(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
検査対象について測定された被測定量の測定値と当該被測定量の基準値とに基づいて当該検査対象の良否を検査する際に用いる当該基準値として予め規定された規定値を適正値に変更する変更処理を処理部に実行させる処理プログラムであって、
前記規定値と前記適正値との差分値が予め決められた閾値以上のときに、複数の前記検査対象について測定された各前記測定値を統計処理して算出した値を前記適正値とする処理を前記変更処理において前記処理部に実行させる処理プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記の基板検査装置には、改善すべき以下の課題がある。すなわち、上記の基板検査装置では、電子部品について測定した物理量の測定値と記憶部に記憶されている判定用データに含まれる基準範囲とを比較して電子部品の良否を判定している。この場合、基準範囲(上下限値)は、一般的に、複数の良品の電子部品について測定した物理量を平均(例えば、算術平均)し、その平均値に誤差の許容範囲に相当する値を加算および減算して予め規定される。一方、電子部品は、製造時の環境等に起因して物性が異なることがあるため、実質的には良品の電子部品であったとしても、基準範囲を規定する際に測定した電子部品の物理量の平均値と比較して、検査対象の電子部品の物理量がやや高めとなったり、やや低めとなったりすることがある。したがって、上記の基板検査装置には、実質的には良品の電子部品が不良品として判定されたり、実質的には不良品の電子部品が良品として判定されたりすることがあり、この点の改善が望まれている。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、電子部品の良否を正確に判定し得る処理装置、検査システムおよび処理プログラムを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく請求項1記載の処理装置は、検査対象について測定された被測定量の測定値と当該被測定量の基準値とに基づいて当該検査対象の良否を検査する際に用いる当該基準値として予め規定された規定値を適正値に変更する変更処理を実行する処理部を備え、前記処理部は、前記変更処理において、複数の前記検査対象について測定された各前記測定値を統計処理して算出した値を前記適正値とする処理装置であって、前記処理部は、前記変更処理において、前記規定値と前記適正値との差分値が予め決められた閾値以上のときに当該規定値を当該適正値に変更する。
【0009】
また、請求項
2記載の検査システムは
、検査対象について測定した被測定量の測定値と当該被測定量の基準値とに基づいて当該検査対象の良否を検査する検査処理を実行する検査装置と、前記良否の検査において用いる前記基準値として予め規定された規定値を適正値に変更する変更処理を実行する処理部を有する処理装置とを備え、前記検査装置は、複数の前記検査対象についての前記検査処理において測定した当該各検査対象の各前記測定値を前記処理装置に出力し、前記処理部は、前記変更処理において、前記検査装置から出力された前記各測定値を統計処理して算出した値を前記適正値とする検査システムであって、前記処理部は、前記変更処理において、前記規定値と前記適正値との差分値が予め決められた閾値以上のときに当該規定値を当該適正値に変更する。
【0010】
また、請求項
3記載の検査システムは
、検査対象について測定した被測定量の測定値と当該被測定量の基準値とに基づいて当該検査対象の良否を検査する検査処理を実行する検査装置と、前記良否の検査において用いる前記基準値として予め規定された規定値を適正値に変更する変更処理を実行する処理部を有する処理装置とを備え、前記検査装置は、複数の前記検査対象についての前記検査処理において測定した当該各検査対象の各前記測定値を前記処理装置に出力し、前記処理部は、前記変更処理において、前記検査装置から出力された前記各測定値を統計処理して算出した値を前記適正値とする検査システムであって、前記検査装置は、前記変更処理の前に実行した前記検査処理についての検査済みの前記検査対象についての前記検査処理を前記適正値を用いて再実行する。
【0011】
また、請求項
4記載の処理プログラムは、検査対象について測定された被測定量の測定値と当該被測定量の基準値とに基づいて当該検査対象の良否を検査する際に用いる当該基準値として予め規定された規定値を適正値に変更する変更処理を処理部に実行させる処理プログラムであって、
前記規定値と前記適正値との差分値が予め決められた閾値以上のときに、複数の前記検査対象について測定された各前記測定値を統計処理して算出した値を前記適正値とする処理を前記変更処理において前記処理部に実行させる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の処理装置、請求項
2,3記載の検査システム、および請求項
4記載の処理プログラムでは、処理部が、検査対象の良否を検査する際に用いる基準値としての規定値を複数の検査対象について測定した各測定値を統計処理して算出した適正値に変更する変更処理を実行する。この場合、基準値を変更する機能を有していない従来の構成では、基準値がやや高めおよび低めのいずれかに偏っている場合において、検査対象の被測定量が規定値の偏りとは逆に偏っているときには、実質的には良品の検査対象が不良品として判定されたり、実質的には不良品の検査対象が良品として判定されたりするおそれがある。これに対して、この処理装置、検査システムおよび処理プログラムによれば、処理部が、変更処理を実行することにより、基準値を検査対象の各検査対象の被測定量の偏りに応じた適正値(検査対象の検査対象の被測定量の平均的な値である適正値)に自動的に変更することができる。したがって、この処理装置、検査システムおよび処理プログラムによれば、従来の構成とは異なり、検査対象の良否を正確に判定することができる。
【0013】
また、請求項
1記載の処理装置
、請求項
2記載の検査システム
および請求項4記載の処理プログラムでは、処理部が、規定値と適正値との差分値が予め決められた閾値以上のときに規定値を適正値に変更する。つまり、規定値と適正値との差が大きいときにのみ変更処理を実行する。このため、この処理装置
、検査システム
および処理プログラムによれば、規定値と適正値との差が小さかったり差がなかったりするときにおいても(つまり、適正値を算出する度に)変更処理を実行する構成と比較して、処理効率を向上させることができる。
【0014】
また、請求項
3記載の検査システムによれば、検査装置が、変更処理の前に実行した検査処理についての検査済みの検査対象についての検査処理を適正値を用いて再実行することにより、変更前の基準値(規定値)を用いて不良品と判定された実質的に良品の検査対象を検査の再実行によって良品と判定し直したり、変更前の基準値(規定値)を用いて良品と判定された実質的に不良品の検査対象を検査の再実行によって不良品と判定し直したりすることができるため、検査精度を十分に高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、処理装置、検査システムおよび処理プログラムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0017】
最初に、検査システム1の構成について説明する。
図1に示す検査システム1は、検査システムの一例であって、回路基板100に搭載されている電子部品101(検査対象)の良否を検査可能に構成されている。具体的には、検査システム1は、同図に示すように、検査装置2および処理装置3を備えて構成されている。
【0018】
検査装置2は、
図1に示すように、操作部11、搬送機構12、プロービング機構13、測定部14、記憶部15および制御部16を備えて構成されている。
【0019】
操作部11は、各種のボタンやキーを備えて構成されて、操作に応じて操作信号を出力する。
【0020】
搬送機構12は、制御部16の制御に従い、回路基板100をストック位置(待機位置)から検査位置に搬送する。
【0021】
プロービング機構13は、制御部16の制御に従い、電子部品101の端子が接続されている回路基板100上の導体部(以下、「プロービングポイント」ともいう)にプローブ31をプロービングさせる。
【0022】
測定部14は、制御部16の指示に従い、図外の信号出力部から出力した検査用の電気信号をプローブ31を介して電子部品101に供給したときに生じる(プローブ31を介して入力する)電気信号に基づいて電子部品101についての被測定量(例えば、抵抗値)を測定する測定処理を実行する。
【0023】
記憶部15は、プロービングポイントの位置を示す位置データを記憶する。また、記憶部15は、測定部14によって測定された被測定量の測定値Rmを記憶する。また、記憶部15は、制御部16によって実行される検査処理50(
図2参照)において用いられる被測定量の基準値Rrを記憶する。この場合、この検査システム1では、良品とされる複数の電子部品101について測定した測定値Rmの平均値が基準値Rrの初期値として記憶部15に予め記憶されている。
【0024】
制御部16は、操作部11から出力される操作信号に応じて測定部14を制御する。また、制御部16は、検査部として機能し、測定部14によって測定された被測定量の測定値Rmと記憶部15に記憶されている被測定量の基準値Rrに基づいて規定される後述する基準範囲Arとを比較して(測定値Rmと基準値Rrとに基づいて)電子部品101の良否を検査する検査処理50(
図2参照)を実行する。また、制御部16は、処理装置3における後述する処理部23との間で、測定値Rmや基準値Rr(後述する規定値Rpおよび適正値Rf)の入出力(送受信)を行う。
【0025】
処理装置3は、
図1に示すように、操作部21、記憶部22および処理部23を備えて構成されている。
【0026】
操作部21は、キーボードおよびポインティングデバイス等の入力装置を備えて構成されて、操作に応じて操作信号を出力する。
【0027】
記憶部22は、処理部23に変更処理60(
図3参照)を実行させる処理プログラムPdを記憶する。また、記憶部22は、検査装置2から出力された測定値Rmや基準値Rr(規定値Rp)、および変更処理60において算出される適正値Rfを一時的に記憶する。
【0028】
処理部23は、記憶部22に記憶されている処理プログラムPdに従い、基準値Rrを変更する変更処理60(
図3参照)を実行する。
【0029】
次に、検査システム1を用いて回路基板100の電子部品101を検査する方法について、図面を参照して説明する。一例として、同種類の複数(例えば、100枚)の回路基板100における電子部品101を検査する例について説明する。なお、初期状態において、検査装置2の記憶部15には、基準値Rrの初期値が記憶されているものとする。また、初期状態において、処理装置3の記憶部22には、測定値Rmが記憶されていないものとする。
【0030】
まず、検査対象の各回路基板100をストック位置に配置する。次いで、検査装置2の操作部11を操作して、検査対象の回路基板100の数(この例では、100枚)を入力する。続いて、操作部11を操作して、検査の開始を指示する。この際に、操作部11が操作信号を出力し、制御部16が操作信号に応じて
図2に示す検査処理50を実行する。
【0031】
また、処理装置3の操作部21を操作して、
図3に示す変更処理60において適正値Rfの算出を行うか否かの判別に用いる規定数として、例えば「10」を入力する。次いで、操作部21を操作して、処理の開始を指示する。この際に、操作部21が操作信号を出力し、処理部23が操作信号に応じて記憶部22から処理プログラムPdを読み出す。続いて、処理部23は、処理プログラムPdに従って同図に示す変更処理60を実行する。
【0032】
検査処理50では、制御部16は、
図2に示すように、まず、搬送機構12を制御して、1枚目の回路基板100をストック位置から検査位置に搬送させる(ステップ51)。次いで、制御部16は、記憶部15から位置データを読み出してプロービングポイントを特定し、続いて、プロービング機構13を制御してプロービングポイントにプローブ31をプロービングさせる(プロービングの実行:ステップ52)。
【0033】
続いて、制御部16は、測定部14に対して測定処理を実行させる(ステップ53)。この測定処理では、測定部14は、図外の信号出力部から検査用の電気信号(例えば、直流電流)を出力し、プローブ31を介して電子部品101に電気信号を供給する。次いで、測定部14は、検査用の電気信号の供給によって生じる電気信号(直流電圧)に基づいて電子部品101についての被測定量(例えば、抵抗値)を測定する。
【0034】
続いて、制御部16は、測定部14によって測定された被測定量の測定値Rmを処理装置3の処理部23に出力(送信)する(ステップ54)。次いで、制御部16は、測定部14から後述する適正値Rfが出力(送信)されたか否かを判別する(ステップ55)。この場合、制御部16は、適正値Rfが出力されていないと判別したときには、記憶部15に予め記憶されている基準値Rrを読み出す(ステップ57)。なお、記憶部15に予め記憶されている基準値Rrを、以下「規定値Rp」ともいう。
【0035】
また、制御部16は、上記したステップ55において、適正値Rfが出力されていると判別したときには、規定値Rpに替えて、適正値Rfを基準値Rr(新たな基準値Rr)として記憶部15に記憶させ(ステップ56)、続いて、基準値Rr(新たな基準値Rrである適正値Rf)を記憶部15から読み出す(ステップ57)。
【0036】
次いで、制御部16は、誤差の許容範囲に相当する値を基準値Rrに加算および減算した上下限値で規定される基準範囲Arと測定値Rmとを比較して、電子部品101の良否を判定して(ステップ58)、判定結果を図外の表示部に表示させる。この場合、制御部16は、例えば、測定値Rmが基準範囲Ar内のときには、電子部品101を良品と判定し、測定値Rmが基準範囲Ar外のときには、電子部品101を不良品と判定する。
【0037】
続いて、制御部16は、全ての回路基板100(電子部品101)についての検査が終了したか否かを判別する(ステップ59)。この場合、制御部16は、全ての回路基板100についての検査が終了していないと判別したときには、上記したステップ51〜59を実行し、全ての回路基板100についての検査が終了したと判別したときには、検査処理50を終了する。
【0038】
一方、変更処理60では、処理部23は、
図3に示すように、検査装置2から測定値Rmが出力されたか否かを繰り返して判別する(ステップ61)。次いで、処理部23は、ステップ61において測定値Rmが出力されたと判別したときには、その測定値Rmを記憶部22に記憶させる(ステップ62)。
【0039】
続いて、処理部23は、処理部23に記憶されている測定値Rmの数(以下、「記憶数」ともいう)が規定数(この例では、10)に達しているか否かを判別する(ステップ63)。この場合、処理部23は、測定値Rmの記憶数が規定数に達していないと判別したときには、上記したステップ61,62を実行する。
【0040】
また、処理部23は、上記したステップ63において、測定値Rmの記憶数が規定数に達していると判別したときには、適正値Rfを算出する(ステップ64)。この場合、処理部23は、規定数の測定値Rmを統計処理して算出した値を適正値Rfとする。一例として、処理部23は、統計処理として規定数の測定値Rmの二乗平均平方根を算出し、その値を適正値Rfとする。なお、統計処理として、規定数の測定値Rmを算術平均(相加平均)した値や、規定数の測定値Rmを幾何平均(相乗平均)した値を適正値Rfとすることもできる。
【0041】
次いで、処理部23は、適正値Rfを算出した時点で検査装置2の記憶部15に記憶されている基準値Rrとしての規定値Rpと算出した適正値Rfとの差分値(差分値の絶対値)が、予め決められた閾値(一例として、基準範囲Arにおける上限値と下限値との差分値の10%〜50%程度の値の絶対値)以上であるか否か判別する(ステップ65)。
【0042】
ここで、規定値Rpとしての基準値Rrの初期値は、良品とされる複数の電子部品101について測定した測定値Rmの平均値に基づいて規定されている。このため、例えば、規定値Rpを規定する際に使用した各電子部品101の被測定量が高めおよび低めのいずれかに偏っているときには、規定値Rpも高めおよび低めのいずれかに偏ることとなる。このため、例えば、検査対象の各電子部品101の製造時の環境等に起因して、検査対象の各電子部品101の被測定量が規定値Rpの偏りとは逆に偏っているときには、実質的には良品の電子部品101が不良品として判定されたり、実質的には不良品の電子部品101が良品として判定されたりするおそれがある。このような事態を回避するため、この検査システム1では、処理部23が、上記したステップ65において規定値Rpと適正値Rfとの差分値が閾値以上であると判別したときには、検査対象の電子部品101の被測定量の測定値Rmの平均的な値である適正値Rfを検査装置2に出力(送信)して、規定値Rpを適正値Rfに変更させる(ステップ66)。
【0043】
また、処理部23が適正値Rfを検査装置2に出力したときには、検査装置2の制御部16が、上記した検査処理50のステップ55において、適正値Rfが出力されていると判別し、規定値Rpに替えて、適正値Rfを新たな基準値Rrとして記憶部15に記憶させ(ステップ56)、新たな基準値Rr(適正値Rf)に基づく基準範囲Arと測定値Rmとを比較して、電子部品101の良否を判定する(ステップ58)。このため、この処理装置3および検査システム1では、電子部品101の良否を正確に判定することが可能となっている。
【0044】
一方、処理装置3の処理部23は、上記したステップ66を実行した後に、記憶部22に記憶されている各測定値Rmをクリア(消去)し(ステップ67)、続いて、検査処理50が終了したか否かを判別する(ステップ68)。この場合、検査処理50が終了していないときには、上記したステップ61〜67を実行し、検査処理50が終了しているときには、変更処理60を終了する。また、処理部23は、上記したステップ65において規定値Rpと適正値Rfとの差分値が閾値以上ではない(差分値が閾値未満である)と判別したときには、適正値Rfを検査装置2に出力することなく、上記したステップ67,68を実行する。
【0045】
このように、この処理装置3、検査システム1および処理プログラムPdでは、処理部23が、電子部品101の良否を検査する際に用いる基準値Rrの規定値Rpを複数の電子部品101について測定した各測定値Rmを統計処理して算出した適正値Rfに変更する変更処理を実行する。この場合、基準値Rrを変更する機能を有していない従来の構成では、基準値Rrがやや高めおよび低めのいずれかに偏っている場合において、検査対象の各電子部品101の被測定量が規定値Rpの偏りとは逆に偏っているときには、実質的には良品の電子部品101が不良品として判定されたり、実質的には不良品の電子部品101が良品として判定されたりするおそれがある。これに対して、この処理装置3、検査システム1および処理プログラムPdによれば、処理部23が、変更処理を実行することにより、基準値Rrを検査対象の各電子部品101の被測定量の偏りに応じた適正値Rf(検査対象の電子部品101の被測定量の平均的な値である適正値Rf)に自動的に変更することができる。したがって、この処理装置3、検査システム1および処理プログラムPdによれば、従来の構成とは異なり、電子部品101の良否を正確に判定することができる。
【0046】
また、この処理装置3、検査システム1および処理プログラムPdでは、処理部23が、規定値Rpと適正値Rfとの差分値が予め決められた閾値以上のときに規定値Rpを適正値Rfに変更する。つまり、規定値Rpと適正値Rfとの差が大きいときにのみ変更処理を実行する。このため、この処理装置3、検査システム1および処理プログラムPdによれば、規定値Rpと適正値Rfとの差が小さかったり差がなかったりするときにおいても(つまり、適正値Rfを算出する度に)変更処理を実行する構成と比較して、処理効率を向上させることができる。
【0047】
なお、処理装置3、検査システム1および処理プログラムPdは、上記の構成に限定されない。例えば、変更処理60において、適正値Rfと規定値Rpとの差分値が閾値以上のときにのみ規定値Rpを適正値Rfに変更する(ステップ65〜67を実行する)例について上記したが、適正値Rfと規定値Rpとの差分値が閾値以上であるか否かに拘わらず、規定値Rpを適正値Rfに変更する構成を採用することもできる。
【0048】
また、変更前の基準値Rr(規定値Rp)に基づく基準範囲Arを用いて検査を行った電子部品101について、変更後の基準値Rr(適正値Rf)に基づく基準範囲Arを用いて検査を再実行する構成を採用することもできる。この構成によれば、変更前の基準値Rr(規定値Rp)に基づく基準範囲Arを用いて不良品と判定された実質的に良品の電子部品101を検査の再実行によって良品と判定し直したり、変更前の基準値Rr(規定値Rp)に基づく基準範囲Arを用いて良品と判定された実質的に不良品の電子部品101を検査の再実行によって不良品と判定し直したりすることができるため、検査精度を十分に高めることができる。
【0049】
また、検査処理50の実行に先立って規定数(上記の例では、10)の回路基板100の電子部品101について被測定量を測定し、規定数(この例では、10)の測定値Rmを用いて変更処理60を実行して規定値Rpを適正値Rfに変更し(または、規定値Rpのままとし)、その後に検査処理50を実行する構成を採用することもできる。
【0050】
また、回路基板100に搭載された電子部品101を検査対象とする構成例について上記したが、単独の(回路基板100に搭載されていない)電子部品101を検査対象とすることもできる。また、被測定量として抵抗値を測定する例について上記したが、被測定量には、容量やインダクタンスなどの各種の物理量が含まれる。