特許第6752907号(P6752907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6752907
(24)【登録日】2020年8月21日
(45)【発行日】2020年9月9日
(54)【発明の名称】3Dプリンタ
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/124 20170101AFI20200831BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20200831BHJP
   B29C 64/241 20170101ALI20200831BHJP
   B29C 64/255 20170101ALI20200831BHJP
【FI】
   B29C64/124
   B33Y30/00
   B29C64/241
   B29C64/255
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-12252(P2019-12252)
(22)【出願日】2019年1月28日
(65)【公開番号】特開2019-194000(P2019-194000A)
(43)【公開日】2019年11月7日
【審査請求日】2019年1月28日
(31)【優先権主張番号】201810409734.3
(32)【優先日】2018年5月2日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514008930
【氏名又は名称】三緯國際立體列印科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】XYZprinting, Inc.
(73)【特許権者】
【識別番号】511262603
【氏名又は名称】金寶電子工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】李 安修
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 澄富
(72)【発明者】
【氏名】林 財億
【審査官】 田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2017/106082(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/124
B29C 64/241
B29C 64/255
B33Y 30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械プラットフォームと、
前記機械プラットフォームに組み立てられ、液体形成材料を収容するのに適した容器と、
回転シャフトを有し、前記回転シャフトに沿って回転するのに適した少なくとも1つの撹拌素子と、
前記容器および前記少なくとも1つの撹拌素子のうちの1つに接続され、3D印刷が行われていない時に、前記容器および前記少なくとも1つの撹拌素子のうちの1つを駆動して相対運動を生じさせ、前記容器内の前記液体形成材料を前記少なくとも1つの撹拌素子で撹拌する駆動モジュールと、
含み、
前記少なくとも1つの撹拌素子が、延伸アームおよび撹拌アームを有し、前記回転シャフトが、前記機械プラットフォームに枢接され、前記撹拌アームが、前記容器内に設置され、前記延伸アームが、前記回転シャフトと前記撹拌アームの間に接続され、前記容器の外側から前記容器の内側に延伸し、
前記撹拌アームは前記延伸アームに対して相対運動することができ、前記撹拌素子が前記回転シャフトによって回転する時、前記撹拌アームは、前記延伸アームに駆動されることによって、前記延伸アームに対して相対運動する3Dプリンタ。
【請求項2】
前記駆動モジュールが、前記容器に接続され、前記容器を駆動して前記機械プラットフォームに相対して回転させるとともに、前記少なくとも1つの撹拌素子を外力で駆動して回転させ、前記容器に相対して運動させる請求項1に記載の3Dプリンタ。
【請求項3】
前記駆動モジュールが、前記容器に接続され、前記容器を駆動して前記機械プラットフォームに相対して運動させるとともに、前記少なくとも1つの撹拌素子を外力で駆動して回転させ、前記容器に相対して運動させる請求項1に記載の3Dプリンタ。
【請求項4】
前記駆動モジュールが、前記少なくとも1つの撹拌素子に接続され、前記少なくとも1つの撹拌素子を駆動して、前記容器に相対して回転および運動させる請求項1に記載の3Dプリンタ。
【請求項5】
前記駆動モジュールが、前記容器および前記少なくとも1つの撹拌素子に接続され、前記容器および前記少なくとも1つの撹拌素子をそれぞれ駆動して、前記機械プラットフォームに相対して回転させる請求項1に記載の3Dプリンタ。
【請求項6】
前記駆動モジュールが、前記容器および前記少なくとも1つの撹拌素子に接続され、前記駆動モジュールが、前記容器を駆動して、前記機械プラットフォームに相対して運動させるとともに、前記少なくとも1つの撹拌素子を駆動して、前記容器に相対して回転および運動させる請求項1に記載の3Dプリンタ。
【請求項7】
前記撹拌アームが、前記撹拌アームと前記液体形成材料の間の接触面積を増やし、前記液体形成材料に対する前記撹拌アームの撹拌レベルを上げるために使用される撹拌構造を有する請求項1に記載の3Dプリンタ。
【請求項8】
前記撹拌構造が、少なくとも1つの開口、歯構造、またはその組み合わせを含む請求項7に記載の3Dプリンタ。
【請求項9】
前記撹拌アームの輪郭が、前記容器の側端の輪郭と一致する請求項1に記載の3Dプリンタ。
【請求項10】
前記容器および前記少なくとも1つの撹拌素子が前記相対運動を有する時、前記容器に相対する前記撹拌アームの移動範囲が、前記容器の底部全体を含む請求項1に記載の3Dプリンタ。
【請求項11】
前記容器および前記少なくとも1つの撹拌素子が前記相対運動を有する時、前記延伸アームから離れた位置にある前記撹拌アームの端部が、前記容器の中心に位置する請求項1に記載の3Dプリンタ。
【請求項12】
前記容器が、形成領域および非形成領域を有し、前記3D印刷が行われている時、前記少なくとも1つの撹拌素子が前記非形成領域に位置し、前記3D印刷が行われていない時、前記少なくとも1つの撹拌素子が、前記形成領域に位置する請求項1に記載の3Dプリンタ。
【請求項13】
前記3Dプリンタが、前記容器の2つの対向する側に位置する1対の撹拌素子を含む請求項1に記載の3Dプリンタ。
【請求項14】
前記3Dプリンタが、前記容器の同じ側に平行に位置する1対の撹拌素子を含む請求項1に記載の3Dプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3D(three-dimensional, 3D)プリンタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ支援製造(computer-aided manufacturing, CAM)の発展に伴い、最初の概念設計を迅速に製造することのできるラピッドプロトタイピング(rapid prototyping, RP)が製造産業によって開発された。ラピッドプロトタイピング技術は、幾何学形状の制限がなく、印刷部分が複雑になればなるほど、優れた技術を表す。また、ラピッドプロトタイピング技術は、労力および処理時間を大幅に減らすことができ、短時間で3Dコンピュータ支援設計(computer-aided design, CAD)の設計部分を正確に表現することができる。触ることができるだけでなく、その幾何学曲線を本当に感じることができ、その部分の組み立て能力を試験することができ、機能試験を行うこともできる。
【0003】
光硬化樹脂(Photopolymer)は、大部分の3Dプリンタによって通常使用される液体形成材料である。光造形法(StereoLithography Apparatus, SLA)、デジタル光処理(Digital Light Processing, DLP)、連続液体界面製造(Continuous Liquid Interface Production, CLIP)等の技術は、いずれも液体形成材料(例えば、光硬化樹脂)を印刷材料として使用する。
【0004】
引き上げ式(pull-up)のSLA技術を例に挙げると、プラットフォームを上部から底部に向かって容器の中に移動させて、液体形成材料に接触させた後、容器下の硬化光源が光を提供して、容器を貫通し、プラットフォームと容器の間に位置する液体形成材料を硬化させて形成層にする。そして、形成層を容器の底部から剥離して、形成層をプラットフォームに付着させた後、形成層をプラットフォームに層毎(layer-by-layer)に積層して、3D物体を形成する。
【0005】
しかしながら、硬化プロセスの間、硬化光のエネルギーが光硬化樹脂の中に蓄積し続け、形成層に硬化させるべきではない光硬化樹脂もエネルギー蓄積効果の影響を受けて質的変化を起こすため、時間の経過とともに、この部分の光硬化樹脂は、依然として硬化される可能性がある。この部分の光硬化樹脂が実質的に硬化されなかったとしても、質的変化によって生じた物理特性および化学特性の変化とともに、後続の3D印刷プロセスに影響を与える可能性がある。そのため、容器内の光硬化樹脂が3D印刷に必要な物理特性および化学特性を兼ね備え、3D印刷プロセス中または3D印刷のプロセス間に硬化が発生しないようにすることが、本分野の関連技術者によって解決すべき課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、撹拌素子を設置し、撹拌素子を駆動して容器に相対して運動させることによって、容器内の液体形成材料を撹拌素子で撹拌する3Dプリンタに関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの実施形態は、機械プラットフォームと、容器と、少なくとも1つの撹拌素子と、駆動モジュールとを含む3Dプリンタを提供する。容器は、機械プラットフォームに組み立てられ、液体形成材料を収容するのに適している。撹拌素子は、回転シャフトを有し、回転シャフトに沿って回転するのに適している。駆動モジュールは、容器および少なくとも1つの撹拌素子のうちの1つに接続され、3D印刷が行われていない時に、容器および少なくとも1つの撹拌素子を駆動して相対運動を生じさせ、容器内の液体形成材料を少なくとも1つの撹拌素子で撹拌する。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、3Dプリンタは、撹拌素子を設置し、撹拌素子を駆動して容器に相対して運動させることによって、撹拌素子から生じる撹拌効果で容器内の液体形成材料を撹拌する。そのため、3D印刷が行われていない時、容器と撹拌素子の間の相対運動により液体形成材料における光エネルギーの蓄積効果を防ぎ、3D印刷に必要な液体形成材料の物理特性および化学特性を維持する。
【0009】
本発明の上記および他の目的、特徴、および利点をより分かり易くするため、図面と併せた幾つかの実施形態を以下に説明する。
【0010】
添付図面は、本発明の原理がさらに理解されるために含まれており、本明細書に組み込まれ、且つその一部を構成するものである。図面は、本発明の実施形態を例示しており、説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たしている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の1つの実施形態に係る3Dプリンタの概略図である。
図2】別の状態の図1の3Dプリンタの概略図である。
図3】異なる状態の3Dプリンタの上面図である。
図4】異なる状態の3Dプリンタの上面図である。
図5】3Dプリンタの関連構成要素の電気接続の概略図である。
図6】撹拌素子の概略図である。
図7】本発明の別の実施形態に係る異なる状態の3Dプリンタの部分的上面図である。
図8】本発明の異なる実施形態に係る3Dプリンタの部分的上面図である。
図9】本発明の異なる実施形態に係る3Dプリンタの部分的上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を例として、本発明の実施形態を詳細に説明する。各図面および関連説明において、同一または類似する構成要素には、同一の参照番号を使用する。
【0013】
図1は、本発明の1つの実施形態に係る3Dプリンタの概略図である。図2は、別の状態の図1の3Dプリンタの概略図である。図3および図4は、異なる状態の3Dプリンタの上面図である。図5は、3Dプリンタの関連構成要素の電気接続の概略図である。図1および図5を参照すると、本実施形態において、3Dプリンタ100は、例えば、光造形装置(SLA)であり、機械プラットフォーム110と、撹拌素子120と、容器130と、形成プラットフォーム140と、制御モジュール150と、駆動モジュール160と、硬化モジュール170とを含む。機械プラットフォーム110は、ベース112と、その上に直立したガントリー(gantry)114とを含み、駆動モジュール160は、ガントリー114内に配置されたリフト機構を含み、形成プラットフォーム140は、リフト機構に組み立てられ、容器130の中または外へ移動するよう駆動されるのに適している。駆動モジュール160は、さらに、ベース112内に配置された回転機構を含み、容器130は、回転機構に組み立てられて、ベース112に相対して回転するよう駆動されるのに適している。硬化モジュール170は、例えば、ベース112内に配置された紫外光源である。制御モジュール150は、駆動モジュール160および硬化モジュール170に電気接続され、容器130の回転、形成プラットフォーム140の上昇または降下、および硬化モジュール170による容器130内の液体形成材料(図示せず)の硬化を制御することによって、3D印刷に必要な関連操作を達成する。本分野における技術者であれば、既存の技術から、リフト機構、回転機構、および硬化操作等の詳細を知ることができるため、ここでは説明を省略する。
【0014】
図1図4を参照すると、撹拌素子120は、機械プラットフォーム110のベース112に配置され、駆動モジュール160に接続される。制御モジュール150は、駆動モジュール160を介して撹拌素子120を駆動し、異なる状態の間で切り替えを行うことができる。言及すべきこととして、図3の上面図は、図1に示した状態に対応し、図4の上面図は、図2に示した状態に対応する。図3および図4では、関連する構成要素を認識しやすいよう、ガントリー114および形成プラットフォーム140を省略している。本実施形態において、容器130は、さらに、容器130の底面に形成プラットフォーム140の正射影の輪郭によって分離された形成領域A1と非形成領域A2に分割され、3D印刷が行われている時、撹拌素子120は、非形成領域A2に留まり、3D印刷が行われていない時、撹拌素子120は、形成領域A1に移動するよう駆動される(実際には、非形成領域A2から形成領域A1に延伸する)。駆動モジュール160は、容器130を駆動して回転させるため、撹拌素子120は、容器130内の液体形成材料に撹拌効果を生じさせることができる。つまり、3D印刷が行われていない時、容器と撹拌素子の間の相対運動を介して、撹拌素子120で液体形成材料を撹拌するため、液体形成材料における光エネルギーの蓄積効果を効果的に軽減し、3D印刷に必要な液体形成材料の物理特性および化学特性を維持することができる。
【0015】
図6は、撹拌素子の概略図である。図6を参照しながら、図3および図4と比較すると、本実施形態において、撹拌素子120は、回転シャフト121、延伸アーム122、および撹拌アーム123を有し、回転シャフト121は、ベース112の平面P1に枢接され、撹拌アーム123は、容器130内に設置され、延伸アーム122は、回転シャフト121と撹拌アーム123の間に接続され、容器130の外側から容器130の内側に延伸する。駆動モジュール160は、平面P1の下に配置されたモータ161を介して回転シャフト121に接続され、回転シャフト121を駆動して軸X1を軸に回転させることにより、図3および図4に示すように、撹拌素子120の位置を変えるのに適している。
【0016】
本発明は、容器130と撹拌素子120の間の相対運動を生じさせる方式を限定しない。本実施形態において、駆動モジュール160は、それぞれ容器130および撹拌素子120に接続されるため、3つの方式の相対運動を含む。第1の方式は、上述したように、3D印刷が行われていない時、撹拌素子120を駆動して形成領域A1に移動させた後、撹拌素子120を固定したまま、容器130を回転させることにより、これらの間に相対運動を生じさせる。第2の方式は、3D印刷が行われていない時、容器130を固定したまま、撹拌素子120を駆動して容器130内で前後に揺らし、これらの間に相対運動を生じさせる。第3の方式は、3D印刷が行われていない時、駆動モジュール160が容器130を駆動して回転させ、撹拌素子120も駆動して前後に揺らすことにより、これらの間に相対運動を生じさせる。
【0017】
また、図示していない別の実施形態において、撹拌素子120は、回転シャフト121を介してのみベース112の平面P1に枢接されるが、駆動モジュール160は、モータ161を使用せずに、撹拌素子120を駆動する。つまり、この場合、撹拌素子120は、外力で位置を変えるよう駆動されるのに適しており、例えば、3D印刷が行われていない時、ユーザーは、撹拌素子120を押圧する力を与えて図3の位置から図4の位置に移動させた後、第1の方式で説明したように、撹拌素子120を固定したまま、容器130を回転させることにより、これらの間に相対運動を生じさせる。
【0018】
図4および図6を参照すると、本実施形態において、撹拌素子120の撹拌アーム123は、さらに、撹拌アーム123と液体形成材料の間の接触面積を増やし、相対運動のプロセス中に液体形成材料に対する撹拌アーム123の撹拌レベルを上げるために使用される撹拌構造を有する。撹拌構造は、開口123a、歯構造123c、またはその組み合わせを含む。また、撹拌素子120および容器130は、互いに相対して運動し、本実施形態では、液体形成材料の撹拌素子120の撹拌範囲を向上させるために、3D印刷が行われていない時、延伸アーム122から離れた位置にある撹拌アーム123の端部123bが容器130の中心C1に移動し、この中心C1を容器130の回転中心とみなすことができる。このように、容器130を駆動して回転させた時、容器130に相対する撹拌アーム123の移動範囲は、容器130の底部全体を含むことができる。つまり、容器130内の液体形成材料を全て撹拌アーム123で撹拌することができる。また、液体形成材料の撹拌が完了して、3D印刷が実行されると、撹拌アーム123の輪郭が容器130の側端の輪郭と一致するため、撹拌アーム123の延伸方向も容器130の回転方向と一致することを示し、容器130の側端において撹拌アーム123をスムーズに近接して受け取り、形成プラットフォーム140との構造的干渉を防止することができる。
【0019】
図7は、本発明の別の実施形態に係る異なる状態の3Dプリンタの部分的上面図である。図7を参照すると、本実施形態において、3Dプリンタは、容器130の2つの対向する側に位置する1対の撹拌素子120を含む。撹拌素子120の構造特徴は、上述した通りであり、上述した3つの方式、特に第2の方式に適合し、1対の撹拌素子120の前後の揺れによって、提供される撹拌効果は、単一の撹拌素子120の撹拌効果よりも優れている。
【0020】
図8および図9は、本発明の異なる実施形態に係る3Dプリンタの部分的上面図である。まず、図8を参照すると、本実施形態において、撹拌素子220は、容器230内に回転可能に配置され、駆動モジュールは、容器230に接続され、容器230を駆動して直線移動させる。この時、撹拌素子220は、外力または駆動モジュールにより、図8に示した縦の状態と斜めの状態の間で変化することができる。すなわち、撹拌素子220が容器230に相対して回転して位置を変更するため、3D印刷が行われていない時、駆動モジュールが容器230を駆動して前後に直線移動させることにより、同様に、液体形成材料を撹拌する効果を達成する。
【0021】
また、駆動モジュールは、撹拌素子220に接続されて、撹拌素子220を駆動して容器230に相対して回転させることにより、上述した位置変更の要求を達成することができる。また、駆動モジュールは、それぞれ容器230および撹拌素子220に接続されてもよく、容器230を駆動して前後に直線移動させながら、撹拌素子220も駆動して容器230内で回転させる、または前後に揺らすことにより、液体形成材料を撹拌する効果を達成することができる。
【0022】
図9を参照すると、本実施形態において、3Dプリンタは、容器230内に平行に配置され、且つ容器230の同じ側に位置する1対の撹拌素子220を含む。図8の実施形態と同様に、容器230および撹拌素子220も同じ3つの方式を有し、容器230内の液体形成材料に必要な撹拌効果をスムーズに提供する。
【0023】
以上のように、上述した実施形態において、3Dプリンタに撹拌素子を設置し、撹拌素子を駆動して容器に相対して運動させることによって、撹拌素子から生じた撹拌効果で容器内の液体形成材料をスムーズに撹拌する。また、相対運動は、容器を固定して撹拌素子を回転させる方式、撹拌素子を固定して容器を回転させる方式、および容器と撹拌素子を同時に回転させる方式を含み、これらはいずれも液体形成材料を撹拌する効果を達成することができる。また、撹拌素子は、撹拌構造を有し、液体形成材料との接触面積を増やすため、相対運動時の撹拌効果を向上させることができる。そのため、3D印刷が行われていない時の容器と撹拌素子の間の相対運動により、液体形成材料の光エネルギーの蓄積効果を防ぎ、3D印刷に必要な液体形成材料の物理特性および化学特性を維持する。
【0024】
以上のごとく、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の3Dプリンタは、3D印刷装置に応用することができる。
【符号の説明】
【0026】
100 3Dプリンタ
110 機械プラットフォーム
112 ベース
114 ガントリー
120、220 撹拌素子
121 回転シャフト
122 延伸アーム
123 撹拌アーム
123a 開口
123b 端部
123c 歯構造
130、230 容器
140 形成プラットフォーム
150 制御モジュール
160 駆動モジュール
161 モータ
170 硬化モジュール
A1 形成領域
A2 非形成領域
C1 中心
P1 平面
X1 軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9