(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A1 ≧50〜≦100重量部の、≧150mgKOH/g〜≦300mgKOH/gのDIN53240に従った水酸基価を有する少なくとも1種のポリエーテルカーボネートポリオール、
A2 ≦50〜≧0重量部の、≧20mgKOH/g〜≦250mgKOH/gのDIN53240に従った水酸基価を有し、かつ、カーボネート単位を含まない少なくとも1種のポリエーテルポリオール、
A3 成分A1およびA2の重量部合計に対して0.5〜25重量部の水および/または物理的噴射剤、
A4 成分A1およびA2の重量部合計に対して0〜10重量部の少なくとも1種の酸化防止剤、
A5 成分A1およびA2の重量部合計に対して0〜10重量部のアジュバントおよび添加剤、
を含む成分Aと、
B 2,4−および/もしくは2,6−TDIならびに/または2,4−および/もしくは2,6−TDIから誘導された修飾ポリイソシアネート、あるいは、これらのイソシアネートと他のジおよび/もしくはポリイソシアネートとの混合物であるジおよび/またはポリイソシアネート
を含む成分Bとの反応により粘弾性ポリウレタンフォームを製造する方法であって、
成分Aと成分Bとの反応を、70〜130のイソシアネートインデックスにおいて実行し、前記重量部A1+A2の合計が前記組成物中100になるように成分A1〜A5の全重量部データを増減する、方法。
成分A4が、成分A4.1として、アミノ基を含まない酸化防止剤を、成分A1およびA2の前記重量部合計に対して0.02〜5.0重量部含有し、成分A4.2として、1種以上のアミノ基を有する少なくとも1種の化合物を含んでなる酸化防止剤を、成分A1およびA2の前記重量部合計に対して0.02〜5.0重量部含有し、成分A1の総含有量が、成分A1およびA2の前記重量部合計に対して特に0.04〜10.0重量部であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
椅子張り、編織物インレイ、マットレス、カーシート、ヘッドレスト、アームレスト、スポンジ、ルーフライナーなどの自動車パーツ用途のフォームホイル、ドアクラッド、シートカバーおよび建築用構成部材の製造のための、請求項3に記載のポリウレタン軟質フォームの使用。
粘弾性ポリウレタンフォームの製造のための、≧150mgKOH/g〜≦300mgKOH/gのDIN53240に従った水酸基価を有する少なくとも1種のポリエーテルカーボネートポリオールA1、および≧20mgKOH/g〜≦250mgKOH/gのDIN53240に従った水酸基価を有し、カーボネート単位を含まない少なくとも1種のポリエーテルポリオールA2を含んでなるか、またはからなるポリオール成分の使用であって、
前記ポリオール成分が前記ポリエーテルカーボネートポリオールA1を≧50〜≦100重量%および前記ポリエーテルポリオールA2を≦50〜≧0重量%含有する、使用。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、PU軟質フォーム応用のため、満足な軟らかさを有するCO
2系出発物質を用いて粘弾性ポリウレタン(軟質)フォームを製造できる方法を提供することであった。
【0004】
この目的は、
A1 ≧50〜≦100重量部の、≧150mgKOH/g〜≦300mgKOH/gのDIN53240に従った水酸基価を有する少なくとも1つのポリエーテルカーボネートポリオール、
A2 ≦50〜≧0重量部の、≧20mgKOH/g〜≦250mgKOH/gのDIN53240に従った水酸基価を有し、カーボネート単位を含まない少なくとも1つのポリエーテルポリオール、
A3 成分A1およびA2の重量部合計に対して0.5〜25重量部の水および/または物理的噴射剤、
A4 成分A1およびA2の重量部合計に対して0〜10重量部の少なくとも1つの酸化防止剤、
A5 成分A1およびA2の重量部合計に対して0〜10重量部のアジュバントおよび添加剤、
を含んでなる成分Aを
B 2,4−および/もしくは2,6−TDIならびに/または2,4−および/もしくは2,6−TDIから誘導された修飾ポリイソシアネート、あるいは、これらのイソシアネートと他のジおよび/もしくはポリイソシアネートとの混合物であるジおよび/またはポリイソシアネート、
を含む成分Bと一緒に導入することにより粘弾性ポリウレタンフォームを製造する方法であって、
成分Aと成分Bとの反応を、70〜130のイソシアネートインデックスにおいて実行し、前記重量部A1+A2の合計が組成物中100になるように成分A1〜A5の全重量部データを増減(scaled)する、方法により達成される。
【0005】
本発明は、50〜100重量部の、DIN53240に従った≧150mgKOH/g〜≦300mgKOH/gの水酸基価を有するポリエーテルカーボネートポリオールを使用して、ポリエーテルカーボネートポリオール量が多いにもかかわらず、軟質粘弾性ポリウレタンフォームを製造できることを発見したことに基づいている。すなわち、本発明に従って製造されたポリウレタン(軟質)フォームは、技術水準から公知であるポリエーテルカーボネートポリオールの比率の増加に伴う硬度の増大を示さない。ポリエーテルカーボネートポリオールの本発明の高い適用量は、フォーム中への二酸化炭素の比較的高い混入量とも関連があり、結果として前述の環境的利点がある。
【0006】
ポリウレタンフォーム製造のため、例えば、欧州特許出願公開第355000号で記載されているように、しばしば機械的機器を使用する基本的に公知の一段階方法を用いて反応成分を反応させる。本発明に従った適切な加工装置の詳細は、Kunststoff-Handbuch, Volume VII, edited by Vieweg and Hoechtlen, Carl-Hanser-Verlag, Munich 1993, e.g. on pages 139 to 265に記載されている。
【0007】
本発明に従った方法で製造されたポリウレタンフォームは、好ましくはポリウレタン軟質フォームの形態であり、成形品またはブロックフォーム、好ましくはブロックフォームとして製造できる。本発明の他の目的は、これらの方法に従って製造されたポリウレタンフォーム、これらの方法に従って製造されたポリウレタン軟質ブロックフォームまたはポリウレタン軟質型枠フォームおよび型枠パーツ製造用ならびにそれ自体型枠パーツとしてのポリウレタン軟質フォームの使用である。
【0008】
粘弾性ポリウレタンフォームまたはポリウレタン軟質フォームは、DIN EN ISO8307:2007に従った低反発弾性を有するフォームであると見なされる。これに従って、特定の高さおよび落下方向に対する反発弾性を測定する高さからフォーム試験体上にボールを落下する。跳ね返った高さを落下高さに対する関係パーセントで示す。低いパーセント値は、低反発弾性を示す。理想的には、ボールはその衝撃後測定可能に跳ね返らないが、これは、反発弾性が0%であることを意味する。本発明に従った方法の有利な実施態様では、0%〜20%の、特に0%〜15%の、好ましくは0%〜10%の、またはさらに0%〜8%のDIN EN ISO8307:2007に従った反発弾性を有する粘弾性ポリウレタンフォームまたはポリウレタン軟質フォームを得る。2%〜20%の、特に2%〜15%のDIN EN ISO8307:2007に従った反発弾性を有するポリウレタンフォームまたはポリウレタン軟質フォームも好ましい。
【0009】
本発明に従った方法により得られる特に好ましいポリウレタンフォームまたはポリウレタン軟質フォームは、DIN53240に従った>250mgKOH/g〜<300mgKOH/gの水酸基価を有するポリエーテルカーボネートポリオールA1を使用する製造用のものである。このようなポリウレタンフォームまたはポリウレタン軟質フォームは、特に良好な粘弾性特性、すなわち、DIN EN ISO8307:2007に従った特に低反発弾性という特徴がある。使用するポリエーテルカーボネートポリオールA1は、特に、2.5〜3.5の、好ましくは2.7〜3.3の平均OH官能性を有し、2.9〜3.1が特に好ましい。
【0010】
本発明のさらなる目的は、粘弾性ポリウレタンフォームの製造のための、≧150mgKOH/g〜≦300mgKOH/gのDIN53240に従った水酸基価を有する少なくとも1つのポリエーテルカーボネートポリオールA1、および≧20mgKOH/g〜≦250mgKOH/gのDIN53240に従った水酸基価を有し、カーボネート単位を含まない少なくとも1つのポリエーテルポリオールA2を含んでなるまたはからなるポリオール成分の使用であって、
該ポリオール成分が該ポリエーテルカーボネートポリオールA1を≧50〜≦100重量%および該ポリエーテルポリオールA2を≦50〜≧0重量%含有する使用に関する。ポリオール成分がポリエーテルカーボネートポリオールA1以外の他の有機ポリオールを含有しない場合、またはポリエーテルカーボネートポリオールA1の定義下に入らないさらなる有機ポリオールをポリウレタンフォーム製造用に使用しない場合に特に有利である。
【0011】
本発明に従ったこの使用のため、>250mgKOH/g〜≦300mgKOH/gのDIN53240に従った水酸基価を有するポリエーテルカーボネートポリオールA1の使用は有利であり、この結果として、特に良好は粘弾性特性を有するポリウレタンフォームまたはポリウレタン軟質フォームを得る。また、使用するポリエーテルカーボネートポリオールA1は、特に、2.5〜3.5の、好ましくは2.7〜3.3の平均OH官能性を有し、2.9〜3.1が特に好ましい。
【0012】
不定詞「a(n)」は、概して、「1つ以上」という意味の「少なくとも1つ」を意味する。状況に応じて、不定冠詞でなく、「1」という意味の定冠詞「one」でなければならないか、または不定冠詞「a(n)」も、1つの実施態様(one embodiment)の定冠詞「one」(1つ)と当業者は理解するだろう。
【0013】
「ポリウレタン(軟質)フォーム」という語は、いずれかの種類のポリウレタンフォーム、特にポリウレタン硬質フォームおよびポリウレタン軟質フォームの省略形である。
【0014】
以下に、本発明に従った方法で使用する成分をより詳細に記載する。
【0015】
成分A1
成分A1は、DIN53240に従って、≧150mgKOH/g〜≦300mgKOH/gの、好ましくは≧170mgKOH/g〜≦290mgKOH/gの、特に好ましくは≧180mgKOH/g〜≦280mgKOH/gの水酸基価(OH数)を有するポリエーテルカーボネートポリオールを含んでなる。ポリエーテルカーボネートポリオールA1が、>250mgKOH/g〜≦300mgKOH/gのDIN53240に従った水酸基価を有することも好ましい。前述のポリエーテルカーボネートポリオールを、例えば、≧1〜≦6の、好ましくは≧1〜≦4の、特に好ましくは≧2〜≦3の平均官能性を有する1つ以上のH官能性スターター分子の存在下、≧2重量%〜≦30重量%の二酸化炭素および≧70重量%〜≦98重量%の1つ以上の酸化アルキレンの共重合により得ることができる。本発明の意味において「H官能性」は、アルコキシル化に対する活性があるH原子を有するスターター化合物を意味するものとする。例えば、トリメチロールプロパン、グリセロールおよび/またはプロピレングリコールおよび/またはソルビトールを、ヒドロキシ官能性スターター分子として使用できる。水酸基価をDIN53240に従って決定できる。
【0016】
好ましくは、二酸化炭素および1つ以上の酸化アルキレンの共重合は、少なくとも1つの複合金属シアン化物触媒または二重金属シアン化物触媒(DMC触媒)の存在下である。
【0017】
好ましくは、本発明に従って使用されるポリエーテルカーボネートポリオールは、式(I):
【化1】
に模式的に示すカーボネート基の間のエーテル基をも有する。式(I)に従った模式図では、Rは、例えばO、S、Si等のヘテロ原子を含有してもよいアルキル、アルキルアリールまたはアリールなどの有機残基であり、EおよびFは整数である。式(I)に従った模式図で示すポリエーテルカーボネートポリオールは、該ポリエーテルカーボネートポリオール中の示された構造を有するブロックをさらに見ることができることのみを意味するが、ブロックの配列、数および長さは変わり得るし、式(I)に示されたポリエーテルカーボネートポリオールに限定されない。式(I)に関して、e/f比は、好ましくは2:1〜1:20、特に好ましくは1.5:1〜1:10であることを意味する。
【0018】
ポリエーテルカーボネートポリオール中に組み込まれたCO
2(「二酸化炭素由来単位」)の比率を、
1H−NMRスペクトルの特徴的シグナルの評価から決定できる。以下の実施例は、1,8−オクタンジオールで開始したCO
2/酸化プロピレン−ポリエーテルカーボネートポリオール中の二酸化炭素由来単位の比率の決定を例証する。
【0019】
ポリエーテルカーボネートポリオール中に組み込まれたCO
2の比率およびポリエーテルカーボネートポリオールに対するプロピレンカーボネートの関係を、
1H−NMR(使用機器はBruker製、DPX400、400MHz;パルスプログラムzg30、遅延時間d1:10秒、64スキャン)により決定できる。各試料を重クロロホルム中に溶解する。
1H−NMRの関連する共鳴(TMS=0ppmに対して)は以下の通りである:
【0020】
4.5ppmで共鳴を有する環式カーボネート(副生成物として生成した);5.1〜4.8ppmで共鳴を有するポリエーテルカーボネートポリオール中に組み込まれた二酸化炭素から得られたカーボネート;2.4ppmで共鳴を有する非解除反応酸化プロピレン(PO);1.2〜1.0ppmで共鳴を有するポリエーテルポリオール(すなわち、二酸化炭素が組み込まれていない);1.6〜1.52ppmで共鳴を有するスターター分子(可能な場合)として組み込まれた1,8−オクタンジオール。
【0021】
反応混合物中のポリマーに組み込まれたカーボネートのモル比率を、式(II)に従って以下のように算出するが、以下の略語を使用している:
F(4.5)=環式カーボネートの4.5ppmにおける共鳴面積(resonance area)(1つのH原子に対応)
F(5.1〜4.8)=ポリエーテルカーボネートポリオールの5.1〜4.8ppmにおける共鳴面積および環式カーボネートの1つのH原子。
F(2.4)=遊離、非解除反応POの2.4ppmにおける共鳴面積
F(1.2〜1.0)=ポリエーテルポリオールの1.2〜1.0ppmにおける共鳴面積
F(1.6〜1.52)=可能な場合、1,8−オクタンジオール(スターター)の1.6〜1.52ppmにおける共鳴面積。
【0022】
相対強度を考慮して、反応混合物中のポリマー結合カーボネート(「直鎖カーボネート」LC)を次式(II):
【数1】
に従ってモル%に換算した。
【0023】
反応混合物中のポリマー結合カーボネート(LC’)の重量比率(重量%)を式(III):
【数2】
に従って算出した。
【0024】
これにより、以下の式(IV):
【数3】
に従ったN(「分母」N)の値を得る。
【0025】
因子102は、CO
2(モル質量44g/モル)および酸化プロピレン(モル質量58g/モル)のモル質量の総和の結果であり、因子58は、酸化プロピレンのモル質量の結果であり、因子146は、使用されるスターター1,8−オクタンジオール(可能な場合)のモル質量の結果である。
【0026】
反応混合物中の環式カーボネート(CC’)の重量比率(重量%)を式(V):
【数4】
[式中、Nの値は式(IV)により算出される。]
に従って算出した。
【0027】
反応混合物中の組成値からのポリマー比率(スターターおよびCO
2を含まない条件下活性化工程中の酸化プロピレンから製造されたポリエーテルポリオール、ならびにCO
2存在下起こる活性化工程中および共重合中の、スターター、酸化プロピレンおよび二酸化炭素から生成されたポリエーテルカーボネートポリオールからなる)に基づく組成を算出するため、反応混合物(すなわち、環式プロピレンカーボネートおよびおそらく存在する未反応酸化プロピレン)の非ポリマー成分を計算により除いた。ポリエーテルカーボネートポリオール中のカーボネート繰り返し単位の重量比率を、因子F=44/(44+58)を用いて二酸化炭素の重量比率に換算した。ポリエーテルカーボネートポリオール中のCO
2含有率の表示を、共重合中およびおそらくCO
2の存在下の活性化工程中生成したポリエーテルカーボネートポリオール分子の比率(例えば、スターター(存在する場合、1,8−オクタンジオール)およびCO
2非含有条件下でスターターと添加されたエポキシドとの反応から得られたポリエーテルカーボネートポリオール分子の比率は考慮しなかった)に正規化する。
【0028】
例えば、A1のポリエーテルカーボネートポリオールの製造は、以下を含む:
(α) H官能性スターター物質または少なくとも2つのH官能性スターター物質の混合物の提供および必要に応じて昇温および/または減圧による水および/または他の易揮発性化合物の除去(「乾燥」)、ここで、H官能性スターター物質または少なくとも2つのH官能性スターター物質の混合物のDMC触媒を乾燥前または後に添加する、
(β) 1つ以上のアルケニルオキシドの部分量(活性化および共重合に使用されるアルケニルオキシドの総量に対して)を、活性化のため工程(α)から得られた混合物に添加し、アルケニルオキシドの部分量のこの添加はおそらくCO
2の存在下で起こり得、それから、後の発熱化学反応および/または反応器内の圧力降下が原因で起こる温度ピーク(「ホットスポット」)をそれぞれ待ち、活性化のための工程(β)も何度か起こり得る、
(γ) 1つ以上のアルケニルオキシドおよび二酸化炭素を工程(β)で得られた混合物に添加し、工程(β)で使用されるアルケニルオキシドは工程(γ)で使用されるアルケニルオキシドと同じでも異なっていてもよい。
【0029】
概して、2〜4個の炭素原子を有するアルケニルオキシド(エポキシド)を、ポリエーテルカーボネートポリオールA1の製造用に使用できる。2〜24個の炭素原子を有する酸化アルキレンは、例えば、酸化エチレン、酸化プロピレン、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン、2−メチル−1,2−エポキシプロパン(イソブチレンオキシド)、1,2−エポキシペンタン、2,3−エポキシペンタン、2−メチル−1,2−エポキシブタン、3−メチル−1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシヘキサン、2,3−エポキシヘキサン、3,4−エポキシヘキサン、2−メチル−1,2−エポキシペンタン、4−メチル−1,2−エポキシペンタン、2−エチル−1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシノナン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシウンデカン、1,2−エポキシドデカン、4−メチル−1,2−エポキシペンタン、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、シクロヘプテンオキシド、シクロオクテンオキシド、スチロールオキシド、メチルスチロールオキシド、ピネンオキシド、モノ−、ジ−およびトリグリセリド類として1回以上エポキシ強化した脂肪類、エポキシ強化脂肪酸類、エポキシ強化脂肪酸のC
1〜C
24エステル類、エピクロロヒドリン、グリシドール、およびグリシドール誘導体、例えば、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレートなど、およびエポキシ官能性アルコキシシラン類、例えば3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリプロポキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルエチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリイソプロポキシシランなどからなる群から選択される1つ以上の化合物である。好ましくは、酸化エチレンおよび/または酸化プロピレンおよび/または1,2−ブチレンオキシドを酸化アルキレンとして使用し、酸化プロピレンが特に好ましい。
【0030】
本発明の好ましい実施態様では、使用される酸化プロピレンおよび酸化エチレンの総量中の酸化エチレン量は、≧0かつ≦90重量%であり、好ましくは≧0かつ≦50重量%であり、特に好ましくは酸化エチレンを含有しない。
【0031】
アルコキシル化に活性なH原子を有する化合物を、適切なH官能性スターター物質として使用できる。アルコキシル化に活性な活性H原子を有する群は、例えば、−OH、−NH
2(第一級アミン)、−NH−(第二級アミン)、−SHおよび−CO
2Hであり、−OHおよび−NH
2が好ましく、−OHが特に好ましい。例えば、水、一価または多価アルコール類、多価アミン類、多価チオール類、アミノアルコール類、チオアルコール類、ヒドロキシエステル類、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリエステルエーテルポリオール類、ポリエーテルカーボネートポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、ポリカーボネート類、ポリエチレンイミン類、ポリエーテルアミン類(例えば、いわゆるHuntsmanのJeffamines(登録商標)、例えば、D−230、D−400、D−2000、T−403、T−3000、T−5000など、または相当するBASF製品、例えば、ポリエーテルアミンD230、D400、D200、T403、T5000など)、ポリテトラヒドロフラン類(例えば、BASFのポリTHF(登録商標)、例えば、ポリTHF(登録商標)250、650S、1000、1000S、1400、1800、2000など)、ポリテトラヒドロフランアミン類(BASF製品ポリテトラヒドロフランアミン1700)、ポリエーテルチオール類、ポリアクリレートポリオール類、ヒマシ油、リシノール酸のモノ−またはジグリセリド、脂肪酸のモノグリセリド類、化学的に改質した脂肪酸のモノ−、ジ−および/またはトリグリセリド類、および平均して分子当たり少なくとも2個のOH基を含有するC
1〜C
24アルキル脂肪酸エステル類からなる群から選択される1つ以上の化合物を、H官能性スターター物質として使用する。平均して分子当たり少なくとも2個のOH基を含有するC
1〜C
24アルキル脂肪酸エステル類は、例えば、Lupranol Balance(登録商標)(BASF AG)、Merginol(登録商標)製品群(Hobum Oleochemicals GmbH)、Sovermol(登録商標)製品群(Cognis Deutschland GmbH & Co.KG)およびSoyol(登録商標)TM製品群(USSC Co.)などの市販製品である。
【0032】
アルコール類、アミン類、チオール類およびカルボン酸類を、単官能性スターター化合物として使用できる。次のものを単官能性アルコールとして使用できる:メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、3−ブテン−1−オール、3−ブチン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール、プロパルギルアルコール、2−メチル−2−プロパノール、1−t−ブトキシ−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、4−オクタノール、フェノール、2−ヒドロキシビフェニル、3−ヒドロキシビフェニル、4−ヒドロキシビフェニル、2−ヒドロキシピリジン、3−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジン。次の単官能性アミンが使用できる:ブチルアミン、t−ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、アニリン、アジリジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン。次の単官能性チオールが使用できる:エタンチオール、1−プロパンチオール、2−プロパンチオール、1−ブタンチオール、3−メチル−1−ブタンチオール、2−ブテン−1−チオール、チオフェノール。次の単官能性カルボン酸を指定する:ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、脂肪酸、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸など、安息香酸、アクリル酸。
【0033】
H官能性スターター物質として適切な多価アルコール類は、例えば、二価アルコール類(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、1,4−ブチンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、メチルペンタンジオール類(例えば3−メチル−1,5−ペンタンジオール)、1,6−ヘキサンジオール;1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン類(例えば1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン)、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール類、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール類、ジブチレングルコールおよびポリブチレングルコール類);三価アルコール類(例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、ヒマシ油);四価アルコール類(例えば、ペンタエリスリトール);多価アルコール類(例えば、ソルビトール、ヘキシトール、ショ糖、デンプン、デンプン加水分解物、セルロース、セルロース加水分解物、ヒドロキシ官能化脂肪類および油類、特に、ヒマシ油)、および種々の量のε−カプロラクトンを含有するこれらの前述のアルコール類の全修飾製品である。トリメチルプロパン、グリセリン、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートおよびヒマシ油などの三価アルコールも同様にH官能性スターターの混合物中で使用できる。
【0034】
H官能性スターター物質を、ポリエーテルポリオールの物質分類、特に、100〜4000g/モル、好ましくは250〜2000g/モルの範囲の分子量M
nを有するものからも選択できる。繰り返しエチレンオキシド単位およびプロピレンオキシド単位からなるポリエーテルポリオールが好ましく、35〜100%のプロピレンオキシド単位の量を有するのが好ましく、50〜100%のプロピレンオキシド単位の量を有するのが特に好ましい。これらは、酸化エチレンおよび酸化プロピレンのランダム共重合体、グラジエントコポリマー、交互またはブロック共重合体であり得る。繰り返しプロピレンオキシド単位および/またはエチレンオキシド単位からなる適切なポリエーテルポリオールは、例えば、Desmophen(登録商標)、Acclaim(登録商標)、Arcol(登録商標)、Baycoll(登録商標)、Bayfill(登録商標)、Bayflex(登録商標)、Baygal(登録商標)、PET(登録商標)およびBayer MaterialScienceAGのポリエーテルポリオール類(例えばDesmophen(登録商標)3600Z、Desmophen(登録商標)1900U、Acclaim(登録商標)Polyol2200、Acclaim(登録商標)Polyol4000I、Arcol(登録商標)Polyol1004、Arcol(登録商標)Polyol1010、Arcol(登録商標)Polyol1030、Arcol(登録商標)Polyol1070、Baycoll(登録商標)BD1110、Bayfill(登録商標)VPPU0789、Baygal(登録商標)K55、PET(登録商標)1004、Polyether(登録商標)S180)である。さらに適切なホモポリエチレンオキシドは、例えば、BASF SEのPluriol(登録商標)Eブランドであり、適切なホモポリプロピレンオキシドは、例えば、BASF SEのPluriol(登録商標)Pブランドであり、適切な酸化エチレンおよび酸化プロピレン混合共重合体は、例えば、BASF SEのPluronic(登録商標)PEまたはPluriol(登録商標)RPEブランドである。
【0035】
H官能性スターター物質を、ポリエステルポリオールの物質分類、特に、200〜4500g/モル、好ましくは400〜2500g/モルの範囲の分子量M
nを有するものからも選択できる。少なくとも二官能性であるポリエステルをポリエステルポリオールとして使用する。ポリエステルポリオールは好ましくは交互の酸およびアルコール単位からなる。例えば、コハク酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、アジピン酸、フタル酸無水物、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物または指定した酸および/または無水物の混合物を酸成分として使用する。例えば、エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールまたは指定したアルコールの混合物を、アルコール成分として使用する。二価または多価ポリエーテルポリオールをアルコール成分として使用する場合、ポリエーテルカーボネートポリオール製造用スターター物質としての役割もできるポリエステルエーテルポリオールを得る。ポリエステルエーテルポリオール製造用にポリエーテルポリオールを使用する場合、150〜2000g/モルの数平均分子量M
nを有するポリエーテルポリオールが好ましい。
【0036】
さらに、ポリカーボネートポリオール(ポリカーボネートジオールなど)を、特に、150〜4500g/モル、好ましくは500〜2500の範囲の分子量M
nを有するようなH官能性スターター物質として使用でき、例えば、ホスゲン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルもしくは炭酸ジフェニルならびに二官能性および/もしくは多官能性アルコールまたはポリエステルポリオールもしくはポリエーテルポリオールの反応により製造する。ポリカーボネートポリオールの例は、例えば、欧州特許出願公開第1359177号で見つけることができる。例えば、Bayer MaterialScience AGのDesmophen(登録商標)C製品群、例えば、Desmophen(登録商標)C1100またはDesmophen(登録商標)C2200をポリカーボネートジオールとして使用できる。
【0037】
ポリエーテルカーボネートポリオールも、H官能性スターター物質として使用できる。特に、上記方法に従って製造されたポリエーテルカーボネートポリオールを使用する。この目的のため、H官能性スターター物質として使用するこれらのポリエーテルカーボネートポリオールを別々の反応工程で予め製造する。
【0038】
好ましいH官能性スターター物質は一般式(VI):
[化2]
HO−(CH
2)
x−OH (VI)
[式中、xは1〜20の数、好ましくは2〜20の偶数である。]
のアルコールである。
【0039】
式(V)のアルコールの例は、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオールおよび1,12−ドデカンジオールである。さらに好ましいH官能性スターター物質は、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、式(V)のアルコールとε−カプロラクトンとの反応生成物、例えば、トリメチロールプロパンとε−カプロラクトンとの反応生成物、グリセリンとε−カプロラクトンとの反応生成物、およびペンタエリスリトールとε−カプロラクトンとの反応生成物である。さらに、水、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヒマシ油、ソルビトールおよび繰り返しポリアルキレンオキシド単位からなるポリエーテルポリオールを、H官能性スターター物質として好ましく使用する。
【0040】
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、二官能性および三官能性ポリエーテルポリオール類(該ポリエーテルポリオールはジもしくはトリH官能性スターター物質および酸化プロピレン、またはジもしくはトリH官能性スターター物質、酸化プロピレンおよび酸化エチレンからなる)からなる群から選択される1つ以上の化合物は、H官能性スターター物質として特に好ましい。ポリエーテルポリオールは、好ましくは62〜4500g/モルの範囲の数平均分子量M
n、特に、62〜3000g/モルの範囲の数平均分子量M
nを有し、62〜1500g/モルの分子量M
nが特に好ましい。好ましくは、ポリエーテルポリオールは、≧2〜≦3の官能性を有する。
【0041】
本発明の好ましい実施態様では、ポリエーテルカーボネートポリオールA1を、複合金属シアン化物触媒または二重金属シアン化物触媒(DMC触媒)を用いて、H官能性スターター物質に二酸化炭素および酸化アルキレンを累積すること(accumulation)により得ることができる。DMC触媒を用いて、酸化アルキレンおよびCO
2をH官能性スターター物質に累積することによるポリエーテルカーボネートポリオールの製造は、例えば、欧州特許出願公開第0222453号、国際公開第2008/013731号および欧州特許出願公開第2115032号で公知である。
【0042】
概して、DMC触媒は、エポキシド類のホモ重合法の技術水準から公知である(例えば、米国特許第3404109号、米国特許第3829505号、米国特許第3941849号および米国特許第5158922号参照)。例えば、米国特許第5470813号、欧州特許出願公開第700949号、欧州特許出願公開第743093号、欧州特許出願公開第761708号、国際公開第97/40086号、国際公開第98/16310号および国際公開第00/47649号に記載されたDMC触媒は、エポキシド類のホモ重合において非常に高い活性を有し、非常に低い触媒濃度(25ppm以下)でポリエーテルポリオールおよび/またはポリエーテルカーボネートポリオールの製造を可能とする。二重金属シアン化物化合物(例えば、ヘキサシアノコバルト(III)酸亜鉛)および有機錯体配位子(例えば、t−ブタノール)は別として、典型例は、欧州特許出願公開第700949号に記載の高活性DMC触媒であり、500g/モルより大きい数平均分子量M
nを有するポリエーテルも含有する。
【0043】
DMC触媒を、主に、ポリエーテルカーボネートポリオールの重量に対して、それぞれ、≦1重量%の量、好ましくは≦0.5重量%の量、特に好ましくは≦500ppmの量、特に≦300ppmの量で使用する。
【0044】
本発明の好ましい実施態様では、ポリエーテルカーボネートポリオールA1は、CO
2として計算して、≧2.0かつ≦30.0重量%、好ましくは≧5.0かつ≦28.0重量%、特に好ましくは≧10.0かつ≦25.0重量%のカーボネート基(「二酸化炭素由来の単位」)の含有率を有する。
【0045】
本発明の方法のさらなる実施態様では、A1の1つ以上のポリエーテルカーボネートポリオールは、≧150mgKOH/g〜≦300mgKOH/gの水酸基価を有し、トリメチロールプロパンおよび/またはグリセリンおよび/またはプロピレングリコールおよび/またはソルビトールなどのヒドロキシ官能性スターター分子の存在下、≧2.0重量%〜≦30.0重量%の二酸化炭素および≧70重量%〜≦98重量%の酸化プロピレンの共重合により得ることができる。水酸基価をDIN53240に従って決定できる。
【0046】
本発明の方法のさらに好ましい実施態様に従えば、比e/fが2:1〜1:20、特に1.5:1〜1:10である式(I)で表されるブロックを有するポリエーテルカーボネートポリオールA1を使用する。
【0047】
本発明の方法の枠組み内で、成分Aが、ポリエーテルカーボネートポリオールA1を≧55〜≦100重量部およびポリエーテルポリオールA2を≦45〜≧0重量部、特に、ポリエーテルカーボネートポリオールA1を≧60〜≦100重量部およびポリエーテルポリオールA2を≦40〜≧0重量部含有することが好ましい。
【0048】
本発明のさらなる実施態様では、成分A1が100重量部であり、および成分A2が0重量部であり、並びに、A1以外のさらなる有機ポリオールは含まれないことが好ましい。
【0049】
本発明の方法のさらなる実施態様では、成分Aは、ポリエーテルカーボネートポリオールA1を≧50〜<100重量部およびポリエーテルポリオールA2を≦50〜>0重量部含有し、好ましくはポリエーテルカーボネートポリオールA1を≧55〜<100重量部およびポリエーテルポリオールA2を≦45〜>0重量部含有し、特に好ましくはポリエーテルカーボネートポリオールA1を≧60〜<100重量部およびポリエーテルポリオールA2を≦40〜>0重量部含有し、ポリエーテルカーボネートポリオールA1を≧80〜<100重量部およびポリエーテルポリオールA2を≦20〜>0重量部が特に好ましく、ポリエーテルカーボネートポリオールA1を≧95〜<100重量部およびポリエーテルポリオールA2を≦5〜>0重量部がさらにより好ましい。
【0050】
本発明の枠組み内で、ポリエーテルカーボネートポリオールA1が、2.5〜3.5の、特に2.7〜3.3の、好ましくは2.9〜3.1の平均OH官能性を有するのが特に好ましく、2.95〜3.05がさらに好ましく、約3.0が特に好ましい。このようなOH官能性および本発明に従った水酸基価を有するポリエーテルカーボネートポリオールは、多量のポリエーテルカーボネートポリオールを使用する場合であっても、特に軟質粘弾性ポリウレタンフォームを提供する。
【0051】
成分A2
成分A2は、≧20mgKOH/g〜≦250mgKOH/gの、好ましくは≧20〜≦112mgKOH/gの、特に好ましくは≧20mgKOH/g〜≦80mgKOH/gのDIN53240に従った水酸基価を有するポリエーテルポリオールを含んでなり、カーボネート単位を含まない。A2の化合物を、1つ以上の酸化アルキレンをH官能性スターター化合物に接触付加することにより製造できる。
【0052】
2〜24個の炭素原子を有する酸化アルキレンを酸化アルキレン(エポキシド)として使用できる。2〜24個の炭素原子を有する酸化アルキレンは、例えば、酸化エチレン、酸化プロピレン、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン、2−メチル−1,2−エポキシプロパン(イソブチレンオキシド)、1,2−エポキシペンタン、2,3−エポキシペンタン、2−メチル−1,2−エポキシブタン、3−メチル−1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシヘキサン、2,3−エポキシヘキサン、3,4−エポキシヘキサン、2−メチル−1,2−エポキシペンタン、4−メチル−1,2−エポキシペンタン、2−エチル−1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシノナン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシウンデカン、1,2−エポキシドデカン、4−メチル−1,2−エポキシペンタン、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、シクロヘプテンオキシド、シクロオクテンオキシド、スチロールオキシド、メチルスチロールオキシド、ピネンオキシド、モノ−、ジ−およびトリグリセリド類として1回以上エポキシ強化した脂肪類、エポキシ強化脂肪酸類、エポキシ強化脂肪酸のC
1〜C
24エステル類、エピクロロヒドリン、グリシドール、およびグリシドール誘導体、例えば、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレートなど、およびエポキシ官能性アルコキシシラン類、例えば3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリプロポキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルエチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリイソプロポキシシランなどからなる群から選択される1つ以上の化合物である。好ましくは、酸化エチレンおよび/または酸化プロピレンおよび/または1,2−ブチレンオキシドを酸化アルキレンとして使用する。過剰な酸化プロピレンおよび/または1,2−ブチレンオキシドの使用は特に好ましい。アルケニルオキシドを混合物で別々にまたは逐次反応混合物に添加できる。これは、ランダム共重合体またはブロック共重合体であり得る。酸化アルキレンを逐次的に投入する場合、生成される生成物(ポリエーテルポリオール)はブロック構造を有するポリエーテル鎖を含有する。
【0053】
H官能性スターター化合物は、≧2〜≦6の官能性を有し、好ましくはヒドロキシ官能性(OH官能性)である。ヒドロ官能性スターター化合物の例は、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,12−ドデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖、ハイドロキノン(hydrochinone)、ブレンツカテキン(brenzcatechin)、レゾルシン、ビスフェノールF、ビスフェノールA、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン(1,3,5-trihydroxybenzol)、ホルムアルデヒドおよびフェノールまたはメラミンまたは尿素のメチロール基含有縮合物である。1,2−プロピレングリコールおよび/またはグリセリンおよび/またはトリメチロールプロパンおよび/またはソルビトールは、スターター化合物として好ましく使用する。
【0054】
A2のポリエーテルポリオールは、好ましくは、≧0〜≦40重量%の、特に好ましくは≧0〜≦25重量%の酸化エチレン含有率を有する。
【0055】
成分A3
成分A1およびA2の重量部の合計に対して、0.5〜25重量部の、好ましくは1.0〜15重量部の、特に好ましくは1.5〜10重量部の水および/または物理的噴射剤を成分A3として使用する。例えば、二酸化炭素および/または高揮発性有機物質を噴射剤として使用する。好ましくは、水を成分A3として使用する。
【0056】
成分A4
ポリウレタン軟質フォーム製造用に使用できる酸化防止剤は、概して、当業者に公知である。このような化合物は、例えば、欧州特許公開第1874853号、G. Oertel (editor): “Kunststoff-Handbuch”, volume VII, Carl-Hanser-Verlag, Munich, Vienna 1993, chapter 3.4.8 or in Ullmanns´s Encyclopedia of Industrial Chemistry Peter P. Klemchuck, 2012, Vol. 4, p. 162 ff, Wiley VCHに記載されている。
【0057】
本発明の方法の好ましい実施態様に従えば、成分A4は、アミノ基を有する化合物を含有しない酸化防止剤A4.1および1つ以上のアミノ基を有する少なくとも1つの化合物を含んでなる酸化防止剤A4.2を含んでなる。
【0058】
本発明の方法のさらに有利な実施態様では、成分A4は、成分A4.1としてアミノ基を含まない酸化防止剤を成分A1およびA2の重量部合計に対して0.02〜5.0重量部含有し、成分A4.2として1つ以上のアミノ基を有する少なくとも1つの化合物を含んでなる酸化防止剤を成分A1およびA2の重量部合計に対して0.02〜5.0重量部含有し、成分A4の総含有量が、成分A1およびA2の重量部合計に対して特に0.04〜10.0重量部である。
【0059】
本発明の方法では、酸化防止剤A4.1およびA4.2を、成分A1およびA2の重量部合計に対して、それぞれ0.05〜1.5重量部の量で含有でき、成分A4の総含有量は、成分A1およびA2の重量部合計に対して、特に0.1〜3.0重量部である。
【0060】
アミノ基を含有しない酸化防止剤A4.1は、
i)フェノール誘導体、
ii)ラクトン、特に、ベンゾフラン−2−オン誘導体
iii)リン誘導体
およびこれらの化合物のいずれかの混合物
を含む化合物を含んでなる。
【0061】
フェノール誘導体i)を含む化合物は、例えば、2,6−ジ−(t−ブチル)−p−クレゾール(BHT)、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、N,N’−1,6−ヘキサメチレン−ビス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド、アルキルがC1〜C24、好ましくはC1〜C20、特に好ましくはC1〜C18を有する二酸化炭素残部(carbon dioxid rest)を含んでなるアルキル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)、エチレン−(ビスオキシエチレン)ビス−(3,(5−t−ブチルヒドロキシ−4−トリル)−プロピオネート 4,4’−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)および/またはトコフェロール類、例えばα−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールおよびその混合物(ビタミンE)であり、好ましくは、2,6−ジ−(t−ブチル)−p−クレゾール(BHT)、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン、アルキルがC1〜C24、好ましくはC1〜C20、特に好ましくはC1〜C18炭素残部を含んでなるアルキル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロールおよび/またはδ−トコフェロールである。
【0062】
アミン非含有ラクトンii)、特に、ベンゾフラノンは、例えば、欧州特許出願公開第1291384号およびドイツ特許出願公開第19618786号に記載されている。好ましいベンゾフラノンは、例えば、5,7−ジ−t−ブチル−3−フェニル−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−t−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−t−ブチル−3−(2,3−ジメチルフェニル)−ベンゾフラン−2−オンおよび/または5−t−オクチル−3−(2−アセチル−5−t−オクチルフェニル)−ベンゾフラン−2−オンである。
【0063】
抗酸化剤iii)は、例えば、ホスフィット類およびホスホニット類である。これらは、例えば、欧州特許出願公開第905180号および欧州特許出願公開第1874853号に記載されており、例えば、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリスリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフィット、ビスイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホニット、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−12H−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−12−メチルジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィットおよび/またはビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィットなどである。
【0064】
1つ以上のアミノ基を有する少なくとも1つの化合物を含んでなる酸化防止剤A4.2は、概して、式(VII):
[化3]
HNR1R2 (VII)
[式中、
R1は、C1〜C18アルキル、フェニル−C1〜C4アルキル、C5〜C12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、その各々がC1〜C12アルキルもしくはC1〜C12アルコキシもしくはベンジルで置換されているフェニルもしくはナフチル、またはα,α−ジメチルベンジルであり、
R2は、フェニル、ナフチル、その各々がC1〜C12アルキルもしくはC1〜C12アルコキシもしくはベンジルで置換されているフェニルもしくはナフチル、またはα,α−ジメチルベンジルである。]
の第二級アミンである。
【0065】
適切な酸化防止剤A4.2は、例えば、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルオペンチル(oentyl)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−t−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−t−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−t−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、t−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−およびジアルキル化t−ブチル/t−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化t−ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−およびジアルキル化t−ブチル/t−オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−およびジアルキル化t−オクチル−フェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジンおよび/またはN,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブタ−2−エンであり、好ましくはモノ−およびジアルキル化t−ブチル/t−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化t−ブチルジフェニルアミンの混合物である。
【0066】
本発明の方法の好ましい実施態様では、アミノ基を含まない酸化防止剤A4.1は、
i)フェノール誘導体、
ii)ラクトン
iii)リン誘導体
およびこれらの化合物のいずれかの混合物を含む化合物を含んでなり、かつ
酸化防止剤A4.2は1つ以上の第二級アミノ基を有する少なくとも1つの化合物を含んでなる。
【0067】
さらに、酸化防止剤A4.1が少なくとも1つのフェノール誘導体i)を含んでなり、酸化防止剤A4.2が次式:
[化4]
HNR1R2 (VII)
[式中、
R1は、C1〜C18アルキル、フェニル−C1〜C4アルキル、C5〜C12シクロアルキル、フェニル、ナフチル、その各々がC1〜C12アルキルもしくはC1〜C12アルコキシもしくはベンジルもしくはα,α−ジメチルベンジルで置換されているフェニルもしくはナフチルであり、
R2は、フェニル、ナフチル、その各々がC1〜C12アルキルもしくはC1〜C12アルコキシもしくはベンジルもしくはα,α−ジメチルベンジルで置換されているフェニルもしくはナフチルである。]
の少なくとも1つ化合物を含んでなるものと規定できる。
【0068】
さらなる実施態様では、酸化防止剤A4.1を、成分A1およびA2の重量部の合計に対して、0.02〜3.0重量部の、好ましくは0.04〜2.0重量部の、特に好ましくは0.05〜1.5重量部の量で使用し、抗酸化剤A4.2を、成分A1およびA2の重量部の合計に対して、0.02〜3.0重量部の、好ましくは0.04〜2.0重量部の、特に好ましくは0.05〜1.5重量部の量で使用する。
【0069】
さらなる実施態様では、本発明の方法を、
A4.1 成分A1およびA2の重量部の合計に対して、2,6−ジ−(t−ブチル)−p−クレゾール(BHT)、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、N,N’−1,6−ヘキサメチレン−ビス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド、アルキルがC1〜C24、好ましくはC1〜C20、特に好ましくはC1〜C18炭素残部を含んでなるアルキル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)、エチレン−(ビスオキシエチレン)ビス−(3,(5−t−ブチルヒドロキシ−4−トリル)−プロピオネート 4,4’−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)および/またはトコフェロール類、例えばα−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールおよびその混合物(ビタミンE)などからなる群から選択される少なくとも1つ化合物を0.02〜3.0重量部、好ましくは0.04〜2.0重量部、特に好ましくは0.05〜1.5重量部、
および
A4.2 成分A1およびA2の重量部の合計に対して、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル(oentyl))−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン(4-(p-toluolsulfamoyl)diphenylamine)、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−t−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−t−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−t−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、t−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−およびジアルキル化t−ブチル/t−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化t−ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−およびジアルキル化t−ブチル/t−オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−およびジアルキル化t−オクチル−フェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジンおよび/またはN,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブタ−2−エンからなる群から選択される少なくとも1つ化合物を0.02〜3.0重量部、好ましくは0.04〜2.0重量部、特に好ましくは0.05〜1.5重量部
の存在下で実行する。
【0070】
さらなる実施態様では、本発明の方法を、
A4.1 成分A1およびA2の重量部の合計に対して、2,6−ジ−(t−ブチル)−p−クレゾール(BHT)、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン、アルキルがC1〜C18炭素残部を含んでなるアルキル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロールおよび/またはδ−トコフェロールからなる群から選択される少なくとも1つ化合物を0.02〜3.0重量部、好ましくは0.04〜2.0重量部、特に好ましくは0.05〜1.5重量部、
および
A4.2 成分A1およびA2の重量部の合計に対して、モノおよびジアルキル化t−ブチル/tert−オクチルジフェニルアミン、モノ−およびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化t−ブチルジフェニルアミンの混合物からなる群から選択される少なくとも1つ化合物を0.02〜3.0重量部、好ましくは0.04〜2.0重量部、特に好ましくは0.05〜1.5重量部
の存在下で実行する。
【0071】
成分A5
成分A5として、成分A1およびA2の重量部の合計に対して、それぞれ、アジュバントおよび添加剤を0〜10重量部使用し、特に0.1〜8.0重量部、好ましくは0.1〜7.5重量部、特に好ましくは0.15〜7.0重量部を使用する。例えば、以下の成分を、別々または本発明の方法に従ったアジュバントまたは添加剤としていずれかの組合せで使用できる:
a)触媒、
b)乳化剤および起泡安定剤などの表面活性添加物質、特に、低放出量のもの、例えば、Tegostab(登録商標)LFシリーズ製品など、
c)反応遅延剤(例えば、塩化水素酸または有機酸ハロゲン化物などの酸性反応の薬剤)、細胞レギュレーター(パラフィン類または脂肪アルコールまたはジメチルポリシロキサンなど)、顔料、着色剤、固体難燃剤(メラミンおよび/またはポリリン酸アンモニウムなど)、液体難燃剤(例えば、リン酸トリス(2−クロロプロピル)などのハロゲン化物、または、例えば欧州特許第2687534号および米国特許第4382042号に記載の例えばオリゴマーホスフェートを基剤とするハロゲンフリーのもの)、エージングおよび気候条件に対するさらなる安定化剤、可塑剤、静真菌および静菌作用を有する物質、充填剤(硫酸バリウム、珪藻土、すすチョークまたは白亜など)および分離剤などの添加剤。
【0072】
必要に応じて使用するものであるこれらのアジュバントおよび添加剤は、例えば、欧州特許出願公開第0000389号、18〜21頁に記載されている。本発明に従った必要に応じて使用するアジュバントおよび添加剤のさらなる例ならびにこれらのアジュバントおよび添加剤の使用および作用に関する詳細は、the Kunststoff-Handbuch, volume VII, published by G. Oertel, Carl-Hanser-Verlag, Munich, 3rd edition, 1993, e.g. on pages 104-127に記載されている。
【0073】
好ましくは、脂肪族第三級アミン類(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルブタンジアミン)、脂環式第三級アミン類(例えば1,4−ジアザ(2.2.2)ビシクロオクタン)、脂肪族アミノエーテル類(例えばジメチルアミノエチルエーテルおよびN,N,N−トリメチル−N−ヒドロキシエチルビスアミノエチルエーテル)、脂環式アミノエーテル類(例えばN−エチルモルホリン)、脂肪族アミジン類、脂環式アミジン類、尿素、尿素誘導体(例えばアミノアルキル尿素類;例えば、欧州特許出願公開第0176013号参照、特に、(3−ジメチルアミノプロピルアミン)尿素)、およびスズ触媒(例えば、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジラウレート、エチルヘキサン酸スズ(II)、リシノール酸スズ)を触媒として使用する。
【0074】
成分B
2,4−および/もしくは2,6−TDIならびに/または2,4−および/もしくは2,6−TDIから誘導される修飾ポリイソシアネート、あるいは、これらのイソシアネートと他のジおよび/もしくはポリイソシアネートとの混合物を、本発明の方法でジおよび/もしくはポリイソシアネートとして使用できる。
【0075】
2,4−および/もしくは2,6−TDIから誘導される修飾ポリイソシアネートは、例えば、カルボジイミド基、ウレタン基、アロファネート基、イソシアヌレート基、ウレア基またはビウレット基を有するTDI系ポリイソシアネートを意味するものとする。
【0076】
「他の」ジおよび/またはポリイソシアネートは、例えば、W. Siefken in Justus Liebigs Annalen der Chemie, 562, pages 75 to 136に記載の脂肪族、脂環式、芳香脂肪族(araliphatic)、芳香族および複素環式ジおよび/またはポリイソシアネート、例えば、式(VIII):
[化5]
Q(NCO)
n (VIII)
[式中、
n=2〜4、好ましくは2〜3、
および
Qは、2〜18個、好ましくは6〜10個のC原子を有する脂肪族炭化水素残部、4〜15個、好ましくは6〜13個のC原子を有する脂環式炭化水素残部または8〜15個、好ましくは8〜13個のC原子を有する芳香脂肪族炭化水素残部である。]
のものとして理解するものとする。例えば、これらは、欧州特許出願公開第0007502号、7〜8頁に記載のポリイソシアネートである。
【0077】
好ましくは、2,4−および/もしくは2,6−トルイレンジイソシアネートならびに/または2,4−および/もしくは2,6−TDIから誘導される修飾ポリイソシアネートをイソシアネート成分Bとして使用し、2,4−および/もしくは2,6−トルイレンジイソシアネートが特に好ましい。
【0078】
本発明の方法のさらなる実施態様では、イソシアネート成分Bは、55〜90重量%の2,4−および10〜45重量%の2,6−TDIのトルイレンジイソシアネート異性体混合物を含んでなる。
【0079】
本発明の方法のさらなる実施態様では、インデックスは≧70〜≦130、好ましくは≧85〜≦125であり、≧90〜≦120が特に好ましい。インデックスは、化学量論量、すなわち、OH当量の反応について算出されたイソシアネート基(NCO)量に対する実際に使用するイソシアネート量の比パーセントを示す。
[数5]
インデックス=(イソシアネート使用量):(イソシアネート計算量)・100 (IX)
【0080】
本発明に従って得られるポリウレタンフォーム、好ましくはポリウレタン軟質フォームを、例えば:ルーフライナー、ドアクラッド、シートカバーなどの自動車部品および建築用構成部材用途の椅子張り、編織物インレイ(textile inlays)、マットレス、カーシート、ヘッドレスト、アームレスト、スポンジ、フォームホイルとして使用する。
【0081】
本発明に従って製造された粘弾性ポリウレタンフォームおよびポリウレタン軟質フォームは、通常、空気中および光、特にUV光の影響下貯蔵中、低変色傾向を示す。
【0082】
本発明の軟質フォームは、≧10〜≦120kg/m
3の、好ましくは≧12〜≦65kg/m
3の範囲のDIN EN ISO3386−1に従ったかさ密度を有する。
【実施例】
【0083】
以下に、本発明を典型的な実施態様によって例証する。
【0084】
ポリオールA1−1:7重量%の二酸化炭素と93重量%の酸化プロピレンとの共重合により得られた、水酸基価238mgKOH/gを有するグリセリンを基材とする三官能性ポリエーテルカーボネートポリオール
ポリオールA1−2:100重量%の酸化プロピレンの重合により得られた、水酸基価235mgKOH/gを有するグリセリンを基材とする三官能性ポリエーテルポリオール
ポリオールA1−3:25重量%の酸化プロピレンと75%の酸化エチレンとの重合により得られた、水酸基価37mgKOH/gを有するグリセリンを基材とする三官能性ポリエーテルポリオール
ポリオールA1−4:85重量%の酸化プロピレンと15%の末端酸化エチレンとの重合により得られた、水酸基価28mgKOH/gを有するグリセリンを基材とする三官能性ポリエーテルポリオール
ポリオールA2−1:10重量%の酸化エチレン(ethylene dioxide)と90重量%の酸化プロピレンとの共重合により得られた、水酸基価48mgKOH/gを有するグリセリンを基材とする三官能性ポリエーテルポリオール
A5−1(安定剤):シロキサン系起泡安定剤Tegostab(登録商標)BF2370(Evonik Goldschmidt GmbH、エッセン)
A5−2(安定剤):シロキサン系起泡安定剤Niax(登録商標)L−626(Momentive Performance Materials GmbH、レバークーゼン)
イソシアネートB1:商品名Desmodur(登録商標)T80(Covestro Deutschland AG、レバークーゼン)として得られる、80重量%の2,4−および20重量%の2,6−トルイレンジイソシアネート
イソシアネートB2:商品名Desmodur(登録商標)10WB94(Covestro Deutschland AG、レバークーゼン)として得られる、32.0%のNCO含有率を有するMDI異性体混合物
A5−3(触媒):Dabco(登録商標)NE300アミン触媒混合物(Air Products GmbH、ハンブルク)
A5−4(触媒):Dabco(登録商標)NE500アミン触媒混合物(Air Products GmbH、ハンブルク)
A5−5(触媒):Dabco(登録商標)T−9(Air Products GmbH、ハンブルク)で得られる、エチルヘキサン酸スズ(II)
A5−6(触媒):Addocat105アミン触媒(Rheinchemie Rheinau GmbH、マンハイム)
A5−7(触媒):Addocat108アミン触媒(Rheinchemie Rheinau GmbH、マンハイム)
A5−8(安定剤):シロキサン系起泡安定剤Tegostab(登録商標)B8681(Evonik Goldschmidt GmbH、エッセン)
水酸基価をDIN53240に従って決定した。
【0085】
ポリウレタンフォームを、下表1に示した処方に従って製造した。
成分の比率を重量部で記載する。
かさ密度および圧縮硬さを、DIN EN ISO3386−1に従って決定した。
引っ張り強さおよび引っ張り強さを、DIN EN ISO1798に従って決定した。
圧縮設定をDIN EN ISO1856に従って決定した。
反発弾性を、DIN EN ISO8307:2007に従って決定した。
【0086】
【表1】
【0087】
実施例1および2は本発明の実施例であり、実施例3および4は比較例である。結果は、ポリエーテルカーボネートポリオールの本発明の使用およびさもなければ同じNCOインデックスを有する同じ処方は、特に、引っ張り強さおよび破断点伸びに関して、実施例3および4の比較フォームより良好な機械特性を有する圧縮硬さのわずかな減少を有するフォームを得ることを示している。
実施例5および6も比較例である。これらは、本発明のポリエーテルカーボネートポリオール系ポリウレタンフォームを、TDIまたはTDI系ポリイソシアネートの使用によってのみ得ることができるが、例えば、純粋なMDIの使用により得ることはできない。