(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
互いに対向配置した二枚の基板、および二枚の前記基板の間に設けられた配線を有した基板積層体の外周端面に、電子部品の電子部品側配線接続部を対向させた状態で、前記電子部品の前記電子部品側配線接続部と前記配線の端部に設けた基板側配線接続部との間に、熱硬化性樹脂と半田粒子とを含んだ自己凝集半田を介在させるとともに、前記基板積層体の前記外周端面と前記電子部品との間に、前記自己凝集半田よりも融点の高い材料からなる粒子状部材を含み、かつ、前記自己凝集半田を構成する前記半田粒子よりも融点の低い材料からなる仮接合材を介在させる工程と、
前記自己凝集半田を構成する前記半田粒子の融点よりも低く、前記仮接合材の融点よりも低い温度で前記仮接合材を軟化して前記電子部品と前記基板積層体の前記外周端面とを仮接合する工程と、
前記自己凝集半田および前記仮接合材を加熱しつつ、前記電子部品側配線接続部と前記基板側配線接続部とを互いに接近する方向に加圧して接合する工程と、
を備える、電子部品の実装方法。
前記仮接合材は、前記基板積層体の前記外周端面と前記電子部品との間で、前記電子部品側配線接続部と前記基板側配線接続部との間に介在する前記自己凝集半田の周囲に配置される、請求項1または2に記載の電子部品の実装方法。
前記仮接合材は、予め、前記基板積層体の前記外周端面および前記電子部品の少なくとも一方に設けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載の電子部品の実装方法。
前記基板側配線接続部は、前記配線の端部に接続されるとともに、前記基板積層体の前記外周端面に沿って形成された導電性材料からなる接合パッドである、請求項1から6のいずれか一項に記載の電子部品の実装方法。
ペースト状の前記自己凝集半田は、スクリーン印刷、メッシュマスクを用いた印刷、及びインクジェット法のいずれか一つの方法により塗布する、請求項9に記載の電子部品の実装方法。
前記電子部品は、前記電子部品側配線接続部を有したフィルム状基板と、前記フィルム状基板上に実装されたチップ部品と、を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の電子部品の実装方法。
二枚の前記基板の少なくとも一方に、外周部に前記基板側配線接続部を有した前記配線が形成されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の電子部品の実装方法。
前記基板積層体と、前記基板積層体の前記外周端面に接合された前記電子部品とにより、液晶表示装置、有機発光ダイオード表示装置、プラズマディスプレイパネル表示装置の少なくとも一種の表示部を形成する、請求項1から13のいずれか一項に記載の電子部品の実装方法。
前記基板側配線接続部は、前記配線の端部に接続されるとともに、前記基板積層体の前記外周端面に沿って形成された導電性材料からなる接合パッドである、請求項15または16に記載の電子部品の接合構造。
複数の前記基板側配線接続部を有し、互いに隣接する前記基板側配線接続部の間隔は、10〜100μmである、請求項15から19のいずれか一項に記載の電子部品の接合構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記のように、狭ピッチの配線パターンを有する基板に、電子部品の配線接続部を接続する場合、基板側の配線パターンと電子部品側の配線接続部との高い位置合わせ精度が要求される。
しかし、基板側の配線パターンと電子部品側の配線接続部とを接合するときに、基板側の配線パターンと電子部品側の配線接続部とがずれてしまう場合がある。
【0009】
また、上記のように、狭ピッチの配線パターンを有する基板に、電子部品の配線接続部を半田付けによって接続する場合、基板に対して電子部品を強く押し付けすぎると、液晶パネルと電子部品との隙間が小さくなり、半田が外周側に押し出される。その結果、外周側に押し出された半田が、隣接する他の電極等に短絡してしまい、不良品となってしまう場合がある。
したがって、電子部品と基板との接合に加える圧力制御を高精度に行う必要があった。
【0010】
本発明は、電子部品を基板の配線パターンに対して高い精度で位置合わせして強固かつ確実に接合し、電気導通性を高めて接続抵抗を抑えるとともに、品質を安定させ、接合作業を容易に行うことのできる電子部品の実装方法、電子部品の接合構造、基板装置、ディスプレイ装置、ディスプレイシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、互いに対向配置した二枚の基板、および二枚の前記基板の間に設けられた配線を有した基板積層体の外周端面に、電子部品の電子部品側配線接続部を対向させた状態で、前記電子部品の前記電子部品側配線接続部と前記配線の端部に設けた基板側配線接続部との間に、熱硬化性樹脂と半田粒子とを含んだ自己凝集半田を介在させるとともに、前記基板積層体の前記外周端面と前記電子部品との間に、前記自己凝集半田よりも融点の高い材料からなる粒子状部材を含み、かつ、前記自己凝集半田を構成する前記半田粒子よりも融点の低い材料からなる仮接合材を介在させる工程と、前記自己凝集半田を構成する前記半田粒子の融点よりも低く、前記仮接合材の融点よりも低い温度で前記仮接合材を軟化して前記電子部品と前記基板の前記外周端面とを仮接合する工程と、前記自己凝集半田および前記仮接合材を加熱しつつ、前記電子部品側配線接続部と前記基板側配線接続部とを互いに接近する方向に加圧して接合する工程と、を備える、電子部品の実装方法を提供する。
【0012】
前記粒子状部材は、ガラス、シリカ、硬化プラスチックのいずれか一つの材料から形成されていてもよい。
【0013】
前記仮接合材は、前記基板積層体の前記外周端面と前記電子部品との間で、前記電子部品側配線接続部と前記基板側配線接続部との間に介在する前記自己凝集半田の周囲に配置されていてもよい。
【0014】
前記仮接合材は、予め、前記基板積層体の前記外周端面および前記電子部品の少なくとも一方に設けられていてもよい。
【0015】
前記仮接合材は、前記基板積層体の前記外周端面において、二枚の前記基板の双方に設けられていてもよい。
【0016】
前記仮接合材は、前記自己凝集半田を構成する前記半田粒子よりも融点の低い樹脂材料からなるのでもよい。
【0017】
前記基板側配線接続部は、前記配線の端部に接続されるとともに、前記基板積層体の前記外周端面に沿って形成された導電性材料からなる接合パッドであってもよい。
【0018】
前記基板側配線接続部は、二枚の前記基板の間に露出した前記配線の端部でもよい。
【0019】
前記自己凝集半田はペースト状で、前記基板側配線接続部に塗布してもよい。
【0020】
ペースト状の前記自己凝集半田は、スクリーン印刷、メッシュマスクを用いた印刷、及びインクジェット法のいずれか一つの方法により塗布してもよい。
【0021】
前記電子部品は、前記電子部品側配線接続部を有したフィルム状基板と、前記フィルム状基板上に実装されたチップ部品と、を備えていてもよい。
【0022】
二枚の前記基板の少なくとも一方に、外周部に前記基板側配線接続部を有した前記配線が形成されていてもよい。
【0023】
二枚の前記基板は、ガラス基板、樹脂基板、プリント基板の少なくとも一種であってもよい。
【0024】
前記基板積層体と、前記基板積層体の前記外周端面に接合された前記電子部品とにより、液晶表示装置、有機発光ダイオード表示装置、プラズマディスプレイパネル表示装置の少なくとも一種の表示部を形成してもよい。
【0025】
本発明は、互いに対向配置された二枚の基板、および二枚の前記基板の間に設けられた配線の端部に基板側配線接続部を有した基板積層体と、前記基板積層体の外周端面に電子部品側配線接続部が対向配置された電子部品と、前記基板積層体の前記外周端面と前記電子部品とを接合する接合部と、を備え、前記接合部は、前記基板側配線接続部と前記電子部品側配線接続部との間に介在する半田接合部と、前記半田接合部以外の部分において前記基板積層体の前記外周端面と前記電子部品とを接着する樹脂接着部と、前記基板積層体の前記外周端面と前記電子部品との間に設けられ、前記半田接合部よりも融点の低い材料からなる低融点接合部と、前記低融点接合部の内部に設けられ、前記半田接合部よりも融点の高い材料からなり、前記基板側配線接続部と前記電子部品側配線接続部とが対向する方向における前記半田接合部の厚さと対応した寸法の粒径を有した半田膜厚規定部と、を備える電子部品の接合構造を提供する。
【0026】
前記半田膜厚規定部は、ガラス、シリカ、硬化プラスチックのいずれか一つの材料から形成されていてもよい。
【0027】
前記基板側配線接続部は、前記配線の端部に接続されるとともに、前記基板積層体の前記外周端面に沿って形成された導電性材料からなる接合パッドであってもよい。
【0028】
前記基板側配線接続部は、二枚の前記基板の間に露出した前記配線の端部でもよい。
【0029】
前記半田接合部の厚さは、20μm以下でもよい。
【0030】
複数の前記基板側配線接続部を有し、互いに隣接する前記基板側配線接続部の間隔は、10〜100μmでもよい。
【0031】
本発明は、上記した電子部品の接合構造を備える基板装置を提供する。
【0032】
本発明は、上記した基板装置を備えるディスプレイ装置を提供する。
【0033】
本発明は、上記したディスプレイ装置を縦方向および横方向にそれぞれ複数隣接配置してなるディスプレイシステムを提供する。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
【0035】
すなわち、電子部品を基板の配線パターンに対して高い精度で位置合わせして強固かつ確実に接合し、電気導通性を高めて接続抵抗を抑えるとともに、品質を安定させ、接合作業を容易に行うことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明について図面を参照して詳細に説明する。
【0038】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るディスプレイ装置の一部の構成を示す断面図である。
図2は、上記ディスプレイ装置の一部を示す平面図である。
図3は、上記ディスプレイ装置を構成する電子部品を示す図である。
図4は、外周端面に接合パッドを形成した液晶パネルを示す側面図である。
図5は、自己凝集半田を塗布した液晶パネルの外周端面に電子部品を押し付けた状態を示す平断面図である。
図6は、自己凝集半田の半田粒子が凝集し始めている様子を示す平断面図である。
図7は、自己凝集半田の半田粒子が自己凝集し、液晶パネルの外周端面と電子部品とが接合された状態を示す平断面図である。
図8は、上記ディスプレイ装置から構成したディスプレイシステムを示す斜視図である。
図9は、仮接合材によって液晶パネルの外周端面と電子部品とを仮接合した状態を示す断面図である。
図1、
図2に示すように、ディスプレイ装置100Aは、液晶パネル(基板積層体、基板装置)110と、液晶パネル110に光を提供する光源部(図示無し)と、光源部で発した光を液晶パネル110の背面に導く光ガイド部(図示無し)と、を備えている。
【0039】
液晶パネル110は、第一基板(基板)111と、第一基板111に対向配置された第二基板(基板)112と、第一基板111と第二基板112との間に配置された液晶層(図示無し)と、を備えている。
【0040】
第一基板111,第二基板112は、それぞれガラス基板、樹脂基板、プリント基板のいずれか一つからなる。
第一基板111および第二基板112の少なくとも一方(
図1の例では第一基板111)には、図示しないデータラインとゲートラインとからなる信号配線と、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)等を備えた複数本の配線部(配線)113が設けられている。配線部113は、第一基板111と第二基板112との間の液晶層の液晶を駆動し、液晶パネル110における表示画像(映像)を形成する。この配線部113は、例えば、アルミ(Al)、銅(Cu)等の低抵抗の導電性材料の単体による単層構造により形成することができる。また、配線部113は、アルミ(Al)、銅(Cu)等の低抵抗の導電性材料の単体と、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)等の材料の単体との積層構造により形成することもできる。
また、各配線部113の端部113eは、配線部113の引き出し部とされ、錫(Sn)、鉛(Pb)、銀(Ag)、銅(Cu)等の半田と接合する導電性材料の単体による単層構造により形成することができる。また、配線部113の端部113eは、錫(Sn)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、銅(Cu)等の半田と接合する導電性材料の単体と、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)等の材料の単体との積層構造により形成することもできる。
【0041】
このような液晶パネル110において、第一基板111の外周端面111sと、第二基板112の外周端面112sとは、同一面内に位置するよう設けられている。これら第一基板111の外周端面111sと第二基板112の外周端面112sとによって、液晶パネル110の表示面110fの外周部において表示面110fに直交する外周端面110sが形成されている。
【0042】
液晶パネル110の外周端面111sには、電子部品130が実装されている。
図1、
図3に示すように、電子部品130は、実装用COF(Chip on Film)からなるフィルム状の配線基板(フィルム状基板)131と、配線基板131の表面131fに実装された、例えばLSI(Large Scale Integration)等のチップ部品132と、を備えている。配線基板131の表面131fには、液晶パネル110の各配線部113に接合される複数本の接続電極(電子部品側配線接続部)133が形成されている。この接続電極133は、例えば、錫(Sn)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、銅(Cu)等の半田と接合する導電性材料で形成される。
【0043】
電子部品130を実装するため、
図1、
図4に示すように、第一基板111と第二基板112との間に位置する各配線部113の端部113eに、接合パッド(基板側配線接続部)200が接合されている。接合パッド200は、液晶パネル110の外周端面110sに沿って、第一基板111側と第二基板112側とにそれぞれ延びた帯状に形成されている。この接合パッド200は、例えば、錫(Sn)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、銅(Cu)等の半田と接合する導電性材料で形成される。
接合パッド200は、好ましくは銀(Ag)、銅(Cu)のペースト、あるいはナノインクを用い、スクリーン印刷、メッシュマスクを用いた印刷、材料を微少吐出できるインクジェットなどを用いて形成する。接合パッド200は、例えば、幅10〜100μm、長さ0.1〜1mm、厚さ10〜1000nmで形成するのが好ましい。
【0044】
図1、
図2に示すように、電子部品130は、液晶パネル110の外周端面110sに設けられた接合パッド200に、自己凝集半田140を用いて半田接合されている。
図5に示すように、自己凝集半田140は、熱硬化性樹脂140aと、熱硬化性樹脂140a中に、銅(Cu)、錫(Sn)等を含む半田合金材料からなる半田粒子140bを均一に分散させたペースト状の材料である。熱硬化性樹脂140aは、半田粒子140bよりも融点の低い材料から形成されている。このような熱硬化性樹脂140aを形成する材料としては、例えば、90℃〜150℃の融点を有する、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、アルキド系樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等により形成することができる。ここで、熱硬化性樹脂140aを形成する材料は、融点以上となったときに、流動性を帯びるものを用いる。
このような自己凝集半田140としては、例えば、商品名「リフロー実装異方性導電ペーストエポウェル APシリーズ」(積水化学工業株式会社製)、商品名「Low−Temperature−Curable conductive」 (日立化成株式会社製)等を好適に用いることができる。
【0045】
また、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130とを接合する自己凝集半田140の上下(周囲)には、それぞれ、自己凝集半田140に含まれる半田粒子140bを形成する半田合金材料の融点よりも低い融点を有する低融点樹脂材料からなる樹脂接合部(低融点接合部)160が形成されている。この樹脂接合部160は、例えば、90℃〜150℃の融点を有する、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、アルキド系樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等により形成することができる。なお、この樹脂接合部160を形成する低融点樹脂材料は、後述するように、電子部品130を液晶パネル110の外周端面110sに仮接合した後に、自己凝集半田140による半田接合を行うために樹脂接合部160の融点以上に再度加熱したときに、熱硬化して、電子部品130と液晶パネル110の外周端面110sとの接合状態を維持するものを用いる。
【0046】
また、樹脂接合部160には、自己凝集半田140の膜厚を規定するための膜厚規定粒子(粒子状部材、半田膜厚規定部)165が設けられている。この実施形態において、膜厚規定粒子165は、粒子状で、液晶パネル110の外周端面110sと、電子部品130の配線基板131との間に介在している。したがって、膜厚規定粒子165は、自己凝集半田140の膜厚と、電子部品130の配線基板131に形成された接続電極133の膜厚と、接合パッド200の膜厚との合計に合致した粒径を有している。
このような膜厚規定粒子165は、樹脂接合部160及び自己凝集半田140の融点よりも高い融点を有した材料から形成されている。ここで、このような膜厚規定粒子165を形成する材料としては、例えば、ガラス、シリカ、硬化プラスチック等を用いることができる。
【0047】
このような自己凝集半田140を用いて、電子部品130を液晶パネル110の外周端面110sに設けられた接合パッド200に接合するには、自己凝集半田140を、液晶パネル110の外周端面110sに塗布する。これには、例えば、スクリーン印刷、メッシュマスクを用いた印刷、自己凝集半田140を微少吐出できるインクジェット法等のパターン形成技術を用いることができる。
【0048】
また、
図4、
図9に示すように、液晶パネル110の外周端面110sにおいて、仮接合材161を、自己凝集半田140の塗布領域の上下に塗布する。
この仮接合材161は、最終的に上記樹脂接合部160を形成するものである。したがって、仮接合材161は、上記樹脂接合部160と同材料である。この仮接合材161には、所定粒径の膜厚規定粒子165が分散した状態で混合されている。
このとき、仮接合材161は、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130とが対向する方向における厚さが、自己凝集半田140の塗布厚さよりも大きくなるようにするのが好ましい。後述する仮接合の際に、液晶パネル110の外周端面110sに設けられた仮接合材161が、電子部品130に確実に突き当たるようにするためである。
また、仮接合材161は、自己凝集半田140を熱圧着したときに塗布領域よりも上下に広がるため、この広がりを考慮して自己凝集半田140と干渉しない位置に設けるのが好ましい。
また、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130の配線基板131とを平行に接合するため、仮接合材161は、自己凝集半田140の塗布領域の上下にわたって設けるのが好ましい。したがって、仮接合材161は、自己凝集半田140の塗布領域の全周を囲うように設けてもよい。
また、仮接合材161は、液晶パネル110の表示面110fに沿った方向に連続させて線状に設けてもよいし、液晶パネル110の表示面110fに沿った方向に間欠的に点状に設けてもよい。
仮接合材161は、自己凝集半田140の塗布に先立って、液晶パネル110の製造時に、予め設けておいてもよいし、液晶パネル110に電子部品を接合する際、自己凝集半田140の塗布の前後に設けてもよい。また、仮接合材161は、予め所定形状に成形したものを液晶パネル110の外周端面110sに貼り付けるようにしてもよい。
【0049】
自己凝集半田140および仮接合材161の塗布後、液晶パネル110の外周端面110sに設けられた接合パッド200と、電子部品130の配線基板131に形成された接続電極133とを、所定の精度で位置合わせする。
そして、異方性導電膜による接合法で用いるのと同様の熱圧着装置を使用し、仮接合材161を、半田粒子140bの融点よりも低く、仮接合材161の融点よりも低い温度で加熱する。すると、自己凝集半田140は溶融せず、仮接合材161が軟化する。
この後、仮接合材161の加熱を中止する。仮接合材161の温度が低下すると、仮接合材161が硬化し、液晶パネル110の外周端面110sに設けられた接合パッド200と、電子部品130の配線基板131に形成された接続電極133とが位置合わせされた状態で、電子部品130が液晶パネル110の外周端面110sに仮接合される。
この状態では、膜厚規定粒子165は、仮接合材161中に分散した状態を維持している。
【0050】
次いで、異方性導電膜による接合法で用いるのと同様の熱圧着装置を使用し、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130とを互いに接近する方向に加圧しながら加熱する。このように、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130とを互いに接近する方向に加圧していくと、
図1に示したように、仮接合材161中の膜厚規定粒子165が、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130との双方に突き当たる。これによって、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130の配線基板131との間隔が規定され、自己凝集半田140の膜厚も規定される。
このようにして、自己凝集半田140に、所定の圧力、温度、時間を印加する。一例を挙げると、自己凝集半田140に、150℃で15分間、所定の圧力を印加する。
【0051】
加えられた熱により、
図6に示すように、自己凝集半田140を構成する熱硬化性樹脂140a及び半田粒子140bが溶融し、流動性を帯びた熱硬化性樹脂140a中で、半田粒子140b同士が凝集しつつ、接合パッド200,接続電極133に引き寄せられていく。最終的に、
図7に示すように、半田粒子140bは、金属からなる接合パッド200と接続電極133との間に自己凝集して金属結合する。これによって、液晶パネル110の接合パッド200と電子部品130の接続電極133とが、溶融して凝集した多数の半田粒子140bからなる半田金属(半田接合部)Hによって半田付けされる。また、互いに隣接する接合パッド200同士、接続電極133同士の間には、溶融した熱硬化性樹脂140aが集まり、これによって、電子部品130の配線基板131と液晶パネル110の外周端面110sとが熱硬化性樹脂140aからなる絶縁樹脂(樹脂接着部)Pによって接着される。
このような熱圧着後、放冷することで、液晶パネル110の外周端面110sへの電子部品130の接合が完了する。
また、上記のような熱圧着による自己凝集半田140の加熱および加圧過程で、仮接合材161は、仮接合材161の融点以上に加熱されて溶融した後、放冷によって硬化する。このとき、融点以上に加熱された仮接合材161は、熱硬化して、電子部品130と液晶パネル110の外周端面110sとの接合状態を維持している。
【0052】
このようにして、液晶パネル110の外周端面110sに設けられた接合パッド200と、電子部品130の配線基板131に形成された接続電極133とが、自己凝集半田140の半田金属Hによって選択的に金属結合され、電気的に接続される。また、液晶パネル110の外周端面110sと、電子部品130の配線基板131とは、半田金属Hによる金属結合と、絶縁樹脂Pによる接着とによって、機械的に接合されている。
このようにして、半田金属Hと絶縁樹脂Pによって機械的に接合された液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130の配線基板131とは、例えば500g/cm以上の引張強度を有する。
また、電子部品130の配線基板131と液晶パネル110の外周端面110sとは、仮接合材161が硬化することによって形成される樹脂接合部160によっても、機械的に接合される。
【0053】
ここで、液晶パネル110の外周端面110sに設けられた接合パッド200と、電子部品130の配線基板131に形成された接続電極133との間に形成される半田金属Hの厚さは、例えば、20μm以下とするのが好ましい。
また、液晶パネル110の外周端面110sに設けられた接合パッド200、電子部品130の配線基板131に形成された接続電極133の電極ピッチは、10〜100μmとすることができる。
【0054】
図1、
図2に示すように、このようにして電子部品130が実装された液晶パネル110の外周部には、ディスプレイ装置100Aの外枠を形成するベゼル150が設けられている。ベゼル150は、液晶パネル110の外周端面110sの外周側に位置する側板部150aと、側板部150aの一端から液晶パネル110の内側に向けて延び、液晶パネル110の表示面110fの外周部に沿う前板部150bと、を少なくとも備える。電子部品130は、このようなベゼル150の側板部150aと液晶パネル110の外周端面110sとの間に収められている。
ここで、上記したように、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130の配線基板131とが接合されることで、ベゼル150は、その幅wを小さくすることができる。すなわち、ディスプレイ装置100Aは、ベゼル150の幅wが小さい狭額縁のものとすることができる。
【0055】
さらに、
図8に示すように、上記したような狭額縁のディスプレイ装置100Aを複数用いることで、ディスプレイシステム1を構成することができる。このディスプレイシステム1は、複数のディスプレイ装置100Aを、上下方向及び横方向に隣接させて並設したもので、これら複数のディスプレイ装置100Aによって形成される表示領域Aに、画像や映像を表示する。
このようなディスプレイシステム1は、各ディスプレイ装置100Aが狭額縁であるため、上下方向又は横方向で互いに隣り合うディスプレイ装置100A同士の隙間を狭くでき、表示領域Aにおいて、違和感の少ない画像や映像の表示を行うことが可能となる。
【0056】
上述したような電子部品130の実装方法によれば、互いに対向配置した第一基板111,第二基板112、および第一基板111,第二基板112の間に設けられた配線部113の端部113eに接合パッド200を有した液晶パネル110の外周端面110sに、電子部品130の接続電極133を対向させた状態で、電子部品130の接続電極133と接合パッド200との間に、熱硬化性樹脂140aと半田粒子140bとを含んだ自己凝集半田140を介在させるとともに、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130との間に、自己凝集半田140よりも融点の高い材料からなる膜厚規定粒子165を含み、かつ、自己凝集半田140を構成する半田粒子140bよりも融点の低い材料からなる仮接合材161を介在させる工程と、半田粒子140bの融点よりも低く、仮接合材161の融点よりも低い温度で仮接合材161を軟化して電子部品130と液晶パネル110の外周端面110sとを仮接合する工程と、自己凝集半田140および仮接合材161を加熱しつつ、接続電極133と接合パッド200とを互いに接近する方向に加圧して接合する工程と、を備えている。
このような構成によれば、電子部品130を液晶パネル110の外周端面110sに接合する際に、膜厚規定粒子165によって、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130の配線基板131との間隙が規定されるので、半田金属Hの厚さ、すなわち半田膜厚を規定することができる。したがって、電子部品130を液晶パネル110の外周端面110sに確実に接合するとともに、自己凝集半田140に過大な圧力が加わることによって自己凝集半田140が外周側にはみ出るのを抑え、品質を安定させることができる。また、電子部品130を液晶パネル110の外周端面110sに接合する際に加える圧力の制御に高い精度が要求されないため、接合作業を容易に行うことが可能となる。
【0057】
また、自己凝集半田140による半田付けに先立ち、仮接合材161によって電子部品130と液晶パネル110の外周端面110sとを仮接合するので、電子部品130の接続電極133と接合パッド200とを、高い精度で位置合わせすることができる。
このように、仮接合材161によって電子部品130と液晶パネル110とを仮接合した後に、自己凝集半田140による接合を行うことで、電子部品130と液晶パネル110との接合作業を効率よく行うことができる。
また、仮接合材161による仮接合を行った後、自己凝集半田140による接合前であれば、再度加熱を行って仮接合材161を軟化させることで、電子部品130の接続電極133と接合パッド200との位置合わせをやり直すことができる。
【0058】
また、電子部品130の接続電極133と接合パッド200との間には、自己凝集半田140を構成する半田粒子140bが凝集して半田付けがなされる。これによって、異方性導電膜を用いる場合に比較し、電子部品130の接続電極133と接合パッド200との間に介在する導電性材料の量が多くなり、電子部品130の接続電極133と接合パッド200との間の接続抵抗が高くなるのを抑えることができる。
また、電子部品130と液晶パネル110の外周端面110sとは、自己凝集半田140の半田粒子140bからなる半田金属Hによる金属結合と、熱硬化性樹脂140aからなる絶縁樹脂Pによる接着とによって、機械的に接合されている。さらに、自己凝集半田140の周囲において、電子部品130と液晶パネル110の外周端面110sとが、樹脂接合部160(仮接合材161)によっても接合される。したがって、電子部品130と液晶パネル110とを強固に接合することが可能となる。
【0059】
また、上述したような電子部品130の接合構造、液晶パネル110、ディスプレイ装置100A、ディスプレイシステム1によれば、互いに対向配置された第一基板111,第二基板112、および第一基板111,第二基板112の間に設けられた配線部113の端部113eに接合パッド200を有した液晶パネル110と、液晶パネル110の外周端面110sに接続電極133が対向配置された電子部品130と、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130とを接合する接合部Jと、を備え、この接合部Jは、接合パッド200と接続電極133との間に介在する半田金属Hと、半田金属H以外の部分において液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130とを接着する絶縁樹脂Pと、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130との間に、半田金属Hよりも融点の低い材料からなる樹脂接合部160と、樹脂接合部160の内部に設けられ、半田金属Hよりも融点の高い材料からなり、接合パッド200と接続電極133とが対向する方向における半田金属Hの厚さと対応した寸法の粒径を有した膜厚規定粒子165と、を備える。
このような構成によれば、電子部品130を液晶パネル110の外周端面110sに強固かつ確実に接合しつつ、電気導通性を高めて接続抵抗を抑えるとともに、品質を安定させ、接合作業を容易に行うことが可能となる。
【0060】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第2の実施形態においては、上記第1の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
図10は、本発明の第2の実施形態に係るディスプレイ装置の一部の構成を示す断面図である。
図11は、上記ディスプレイ装置の一部を示す平面図である。
図12は、仮接合材によって液晶パネルの外周端面と電子部品とを仮接合した状態を示す断面図である。
図10、
図11に示すように、ディスプレイ装置100Bは、液晶パネル(基板積層体、基板装置)110と、液晶パネル110に光を提供する光源部(図示無し)と、光源部で発した光を液晶パネル110の背面に導く光ガイド部(図示無し)と、を備えている。
【0061】
液晶パネル110は、第一基板(基板)111と、第一基板111に対向配置された第二基板(基板)112と、第一基板111と第二基板112との間に配置された液晶層(図示無し)と、を備えている。
【0062】
第一基板111,第二基板112は、それぞれガラス基板、樹脂基板、プリント基板のいずれか一つからなる。
第一基板111および第二基板112の少なくとも一方(
図1の例では第一基板111)には、図示しないデータラインとゲートラインとからなる信号配線と、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)等を備えた配線部(配線)113が設けられている。配線部113は、第一基板111と第二基板112との間の液晶層の液晶を駆動し、液晶パネル110における表示画像(映像)を形成する。この配線部113は、アルミ(Al)、銅(Cu)等の低抵抗の導電性材料の単体による単層構造により形成することができる。また、配線部113は、アルミ(Al)、銅(Cu)等の低抵抗の導電性材料の単体と、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)等の材料の単体との積層構造により形成することもできる。
また、各配線部113の端部113sは、配線部113の引き出し部とされ、錫(Sn)、鉛(Pb)、銀(Ag)、銅(Cu)等の半田と接合する導電性材料の単体による単層構造により形成することができる。また、配線部113の端部113eは、錫(Sn)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、銅(Cu)等の半田と接合する導電性材料の単体と、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)等の材料の単体との積層構造により形成することもできる。
【0063】
このような液晶パネル110において、第一基板111の外周端面111sと、第二基板112の外周端面112sとは、同一面内に位置するよう設けられている。これら第一基板111の外周端面111sと第二基板112の外周端面112sとによって、液晶パネル110の表示面110fの外周部において表示面110fに直交する外周端面110sが形成されている。
この液晶パネル110の外周端面110sには、配線部113の端部(基板側配線接続部)113sが、第一基板111の外周端面111sと第二基板112の外周端面112sと同一面に露出している。
【0064】
液晶パネル110の外周端面111sには、電子部品130が実装されている。電子部品130は、実装用COF(Chip on Film)からなるフィルム状の配線基板(フィルム状基板)131と、配線基板131の表面131fに実装された、例えばLSI(Large Scale Integration)等のチップ部品132と、を備えている。配線基板131の表面131fには、液晶パネル110の各配線部113に接合される複数本の接続電極(電子部品側配線接続部)133が形成されている。この接続電極133は、例えば、錫(Sn)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、銅(Cu)等の半田と接合する導電性材料で形成される。また、接続電極133は、端部113sよりも、第一基板111,第二基板112が対向する方向に長く形成されている。
【0065】
電子部品130は、液晶パネル110の外周端面110sに露出した配線部113の端部113sに、自己凝集半田140を用いて半田接合されている。
図5に示したように、自己凝集半田140は、熱硬化性樹脂140aと、熱硬化性樹脂140a中に、銅(Cu)、錫(Sn)等を含む半田合金材料からなる半田粒子140bを均一に分散させたペースト状等の材料である。熱硬化性樹脂140aは、半田粒子140bよりも融点の低い材料から形成されている。このような熱硬化性樹脂140aを形成する材料としては、例えば、90℃〜150℃の融点を有する、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、アルキド系樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等により形成することができる。ここで、熱硬化性樹脂140aを形成する材料は、融点以上となったときに、流動性を帯びるものを用いる。
このような自己凝集半田140としては、例えば、商品名「リフロー実装異方性導電ペーストエポウェル APシリーズ」(積水化学工業株式会社製)、商品名「Low−Temperature−Curable conductive」 (日立化成株式会社製)等を好適に用いることができる。
【0066】
また、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130とを接合する自己凝集半田140の上下には、それぞれ、自己凝集半田140の融点よりも低い融点を有する低融点樹脂材料からなる樹脂接合部160が形成されている。この樹脂接合部160は、例えば、90℃〜150℃の融点を有する、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、アルキド系樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等により形成することができる。なお、この樹脂接合部160を形成する低融点樹脂材料は、後述するように、電子部品130を液晶パネル110の外周端面110sに仮接合した後に、自己凝集半田140による半田接合を行うために樹脂接合部160の融点以上に再度加熱したときに、熱硬化して、電子部品130と液晶パネル110の外周端面110sとの接合状態を維持するものを用いる。
【0067】
また、樹脂接合部160には、自己凝集半田140の膜厚を規定するための膜厚規定粒子165が設けられている。この実施形態において、膜厚規定粒子165は、粒子状で、液晶パネル110の外周端面110sに露出した配線部113の端部113sと、電子部品130の配線基板131に形成された接続電極133との間に介在している。したがって、膜厚規定粒子165は、自己凝集半田140の膜厚と合致した粒径を有している。
このような膜厚規定粒子165は、樹脂接合部160及び自己凝集半田140の融点よりも高い融点を有した材料から形成されている。ここで、このような膜厚規定粒子165を形成する材料としては、例えば、ガラス、シリカ、硬化プラスチック等を用いることができる。
【0068】
このような自己凝集半田140を用いて、電子部品130を液晶パネル110の外周端面110sに露出した端部113sにハンダ付けするには、自己凝集半田140を、液晶パネル110の外周端面110sに塗布する。これには、例えば自己凝集半田140がペースト状である場合、スクリーン印刷、メッシュマスクを用いた印刷、自己凝集半田140を微少吐出できるインクジェット法等のパターン形成技術を用いることができる。
【0069】
また、
図12に示すように、液晶パネル110の外周端面110sにおいて、仮接合材161を、自己凝集半田140の塗布領域の上下に塗布する。
この仮接合材161は、最終的に上記樹脂接合部160を形成するものである。したがって、仮接合材161は、上記樹脂接合部160と同材料である。この仮接合材161には、所定粒径の膜厚規定粒子165が分散した状態で混合されている。
このとき、仮接合材161は、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130とが対向する方向における厚さが、自己凝集半田140の塗布厚さよりも大きくなるようにするのが好ましい。後述する仮接合の際に、液晶パネル110の外周端面110sに設けられた仮接合材161が、電子部品130に確実に突き当たるようにするためである。
また、仮接合材161は、自己凝集半田140を熱圧着したときに塗布領域よりも上下に広がるため、この広がりを考慮して自己凝集半田140と干渉しない位置に設けるのが好ましい。また、仮接合材161は、
図12に示したように電子部品130の接続電極133と重なる位置に設けてもよいし、接続電極133とは重ならない位置に設けてもよい。
また、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130の配線基板131とを平行に接合するため、仮接合材161は、自己凝集半田140の塗布領域の上下に設けるのが好ましい。したがって、仮接合材161は、自己凝集半田140の塗布領域の全周を囲うように設けてもよい。
また、仮接合材161は、液晶パネル110の表示面110fに沿った方向に連続させて線状に設けてもよいし、液晶パネル110の表示面110fに沿った方向に間欠的に点状に設けてもよい。
この仮接合材161は、自己凝集半田140の塗布に先立って、液晶パネル110の製造時に、予め設けておいてもよいし、液晶パネル110に電子部品を接合する際、自己凝集半田140の塗布の前後に設けてもよい。また、仮接合材161は、予め所定形状に成形したものを液晶パネル110の外周端面110sに貼り付けるようにしてもよい。
【0070】
自己凝集半田140および仮接合材161の塗布後、液晶パネル110の外周端面110sに露出した配線部113の端部113sと、電子部品130の配線基板131に形成された接続電極133とを、所定の精度で位置合わせする。
そして、異方性導電膜による接合法で用いるのと同様の熱圧着装置を使用し、仮接合材161を、半田粒子140bの融点よりも低く、仮接合材161の融点よりも低い温度で加熱する。すると、自己凝集半田140は溶融せず、仮接合材161が軟化する。
この後、仮接合材161の加熱を中止する。仮接合材161の温度が低下すると、仮接合材161が硬化し、液晶パネル110の外周端面110sに露出した配線部113の端部113sと、電子部品130の配線基板131に形成された接続電極133とが位置合わせされた状態で、電子部品130が液晶パネル110の外周端面110sに仮接合される。
この状態では、膜厚規定粒子165は、仮接合材161中に分散した状態を維持している。
【0071】
次いで、異方性導電膜による接合法で用いるのと同様の熱圧着装置を使用し、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130とを互いに接近する方向に加圧しながら加熱する。このように、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130とを互いに接近する方向に加圧していくと、仮接合材161中の膜厚規定粒子165が、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130の接続電極133との双方に突き当たる。これによって、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130の接続電極133との間隔が規定され、自己凝集半田140の膜厚が規定される。
【0072】
このようにして、自己凝集半田140に、所定の圧力、温度、時間を印加する。一例を挙げると、液晶パネル110の外周端面110sに露出した配線部113の端部113sと、電子部品130の配線基板131に形成された接続電極133とを、150℃で加熱しながら、15分間、所定の圧力で圧着する。
図6、
図7に示すように、加熱により、自己凝集半田140を構成する熱硬化性樹脂140a及び半田粒子140bが溶融すると、流動性を帯びた熱硬化性樹脂140a中で、半田粒子140bは、金属からなる配線部113の端部113sと接続電極133との間に自己凝集して金属結合する。これによって、液晶パネル110の配線部113の端部113sと電子部品130の接続電極133とが、溶融して凝集した多数の半田粒子140bからなる半田金属(半田接合部)Hによって半田付けされる。また、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130の配線基板131との間において、半田金属Hが形成される部分以外には、溶融した熱硬化性樹脂140aが集まり、これによって、熱硬化性樹脂140aからなる絶縁樹脂(樹脂接着部)Pが形成される。
このような熱圧着後、放冷することで、液晶パネル110の外周端面110sへの電子部品130の接合が完了する。
また、上記のような熱圧着による自己凝集半田140の加熱および加圧過程で、仮接合材161は、仮接合材161の融点以上に加熱されて溶融した後、放冷によって硬化する。このとき、融点以上に加熱された仮接合材161は、熱硬化して、電子部品130と液晶パネル110の外周端面110sとの接合状態を維持している。
【0073】
このようにして、
図10、
図11に示すように、液晶パネル110の外周端面110sに露出した配線部113の端部113sと、電子部品130の配線基板131に形成された接続電極133とが、自己凝集半田140の半田金属Hによって選択的に金属結合され、電気的に接合される。
また、液晶パネル110の外周端面110sと、電子部品130の配線基板131とは、半田金属Hによる金属結合と、絶縁樹脂Pによる接着とによって、機械的に接合される。
このようにして、半田金属Hと絶縁樹脂Pによって機械的に接合された液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130の配線基板131とは、例えば500g/cm以上の引張強度を有する。
また、電子部品130の配線基板131と液晶パネル110の外周端面110sとは、仮接合材161が硬化することによって形成される樹脂接合部160によっても、機械的に接合される。
【0074】
ここで、液晶パネル110の外周端面110sに設けられた配線部113の端部113sと、電子部品130の配線基板131に形成された接続電極133との間に形成される半田金属Hの厚さは、例えば、20μm以下とするのが好ましい。
また、液晶パネル110の外周端面110sに設けられた配線部113の端部113s、電子部品130の配線基板131に形成された接続電極133の電極ピッチは、10〜100μmとすることができる。
【0075】
このようにして電子部品130が実装された液晶パネル110の外周部には、ディスプレイ装置100Bの外枠を形成するベゼル150が設けられている。ベゼル150は、液晶パネル110の外周端面110sの外周側に位置する側板部150aと、側板部150aの一端から液晶パネル110の内側に向けて延び、液晶パネル110の表示面110fの外周部に沿う前板部150bと、を少なくとも備える。電子部品130は、このようなベゼル150の側板部150aと液晶パネル110の外周端面110sとの間に収められている。
ここで、上記したように、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130の配線基板131とが接合されることで、ベゼル150は、その幅wを小さくすることができる。すなわち、ディスプレイ装置100Bは、ベゼル150の幅wが小さい狭額縁のものとすることができる。
【0076】
さらに、上記したような狭額縁のディスプレイ装置100Bを複数用いることで、
図8に示すように、ディスプレイシステム1を構成することができる。このディスプレイシステム1は、複数のディスプレイ装置100Bを、上下方向及び横方向に隣接させて並設したもので、これら複数のディスプレイ装置100Bによって形成される表示領域Aに、画像や映像を表示する。
このようなディスプレイシステム1は、各ディスプレイ装置100Bが狭額縁であるため、上下方向又は横方向で互いに隣り合うディスプレイ装置100B同士の隙間を狭くでき、表示領域Aにおいて、違和感の少ない画像や映像の表示を行うことが可能となる。
【0077】
上述したような電子部品130の実装方法によれば、互いに対向配置した第一基板111,第二基板112、および第一基板111,第二基板112の間に設けられた配線部113を有した液晶パネル110の外周端面110sに、電子部品130の接続電極133を対向させた状態で、電子部品130の接続電極133と配線部113の端部113eとの間に、熱硬化性樹脂140aと半田粒子140bとを含んだ自己凝集半田140を介在させるとともに、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130との間に、自己凝集半田140よりも融点の高い材料からなる膜厚規定粒子165を含み、かつ、自己凝集半田140を構成する半田粒子140bよりも融点の低い材料からなる仮接合材161を介在させる工程と、半田粒子140bの融点よりも低く、仮接合材161の融点よりも低い温度で仮接合材161を軟化して電子部品130と液晶パネル110の外周端面110sとを仮接合する工程と、自己凝集半田140および仮接合材161を加熱しつつ、接続電極133と配線部113の端部113sとを互いに接近する方向に加圧して接合する工程と、を備える。
このような構成によれば、電子部品130を液晶パネル110の外周端面110sに接合する際に、膜厚規定粒子165によって、電子部品130の接続電極133と配線部113の端部113sとの間隙が規定されるので、半田金属Hの厚さを規定することができる。したがって、電子部品130を液晶パネル110の外周端面110sに確実に接合するとともに、自己凝集半田140に過大な圧力が加わることによって自己凝集半田140が外周側にはみ出るのを抑え、品質を安定させることができる。また、電子部品130を液晶パネル110の外周端面110sに接合する際に加える圧力の制御に高い精度が要求されないため、接合作業を容易に行うことが可能となる。
【0078】
また、自己凝集半田140による半田付けに先立ち、仮接合材161によって電子部品130と液晶パネル110の外周端面110sとを仮接合するので、電子部品130の接続電極133と配線部113の端部113sとを、高い精度で位置合わせすることができる。
このように、仮接合材161によって電子部品130と液晶パネル110とを仮接合した後に、自己凝集半田140による接合を行うことで、電子部品130と液晶パネル110との接合作業を効率よく行うことができる。
また、仮接合材161による仮接合を行った後、自己凝集半田140による接合前であれば、再度加熱を行って仮接合材161を軟化させることで、電子部品130の接続電極133と配線部113の端部113sとの位置合わせをやり直すことができる。
【0079】
また、電子部品130の接続電極133と配線部113の端部113sとの間には、自己凝集半田140を構成する半田粒子140bが凝集して半田付けがなされる。これによって、異方性導電膜を用いる場合に比較し、電子部品130の接続電極133と配線部113の端部113sとの間に介在する導電性材料の量が多くなり、電子部品130の接続電極133と配線部113の端部113sとの間の接続抵抗が高くなるのを抑えることができる。
また、電子部品130と液晶パネル110の外周端面110sとは、自己凝集半田140の半田粒子140bからなる半田金属Hによる金属結合と、熱硬化性樹脂140aからなる絶縁樹脂Pによる接着とによって、機械的に接合されている。さらに、自己凝集半田140の周囲において、電子部品130と液晶パネル110の外周端面110sとが、樹脂接合部160(仮接合材161)によっても接合される。したがって、電子部品130と液晶パネル110とを強固に接合することが可能となる。
【0080】
また、基板側配線接続部を、第一基板111,第二基板112の間に露出した配線部113の端部113sとしたので、上記第1の実施形態に比較し、接合パッド200を設ける必要が無くなる。これによって、接合パッド200を形成する工程を削減し、作業の効率化、製作コストの低減化を図ることができる。
【0081】
また、上述したような電子部品130の接合構造、液晶パネル110、ディスプレイ装置100A、ディスプレイシステム1によれば、互いに対向配置された第一基板111,第二基板112、および第一基板111,第二基板112の間に設けられた配線部113を有した液晶パネル110と、液晶パネル110の外周端面110sに接続電極133が対向配置された電子部品130と、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130とを接合する接合部Jと、を備え、この接合部Jは、配線部113の端部113sと接続電極133との間に介在する半田金属Hと、半田金属H以外の部分において液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130とを接着する絶縁樹脂Pと、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130との間に、半田金属Hよりも融点の低い材料からなる樹脂接合部160と、樹脂接合部160の内部に設けられ、半田金属Hよりも融点の高い材料からなり、配線部113の端部113sと接続電極133とが対向する方向における半田金属Hの厚さと同じ寸法の粒径を有した膜厚規定粒子165と、を備える。
このような構成によれば、電子部品130を液晶パネル110の外周端面110sに強固かつ確実に接合しつつ、電気導通性を高めて接続抵抗を抑えるとともに、品質を安定させ、接合作業を容易に行うことが可能となる。
【0082】
(その他の実施形態)
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記各実施形態において、仮接合材161を液晶パネル110の外周端面110sに設けるようにしたが、電子部品130側に設けてもよいし、液晶パネル110の外周端面110sと電子部品130の双方に設けてもよい。
また、上記各実施形態で示した電子部品130の実装方法、電子部品130の接合構造は、ディスプレイ装置100A、100B以外にも、各種の電子デバイス等の基板装置にも適用することができる。
また、ディスプレイ装置100A、100Bは、液晶表示装置に限るものではなく、有機発光ダイオード表示装置、プラズマディスプレイパネル表示装置等にも、本発明を同様に適用することができる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。