特許第6752169号(P6752169)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6752169
(24)【登録日】2020年8月20日
(45)【発行日】2020年9月9日
(54)【発明の名称】熱電対式液位計測システム
(51)【国際特許分類】
   G01F 23/22 20060101AFI20200831BHJP
【FI】
   G01F23/22 A
【請求項の数】18
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-48780(P2017-48780)
(22)【出願日】2017年3月14日
(65)【公開番号】特開2018-151302(P2018-151302A)
(43)【公開日】2018年9月27日
【審査請求日】2019年8月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】507250427
【氏名又は名称】日立GEニュークリア・エナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】伏見 篤
(72)【発明者】
【氏名】小山 三輝雄
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 義之
(72)【発明者】
【氏名】和田 翔太
【審査官】 谷垣 圭二
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−530364(JP,A)
【文献】 特開2015−038488(JP,A)
【文献】 特開2013−124883(JP,A)
【文献】 特開2016−095186(JP,A)
【文献】 特開2016−020851(JP,A)
【文献】 特開2013−156036(JP,A)
【文献】 特開2013−140100(JP,A)
【文献】 特開2014−055945(JP,A)
【文献】 特開2009−198273(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0293608(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 23/22
G21C 17/035
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱電対と、該熱電対の近傍に配置したヒータを同一のシース内に収納したヒータ付熱電対をセンサ部として複数用いて容器内の液面を計測する熱電対式液位計測システムであって、
バッテリーと、前記熱電対の熱電対信号から液位を計測する第1の液位計測装置と、前記熱電対の熱電対信号及び前記ヒータのヒータ制御信号から液位を計測する第2の液位計測装置と、前記バッテリーの電力残量又は前記容器を設置している環境の温度に応じて前記第1の液位計測装置又は前記第2の液位計測装置の一方を選択して動作させる計測制御装置とを備え、
選択された前記第1の液位計測装置又は前記第2の液位計測装置による隣接する前記センサ部の温度差又は前記センサ部への通電開始時から通電完了時までの温度上昇量に基づいて前記容器内の液面を計測することを特徴とする熱電対式液位計測システム。
【請求項2】
請求項1に記載の熱電対式液位計測システムにおいて、
複数の前記ヒータ付熱電対は、前記容器内の高さ方向に配列されていると共に、複数の前記ヒータ付熱電対のそれぞれの一端には前記センサ部が備えられ、他端には第1のコネクタを介してケーブルが取付けられ、該ケーブルは、第2のコネクタを介して液位計盤に接続されていることを特徴とする熱電対式液位計測システム。
【請求項3】
請求項2に記載の熱電対式液位計測システムにおいて、
前記液位計盤は、熱電対温度変換器、ヒータ切換装置、ヒータ電源、第1の液位計測装置、第2の液位計測装置、計測タイマ及び計測制御装置から構成され、
前記液位計盤の内部では、複数の前記ヒータ付熱電対からの熱電対信号が前記熱電対温度変換器及び前記ヒータ切換装置にそれぞれ出力され、前記ヒータ切換装置は、ヒータ電源に接続され、前記熱電対温度変換器は、前記第1の液位計測装置と前記第2の液位計測装置に接続され、前記熱電対温度変換器の温度信号が、前記第1の液位計測装置と第2の液位計測装置に出力されると共に、
前記ヒータ切換装置に接続された前記ヒータ電源は、前記第2の液位計測装置に接続され、該第2の液位計測装置には、前記計測タイマが接続され、かつ、前記第1の液位計測装置及び前記第2の液位計測装置は、前記計測制御装置に接続され、該計測制御装置には表示装置が接続されていることを特徴とする熱電対式液位計測システム。
【請求項4】
請求項3に記載の熱電対式液位計測システムにおいて、
前記液位計盤には、バッテリーと外部電源が接続され電力が供給されることを特徴とする熱電対式液位計測システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱電対式液位計測システムにおいて、
前記センサ部は、前記シースに前記熱電対と前記ヒータ及びヒータリードが絶縁材により電気的に隔離されて格納されていることを特徴とする熱電対式液位計測システム。
【請求項6】
請求項1に記載の熱電対式液位計測システムにおいて、
前記第2の液位計測装置による計測が選択された場合に、予め設定した周期毎にタイミング信号を発する計測タイマを前記第2の液位計測装置に設け、前記第2の液位計測装置は、タイミング信号の受信と共に、前回計測した水位の直近のセンサ部を第1番目のセンサ部として選択する初期化装置と、前記熱電対信号及び前記ヒータ制御信号から前記センサ部が液面下にあるか液面上にあるかを判定する気液判定装置と、第1番目のセンサ部の前記気液判定装置による判定結果からその他のセンサ部への通電の是非と順序を決定する順序決定部と、前記気液判定装置による複数のセンサ部に対する判定結果から液面を判定し、液面判定後は残りのセンサ部への通電を中止する液面判定部とを備えていることを特徴とする熱電対式液位計測システム。
【請求項7】
請求項3又は4に記載の熱電対式液位計測システムにおいて、
前記第2の液位計測装置には、前記熱電対温度変換器から複数の温度信号が入力され、それぞれの前記温度信号は、通電開始パルスに接続された第1のラッチ回路と通電完了パルスに接続された第2のラッチ回路に入力され、前記第1及び第2のラッチ回路から減算器を介して出力された信号が、比較器に入力され該比較器に接続された設定器からの基準値と比較され、前記比較器からの出力は、前回計測した水位の直近のセンサ部を第1番目のセンサ部として選択する初期化装置、前記第1番目のセンサ部が選択された判定結果からその他のセンサ部への通電の是非と順序を決定する順序決定部、複数の前記センサ部に対する判定結果から液面を判定し、液面判定後は残りのセンサ部への通電を中止する液面判定部を備えた演算器に取り込まれ、前記演算器で演算結果として得られた液位信号、センサ選択信号、ヒータ通信信号が出力されることを特徴とする熱電対式液位計測システム。
【請求項8】
請求項7に記載の熱電対式液位計測システムにおいて、
前記第1及び第2のラッチ回路、前記減算器、前記比較器及び前記設定器で、前記熱電対信号及び前記ヒータ制御信号から前記センサ部が液面下にあるか液面上にあるかを判定する気液判定装置を構成していることを特徴とする熱電対式液位計測システム。
【請求項9】
請求項8に記載の熱電対式液位計測システムにおいて、
前記気液判定装置は、前記熱電対からの信号が前記熱電対温度変換器で変換された温度信号を、通電開始時に発生させた通電開始パルス及び通電完了時に発生させた通電完了パルスに同期したタイミングで前記第1及び第2のラッチ回路により取込み、取り込んだ通電開始時の温度と通電完了時の温度は前記減算器に入力され、両者の差として温度上昇量が出力されると共に、この温度上昇量は前記比較器に入力され、前記設定器により予め設定された温度上昇量の判定しきい値と比較され、かつ、前記温度上昇量が判定しきい値よりも大きい場合は気中と判定して1を出力し、前記温度上昇量が判定しきい値以下の場合は液面下と判定して0を出力することを特徴とする熱電対式液位計測システム。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれか1項に記載の熱電対式液位計測システムにおいて、
前記第2の液位計測装置は、前記第2の液位計測装置による計測が選択された場合に、前記計測制御装置に前記熱電対信号及び前記ヒータ制御信号に基づいて電流値及び/又は通電時間を設定する電流設定器を備えていることを特徴とする熱電対式液位計測システム。
【請求項11】
請求項1に記載の熱電対式液位計測システムにおいて、
前記第1の液位計測装置は、複数の前記センサ部の熱電対信号から隣接するセンサ部の温度差を算出する温度差検出部と、該温度差検出部で検出された温度差が所定値以上となった際に隣接する2つの前記センサ部の間に液位があると判定する液面判定部とを備えていることを特徴とする熱電対式液位計測システム。
【請求項12】
請求項3又は4に記載の熱電対式液位計測システムにおいて、
前記第1の液位計測装置には、前記熱電対温度変換器から複数の温度信号が入力され、それぞれの前記温度信号は、複数の前記センサ部の熱電対信号から隣接するセンサ部の温度差を算出する温度差検出部を構成する減算器に入力され、前記減算器の出力が比較器に入力されると共に、前記比較器には判定の基準値を与えるための設定器が接続され、前記温度差検出部で検出された温度差が前記設定器で与える基準値以上となった際に、隣接する2つの前記センサ部の間に液位があると判定する液面判定部を構成し、かつ、前記比較器の出力は演算器に入力され、前記演算器からは液位信号が出力されることを特徴とする熱電対式液位計測システム。
【請求項13】
請求項12に記載の熱電対式液位計測システムにおいて、
前記温度差検出部で検出された温度差が前記設定器で与える基準温度差よりも大きいときに1が、基準温度差よりも小さいときに0が出力され、これらの出力結果は前記演算器に入力され、前記基準温度差を超える温度差をもつ隣接する前記センサ部の中間の高さを液面と判定し、この値を前記計測制御装置が備えているメモリに保存すると共に、液位信号を出力し、出力された液位信号に基づき前記計測制御装置に接続されている表示装置が液位の表示を更新することを特徴とする熱電対式液位計測システム。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか1項に記載の熱電対式液位計測システムにおいて、
前記計測制御装置は、前記第2の液位計測装置による液位計測に自動的に切り換える自動切換装置を備えていると共に、前記バッテリーは、該バッテリーの電力の残量を検出する電力残量センサを備えていることを特徴とする熱電対式液位計測システム。
【請求項15】
請求項14に記載の熱電対式液位計測システムにおいて、
前記第1の液位計測装置を構成する演算器に、液位判定の可否を判定して結果信号を出力する可否判定装置を備え、前記可否判定装置での結果信号を受信して液位判定が不可である場合に、前記自動切換装置により前記第2の液位計測装置による液位計測に自動的に切り換えることを特徴とする熱電対式液位計測システム。
【請求項16】
請求項14に記載の熱電対式液位計測システムにおいて、
前記バッテリーの電力残量センサによる前記バッテリーの電力残量が所定の電力残量以下となった場合に、前記自動切換装置により前記第2の液位計測装置による計測から前記第1の液位計測装置による計測に切り換えることを特徴とする熱電対式液位計測システム。
【請求項17】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の熱電対式液位計測システムにおいて、
前記第2の液位計測装置から前記第1の液位計測装置へ切り換えて選択信号が変化した時に、前記選択信号の変化を指数関数に当てはめて外挿し、前記第1の液位計測装置に入力された温度信号の値を外挿値で置換する温度予測器を備えていることを特徴とする熱電対式液位計測システム。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれか1項に記載の熱電対式液位計測システムにおいて、
前記計測制御装置は、操作員が各種操作・選択を実施するための操作盤を備え、前記操作盤には起動ボタン、停止ボタン、前記第1の液位計測装置の選択ボタン及び前記第2の液位計測装置の選択ボタンが配置され、かつ、前記起動ボタン、前記停止ボタン、前記第1の液位計測装置の選択ボタン及び前記第2の液位計測装置の選択ボタンは、制御器に接続されていると共に、前記制御器は、計測された液位を保存するためのメモリを備え、前記操作盤に基づく各種操作・選択信号と共に、現在の液位を通信装置によって、前記第1の液位計測装置及び前記第2の液位計測装置へ送信することを特徴とする熱電対式液位計測システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱電対式液位計測システムに係り、特に、熱電対とヒータから成るセンサを用いて容器内に貯蔵された液体の液位を計測するものに好適な熱電対式液位計測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
容器内の液体の液位を計測する液位計として、ヒータ付熱電対をセンサとして用いたものが利用されている。ヒータ付熱電対は、ニッケルクロム合金等のヒータと熱電対とを一体としたものであり、ヒータに電流を通電したときの熱電対の温度上昇からセンサが液面下にあるのか液面上にあるのか検出することができる。
【0003】
液位計として用いる場合は、複数のセンサを異なる高さに配置して、それぞれのセンサが液面上にあるのか液面下にあるのかを検出し、液面上にあるセンサと液面下にあるセンサの間に液面が存在すると判定するものである。即ち、離散的に水位を計測する液位計であり、フロート式や圧力式の液位計のように連続的な水位を計測できる液位計に比べて計測値の細かさで劣るものの、センサを金属やその他の無機物で構成することができるため、高温や高放射線環境下でも使用できる利点がある。
【0004】
また、上述したヒータ付熱電対を用いた液位計は、電流を印加してから温度上昇の違いを判定するまでに時間を要する。特に、1つの電源を順次切り換えて複数のヒータに電流を印加する方式では、全てのヒータに通電して初めて液面を計測することができる。そのため、液面を計測に要する時間が長く、短時間に変動する液面をすばやく計測するには工夫を要する。
【0005】
特許文献1には、構造物内の液面レベルを、その液面の高低に拘らず短時間に計測するために、温度センサがプール水中または空気中で温度を計測する水位温度計測器と、温度センサのヒータへ電力を供給し発熱させて、この温度センサを計測状態とするヒータON/OFF回路と、水位温度計測器の複数の温度センサを計測状態とする順番を決定して設定し、この順番に基づいてヒータON/OFF回路によるヒータへの給電を制御するヒータ制御装置と、水位温度計測器からの温度情報とヒータON/OFF回路からのヒータへの給電情報とに基づいて、使用済燃料貯蔵プールのプール水の水位を判定する判定部と、を有して構成された液面レベル計測システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016−20851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したように、ヒータ付熱電対を用いた液位計では、センサ部の液面下での温度上昇と液面上での温度上昇の違いが明確になるようにヒータに電流を通電する必要がある。そのため、ヒータ付熱電対を用いた液位計は、受動的なセンサを用いる場合に比べて動作時の消費電力が大きいという課題がある。特に、バッテリーでしか動作させることができない場合、あるいは高信頼化のため外部から電力が供給されない事態に備えてバッテリーを併用する場合、消費電力が大きいことが課題となる。
【0008】
例えば、原子力発電所では、外部からの送電も非常時用発電機も使用不能となった場合に備えて、バッテリーにより非常時の発電所の安定化に必要な電力を供給する仕組みとなっている。原子力発電所では、様々なポンプやバルブ、制御機器などを動作させる必要があるため、バッテリーは大容量のものが設置される。このとき、原子力発電所内の重要な設備に対して、非常時の過酷な温度や放射線環境を考慮してヒータ付熱電対を用いた液位計を設置することが有効であるが、受動的なセンサに比べて消費電力が大きく、動作可能時間を長くするためには、バッテリー容量の増大が必要となる可能性がある。
【0009】
また、バッテリー容量を変えずに動作時間を長くするために、測定の周期を長くすることで動作継続時間を伸長することもできるが、監視性の低下を伴う。
【0010】
ところが、上述した特許文献1には、上記した課題についての対策については、全く記載されていない。
【0011】
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、ヒータ付熱電対を用いた液位計を使用するものであっても、過酷な環境で液位を計測できて信頼性を維持することができるか、或は監視性を低下させることなくバッテリーによる動作継続時間を伸長することが可能な熱電対式液位計測システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の熱電対式液位計測システムは、上記目的を達成するために、熱電対と、該熱電対の近傍に配置したヒータを同一のシース内に収納したヒータ付熱電対をセンサ部として複数用いて容器内の液面を計測する熱電対式液位計測システムであって、バッテリーと、前記熱電対の熱電対信号から液位を計測する第1の液位計測装置と、前記熱電対の熱電対信号及び前記ヒータのヒータ制御信号から液位を計測する第2の液位計測装置と、前記バッテリーの電力残量又は前記容器を設置している環境の温度に応じて前記第1の液位計測装置又は前記第2の液位計測装置の一方を選択して動作させる計測制御装置とを備え、選択された前記第1の液位計測装置又は前記第2の液位計測装置による隣接する前記センサ部の温度差又は前記センサ部への通電開始時から通電完了時までの温度上昇量に基づいて前記容器内の液面を計測することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ヒータ付熱電対を用いた液位計を使用するものであっても、過酷な環境で液位を計測できて信頼性を維持することができるか、或は監視性を低下させることなくバッテリーによる動作継続時間を伸長することが可能な熱電対式液位計測システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の熱電対式液位計測システムの実施例1を示す全体構成図である。
図2(a)】本発明の熱電対式液位計測システムの実施例1に採用されるヒータ付熱電対のセンサ部を示す縦断面図である。
図2(b)】図2(a)のA−A線に沿う断面図である。
図3】本発明の熱電対式液位計測システムの実施例1に採用される計測制御装置を示す構成図である。
図4】本発明の熱電対式液位計測システムの実施例1に採用される第1の液位計測装置を示す構成図である。
図5】本発明の熱電対式液位計測システムの実施例1に採用される第2の液位計測装置を示す構成図である。
図6】本発明の熱電対式液位計測システムの実施例1における動作を示すフローチャートである。
図7】本発明の熱電対式液位計測システムの実施例1に採用される第1の液位計測装置による液面判定例を示す図である。
図8(a)】本発明の熱電対式液位計測システムの実施例1に採用される気液判定装置による液面下の判定例を示す図である。
図8(b)】本発明の熱電対式液位計測システムの実施例1に採用される気液判定装置による液面上の判定例を示す図である。
図9】本発明の熱電対式液位計測システムの実施例1に採用される第2の液位計測装置による通電タイミングの一例を示す図である。
図10】本発明の熱電対式液位計測システムの実施例2を示す全体構成図である。
図11】本発明の熱電対式液位計測システムの実施例2における熱電対で計測した温度と、その時に設定すべき電流設定器の電流値との対応表の一例を示す図である。
図12】本発明の熱電対式液位計測システムの実施例3を示す全体構成図である。
図13】本発明の熱電対式液位計測システムの実施例3に採用される第1の液位計測装置を示す構成図である。
図14】本発明の熱電対式液位計測システムの実施例3における動作を示すフローチャートであり、第1の液位計測装置による計測が選択された場合の例である。
図15】本発明の熱電対式液位計測システムの実施例3における動作を示すフローチャートであり、第2の液位計測装置による計測が選択された場合の例である。
図16】本発明の熱電対式液位計測システムの実施例4を示す全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図示した実施例に基づいて本発明の熱電対式液位計測システムを説明する。なお、各実施例において、同一構成部品には同符号を使用する。
【実施例1】
【0016】
図1に、本発明の熱電対式液位計測システムの実施例1を示す。
【0017】
該図に示すように、本実施例の熱電対式液位計測システムは、容器1内の液面2を計測するために、支持材3に支持された4本のヒータ付熱電対4a、4b、4c、4d(ヒータ付熱電対は、4本に限らず複数本あれば良い)が高さ方向に配列されている。ヒータ付熱電対4a、4b、4c、4dのそれぞれの一端には、センサ部5a、5b、5c、5dが備えられており、他端には第1のコネクタ6a、6b、6c、6dを介してケーブル7a、7b、7c、7dが取付けられている。ケーブル7a、7b、7c、7dは、第2のコネクタ8a、8b、8c、8dを介して液位計盤100に接続されている。
【0018】
液位計盤100は、熱電対温度変換器9、ヒータ切換装置10、ヒータ電源11、第1の液位計測装置12、第2の液位計測装置13、計測タイマ14及び計測制御装置15から構成されている。
【0019】
液位計盤100の内部では、各ヒータ付熱電対4a、4b、4c、4dからの熱電対信号が熱電対温度変換器9及びヒータ切換装置10にそれぞれ出力される。また、ヒータ切換装置10は、ヒータ線を介してヒータ電源11に接続されている。熱電対温度変換器9は、第1の液位計測装置12と第2の液位計測装置13に接続され、熱電対温度変換器9の信号が、第1の液位計測装置12と第2の液位計測装置13に出力される。ヒータ切換器10に接続されたヒータ電源11は、第2の液位計測装置13に接続されている。第2の液位計測装置13には、予め設定した周期毎にタイミング信号を発する計測タイマ14が接続されている。また、第1の液位計測装置12及び第2の液位計測装置13は、計測制御装置15に接続され、計測制御装置15には表示装置16が接続されている。更に、液位計盤100には、バッテリー17と外部電源18から電力が供給される。
【0020】
図2(a)、図2(b)に、上述した4つのうちの1つのヒータ付熱電対4aのセンサ部5aの詳細を示す。
【0021】
図2(a)、図2(b)に示すように、センサ部5aは、シース21に熱電対22とヒータ23及びヒータリード24が無機物などの絶縁材25により電気的に隔離されて格納されている。
【0022】
図3に、本実施例で採用される計測制御装置15の構成例を示す。
【0023】
該図に示すように、計測制御装置15には、操作員が各種操作・選択を実施するための操作盤31が備えられており、操作盤31には起動ボタン32、停止ボタン33、第1の液位計測装置12の選択ボタン34及び第2の液位計測装置13の選択ボタン35が配置されている。
【0024】
これらの起動ボタン32、停止ボタン33、第1の液位計測装置12の選択ボタン34及び第2の液位計測装置13の選択ボタン35は、制御器36に接続されている。制御器36には、計測された液位を保存するためのメモリ37が付属しており、操作盤31に基づく各種操作・選択信号と共に、現在の液位を通信装置38及び39によって、第1の液位計測装置12及び第2の液位計測装置13へ送信することができるようになっている。
【0025】
図4に、本実施例で採用される第1の液位計測装置12の構成例を示す。
【0026】
該図に示すように、本実施例で採用される第1の液位計測装置12は、複数のセンサ部5a、5b、5c、5dの熱電対信号から隣接するセンサ部の温度差を算出する温度差検出部46と、この温度差検出部46で検出された温度差が所定値以上となった際に隣接する2つのセンサ部の間に液位があると判定する液面判定部47とを備えている。
【0027】
そして、第1の液位計測装置12には、熱電対温度変換器9から温度信号45a、45b、45c、45dが入力され、それぞれの温度信号45a、45b、45c、45dは、温度差検出部46を構成する減算器41a、41b、41cに入力され、減算器41a、41b、41cの出力が、比較器42a、42b、42cに入力される。比較器42a、42b、42cへのもう1つの入力として、判定の基準値を与えるための設定器44が接続され、この比較器42a、42b、42cと設定器44で液面判定部47を構成する。比較器42a、42b、42cの出力は演算器43に入力され、演算器43からは液位信号60が出力される。
【0028】
図5に、本実施例で採用される第2の液位計測装置13の構成例を示す。
【0029】
該図に示すように、第2の液位計測装置13には、熱電対温度変換器9から温度信号51a、51b、51c、51dが入力され、それぞれの温度信号51a、51b、51c、51dは、通電開始パルス52a、52b、52c、52dに接続されたラッチ回路53a、53b、53c、53dと通電完了パルス54a、54b、54c、54dに接続されたラッチ回路55a、55b、55c、55dに入力され、減算器56a、56b、56c、56dを介して出力された信号が、比較器58a、58b、58c、58dにおいて設定器57からの基準値と比較される。比較器58a、58b、58c、58dの出力は、タイミング信号の受信と共に前回計測した水位の直近のセンサ部を第1番目のセンサ部として選択する初期化装置101、第1番目のセンサ部の気液判定装置102による判定結果からその他のセンサ部への通電の是非と順序を決定する順序決定部103、気液判定装置102による複数のセンサ部5a、5b、5c、5dに対する判定結果から液面を判定し、液面判定後は残りのセンサ部への通電を中止する液面判定部104を備えた演算器59に取り込まれ、演算結果として得られた液位信号60、センサ選択信号110、ヒータ通信信号111が出力される。
【0030】
なお、ラッチ回路53a、53b、53c、53d、55a、55b、55c、55d、減算器56a、56b、56c、56d、比較器58a、58b、58c、58d、設定器57で気液判定装置102を構成しており、この気液判定装置102で、熱電対22からの信号及びヒータ23からの制御信号に基づいてセンサ部5a、5b、5c、5dが液面下にあるか液面上にあるかを判定している。
【0031】
次に、上述した本実施例の熱電対式液位計測システムの動作について、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0032】
本実施例の熱電対式液位計測システムは、操作員が図3に示す操作盤31の起動ボタン32を押下することで計測を開始する(S1)。このとき、第1の液位計測装置12の選択ボタン34が押下されていれば第1の液位計測装置12による計測が、第2の液位計測装置13の選択ボタン35が押下されていれば第2の液位計測装置13による計測が選択される(S2)。
【0033】
第1の液位計測装置12による計測が選択されている場合、第1の液位計測装置12は、ヒータ付熱電対4a、4b、4c、4dのセンサ部5a、5b、5c、5dに備えられた熱電対22からの信号を熱電対温度変換器9で温度信号45a、45b、45c、45dに変換して取込む(S3)。取り込まれた温度信号45a、45b、45c、45dは、減算器41a、41b、41cに入力されて、隣接するセンサ部5a、5b、5c、5dの間(2つのセンサ部の間)の温度差が出力される。減算器41a、41b、41cから出力された温度差は、比較器42a、42b、42cに入力され、設定器44で設定された基準となる温度差(例えば、5℃)と比較され、温度差が基準温度差よりも大きいときに1が、基準温度差よりも小さいときに0が出力される。
【0034】
これらの出力結果は演算器43に入力され、基準温度差を超える温度差をもつ隣接するセンサ部の中間(2つのセンサ部の間)の高さを液面と判定し(S4)、この値をメモリ37に保存する(S5)と共に、液位信号60を出力する。出力された液位信号60に基づき表示装置16が液位の表示を更新する(S6)。
【0035】
図7に、第1の液位計測装置12による液面の判定例を示す。
【0036】
該図に示す例では、4つのセンサ部5a、5b、5c、5dから出力された温度信号45a、45b、45c、45dのうち、温度信号45bと45cの間で温度差が基準値となる5℃を超えており、センサ部5bとセンサ部5cの中間の高さが液面として判定されていることが分かる。第1の液位計測装置12が選択されている期間は、停止ボタン33が押されるまで上述の処理を一定周期で繰り返す。
【0037】
一方、第2の液位計測装置13による計測が選択されている場合、第2の液位計測装置13は、最初に計測タイマ14からのタイミング信号を待つ(S9)。タイミング信号を受信後に、演算器59の初期化装置101は前回液面の直下センサを選択するが、最初の計測では前回値が無いため、初期値として最下のセンサ部5dを選択する。
【0038】
そして、第2の液位計測装置13からのセンサ選択信号110(図5参照)によりヒータ切換装置10をヒータ付熱電対4dに接続し、ヒータ通電信号111(図5参照)によりヒータ電源11を所定の時間ONする。
【0039】
これにより、センサ部5dのヒータ23に予め設定した電流が印加され、センサ部5dが加熱されて熱電対22の温度が上昇する。所定の時間が経過するとヒータ通電信号111によりヒータ電源11はOFFとなり、加熱が停止する。第2の液位計測装置13の気液判定装置102は、熱電対22からの信号が熱電対温度変換器9で変換された温度信号51dを、通電開始時に発生させた通電開始パルス52d及び通電完了時に発生させた通電完了パルス54dに同期したタイミングでラッチ回路53d及び55dにより取込む。取り込んだ通電開始時の温度と通電完了時の温度は減算器56dに入力され、両者の差として温度上昇量が出力される。この温度上昇量は比較器58dに入力され、設定器57により予め設定された温度上昇量の判定しきい値と比較される。
【0040】
そして、温度上昇量が判定しきい値よりも大きい場合、気中と判定して1を出力する。また、温度上昇量が判定しきい値以下の場合、液面下と判定して0を出力する(S10)。
【0041】
図8(a)、図8(b)に、気液判定装置102の判定例を示す。
【0042】
図8(a)、図8(b)に示す例では、液面下にセンサ部がある場合(図8(a))には、温度上昇が約9℃となり、約40℃に設定された判定しきい値を超えない。一方、液面上(気中)にセンサ部がある場合(図8(b))には、温度上昇が約89℃となり、約40℃に設定された判定しきい値を超える。このように適切に判定しきい値を設定することにより、センサ部が液面下にあるのか気中にあるのかを判定できる。
【0043】
センサ部5dの判定結果が液面下の場合(S11)、演算器59の順序決定部103は、最初に選択したセンサ部5dの直上から上に向かってセンサ部の通電順序を設定する。即ち、センサ部5c、センサ部5b、センサ部5aの順に選択される。
【0044】
そして、センサ部5dの気液判定を実施した場合と同じ手順により、選択されたセンサ部に順次通電し、気液判定を実施する(S12)。選択されたセンサ部が液面上、即ち、気中と判定されたら、以降のセンサ部への通電は中止し、液面判定に進む(S13)。液面判定部104は、液面下と判定されたセンサ部と気中と判定されたセンサ部の中間の高さに液面があると判定し(S14)、液面をメモリ37に保存して(S15)液位信号60を出力する。出力された液位信号60に基づき表示装置16が液位の表示を更新する(S16)。
【0045】
一方、センサ部5dが気中の場合、直下から下に向かってセンサ部の通電順序を設定するが、センサ部5dは最下のセンサ部であるため、順序決定部103は選択センサ部無しとして、液面判定に進む(S18)。この場合は、液面判定部104で液面なしと判定される(S14)。
【0046】
図9に、第2の液位計測装置13が選択された場合の通電タイミングの一例を示す。
【0047】
該図に示す例では、最初にセンサ部5dが選択されヒータ23に通電される。このとき、液面2は、センサ部5bとセンサ部5cの間にあるので、センサ部5dは液面下と判定される。そこで、直上のセンサ部5cが次のセンサ部として選択される。センサ部5cは液面下と判定されるので、その上にあるセンサ部5bが選択される。センサ部5bは液面上にあるため、センサ部5bは気中と判断され、これより後のセンサ部5aへの通電は中止されて、液面2がセンサ部5bとセンサ部5cの中間と判定される。
【0048】
二回目の計測は、計測タイマ14により所定の周期が経過した後に発生されるタイミング信号が受信して開始される。二回目の計測では、初期化装置101により前回液面の直下であるセンサ部5cが選択される。二回目の計測では液面2が変化していないので、センサ部5cは液面下であると判定される。
【0049】
そして、順序決定部103により次のセンサ部は直上から上方向へセンサ部5b、センサ部5aの順に選択される。センサ部5bは気中と判定されるため、この後のセンサ部5aへの通電は中止されて液面判定に進み、液面2はセンサ部5bとセンサ部5cの中間と判定される。
【0050】
三回目の計測では、液面2がセンサ部5cとセンサ部5dの間に低下している。最初にセンサ部5cが初期化装置101により選択され、気中と判定される。これを受けて、順序決定部103は、直下のセンサ部5dから下方向にセンサ部を選択する。ただし、このケースでは、センサ部5dよりも下にセンサ部がないため、センサ部5dのみが選択される。
【0051】
そして、センサ部5dは液面下と判定されるため、この段階で液面判定に進んで液面2は、センサ部5cとセンサ部5dの中間と判定される。四回目の計測では、初期化装置101により前回液面の直下であるセンサ部5aが最初に選択されている。
【0052】
このような液面測定の過程において、例えば、容器1を設置している環境の温度が上昇して液中の温度と差が小さくなった場合、操作員が第1の液位計測装置12を用いた温度のみによる計測が十分機能していないと判断して、第2の液位計測装置13の選択ボタン35を押下することにより、第2の液位計測装置13のヒータ23による加熱を使用して液面を判定する計測に切り換えて計測の信頼性を維持することができる。
【0053】
また、例えば、バッテリー17の電力残量が残り少なくなり、第2の液位計測装置13でヒータ23による加熱による液位計測の継続が難しくなった場合、第1の液位計測装置12の選択ボタン34を押下することにより、第1の液位計測装置12を用いた温度のみによる計測に切り換えることができる。これにより、バッテリー17の電力残量が少なくなった場合にも計測を継続することが可能となる。
【0054】
このように、本実施例を用いれば、操作員により適切に計測方式を切り換えることが可能となり、監視性を低下することなくバッテリー17の容量を小さくすることができ、バッテリーコストの削減と軽量化及び小型化を図ることができる。また、万一、バッテリー17の蓄電電力残量が少なくなった場合にも、一定の環境条件化において動作を継続することが可能となる。
【0055】
従って、本実施例の構成とすることにより、ヒータ付熱電対を用いた液位計を使用するものであっても、過酷な環境で液位を計測でき、かつ、監視性を低下させることなくバッテリーによる動作継続時間を伸長することが可能となる。
【実施例2】
【0056】
図10に、本発明の熱電対式液位計測システムの実施例2を示す。
【0057】
本実施例の熱電対式液位計測システムは、図1の実施例1の場合と比べて、液位計盤100に電流設定器19が追加されている点が異なる。
【0058】
即ち、液位計盤100を構成する第2の液位計測装置13に、第2の液位計測装置13による計測が選択された場合に、計測制御装置15に熱電対22からの信号及びヒータ23からの制御信号に基づいて電流値及び/又は通電時間を設定する電流設定器19を備えているものである。
【0059】
本実施例の電流設定器19は、第2の液位計測装置13が選択された場合に、ヒータ23に通電する電流を気液判定に必要な最適な値に設定するものである。
【0060】
図11に、熱電対22で計測した温度と、その時に設定すべき電流設定器19の電流値との対応表の一例を示す。
【0061】
本実施例で追加された電流設定器19は、熱電対温度変換器9で変換された温度信号51a、51b、51c、51dを第2の液位計測装置13を介して入力され、入力された温度を図11の表に当てはめて、内挿により電流設定値を決定して第2の液位計測装置13に送信する。第2の液位計測装置13は、送信されてきた電流値をヒータ通電信号111と共に、ヒータ電源11に送信して電流値を制御する。
【0062】
これにより、実施例1と同様な効果が得られることは勿論、ヒータ通電に必要な電力を最小にすることができ、更にバッリー17の使用期間を伸長できる。
【実施例3】
【0063】
図12に、本発明の熱電対式液位計測システムの実施例3を示す。
【0064】
本実施例の熱電対式液位計測システムは、図1の実施例1の場合と比べて、計測制御装置15に自動切換装置20が追加されると共に、バッテリー17に電力の残量を検出する電力残量センサ61が追加されている点が異なる。
【0065】
また、図13は、本実施例の熱電対式液位計測システムに採用される第1の液位計測装置12の構成例を示す。
【0066】
本実施例の熱電対式液位計測システムに採用される第1の液位計測装置12は、図4に示した実施例1の熱電対式液位計測システムに採用される第1の液位計測装置12に比較して、演算器43内に液位判定の可否を判定して結果信号を出力する可否判定装置48を追加している点が異なる。
【0067】
そして、この可否判定装置48での結果信号を受信して液位判定が不可である場合に、自動切換装置20により第2の液位計測装置13による液位計測に自動的に切り換え、また、バッテリー17の電力残量センサ61によるバッテリー17の電力残量が所定の電力残量以下となった場合には、自動切換装置20により第2の液位計測装置13による計測から第1の液位計測装置12による計測に切り換えるものである。
【0068】
図14のフローチャートに示すように、本実施例に採用される第1の液位計測装置12による計測が選択されている場合に、減算器42a、42b、42cによる温度差がいずれも設定器44の基準値に達していないと、可否判定装置48が計測制御装置15に対して判定不可信号63を送信する。判定不可信号63を受信した計測制御装置15は、自動切換装置20により、自動的に計測制御装置15の選択を第2の液位計測装置13に切り換える処理(SS1)を、S4とS5の間に追加している。
【0069】
これにより、操作員が常時監視して選択を切り換えできない場合にも、第1の液位計測装置12による監視が不十分な場合に、第2の液位計測装置13のヒータ23による加熱を使用した液面判定に切り換り、信頼性の高い計測を継続できる。
【0070】
また、図15のフローチャートに示すように、第2の液位計測装置13による計測が選択されている場合に、バッテリー17の電力残量センサ61からの電力残量信号が所定値よりも小さくなった場合に、自動切換装置20は自動的に計測制御装置15の選択を第1の液位計測装置12に切り換える処理(SS2)を、S2とS9の間に追加している。
【0071】
これにより、実施例1と同様な効果が得られることは勿論、操作員が常時監視して選択を切り換えできない場合にも、バッテリー17の電力残量が少なくなった場合に計測を継続することができる。
【実施例4】
【0072】
図16に、本発明の熱電対式液位計測システムの実施例4を示す。
【0073】
本実施例の熱電対式液位計測システムは、図1の実施例1の場合と比べて、第1の液位計測装置12に温度予測器62が追加されている点が異なる。
【0074】
本実施例の熱電対式液位計測システムでは、第2の液位計測装置13が選択されている場合、ヒータ23には通電が実施されるため、センサ部5a、5b、5c、5dの温度は、本来の液中の温度よりも上昇している。この状態で、操作員が第1の液位計測装置12の選択ボタン34を押下すると、ヒータ23の通電が完了してから十分時間が経過した後は正しい計測が可能となるものの、切り換え直後はヒータ通電の影響で液位判定が正しく機能しない可能性がある。
【0075】
本実施例での温度予測器62は、第2の液位計測装置13から第1の液位計測装置12に切り換えた直後に選択信号が変化した時において、温度変化を指数関数等に当てはめて外挿し、第1の液位計測装置12に入力された温度信号45a、45b、45c、45dの値を外挿値で置換する。
【0076】
これにより、実施例1と同様な効果が得られることは勿論、第2の液位計測装置13から第1の液位計測装置12に切り換えた直後においても、正しい液位判定が可能となる。
【0077】
なお、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成を置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0078】
1…容器、2…液面、3…支持材、4a、4b、4c、4d…ヒータ付熱電対、5a、5b、5c、5d…センサ部、6a、6b、6c、6d…第1のコネクタ、7a、7b、7c、7d…ケーブル、8a、8b、8c、8d…第2のコネクタ、9…熱電対温度変換器、10…ヒータ切換装置、11…ヒータ電源、12…第1の液位計測装置、13…第2の液位計測装置、14…計測タイマ、15…計測制御装置、16…表示装置、17…バッテリー、18…外部電源、19…電流設定器、20…自動切換装置、21…シース、22…熱電対、23…ヒータ、24…ヒータリード、25…絶縁材、31…操作盤、32…起動ボタン、33…停止ボタン、34…第1の液位計測装置の選択ボタン、35…第2の液位計測装置の選択ボタン、36…制御器、37…メモリ、38、39…通信装置、41a、41b、41c、56a、56b、56c、56d…減算器、42a、42b、42c、58a、58b、58c、58d…比較器、43、59…演算器、44、57…設定器、45a、45b、45c、45d、51a、51b、51c、51d…温度信号、46…温度差検出部、47,104…液面判定部、48…可否判定装置、52a、52b、52c、52d…通電開始パルス、53a、53b、53c、53d、55a、55b、55c、55d…ラッチ回路、54a、54b、54c、54d…通電完了パルス、60…液位信号、61…バッテリーの電力残量センサ、62…温度予測器、63…判定不可信号、100…液位計盤、101…初期化装置、102…気液判定装置、103…順序決定部、110…センサ選択信号、111…ヒータ通電信号。
図1
図2(a)】
図2(b)】
図3
図4
図5
図6
図7
図8(a)】
図8(b)】
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16