(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6752674
(24)【登録日】2020年8月21日
(45)【発行日】2020年9月9日
(54)【発明の名称】組電池
(51)【国際特許分類】
H01M 2/10 20060101AFI20200831BHJP
H01M 2/30 20060101ALI20200831BHJP
【FI】
H01M2/10 S
H01M2/10 E
H01M2/30 C
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-194553(P2016-194553)
(22)【出願日】2016年9月30日
(65)【公開番号】特開2018-56087(P2018-56087A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2019年1月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】505083999
【氏名又は名称】ビークルエナジージャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保田 修
(72)【発明者】
【氏名】小島 和則
(72)【発明者】
【氏名】青木 定之
【審査官】
小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−229615(JP,A)
【文献】
特開2016−018766(JP,A)
【文献】
国際公開第2015/107583(WO,A1)
【文献】
特開2010−080353(JP,A)
【文献】
特開2016−046234(JP,A)
【文献】
特開2017−117574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 2/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極端子を有する複数のセルを積層させた電池群と、前記電池群の端部に配置された板状部材と、前記板状部材と電池群との間に配置されるセルホルダを備えた組電池において、
前記セルホルダには当該組電池の端子固定部が設けられ、
前記端子固定部は、前記セルホルダから前記板状部材側に突き出しており、
前記電池群の積層方向の前方および後方にセルホルダを当接させた状態で、前記電池群をセルホルダごと前記板状部材で挟持するとともに、
一対の前記板状部材に挟まれた前記電池群とセルホルダが所定量圧縮された状態で前記電池群とセルホルダと前記板状部材を一体化したことを特徴とする組電池。
【請求項2】
請求項1に記載の組電池において、
前記板状部材は、エンドプレートであることを特徴とする組電池。
【請求項3】
請求項1に記載の組電池において、
前記板状部材は筐体の一部であることを特徴とする組電池。
【請求項4】
請求項2または3のいずれかに記載の組電池において、
前記端子固定部は矩形形状をしていることを特徴とする組電池。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれかに記載の組電池において、
前記端子固定部にはボルトの頭部、又はナットがインサートモールドされていることを特徴とする組電池。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれかに記載の組電池において、
前記端子固定部は、前記セルホルダ上であって、前記セルの外部端子と対向した位置に配置されることを特徴とする組電池。
【請求項7】
請求項2乃至5のいずれかに記載の組電池において、
前記端子固定部は、前記セルホルダの中央部に配置されることを特徴とする組電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繰り返し充放電可能な二次電池を複数個連結して構成される組電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特にハイブリット自動車の電源装置のような大電流で充放電される用途として、複数のリチウムイオン電池を連結した組電池の開発が進められている。この組電池には、大電流を流すことから太い外部端子ケーブルを低抵抗な状態で接続する必要がある。そのために組電池に外部端子ケーブルを強い締結力で締め付けて接続している。しかしながら組電池を構成する単電池の正極あるいは負極の電極端子に直接外部端子ケーブルを接続すると、接続時の締付トルクによって単電池の電極端子が破壊される恐れがあるため、単電池の電極端子にバスバを備え、バスバと外部端子ケーブルとを単電池の電極端子とは別に設けた固定部でボルト接続する方法がとられている。固定部はボルトの軸に対して回転方向の力を受けが、回転方向の力によって固定部が回転すると、ボルトの締結力が得られないため、ボルトの締結力の大きさは固定部の強度に依存する。この時、固定部の強度を確保するために、固定部はある程度の体積が必要とされるが、そのために、組電池が大型化してしまっていた。
【0003】
特許文献1には、固定部を樹脂のエンドプレートに一体化した構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−080353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
固定部には、バスバと外部端子ケーブルを締結するための回転方向の力が加えられるのが、固定部がこの力を受けて変形すると締結力を確保できないため、締結力は固定部の強度に依存する。特許文献1に記載の組電池は、固定部とエンドプレートを一体化することで組電池の小型化を実現しているが、その一方で締結力を樹脂部材の強度のみで受け止めるため、締結力に課題があった。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、組電池の小型化を実現しつつ、固定部でのバスバと外部端子ケーブルの締結力を向上させた組電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成すべく、本発明では、電極端子を有する複数のセルを積層させた電池群と、前記電池群の端部に配置された板状部材と、前記板状部材と電池群との間に配置されるセルホルダを備えた組電池において、前記セルホルダには当該組電池の端子固定部が設けられ、前記板状部材は前記端子固定部と重なる重なり部を有することを特徴とする組電池が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、体積のある固定部の位置を缶底側へ下げることで、組電池を低背にすることが可能であり、エンドプレートの厚みを利用して固定部の体積を吸収することで、組電池の長手方向の寸法を短くすることが可能である。これらを合わせて組電池を小型化できる。
また、板状部材の重なり部の構成をセルホルダの端子固定部を覆うようにすることで、固定部に加えられる回転方向の力をエンドプレートで受けることができ、固定部の強度が増し、固定部でのバスバと外部端子ケーブルとの締結力を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第一の実施の形態に係る組電池を示す外観斜視図。
【
図2】第一の実施の形態に係る組電池を示す分解外観斜視図。
【
図3】中間ホルダと端ホルダと端部セルとエンドプレートとの位置関係を説明するための部分斜視図。
【
図4】中間ホルダと端ホルダと端部セルとエンドプレートとの位置関係を説明するための部分斜視図。
【
図5】固定部に関し、曲面を有す場合と矩形の場合の違いを説明する概念図。
【
図6】中間ホルダと端ホルダと端部セルとエンドプレートとの位置関係を説明するための部分斜視図。
【
図7】第二の実施の形態に係る組電池を示す外観斜視図。
【
図8】第二の実施の形態に係る組電池を示す分解外観斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を具体的な実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても本発明の範囲内に含まれる。また、実施例における図は、略図であり、図中の位置関係系や寸法等に正確さを保証するものではない。本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、本発明を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0010】
《実施例1》
図1は本発明の第1の実施の形態に係る組電池の外観斜視図である。
図2は
図1の組電池の分解外観斜視図である。ただし
図2では一部を省略してある。
【0011】
図1に示す組電池は、電池積層体1を、一対の端ホルダ2と一対の板状部材であるエンドプレート3で挟持し、一対のサイドフレーム4でこれらを一体化し、中間バスバ5で電池間の電力ラインを、端バスバ6と外部端子ケーブル7で組電池と外部との電力ラインを形成する構成である。
【0012】
図1と
図2を用いて、電池積層体について説明する。電池積層体1は、複数の単電池8と、複数の中間ホルダ9とを備えている。各単電池は、扁平な直方体形状であって、一対の幅広面を有している。電池積層体を構成する複数の単電池は、隣り合う単電池の互いの幅広面同士が対向するように積層配置されている。隣接する単電池同士は、電池蓋に設けられた正極端子および負極端子の位置が逆転するように、向きが反転して配置されている。隣り合う各単電池の正極端子と負極端子とは金属製の平板状導電部材である中間バスバ5によって電気的に接続されている。すなわち、本実施の形態に係る組電池を構成する複数の単電池は、電気的に直列に接続されている。また、電池積層体の両端の単電池の正極端子もしくは負極端子には端バスバ6が備えられている。
【0013】
電池積層体1を構成する単電池8について説明する。複数の単電池は、いずれも同様の構造である。単電池は、電池缶と電池蓋とからなる角形の電池容器を備えている。電池缶および電池蓋の材質は、たとえばアルミニウムやアルミニウム合金である。電池缶は、二枚の面積の大きい面(幅広面)と二枚の面積の小さい面(狭側面)と一面の底板と開口部を有する矩形箱状とされる。電池蓋は、矩形平板状であって、電池缶の開口部を塞ぐようにレーザ溶接されている。つまり、電池蓋は、電池缶を封止している。電池蓋と電池缶とからなる角形の電池容器は、中空の直方体形状とされている。
【0014】
電池蓋には、正極端子および負極端子が設けられている。電池容器の内部には、充放電要素が絶縁ケースに覆われた状態で収納されている。充放電要素の正極電極は正極端子に接続され、充放電要素の負極電極は負極端子に接続されている。電池蓋には、電池容器内に電解液を注入するための注液孔が穿設されている。注液孔は、電解液注入後に注液栓によって封止される。電解液としては、たとえば、エチレンカーボネート等の炭酸エステル系の有機溶媒に6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)等のリチウム塩が溶解された非水電解液を用いることができる。電池蓋には、ガス排出弁が設けられている。ガス排出弁は、プレス加工によって電池蓋を部分的に薄肉化することで形成されている。ガス排出弁は、単電池が過充電等の異常により発熱してガスが発生し、電池容器内の圧力が上昇して所定圧力に達したときに開裂して、内部からガスを排出することで電池容器内の圧力を低減させる。
【0015】
図3は、中間ホルダ9と端ホルダ2と電池積層体の端に位置する単電池8とエンドプレート3との位置関係を説明するための部分斜視図である。同図を用いて中間ホルダ9と端ホルダ2とエンドプレート3を説明する。
【0016】
中間ホルダ9は、電池積層体の前後方向に複数枚積層配置されている。中間ホルダ9の材質は、絶縁性および耐熱性を有する樹脂であり、たとえば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリカーボネイト(PC)等のエンジニアリングプラスチックやゴム等である。各単電池同士の間に中間ホルダ9が介在しているため、隣り合う単電池同士の絶縁性が確保されている。中間ホルダ9は、隔離部9A、連結部9Bを有す。隔離部9Aは電池の幅広面に対抗し、隣接する二個の電池の幅広面が当接することを防止する。連結部9Bは山部と谷部を有し、隣接する中間ホルダおよび、後述する端ホルダと連結するために使用される。
【0017】
端ホルダ2は、電池積層体の前端に配置される単電池8とエンドプレート3との間、および、後端に配置される単電池8とエンドプレート3との間に配置されている。単電池8とエンドプレート3との間に端ホルダ2が介在しているためエンドプレートと単電池との絶縁性が確保されている。
【0018】
端ホルダ2は、隔離部2Aと連結部2Bと固定部2Cを有す。隔離部2Aは電池の幅広面とエンドプレートに対抗し、電池の幅広面とエンドプレートが当接することを防止する。連結部2Bは山部と谷部を有し、隣接する中間ホルダと連結するために使用される。
【0019】
固定部2Cは、端ホルダからエンドプレート3側に突き出している。固定部2Cは、端バスバと外部端子ケーブルを締結して、電気的に接続するための部位であり、固定部2Cにはインサートナット10や、インサードボルトが一体化されている。固定部は、後述するエンドプレート3の収容部3Aに挿入される構成になっており、端バスバと外部端子ケーブルを締結するときに固定部に負荷される回転トルクをエンドプレートに伝えて、固定部の安定性が確保される。
【0020】
隣接する中間ホルダ同士、あるいは中間ホルダと端ホルダとは、各ホルダの連結部を嵌合することで連結される。具体的には、中間ホルダの連結部9Bと隣接する中間ホルダの連結部9Bを嵌合することで隣接する中間ホルダ同士は連結され、中間ホルダの連結部9Bと端ホルダの連結部2Bとを嵌合することで、中間ホルダと端ホルダは連結される。
【0021】
エンドプレート3は、矩形平板状とされ、単電池8とほぼ同じ大きさに形成されている。エンドプレートは、電池積層体の積層方向の前方および後方のそれぞれに配置され、一対の端ホルダを介して電池積層体を挟持している。収容部3Aは、エンドプレートの上面をくぼませたような形状をしており、そのくぼみの一部を端ホルダ側に開口させている。収容部3Aの形状は固定部2Cとほぼ等しい。なお、エンドプレートの材質は、アルミニウムやアルミニウム合金などの金属である。
【0022】
図4から
図6を用いて、端ホルダとエンドプレートの別の形状を説明する。
端ホルダの固定部の形状は限定的ではなく、
図3に示したように曲面部Aを有してもよいし、あるいは
図4に示すように曲面部がない矩形であってもよい。しかしながら、端バスバと外部端子ケーブルを締結するときの回転トルクをエンドプレートにより伝えて固定部の安定性を強固にするためには、固定部は曲面部をもたない矩形の方が好ましい。
図5に示すように、固定部の幅Lwと固定部の突出長さLhが等しい場合に矩形の方が、固定部とエンドプレートとの接触面積を大きく取れるためである(曲面部を有す構造の場合の接触面積S1、矩形の場合の接触面積S2とするとき、S2>S1)。また、固定部の位置は限定的ではなく、
図3と
図4に示すように、端バスバを接続する電極端子に対抗する位置でもよいし、あるいは、
図6に示すように二つの電極端子の中央の位置でもよい。前者の位置に固定部を設ける場合、固定部と電極端子の距離が短いので端バスバを短くして、配線抵抗を軽減することができる。また前者の場合、組電池を構成する電池の数が偶数の場合に、二種の端ホルダが必要となるが、後者の位置に固定部を設ける場合、端ホルダの形状を一種にすることができる。
【0023】
サイドフレーム4は、電池積層体の積層方向の左方および右方において、左右対称に配置されている。
図1に示すように、サイドフレーム4は、一対のエンドプレート3とボルト11によって物理的に接続されている。サイドフレーム4は、所定の厚さのステンレス板や鋼板等の金属板を所定の幅に切り出した後、細部を折り曲げ加工して製作される。
【0024】
電池積層体1と端ホルダ2とエンドプレート3を一体化するには、電池積層体1の積層方向の前方および後方に端ホルダ2を当接させた状態で、電池積層体1を端ホルダ2ごとエンドプレート3で挟持し、その後、サイドフレーム4をエンドプレート3にボルト11でネジ止めする。サイドフレーム4がエンドプレート3にボルト11でネジ止めされると、一対のエンドプレートに挟まれた電池積層体と端セルホルダが所定量圧縮された状態で保持される。なお、本実施の形態では、ボルトを用いてサイドフレームをエンドプレートに固定する方法について説明したが、リベットを用いて、あるいは、かしめ、溶接などにより、サイドフレームをエンドプレートに固定してもよい。
【0025】
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を奏することができる。本実施の形態では、固定部をエンドプレートの収容部に収容できるため、組電池を小型化することができる。また、固定部に負荷される回転トルクを剛なエンドプレートの収容部で受け止めることができるため、固定部での端バスバと外部端子ケーブルとの締結力を増やすことができる。
【0026】
《実施例2》
図7は本発明の第二の実施形態による組電池を示した概略図である。
図8は
図7の組電池の分解外観斜視図である。本実施形態による組電池は、サイドフレームとエンドプレートを除いて、第一の実施形態による組電池と同一な構造を有し、そのためこの図を参照して説明することで同一な構造に対する重複説明を省略する。
【0027】
図7に示す組電池は、電池積層体12を、一対の端ホルダ13で挟持し、組電池筐体14に収容した構成である。組電池筐体14は大部品14Aと小部品14Bで構成されている。
【0028】
図8に示すように、本実施例の組電池は、組電池筐体14の大部品14Aに側面から端ホルダ13で挟持された電池積層体12をスライドさせて挿入し、一方の端ホルダに小部品14Bを当てたのち、大部品14Aと小部品14Bとをボルト15でネジ止めして形成される。
【0029】
図9は組電池筐体14の外観斜視図である。
図9は組電池筐体14の構成を説明するために、
図7から電池積層体12と端ホルダ13を除いたものである。組電池筐体14は、二枚の面積の大きい板状面(長手面12C)と二枚の面積の小さい板状面(短手面12D)と一面の板状底部12Eと開口部12Fを有する矩形箱状とされる。組電池筐体の材質は、限定的ではないがアルミニウム合金などの金属や、ガラスエポキシ樹脂やFRP樹脂(繊維強化プラスチック)等の剛性を有す樹脂である。
【0030】
組電池筐体の短手面14Dは、収容部14Gを有す。収容部14Gは、短手面14Dの内側をくぼませたような形状をしており、収容部に収める固定部の形状に合わせて、曲面を有したりや矩形とすることができる。また、収容部の位置も固定部の位置に合わせて、あらゆる位置に設けることがきる。
【0031】
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を奏することができる。本実施の形態では、固定部を強固な筐体の収容部に収容できるため、組電池自体の機械的強度を増しながら組電池を小型化することができる。また、固定部に負荷される回転トルクを剛な組電池筐体の収容部で受け止めることができるため、固定部での端バスバと外部端子ケーブルとの締結力を増やすことができる。
【0032】
なお、本発明では端子固定部は、セルホルダ上であって、セルの外部端子と対向する位置に設ける構成としていた。これは配線距離を最短にして配線抵抗を小さくするためである。一方で、本発明ではこの端子固定部の位置はこれに限られるものではなく、例えば、セルホルダの中心部に設けることも可能である。このような構成にすることによって、エンドプレートで最も剛性が高い位置に端子固定部を配置することが出来るため、固定部でのバスバと外部端子ケーブルの締結力を向上させた上で、壊れにくい組電池を提供することが可能となる。
【0033】
以上、簡単に本発明についてまとめる。本発明に記載の組電池は、電極端子を有する複数のセルを積層させた電池群と、電池群の端部に配置された板状部材と、板状部材と電池群との間に配置されるセルホルダを備え、セルホルダには組電池の端子固定部が設けられ、板状部材は端子固定部と重なる重なり部を有する。このような構成にすることによって、従来からあるエンドプレートや筐体の収容部に固定部を収容できるため、組電池を小型化することができる。また、固定部に負荷される回転トルクを十分に剛なエンドプレートの収容部で受け止めることができるため、固定部での端バスバと外部端子ケーブルとの締結力を増やすことができる。
【0034】
また、本発明に記載の組電池は、端子固定部は矩形形状をしている。このような構成にすることによって、端子固定部と収容部との接触面積を増大させることが出来るため、より端子固定部と収容部との接続を強固にすることが出来る。
【0035】
また、本発明に記載の組電池は、端子固定部にはボルトの頭部、又はナットがインサートモールドされている。
【0036】
また、本発明に記載の組電池は、端子固定部は、セルホルダ上であって外部端子と対向した位置に配置される。このような構成にすることによって外部端子と端子固定部との距離を最短にすることが出来る。
【0037】
また、本発明に記載の組電池は、端子固定部は、セルホルダの中央部に配置される。このような構成にすることによって、エンドプレートで最も剛性が高い位置に端子固定部を配置することが出来るため、固定部でのバスバと外部端子ケーブルの締結力を向上させた上で、壊れにくい組電池を提供することが可能となる。
【0038】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、前記の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、前記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。さらに、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 電池積層体
2 端ホルダ
2A 隔離部
2B 連結部
2C 固定部
3 エンドプレート
3A 収容部
4 サイドフレーム
5 中間バスバ
6 端バスバ
7 外部端子ケーブル
8 単電池
9 中間ホルダ
9A 隔離部
9B 連結部
10 インサートナット
11 ボルト
12 電池積層体
13 端ホルダ
14 組電池筐体
14A 大部品
14B 小部品
14C 長手面
14D 短手面
14E 板状底部
14F 開口部
14G 収容部
15 ボルト
A 曲面部
Lw 固定部の幅
Lh 固定部の突出長さ
S1 曲面部を有す構造の場合の接触面積
S2 矩形の場合の接触面積