特許第6752904号(P6752904)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6752904
(24)【登録日】2020年8月21日
(45)【発行日】2020年9月9日
(54)【発明の名称】モデルベースの保護アルゴリズム
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/52 20060101AFI20200831BHJP
   G01S 7/524 20060101ALI20200831BHJP
   H04R 1/40 20060101ALI20200831BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20200831BHJP
   G10K 11/34 20060101ALN20200831BHJP
【FI】
   G01S7/52 D
   G01S7/524 R
   H04R1/40 310
   H04R3/00 310
   !G10K11/34 110
   !G10K11/34 130
【請求項の数】13
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2018-563447(P2018-563447)
(86)(22)【出願日】2017年5月24日
(65)【公表番号】特表2019-523869(P2019-523869A)
(43)【公表日】2019年8月29日
(86)【国際出願番号】GB2017051452
(87)【国際公開番号】WO2017207961
(87)【国際公開日】20171207
【審査請求日】2019年2月1日
(31)【優先権主張番号】1609729.7
(32)【優先日】2016年6月3日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】390038014
【氏名又は名称】ビ−エイイ− システムズ パブリック リミテッド カンパニ−
【氏名又は名称原語表記】BAE SYSTEMS plc
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ムーア、ゲイリー・ロイ
【審査官】 安井 英己
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0033181(US,A1)
【文献】 特表2007−503243(JP,A)
【文献】 特表2007−503242(JP,A)
【文献】 特表2010−510512(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0197122(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/52− 7/64,
G01S 15/00−15/96,
G10K 11/34,
H04R 1/40, 3/00,
CSDB
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のトランスデューサを備えるトランスデューサアレイを用いて送信ビームを形成する方法であって:
目的とされる送信ビームのための少なくとも1つの所望の特性を受け取ることと、
受け取られた前記少なくとも1つの所望の特性と、少なくとも1つのビーム特性と少なくとも1つのトランスデューサ保護特性との間の関係をモデル化するためのアレイモデルとに基づいて、前記トランスデューサアレイのトランスデューサのための最適化された動作パラメータを決定することと、ここで、前記モデル化は、前記トランスデューサアレイの前記複数のトランスデューサの音響相互結合を考慮しつつ行うものであり、
前記トランスデューサアレイの最適化された前記動作パラメータを用いて前記送信ビームを生成することと、
を備え、
前記最適化された前記動作パラメータを決定することは:、
前記トランスデューサが前記トランスデューサに適用される過度な動作パラメータによって引き起こされる損傷から保護されるように、前記少なくとも1つのトランスデューサ保護特性と;
前記アレイモデルを用いて、前記少なくとも1つのトランスデューサ保護特性を決定するために、前記少なくとも1つのビーム特性および前記少なくとも1つの所望の特性と;
最適化された前記動作パラメータを用いて形成された、生成された前記送信ビームが、前記トランスデューサを損傷することなく、目的とされる前記送信ビームと同じ、または、目的とされる前記送信ビームに最も近い送信ビームであるような前記少なくとも1つの所望の特性と;
に基づいて実行される、方法。
【請求項2】
さらに、目的とされる前記送信ビームのための前記少なくとも1つの所望の特性を受け取ることの前に、前記アレイモデルを生成するステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
最適化された前記動作パラメータは、前記トランスデューサへの、最大電圧、最大電、および、最大電力の入力の少なくとも1つを備え、
過度な前記動作パラメータは、前記トランスデューサに恒久的な損傷を引き起こす、過度に高い電圧、電流、および、電力の少なくとも1つを備える、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記トランスデューサアレイはソナーの一部であり、
前記送信ビームは、前記ソナーのための音響波であり、
前記少なくとも1つの所望の特性を受け取ることは、予め定められた変調形式の前記音響波を送信するための要求を受け取ることを備え、
前記要求は、予め定められた変調形式、前記トランスデューサアレイの特定の指向方向、および、音響源レベルのための周波数およびタイミングパラメータを備える、
請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記トランスデューサアレイは、海洋輸送機器の内側に配置され、
前記要求は、さらに、前記海洋輸送機器の移動の速度、前記海洋輸送機器の中の電力源からの電力出力、および、前記海洋輸送機器の位置の内の少なくとも1つによって制限される、前記送信ビームを生成するステップの間に前記海洋輸送機器内で利用可能な電力に関する情報を備える、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記アレイモデルは、前記少なくとも1つのビーム特性と前記少なくとも1つのトランスデューサ保護特性との異なる組み合わせのための3次元ルックアップテーブルを備え、 前記少なくとも1つのビーム特性は、送信ビームタイプ、指向性指標DI、トランスデューサアレイの効率ξ、コンダクタンスG、前記送信ビームの周波数、および、前記送信ビームの指向方向を備え、
前記少なくとも1つのトランスデューサ保護特性は、最大電圧VMAXを備える、請求項に記載の方法。
【請求項7】
最適化された前記動作パラメータを決定するステップが:
前記要求からの前記音響源レベルから、二乗平均平方根で表された音圧レベルSPLを計算することと;
前記要求からの前記海洋輸送機器内の利用可能電力についての前記情報を用いて計算された最大利用可能電力と、予め定められた高電力において前記要求からの前記情報から計算された場合に前記トランスデューサの過加熱を避けつつ、前記要求からの前記音響波の持続期間、および、ビーム送信のための予め定められた最大デューティサイクルを用いて計算された絶対最大電力との間の最小値として、最大電力レベルWMAX_TDCRを設定することにより、前記トランスデューサのための前記最大電力レベルWMAX_TDCRを決定することと;
前記要求からのタイミングパラメータと前記予め定められた変調形式とを用いて計算された前記音響波を形成するために、前記トランスデューサのための瞬時周波数を決定することと;
前記3次元ルックアップテーブルから得られる前記トランスデューサアレイの前記効率ξと、ビームシェーディング係数と、前記コンダクタンスGとの関数として、決定された前記瞬時周波数について必要とされるピーク電圧VMAX_NOMを決定することと;
必要とされる前記ピーク電圧VMAX_NOMが、決定された前記瞬時周波数での前記最大電圧VMAXより小さい場合には、必要とされる前記ピーク電圧VMAX_NOMとして、必要とされる前記ピーク電圧VMAX_NOMが、決定された前記瞬時周波数での前記最大電圧VMAXより小さくない場合には、前記最大電圧VMAXとして、前記トランスデューサについての最適化された前記動作パラメータを設定することと;
のステップを備える、請求項に記載の方法。
【請求項8】
送信ビームを形成するシステムであって:
前記送信ビームを形成するように構成されている複数のトランスデューサを備えるトランスデューサアレイと;
目的とされる送信ビームのための少なくとも1つの所望の特性を受け取るように構成される受信機と;
受け取られた前記少なくとも1つの所望の特性と、少なくとも1つのビーム特性と少なくとも1つのトランスデューサ保護特性との間の関係をモデル化するためのアレイモデルに基づいて、前記トランスデューサアレイのトランスデューサのための最適化された動作パラメータを決定し、前記トランスデューサアレイの最適化された前記動作パラメータを用いて前記送信ビームを生成するように構成されるプロセッサと、を備えるシステムであって、前記モデル化は、前記トランスデューサアレイの前記複数のトランスデューサの音響相互結合を考慮しつつ行うものであり
前記最適化された前記動作パラメータを決定することは:、
前記トランスデューサが前記トランスデューサに適用される過度な動作パラメータによって引き起こされる損傷から保護されるように、前記少なくとも1つのトランスデューサ保護特性と;
前記アレイモデルを用いて、前記少なくとも1つのトランスデューサ保護特性を決定するために、前記少なくとも1つのビーム特性および前記少なくとも1つの所望の特性と;
最適化された前記動作パラメータを用いて形成された、生成された前記送信ビームが、前記トランスデューサを損傷することなく、目的とされる前記送信ビームと同じ、または、目的とされる前記送信ビームに最も近い送信ビームであるような前記少なくとも1つの所望の特性と;
に基づいて実行される、システム。
【請求項9】
前記アレイモデルを記憶するためにストレージと;
前記システムと通信可能な外部プロセッサとをさらに備え、
前記外部プロセッサは、前記システムの前記プロセッサにおいて、目的とされる前記送信ビームのための前記少なくとも1つの所望の特性を受け取ることの前に、前記アレイモデルを生成し、生成された前記アレイモデルを前記ストレージに通信するように構成され、
前記プロセッサは、前記最適化された動作パラメータを決定するとき、前記ストレージにおける生成された前記アレイモデルにアクセスするように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記アレイモデルを記憶するためのストレージをさらに備え、
前記プロセッサは:
前記システムの前記受信機において、目的とされる前記送信ビームのための前記少なくとも1つの所望の特性を受け取ることの前に、前記アレイモデルを生成し;
前記ストレージに生成された前記アレイモデルを記憶し;
前記最適化された動作パラメータを決定する場合、前記ストレージの中の生成された前記アレイモデルにアクセスする;
ように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記トランスデューサアレイはソナーの一部であり、
前記送信ビームは、前記ソナーのための音響波であり、
前記少なくとも1つの所望の特性を受け取ることは、予め定められた変調形式の前記音響波を送信するための要求を受け取ることを備え、
前記要求は、予め定められた前記変調形式のための周波数とタイミングのパラメータ、前記トランスデューサアレイの特定の指向方向、および、音響源レベルを備える、
請求項ないし請求項1のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記トランスデューサアレイは、海洋輸送機器の内側に配置され、
前記要求は、さらに、前記海洋輸送機器の移動の速度、前記海洋輸送機器の中の電力源からの電力出力、および、前記海洋輸送機器の位置の少なくとも1つによって制限される、前記送信ビームを生成するステップの期間に前記海洋輸送機器内で利用可能な電力に関する情報を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
請求項1ないし請求項のいずれか一項にしたがう方法を動作するためのコンピュータプログラムを記憶しているコンピュータが読取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信ビームを形成するための方法またはシステムの提供に関する。
【0002】
本発明の実施形態は、排他的ではないが、特に、複数のトランスデューサを備えるトランスデューサアレイを用いて送信ビームを形成するときの使用を見出す。
【背景技術】
【0003】
ソナーシステムを乗物上で動作するとき、形成される送信ビームの性能を最適化するために、ソナーシステムからの出力を最大化すること、すなわち、方向性の考慮を含んで音響源レベルを最大化すること、が多くの場合に望まれる。しかしながら、これをするために、どのようにソナーシステムが実現されるかの方法において、あるフェイルセーフ制限が必要とされる。なぜなら、そうでなければ、送信ビームを形成するために高電力信号を送信しながら、トランスデューサなどのソナーシステムのコンポーネントに恒久的または一時的な損傷が起こり得るからである。
【0004】
実装されるハードウェアにおける、および、乗物に搭載される利用可能な処理リソースにおける制限により、最悪の結果を予想したパラメータのセットをフェイルセーフ制限として使用することが多くの場合に必要となる。多くのケースにおいて、これは、潜在しているコンポーネントへの恒久的または一時的な損傷を考慮した後でさえも可能性はあったであろう非常に下のレベルに、送信される電力を制限することを意味する。特に、トランスデューサ間の音響相互作用がトランスデューサのアレイに渡って最大振幅および電力レベルにおける幅広い変動を引き起こすので、複数のトランスデューサのアレイを用いて送信ビームが指向されるときに、このような非効率的な送信ビームの形成が起こり得、最大限に最悪の結果を予想したフェイルセーフ制限だけが、恒久的または一時的な損傷を回避するためにトランスデューサのアレイに用いられることができる。
【0005】
送信ビームを形成するための方法またはシステムを提供することが、本発明の実施形態の目的であり、方法またはシステムは、複数のトランスデューサのうちのいずれかに、あるいは、それとの機械的および/または電気的に関係するコンポーネントに損傷を引き起こすことなく、送信ビームを形成することが可能である。
【発明の概要】
【0006】
本発明によれば、添付の特許請求の範囲において記載られたような方法および装置が提供される。本発明の他の特徴は、従属の請求項、および、以下の説明から明らかになる。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、複数のトランスデューサを備えるトランスデューサアレイを用いて送信ビームを形成する方法が提供され、方法は、目的とされる送信ビームのための少なくとも1つの所望の特性を受け取ることと; トランスデューサアレイの複数のトランスデューサの音響相互結合を考慮し、受け取られた少なくとも1つの所望の特性、および、少なくとも1つのビーム特性と少なくとも1つのトランスデューサ保護特性との間の関係をモデル化するためのアレイモデルに基づいて、トランスデューサアレイのトランスデューサのための最適化された動作パラメータを決定することと; トランスデューサアレイの最適化された動作パラメータを用いて送信ビームを生成することと; を備える。
【0008】
好適には、方法は、さらに、目的とされる送信ビームのための少なくとも1つの所望の特性を受け取ることの前にアレイモデルを生成するステップを備える。
【0009】
好適には、最適化された前記動作パラメータを決定することは: トランスデューサに適用される過度な動作パラメータによって引き起こされる損傷からトランスデューサが保護されるように、少なくとも1つのトランスデューサ保護特性と; アレイモデルを用いて、少なくとも1つのトランスデューサ保護特性を決定するための少なくとも1つのビーム特性と少なくとも1つの所望の特性と; 最適化された動作パラメータを用いて形成された、生成された送信ビームが、トランスデューサを損傷することなく、目的とされる送信ビームと同じ、または、最も近くなるように、少なくとも1つの所望の特性と; に基づいて行われてもよい。
【0010】
好適には、最適化された動作パラメータは、トランスデューサに入力される、最大電圧、最大電流、および、最大電力の少なくとも1つを備えてもよい。好適には、過度な動作パラメータは、トランスデューサへの恒久的な損傷を引き起こす、過度に高い電圧、電流、および、電力の少なくとも1つを備えてもよい。
【0011】
好適には、トランスデューサアレイは、ソナーの一部であってよく; 送信ビームは、ソナーのための音響波であってよく; 少なくとも1つの所望の特性を受け取ることは、予め定められた変調形式の音響波を送信するための要求を受け取ることを備えてもよく、要求は、予め定められた変調形式のための周波数およびタイミングパラメータ、トランスデューサアレイの特定の指向方向、および、音響源レベルを備えてもよい。
【0012】
好適には、トランスデューサアレイは、魚雷、潜水艦、または、水面下または水上での使用のための任意の他のタイプの輸送機器などの海洋輸送機器の内側に配置されてもよく; 要求は、さらに、海洋輸送機器の移動の速度、海洋輸送機器の中の電力源からの電力出力、および、海洋輸送機器の位置の少なくとも1つによって制限される、送信ビームを生成するステップの間に海洋輸送機器内で利用可能な電力に関する情報を備えてもよい。
【0013】
好適には、アレイモデルは、少なくとも1つのビーム特性と少なくとも1つのトランスデューサ保護特性との異なる組み合わせのための3次元ルックアップテーブルを備えてもよく; 少なくとも1つのビーム特性は、送信ビームタイプ、指向性指標DI、トランスデューサアレイの効率ξ、コンダクタンスG、送信ビームの周波数、および、送信ビームの指向方向を備えてもよく; 少なくとも1つのトランスデューサ保護特性は、最大電圧VMAXを備えてもよい。
【0014】
好適には、最適化された動作パラメータを決定するステップが: 要求からの音響源レベルから、二乗平均平方根で表された音圧レベルSPLを計算することと; 要求からの海洋輸送機器内で利用可能な電力についての情報を用いて計算された最大利用可能電力と、予め定められた高電力において要求からの情報から計算された場合のトランスデューサの過加熱を避けながら、要求からの音響波の持続期間とビーム送信の予め定められた最大デューティサイクルとを用いて計算された絶対最大電力との間の最小値として、最大電力レベルWMAX_TDCRを設定することにより、トランスデューサのための最大電力レベルWMAX_TDCRを決定することと; 要求からのタイミングパラメータと予め定められた変調形式とを用いて計算された音響波を形成するために、トランスデューサのための瞬時周波数を決定することと; 3次元ルックアップテーブルから得られるトランスデューサアレイの効率ξと、ビームシェーディング係数と、コンダクタンスGとの関数として、決定された瞬時周波数について必要とされるピーク電圧VMAX_NOMを決定することと; 必要とされるピーク電圧VMAX_NOMが、決定された瞬時周波数での最大電圧VMAXより小さい場合には、必要とされるピーク電圧VMAX_NOMとして、および、必要とされるピーク電圧VMAX_NOMが、決定された瞬時周波数での最大電圧VMAXより小さくない場合には、最大電圧VMAXとして、トランスデューサのための最適化された動作パラメータを設定することと; のステップを備えてもよい。
【0015】
本発明の第2の態様によれば、送信ビームを形成するためのシステムが提供され、システムは: 送信ビームを形成するように構成される複数のトランスデューサを備えるトランスデューサアレイと; 目的とされる送信ビームのための少なくとも1つの所望の特性を受け取るように構成される受信機と; トランスデューサアレイの複数のトランスデューサの音響相互結合を考慮して、受け取られた少なくとも1つの所望の特性、および、少なくとも1つのビーム特性と少なくとも1つのトランスデューサ保護特性との間の関係をモデル化するためのアレイモデルとに基づいて、トランスデューサアレイのトランスデューサのための最適化された動作パラメータを決定し、トランスデューサアレイに最適化された動作パラメータを用いて送信ビームを生成するように構成されているプロセッサと; を備えていてもよい。
【0016】
好適には、システムは: アレイモデルを記憶するためのストレージと; システムと通信可能な外部プロセッサと; をさらに備えていてもよく、 外部プロセッサは、システムのプロセッサにおいて、目的とされる送信ビームのための少なくとも1つの所望の特性を受け取ることの前に、アレイモデルを生成し、生成されアレイモデルをストレージに通信するように構成され、 プロセッサは、最適化された動作パラメータを決定するとき、ストレージ中の生成されたアレイモデルにアクセスするように構成される。
【0017】
好適には、システムは、さらに、アレイモデルを記憶するためのストレージを備えてもよく、プロセッサは: システムの受信機において、目的とされる送信ビームのための少なくとも1つの所望の特性を受け取る前に、アレイモデルを生成し; 生成されたアレイモデルをストレージに記憶し; 最適化された動作パラメータを決定するとき、ストレージ中の生成されたアレイモデルにアクセスする; ように構成される。
【0018】
好適には、トランスデューサアレイはソナーの一部であってよく; 送信ビームは、ソナーのための音響波であってよく; 少なくとも1つの所望の特性を受け取ることは、予め定められた変調形式の音響波を送信するための要求を受け取ることを備えてよく; 要求は、予め定められた変調形式のための周波数およびタイミングパラメータ、トランスデューサアレイの特定の指向方向、および、音響源レベルを備えてもよい。
【0019】
好適には、トランスデューサアレイは、魚雷、潜水艦、または、水面下または水上での使用のための任意の他のタイプの輸送機器などの海洋輸送機器の内側に配置されてもよく; 要求は、さらに、海洋輸送機器の移動の速度、海洋輸送機器の中の電力源からの電力出力、および、海洋輸送機器の位置の少なくとも1つによって制限される、送信ビームを生成するステップの間に海洋輸送機器内で利用可能な電力に関する情報を備えてもよい。
【0020】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様による方法を動作させるためのコンピュータプログラムを記憶するコンピュータが読取可能な媒体が提供される。
【0021】
本発明をより良く理解するために、および、本発明の実施形態がどのように実行に移されるかを示すために、例として、添付の図への参照がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の実施形態にしたがったアレイモデルを示す。
図2図2は、本発明の実施形態にしたがった音響負荷モデルを組み込んだアレイモデルを示す。
図3図3は、本発明の実施形態にしたがったトランスデューサアレイを用いて送信ビームを形成する方法を示す。
図4図4は、本発明の実施形態にしたがったトランスデューサアレイを用いて送信ビームを形成する方法を示す。
図5図5は、本発明の実施形態にしたがった図3または図4の方法において、トランスデューサアレイのトランスデューサのための最適化された動作パラメータを決定するための方法ステップを示す。
図6図6は、本発明の実施形態にしたがった、送信ビームを形成するためのシステムを示す。
図7図7は、本発明の実施形態にしたがった、送信ビームを形成するためのシステムを示す。
図8図8は、本発明の実施形態にしたがった図6または図7のシステムを用いる海洋輸送機器を示す。
図9図9は、本発明の別の実施形態にしたがった図8の海洋輸送機器を示す。
図10図10は、本発明の実施形態にしたがった例示的な環境を示す。
【詳細な説明】
【0023】
本発明の実施形態の目的のうちの1つは、送信ビームを形成するための方法またはシステムを提供することであって、方法またはシステムは、複数のトランスデューサのうちのいずれかに、あるいは、それとの機械的および/または電気的に関連するコンポーネントに損傷を引き起こすことなく送信ビームを形成することが可能である。これは、所望の特性を有する送信ビーム、または、できるだけ近い所望の特性を有する送信ビームが、何も損傷を引き起こすことなく生成されることを確実にする、送信ビームを形成するためのパラメータのセットを決定することを伴う。
【0024】
この決定をするために、それの複数のトランスデューサとコンポーネントがモデル化される必要がある。本明細書の中で説明される本発明の実施形態において使用されるすべてのモデルは、単一の周波数安定状態の正弦波信号を有する境界条件下で作成され、および/または、使用される。しかしながら、物理的特性や動作パラメータなどのモデル化されたパラメータおよび動作パラメータが送信ビームを形成するための方法またはシステムにおいて使用される実用的な条件を、モデルが近似することが可能である限り、単一の周波数安定状態の正弦波信号の代わりに、または、これに加えて、他の境界条件が適用されてもよいことが理解される。
【0025】
送信信号VIN、電圧VまたはVo、電流I、力F、速度Uなどの、本明細書の中で使用されるさまざまな物理的特性および/または動作パラメータは、本明細書で説明されるモデルでは、二乗平均平方根(RMS)値のそれぞれで表される。しかしながら、これらの物理的特性および/または動作パラメータを比較するためおよび/または計算するために適した他の何らかの統計的尺度が、同じ効果を達成するために使用されてもよいことが理解される。
【0026】
モデルまたはアレイモデルは、少なくとも2つのタイプのパラメータ間の関係を表すデータのセットである。実施形態によれば、アレイモデルは、エントリまたは要素として最大電圧値を備えるテーブルまたは行列によって表され、行または列は、指向方位角、指向仰角、コンダクタンスG、および/または、トランスデューサアレイの効率性などのビーム形状または方向を規定するための異なるパラメータに関連する。代替実施形態によれば、アレイモデルは、データのセットに関連する少なくとも2つのタイプのパラメータ間の関係を表すように、当該データのセットを記憶することが可能である他のタイプのデータフォーマットによって表されることが理解される。
【0027】
図1は、本発明の実施形態にしたがったアレイモデル100を示し、アレイモデル100は、送信機モデル、回路モデル110、および、トランスデューサモデル120を備える。
【0028】
送信機モデルは、送信機信号VINを出力する理想的な電圧源として信号送信機をモデル化する。
【0029】
送信機モデルから出力される送信機信号VINは、その後、増幅器出力とトランスデューサとの間のインターフェース回路と増幅器の出力インピーダンスの組み合わせの電気的特性を表す2ポートモデルである、回路モデル110に与えられる。インターフェース回路は、トランスデューサを駆動するトランスなどのコンポーネントを備える。実施形態によれば、複数のトランスデューサを備えるトランスデューサアレイがインターフェース回路を介して送信機に接続される場合、複数の増幅器が使用され、各増幅器は、トランスデューサアレイの単一のトランスデューサを駆動するように、インターフェース回路を介して構成される。代替の実施形態によれば、増幅器とトランスデューサは、上記で説明した1対1の関係を有していなくてもよいが、インターフェース回路は各トランスデューサに駆動信号を与え、回路モデル110はこれを考慮することが理解される。
【0030】
トランスデューサモデル120は、送信機側から回路モデル110を介してトランスデューサモデル120の入力ポートにおける(電圧Vおよび電流Iが入力される)電気的なインターフェースと、トランスデューサ出力の力Fとトランスデューサヘッドの速度Uを出力するトランスデューサモデル120の出力ポートにおける機械インターフェースとを有する2ポートモデルであり、これらは、トランスデューサを駆動するための動作パラメータに関連する。実施形態によれば、トランスデューサモデル120は、2x2の行列で表される。
【0031】
複数のトランスデューサを備えるトランスデューサアレイが送信ビームを形成するために使用される場合、複数のトランスデューサに接続されるチャネル間の相互インピーダンスは、トランスデューサアレイの全体的なパフォーマンスに影響する。トランスデューサアレイへのこのような相互インピーダンスの影響は、1960年のPritchard, R. L.による「Mutual Acoustic Impedance between Radiators in an Infinite Rigid Plane」(published in The Journal of the Acoustical Society of America, vol.32, issue 6, p.730)に記載されたものと同様の相互音響インピーダンスモデルを使用して、モデル化することができる。
【0032】
実施形態によれば、相互音響インピーダンスモデルは、トランスデューサアレイのN個の相互に作用する音響負荷を表すNxNの行列である(ここで、Nはトランスデューサの数である)。
【0033】
図2は、本発明の実施形態にしたがう音響負荷モデルを組み込んだアレイモデル200を示し、音響負荷モデルは、トランスデューサアレイの複数のトランスデューサに接続される各チャネル間の音響負荷相互作用を表す相互音響インピーダンスモデルである。
【0034】
アレイモデル200は、新たなN×Nのトランスインピーダンス行列を形成するために、図1のアレイモデル100、すなわち、図1の送信機モデル、回路モデル110、および、トランスデューサモデル120を音響負荷モデルと組み合わせる。目的とされる送信ビームについての情報がアレイモデル200に入力されると、アレイモデル200は、その特定の目的とされる送信ビームに対して、トランスデューサアレイのための最大送信機電圧VMAXを出力するように構成される。目的とされる送信ビームは、トランスデューサアレイから生成されるように要求される所望の送信ビームである。
【0035】
目的とされる送信ビームについての情報は、トランスデューサから生成された送信ビームが、その機能、例えば、ソナーシステムに実装された場合の検出機能、を実行するために好適である、および/または、効果的であるように、目的とされる送信ビームの特徴を規定する、送信ビームの少なくとも1つの所望の特性に関連する。これを達成するために、少なくとも1つの所望の特性の入力は、周波数fと、指向の方位角S1および指向の仰角S2などの特定のビーム指向方向パラメータとを備える。実施形態によれば、その特定のビームについての所望の振幅A(所望の音響源レベル)も入力されることができる。代替実施形態によれば、周波数fとビーム指向方向(指向方位角S1および指向仰角)のみが、トランスデューサアレイに任意の恒久的な損傷を引き起こすことなく、可能な限り最大の振幅Aである目的とされる送信ビームの所望の振幅Aで入力される。
【0036】
そして、アレイモデル200は、最大送信機電圧VMAXがトランスデューサアレイを駆動するために使用される場合、すべてのトランスデューサの駆動電圧、電流、および/または、電力についての高い側の限界のいずれをも超えないことを確実にしつつ、トランスデューサアレイを駆動するために使用される場合に、トランスデューサアレイが、目的とされる送信ビーム、または、少なくとも目的とされる送信ビームに最も似た特徴を有する送信ビームを生成できるようにする、最大送信機電圧VMAXを決定することを可能にする。
【0037】
実施形態によれば、決定された最大送信機電圧VMAXは、トランスデューサアレイが、例えば、目的とされる送信ビームの、振幅Aを除くすべての特徴、例えば、所望の周波数fおよび所望のビーム指向方向S1とS2、を有する送信ビームを生成するように、トランスデューサアレイを駆動する。これは、目的とされる送信ビームの入力される所望の振幅Aが可能な限り最も大きな振幅であり、そして、最大送信機機電圧VMAXがアレイモデルを使用して決定される場合に、トランスデューサアレイの限界により制限されるからである。
【0038】
代替の実施形態によれば、決定された最大送信機電圧VMAXは、トランスデューサアレイが、所望の周波数f、所望のビーム指向方向S1およびS2、ならびに、所望の振幅Aを含む、目的とされる送信ビームの特徴のすべてを有する送信ビームを生成するように、トランスデューサアレイを駆動する。実施形態によれば、アレイモデル200を得るために、トランスデューサアレイを駆動するための(特定の送信ビームのために必要とされるように位相および振幅において重み付けがされる)送信機電圧の所与のベクトルについて、以下の行列方程式が構築されることができる:
【0039】
【数1】
【0040】
ここで、Vは、Vで(任意の位相差を考慮するために複素数でもある)送信機電圧を表すN個の要素を有する列ベクトルであり;Uは、ms−1で(任意の位相差を考慮するために複素数でもある)トランスデューサヘッドの速度を表すN個の要素を有する列ベクトルであり; およびPは、(要素がV/(ms−1)の単位を有する)N×Nトランスインピーダンス行列である。
【0041】
そして、この行列式
【0042】
【数2】
【0043】
は、単一の周波数について解かれることができ、それによりトランスデューサヘッドの速度のUベクトルが決定されることができる。さらなる置換により、送信ビームを形成し、トランスデューサアレイを制御するための他のパラメータが、この解から決定されることができる。同様の式がすべての必要とされる周波数、すなわち、送信ビーム形成において使用されることが期待される周波数について解かれる場合、これらの解の集合がアレイモデル200を形成する。
【0044】
以下は、アレイモデル200を形成する、または、生成するための第1のプロセスの全体像であり、これにより、第1のプロセスは、本発明の実施形態にしたがうアレイモデル200の表現として、複数のルックアップテーブルLUTを出力する。第1のプロセスは、物理的な送信ビームを形成するためのルックアップテーブルLUTの任意のリアルタイムの使用前に、コンピュータシミュレーションとして実行される。各LUTは、所定の送信ビームシェーディングセットのため、すなわち、所定の周波数の送信ビームを生成するための所定のトランスデューサアレイのためにある。第1のプロセスは、形成された、または、生成されたアレイモデルが、目的とされる送信ビームのための最適化された動作パラメータを決定するために、第2のプロセスによって使用されることができるように、アレイモデル200を形成する、または、生成するために使用され、第2のプロセスは、特定の目的とされる送信ビームのための要求が受け取られると、および、受け取られる場合、リアルタイムで実行される。
【0045】
第2のプロセスは、目的とされる送信ビームと同じである、または、理想的な状況よりも下の場合、最も近い、送信ビームを生成するために最適化されている最適化された動作パラメータを決定するために実行される。
【0046】
以下では、少なくとも1つの要素、すなわち、少なくとも1つのトランスデューサが、ユニティシェーディング係数(unity shading factor)を有すると仮定される(典型的には、トランスデューサアレイの中心にまたは中心の近くに位置付けられているトランスデューサがユニティシェードされる)。ユニティシェーディング係数を有するトランスデューサのためのユニティシェードされたチャネルは電圧Voで駆動され、(トランスデューサアレイのトランスデューサの残りに接続される)すべての他のチャネルは、Voとその特定のトランスデューサについて対応するシェーディング係数との比または乗数として計算されて、Voまたはそれより下で駆動される。トランスデューサの残りのうちのいくつかとユニティシェードされたチャネルとの間に位相差があり得るので、電圧振幅は、複素数値とみなされる。
【0047】
アレイモデルを形成するまたは生成するための第1のプロセスは、以下のパラメータと境界条件を用いて実行される。
【0048】
シェーディング係数は、トランスデューサの駆動電圧が、ユニティシェーディング係数のトランスデューサの駆動電圧Voと比較されるとき、トランスデューサアレイの各トランスデューサの駆動電圧に適用可能な重み付け係数である。対応するシェーディング係数をすべてのトランスデューサの駆動電圧に適用することの全体的な効果は、トランスデューサアレイが、送信ビームのサイドローブを低減し、メインローブを広げながら、所定の周波数のために定義された形状および方向の送信ビームを生成することである。
【0049】
予め定められた電圧VLIMは、電流、電圧、および電力がすべて限界を上回ることになるであろうレベルより上で複数のトランスデューサのうちの少なくとも1つを駆動すると保証された高レベルである。実施形態によれば、予め定められた電圧VLIMは任意に選ばれる。代替的な実施形態によれば、予め定められた電圧VLIMは、恒久的な損傷を被る前に、トランスデューサアレイの典型的なトランスデューサが永久的な損傷を被る前に耐えることができる典型的な最大電圧値の少なくとも10倍のとなるように選ばれる。
【0050】
実施形態によれば、第1のプロセスは、例えば、個々のトランスデューサについての最大トランスデューサ電力PTMAX、個々のトランスデューサについての最大トランスデューサ電圧VTMAX、および、個々のトランスデューサについての最大トランスデューサ電流ITMAXといった、各トランスデューサについての最大許容値である予め定められた値のセットを用いる。例えば、個々のトランスデューサのコンポーネントの電気的性能における小さな変動および/またはアレイ相互作用により、各トランスデューサが異なる特徴を有するので、これらの値は、1つのトランスデューサから他のトランスデューサの間で変化する傾向がある。
【0051】
代替的な実施形態にしたがうと、トランスデューサアレイのすべてのトランスデューサは、同様に挙動するように、したがって、トランスデューサの各々についての最大許容値である予め定められた値の同じセットを有する、例えば、すべてのトランスデューサが、個々のトランスデューサについて同じ最大トランスデューサ電力PTMAXを、個々のトランスデューサについて同じ最大トランスデューサ電圧VTMAXを、個々のトランスデューサについて同じ最大トランスデューサ電流ITMAXを有すると仮定されることが理解される。
【0052】
簡略化のために、本明細書において説明される実施形態は、トランスデューサアレイの全てのトランスデューサアが最大許容値について予め定められた値の同じセットを有するように、トランスデューサアレイのすべてのトランスデューサが同じように挙動すると想定する。実施形態によれば、個々のトランスデューサについての最大トランスデューサ電力PTMAX、個々のトランスデューサについての最大トランスデューサ電圧VTMAX、および、個々のトランスデューサについての最大トランスデューサ電流ITMAXは、トランスデューサ自体の電気コンポーネントおよび/または設計から、すなわち、その特定のタイプのトランスデューサの電力、電圧、および、電流についての最大定格から、決定される。実施形態によれば、個々のトランスデューサについての最大トランスデューサ電力PTMAX、個々のトランスデューサについての最大トランスデューサ電圧VTMAX、および、個々のトランスデューサについての最大トランスデューサ電流ITMAXは、同一のタイプのトランスデューサの他のセットをテストすることにより決定される。
【0053】
そして、アレイモデル200を形成し、または、生成するための以下の第1のプロセスが、必要とされる周波数のセットと送信ビーム指向方向のセットから選択された各周波数および送信ビーム指向方向について実行される:
(i)コンピュータシミュレーションが、Vo=VLIMの境界条件を有するアレイモデル200で実行される。このシミュレーションは、ユニティシェーディング係数を有する、少なくとも1つのトランスデューサが、その少なくとも1つのトランスデューサのためのユニティシェードされたチャネル上で電圧Voによって駆動される場合、および、その他のチャネルのすべて(トランスデューサアレイの残りのトランスデューサに接続される)が、その特定のトランスデューサに適用可能な比またはシェーディング係数により各駆動電圧が決定されて、Voまたはそれより少ない電圧で駆動される場合に何が起こるのかをシミュレートする。
【0054】
(ii)コンピュータシミュレーションの間、電力値、電圧値、および、電流値は、アレイモデルを使用して各トランスデューサについて計算され、すべてのトランスデューサについての最大トランスデューサ電力PAMAX、すべてのトランスデューサについての最大トランスデューサ電圧VAMAX、および、すべてのトランスデューサについての最大トランスデューサ電流IAMAXは、それらトランスデューサについての計算された電圧、電流、および、電力値から、すなわち、シミュレーションから、決定される。これらは、電力、電圧、および、電流値が、トランスデューサアレイのトランスデューサのすべてについて計算される場合、絶対的な最大電力、電圧、および、電流値、すなわち、トランスデューサアレイの任意のトランスデューサによって与えられるか、または、経験される最大の電力、電圧、および、電流値、である。
【0055】
状況に応じて、3つの最大値PAMAX、VAMAX、IAMAXのすべては、トランスデューサまたはチャネル間の相互作用により、同じ単一のトランスデューサまたはそれを駆動する同じチャネルに関連していなくてもよい。例えば、送信ビームが非対照的な方法で指向性をもたされてもよいことから、相互作用効果により、より高い電圧で駆動されるトランスデューサは、必ずしも、より低い電圧で駆動されるその他のトランスデューサよりも高い電流を経験しない。
【0056】
(iii)次に、以下の3つの比が計算される:
【0057】
【数3】
【0058】
これらの3つの比は、高い駆動電圧Vo=VLIMの使用により、1より小さい。
【0059】
個々のトランスデューサについての最大トランスデューサ電力PTMAX、個々のトランスデューサについての最大トランスデューサ電圧VTMAX、個々のトランスデューサについての最大トランスデューサ電流ITMAXは、各トランスデューサについての最大許容値である、予め定められた値のセットである。
【0060】
複数のトランスデューサのうちの少なくとも1つが、電流、電圧、および、電力が、すべて限度を超えるレベルを上回って、すなわち、その個々のトランスデューサについての最大トランスデューサ電力PTMAX、その個々のトランスデューサについての最大トランスデューサ電圧VTMAX、および、個々のトランスデューサについての最大トランスデューサ電流ITMAXを上回っているレベルより上で駆動されるように選択される、予め定められた高レベル電圧VLIMで実行されるシミュレーションからトランスデューサについての電圧、電流、および、電力値を計算することにより、すべてのトランスデューサについての最大トランスデューサ電力PAMAX、すべてのトランスデューサについての最大トランスデューサ電圧VAMAX、すべてのトランスデューサについての最大トランスデューサ電流IAMAXが決定される。
【0061】
したがって、予め定められた電圧VLIMが十分に大きい限り、3つの比は常に1より小さい。
【0062】
実施形態によれば、予め定められた電圧VLIMは任意に選ばれ、コンピュータシミュレーションは、最初に、この任意の値で実行される。その後、K、K、および、Kのうちののいずれか1つが、1と等しいか、または、1より大きい場合、コンピュータシミュレーションは、3つの比、K、K、および、Kのすべてが1より小さくなるまで、より高い予め定められた電圧VLIM値で再実行される。
【0063】
(iv)K、K、および、Kのうちの最小値が選択され、または、計算され、最大送信機電圧VMAXがユニティシェーディング係数を有するトランスデューサアレイの少なくとも1つのトランスデューサを駆動するために使用される場合に、すべてのトランスデューサの駆動電圧についての高い限界のうちのいずれもが超えられないことを確実にする最大送信機電圧VMAXを決定するために、その最小値が、Vo=VLIMで乗算される:
【0064】
【数4】
【0065】
他の実施形態にしたがうと、最大送信機電圧VMAXの決定を可能にする代わりに、アレイモデル200は、最大送信電力PMAX、最大送信機電流IMAX、または、トランスデューサを駆動するための任意の他の送信機動作パラメータの最大値の決定を可能にし、第1のプロセスのステップ(i)−(iv)は、最大送信機電力PMAXまたは最大送信機電流IMAXなどの最大送信機動作パラメータを決定するために、その特定のタイプの送信機動作パラメータに関連して実行されることが理解される。例えば、アレイモデル200が、電流源がトランスデューサアレイを駆動するシステムをモデル化するために使用される場合、決定される最大送信機電流IMAXがトランスデューサアレイにより容易に適用されることができるように、最大送信機電流IMAXが決定されてもよい。
【0066】
さらに他の実施形態によれば、アレイモデル200は、例えば、トランスデューサを駆動するための最大送信機電圧VMAX、および、最大送信機電力PMAX、または、電流IMAXといった、1つより多くのタイプの最大送信機動作パラメータの決定を可能にし、第1のプロセスのnテップ(i)−(iv)は、トランスデューサすべてを駆動するために使用されるすべてのタイプの関連の送信機動作パラメータに対する高い限度のうちのいずれもが超えられないことを確実にしながら、同じものを決定するために実行されることも理解される。
【0067】
第1のプロセスは、周波数のセットからの各周波数、各送信ビームタイプについての指向方位角および指向仰角について繰り返される。したがって、各送信ビームタイプについて、結果または成果は、その後、所望の送信ビーム形状、所望の周波数、および、所望のビーム指向方向などの任意の所定の境界条件についての最適化された動作パラメータを決定するため、送信ビームを生成するための最適化された動作パラメータを決定するための第2のプロセスによって使用される3次元LUTである。ルックアップ(検索)テーブルLUTは、それらが音響ビームの生成または送信の間にリアルタイムで第2のプロセスを実行するソナーシステムによってこれらにアクセスされることができるように記憶される。ルックアップテーブルのような単純なデータフォーマットの使用は、リアルタイムで送信のための音響ビームを形成することに伴う任意の複雑性を低減させる。
【0068】
実施形態によれば、上記で説明された第1のプロセスを使用してLUTを生成するプロセスは、例えば、C++などのコンパイラ言語といった、リアルタイム送信ビーム形成のために用いられる任意のコンピュータプログラム言語への直接挿入のための好適なフォーマットでLUTを生成する、MATLAB(登録商標)プログラムなどの行列方程式を解くことが可能であるプログラム言語または数学パッケージを使用してプログラムされる。
【0069】
最大送信機電圧VMAX値を備えるLUTは、ソナーシステムに、過剰な電力、電流、または、電圧がトランスデューサに与えられることから起こり得る、トランスデューサアレイへの損傷を引き起こすことなく、所与のビームタイプ、周波数、および、ビーム指向方向の目的とされる送信ビームを形成するときにトランスデューサアレイのトランスデューサに適用され得る最大送信機電圧を提供する。
【0070】
実施形態にしたがうと、送信ビームを形成する方法は、時間遅延ビーム形成を使用する。目的とされる送信ビームのための周波数f、指向方位角S1、および、指向抑角S2は、複数のトランスデューサを備えるトランスデューサアレイを用いて送信ビームを形成する方法のための入力として使用される。
【0071】
そして、送信ビームを形成する方法は、これらの入力と第1のプロセスによって生成された配列モデル200に基づいて、目的とされる送信ビームのための最適化された動作パラメータを決定するための第2のプロセスを実行する。例えば、LUTといったアレイモデルを用いてこれらの入力を参照することにより、第2のプロセスは、目的とされる送信ビームのための最大送信機電圧VMAXを決定する。
【0072】
そして、送信ビームを形成する方法は、ユニティシェーディング係数を有するトランスデューサアレイの少なくとも1つのトランスデューサのために最大送信機電圧VMAXを使用し、残りのトランスデューサがそれらのシェーディング係数にしたがった送信機電圧により駆動されて、送信ビームを生成するために、最大送信機電圧VMAXで目的とされる送信ビームを形成するための必要とされる時間遅延を計算する。
【0073】
位相シフトビーム形成が使用される場合、周波数が掃引されるとき、すなわち、周波数がビーム送信の間に変化するときに送信ビームが歪むので、位相シフトビーム形成の代わりの時間遅延ビーム形成の使用は、送信ビームが周波数に依存しない方法で指向性をつけられることを可能にする。
【0074】
しかし、代替実施形態によれば、用途に依存して、送信ビームを形成する方法は、方法が必要とされる時間遅延の代わりに必要とされる位相を計算する、位相シフトビーム形成を使用してもよい。
【0075】
実施形態によれば、LUTは、送信ビームタイプ、周波数、および、ビーム指向方向のパラメータ(例えば、指向方位角と指向仰角)の各々についてのVMAX値を備える。周波数とビーム指向方向パラメータとの無限の組み合わせがあることから、組み合わせのすべてについてのVMAX値のすべてを記憶することは、LUTフォーマットでは非実用的である。したがって、LUTは、周波数、指向方位角、および、指向仰角の離散的な間隔におけるVMAX値を記憶する。
【0076】
そして、第2のプロセスは、周波数、指向方位角、および、指向仰角上での三次元線形補間(trilinear interpolation)を使用して、最大送信機電圧VMAXを決定する。任意の他のタイプの補間方法が必要とされる最大送信機電圧VMAXを決定し、取得するために使用されてもよい。
【0077】
周波数、指向方位角、および、指向仰角のある離散的な間隔でVMAX値を記憶することのみにより、LUTのサイズが低減されるので、第2のプロセスがより効率的に実行されることができ、それにより、LUTを記憶することと、LUTの中にあるデータにアクセスすることのために必要とされるリソースが低減される。
【0078】
図3は、本発明の実施形態にしたがった、複数のトランスデューサを備えるトランスデューサを用いて送信ビームを形成する方法を示し、方法は: S310において、目的とされる送信ビームのための少なくとも1つの所望の特性を受け取ることと; S320において、トランスデューサアレイの複数のトランスデューサの音響相互結合を考慮しつつ、受け取られた少なくとも1つの所望の特性と、少なくとも1つのビーム特性と少なくとも1つのトランスデューサ保護特性との間の関係をモデル化するためのアレイモデルとに基づいて、トランスデューサアレイのトランスデューサのための最適化された動作パラメータを決定することと; S330において、トランスデューサアレイの最適化された動作パラメータを用いて送信ビームを生成することと; を備える。
【0079】
S310における目的とされる送信ビームのための少なくとも1つの所望の特性は: 振幅Aのなどの目的とされる送信ビームの音響源レベル; 目的とされる送信ビームの周波数f; 目的とされる送信ビームの送信ビーム指向性(例えば、指向方位角S1、指向抑角S2、または、指向性指標D1); 目的とされる送信ビームの波形変調形式; のうちの少なくとも1つまたはそれより多くを備える要求において受け取られる。そして、要求は、その後にアレイモデルに提供するため、目的とされる送信ビームの特定のビーム指向方向、および、図2に関連して上述されたような、その特定のビームのための所望の周波数fや振幅A(所望の音響源レベル)などの所望の特性を決定するために用いられる。要求は、また、生成された送信ビームを用いて少なくとも1つの所望の特性を達成するために必要とされる時間遅延の計算を可能にする。
【0080】
例えば、トランスデューサアレイがソナーシステムの一部である場合、目的とされる送信ビームは、ソナーシステムによって使用される音響波である。したがって、S310において少なくとも1つの所望の特性を受け取ることは、予め定められた変調形式の音響波を送信するための要求を受け取ることを備え、要求は、また、予め定められた変調形式に対する周波数とタイミングのパラメータ、トランスデューサアレイの特定の指向方向、および、音響源レベルを備える。
【0081】
実施形態によれば、要求は、開始周波数、終了周波数、周波数変調の形式、および、振幅変調の形式、指向方位角および指向抑角などの特定の指向方向、および、所望の音響源レベルのうちの少なくとも1つといった、予め定められた変調形式についての送信変調パラメータを備える。
【0082】
S320において、S310からの受け取られた少なくとも1つの所望の特性に基づいて、図2のアレイモデルおよび目的とされる送信ビームについての最適化された動作パラメータを決定する第2のプロセスは、トランスデューサアレイを駆動するために使用される場合に、トランスデューサアレイが目的とされる送信ビームを、または、最大送信機電圧VMAXがトランスデューサアレイを駆動するために使用される場合に、トランスデューサのすべての駆動電圧、電流、および、電力についての高い限度のいずれもが超えられないことを確実にしつつ、目的とされる送信ビームに最も類似する特徴を有する少なくとも近い目的とされる送信ビームを生成することを可能にする最大送信機電圧VMAXを決定するために使用される。
【0083】
少なくとも1つの所望の特性は、最適化された動作パラメータを用いて形成された生成された送信ビームが、トランスデューサアレイを損傷することなく目的とされる送信ビームと同じか、または、最も近い(ほぼ目的とされる送信ビームである)ように、アレイモデルによって使用される。
【0084】
実施形態によれば、ソナーシステムで使用される場合、方法は、また、ほぼ目的とされる送信ビームであるものが、所望の振幅、すなわち、音響源レベルを除いた、少なくとも1つの所望の特性のすべてを持つことを確実にする。これは、ソナーシステムにおいて、多くの場合、目的とされる送信ビームの他の所望の特性のすべてが生成された送信ビーム中に存在しつつ、できるだけ大きな振幅(音響源レベル)をもった送信ビームを生成することを、トランスデューサアレイが必要とされるからである。このような目的とされるものに近い送信ビームを生成することにより、方法は、できるだけ大きな振幅をもった、目的とされるものに近い送信ビームを生成することを可能にする。
【0085】
少なくとも1つのビーム特性は: 送信ビームタイプ、送信ビームについての周波数のセット; 指向性指標DI; トランスデューサアレイの効率性ξ; コンダクタンスG; 送信ビームの周波数f; および、送信ビームの指向方向(例えば、各周波数fについての指向方位角S1および指向抑角S2); のうちの少なくとも1つまたはそれより多くを備える。
【0086】
少なくとも1つのトランスデューサ保護特性は、最大送信機電圧VMAX、最大送信機電流IMAX、および、最大送信機電力PMAXのうちの少なくとも1つまたはそれより多くを備える。最適化された動作パラメータを決定することは、トランスデューサに過度な動作パラメータが適用されることによって引き起こされる損傷からトランスデューサが保護されるように、少なくとも1つのトランスデューサ保護特性について実行される。過度な動作パラメータは、トランスデューサに一時的および/または恒久的な損傷を引き起こし得る過度に高い電圧、電流、および、電力の少なくとも1つを備える。
【0087】
アレイモデル200は、これらの2つのセットの特性パラメータ間の、すなわち、少なくとも1つのビーム特性と少なくとも1つのトランスデューサ保護特性との間の関係をモデル化する。この関係は、ルックアップテーブルLUTのフォーマットで記憶され、目的とされる送信ビームのための少なくとも1つの所望の特性が受けとられると、LUTは、少なくとも1つの所望の特性で少なくとも1つのビーム特性を参照するために使用され、これにより、図2に関連して上記で説明されたアレイモデルを形成する、または、生成するための第1のプロセスから明らかなように、その特定の少なくとも1つの所望の特性についてのトランスデューサ保護特性(最大送信機電圧VMAXなど)が、2つのセットの特性パラメータの間の関係から決定される。
【0088】
そして、決定された最大送信機電圧VMAXは、トランスデューサアレイの各トランスデューサを駆動するための最適化されたパラメータを決定するために使用され、それにより、トランスデューサアレイは、S330において、目的とされる、または、目的とされるものに近い送信ビームを生成する。
【0089】
各トランスデューサを駆動するための最適化された動作パラメータは、トランスデューサアレイの少なくとも1つのユニティシェーディング係数のトランスデューサのための決定された最大送信機電圧VMAXと、トランスデューサアレイの残りのトランスデューサ、すなわち、ユニティシェーディング係数でないトランスデューサについての少なくとも1つの重み付けされた最大送信機電圧とを備える。実施形態によれば、複数のトランスデューサがトランスデューサアレイの中にどのように配置されるかという方法は、トランスデューサアレイの少なくとも1つのユニティシェーディング係数のトランスデューサが、通常、トランスデューサアレイの中心位置、または、その近くに位置付けられることを意味する。少なくとも1つの重み付けされた最大送信機電圧の各々1つは、トランスデューサアレイの対応するユニティシェーディング係数のないトランスデューサについての最大送信機電圧であり、ここで、重み付けされた最大送信機電圧は、決定された最大送信機電圧VMAXに比例する。
【0090】
図4は、本発明の他の実施形態にしたがった、図3の複数のトランスデューサアレイを備えるトランスデューサアレイを用いて送信ビームを形成する方法を示し、方法は、さらに、S400において、目的とされる送信ビームについての少なくとも1つの所望の特性を受け取ることの前に、アレイモデルを生成するステップを備える。
【0091】
ルックアップテーブルLUTの形式のアレイモデル200は、図2に関連して記載された第1のプロセスを使用して、生成され、または、形成され、S400において後の使用のために記憶される。S310において、目的とされる送信ビームのための少なくとも1つの所望の特性が受け取られると、S320において、記憶されたLUTがアクセスされ、最適化された動作パラメータを決定するために使用される。
【0092】
上記で説明されたように、アレイモデル200を生成することは、かなりの処理電力、メモリ空間、および、時間を必要とするリソース集約的プロセスであり得る。しかしながら、トランスデューサアレイを用いて送信ビームを形成する方法は、方法が非常に短い時間期間で送信ビームを生成する必要があり、利用可能なリソースは非常に限られている、海洋輸送機器上で実行される必要があるかもしれない。したがって、送信ビームが実際に要求され、リアルタイムで生成される前にアレイモデル200を生成することは有益であり得る。すなわち、目的とされる送信ビームについての少なくとも1つの所望の特性を受け取ることのステップS310に先立ってアレイモデルを形成する、または、生成するための第1のプロセスを実行することは、これが、リソース集約的な第1のプロセスが、直ちにまたは即座に送信ビームの生成が必要とされる場合のリアルタイムではなく、事前に実行されることを可能にするので、有用であり得る。
【0093】
実施形態によれば、アレイモデル200は、送信ビームを形成する方法の残りのステップとは、空間的または時間的に異なる位置および時間期間で生成される。
【0094】
例えば、トランスデューサアレイは、魚雷、潜水艦、または、水面下または水上での使用のための任意の他のタイプの輸送機器などの海洋輸送機器の内側に配置され、アレイモデル200は、より良く、より効率的なリソースが利用可能である他の場所で生成される。そして、送信ビームを形成する方法の残りのステップを用いた以降の使用のために、例えば、目的とされる送信ビームについての最適化された動作パラメータを決定するための第2のプロセスを実行するときの使用のために、アレイモデル200が利用可能であるように、生成されたアレイモデル200は、記憶のために海洋輸送機器に通信される。
【0095】
図5は、本発明の実施形態にしたがった図3または図4の方法において、トランスデューサアレイのトランスデューサのために最適化された動作パラメータを決定するための方法ステップを示しており、その中で、トランスデューサアレイは、魚雷、潜水艦、または、水面下または水上での使用のための任意の他のタイプの輸送機器などの海洋輸送機器の内側に配置され、S310において受け取られた要求は、また、送信ビームを生成するステップの間に海洋輸送機器内で利用可能な電力についての情報を備え、利用可能な電力は、海洋輸送機器の移動の速度、海洋輸送機器内の電力源からの電力出力、および、海洋輸送機器の位置のうちの少なくとも1つによって制限される。
【0096】
実施形態によれば、利用可能な電力についての情報は、交流発電機が主たる電源として機能する場合に、エンジン速度が、エンジンシャフトから駆動される交流発電機からの利用可能な電力を決定するために使用されるように、海洋輸送機器を推進させるためのエンジンのエンジン速度を備える。
【0097】
最適化された動作パラメータを決定するステップS320は: S510において、要求からの音響源レベルから、二乗平均平方根で表された音圧レベルSPLを計算することと; S520において、要求からの海洋輸送機器内の利用可能電力についての情報を用いて計算された最大利用可能な電力と、あらかじめ定められた高電力において要求からの情報から計算された場合に、トランスデューサの過加熱を避けつつ、要求からの音響波の持続期間、および、ビーム送信のためのあらかじめ定められた最大デューティサイクルを用いて計算された絶対最大電力との間の最小値として最大電力レベルWMAX_TDCRを設定することにより、トランスデューサのための最大電力レベルWMAX_TDCRを決定することと; S530において、要求からのタイミングパラメータと予め定められた変調形式とを用いて計算された、音響波を形成するためのトランスデューサのための瞬時周波数を決定することと; S540において、3次元ルックアップテーブルから得られるトランスデューサアレイの効率ξ、ビームシェーディング係数、コンダクタンスGの関数として、決定された瞬時周波数について必要とされるピーク電圧VMAX_NOMを決定することと; S550において、トランスデューサについての最適化された動作パラメータを、必要とされるピーク電圧VMAX_NOMが決定された瞬時周波数での最大電圧VMAXより小さい場合には、必要とされる前記ピーク電圧VMAX_NOMとして、および、必要とされるピーク電圧VMAX_NOMが、決定された瞬時周波数での最大電圧VMAXより小さくない場合には、最大電圧VMAXとして設定することと; のステップを備える。
【0098】
実施形態によれば、ビーム送信のためのあらかじめ定められた最大デューティサイクルは、予め定められた高電力における場合にトランスデューサの過加熱を避けつつ、現在受け取られている要求の到着の時間、以前に受け取られた要求の到着の時間、および、必要とされるパルス持続期間から計算される。
【0099】
これは、方法が、目的とされる送信ビーム、または、少なくとも目的とされるものに近い送信ビームが生成される場合に、損傷が何もトランスデューサアレイに引き起こされず、過剰な電力が何も海洋輸送機器の他のコンポーネントから取り去られないことを確実にしつつ、非常に制限されることがあり得る、海洋輸送機器内の任意の利用可能な電力も考慮することを可能にする。
【0100】
図6ないし図9は、図3ないし図5のうちの1つに示される複数のトランスデューサを備えるトランスデューサアレイを用いて送信ビームを形成する方法を実行に移すように構成されたシステム600を示す。送信ビームを形成するための実際の方法ステップが図3ないし図5に関連して詳細に説明され、したがって以下では省略される。しかしながら、図3ないし図5に関連して説明されたことと同じ細部が、図6ないし図9に関連して本明細書の中で説明される対応するステップにも適用されることが理解される。
【0101】
図6は、本発明の実施形態にしたがって送信ビームを形成するためのシステム600を示し、システム600は: 送信ビーム690を形成するように構成される複数のトランスデューサ611、613、615、617、619を備えるトランスデューサアレイ610と; 目的とされる送信ビームのための少なくとも1つの所望の特性Bを受け取るよう構成される受信機630と; トランスデューサアレイ610の複数のトランスデューサ611、613、615、617、619のための最適化された動作パラメータを、受け取られた少なくとも1つの所望の特性Bと、トランスデューサアレイ610の複数のトランスデューサ611、613、615、617、619の音響相互結合を考慮しつつ、少なくとも1つのビーム特性と少なくとも1つのトランスデューサ保護特性との間の関係をモデル化するためのアレイモデルとに基づいて決定し、トランスデューサアレイ610において最適化された動作パラメータを用いて送信ビーム690を生成するように構成されるプロセッサ650と; を備える。
【0102】
図7は、本発明の実施形態にしたがって図6の送信ビームを形成するためのシステム600を示し、システム600は、さらに、アレイモデルを記憶するためのストレージ710を備える。
【0103】
実施形態によれば、システム600中のプロセッサ650は: システム600の受信機630において、目的とされる送信ビームのための少なくとも1つの所望の特性Bを受け取ることの前に、アレイモデルを生成し; 生成されたアレイモデルをストレージ710に記憶し; 少なくとも1つの所望の特性Bが受け取られると、ストレージ710における生成されたアレイモデルにアクセスする; ように構成され、それにより、プロセッサ650は、最小の遅延で、最適化された動作パラメータを決定する。
【0104】
アレイモデルを生成するリソースを集約し、時間を消費するステップを事前に実行することにより、システム600は、少なくとも1つの所望の特性Bが後の時間に受け取られる場合、目的とされる送信ビーム、または、目的とされるものに近い送信ビーム690の迅速な生成を可能にする。
【0105】
他の実施形態によれば、システム600と通信可能な外部プロセッサ750も提供され、外部プロセッサ750は、システム600のプロセッサ650において目的とされる送信ビームのための少なくとも1つの所望の特性Bを受け取ることの前に、アレイモデルを生成し、生成されたアレイモデルをストレージ710に通信するように構成される。そして、システム600におけるプロセッサ650は、少なくとも1つの所望の特性Bが受け取られる場合に、ストレージ710における生成されたアレイモデルにアクセスし、それにより、プロセッサ650は、最小の遅延で、目的とされる送信ビーム、または、目的とされるものに近い送信ビーム690を生成するための最適化されたパラメータを決定する。
【0106】
この実施形態によれば、システム600と外部プロセッサ750は、ともに、送信ビームを形成するための全体的なシステムを構成する。
【0107】
アレイモデルを生成するリソースを集約しおよび時間を消費するステップを事前に実行することにより、この実施形態にしたがうシステム600は、少なくとも1つの所望の特性Bが後の時間に受け取られる場合に、目的とされる送信ビーム、または、目的とされるものに近い送信ビーム690の迅速な生成も可能にする。
【0108】
さらに、システム600から空間的に離れた外部プロセッサ750を使用してアレイモデルを生成するリソースを集約しおよび時間を消費するステップを実行することにより、この実施形態にしたがうシステム600は、あまり大きくないおよび/または強力でないハードウェアがシステム600自体の中で使用されることができるように、システム600自体の中で必要とされる処理電力およびリソースの量を低減する。これは、送信ビームを形成する方法の残りのステップを実行するためのシステム600が、魚雷、潜水艦、または、水面下または水上での使用のための任意の他のタイプの輸送機器などの空間が制限された海洋輸送機器に実装される必要がある場合に有益である。
【0109】
図8は、本発明の実施形態による、図6または図7のシステム600を用いる海洋輸送機器800を示す。
【0110】
海洋輸送機器800は、図6または図7のシステム600を備える魚雷である、そして、システム600は、トランスデューサアレイ610を備える。
【0111】
トランスデューサアレイ610は、ソナーの一部であり、目的とされる送信ビームは、ソナーのための音響波である。少なくとも1つの所望の特性Bを受け取ることは、予め定められた変調形式の音響波を送信するための要求を受け取ることを備え、要求は、また、予め定められた変調形式のための周波数およびタイミングパラメータ、トランスデューサアレイの特定の指向方向、および、音響源レベルを備える。
【0112】
また、船舶890の形態の他の海洋輸送機器が示される。船舶890は、外部プロセッサ750が、図7のシステム600を用いる海洋輸送機器から離れてアレイモデルの生成を実行できるように、図7に関連して説明される外部プロセッサ750を備える。外部プロセッサ750は、任意の無線または有線の通信方法を使用して、生成されたアレイモデルを通信する。
【0113】
実施形態によれば、海洋輸送機器800は、ワイヤで船舶890につながれ、ワイヤは、システム600と外部プロセッサ750との間の通信を可能にする。
【0114】
実施形態によれば、外部プロセッサ750は、また、アレイモデルが、海洋輸送機器800が使用に供されつつ、海洋輸送機器800によって収集された物理的なデータを使用して生成され、および/または、更新されることができるように、すなわち、アレイモデルが経験的なパラメータも備え得るように、海洋輸送機器800が使用に供されながら、海洋輸送機器800のシステム600と通信する。
【0115】
実施形態によれば、外部プロセッサ750は、生成されたアレイモデルを、コンピュータが読取り可能な媒体に記憶し、アレイモデルを記憶するコンピュータが読取り可能な媒体は、海洋輸送機器800の中に物理的に搬送され、備え付けられる。
【0116】
図9は、本発明の他の実施形態にしたがった、図8の海洋輸送機器800を示し、海洋輸送機器800は、さらに、海洋輸送機器800内で利用可能な電力Cについての情報を取得するように構成される電力ゲージ910を備える。
【0117】
少なくとも1つの所望の特性Bを受け取るステップにおける要求は、また、送信ビームの生成の間に海洋輸送機器800内で利用可能な電力Cについての情報を備える。情報は、電力ゲージ910によって取得される。電力ゲージ910は、海洋輸送機器の移動の速度、海洋輸送機器内の電力源からの電力出力、海洋輸送機器の位置のうちの少なくとも1つを測定し、利用可能な電力Cは、これらのパラメータのうちの少なくとも1つによって制限される。
【0118】
図10は、本発明の実施形態にしたがう例示的な環境1010を示し、これは、図6ないし図9のうちのいずれか1つにおいて示されるシステム600の一部を図示する。図7または図8に示される外部プロセッサ750は、外部プロセッサ750が処理コンポーネント1022としてその中に設けられた、この例示的な環境1010によって図示されることもできる外部システムの一部である。
【0119】
技量を有する者は、本発明の実施形態が、任意の好適なコンピュータシステムを使用して実装されてもよく、図6ないし図9のうちのいずれか1つに示される例示的なシステム600が、単なる例であり、網羅性の目的のみのために提供されることを認識し、理解するだろう。この点で、環境1010は、本発明の実施形態を実行するために、本明細書において説明された図3ないし図5のうちのいずれか1つの方法を実施に供するためのプロセスを実行できるコンピュータシステム1020を含む。特に、コンピュータシステム1020は、本明細書に記載されたプロセスまたは方法を実行することによって発明の実施形態を実装するようにコンピュータシステム1020を動作可能にする、プログラム1030を含んで示される。
【0120】
コンピュータシステム1020は、処理コンポーネント1022(例えば、図6ないし図9のうちのいずれか1つに示されるシステム600のプロセッサ650などの1つまたはそれより多くのプロセッサ)、ストレージコンポーネント1024(例えば、図7に示されるストレージ710を含むストレージ階層)、入力/出力(I/O)コンポーネント1026(例えば、1つまたはそれより多くのI/Oインターフェースおよび/またはデバイス)、および、通信経路1028を含んで示される。概括的に言って、処理コンポーネント1022は、ストレージコンポーネント1024に少なくとも部分的に固定される、プログラム1030などのプログラムコードを実行する。プログラムコードを実行しながら、処理コンポーネント1022はデータを処理でき、これは、さらなる処理のために、ストレージコンポーネント1024および/またはI/Oコンポーネント1026から変換されたデータを読み取るおよび/またはそれらに変換されたデータを書き込む結果になり得る。経路1028は、コンピュータシステム1020内のコンポーネントの各々の間に通信リンクを提供する。I/Oコンポーネント1026は、図7または図8に示された外部プロセッサ750などのシステム外部のユーザ1012が任意のタイプの通信リンクを用いてコンピュータシステム1020と通信することを可能にするように、外部ユーザである人1012が、コンピュータシステム1020および/または1つまたはそれより多くの通信デバイスと相互作用することを可能にする、1つまたはそれより多くの人間との間のI/Oデバイスを備えることができる。この点で、プログラム1030は、人間および/またはシステム外部のユーザ1012がプログラム1030と相互作用できるインターフェース(例えば、グラフィカルユーザインターフェース、アプリケーションプログラムインターフェース、および/または、これに類するもの)のセットを管理できる。さらに、プログラム1030は、任意の解法を使用して、複数のデータファイル1040などのデータを、管理(例えば、記憶、検索、作成、操作、編成、提示、等)できる。
【0121】
いずれにしても、コンピュータシステム1020は、それにインストールされた、プログラム1030などのプログラムコードを実行できる1つまたはそれより多くの汎用の計算処理を行う製造された物品(例えば、コンピューティングデバイス)を備えることができる。本明細書において使用され場合、「プログラムコード」は、情報処理能力を有するコンピューティングデバイスに、直接に、または、以下の(a)ないし(c)の組み合わせの後のいずれかで特定の動作を実行させる、任意の言語、コード、または、表記での命令の任意の集合を意味することが理解される: (a)他の言語、コード、または、表記への変換; (b)異なる有形の形態での複製;および/または、 (c)解凍(decompression)。この点で、プログラム1030は、システムソフトウェアおよび/またはアプリケーションソフトウェアの任意の組み合わせとして具現化されることができる。
【0122】
さらに、プログラム1030は、モジュールのセットを使用して実装されることができる。この場合には、モジュールは、コンピュータシステム1020が、プログラム1030によって使用されるタスクのセットを実行できるようにし、個別に開発され、および/または、プログラム1030の他の部分とは別に実装されることができる。
【0123】
本明細書において使用されるように、用語「コンポーネント」は、ソフトウェアを有してもまたはソフトウェアをもたなくてもよい、それとともに説明された機能を任意の解法を使用して実装するハードウェアの任意の構成を意味し、他方、用語「モジュール」は、コンピュータシステム1020がそれとともに説明された動作を任意の解法を使用して実装することを可能にするプログラムコードを意味する。処理コンポーネント1022を含むコンピュータシステム1020のストレージコンポーネント1024中に固定される場合、モジュールは、それら動作を実装するコンポーネントの実質的な部分である。それにもかかわらず、2つまたはそれより多くのコンポーネント、モジュール、および/または、システムが、それらのそれぞれのハードウェアおよび/またはソフトウェアのうちのいくつか/すべてを共有してもよいことが理解される。さらに、本明細書において検討された機能のうちのいくつかは、コンピュータシステム1020の一部として実装されなくてもよく、または、追加の機能が、コンピュータシステム1020の一部として含まれてもよいことが理解される。
【0124】
コンピュータシステム1020が複数のコンピューティングデバイスを備える場合、各コンピューティングデバイスは、その上に固定されたプログラム1030の一部(例えば、1つまたはそれより多くのモジュール)のみを有することができる。しかしながら、コンピュータシステム1020とプログラム1030は、本明細書に説明されるプロセスを実行し得る、さまざまな可能性ある同等なコンピュータシステムを代表するにすぎないことが理解される。この点で、他の実施形態では、コンピュータシステム1020とプログラム1030によって提供される機能は、プログラムコードを有するか、有さないかにかかわらず、汎用および/または特定用途向けのハードウェアの任意の組み合わせを含む1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスによって、少なくとも部分的に実装されることができる。各実施形態において、ハードウェアとプログラムコードは、含まれる場合、標準的な工学およびプログラミング技術を使用して、それぞれ作成されることができる。
【0125】
それにもかかわらず、コンピュータシステム1020が複数のコンピューティングデバイスを含む場合、コンピューティングデバイスは、任意のタイプの通信リンク上で通信できる。さらに、本明細書の中で説明されるプロセスを実行している間、コンピュータシステム1020は、任意のタイプの通信リンクを使用して、1つまたはそれより多くの他のコンピュータシステムと通信できる。いずれの場合においても、通信リンクは、さまざまなタイプの光ファイバ、有線、および/または、無線のリンクの任意の組み合わせ備えることができ、1つまたはそれより多くのタイプのネットワークの任意の組み合わせを備えることができ、ならびに/あるいは、さまざまなタイプの送信技術およびプロトコルの任意の組み合わせを利用することができる。
【0126】
いずれにしても、コンピュータシステム1020は、任意の解法を使用して、ファイル1040からデータを取得できる。例えば、コンピュータシステム1020は、データファイル1040を生成でき、および/または、データファイル1040を生成するように使用されることができ、1つまたはそれより多くのデータストアに記憶されてもよい、ファイル1040からデータを取り出すことができ、他のシステムおよび/またはこれに類するものから、ファイル1040からのデータを受け取ることができる。
【0127】
本明細書の中で説明される方法の中のステップのうちのいずれかは、本発明の代替実施形態において、省略されてもよく、または、異なる順序であってもよいことが理解される。
【0128】
実装されるハードウェアにおける、ならびに、図8および図9に示される海洋輸送機器800などの乗物に搭載された利用可能な処理リソースにおける制限により、送信ビームを形成するときに、フェイルセーフ制限として、最悪の結果を想定したパラメータのセットを使用することが、しばしば必要とされる。多くの場合に、これは、送信される電力を、乗物のコンポーネントへの恒久的および/または一時的な潜在的な損害を考慮した後でさえ、さもなければ可能性があったであろう著しく下のレベルに制限することを意味する。送信ビームのそのような不十分な形成は、特に、トランスデューサ間の音響相互作用が、トランスデューサのアレイにわたる最大振幅と電力レベルの幅広い変動を引き起こすので、複数のトランスデューサのアレイを用いて送信ビームが指向性をつけられる場合に、起こる可能性があり、最悪の結果を想定した最も悲観的なフェイルセーフ制限だけが、恒久的または一時的な損傷を回避するためにトランスデューサのアレイ全体に用いられることができる。
【0129】
本明細書の中に記載される本発明の実施形態は、トランスデューサ間の音響相互作用の影響をモデル化することができる、アレイモデル200を使用することにより、あまり悲観的でないパラメータのセットの使用を可能にする。
【0130】
さらに、アレイモデル200の生成が、多くの場合、終了まで実行するのに著しい時間を必要とする、計算処理集約的なプロセスを必要とするので、本発明の実施形態は、アレイモデル200の生成(すなわち、アレイモデルを形成する、または、生成するための第1のプロセス)が、送信ビームを形成するための残りの方法またはプロセスとは切り離して実行されることができるようにする。これは、複数のトランスデューサを備えるトランスデューサアレイが、特定のタイプの目的とされる送信ビームのための要求が受け取られると、送信ビームを生成することにおける最小遅延で、より効率的で堅牢に使用されることを可能にする。
【0131】
アレイモデルを形成する、または、生成するための第1のプロセスは、アレイモデルの表現として複数のルックアップテーブルLUTを出力するように本明細書で説明されるが、代替実施形態によれば、第1のプロセスは、アレイモデルを表すことができる、すなわち、アレイモデルにおいて規定された異なるパラメータ間の関係を表すことができ、また、送信ビームを形成する方法が、データフォーマットで記憶されるデータにアクセスすることを可能にすることができる、任意の他のタイプのデータフォーマットで、アレイモデルの表現を出力してもよいことが理解される。
【0132】
いくつかの好ましい実施形態が示され、説明されているが、さまざまな変更や修正が、添付の特許請求の範囲において規定されるような本発明の範囲から逸脱することなくなされてもよいことが、当業者によって認識される。
【0133】
本願に関連した本明細書と同時に、または、それ以前に提出された、本明細書とともに公衆の閲覧に公開されるすべての文献や文書に注意が向けられ、そのような文献や文書のすべての内容が、参照によって本明細書に組み込まれている。
【0134】
本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、および、図面を含む)に開示された特徴のすべて、および/または、このように開示されたすべての方法またはプロセスのステップのすべては、そのような特徴および/またはステップのうちの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わされてよい。
【0135】
本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、および、図面を含む)に開示された特徴の各々は、そうではないと明示的に述べられない限り、同じ、均等な、または、類似する目的に役立つ代替の特徴によって置き換えられてもよい。したがって、そうではないと明示的に述べられない限り、開示された各特徴は、均等物または類似した特徴からなる共通の一連のもの1つの例にすぎない。
【0136】
本発明は、前述の実施形態の細部に制限されない。本発明は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、および、図面を含む)に開示された特徴の、任意の新規の1つ、または、任意の新規の組み合わせに及び、あるいは、このように開示された任意の方法またはプロセスのステップの任意の新規の1つ、または、任意の新規の組み合わせに及ぶ。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 複数のトランスデューサを備えるトランスデューサアレイを用いて送信ビームを形成する方法であって:
目的とされる送信ビームのための少なくとも1つの所望の特性を受け取ることと、
前記トランスデューサアレイの前記複数のトランスデューサの音響相互結合を考慮し、受け取られた前記少なくとも1つの所望の特性、および、少なくとも1つのビーム特性と少なくとも1つのトランスデューサ保護特性との間の関係をモデル化するためのアレイモデルに基づいて、前記トランスデューサアレイのトランスデューサのための最適化された動作パラメータを決定することと、
前記トランスデューサアレイの最適化された前記動作パラメータを用いて前記送信ビームを生成することと、
を備える方法。
[2] さらに、目的とされる前記送信ビームのための前記少なくとも1つの所望の特性を受け取ることの前に、前記アレイモデルを生成するステップを備える、[1]に記載の方法。
[3] 前記最適化された前記動作パラメータを決定することは:、
前記トランスデューサが前記トランスデューサに適用される過度な動作パラメータによって引き起こされる損傷から保護されるように、前記少なくとも1つのトランスデューサ保護特性と;
前記アレイモデルを用いて、前記少なくとも1つのトランスデューサ保護特性を決定するために、前記少なくとも1つのビーム特性および前記少なくとも1つの所望の特性と;
最適化された前記動作パラメータを用いて形成された、生成された前記送信ビームが、前記トランスデューサを損傷することなく、目的とされる前記送信ビームと同じ、または、目的とされる前記送信ビームに最も近い送信ビームであるような前記少なくとも1つの所望の特性と;
に基づいて実行される、
[1]または[2]に記載の方法。
[4] 最適化された前記動作パラメータは、前記トランスデューサへの、最大電圧、最大電量、および、最大電力の入力の少なくとも1つを備え、
過度な前記動作パラメータは、前記トランスデューサに恒久的な損傷を引き起こす、過度に高い電圧、電流、および、電力の少なくとも1つを備える、
[3]に記載の方法。
[5] 前記トランスデューサアレイはソナーの一部であり、
前記送信ビームは、前記ソナーのための音響波であり、
前記少なくとも1つの所望の特性を受け取ることは、予め定められた変調形式の前記音響波を送信するための要求を受け取ることを備え、
前記要求は、予め定められた変調形式、前記トランスデューサアレイの特定の指向方向、および、音響源レベルのための周波数およびタイミングパラメータを備える、
[1]ないし[4]のいずれか一項に記載の方法。
[6] 前記トランスデューサアレイは、魚雷、潜水艦、または、水面下または水上での使用のための任意の他のタイプの輸送機器のような海洋輸送機器の内側に配置され、
前記要求は、さらに、前記海洋輸送機器の移動の速度、前記海洋輸送機器の中の電力源からの電力出力、および、前記海洋輸送機器の位置の内の少なくとも1つによって制限される、前記送信ビームを生成するステップの間に前記海洋輸送機器内で利用可能な電力に関する情報を備える、
[5]に記載の方法。
[7] 前記アレイモデルは、前記少なくとも1つのビーム特性と前記少なくとも1つのトランスデューサ保護特性との異なる組み合わせのための3次元ルックアップテーブルを備え、 前記少なくとも1つのビーム特性は、送信ビームタイプ、指向性指標DI、トランスデューサアレイの効率ξ、コンダクタンスG、前記送信ビームの周波数、および、前記送信ビームの指向方向を備え、
前記少なくとも1つのトランスデューサ保護特性は、最大電圧VMAXを備える、
[6]に記載の方法。
[8] 最適化された前記動作パラメータを決定するステップが:
前記要求からの前記音響源レベルから、二乗平均平方根で表された音圧レベルSPLを計算することと;
前記要求からの前記海洋輸送機器内の利用可能電力についての前記情報を用いて計算された最大利用可能電力と、予め定められた高電力において前記要求からの前記情報から計算された場合に前記トランスデューサの過加熱を避けつつ、前記要求からの前記音響波の持続期間、および、ビーム送信のための予め定められた最大デューティサイクルを用いて計算された絶対最大電力との間の最小値として、最大電力レベルWMAX_TDCRを設定することにより、前記トランスデューサのための前記最大電力レベルWMAX_TDCRを決定することと;
前記要求からのタイミングパラメータと前記予め定められた変調形式とを用いて計算された前記音響波を形成するために、前記トランスデューサのための瞬時周波数を決定することと;
前記3次元ルックアップテーブルから得られる前記トランスデューサアレイの前記効率ξと、ビームシェーディング係数と、前記コンダクタンスGとの関数として、決定された前記瞬時周波数について必要とされるピーク電圧VMAX_NOMを決定することと;
必要とされる前記ピーク電圧VMAX_NOMが、決定された前記瞬時周波数での前記最大電圧VMAXより小さい場合には、必要とされる前記ピーク電圧VMAX_NOMとして、必要とされる前記ピーク電圧VMAX_NOMが、決定された前記瞬時周波数での前記最大電圧VMAXより小さくない場合には、前記最大電圧VMAXとして、前記トランスデューサについての最適化された前記動作パラメータを設定することと;
のステップを備える、[7]に記載の方法。
[9] 送信ビームを形成するシステムであって:
前記送信ビームを形成するように構成されている複数のトランスデューサを備えるトランスデューサアレイと;
目的とされる送信ビームのための少なくとも1つの所望の特性を受け取るように構成される受信機と;
前記トランスデューサアレイの前記複数のトランスデューサの音響相互結合を考慮し、受け取られた前記少なくとも1つの所望の特性、および、少なくとも1つのビーム特性と少なくとも1つのトランスデューサ保護特性との間の関係をモデル化するためのアレイモデルに基づいて、前記トランスデューサアレイのトランスデューサのための最適化された動作パラメータを決定し、前記トランスデューサアレイの最適化された前記動作パラメータを用いて前記送信ビームを生成するように構成されるプロセッサと;
を備える、システム。
[10] 前記アレイモデルを記憶するためにストレージと;
前記システムと通信可能な外部プロセッサとをさらに備え、
前記外部プロセッサは、前記システムの前記プロセッサにおいて、目的とされる前記送信ビームのための前記少なくとも1つの所望の特性を受け取ることの前に、前記アレイモデルを生成し、生成された前記アレイモデルを前記ストレージに通信するように構成され、
前記プロセッサは、前記最適化された動作パラメータを決定するとき、前記ストレージにおける生成された前記アレイモデルにアクセスするように構成される、[9]に記載のシステム。
[11] 前記アレイモデルを記憶するためのストレージをさらに備え、
前記プロセッサは:
前記システムの前記受信機において、目的とされる前記送信ビームのための前記少なくとも1つの所望の特性を受け取ることの前に、前記アレイモデルを生成し;
前記ストレージに生成された前記アレイモデルを記憶し;
前記最適化された動作パラメータを決定する場合、前記ストレージの中の生成された前記アレイモデルにアクセスする;
ように構成される、[9]に記載のシステム。
[12] 前記トランスデューサアレイはソナーの一部であり、
前記送信ビームは、前記ソナーのための音響波であり、
前記少なくとも1つの所望の特性を受け取ることは、予め定められた変調形式の前記音響波を送信するための要求を受け取ることを備え、
前記要求は、予め定められた前記変調形式のための周波数とタイミングのパラメータ、前記トランスデューサアレイの特定の指向方向、および、音響源レベルを備える、
[9]ないし[11]のいずれか一項に記載のシステム。
[13] 前記トランスデューサアレイは、魚雷、潜水艦、または、水面下または水上での使用のための任意の他のタイプの輸送機器などの海洋輸送機器の内側に配置され、
前記要求は、さらに、前記海洋輸送機器の移動の速度、前記海洋輸送機器の中の電力源からの電力出力、および、前記海洋輸送機器の位置の少なくとも1つによって制限される、前記送信ビームを生成するステップの期間に前記海洋輸送機器内で利用可能な電力に関する情報を備える、
[12]に記載のシステム。
[14] [1]ないし[8]のいずれか一項にしたがう方法を動作するためのコンピュータプログラムを記憶しているコンピュータが読取り可能な媒体。
[15] 添付の図面を参照して明細書において説明された、方法、システム、または、コンピュータ読取可能媒体。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10