(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記通信部による前記計測情報の送信タイミングが前記計測期間と重ならないように、自己の前記監視装置における前記通信部による前記計測情報の送信タイミングを制御する、請求項3に記載の監視装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
【0011】
(1)本発明の実施の形態に係る監視装置は、複数の太陽電池パネルに関する計測をそれぞれ行う複数のセンサと、電力供給を行う電源回路と、前記複数のセンサへの前記電源回路からの電力供給の有無を切り替え可能な第1切替回路と、所定の計測周期において前記複数のセンサに互いに異なる計測期間が割り当てられ、前記センサの前記計測期間において前記電源回路からの電力が選択的に供給されるように前記第1切替回路を制御する制御部とを備える。
【0012】
このような構成により、計測周期内で複数のセンサが時分割で計測を行い、各センサには対応する計測期間にのみ電力が供給されるため、複数のセンサが常時計測を行う場合と比較して、監視装置における消費電力を低減させることができる。したがって、複数のセンサを用いて太陽光発電システムに関する監視を行う構成において、消費電力をより低減させることができる。
【0013】
(2)好ましくは、前記監視装置は、さらに、前記センサによる計測結果を示す計測信号を受けて前記計測信号を処理する処理部と、前記複数のセンサからの前記計測信号の前記処理部への出力の有無を切り替え可能な第2切替回路とを備え、前記制御部は、前記センサの前記計測期間において前記センサからの前記計測信号が前記処理部へ選択的に出力されるように前記第2切替回路を制御する。
【0014】
このような構成により、複数のセンサからの計測信号が互いに異なるタイミングで処理部へ出力されるため、処理部の構成を簡素化することができる。
【0015】
(3)好ましくは、前記監視装置は、さらに、前記センサによる計測結果に基づく計測情報を、電力線を介して送信する通信部を備え、前記電力線には、複数の前記監視装置が接続され、前記制御部は、前記複数の監視装置による前記計測情報の送信タイミングが互いに異なるように、自己の前記監視装置における前記通信部による前記計測情報の送信タイミングを制御する。
【0016】
このような構成により、同一の電力線を介して情報の送信を行う複数の監視装置からそれぞれ送信される信号同士の干渉を防ぐことができる。
【0017】
(4)より好ましくは、前記制御部は、前記通信部による前記計測情報の送信タイミングが前記計測期間と重ならないように、自己の前記監視装置における前記通信部による前記計測情報の送信タイミングを制御する。
【0018】
このような構成により、センサによる計測期間と、計測情報の送信タイミングとの重なりを防ぎ、消費電力のピーク値を低くすることができるため、電源回路の容量の増大を抑え、監視装置を小型化することができる。
【0019】
(5)好ましくは、前記監視装置は、さらに、前記センサによる計測結果に基づく計測情報を送信する通信部を備え、前記通信部は、複数の前記計測周期が含まれる所定の報告周期で前記計測情報の送信を行い、前記計測情報は、前記報告周期に含まれる各前記計測周期における前記計測結果の平均を示す。
【0020】
太陽電池パネルの発電量は、日射量などの影響を受けて一時的に大きく変化することがあるが、上記のように、複数の計測周期におけるそれぞれの計測結果を平均化する構成により、たとえば、一時的な発電量の変化がある場合でも、1つの太陽電池パネルが他の太陽電池パネルと比べて異常であるという誤判定を防ぐことができる。
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0022】
<太陽光発電システムの構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る太陽光発電システムの構成を示す図である。
【0023】
図1を参照して、太陽光発電システム401は、4つの集電ユニット60と、PCS8とを備える。PCS8は、銅バー7と、電力変換部9とを含む。
【0024】
図1では、4つの集電ユニット60を代表的に示しているが、さらに多数または少数の集電ユニット60が設けられてもよい。
【0025】
図2は、本発明の実施の形態に係る集電ユニットの構成を示す図である。
図2を参照して、集電ユニット60は、4つの太陽電池ユニット75と、銅バー72とを含む。
【0026】
図2では、4つの太陽電池ユニット75を代表的に示しているが、さらに多数または少数の太陽電池ユニット75が設けられてもよい。
【0027】
図3は、本発明の実施の形態に係る太陽電池ユニットの構成を示す図である。
【0028】
図3を参照して、太陽電池ユニット75は、3つの太陽電池パネル78と、銅バー77とを含む。
【0029】
図3では、3つの太陽電池パネル78を代表的に示しているが、さらに多数または少数の太陽電池パネル78が設けられてもよい。
【0030】
太陽電池パネル78は、たとえば複数の太陽電池パネルが直列接続されたストリングである。なお、太陽電池パネル78は、複数の太陽電池パネルを含む構成に限らず、1つの太陽電池パネルを含む構成であってもよい。
【0031】
太陽光発電システム401では、複数の太陽電池パネル78からの出力ライン1,5,2すなわち電力線がそれぞれPCS8に電気的に接続される。
【0032】
より詳細には、太陽電池パネル78の出力ライン1は、太陽電池パネル78に接続された第1端と、銅バー77に接続された第2端とを有する。各出力ライン1は、銅バー77を介して出力ライン5に集約される。銅バー77は、たとえば筐体の一例である接続箱76の内部に設けられている。
【0033】
太陽電池パネル78は、太陽光を受けると、受けた太陽光のエネルギーを直流電力に変換し、変換した直流電力を出力ライン1へ出力する。
【0034】
図2および
図3を参照して、出力ライン5は、対応の太陽電池ユニット75における銅バー77に接続された第1端と、銅バー72に接続された第2端とを有する。各出力ライン5は、銅バー72を介して出力ライン2に集約される。銅バー72は、たとえば筐体の一例である集電箱71の内部に設けられている。
【0035】
再び
図1を参照して、太陽光発電システム401では、上述のように複数の太陽電池パネル78からの各出力ライン1が出力ライン5に集約され、各出力ライン5が出力ライン2に集約され、各出力ライン2が電力変換装置の一例であるPCS8に電気的に接続される。
【0036】
より詳細には、各出力ライン2は、対応の集電ユニット60における銅バー72に接続された第1端と、銅バー7に接続された第2端とを有する。PCS8において、内部ライン3は、銅バー7に接続された第1端と、電力変換部9に接続された第2端とを有する。
【0037】
PCS8は、たとえば、コンテナ6の内部に設けられている。PCS8において、電力変換部9は、たとえば、各太陽電池パネル78において発電された直流電力を出力ライン1、銅バー77、出力ライン5、銅バー72、出力ライン2、銅バー7および内部ライン3経由で受けると、受けた直流電力を交流電力に変換して系統へ出力する。
【0038】
<監視システムの構成>
図4は、本発明の実施の形態に係る監視システムの構成を示す図である。
【0039】
図4を参照して、監視システム301は、4つの監視装置111と、収集装置101とを備える。
【0040】
図4では、1つの集電ユニット60に対応して設けられた4つの監視装置111を代表的に示しているが、さらに多数または少数の監視装置111が設けられてもよい。また、監視システム301は、1つの収集装置101を備えているが、複数の収集装置101を備えてもよい。
【0041】
監視システム301は、太陽光発電システム401に用いられる。監視システム301では、子機である監視装置111におけるセンサの情報が、親機である収集装置101へ定期的または不定期に伝送される。
【0042】
監視装置111は、たとえば集電ユニット60に設けられている。より詳細には、監視装置111は、4つの太陽電池ユニット75にそれぞれ対応して4つ設けられている。各監視装置111は、たとえば、対応の出力ライン5に電気的に接続されている。
【0043】
監視装置111は、対応の太陽電池ユニット75における各出力ライン1の電流をセンサにより計測する。また、監視装置111は、対応の太陽電池ユニット75における出力ライン5の電圧をセンサにより計測する。
【0044】
収集装置101は、たとえばPCS8の近傍に設けられている。より詳細には、収集装置101は、たとえば、コンテナ6の内部において、PCS8に対応して設けられ、信号線46を介して銅バー7に電気的に接続されている。なお、収集装置101は、コンテナ6の外部に設けられてもよい。
【0045】
監視装置111および収集装置101は、出力ライン2,5を介して電力線通信(PLC:Power Line Communication)を行うことにより情報の送受信を行う。
【0046】
より詳細には、各監視装置111は、対応の出力ラインの電流および電圧の計測結果に基づく計測情報を送信する。収集装置101は、各監視装置111の計測結果を収集し、収集した計測結果をサーバ151に通知する。
【0047】
<監視装置の構成>
[全体構成]
図5は、本発明の実施の形態に係る監視装置の構成を示す図である。
図5では、出力ライン1、出力ライン5、銅バー77および銅バー72がより詳細に示されている。
【0048】
図5を参照して、出力ライン1は、プラス側出力ライン1pと、マイナス側出力ライン1nとを含む。出力ライン5は、プラス側出力ライン5pと、マイナス側出力ライン5nとを含む。
【0049】
銅バー77は、プラス側銅バー77pと、マイナス側銅バー77nとを含む。銅バー72は、プラス側出力ライン5pおよびマイナス側出力ライン5nにそれぞれ対応して、プラス側銅バー72pおよびマイナス側銅バー72nを含む。
【0050】
プラス側出力ライン1pは、対応の太陽電池パネル78に接続された第1端と、プラス側銅バー77pに接続された第2端とを有する。マイナス側出力ライン1nは、対応の太陽電池パネル78に接続された第1端と、マイナス側銅バー77nに接続された第2端とを有する。
【0051】
プラス側出力ライン5pは、プラス側銅バー77pに接続された第1端と、集電箱71におけるプラス側銅バー72pに接続された第2端とを有する。マイナス側出力ライン5nは、マイナス側銅バー77nに接続された第1端と、集電箱71におけるマイナス側銅バー72nに接続された第2端とを有する。
【0052】
監視装置111は、検出部(処理部)11と、3つの電流センサ16と、電圧センサ17と、通信部14とを備える。なお、監視装置111は、出力ライン1の数に応じて、さらに多数または少数の電流センサ16を備えてもよい。
【0053】
監視装置111は、たとえば、計測対象の出力ライン1が接続された銅バー77が設けられた接続箱76の内部に設けられている。なお、監視装置111は、接続箱76の外部に設けられてもよい。
【0054】
監視装置111は、たとえば、プラス側出力ライン5pおよびマイナス側出力ライン5nとそれぞれプラス側電源線26pおよびマイナス側電源線26nを介して電気的に接続されている。
【0055】
図6は、本発明の実施の形態に係る監視装置の構成を詳細に示す図である。
【0056】
図6を参照して、監視装置111は、検出部11、3つの電流センサ16、電圧センサ17および通信部14に加えて、さらに、制御部12と、カウンタ13と、記憶部15と、DC/DCコンバータ(電源回路)19と、第1切替回路SW1と、第2切替回路SW2とを備える。
【0057】
監視装置111における各回路は、出力ライン5から供給される太陽電池パネル78の出力電圧を電源電圧として用いて動作する。
【0058】
より詳細には、DC/DCコンバータ19は、マイナス側出力ライン5nおよびプラス側出力ライン5pからマイナス側電源線26nおよびプラス側電源線26pをそれぞれ介して受ける太陽電池パネル78の直流電圧を昇圧または降圧し、直流電圧Vcを生成する。そして、DC/DCコンバータ19は、生成した直流電圧Vcを、監視装置111における各回路へ出力する。
【0059】
[センサによる計測]
図6を参照して、3つの電流センサ16は、複数の太陽電池パネル78のそれぞれに対応する出力ライン1の電流を計測する。より詳細には、電流センサ16は、たとえば、ホール素子タイプの電流プローブである。電流センサ16は、対応のマイナス側出力ライン1nを通して流れる電流を計測し、計測結果を示す計測信号を検出部11へ出力する。なお、電流センサ16は、プラス側出力ライン1pを通して流れる電流を計測してもよい。
【0060】
電圧センサ17は、出力ライン5の電圧を計測する。より詳細には、電圧センサ17は、プラス側電源線26pおよびマイナス側電源線26n間の電圧を計測し、計測結果を示す計測信号を検出部11へ出力する。
【0061】
3つの電流センサ16は、たとえば、所定の計測期間TCにおいて、電流の計測および計測結果を示す計測信号の出力を時分割で行う。また、電圧センサ17は、たとえば、電流センサ16による計測が行われていない期間において、電圧の計測および計測結果を示す計測信号の出力を行う。以下、3つの電流センサ16および電圧センサ17のそれぞれを、単に「センサ」とも称する。
【0062】
より詳細には、第1切替回路SW1は、DC/DCコンバータ19と各センサとの間に接続されている。第1切替回路SW1は、たとえば、制御部12から出力された第1制御信号に従って、DC/DCコンバータ19からの電力の供給先、すなわち直流電圧Vcの出力先を複数のセンサのうちのいずれか1つに選択的に切り替える。
【0063】
第2切替回路SW2は、各センサと検出部11との間に接続されており、たとえば、制御部12から出力された第2制御信号に従って、検出部11の接続先を複数のセンサのうちのいずれか1つに選択的に切り替える。
【0064】
記憶部15には、たとえば、基準時刻ts、計測期間TCの長さLC、および計測期間TCを含む計測周期TAの長さLAを示す期間情報が保存されている。基準時刻tsは、たとえば0時である。
【0065】
なお、計測周期TAの長さLAは、計測期間TCの長さLCよりも長く設定されている。すなわち、計測周期TAにおいて、センサによる計測が行われない期間(以下、「空き期間ST」とも称する。)が設けられている。また、計測期間TCは、LAの周期で繰り返される。
【0066】
カウンタ13は、たとえば、水晶振動子を用いた発振回路等により生成されるクロックパルスをカウントし、カウントした値を保持する。このカウント値は、たとえば現在時刻を示す。
【0067】
制御部12は、たとえば、計測期間TCを4つの期間TC1,TC2,TC3,TC4に分割し、期間TC1,TC2,TC3,TC4を3つの電流センサ16および電圧センサ17にそれぞれ割り当てる。
【0068】
具体的には、監視装置111は、上述の3つの電流センサ16として、電流センサ16A,16B,16Cを備えるとする。また、制御部12は、電流センサ16Aに、期間TC1を割り当て、電流センサ16Bに期間TC2を割り当て、電流センサ16Cに期間TC3を割り当て、電圧センサ17に期間TC4を割り当てるとする。
【0069】
また、制御部12は、たとえば、記憶部15に保存されている期間情報に基づいて、計測期間TCの開始タイミングを算出する。上述のとおり、計測期間TCはLAの周期で繰り返されるため、たとえば、計測期間TCの開始タイミングは、ts+LA×Kとなる。ここで、Kはゼロ以上の整数である。
【0070】
また、制御部12は、各センサに割り当てた期間TC1,TC2,TC3,TC4の各々の開始タイミングを算出する。
【0071】
たとえば、記憶部15には、期間TC1,TC2,TC3,TC4のそれぞれの長さLC1,LC2,LC3,LC4を示す情報が保存されており、制御部12は、記憶部15に保存されている当該情報を参照して、期間TC1,TC2,TC3,TC4の各々の開始タイミングを算出する。
【0072】
具体的には、計測期間TCにおいて、電流センサ16A、電流センサ16B、電流センサ16C、電圧センサ17の順番で計測および計測信号の出力が行われるとする。また、電流センサ16Aに割り当てられた期間TC1の開始タイミングは、計測期間TCの開始タイミングと同じ、ts+LA×Kであるとする。
【0073】
この場合、電流センサ16Bに割り当てられた期間TC2の開始タイミングは、たとえば、ts+LA×K+LC1となる。また、電流センサ16Cに割り当てられた期間TC3の開始タイミングは、たとえば、ts+LA×K+LC2となる。また、電圧センサ17に割り当てられた期間TC4の開始タイミングは、たとえば、ts+LA×K+LC3となる。
【0074】
そして、制御部12は、たとえば、カウンタ13におけるカウンタ値を監視し、割り当てた各期間において対応するセンサが計測および計測信号の出力を行うように、第1制御信号の出力および第2制御信号の出力を行う。
【0075】
第1切替回路SW1は、制御部12から受けた第1制御信号に従って、期間TC1の開始タイミングにおいて電力の供給先を電流センサ16Aに切り替え、期間TC2の開始タイミングにおいて電力の供給先を電流センサ16Bに切り替え、期間TC3の開始タイミングにおいて電力の供給先を電流センサ16Cに切り替え、期間TC4の開始タイミングにおいて電力の供給先を電圧センサ17に切り替える。
【0076】
第2切替回路SW2は、制御部12から受けた第2制御信号に従って、期間TC1の開始タイミングにおいて検出部11の接続先を電流センサ16Aに切り替え、期間TC2の開始タイミングにおいて検出部11の接続先を電流センサ16Bに切り替え、期間TC3の開始タイミングにおいて検出部11の接続先を電流センサ16Cに切り替え、期間TC4の開始タイミングにおいて検出部11の接続先を電圧センサ17に切り替える。
【0077】
図7は、本発明の実施の形態に係る監視装置における各センサの計測および計測信号の出力による消費電力を示す図である。
【0078】
図7を参照して、期間TC1において電流センサ16Aが電流の計測および計測信号の出力を行い、期間TC2において電流センサ16Bが電流の計測および計測信号の出力を行い、期間TC3において電流センサ16Cが電流の計測および計測信号の出力を行い、期間TC4において電圧センサ17が電圧の計測および計測信号の出力を行う。そして、このような動作が行われる計測期間TCが、計測周期TAで繰り返される。
【0079】
なお、各センサによる計測および計測信号の出力は周期的でなくてもよく、1つの計測期間TCに含まれる互いに異なるタイミングにおいて、各センサが計測および計測信号の出力を行う構成であればよい。
【0080】
また、監視装置111において、複数の電流センサ16が電流の計測および計測信号の出力を時分割で行う構成であれば、電圧センサ17は、電圧の計測および計測信号の出力を常時行う構成であってもよい。
【0081】
また、監視装置111は、電流センサ16および電圧センサ17の両方を備える構成に限らず、電流センサ16および電圧センサ17のいずれか一方を備える構成であってもよい。
【0082】
[計測情報の送信]
再び
図6を参照して、検出部11は、複数の電流センサ16および電圧センサ17から受けた計測信号を保持する。そして、検出部11は、たとえば、所定の報告周期TBでこれらの計測信号に対する信号処理を行い、信号処理後のデータを制御部12へ出力する。
【0083】
より詳細には、記憶部15に保存されている期間情報は、基準時刻ts、計測期間TCの長さLC、および計測周期TAの長さLAに加えて、さらに、報告周期TBの長さLBを示す。1つの報告周期TBには、複数の計測周期TAが含まれる。
【0084】
制御部12は、記憶部15に保存されている期間情報に基づいて、各報告周期TBの開始タイミングを算出する。たとえば、各報告周期TBの開始タイミングは、ts+LB×Kとなる。ここで、Kはゼロ以上の整数である。
【0085】
そして、制御部12は、カウンタ13におけるカウンタ値を監視し、算出した各報告周期TBの開始タイミングにおいて、計測信号の出力を検出部11に対して要求する。
【0086】
検出部11は、制御部12から計測信号の出力要求を受けると、たとえば、現在時刻の含まれる報告周期TBの1つ前の報告周期TBにおいて計測された値を示す計測信号に対する処理を行い、処理後のデータを制御部12へ出力する。
【0087】
より詳細には、検出部11は、たとえば、報告周期TBに含まれる複数の計測期間TCにおいてそれぞれ計測された電流または電圧の平均値を、センサごとに算出する。すなわち、検出部11は、制御部12から出力要求を受けたタイミングから、次に制御部12から出力要求を受けるタイミングまでの期間において、センサから受けた複数の計測信号の示すそれぞれの値の平均値を、センサごとに算出する。
【0088】
また、検出部11は、算出した平均値を示す信号に対してフィルタリング等の信号処理を行う。さらに、検出部11は、たとえばAD変換器を含み、信号処理後の信号をデジタル信号に変換し、変換したデジタル信号を制御部12へ出力する。
【0089】
検出部11は、複数の電流センサ16および電圧センサ17からの各計測信号に対して上記のような信号処理を行い、信号処理後のデジタル信号を制御部12へ出力する。
【0090】
制御部12は、検出部11から受けたデジタル信号の示す複数の計測結果、各計測結果に対応する電流センサ16のID、計測結果に対応する電圧センサ17のID、および自己の監視装置111のIDを含む計測情報を作成する。
【0091】
そして、制御部12は、作成した計測情報を通信部14へ出力する。通信部14は、制御部12から計測情報を受けると、出力ライン5,2および信号線46を介した電力線通信により当該計測情報を収集装置101へ送信する。
【0092】
なお、制御部12は、計測情報をセンサごとに作成し、作成したセンサごとの計測情報を通信部14経由で収集装置101へ送信する構成であってもよい。
【0093】
ここで、制御部12は、通信部14からの計測情報の送信タイミングが計測期間TCと重ならないように制御する。すなわち、制御部12は、空き期間STにおいて計測情報の送信が行われるように制御する。
【0094】
たとえば、記憶部15に保存されている期間情報は、基準時刻ts、計測期間TCの長さLC、計測周期TAの長さLAおよび報告周期TBの長さLBに加えて、さらに、送信待機時間Lxを示す。送信待機時間Lxは、たとえば計測期間TCよりも長く、かつ報告周期TBよりも短く設定されている。
【0095】
制御部12は、たとえば、記憶部15に保存されている期間情報に基づいて、各報告周期TBの開始タイミングを算出し、算出した各報告周期TBの開始タイミングから送信待機時間Lxが経過したタイミングを計測情報の送信タイミングとして決定する。
【0096】
そして、制御部12は、たとえば、決定した送信タイミングが計測期間TCに含まれるか否かを確認し、当該送信タイミングが計測期間TCに含まれない場合、当該送信タイミングにおいて通信部14経由で計測情報を収集装置101へ送信する。
【0097】
なお、送信タイミングが計測期間TCに含まれる場合、制御部12は、たとえば、当該計測期間TCの経過後、または当該計測期間TCの開始前において通信部14経由で計測情報を収集装置101へ送信する。
【0098】
図8は、本発明の実施の形態に係る監視装置における各センサの計測および計測信号の出力による消費電力、ならびに計測情報の送信による消費電力を示す図である。
【0099】
図8を参照して、具体的には、ある報告周期TBが時刻t1〜時刻t2の期間であり、次の報告周期TBが時刻t2〜時刻t3の期間であるとする。
【0100】
この場合、監視装置111における検出部11は、たとえば、時刻t2以降のタイミングにおいて、時刻t1〜時刻t2の期間に複数の電流センサ16および電圧センサ17から受けた各計測信号に対する信号処理を行い、信号処理後のデータを制御部12へ出力する。
【0101】
そして、制御部12は、検出部11から受けたデータに基づいて計測情報を作成し、時刻t2から送信待機時間Lxが経過したタイミングである時刻txにおいて、収集装置101への計測情報の送信を行う。
【0102】
上記のような動作が行われることにより、監視装置111における消費電力は、各センサによる計測および計測信号の出力が行われるタイミング、および収集装置101への計測情報の送信が行われるタイミングにおいて増加する。
【0103】
[計測情報の送信タイミングの詳細]
再び
図4を参照して、監視システム301における複数の監視装置111は、いずれも同一の出力ライン2に接続され、出力ライン2を介して電力線通信を行うことにより計測情報を送信する。このため、各監視装置111からの計測情報の送信タイミングは互いに重ならないように設定されている。
【0104】
上述のとおり、計測周期TAにおいて、電流センサ16による計測が行われない空き期間STが設けられている。すなわち、複数の計測周期TAを含む報告周期TB内において、複数の空き期間STが存在する。このため、たとえば、報告周期TBにおける複数の空き期間STをそれぞれ異なる監視装置111に割り当てることにより、同一の報告周期TB内において各監視装置111からの計測情報の送信タイミングを分散させることができる。
【0105】
図9は、本発明の実施の形態に係る監視システムにおける複数の監視装置の各々の消費電力を示す図である。
図9では、3つの監視装置111の各々の総消費電力を示している。
【0106】
図9を参照して、監視システム301は、たとえば、3つの監視装置111として、監視装置111A,111B,111Cを備える。各監視装置111には、互いに異なる値の送信待機時間Lxが設定されている。
【0107】
具体的には、たとえば、監視装置111Aには、計測期間TCよりも長く、計測周期TAより短い送信待機時間LxAが設定されている。また、たとえば、監視装置111Bには、送信待機時間LxAよりも計測周期TAの長さ分だけ長い送信待機時刻LxBが設定されている。また、たとえば、監視装置111Cには、送信待機時間LxBよりも計測周期TAの長さ分だけ長い送信待機時刻LxCが設定されている。
【0108】
また、ある報告周期TBが時刻t1〜時刻t2の期間であり、次の報告周期TBが時刻t2〜時刻t3の期間であり、さらに次の報告周期TBが時刻t3〜時刻t4の期間であるとする。
【0109】
この場合、監視装置111Aは、たとえば、時刻t1〜時刻t2の期間において計測された電流および電圧を示す計測情報を、時刻t2から送信待機時間LxAが経過したタイミングである時刻ta1において収集装置101へ送信する。また、監視装置111Aは、たとえば、時刻t2〜時刻t3の期間において計測された電流および電圧を示す計測情報を、時刻t3から送信待機時間LxAが経過したタイミングである時刻ta2において収集装置101へ送信する。
【0110】
また、監視装置111Bは、たとえば、時刻t1〜時刻t2の期間において計測された電流および電圧を示す計測情報を、時刻t2から送信待機時間LxBが経過したタイミングである時刻tb1において収集装置101へ送信する。また、監視装置111Bは、たとえば、時刻t2〜時刻t3の期間において計測された電流および電圧を示す計測情報を、時刻t3から送信待機時間LxBが経過したタイミングである時刻tb2において収集装置101へ送信する。
【0111】
また、監視装置111Cは、たとえば、時刻t1〜時刻t2の期間において計測された電流および電圧を示す計測情報を、時刻t2から送信待機時間LxCが経過したタイミングである時刻tc1において収集装置101へ送信する。また、監視装置111Cは、たとえば、時刻t2〜時刻t3の期間において計測された電流および電圧を示す計測情報を、時刻t3から送信待機時間LxCが経過したタイミングである時刻tc2において収集装置101へ送信する。
【0112】
上記のような動作が行われることにより、各監視装置111からの計測情報の送信タイミングは空き期間STに含まれ、かつ互いに重ならなくなる。
【0113】
なお、
図9に示す例では、複数の監視装置111間において、各計測期間TCの開始タイミングおよび終了タイミングが一致しているが、各計測期間TCの開始タイミングおよび終了タイミングは、複数の監視装置111間で異なってもよい。
【0114】
また、上述した本発明の実施の形態に係る監視装置111では、第2切替回路SW2が検出部11の接続先を複数のセンサのうちのいずれか1つに切り替える。しかしながら、このような構成に限定されず、監視装置111は、第2切替回路SW2を備えない構成でもよい。
【0115】
また、監視システム301に設けられた各監視装置111からの計測情報の送信タイミングは、必ずしも異なるタイミングである必要はない。たとえば、複数の監視装置111が異なる電力線を介して計測情報の送信を行う場合、これら複数の監視装置111が同じタイミングにおいて計測情報の送信を行うことができる。
【0116】
また、上述した本発明の実施の形態に係る監視装置111では、制御部12は、空き期間STにおいて計測情報の送信が行われるように制御する。しかしながら、このような構成に限定されず、制御部12は、計測期間TCに含まれるタイミングにおいて計測情報の送信を行う構成であってもよい。
【0117】
また、上述した本発明の実施の形態に係る監視装置111から送信される計測情報は、1つの報告周期TBに含まれる複数の計測期間TCにおいてそれぞれ計測された値の平均を示す。しかしながら、このような構成に限定されず、監視装置111から送信される計測情報は、たとえば、1つの報告周期TBに含まれる複数の計測期間TCにおいてそれぞれ計測された値そのものを示す情報であってもよい。
【0118】
ところで、上述した特許文献1に記載の太陽光発電用監視システムにおける監視装置は、複数の太陽電池パネルにそれぞれ対応するセンサを備え、各センサが対応の太陽電池パネルから出力される電流等を計測することにより太陽光発電システムの監視を行う。
【0119】
このような監視装置は、太陽電池パネルからの出力電圧を電源電圧として用いて動作可能であるが、複数のセンサがそれぞれ計測を行うため、消費電力が大きくなる可能性がある。また、各センサによる計測結果は、たとえば電力線通信により他の装置へ送信されるため、このような送信のための電力も必要である。
【0120】
特に、発電所において多数の監視装置が設けられている場合、発電所の全体における消費電力は大きくなる。このため、このような監視装置における消費電力をより低減させることのできる技術が求められている。
【0121】
これに対して、本発明の実施の形態に係る監視装置111では、複数の電流センサ16および電圧センサ17は、複数の太陽電池パネル78に関する計測をそれぞれ行う。また、DC/DCコンバータ19は、監視装置111における各回路への電力供給を行う。また、第1切替回路SW1は、複数の電流センサ16および電圧センサ17へのDC/DCコンバータ19からの電力供給の有無を切り替え可能である。また、制御部12は、所定の計測周期TAにおいて複数の電流センサ16および電圧センサ17に互いに異なる計測期間を割り当て、センサの計測期間においてDC/DCコンバータ19からの電力が選択的に供給されるように第1切替回路SW1を制御する。
【0122】
このような構成により、計測周期TA内で複数のセンサが時分割で計測を行い、各センサには対応する計測期間にのみ電力が供給されるため、複数のセンサが常時計測を行う場合と比較して、監視装置111における消費電力を低減させることができる。したがって、複数のセンサを用いて太陽光発電システム401に関する監視を行う構成において、消費電力をより低減させることができる。
【0123】
また、検出部11は、センサによる計測結果を示す計測信号を受けて、計測信号を処理する。また、第2切替回路SW2は、複数のセンサからの計測信号の検出部11への出力の有無を切り替え可能である。また、制御部12は、センサの計測期間において、対応するセンサからの計測信号が検出部11へ選択的に出力されるように第2切替回路SW2を制御する。
【0124】
このような構成により、複数のセンサからの計測信号が互いに異なるタイミングで検出部11へ出力されるため、検出部11の構成を簡素化することができる。
【0125】
また、通信部14は、センサによる計測結果に基づく計測情報を、電力線を介して送信する。また、当該電力線には、複数の監視装置111が接続され、制御部12は、複数の監視装置111による計測情報の送信タイミングが互いに異なるように、自己の監視装置111における通信部14による計測情報の送信タイミングを制御する。
【0126】
このような構成により、同一の電力線を介して情報の送信を行う複数の監視装置111からそれぞれ送信される信号同士の干渉を防ぐことができる。
【0127】
また、制御部12は、通信部14による計測情報の送信タイミングが計測期間TCと重ならないように、自己の監視装置111における通信部14による計測情報の送信タイミングを制御する。
【0128】
このような構成により、センサによる計測期間と、計測情報の送信タイミングとの重なりを防ぎ、消費電力のピーク値を低くすることができるため、電源回路の容量の増大を抑え、監視装置111を小型化することができる。
【0129】
また、通信部14は、複数の計測周期TAが含まれる所定の報告周期TBで計測情報の送信を行う。また、計測情報は、報告周期TBに含まれる各計測周期TAにおける計測結果の平均を示す。
【0130】
太陽電池パネル78の発電量は、日射量などの影響を受けて一時的に大きく変化することがあるが、上記のように、複数の計測周期TAにおけるそれぞれの計測結果を平均化する構成により、たとえば、一時的な発電量の変化がある場合でも、1つの太陽電池パネル78が他の太陽電池パネル78と比べて異常であるという誤判定を防ぐことができる。
【0131】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0132】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
【0133】
[付記1]
複数の太陽電池パネルに関する計測をそれぞれ行う複数のセンサと、
電力供給を行う電源回路と、
前記複数のセンサへの前記電源回路からの電力供給の有無を切り替え可能な第1切替回路と、
所定の計測周期において前記複数のセンサに互いに異なる計測期間が割り当てられ、前記センサの前記計測期間において前記電源回路からの電力が選択的に供給されるように前記第1切替回路を制御する制御部と、
前記センサによる計測結果を示す計測信号を受けて前記計測信号を処理する処理部とを備え、
前記センサは、電流センサであり、
前記処理部は、前記計測信号をデジタル信号に変換するAD変換器を含み、
前記複数のセンサは、前記電源回路から供給される前記太陽電池パネルの出力電圧を電源電圧として用いて動作する、監視装置。