじ切りフライスは、シャンク及びその基本的な形状において円筒形状の切削部分を備えた、本体と、周方向において間隔が空けられ、且つ、回転軸に対して垂直に延在する少なくとも2つの異なる(すなわち、軸方向に間隔が空けられた)ラジアル平面内で切削部分上に配置された、複数の切れ刃とを有する。
【背景技術】
【0002】
「ねじ切りフライス」という用語は、この場合に純粋に機能的な用語として解釈されるべきであり、その点において、切削部分と、切削部分に連結され且つ動作において切削部分と一緒に回転する(本明細書で「シャンク」とも呼ばれる)ワンピース又はマルチピースの保持部分とを有する、全ての種類のねじ切りフライスを含む。
【0003】
対応するねじ切りフライスは、例えば、米国特許5733078号から知られている。既知のねじ切りフライスでは、一実施形態において、円筒形状部分上の直径方向反対側に配置され、且つ、各々がねじのフライト(flight)の輪郭の各々であるところの2つの切れ刃を有する、2つの切削インサートが提供される。2つの切削インサートの切れ刃は、2つの相互に軸方向に間隔が空けられたラジアル平面内においてペアワイズ(pair‐wise)関係で配置される。
【0004】
対応するねじ切りフライスは、ねじ切りフライスの回転軸に対して切れ刃の回転半径よりも大きい公称半径を有する雌ねじの製造を対象としている。これは、対応する雌ねじを製造するために、ボアの軸周りの螺旋形状内のボアの軸と平行に且つ軸方向に該ボアの中へ及び/又は該ボアの外へ延伸する回転のその軸に沿って、フライスが移動されなければならないことを意味する。そのボア内で、ねじが製造され得る。
【0005】
一般的な用語では、ねじの内半径又はねじが製造され得るボアの半径が、切れ刃の回転輪の半径よりも著しく大きく、それによって、切れ刃がボアの壁に接触することなしに、フライスがボアの中心において軸方向にボアの中へ又は外へ移動され得る。
【0006】
したがって、フライスは、切れ刃がボアの壁に接触することなしに、ボアの中へ一定の距離だけ移動されることが先ずもたらされ、その後、フライスが、回転し且つ半径方向外向きに移動されることがもたらされ、それと同時に、ボアの軸の周りの螺旋経路に沿って軸方向にフィードされるように移動され、それによって、切れ刃はボアの壁と接触するようになり、対応する螺旋ライン上の全体のフライスの移動のおかげで、ボアの壁の中へねじが切られる。
【0007】
切れ刃を有するラジアル平面のフィード移動及び間隔に応じて、異なるピッチを含むねじを製造することが可能であり、その直径が切れ刃の回転輪の直径よりも大きいボアの場合には、軸方向に移動された関係で配置された異なる切れ刃によって、各場合においてねじの複数の部分を製造することも可能である。
【0008】
上述した米国特許5733078号による最新技術も示すように、その切れ刃が切削部分の材料から直接的に形成されるワンピースの形態、及び相互交換可能であり且つねじの輪郭に一致する適切な切れ刃と殊にフィットされる、切削インサートを有するツールの形態の両方において、対応するフライスが存在する。
【0009】
ワンピースのねじ切りフライスは、切れ刃の摩耗の後に、フライスが再び限定的にのみ調整され得るという欠点を有する。この場合に、切削部分も、概して超硬合金又は焼結炭化物である耐摩耗性材料から、それに応じて製造される必要があり、可能性としては被覆され、したがって、準備及び調整においても非常に高価である。今度は、切削インサートを有するねじ切りフライスが、切削部分に対して十分な安定性が保証されるべきならば、その基本的な形状において円筒形状である切削部分の周囲に沿って適切なインサート座を提供するために、比較的わずかな空間のみが利用可能であるという欠点を有する。それによって、対応する切削インサートの数は比較的限られ、したがって、ねじ切りフライスは、複数の切削ローブ及び切れ刃が備え付けられているワンピースのねじ切りフライスよりも非効率的に動作する。
【0010】
相互交換可能でインデックス可能(indexable)な切削インサートを有するねじ切りフライスの更なる欠点は、対応するインデックス可能な切削インサートが、しばしば高価な特製品であるということである。
【0011】
一方、相互交換可能な切削インサートを有するねじ切りフライスの利点は、正に、それらの全体においてさえ、ワンピースのツールよりも実質的に安価であり、且つ、本体、すなわち、ねじ切りフライスのシャンク及び切削部分を、例えば、工具鋼のように機械加工することがより容易な安価な材料から製造することも可能にする、摩耗した切削インサートの相互交換性にある。
【0012】
更に、ねじ切りフライスは、最新技術として既に知られており、それは切削部分を有するシャンクを有し、切削部分は、受け入れマンドレル並びに複数の切削リング及びそれらの間に配置された間隔リングを備え、各切削リングは、同じ平面内に複数の切れ刃を有する。
【0013】
しかし、そのようなフライスは、実際に単独で安定性を保証する、切削部分の中央マンドレルが、フライスの全体の直径と比較して小さい直径であり、したがって、間隔リングのような対応する切削リングが、切削部分の直径の大きな部分を占める大きな半径方向の寸法を避けることができないという欠点を有する。そのようなねじ切りフライスは、したがって、非常に大きなねじの直径に限定される。それらは、製造において非常に複雑でもあり、切削コーナーの精密な半径方向及び軸方向の位置決めが、対応するマルチパート切削部分の製造における多大な支出及び複雑さをも要求する。
【発明の概要】
【0014】
最先端の技術と比較して、本発明の目的は、この明細書の最初の部分で開示された特徴を有するねじ切りフライスを提供することである。それは、複数の切れ刃及び切削ローブを有するワンピースのねじ切りフライスの高い作業効率の利点を、大きな直径に限定されることなしにインデックス可能な切削インサートを有するねじ切りフライスの利点と組み合わせる。
【0015】
本目的は、切削部分が、それぞれ、少なくとも2つの異なるラジアル平面の各々内にそれぞれの標準切削インサートを受け入れるための少なくとも2つのシートを有し、且つ、切れ刃が切削部分及び/又は標準切削インサートの切削コーナーによって形成されることで達成される。
【0016】
多くの標準切削インサート、特に、平面図で三角形の切削インサートの切削コーナーは、既に、互いに対して実質的に60度で傾いたねじフランクを有する多くの標準的なねじの輪郭に対応する。そのような切削インサートのコーナー領域のピークも、概して、丸められ又は面取りされ、それは再び通常のねじベースの形状に一致する。特に、在庫品として製造業者からのカタログ内で提供され、且つ、上側及び下側に接合する周方向へ延在する端面を有する上側及び下側を有する、切削インサートは、標準的な切削インサートとして見られる。その場合に(両方の側のインサートも下側である場合に)、上側は、すくい面(rake face)を形成し、可能性としては構築もされ得る。チップ構成又はサポート面に対してチップ係合面を境界付けるための適切な構築形状は別として、標準的な切削インサートの上側及び下側は、実質的に平行である(例えば、Walter AG,overall catalog 04/2004,ページ14、15、及び16,indexable cutting inserts for turing and thread turningを参照せよ)。好ましくは、上側の平面図では、それらの切削インサートは、三角形、菱形、概して、平行四辺形、又は矩形状の基本形状でもある。
【0017】
しかし、標準的な切削インサートは、特別なねじ形状及び輪郭に対しても適切であり、又はそれぞれ形状がねじの輪郭に一致する切削コーナーを有し得る。したがって、標準的な切削インサートは、他の使用目的に対しても適切であり且つ対象とし、それらは、個別に交換可能であり、それらは、本発明の上述のねじ切りフライスの使用に限定されない。
【0018】
標準的な切削インサートは、特に、国際標準ISO1832によって規定されている。それに関して、全てのインサート形状は、本発明と組み合わせて使用されるために適切であるが、切削コーナーに隣接する切削端部が90度未満の角度を含むインサート形状が好適であり、特に、ISO1832のC、D、E、K、M、T、V、及びWによって特定される基本的な形状が、ねじの製造に対して適切であり、Tによって特定される三角形状が特に好適である。
【0019】
対応するインサート座が複数の相互に軸方向に間隔が空けられたラジアル平面内に配置されるという事実は、ねじを製造する切削コーナーの数が、それに応じて増加し、それはフライスの効率を高め、標準的な切削インサートの使用が極めて費用効果に優れると考えられることを意味し得る。その点では、標準的な切削インサートが、可能性としては、例えば、所与のねじ形状に切削コーナーを順応させるために、それによって対応する切削インサートの製造に含まれる費用を実質的に増加させることなしに、わずかに修正され得る。
【0020】
好ましくは、少なくとも3つの切削インサートがそれぞれラジアル平面内の同じ回転輪上に配置され、それによって、各ねじ部分が、3つの異なる切削インサートの少なくとも3つの切削コーナーによって、フライスの回転の間に製造される。更に、好ましくは、対応する切削インサートが、全体で少なくとも3つの異なるラジアル平面内に配置され、それは、それぞれのラジアル平面の切削インサートが、それぞれねじの異なる部分を製造できることを意味する。3つの異なる平面内の切削インサートの場合にそれぞれのラジアル平面の切削インサートがねじの3分の1を製造し、ラジアル平面の間隔は、望ましいフィード移動又は製造手順内のねじ切りフライスの異なるフィード速度にも適合され、それによって、様々なラジアル平面内の切削インサートによって製造されたねじのフライトが、隣接するラジアル平面の切削インサートによって製造された対応するねじのフライトの中へ正確に開かれる(openする)。ボアの軸の周りの螺旋経路上の回転毎のフライスの軸方向フィードは、その場合にそれぞれのねじのピッチに基本的に対応する。
【0021】
本発明の一実施形態では、3つの切削インサートが、それぞれ、互いに対して約12mmの軸方向の間隔にある5つの異なるラジアル平面内に配置され、それは、1つの且つ同じフライスを用いて、1mm、1.5mm、2mm、3mm、4mm、及び6mmの標準的なねじピッチを有する様々なねじを製造することを可能にする。
【0022】
一実施形態では、異なる、特に隣接するラジアル平面内にある切削インサートが、相互に周方向に移動された関係において配置される。隣接するラジアル平面内の切削インサートの対応する配置は、隣接するラジアル平面内の切削インサートが、時間移動関係においてボアの壁と係合することをもたらし、それは、滑らかで低振動のフライス動作及びフライスに作用するたわみ力の最小化をもたらす。
【0023】
本発明の好適な実施形態では、切削部分の円筒形状包絡線に対して半径方向に後退された空洞によって形成されたチップ空間が、切削インサート又は切削コーナーのすくい面の前に提供される。
【0024】
周方向における隣接するラジアル平面の相互に最も近い切削インサートの移動は、望ましくは、隣接したラジアル平面内に配置された相互に最も近い切削インサートのチップ空間が周方向において重なるように選択された、ねじれ角に対応する。これは、軸方向において互いに追随し、且つ、周方向において互いに対してわずかに移動された、切削インサートのチップ空間が、近似的に螺旋形状のチップ溝の経路、軸方向間隔から生じたねじれ角、及び互いに対する切削インサートの移動に追随することを意味する。
【0025】
望ましくは、次の平面の切削インサートが、フライスの回転方向において前の切削面の最も近い切削インサートに対して後退される。それに関して、次のラジアル平面に対する言及は、軸方向に更に前方にある、すなわち、シャンクから更に離れたラジアル平面を意味するために使用される。
【0026】
好ましくは、その角の移動は、切削インサートが配置される様々なラジアル平面の数によって分割される同じラジアル平面内の切削インサートの外周角間隔に対応する大きさになる。
【0027】
これは、フライスの回転の間に、ボアの壁との最大係合(maximum engagement)にある多くてもそれぞれの単一の切削インサートが存在し、一方、他の切削インサートが、ボア壁との最大係合の直前で又は最大係合の直後に配置されることをもたらす。これは、それが使用される間にできる限り振動しない一定のフライスの動作を提供する。
【0028】
好ましくは、ラジアル平面の間隔が、標準的なねじピッチの整数倍である。特に、ラジアル平面の間隔が、複数の標準的なねじピッチの共通の整数倍である。
【0029】
好ましくは、それに対してラジアル平面の間隔が標準的なねじピッチの整数倍であるところの、標準的なねじピッチの量は、ターン毎に1mm、1.5mm、2mm、3mm、4mm、及び6mmの値、又はターン毎に1/32、1/16、1/8、及び1/4インチの値を含む。
【0030】
好適な一実施形態では、ラジアル平面の間隔が、12又は24mmであるが、それに関して、6、15、18、30、36、42、又は48mm(代替的に、4インチ、3インチ、2インチ、1と1/2インチ、1インチ、3/4インチ、1/2インチ、又は1/4インチも)のラジアル平面の間隔が、それぞれ、対応するフライスの複数の標準的なねじピッチを生み出すためにも適切であり、それによって、3つの間隔の値は、本発明の好適な実施形態をも表す。
【0031】
好適で標準的な切削インサートは、特に、各々が上側と下側との間で周方向へ延在する端面と同様に少なくとも近似的に相互に平行な上側と下側を有し、すくい面の平面図において正三角形の基本的な形状を含み、且つ、それらのそれぞれのシート内で半径方向に取り付けられる、すなわち、切削コーナーを形成する切削端部が近似的に軸を含む平面内に配置される、切削インサートである。しかし、切削コーナーの切削端部によって規定される平面は、軸を含むそのような平面に対して、例えば、+20度までの角度でわずかに傾きもし、特に、両側がインデックス可能な切削インサートに対して、軸を含む平面に対する切削端部の平面のわずかな傾きが、適切な逃げ角を保証するために絶対的に必要である。
【0032】
対応する三角形状の切削インサートは、全体的に、それらが、3つの使用可能な切削コーナーを有し、それらのコーナーのうちの1つの摩耗の後で、120度だけ回転され、それらのシート内に再フィットされ得るという利点を有する。上述したように、それらの切削コーナーのチップは、丸められ又は面取りされ又は縮小(trimmed back)され、それによって、コーナーが通常のねじのフライトの輪郭形状に一致し得る。
【0033】
しかし、それに関して、対応する切削インサートにおけるわずかな修正も、本発明の保護範囲に含まれることが企図され、それは、三角形の基本的形状の切削インサートの修正によって容易に生み出され得る。それは、特に、側面がわずかに中心の方向において引かれ又は拡大され、切削コーナーのフランク角内の対応する変動をもたらす、切削インサートを含み、それによって、切削コーナーの側部に位置する2つの切削端部が、60度未満ぐらいの角度又は60度より幾らか上ぐらいの角度を含み、例えば、45度から90度までのフランク角がカバーされ得る。
【0034】
例えば、対応する雌ねじのねじフライトの半径方向内向きに最も突出した部分を滑らかにするために、又は正確に規定された半径まで該雌ねじをフライスするために、切削コーナーのフランクが、幾らか内向きに一方又は両方の側部においてステップ方式で移動されることが更に可能である。切削コーナー内の対応する変更の例が、図6に示されている。
【0035】
複数のフライト、例えば、2つのフライトのねじを製造するために、一実施形態における本発明によるねじ切りフライスも、既に、ボアの中への移動の間に螺旋経路上で移動し、それによって、軸方向の最も前方にある切れ刃は、直ちにボア壁に係合し、対応するねじのフライトを作り出す。切削インサートの更なる組のラジアル平面の軸方向間隔は、所与のねじピッチを伴って、切削インサートの更なる組が、既に生み出されてしまったねじのフライトの間のねじフライトを切るように選択される。逆に言うと、切削インサートを有するラジアル平面に対する所与の間隔を伴って、平行なねじピッチが生み出されるように、ねじピッチが選択されるとも言える。そのようなフライスを用いて異なる(平行な)ねじのフライトを生み出すラジアル平面の間隔は、ねじピッチの分数1/nの整数倍の、特に、奇数の整数倍に一致する。ここで、nは、様々な平行なねじのフライトの数であり、一方、螺旋回転毎のフライスの軸方向フィードは、基本的に常にそれぞれのねじピッチに一致する。例えば、フライス動作の開始における及びフライス動作の終わりに向かう、切削部分の少なくとも1つのそれぞれの組のアイドルモードがあまり重要ではなく、全てのラジアル平面がねじの全長を超えて移動され得るときに、そのような変形は、ボアを通る関係で適切であり、その場合に、ラジアル平面の間のできる限り短い軸方向の間隔が有利である。6mmにおいて少なくとも2つのラジアル平面を有するフライスは、それぞれ、したがって、4mmのねじピッチを有する2つのフライトのねじを生み出すことができる。
【0036】
一実施形態では、切削インサートが、両側がインデックス可能な切削インサートであり、それは、三角形の切削インサートの場合には、連続的に使用され得る全部で6つの切削コーナーを与える。好ましくは、切削インサートが中央固定ボアを有し、好ましくは、切削インサートの側面が接触面として働き、それによって、ボアを通って係合する固定用スクリューによってそれらのシート内に切削インサートを固定する際に、それぞれアクティブな切削コーナーの位置が、対応するシート面に対する接触面の接触によって正確に規定される。接触面がインサート座の対応するシート面に対抗して耐える場合に、インデックス可能な切削インサートのボアの軸、及びそれの中へ対応する固定用スクリューが係合するところのねじが切られたボアは、互いに対してわずかに移動され、それによって、固定用スクリューが締められたときに、接触面が、対応するシート面に対抗してしっかりと押し付けられ得る。インサート座は、アクティブでない切削端部又はコーナーを受け入れるために、対応するアンダーカット形状も有し得る。好ましくは、更に、切削インサートが、すくい面の反対側に又は両側上に、インサート座の対応する平坦なシート面に対抗して耐えるための対応する平坦な接触面を有し、それは、切削インサートを固定するための固定用ボアも有する。しかし、両側がインデックス可能なインサートを使用するときに、切削コーナーの平面、より正確には、切削コーナーを画定する切削端部が、切削チップを通って延在し、且つ、切削コーナーのための必要な逃げ角を保証するように回転軸を含む、平面に対して傾かなければならない。ここで、切削コーナーの半径方向において最も外向きに配置されたポイント(頂点)が、切削チップと呼ばれる。
【0037】
本発明の好適な一実施形態では、すくい面の反対側の切削インサートの接触面を収容するインサート座のサポート面が、サポート面部分がそこを越えて延在することなしに、切削部分の円筒形状の基本的形状によって画定されたところの、切削部分の円筒形状包絡線を越えて、半径方向外向きに延在する。切削部分の円筒形状包絡線を越えて半径方向に延在するサポート面のそのような一部分は、特に、例えば、三角形状の断面のラジアル面内の切削部分の周縁において周方向へ延在する、ウェブの端面によって提供され得る。周方向へ延在するウェブは、それぞれ、回転の方向においてその前に配置されたインサート座の領域及びチップ空間内で遮断される。その場合に、ウェブの断面は、その前に配置された切削コーナーの輪郭に対して幾らか後退されるべきであり、それによって、ねじフライス動作において、生み出されたねじのフライトを通って切削コーナーの背後に移動されたウェブのフランクが、ねじフランクと接触しない。
【0038】
更に、本発明の好適な一実施形態は、最も前方のラジアル平面内のインデックス可能な切削インサートのシートが、アクティブな切削チップの回転輪又はインデックス可能な切削インサートの切れ刃が、軸方向において次の切れ刃の回転輪よりも幾らか大きくなるような形状である、実施形態である。その半径方向の突出は、通常、特に、切削部分の軸方向の長さ及びその直径、したがって、フライス及び更に対応する締め付け手段の曲げ剛性及び安定性に応じて、1から100μmの範囲内にある。それは、動作におけるフライスの半径方向のたわみに対して埋め合わせを行うように働く。
【0039】
任意選択的に、前のラジアル平面の次の第2及び第3のラジアル平面の切れ刃は、全体のねじの特定の精密さが重要な態様であるならば、それぞれの次の平面の切れ刃に対する(幾らか小さい)半径方向の突出も有し得る。
【0040】
好ましくは、軸方向に最も前方の切削インサートが、フライスの軸に対して傾けられた、且つ、ねじの輪郭を生み出す切削コーナーに対して半径方向において更に内向きに延在する、切削端部も有する。その前の切削端部は、軸方向に露出され、すなわち、フライスの本体に対して軸方向に突出し、特に、ねじのボアの開口部の端部において、とりわけ端部の面取りをするために使用され得る。任意選択的に、面取り動作は、ねじをフライス加工するステップの前又は後で行われ、前者が好適である。
【0041】
本発明の更なる利点、特徴、及び可能性のある用途が、添付図面に関連する好適な実施形態の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明による、ねじ切りフライスの側面図を示す。
図2】切削インサートなしの、図1のフライスの切削部分の拡大された縮尺の図を示す。
図3図2の切削部分の下からの端面図を示す。
図4】フライスの軸を含む断面図を示す。
図5】切削チップを含むラジアル平面に沿った、軸に対して垂直な断面図を示す。
図6】切削コーナーの様々な変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1を参照すると、実質的に円筒形状のシャンク1と、これもまた実質的に円筒形状の切削部分2とを備えた、フライスの本体が示されており、シャンク1と切削部分2は、共にワンピースで作られ、共通の回転軸3を有し、それは、シャンク1及び切削部分2の円筒形状の包絡線の対称軸でもあり、切削部分2の円筒形状の包絡線は、個別の切削インサート5の切削チップをサポートするように働く周方向へ延在するウェブ7なしに、切削インサート座の外側の円筒形状部分及びチップ空間によってのみ画定される。
【0044】
切削インサート5は、対応する三角形の上側及びそれと実質的に平行な下側を有する正三角形の基本的な形状にある標準的な切削インサートであり、それらは、周方向へ延在する端面によって共に連結され、端面と上側(両側がインデックス可能なインサートの場合には、下側も)との間の移行において、形成されたそれぞれの切削端部が存在し、上側と下側の平面図では、それぞれ、切削端部が共に切削コーナーで一緒になり、切削コーナー15は、切削インサートの三角形のコーナー及びそれらの間の丸められた移行部分において、共に一緒になる切削端部の終端部分によって形成される。切削コーナーのフランクは、互いに、ねじフランクに対して普通である60度の角度を含む。
【0045】
その60度の角度からの逸脱は、例えば、それぞれ、切削インサートの中心に向かって又は中心から離れる方向において、端面を収縮又は拡大することによって、上側及び下側が正三角形の形状から異なる形状となる限りにおいて可能である。それぞれの中央固定用ボアは、切削インサートの各々の中心内に配置される。
【0046】
これが、様々な切削インサート5とラジアル平面4を説明することを容易にする限りにおいて、それぞれ、参照番号5と4は、更なる指標(インデックス)が提供される。
【0047】
図2は、切削インサートのシート6がよりよく見られ得るように、切削インサートなしの切削部分2を示し、それらは、それぞれ、ベース面6a及び横方向の接触面6b及び6cによって画定され、切削部分2上で最も前方に配置されたインサート座の場合に、とりわけ、それらの切削端部が、特に、ねじボアの開口部の端部において面取りするために使用され得るように、インサート座6の前列内に配置された切削インサート5が、2つの切削コーナーの間のそれらの全体の前切削端部11に晒されるように、横方向の接触面6cが省略される。任意選択的に、面取り動作は、ねじをフライス加工するステップの前又は後で行われ、前者が好適であり得る。
【0048】
それぞれのインサート座6の前の空間は、チップ空間8の形態にあり、切削部分2の円筒形状の本体内にそれぞれの凹部を形成する。インサート座と切削部分の外側のチップ空間との間の領域内に、その輪郭が近似的に切削コーナーの輪郭と一致し、且つ、切削コーナー15と同じラジアル平面内に配置されるところの、周方向に延在するウェブ7が提供される。インサート座6の領域内で、ウェブ7のそれぞれの端面が、インサート座6のベース面6aと同じ平面内に配置される、接触面7aを形成し、したがって、シート面6aの一部分を形成する。
【0049】
任意選択的に、ボア9は、それぞれのウェブ7の後ろ側において開口し、それはそれぞれのチップ空間8に向かっており、ボア9は、切削チップ15の方向において切削チップ15の前にあるチップ空間8の中へ注入される、フラッシング剤(flushing)及び/又は冷却剤を取り除くために提供される。
【0050】
ウェブ7は、切削チップ15に対する効果的なサポートを提供し、ウェブ7の輪郭は、切削チップの輪郭に対してわずかに後退されるべきである。
【0051】
図3の端面図は、最も前方に配置されたラジアル平面4内の3つの切削インサートを示し、その参照番号は、次の平面内の切削インサートと区別するために1という指標が付けられている。次の平面4…4内の切削インサートは、それに応じて5…5として指定されている。
【0052】
図3及び図2からも見られ得るように、切削インサート座6は、それぞれの先行する平面の直後の平面の切削インサート5のように、この場合は24度である角度αを通る回転の方向に対して逆の関係で後退される。その点では、回転の方向が、切削インサートと、回転の方向において切削インサートの前に配置されたチップ空間8との配置から生じる。
【0053】
隣接する平面の切削インサートの間の角変位が、任意の他の値も占めることは理解されるだろう。その点では、全体的に、ボアの孔内のフライスの回転の間のいかなる瞬間においても、少なくとも近似的に等しい切削インサートの数が常に可能な限り、孔の壁と同じ時間において係合するべきであり、且つ、ねじのフライトの対応する一部分からミルアウト(mill out)するように、切削インサートが配置されることが望ましい。この場合では、切削インサートが5つの異なるラジアル平面4上に分配されるので、隣接するラジアル平面4の間の変位は、同じラジアル平面4内の切削インサートの間の周縁空間(120度)の5分の1であり、それによって、全体的に切削インサート5は周縁に沿って均一に分配される。
【0054】
これは、動作においてフライスの比較的振動がない且つ滑らかな動きを保証する。
【0055】
図4は、図1から図3までで既に示されたフライスの回転軸3を含む断面図を示している。5つの異なるラジアル平面内の3つのそれぞれの切削インサートが示され、且つ、今さっき既に説明されたやり方で抽象的なねじれ角に沿った切削インサートの変位が示されている。この図は、それぞれ、切削インサートの前に提供され、且つ、約90度を超える切削部分2の周方向において延在する、チップ空間8を明瞭に示す。切削インサート5と同様に、チップ空間8も、同じねじれ角に沿って相互に移動された関係で配置され、したがって、それらは、周方向において互いに重なるそれぞれの領域を有し、それによって、チップ空間8のシーケンスが、全体的に、一種の連続的なチップフルート(chip flute)を形成するが、それに応じて平坦ではないベース及びステップ状の移行がもたらされる。それは、特に、生み出される孔及びねじの直径が切削チップの回転輪の直径よりもわずかにのみ大きいところの、比較的狭いボア孔において有利であり得る。何故ならば、そのようなやり方で、フライス動作において生み出されるチップは、個々の空間の間の軸方向において、且つ、ボア孔から出るようにも更に移送され得る。この点では、それが、未だ更に平坦にされ且つ滑らかにされるべき隣接するチップ空間の間の移行に対して更に可能であり、それによって、チップフルートの歯列の型及び効果も未だ更に改良される。
【0056】
図5の半径方向の断面図は、再び、その前のチップ空間8を有するラジアル平面4内に配置された3つの切削インサート5を明らかに示している。更に、インサート座のシート面6a内のねじが切られたボア13を見ることが明らかに可能である。ボア13は、ボア12を通って完全に位置合わせされておらず、それによって、ねじが切られたボア13の中に係合する対応する締め付けスクリューが締め付けられたときに、切削インサート5が、インサート座のベース面6aのみならず、横方向の接触面6b及び6cとも固定的に接触するように運ばれる。
【0057】
本実施形態で使用される切削インサートは、ポジティブな切削形状、特に、リリーフ面とすくい面との間の切削端部11において90度未満の端部角度を有する、一方の側がインデックス可能な切削インサートであり、すくい面は、チップ形成溝、チップブレーカーなどによっても構築され得る。
【0058】
その後、切削インサート5及びそれらのシート6は、特に、切削端部11が実質的に回転軸3を含む平面内に配置されるように、配置され得る。
【0059】
それぞれのラジアル平面内に配置された切削インサートの数は少なくとも2つであるべきであり、それによって、雌ねじが、それに応じて、そのようなフライスによって素早く効果的に生み出され得る。ラジアル平面毎の切削インサートの数は、それに応じて大きな直径のねじも製造するより大きな直径のフライスに対して、特に、3つよりも多い。しかし、他の点では、切削インサートの数が、フライス又はそれぞれの切削部分の安定性の必要な整備及び利用可能な標準的な切削インサートのサイズによって制限される。
【0060】
インサート座及びチップ空間の提供が、必ず、切削部分の断面を低減させ、切削部分の安定性又は曲げ剛性を限定するので、本発明の一実施形態は、更に軸方向の前方に配置された切削インサートの切削チップが、更に軸方向の後方に配置された、すなわち、シャンクにより近い切削インサートの切削チップに対して、各場合においてシャンクに向かう次のラジアル面内よりも数マイクロメートルだけ大きくなるということをもたらし得る。
【0061】
それは、ねじ切りフライスの動作において、最も前方に配置されたフライスの部分又はその切削チップが、わずかに半径方向内向きに移動されるという事実を考慮している。
【0062】
本実施形態における隣接するラジアル面4、4…4の間の間隔dは12mmであり、したがって、1、1.5、2、3、4、及び6の共通の整数倍である。それは、図1で示されるようなねじ切りフライスを使用して、1、1.5、2、3、4、及び6のねじピッチを有する異なるねじを製造することを可能にする。この場合に、それぞれの各ラジアル平面の3つの切削インサートは、12mmの軸方向の長さのねじ部分を製造し、適切な前向きのフィード移動を伴って、切削インサート5、5…5によって製造されたねじのフライトが、正確にフィットされた関係において互いに続くことになる。そして、全体的なねじの長さは60mmである。インチサイズを使用するねじが全体的に類似するやり方で製造されるべきであり、単一のフライトのねじの場合には、インチサイズを使用してねじを製造するためのラジアル平面の間隔が、それぞれ、インチで表現されたねじピッチの整数倍に一致する。この場合にも、(インチサイズの)複数の標準的なねじピッチの共通の整数倍であるラジアル平面に関する間隔が、再び、好適である。
【0063】
切削インサートを有する、軸方向において継続して生じるラジアル平面の数も変更され得るが、同様に、ラジアル平面内の切削インサートの数は少なくとも2つであるべきであることが理解されるだろう。対応するねじ切りフライスの効率は、すなわち、時間の単位毎にそれらを伴って製造された所定の長さのねじの数は、ラジアル平面毎の切削インサートの数及び切削インサートが提供されるラジアル平面の数によって生じる。
【0064】
例えば、動作において、図1で示されたフライスは、先ず、軸方向において最も後ろのラジアル平面4の切削インサートの切削チップが、ボア開口部の領域内で近似的に配置されるような程度に適切に準備されたボアの中へと係合し、一方、切削部分の一部分は、ラジアル平面4から4内の他の切削インサートを伴って、ボアの中へ係合される。その後(又はボアとの係合の前又は間も)、フライスは、回転するように設定され、その後、切れ刃がボアの壁と係合し、且つ、ねじのフライトのそれぞれの部分を生み出すために開始するまで、半径方向内向きに配置され、その際に、全体のフライスが、ボアの軸の周りの螺旋において動き、その場合に、同時に、軸方向において前のラジアル平面の歯によって生み出されたねじのフライトと精密にフィットする関係において、軸方向の次のラジアル平面の切れ刃が到達するまで、前向きの方向において望ましいねじピッチに従い、その際に、フライスは再びねじのボアの軸に対して中心に置かれ、軸方向へ引かれる。そのようなやり方で、ねじは、単一のフライトのねじの場合に、ラジアル平面の間の間隔のn倍に一致する深さで製造され、ここで、nは、切削インサートを有する様々なラジアル平面の数である。
【0065】
本図面で示されるねじ切りフライスは、この明細書の最初の部分で説明されたねじ切りフライスと比較して、大幅に高められたレベルの効率を享受し、同時に、高度に多様化したやり方で使用され得る。また、それは、例えば、30mmのねじチップに関して比較的小さい回転輪直径を有するように製造され、その点に関して、標準的な切削インサートの使用のおかげで操業において比較的安価である。30mm未満の著しく小さい直径の雌ねじを製造するために、先ず、ラジアル平面毎の切削インサートの数が低減されるべきであり、一方、軸方向において様々なラジアル平面内に配置された切削インサートの数は、究極的には、製造されるべきねじの長さによってのみ限定される。
【0066】
図6は、本明細書において単一の切削インサート5’上で示さている考えられる切削コーナーの様々な形状を示している。その点では、概して、所望のねじを製造するために、切削シートが切削コーナーの形状に合致しなければならないので、切削インサートは、それぞれの同じ切削コーナーが均一に提供される。
【0067】
切削コーナー15は、実質的に台形状の輪郭であり、その点では自明に、互いに対して角度が付けられた切削端部の間の移行が、今度は、より小さな半径であり得る。切削コーナー15の場合に、切削端部11は、それらが、60度よりも大きな角度を含むようなやり方で角度が付けられ、それによって、そのような切削コーナーを伴って、そのフランク角が60度よりも大きいねじを製造することが可能である。切削コーナー15の場合には、切削端部11が終端部分の後ろで幾らか内向きに配置され、それによって、60度未満の角度が、切削端部11の終端部分の間に含まれ、それによって、60度未満のフランク角度を有するねじが、そのような切削コーナーを用いて製造され得る。任意選択的に、切削端部11の終端部分は、例えば、スピンドルドライブ(spindle drive)のためのねじを製造するために、近似的に平行に延在もし得る。
【0068】
元々の開示の目的は、本説明、図面、及び添付の特許請求の範囲から当業者が見ることができる全ての特徴が、たとえそれらが特定の他の特徴との関連でのみ特定の用語で説明されたとしても、単独で、且つ、明らかに排除されておらず、又は技術的な態様がそのような組み合わせを不可能若しくは無意味にすることがない限りにおいて、本明細書で開示された他の特徴又は特徴の集合と組み合わせることもできることに留意されたい。特徴の全ての考えられる組み合わせの包括的で明確な表現及び互いからの個別の特徴の独立性の強調は、本明細書における本説明の簡潔さ及び読みやすさのためにのみ提供される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6