(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記映像品質評価装置によって、前記評価対象映像の前記ピクセル当たりのビット数に基づいて前記評価対象映像のコンテンツの複雑さを決定する前記ステップが、以下の式に従って、前記映像品質評価装置によって、前記評価対象映像の前記コンテンツの複雑さを決定するステップを含み、
ContentComplexity=a31×exp(a32×BitPerPixel)+a33、
ContentComplexityは前記評価対象映像の前記コンテンツの複雑さを示し、BitPerPixelは前記評価対象映像の前記ピクセル当たりのビット数を示し、a31、a32、およびa33は定数である、請求項5に記載の方法。
前記映像品質評価装置によって、前記評価対象映像の前記ピクセル当たりのビット数および前記評価対象映像の前記コンテンツの複雑さに基づいて、前記評価対象映像の符号化障害を決定する前記ステップが、以下の式に従って、前記映像品質評価装置によって、前記評価対象映像の前記符号化障害を決定するステップを含み、
QcodV=alV×exp(a2V×BitPerPixel)+a3V×ContentComplexity+a4V、
QcodVは前記評価対象映像の前記符号化障害を示し、BitPerPixelは前記評価対象映像の前記ピクセル当たりのビット数を示し、ContentComplexityは前記評価対象映像の前記コンテンツの複雑さを示し、a1V、a2V、a3V、およびa4Vは定数である、請求項5または6に記載の方法。
前記映像品質評価装置によって、前記評価対象映像の前記エラー隠蔽方法および前記第2の評価パラメータに基づいて前記評価対象映像の伝送障害を決定する前記ステップが、前記評価対象映像の前記エラー隠蔽方法に基づいて前記映像品質評価装置によって、前記評価対象映像の前記伝送障害を計算するために使用される定数を決定するステップと、
以下の式に従って、前記映像品質評価装置によって、前記評価対象映像の前記伝送障害を決定するステップと、を含み、
QtraV=b1V×log(b2V×QE+1)
QtraVは前記評価対象映像の前記伝送障害を示し、QEは前記第2の評価パラメータを示し、b1Vおよびb2Vは前記評価対象映像の前記伝送障害を計算するために使用される定数である、請求項5から9のいずれか一項に記載の方法。
前記処理ユニットが、前記評価対象映像の前記パケット損失率および前記評価対象映像の前記平均連続パケット損失長に基づいて、前記評価対象映像のランダム平均パケット損失ギャップを決定し、
前記評価対象映像の前記ランダム平均パケット損失ギャップおよび前記評価対象映像の前記平均パケット損失ギャップに基づいて、前記評価対象映像の前記パケット損失分散を決定するようにさらに構成されている、請求項11に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態における技術的解決策を、本発明の実施形態における添付図面を参照して、以下に説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態による映像品質評価システムの概略図である。
図1に示すように、システム100は、映像品質評価装置101と映像品質評価パラメータ抽出装置102とを含む。映像品質評価装置101は、光回線端末(optical line terminal、略してOLT)、光回線終端装置(optical network unit、略してONU)、またはセットトップボックスなどの評価対象映像が流れる装置であってもよいし、または映像品質を評価するように特に構成された装置であってもよい。映像品質評価パラメータ抽出装置102は、専用のネットワーク性能測定装置でもよいし、ルータ等のネットワーク性能測定機能を有するネットワーク装置でもよい。
【0015】
映像品質評価パラメータ抽出装置102は、映像品質を評価するために使用される映像品質評価パラメータを抽出し、映像品質評価パラメータを映像品質評価装置101に送信するように構成され得る。
【0016】
映像品質評価装置101は、受信した映像品質評価パラメータに基づいて評価対象映像の映像品質を決定することができる。
【0017】
本発明の実施形態は、
図2を参照して以下にさらに説明される。
図2の映像品質評価装置は、
図1に示す映像品質評価装置101とすることができる。
図2の映像品質評価パラメータ抽出装置は、
図1に示した映像品質評価パラメータ抽出装置102とすることができる。
【0018】
図2は、本発明の一実施形態による映像品質評価方法の概略フローチャートである。
【0019】
201.映像品質評価装置は、評価対象映像の映像品質評価パラメータを取得し、評価対象映像の映像品質評価パラメータは、評価対象映像のパケット損失率、評価対象映像の連続パケット損失長、および評価対象映像の平均パケット損失ギャップを含む。
【0020】
具体的には、評価対象映像のパケット損失率は、評価対象映像の送信に使用されるリアルタイムトランスポートプロトコル(Real−time Transport Protocol、略してRTP)パケット内の映像トランスポートストリーム(transport stream、略してTS)パケットのパケット損失率である。評価対象映像の平均連続パケット損失長は、評価対象映像の送信に使用されるRTPパケット内の映像TSパケットの平均連続パケット損失長である。評価対象映像のパケット損失率は、評価対象映像の送信に使用されるRTPパケット内の映像TSパケットの平均パケット損失ギャップである。
【0021】
映像品質評価パラメータは、評価対象映像を送信するために使用されたRTPパケットに基づいて、映像品質評価パラメータ抽出装置によって決定され得る。映像品質評価パラメータ抽出装置は、抽出した映像品質評価パラメータを映像品質評価装置に送信することができる。映像品質評価装置は、映像品質評価パラメータ抽出装置によって送信された映像品質評価パラメータを受信することができる。本発明のこの実施形態において説明されているRTPパケットは、音声および映像を送信するために使用されるRTPパケットであることを理解されたい。
【0022】
1つのRTPパケットは複数のTSパケットを含み得る。異なるタイプの伝送されたコンテンツに基づいて、TSパケットは、映像TSパケット、音声TSパケットなどに分類され得る。映像品質評価パラメータ抽出装置は、TSパケット内のデータパケット識別番号に基づいてTSパケットの種類を決定してもよい。
【0023】
任意選択で、いくつかの実施形態では、映像品質評価パラメータ抽出装置は、測定ウィンドウ内の映像TSパケットの総数および損失した映像TSパケットの総数を決定することができる。映像品質評価パラメータ抽出装置は、測定ウィンドウ内の映像TSパケットの総数および損失した映像TSパケットの総数に基づいて、評価対象映像のパケット損失率を決定することができる。
【0024】
具体的には、映像品質評価パラメータ抽出装置は、測定ウィンドウ内の損失した映像TSパケットの数および映像TSパケットの総数を取得する方法で、評価対象映像のパケット損失率を決定することができ、パケット損失率は、損失した映像TSパケットの数を映像TSパケットの総数で割ることによって得られる。
【0025】
例えば、測定ウィンドウにおいて、映像TSパケットの総数は30であり、損失した映像TSパケットの数は6である。この場合、パケット損失率は6/30、すなわち0.2である。
【0026】
任意選択で、いくつかの実施形態では、映像品質評価パラメータ抽出装置は、測定ウィンドウ内の映像TSパケット損失イベントおよび各映像TSパケット損失イベント内の損失したTSパケットの数を決定することができる。映像品質評価パラメータ抽出装置は、測定ウィンドウ内の映像TSパケット損失イベントおよび各映像TSパケット損失イベント内の損失したTSパケットの数に基づいて、評価対象映像のパケット損失率および評価対象映像の平均連続パケット損失長を決定することができる。
【0027】
具体的には、映像品質評価パラメータ抽出装置は、測定ウィンドウ内のすべての映像TSパケット損失イベントおよび各映像TSパケット損失イベント内の連続して損失したTSパケットの数を取得する方法で、評価対象映像の平均連続パケット損失長を決定することができる。映像TSパケット損失イベントは、映像TSパケットが連続して失われるという1つのイベントを示す。平均連続パケット損失長は、すべての映像TSパケット損失イベントにおいて連続的に損失した映像TSパケットの平均値に等しい。
【0028】
例えば、測定ウィンドウ内に合計4つの映像TSパケット損失イベントがあり、映像TSパケット損失イベント内の連続的に損失した映像TSパケットの数は、それぞれ2、1、2、および1である。この場合、平均連続パケット損失長は、(2+1+2+1)/4、すなわち1.5である。
【0029】
任意選択で、いくつかの実施形態では、映像品質評価パラメータ抽出装置は、測定ウィンドウ内のすべての映像TSパケット損失イベントおよび2つの隣接する映像TSパケット損失イベント間のパケット損失ギャップを決定することができる。映像品質評価パラメータ抽出装置は、測定ウィンドウ内のすべての映像TSパケット損失イベントおよび2つの隣接する映像TSパケット損失イベント間のパケット損失ギャップに基づいて、評価対象映像の平均パケット損失ギャップを決定することができる。
【0030】
具体的には、映像品質評価パラメータ抽出装置は、測定ウィンドウ内のすべての映像TSパケット損失イベントを取得して、隣接する2つの映像TSパケット損失イベント間のパケット損失ギャップを計算する方法で評価対象映像の平均パケット損失ギャップを決定することができ、平均パケット損失ギャップはすべてのパケット損失ギャップの平均値に等しい。
【0031】
例えば、測定ウィンドウには4つの映像TSパケット損失イベントがあり、映像TSパケット損失イベントのパケット損失ギャップはそれぞれ2、2、および5である。平均パケット損失ギャップは、(2+2+5)/3、すなわち3である。
【0032】
任意選択で、いくつかの実施形態では、映像品質評価パラメータ抽出装置は、場合によっては、RTPパケット内の映像TSパケットを抽出することができないことがある。これらの場合、映像品質評価パラメータ抽出装置は、RTPパケットのパケット損失率に基づいて評価対象映像のパケット損失率を決定し;RTPパケットの平均連続パケット損失長に基づいて、評価対象映像の平均連続パケット損失長を決定し;RTPパケットの平均パケット損失ギャップに基づいて、評価対象映像の平均パケット損失ギャップを決定することができる。
【0033】
RTPパケットのパケット損失率およびRTPパケットの平均連続パケット損失長に基づく、映像品質評価パラメータ抽出装置による評価対象映像のパケット損失率と評価対象映像の平均連続パケット損失長を決定する具体的な決定プロセスについては、国際電気通信連合電気通信標準化セクタ(International Telecommunication Union−Telecommunication Standardization Sector、略してITU−T)G.1071規格の説明を参照されたい。
【0034】
例えば、RTPパケットに含まれる7個のTSパケットがすべて映像TSパケットである場合、映像品質評価パラメータ抽出装置は、評価対象映像のパケット損失率および評価対象映像の平均連続パケット損失長を以下の式を使用して決定することができる。
PacketLossV=RTPpacketLoss(式1.1)および
BurstinessV=7×RTPburstiness(式1.2)
【0035】
PacketLossVは評価対象映像のパケット損失率を示し、RTPpacketLossはRTPパケットのパケット損失率を示し、BurstnessVは評価対象映像の平均連続パケット損失長を示し、RTPburstinessはRTPパケットの平均連続パケット損失長を示している。
【0036】
RTPパケットの平均パケット損失ギャップに基づいて、映像品質評価パラメータ抽出装置によって評価対象映像の平均パケット損失ギャップを決定する具体的な決定プロセスについては、ITU−T G.1071規格のRTPパケットの平均連続パケット損失長に基づいてTSパケットの平均連続パケット損失長を決定する説明を参照されたい。ITU−T G.1071規格に記載されている、RTPパケットの平均連続パケット損失長に基づいてTSパケットの平均連続パケット損失長を決定する方法における入力パラメータは、RTPパケットの平均パケット損失ギャップに変更され、このようにして得られた結果は、評価対象映像の平均パケット損失ギャップである。
【0037】
例えば、RTPパケットに含まれる7個のTSパケットがすべて映像TSパケットである場合、映像品質評価パラメータ抽出装置は、以下の式を用いて評価対象映像の平均パケット損失ギャップを決定することができる。
BurstGapV=7×RTPburstGap(式1.3)
【0038】
BurstGapVは評価対象映像の平均パケット損失ギャップを示し、RTPburstGapはRTPパケットの平均パケット損失ギャップを示している。式1.3は式1.2と同様であり、得られた結果は、入力が単純にRTPパケットの平均連続パケット損失長からRTPパケットの平均パケット損失ギャップへと変更された後の評価対象映像の平均パケット損失ギャップであることが分かる。
【0039】
任意選択で、いくつかの実施形態では、映像品質評価パラメータ抽出装置は、RTPパケットの平均パケット損失ギャップを取得できない可能性がある。このような場合、ネットワークはデフォルトで良好な状態にあると見なされ得、パケット損失はランダムに分散される。映像品質評価装置は、評価対象映像の平均パケット損失ギャップが、評価対象映像のランダム平均パケット損失ギャップに等しいと決定することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、映像品質評価装置は、評価対象映像のパケット損失率および平均連続パケット損失長を直接抽出することができることを理解されたい。映像品質評価装置による評価対象映像のパケット損失率および平均パケット損失長の具体的な抽出方法は、映像品質評価パラメータ抽出装置による評価対象映像のパケット損失率および平均パケット損失長の抽出方法と同様であり、詳細は本明細書では説明されない。
【0041】
202.映像品質評価装置は、評価対象映像の映像品質評価パラメータに基づいて評価対象映像のパケット損失分散を決定する。
【0042】
任意選択で、いくつかの実施形態では、映像品質評価装置は、評価対象映像のパケット損失率および評価対象映像の平均連続パケット損失長に基づいて、評価対象映像のランダム平均パケット損失ギャップを決定することができる。映像品質評価装置は、評価対象映像のランダム平均パケット損失ギャップおよび評価対象映像の平均パケット損失ギャップに基づいて、評価対象映像のパケット損失分散を決定することができる。
【0043】
任意選択で、いくつかの実施形態では、映像品質評価装置は、以下の式に従って評価対象映像のランダム平均パケット損失ギャップを決定することができる。
【数1】
【0044】
BurstGap
randomは評価対象映像のランダム平均パケット損失ギャップを示し、PacketLossVは評価対象映像のパケット損失率を示し、BurstinessVは評価対象映像の平均連続パケット損失長を示している。
【0045】
任意選択で、いくつかの実施形態では、映像品質評価装置は、以下の式に従って評価対象映像のパケット損失分散を決定することができる。
【数2】
【0046】
DiscreteVは評価対象映像のパケット損失分散を示し、BurstGapVは評価対象映像の平均パケット損失ギャップを示し、BurstGap
randomは評価対象映像のランダム平均パケット損失ギャップを示している。
【0047】
式1.5から、映像品質評価装置が、評価対象映像の平均パケット損失ギャップが評価対象映像のランダム平均パケット損失ギャップに等しいと決定した場合、評価対象映像のパケット損失分散は1であると分かる。
【0048】
ランダム平均パケット損失ギャップは、パケット損失がランダムに発生した場合に隣接する2つのパケット損失間のギャップを示すために使用される。ランダム平均パケット損失ギャップの値が大きいほど、隣接する2つのパケット損失間のギャップが大きいことを示している。ランダム平均パケット損失ギャップの値が小さいほど、隣接する2つのパケット損失間のギャップが小さいことを示している。評価対象映像のパケット損失分散は、パケット損失分布ステータスを表すために使用されるインジケータである。具体的には、いくつかの実施形態では(例えば、パケット損失分散が式1.5に従って決定される場合)、パケット損失分散の値の範囲は[0,1]である。パケット損失がランダムに分散しているとき、パケット損失分散は最大であり、そして1に等しい。より集中化されたパケット分布は、より小さなパケット損失分散を示している。パケット損失が1つのパケット損失イベントに集中するとき、パケット損失分散は最小になり、そして0に等しい。
【0049】
式1.4を用いてランダム平均パケット損失ギャップを決定し、式1.5を用いて評価対象映像のパケット損失分散を決定することに加えて、映像品質評価装置は、他の方法で評価対象映像の平均パケット損失ギャップおよびパケット損失分散を決定することができる。例えば、評価対象映像のランダム平均パケット損失ギャップは、以下の式に従って決定され得る。
【数3】
【0050】
評価対象映像のパケット損失分散は、以下の式に従って決定され得る。
【数4】
【0051】
203.映像品質評価装置は、評価対象映像のパケット損失率、評価対象映像の平均連続パケット損失長、評価対象映像のパケット損失分散、および評価対象映像の属性情報に基づいて評価対象映像の品質を決定し、評価対象映像の属性情報には、評価対象映像のピクセル当たりのビット数と評価対象映像のエラー隠蔽方法とが含まれる。
【0052】
具体的には、映像品質評価装置は、評価対象映像のピクセル当たりのビット数に基づいて評価対象映像のコンテンツの複雑さを決定し;評価対象映像のピクセル当たりのビット数および評価対象映像のコンテンツの複雑さに基づいて、評価対象映像の符号化障害を決定し;評価対象映像の符号化障害に基づいて第1の評価パラメータを決定し;第1の評価パラメータ、評価対象映像のパケット損失率、評価対象映像の平均連続パケット損失長、評価対象映像のパケット損失分散、および評価対象映像のエラー隠蔽方法に基づいて、第2の評価パラメータを決定し;評価対象映像のエラー隠蔽方法および第2の評価パラメータに基づいて、評価対象映像の伝送障害を決定し;評価対象映像の伝送障害および評価対象映像の符号化障害に基づいて評価対象映像の品質を決定する。
【0053】
評価対象映像のピクセル当たりのビット数は、評価対象映像のビットレート、評価対象映像の解像度、および評価対象映像のフレームレートに基づいて決定されてもよい。任意選択で、いくつかの実施形態では、映像品質評価装置は、以下の式に従って評価対象映像のピクセル当たりのビット数を決定することができる。
【数5】
【0054】
BitPerPixelは評価対象映像のピクセル当たりのビット数を示し、bitrateは評価対象映像のビットレートを示し、numPixelperFrameは評価対象映像の解像度を示し、frameRateは評価対象映像のフレームレートを示している。
【0055】
任意選択で、いくつかの実施形態では、映像品質評価装置は、評価対象映像のものであり、映像符号化パラメータ取得装置によって送信される映像符号化パラメータを受信することができる。評価対象映像の映像符号化パラメータには、評価対象映像のビットレート、評価対象映像のフレームレート、および評価対象映像の解像度が含まれる。評価対象映像の映像符号化パラメータは、評価対象映像の符号化タイプをさらに含んでもよい。
【0056】
任意選択で、いくつかの実施形態では、映像符号化パラメータ取得装置によって評価対象映像の映像符号化パラメータを取得する機能は、映像品質評価装置によって実装され得る。
【0057】
任意選択で、いくつかの実施形態では、映像品質評価装置は、以下の式に従って評価対象映像のコンテンツの複雑さを決定することができる。
ContentComplexity=a31×exp(a32×BitPerPixel)+a33(式1.9)
【0058】
ContentComplexityは評価対象映像のコンテンツの複雑さを示し、BitPerPixelは評価対象映像のピクセル当たりのビット数を示し、a31、a32、およびa33は定数である。
【0059】
a31、a32、およびa33の具体的な値は、最小二乗法を用いて決定され得る。いくつかの実施形態では、a31は0より大きく100より小さい実数であり、a32は−100より大きく0より小さい実数であり、a33は0より大きく10より小さい実数である。より具体的には、いくつかの実施形態では、a31=0.74、a32=−1.21、およびa33=0.87である。
【0060】
さらに、いくつかの実施形態では、式1.9の定数は、評価対象映像の解像度および符号化タイプに基づいて決定され得る。
【0061】
任意選択で、いくつかの実施形態では、映像品質評価装置は、以下の式に従って評価対象映像の符号化障害を決定することができる。
QcodV=alV×exp(a2V×BitPerPixel)+a3V×ContentComplexity+a4V(式1.10)
【0062】
QcodVは評価対象映像の符号化障害を示し、BitPerPixelは評価対象映像のピクセル当たりのビット数を示し、ContentComplexityは評価対象映像のコンテンツの複雑さを示し、a1V、a2V、a3V、およびa4Vは定数である。
【0063】
a1V、a2V、a3V、およびa4Vの具体的な値は、最小二乗法を用いて決定され得る。いくつかの実施形態において、a1Vは0より大きく100より小さい実数であり、a2Vは−100より大きく0より小さい実数であり、a3Vは0より大きく10より小さい実数であり、a4Vは0より大きく100より小さい実数である。より具体的には、いくつかの実施形態では、a1V=68.68、a2V=−73.35、a3V=1.17、およびa4V=18.92である。
【0064】
さらに、いくつかの実施形態では、式1.10の定数は、評価対象映像の解像度および符号化タイプに基づいて決定される。
【0065】
任意選択で、いくつかの実施形態では、映像品質評価装置は、以下の式に従って第1の評価パラメータを決定することができる。
【数6】
【0066】
Icodnは第1の評価パラメータを示し、QcodVは評価対象映像の符号化障害を示している。
【0067】
任意選択で、いくつかの実施形態では、映像品質評価装置は、評価対象映像のエラー隠蔽方法に基づいて、第2の評価パラメータを計算するために使用される定数を決定する。映像品質評価装置は、以下の式に従って第2の評価パラメータを決定することができる。
【数7】
QNP
2=(c21×DiscreteV+c22)×QNP
1+c33(式1.13)および
QE=p1×exp(p2×QNP
2)−p1(式1.14)
【0068】
QNP
1は第1の中間パラメータを示し、QNP
2は第2の中間パラメータを示し、Icodnは第1の評価パラメータを示し、BurstinessVは評価対象映像の平均連続パケット損失長を示し、DiscreteVは評価対象映像のパケット損失分散を示し、PacketLossVは評価対象映像のパケット損失率を示し、QEは第2の評価パラメータであり、b21、b22、b23、c21、c22、c23、p1、およびp2は第2の評価パラメータを計算するために使用される定数である。
【0069】
任意選択で、いくつかの他の実施形態では、映像品質評価装置は、評価対象映像のエラー隠蔽方法に基づいて、第2の評価パラメータを計算するために使用される定数を決定する。映像品質評価装置は、以下の式に従って第2の評価パラメータを決定することができる。
【数8】
QNP
2=(c21×exp(DiscreteV)+c22)×QNP
1+c33(式1.16)および
QE=pl×exp(p2×QNP
2)−p1(式1.17)
【0070】
QNP
1は第1の中間パラメータを示し、QNP
2は第2の中間パラメータを示し、Icodnは第1の評価パラメータを示し、BurstinessVは評価対象映像の平均連続パケット損失長を示し、DiscreteVは評価対象映像のパケット損失分散を示し、PacketLossVは評価対象映像のパケット損失率を示し、QEは第2の評価パラメータであり、b21、b22、b23、c21、c22、c23、p1、およびp2は第2の評価パラメータを計算するために使用される定数である。
【0071】
b21、b22、b23、c21、c22、c23、p1、およびp2の具体的な値は、最小二乗法を用いて決定され得る。いくつかの実施形態では、b21は0より大きく100より小さい実数であり、b22は0より大きく1より小さい実数であり、b23は0より大きく1より小さい実数であり、c21は0より大きく1より小さい実数であり、c22は0より大きく10より小さい実数であり、c23は−100より大きく100より小さい実数であり、p1は0より大きく1より小さい実数であり、p2は0より大きく1より小さい実数である。より具体的には、いくつかの実施形態では、評価対象映像のエラー隠蔽方法が映像フリーズである場合、b21=69.39、b22=0.00019、b23=0.00082、c21=0.26411、c22=1.10360、c23=−8.34831、p1=0.0001661、およびp2=0.1166である。より具体的には、いくつかの実施形態では、評価対象映像のエラー隠蔽方法がスライスである場合、b21=80.61、b22=0.00046、b23=0.00147、c21=0.02、c22=0.66、c23=11.37、p1=0.018、およびp2=0.040である。
【0072】
任意選択で、いくつかの他の実施形態では、映像品質評価装置は、評価対象映像のエラー隠蔽方法に基づいて、第2の評価パラメータを計算するために使用される定数を決定する。映像品質評価装置は、以下の式に従って第2の評価パラメータを決定することができる。
【数9】
QE=p1×exp(p2×QNP)−p1(式1.19)
【0073】
QNPは中間パラメータを示し、Icodnは第1の評価パラメータを示し、BurstinessVは評価対象映像の平均連続パケット損失長を示し、DiscreteVは評価対象映像のパケット損失分散を示し、PacketLossVは評価対象映像のパケット損失率を示し、QEは第2の評価パラメータであり、b21、b22、b23、b24、p1、およびp2は第2の評価パラメータを計算するために使用される定数である。
【0074】
b21、b22、b23、b24、p1、およびp2の具体的な値は、最小二乗法を用いて決定され得る。
【0075】
任意選択で、いくつかの実施形態では、映像品質評価装置は、評価対象映像のエラー隠蔽方法に基づいて、評価対象映像の伝送障害を計算するために使用される定数を決定し、映像品質評価装置は、以下の式に従って評価対象映像の伝送障害を決定することができる。
QtraV=b1V×log(b2V×QE+1)(式1.20)
【0076】
QtraVは評価対象映像の伝送障害を示し、QEは第2の評価パラメータを示し、b1Vおよびb2Vは評価対象映像の伝送障害を計算するために使用される定数である。
【0077】
b1Vとb2Vの具体的な値は、最小二乗法を用いて決定され得る。任意選択で、いくつかの実施形態では、b1Vは0より大きく100より小さい実数であり、b2Vは0より大きく100より小さい実数である。より具体的には、いくつかの実施形態では、評価対象映像のエラー隠蔽方法が映像フリーズである場合、b1V=12.70、およびb2V=907.36である場合;あるいは、評価対象映像のエラー隠蔽方法がスライスである場合、b1V=17.73であり、そしてb2Vは123.08である。
【0078】
具体的には、映像伝送プロセスにおいてパケット損失が発生した場合、複数のエラー隠蔽方法があり得る。一般的なエラー隠蔽方法は、映像フリーズまたはスライスである。映像を受信する装置は、エラー隠蔽方法を事前設定することができる。映像品質評価装置は、映像のアプリケーション環境において評価対象映像を受信する装置によって設定されたエラー隠蔽方法に基づいて、評価対象映像のエラー隠蔽方法を決定することができる。
【0079】
任意選択で、いくつかの他の実施形態では、評価対象映像のエラー隠蔽方法が映像フリーズである場合、b1V=12.70、およびb2V=907.36である。評価対象映像のエラー隠蔽方法がスライスである場合、b1V=17.73、およびb2V=123.08である。
【0080】
映像品質評価装置は、以下の式に従って評価対象映像の品質を決定する。
mos=MOSfromR(100−QcodV−QtraV)(式1.21)、
mosは評価対象映像の品質を示し、QcodVは評価対象映像の符号化障害を示し、QtraVは評価対象映像の伝送障害を示し、MOSfromRは、値の範囲が[0,100]の品質スコアを値の範囲が(0,5)のMOSスコアに変換するために使用される。具体的な計算式については、ITU−T P.1201.2規格の説明を参照されたい。
【0081】
図2に示す方法では、映像品質評価中に、映像品質に対するパケット損失率および平均連続損失パケット数の影響が考慮されるだけでなく、映像品質に対するパケット損失分散によって示されるパケット損失分布の影響も考慮される。したがって、映像品質評価の精度を向上させることができる。
【0082】
さらに、いくつかの実施形態では、評価対象映像の品質を決定するプロセスにおいて、ビットレート、フレームレート、解像度、および符号化タイプなどの評価対象映像の符号化パラメータが使用される。したがって、特定の映像の品質を、その映像の特定の符号化パラメータを使用することによって監視することができる。
【0083】
図3は、本発明の一実施形態による映像品質評価装置の構造ブロック図である。
図3に示すように、映像品質評価装置300は、取得ユニット301と処理ユニット302とを含む。
【0084】
取得ユニット301は、評価対象映像の映像品質評価パラメータを取得するように構成され、評価対象映像の映像品質評価パラメータは、評価対象映像のパケット損失率、評価対象映像の平均連続パケット損失長、および評価対象映像の平均パケット損失ギャップを含む。
【0085】
処理ユニット302は、評価対象映像の映像品質評価パラメータに基づいて評価対象映像のパケット損失分散を決定するように構成される。
【0086】
処理ユニット302は、評価対象映像のパケット損失率、評価対象映像の平均連続パケット損失長、評価対象映像のパケット損失分散、および評価対象映像の属性情報に基づいて評価対象映像の品質を決定するようにさらに構成され、評価対象映像の属性情報は、評価対象映像のピクセル当たりのビット数、および評価対象映像のエラー隠蔽方法を含む。
【0087】
任意選択で、いくつかの実施形態では、処理ユニット302は、評価対象映像のパケット損失率および評価対象映像の平均連続パケット損失長に基づいて、評価対象映像のランダム平均パケット損失ギャップを決定し;評価対象映像のランダム平均パケット損失ギャップおよび評価対象映像の平均パケット損失ギャップに基づいて、評価対象映像のパケット損失分散を決定するように特に構成される。
【0088】
任意選択で、いくつかの実施形態では、処理ユニット302は、式1.4に従って評価対象映像のランダム平均パケット損失ギャップを決定するように特に構成される。
【0089】
任意選択で、いくつかの実施形態では、取得ユニット301は、評価対象映像の平均パケット損失ギャップが評価対象映像のランダム平均パケット損失ギャップに等しいと決定するように特に構成される。
【0090】
任意選択で、いくつかの実施形態では、処理ユニット302は、式1.5に従って評価対象映像のパケット損失分散を決定するように特に構成される。
【0091】
任意選択で、いくつかの実施形態では、処理ユニット302は、評価対象映像のピクセル当たりのビット数に基づいて評価対象映像のコンテンツの複雑さを決定し;評価対象映像のピクセル当たりのビット数および評価対象映像のコンテンツの複雑さに基づいて、評価対象映像の符号化障害を決定し;評価対象映像の符号化障害に基づいて第1の評価パラメータを決定し;第1の評価パラメータ、評価対象映像のパケット損失率、評価対象映像の平均連続パケット損失長、評価対象映像のパケット損失分散、および評価対象映像のエラー隠蔽方法に基づいて、第2の評価パラメータを決定し;評価対象映像のエラー隠蔽方法および第2の評価パラメータに基づいて、評価対象映像の伝送障害を決定し;評価対象映像の伝送障害および評価対象映像の符号化障害に基づいて評価対象映像の品質を決定する、ように特に構成される。
【0092】
任意選択で、いくつかの実施形態では、処理ユニット302は、式1.9に従って評価対象映像のコンテンツの複雑さを決定するように特に構成される。
【0093】
任意選択で、いくつかの実施形態では、処理ユニット302は、式1.10に従って評価対象映像の符号化障害を決定するように特に構成される。
【0094】
任意選択で、いくつかの実施形態では、処理ユニット302は、式1.11に従って第1の評価パラメータを決定するように特に構成される。
【0095】
任意選択で、いくつかの実施形態では、処理ユニット302は、評価対象映像のエラー隠蔽方法に基づいて、第2の評価パラメータを計算するために使用される定数を決定し;式1.12から式1.14に従って第2の評価パラメータを決定するように特に構成される。
【0096】
任意選択で、いくつかの他の実施形態では、処理ユニット302は、評価対象映像のエラー隠蔽方法に基づいて、第2の評価パラメータを計算するために使用される定数を決定し;式1.15から式1.17に従って第2の評価パラメータを決定するように特に構成される。
【0097】
処理ユニット302は、評価対象映像のエラー隠蔽方法に基づいて、第2の評価パラメータを計算するために使用される定数を決定し;式1.18から式1.19に従って第2の評価パラメータを決定するように特に構成される。
【0098】
任意選択で、いくつかの実施形態では、処理ユニット302は、評価対象映像のエラー隠蔽方法に基づいて、評価対象映像の伝送障害を計算するために使用される定数を決定し;式1.20に従って、評価対象映像の伝送障害を決定するように特に構成される。
【0099】
任意選択で、いくつかの実施形態では、処理ユニット302は、式1.21に従って評価対象映像の品質を決定するように特に構成される。
【0100】
映像品質評価装置300の取得ユニット301および処理ユニット302の動作および機能については、
図2の方法を参照されたい。繰り返しを避けるために、詳細はここでは再度説明しない。
【0101】
図4は、本発明の一実施形態による映像品質評価装置の構造ブロック図である。
図4に示す映像品質評価装置400は、プロセッサ401、メモリ402、および通信インタフェース403を含む。
【0102】
映像品質評価装置400の構成要素は、バスシステム404を使用することによって互いに結合される。バスシステム404は、データバスに加えて、電源バス、制御バス、およびステータス信号バスを含む。しかしながら、明確な説明のために、種々のバスは
図4にはバスシステム404として示されている。
【0103】
本発明の前述の実施形態に開示された方法は、プロセッサ401に適用されてもよいし、プロセッサ401によって実現されてもよい。プロセッサ401は、集積回路チップであってもよく、信号処理能力を有していてもよい。実装プロセスにおいて、前述の方法のステップは、プロセッサ401内のハードウェアの統合論理回路またはソフトウェアの形態の命令を使用することによって完了されてもよい。プロセッサ401は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、略してDSP)、特定用途向け集積回路(application−specific integrated circuit、略してASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(field−programmable gate array、略してFPGA)、または別のプログラマブル論理装置、個別のゲートもしくはトランジスタ論理装置、または個別のハードウェアコンポーネントであってもよい。プロセッサ401は、本発明の実施形態において開示されている方法、ステップ、および論理ブロック図を実装または実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいし、あるいはプロセッサは任意の従来のプロセッサなどであってもよい。本発明の実施形態に開示された方法のステップは、ハードウェア復号プロセッサによって直接実行され完了されてもよく、または復号プロセッサ内のハードウェアとソフトウェアモジュールとの組み合わせを使用することによって実行され完了されてもよい。ソフトウェアモジュールを、ランダムアクセスメモリ(random access memory、略してRAM)、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ(Read−Only Memory、略してROM)、プログラマブル読み出し専用メモリ、電気的消去可能プログラマブルメモリ、またはレジスタなどの、当該技術分野で成熟した記憶媒体に配置することができる。記憶媒体は、メモリ402に配置される。プロセッサ401は、メモリ402から命令を読み取り、プロセッサ401のハードウェアと組み合わせて前述の方法のステップを完了する。通信インタフェース403は、評価対象映像または評価対象映像の映像品質評価パラメータを取得するように構成され得る。
【0104】
任意選択で、いくつかの実施形態では、メモリ402は、
図2に示す方法で映像品質評価装置によって実行される方法を実行するために使用される命令を格納することができる。プロセッサ401は、他のハードウェア(通信インタフェース403など)と組み合わせて、メモリ402に格納されている命令を実行し、
図2に示す方法で映像品質評価装置によって実行されるステップを完了することができる。具体的な作業プロセスおよび有効な効果については、
図2に示す実施形態における映像品質評価装置の説明を参照されたい。
【0105】
本出願で提供されるいくつかの実施形態では、開示されたシステム、装置、および方法は、他の方法で実現されてもよいことが理解されるべきである。例えば、説明した装置の実施形態は単なる例である。例えば、ユニットの部分は単に論理機能の部分であり、実際の実装においては他の部分であってもよい。例えば、複数のユニットまたは構成要素が組み合わされてもよく、または別のシステムに統合されてもよく、あるいは、一部の機能が無視されて、実行されなくてもよい。また、表示されたまたは議論された相互結合または直接的な結合もしくは通信接続は、いくつかのインタフェースを使用することによって実現されてもよい。装置またはユニット間の間接的な結合または通信接続は、電気的に、機械的に、または他の形式で実現されてもよい。
【0106】
別々の部分として記載されたユニットは、物理的に分離されていてもいなくてもよく、ユニットとして表示された部分は、物理的なユニットであってもなくてもよく、1つの位置に配置されていてもよく、または複数のネットワークユニットに分散されていてもよい。ユニットの一部またはすべては、本実施形態の解決策の目的を達成するために実際のニーズに基づいて選択されてもよい。
【0107】
前述の説明は、本発明の単なる特定の実装態様であり、本発明の保護範囲を限定することを意図されていない。本発明で開示された技術的範囲内で当業者が容易に考え出す任意の変化または置換は、本発明の保護範囲内に入るものとする。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。