特許第6752404号(P6752404)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6752404
(24)【登録日】2020年8月21日
(45)【発行日】2020年9月9日
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20200831BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20200831BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20200831BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20200831BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20200831BHJP
   H01M 10/6565 20140101ALI20200831BHJP
   H01M 10/6563 20140101ALI20200831BHJP
   H01M 10/6554 20140101ALI20200831BHJP
【FI】
   H01M2/10 E
   H01M2/10 S
   H01M10/44 P
   H01M10/613
   H01M10/625
   H01M10/647
   H01M10/6565
   H01M10/6563
   H01M10/6554
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-32812(P2017-32812)
(22)【出願日】2017年2月24日
(65)【公開番号】特開2018-137193(P2018-137193A)
(43)【公開日】2018年8月30日
【審査請求日】2018年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】505083999
【氏名又は名称】ビークルエナジージャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中野 洋一
(72)【発明者】
【氏名】中島 孝行
(72)【発明者】
【氏名】関根 篤
(72)【発明者】
【氏名】阿部 健太郎
【審査官】 太田 一平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−170536(JP,A)
【文献】 特開2012−028186(JP,A)
【文献】 特開2011−175743(JP,A)
【文献】 特開2016−201260(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 10/52 − 10/667
H01M 10/42 − 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蓄電池を積層させた電池群と、前記電池群の一端に配置される、端子が配置された端子台と、一方側の面にコネクタを有し、前記電池群の充放電を制御する制御基板と、を備えた電池パックにおいて、
前記端子台凹部を有し、
前記制御基板は、前記凹部に前記コネクタが収納されるように前記端子台の前記電池群と反対側の面に前記端子台に対向するように取り付けられ、
前記端子台は、前記制御基板と対向するようにファンが内蔵され、前記端子台の内部に前記ファンにつながる流路を有し、前記ファンによって前記流路に冷媒が引き込まれる
ことを特徴とする電池パック。
【請求項2】
請求項に記載の電池パックにおいて、
前記制御基板は2つのコネクタを有し、
一方のコネクタは他方のコネクタよりも高電圧の部材と接続され、
前記一方のコネクタは前記電池群の一方の側面側に、前記他方のコネクタは前記電池群の他方の側面側に配置されるように前記制御基板に設けられることを特徴とする電池パック。
【請求項3】
請求項1乃至の何れかに記載の電池パックにおいて、
前記制御基板はシャント抵抗を有し、
前記シャント抵抗は前記電池群の上面側に配置されるように、前記制御基板に設けられることを特徴とする電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車載用途等に使用される電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、再充電可能な二次電池の分野では、鉛電池、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池等の水溶液系電池が主流であった。しかしながら、電気機器の小型化、軽量化が進むにつれ、高エネルギー密度を有するリチウム二次電池が着目され、その研究、開発及び商品化が急速に進められた。
【0003】
一方、地球温暖化や枯渇燃料の問題から電気自動車(EV)や駆動の一部を電気モーターで補助するハイブリッド電気自動車(HEV)が各自動車メーカーで開発され、その電源として高容量で高出力な二次電池が求められるようになってきた。このような要求に合致する電源として、高電圧を有する非水溶液系のリチウム二次電池が注目されている。特に角形リチウム二次電池はパック化した際の体積効率が優れているため、HEV用あるいはEV用として角形リチウム二次電池の開発への期待が高まっている。
【0004】
多数個の二次電池を収納したモジュールケースに、二次電池の電圧検出機能や電圧制御機能あるいは検出信号や制御信号の入出力機能を有するセルコントロールユニットを組み付けて構成することで取り扱いを簡便とし、かつ信頼性の向上を図った移動体搭載用バッテリ装置が提案されている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開第2000−228178号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
最近の自動車において、電池パックは搭載性を良くするため、少しでも小型化することが求められている。特許文献1で開示されているパック構造(バッテリ装置構造)は、多数個の二次電池およびセルコントローラをオールインワンユニットとして構成されている。しかし、本パック構造は小型化することは考慮されていない。そこで、本発明の目的は艇背化・小型化した電池パックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
【0008】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、複数の蓄電池を積層させた電池群と、前記電池群の一端に配置されるブロック部材と、一方側の面にコネクタを有し、前記電池群の充放電を制御する制御基板とを備えた電池パックにおいて、前記ブロック部材は凹部を有し、前記制御基板は、前記凹部に前記コネクタが収納されるように前記ブロック部材に対向することを特徴とする電池パック。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の蓄電池を積層させた電池群の一端に配置されるブロック部材の凹部に制御基板のコネクタを有する側を収納することにより、電池パックを低背かつ小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】電池パックの外観斜視図。
図2】電池パックの分解斜視図。
図3図2の反対方向から見た電池パックの分解斜視図。
図4】サイドプレートの斜視図。
図5】端子台の構成を示す斜視図。
図6図5の反対方向から見た斜視図。
図7図5の裏側から見た斜視図。
図8】コンタクタボックスの構成を示す斜視図。
図9図8の裏側から見た斜視図。
図10】サイドプレートとケース本体で形成される流路を示した図。
図11】ファンにより循環する冷媒の循環経路を示した図。
図12】第2の実施形態におけるコンタクタボックスを示す斜視図。
図13図12の裏側方向から見たコンタクタボックスを示す斜視図。
図14】第2の実施形態におけるファンにより循環する冷媒の循環経路を示した図。
図15】コントローラ12を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0012】
≪実施形態1≫
図1は電池パックの一実施の形態としての外観斜視図である。電池パック1はケース本体2と上カバー3で構成されるケースを備えている。電池パック1の上面の長手方向両端にはHV端子21,81がそれぞれ設けられている。HV端子21,81は外部端子であり、電池パック1はHV端子21と81にHVケーブルを接続することにより、電気自動車やハイブリッド電気自動車あるいは電気機器に電力が供給される。なお、本実施形態ではHV端子21が(−)側、HV端子81が(+)側である。
【0013】
電池パック1の側面には信号用コネクタ4が配置されている。信号用コネクタ4は電池パック1のコントローラの信号用コネクタであり、車両側のコントローラと接続されて、情報のやり取りや電源の供給を受ける。
【0014】
図2図1に示す電池パック1の分解斜視図である。なお、以降で上下左右前後という言葉を使う場合には、図の左下に記載の方向に従う。ケース本体2は底部2aを有し、上方が開口されたボックス状の部材である。ケース本体2内には複数の角形二次電池5と隣接する角形二次電池5間に介装された仕切り部材6を積層方向両端から加圧するエンドプレート7とが収容された領域の一端部側(後ろ側)にコンタクタボックス8が収容されている。コンタクタボックス8の角形二次電池5の積層方向の反対側端部(前側)には端子台9が配置されている。角形二次電池群の短側面両側にはサイドプレート10が配置されている。さらに、角形二次電池群の上部上カバー3側にはバスバーケース11が配置されている。
【0015】
角形二次電池は例えば、リチウムイオン二次電池である。角形二次電池5は電池缶52と電池蓋51とを接合して構成された電池容器内に不図示の発電要素が収容され、非水電解液が注入されている。電池蓋51の幅方向(前後方向)の一端側付近には正極外部端子53が、他端側付近には負極外部端子54が設けられている。正・負極外部端子53、54は、それぞれ、発電要素の正・負極の電極に接続されている。正・負極外部端子53、54は、電池蓋51の平坦な上面から上方に突出している。
【0016】
角形二次電池5は、電池蓋51と反対側の底面、左右方向に対向する大面積の表裏面および前後方向に対向する小面積の一対の側面を有する。角形二次電池5は、表裏面を対向して、正極外部端子53、負極外部端子54が交互に反対側に配置されるように直線状に配列されている。
【0017】
角形二次電池5の間には仕切り部材6が配設されて電池モジュール1Rを構成している。この仕切り部材6は、一端部側(後ろ側)の角形二次電池5の左側および右端側の角形二次電池5の右側(配列方向の前後端)にも配設されている。仕切り部材6は板形状で、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の樹脂により形成される。
【0018】
角形二次電池5は複数個が一方向に整列して配置されている。このとき、角形二次電池5は互いに離れて配置されている一対のエンドプレート7の間に、角形二次電池5の幅広面が互いに向かい合うように配置されている。一対のエンドプレート7は最も外側に位置する仕切り板6とそれぞれ面接触するように配置され、複数の角形二次電池5を内側に加圧している。このとき複数の角形二次電池5を加圧した状態に保つために、一対のエンドプレート7にはサイドプレート10が締結される。このときサイドプレート10の本体部は角形二次電池の短側面と接触した状態になっている。
【0019】
図3図2の反対方向から見た電池パック1の分解斜視図である。本図に示すように、端子台9には、通信用コネクタ12a、メインリレー駆動用コネクタ12b、電圧検出用コネクタ12cが配置されている面を向けてコントローラ12(制御基板12)が収納され、端子台9と一体化されている。このような構造にすることによってコントローラ12に配置されたコネクタ分の厚みを抑えることができ、電池パック1の前後方向への大型化を防ぐことができる。また、後述するが、この端子台9はファン22を内蔵する構造となっているため、ファン22分の厚みを抑えることができ、さらに電池パック1の前後方向への大型化を防ぐことが可能となる。なお、コントローラ12の詳細構造については図15を用いて詳細に説明する。
【0020】
続いてサイドプレート4について説明する。図4はサイドプレートの斜視図である。サイドプレート10はL字型形状をしていて、角形二次電池5の短側面と接触している本体部10aと本体部から曲がっていてケースに固定される固定部10b及び本体部から曲がっていてエンドプレート7に締結される締結部10cからなっている。サイドプレートの締結部10cにはボルト挿入用の穴10dが設けられていて、エンドプレート7の締結部とボルトにより締結される。また、サイドプレート10の固定部10bにはボルト挿入用の穴10eが設けられていて、ケース本体2にボルト13により締結されて、電池モジュール1Rはケース本体2に固定される。つまり、金属で設けられたサイドプレート10が直接電池モジュール1Rの側面に接触していること、およびサイドプレート10がケース本体2に直接接触していることから、角形二次電池5の熱をケース本体2に流す経路が増えることになる。したがって、このような構造にすることによって、電池モジュール1Rの冷却がより促進される。
【0021】
続いて本発明の特徴部となる端子台9について説明する。端子台9の斜視図を図5から図7に示す。図5及び図6は端子台をコントローラ12が配置されていない面側から見たもの、図7は端子台9をコントローラ12が配置されている側から見た図である。端子台9には(−)側のHV端子21とファン22及びコントローラ12が備えられている。ファン22は端子台9の下部中央に設けられた空間に収納されている。一方、コントローラ12は通信用コネクタ12a、メインリレー駆動用コネクタ12b、電圧検出用コネクタ12cを半田により接続されている。またコントローラ12は制御基板上にシャント抵抗12dをネジ固定されている。コントローラ12は上記コネクタ有する側を端子台9に設けられた端子台凹部9aにコネクタを収納するよう取り付けられ、端子台の電池モジュールと反対側の面にボルトにより取り付けられている。コントローラ12は、角形二次電池5を接続するセル間バスバに電気的に接続され、各角形二次電池5の電圧を測定、監視している。セル間バスバは、角形二次電池の積層方向に隣接する一方の角形二次電池5の正極外部端子53と、他方の角形二次電池5の負極外部端子54とに溶接等により接合され、電池モジュール1Rを構成する角形二次電池5のすべてを直列に接続する。コントローラ12には電池パック1全体の監視や制御を行うための回路が実装されている。
【0022】
また、端子台9には仕切り板24と突出部25が設けられている。仕切り板24はケース本体2との間のすきまをふさぎ、突出部25は電池モジュール1Rとの間のすきまをふさぐために設けられている。また、端子台9には開口部26が設けられている。ファン22で吸い込まれた冷媒はこの開口部26を通ってサイドプレート固定部10bとケース本体2とで形成される流路側に移動する。
【0023】
ここで、図15を用いてコントローラ12について詳細に説明する。前述した通り、通信用コネクタ12a、メインリレー駆動用コネクタ12b、電圧検出用コネクタ12cがコントローラ12にそれぞれ設けられている。この通信用コネクタ12aとメインリレー駆動用コネクタ12bは弱電系のコネクタであり、電圧検出用コネクタ12cは強電系のコネクタである。そのため、本実施形態では弱電系コネクタをコントローラ12の左側に、強電系コネクタをコントローラ12の右側に分けた。このような構成にすることによって、強電系コネクタから弱電系コネクタにノイズが乗ることを抑制することができる。なお、本実施形態ではコントローラ12の右側と左側に分けたが、右側左側に限らず。コントローラ12の対向する一対の端辺にそれぞれ分けて配置することができれば、弱電系にノイズが乗ることを抑制する、という効果は得られる。また、本実施形態ではコネクタの数は3つだが、前後方向への小型化という点を考慮すると、コントローラ12に設けられるコネクタの数は1つであっても、2つであって、それ以上であってもよい。
【0024】
さらに、本実施形態ではシャント抵抗12dがコントローラ12の上側に設けられている。このような構成にすることによって、角形二次電池の端子にシャント抵抗12dが近い位置となり、バスバー配線が簡素化されて短くすることが可能となる。
【0025】
続いてコンタクタボックス8の斜視図を図8図9に示す。図8はコンタクタボックス8を前面から、図9はコンタクタボックス8を後面から見た図である。コンタクタボックス8には(+)側のHV端子81とフューズ82およびリレー83が備えられている。このように、フューズ82とリレー83をコンタクタボックス8に収納することによって、一括でケース本体2に取り付けることが可能となり、作業性が向上する。なお、図9に示すように、コンタクタボックス8は肉抜きしており、軽量化がされている。
【0026】
続いて本発明の流路構造について説明する。サイドプレート10とケース本体で形成される流路を図10に示す。角形二次電池5の短側面がサイドプレート10に接触した状態で固定部10bがケース本体2にボルト13で固定されている。サイドプレート10の本体部10aと固定部10bおよびケースの側面で冷媒を流す左側流路14aと右側流路14bを形成することができる。この左側流路14aは、図面の奥行き方向が端子台9の仕切り板24で塞がれることになる。そのため、ファン22に空気が漏れなく流れるため、電池モジュール1Rの冷却効率が向上する。
【0027】
本発明の電池パック1はケース本体2と上カバー3で作られる空間内を空気が循環するシステムになっている。ファン22により循環する冷媒の循環経路を図11に示す。図11に示す通り、本発明の冷却流路はいくつかの流路に分類される。具体的には、サイドプレート10とケース本体2で形成された流路14(14a、14b)、端子台9の仕切り板から端子台9の突出部25に至るまでの流路であって、端子台9とエンドプレート7との間に設けられた流路15a、端子台9の内部でファン22につながっている流路15b、コンタクタボックス8とエンドプレート7で形成される流路16、コンタクタボックス8とケース本体2との間に形成される流路17である。これらの流路にファン22を用いて冷媒を循環させる。角形二次電池5の短側面からサイドプレートに伝わった熱は循環している冷媒に伝わる。本発明の特徴の一つは角形二次電池5の間に冷媒を流すのではなく、サイドプレート10に冷媒を当ててサイドプレート10から熱を奪う構造としている。このような構造にすることによって、ケース内の冷媒の温度は均一になるので、サイドプレート10を効率的に冷却することができる。サイドプレート10はケース本体2に固定されているので、角形二次電池5の短側面からサイドプレート10に伝わった熱はケース本体2に伝わる。ケース本体2に熱が伝わることでサイドプレート10が冷却されるので、角形二次電池を冷却することができる。
【0028】
また、コンタクタボックス8に配置されているリレー83に電流が流れると発熱によりリレーの温度が上昇する。ファンにより循環される冷媒はコンタクタボックス8の両面を流れることになるので、リレー83を冷却することができる。また、本発明の特徴の一つとなる部分でいうと、端子台9の内部にファン22につながっている流路15bが設けられている点があげられる。ファン22は端子台9内部の流路15bに冷媒を引き込む。この時、ファン22と端子台9を介してコントローラ12が対向して配置されるため、コントローラ12の電子部品が発熱したとしても十分な冷却が可能となる。なお、本実施形態ではファン22とコントローラ12との間に端子台9を介在させることとしたが、間に端子台9の部材を介さずファン22とコントローラ22が連通する構造であってもよい。このような構造にした場合にはコントローラ12の冷却がより促進されることとなる。
【0029】
また、本発明では端子台9の厚みを利用してコントローラ12を収納することとしたが、電池パック内に収納される別のブロック部材(端子台9がない電池パックの場合にはエンドプレート7等)をコントローラ12の収納に使用してもよい。このような構成とした場合であったとしても、電池パック1を前後方向に小型にすることが可能となる。
【0030】
以上、本発明について簡単にまとめる。従来、電圧検出線の接続を効率化するために角形二次電池5の端子側(上面側)に配置されていたコントローラを、本発明では角形二次電池5の側面側に持ってきたことによって、電池パック1を上下方向に小型化した点が優れている。一方で、単に角形二次電池5の側面側にコントローラ12を持ってきただけでは、電圧検出線やその他の配線とコントローラ12との接続が難しくなるため、コントローラ12にコネクタ(12a、12b、12c)を設けたが、その分コントローラ12が厚くなってしまうという問題があった。そこで本発明に記載の電池パック1は、複数の蓄電池(5)を積層させた電池群(1R)と、電池群(1R)の一端に配置されるブロック部材(7、9)と、一方側の面にコネクタ(12a、12b、12c)を有し、電池群(1R)の充放電を制御する制御基板(12)と、を備え、ブロック部材(7,9)は凹部(9a)を有し、制御基板(12)は、凹部(9a)にコネクタ(12a、12b、12c)が収納されるようにブロック部材(7、9)に対向することとした。このような構成にすることによって、もともと厚みが必要である部材(端子台9やエンドプレート7)にコントローラ12のコネクタ(12a、12b、12c)を収納してコンパクトにでき、電池パック1の上下方向、前後方向に小型化することが可能となる。
【0031】
また、本発明のブロック部材は、端子が配置された端子台(9)である。エンドプレート7はある程度大きな力で押しつける必要があるため、そこまで大きな力のかからない端子台9の方が基板への影響が少なくなり、歩留まりが向上する。
【0032】
また、本発明に記載の電池パックは、制御基板(12)が2つのコネクタ(12a、12c)を有し、一方のコネクタ(12c)は他方のコネクタ(12a)よりも高電圧の部材と接続され、一方のコネクタ(12c)は電池群(1R)の一方の側面側に、他方のコネクタ(12a)は電池群(1R)の他方の側面側に配置されるように制御基板(12)が設けられる。このような構成にすることによって、弱電系と強電系の配線を分けることができ、強電系の配線による弱電系の配線のノイズの影響を小さくすることができる。また、コントローラ12の左右方向にそれぞれ弱電系配線と強電系配線を配置することによって、ある程度空間がある流路14a、14bで配線作業をできるため、作業性が向上する。
【0033】
また、本発明に記載の制御基板(12)はシャント抵抗(12d)を有し、シャント抵抗(12d)は電池群(1R)の上面側に配置されるように、制御基板(12)に設けられる。このような構成にすることによって、角形二次電池の端子にシャント抵抗12dが近い位置となり、バスバー配線が簡素化されて短くすることが可能となる。
【0034】
また、本発明に記載の端子台(9)にはファン(22)が内蔵され、さらに端子台(9)の内部にはファン(22)の流路(15d)を有する。このような構成にすることによって、コントローラ12の電子部品が発熱したとしても十分な冷却が可能となる。
【0035】
≪実施形態2≫
続いて第2の実施形態について説明する。本実施形態が第1の実施形態と大きく異なる点は、コンタクタボックス8の後ろ側の冷却流路をなくす構成とした点である。このような構造にすることによって、冷媒の温度上昇を防ぎ、よりコントローラ12を効率よく冷却することが可能となる。
【0036】
第2の実施形態を図12から図14を用いて説明する。図12がコンタクボックス8を前側から見た図、図13がコンタクタボックス8を後ろ側から見た図である。本実施形態ではコンタクタボックス8の後ろ側の冷却流路をなくす構成とするために、コンタクタボックス8に2つの仕切り板84及び85を設けた。より具体的にはコンタクタボックス8の幅方向両側にケース本体2側に向かって仕切り板84,85を設置した。この仕切り板84及び85が、第1の実施形態でいう流路14a、14bと流路17との間の壁になることによって、コンタクタボックス8の後ろ側を冷媒が通らなくなる。したがって、流路全体の圧損が少なくなり、コントローラ12をより効果的に角形二次電池5を冷却することが可能となる。
【0037】
図14は本実施形態にかかる冷却流路を示す図である。本実施形態の流路は基本的には第1の実施形態と変わらないが、コンタクタボックス8に設けられた右側の仕切り板84と左側の仕切り板85によって、第1の実施形態に記載された流路17につながる流路が塞がれることとなる。そのため、ファン22による冷媒は電池モジュール1Rの周り流路14,15,16を循環することになり、より効率的に角形二次電池5を冷却することが可能となる。
【0038】
以上、本実施形態について簡単にまとめる。本実施形態に記載の電池パックは、電池群(1R)の他端側にはコンタクタボックス(8)が配置され、コンタクタボックス(8)と電池群(1R)との間に流路が配置される。さらに、コンタクタボックス8に設けられた右側の仕切り板84と左側の仕切り板85によって、第1の実施形態に記載された流路17につながる流路を塞ぐ構造とした。このような構造にすることによって、流路の圧損が少なくなり、冷媒がコントローラ12をより効率的に角形二次電池5を冷却することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、前記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 電池パック
2 ケース本体
3 上カバー
5 角形二次電池
8 コンタクタボックス
9 端子台
9a 端子台凹部
10 サイドプレート
12 コントローラ
12a 通信用コネクタ
12b メインリレー駆動用コネクタ
12c 電圧検出用コネクタ
12d シャント抵抗
14、15、16,17 流路
21 HV端子(−)側(外部端子)
22 ファン
24 仕切り板
25 突出部
81 HV端子(+)側(外部端子)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15