(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記取込み用レンズにおいて集光された前記蛍光が第1端面に照射されるとともに、前記第1端面とは反対側の第2端面から前記蛍光を出射する光ファイバを、さらに備えている、
請求項5または6に記載の光源装置。
前記透光性蛍光体の入射面側に配置されており、前記光源部から照射された前記レーザ光を透過させるとともに、前記透光性蛍光体において発せられた前記蛍光のうち前記入射面側に発せられた前記蛍光を前記透光性蛍光体の方へ反射する凹面鏡をさらに備えている、
請求項1から9のいずれか1項に記載の光源装置。
前記透光性蛍光体の出射面側に配置されており、前記光源部から照射されて前記透光性蛍光体を通過した前記レーザ光を反射するとともに、前記透光性蛍光体において発せられた前記蛍光のうち前記出射面側に発せられた前記蛍光を透過させる凹面鏡をさらに備えている、
請求項1から9のいずれか1項に記載の光源装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の光源装置では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された光源装置では、蛍光体が樹脂等のバインダに混ぜ込んで形成されているため、半導体レーザから出射されたレーザ光が蛍光体に照射された際に、蛍光体の内部においてレーザ光が散乱してしまう。よって、特定の方向に蛍光を取り出す場合に蛍光体において発せられた蛍光を効率よく取り出すことができず、充分に高輝度な光源を得ることは難しい。
【0005】
また、上記特許文献2には、樹脂等のバインダを用いない単結晶の蛍光体を用いた光源装置について記載されている。しかし、単結晶の蛍光体にレーザ光を照射しただけでは、充分に高輝度化された光源を得ることは難しい。
本発明の課題は、従来よりも高輝度な光源を得ることが可能な光源装置およびこれを備えた測距センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係る光源装置は、レーザ光を照射する光源部と、集光レンズと、透光性蛍光体と、を備えている。集光レンズは、光源部から照射されたレーザ光を集光する。透光性蛍光体は、集光レンズによって集光されたレーザ光が照射されて蛍光を発する。
ここでは、光源部から照射され集光レンズによって集光されたレーザ光を、透光性蛍光体に対して照射して、透光性蛍光体においてレーザ光において励起された蛍光を用いて光源としている。
【0007】
ここで、上記光源部としては、例えば、青色レーザ光を照射する半導体レーザ(LD(Laser Diode))等を用いることができる。
上記集光レンズとしては、透光性蛍光体に対してレーザ光を集光できる機能を有するものであればよく、その形状は問わない。また、集光レンズは、透光性蛍光体における表面または内部に集光点が設けられるように配置されていることが好ましい。
【0008】
上記透光性蛍光体は、例えば、多面体や球状等のブロック状の蛍光体であって、単結晶蛍光体、透光性セラミック蛍光体等を含む。そして、透光性とは、レーザ光が照射された蛍光体内部において光の散乱がほとんどない特性(散乱がない特性も含む)であって、蛍光体の内部において集光スポットが形成される程度の散乱特性を意味している。
これにより、透光性蛍光体における集光レンズによって集光されたレーザ光が照射された部分には、レーザ光によって励起された蛍光を発光させる蛍光光源部がレーザ光の伝播方向に沿って形成されるとともに、透光性蛍光体の特性によって、レーザ光をほとんど散乱させることなく発光した蛍光を取り出すことができる。
この結果、透光性蛍光体に形成される蛍光光源部において発光した蛍光を効率よく取り出すことができるため、従来よりも高輝度な光源を得ることができる。
【0009】
第2の発明に係る光源装置は、第1の発明に係る光源装置であって、透光性蛍光体は、集光レンズによってレーザ光が集光された部分に形成される蛍光光源部を有している。
ここでは、例えば、直方体形状を有するブロック状の透光性蛍光体において、レーザ光が集光された部分に、レーザ光によって励起されて蛍光を発光する蛍光光源部が形成される。
【0010】
ここで、上記蛍光光源部は、透光性蛍光体におけるレーザ光が伝播していく方向に沿って形成され、レーザ光が照射された部分において発光する。
これにより、レーザ光がほとんど散乱することなく透光性蛍光体に照射されるため、蛍光光源部の単位体積当たりに発生する蛍光のパワーを増加させることができる。よって、従来よりも高輝度な光源を得ることができる。
【0011】
第3の発明に係る光源装置は、第2の発明に係る光源装置であって、蛍光光源部は、光源部から照射されてレーザ光の伝播方向に長い略筒状の形状を有している。
ここでは、透光性蛍光体の内部におけるレーザ光の照射部分に形成される蛍光光源部が、レーザ光の伝播方向に沿って形成された略筒状に形成される。
これにより、透光性蛍光体の内部に形成された略筒状の蛍光光源部から、蛍光を発光させることができる。
【0012】
第4の発明に係る光源装置は、第1から第3の発明のいずれか1つに係る光源装置であって、レーザ光は、集光レンズによって透光性蛍光体の表面または内部に集光される。
ここでは、透光性蛍光体の表面あるいは内部にレーザ光を集光させる。
これにより、透光性蛍光体には、レーザ光が集光された部分に、励起されて蛍光を発光する蛍光光源部が形成される。そして、透光性蛍光体の表面から内部にかけてレーザ光がほとんど散乱することなく照射されるため、効率よく発光した蛍光を所望の方向から取り出すことができる。
【0013】
第5の発明に係る光源装置は、第1から第4の発明のいずれか1つに係る光源装置であって、透光性蛍光体において発せられた蛍光を集光する取込み用レンズを、さらに備えている。
ここでは、透光性蛍光体の内部におけるレーザ光が照射された部分(蛍光光源部)において発光した蛍光を取り出す取込み用レンズを設けている。
これにより、透光性蛍光体において発光した蛍光は、透光性蛍光体における取込み用レンズの方向から外部へ取り出される。
よって、従来よりも高輝度な光源を得ることができる。
【0014】
第6の発明に係る光源装置は、第5の発明に係る光源装置であって、取込み用レンズは、透光性蛍光体を通過するレーザ光のレーザ伝播の中心軸に対してレンズ中心軸を合わせて配置されている。
【0015】
ここでは、透光性蛍光体の内部におけるレーザ光が伝播した方向に沿って形成される発光部分(蛍光光源部)のレーザ伝播の中心軸に対して、レンズの中心軸を合わせるように、取込み用レンズが配置されている。
これにより、透光性蛍光体の内部に形成される蛍光発光部分(蛍光光源部)の中心軸に取込み用レンズの中心軸が合わせ込まれて配置されるため、透光性蛍光体において発光した蛍光を効率よく取り出すことができる。よって、従来よりも高輝度な光源を得ることができる。
また、透光性蛍光体の内部に形成される蛍光発光部分(蛍光光源部)の中心軸に取込み用レンズの中心軸が合わせ込まれて配置されるため、光源部の下流側に配置される光学系(集光レンズ、取込み用レンズ)を直線上に配置することができる。よって、光軸調整を容易に行うことができるとともに、光学系を小型化することができる。
【0016】
第7の発明に係る光源装置は、第5または第6の発明に係る光源装置であって、取込み用レンズにおいて集光された蛍光が第1端面に照射されるとともに、第1端面とは反対側の第2端面から蛍光を出射する光ファイバを、さらに備えている。
【0017】
ここでは、透光性蛍光体の内部において発光した蛍光を取り出す取込み用レンズの下流側に、取込み用レンズから入射した蛍光を入射側(第1端面)とは反対側(第2端面)から出射する光ファイバを配置している。
これにより、光ファイバ内に、蛍光光源部の被写界深度内の光を取り込むことができるため、光ファイバの第1端面から蛍光を取り込んで、第2端面から高輝度な光を出射することができる。
【0018】
なお、被写界深度とは、一般的には、レンズの像面で許容できるボケ量に対して、物面側において、ピントを合わせた位置の前後で実用上ピントが合っているとみなせる範囲を意味する。本発明においては、光ファイバの端面におけるコア径をレンズの像面における許容錯乱円の直径としたときに取込み用レンズによって物面に形成される被写界深度を意味する。
ここで、光ファイバの端面とは、取込み用レンズによって集光された光が入射する光ファイバの端部における断面を意味する。また、コア径とは、光ファイバ内の光を伝搬する円筒形のコア部分の内径を意味する。
【0019】
第8の発明に係る光源装置は、第1から第7の発明のいずれか1つに係る光源装置であって、透光性蛍光体は、レーザ光が入射する入射面、および蛍光が出射される出射面のうち、少なくとも一方に凸状の曲面を有している。
【0020】
ここでは、透光性蛍光体におけるレーザ光が入射する側および出射する側の少なくとも一方の面を、凸状の曲面としている。
これにより、凸状の曲面を入射側に設けた場合には、例えば、集光レンズと透光性蛍光体との間に設けられた凹面鏡等の径方向におけるサイズを小型化することができる。
一方、凸状の曲面を出射側に設けた場合には、透光性蛍光体と空気との界面における屈折による光の広がりを抑制して、例えば、下流側に配置された取込み用レンズの径を小型化することができる。
そして、凸状の曲面を入射側および出射側の両方に設けた場合には、上述した入射側の効果と出射側の効果の両方を得ることができる。
【0021】
第9の発明に係る光源装置は、第1から第8の発明のいずれか1つに係る光源装置であって、透光性蛍光体は、単結晶蛍光体である。
ここでは、透光性蛍光体として、単結晶蛍光体を用いている。
これにより、従来の樹脂等のバインダを含む蛍光体と比較して、集光レンズによって集光されたレーザ光が内部でほとんど散乱することなく伝播していくため、効率よく蛍光を発光させることができる。よって、従来よりも高輝度な光源を得ることができる。
【0022】
第10の発明に係る光源装置は、第1から第9の発明のいずれか1つに係る光源装置であって、透光性蛍光体の入射面側に配置されており、光源部から照射されたレーザ光を透過させるとともに、透光性蛍光体において発せられた蛍光のうち入射面側に発せられた蛍光を透光性蛍光体の方へ反射する凹面鏡を、さらに備えている。
【0023】
ここでは、透光性蛍光体の入射面側、つまり集光レンズと透光性蛍光体との間に、レーザ光を透過させて蛍光を反射する凹面鏡が配置されている。
ここで、上記凹面鏡には、ダイクロイックミラー、あるいはレーザ光を通過させる開口を有する穴あきミラー等を用いることができる。
これにより、集光レンズによって集光されるレーザ光を透過させて透光性蛍光体へ照射させるとともに、透光性蛍光体において発光した蛍光のうち透光性蛍光体の入射面側へ放射された蛍光を凹面鏡によって、蛍光の発光位置の方向へ反射することができる。
この結果、凹面鏡によって、透光性蛍光体において発光した蛍光を効率よく取り出すことができるため、さらに高輝度化した光源を得ることができる。
【0024】
第11の発明に係る光源装置は、第1から第9の発明のいずれか1つに係る光源装置であって、透光性蛍光体の出射面側に配置されており、光源部から照射されて透光性蛍光体を通過したレーザ光を反射するとともに、透光性蛍光体において発せられた蛍光のうち出射面側に発せられた蛍光を透過させる凹面鏡を、さらに備えている。
【0025】
ここでは、透光性蛍光体の出射面側に、レーザ光を反射して蛍光を透過させる凹面鏡が配置されている。
ここで、上記凹面鏡には、ダイクロイックミラー、あるいは蛍光を通過させる開口を有する穴あきミラー等を用いることができる。
これにより、透光性蛍光体において発光した蛍光を透過させるとともに、集光レンズによって集光され透光性蛍光体を透過してきたレーザ光を凹面鏡によって、蛍光の発光位置の方向へ反射することができる。
この結果、凹面鏡によって、透光性蛍光体を透過してきたレーザ光を再び透光性蛍光体の方へ反射することで、効率よく蛍光を取り出すことができるため、さらに高輝度化した光源を得ることができる。
【0026】
第12の発明に係る光源装置は、第10または第11の発明に係る光源装置であって、凹面鏡は、集光レンズによって集光されたレーザ光の集光点を中心とする球面あるいは非球面の曲面を有している。
【0027】
ここでは、凹面鏡の凹状の曲面が、集光レンズによって集光されたレーザ光の集光点を中心とする球面あるいは非球面になるように形成されている。
これにより、透光性蛍光体に集光されたレーザ光によって励起する蛍光の発光部分(蛍光光源部)を中心として凹状の曲面を配置することができるため、蛍光あるいはレーザ光を効率よく、蛍光の発光位置の方へ反射することができる。
【0028】
第13の発明に係る光源装置は、第10から第12の発明のいずれか1つに係る光源装置であって、凹面鏡は、ダイクロイックミラーである。
これにより、透光性蛍光体におけるレーザ光の入射面側に設けられた凹面鏡では、レーザ光を透過させるとともに、透光性蛍光体において発光し入射面側へ放射された蛍光を透光性蛍光体における発光位置の方向へ反射することができる。
あるいは、透光性蛍光体における出射面側に設けられた凹面鏡では、透光性蛍光体において発光した蛍光を透過させるとともに、透光性蛍光体を透過してきたレーザ光を透光性蛍光体における発光位置の方向へ反射することができる。
この結果、さらに高輝度化した光源を得ることができる。
【0029】
第14の発明に係る測距センサは、第1から第13の発明のいずれか1つに係る光源装置と、受光部と、測定部と、を備えている。受光部は、光源装置から照射された光の反射光を受光する。測定部は、受光部において受光した光の量に基づいて対象物までの距離を測定する。
ここでは、上述した光源装置を用いて、測距センサを構成している。
これにより、従来よりも高輝度化された光源を用いることができるため、測定精度を向上させることができる、応答速度を向上させることができる等の効果を得ることができる。
【0030】
第15の発明に係る測距センサは、第14の発明に係る測距センサであって、光源装置は、複数の波長を含む蛍光を発し、さらに蛍光が通過するように構成された色収差焦点レンズを、さらに有している。受光部は、色収差焦点レンズを介して対象物に照射された蛍光の反射光を受光する。測定部は、受光部における受光量が最大となる蛍光の波長に基づいて、対象物までの距離を測定する。
【0031】
ここでは、色収差焦点レンズを用いて蛍光を波長ごと(色ごと)に分離して、各波長の光のピークを検出することで、対象物までの距離を測定する共焦点式の測距センサを構成している。
これにより、上述したように、従来よりも高輝度化された蛍光を照射する光源装置を用いて測距センサを構成しているため、高性能な共焦点式の測距センサを得ることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係る光源装置によれば、従来よりも高輝度な光源を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(実施形態1)
本発明の一実施形態に係る光源装置10およびこれを備えた共焦点計測装置(測距センサ)50について、
図1〜
図4を用いて説明すれば以下の通りである。
(共焦点計測装置50)
本実施形態に係る光源装置10を搭載した共焦点計測装置50は、
図1に示すように、共焦点光学系を利用して計測対象物Tの変位を計測する計測装置である。共焦点計測装置50で計測する計測対象物Tには、例えば、液晶表示パネルのセルギャップなどがある。
【0035】
共焦点計測装置50は、
図1に示すように、共焦点の光学系を有するヘッド部51、光ファイバ52を介して光学的に接続されたコントローラ部53、コントローラ部53から出力される信号を表示するモニタ54を備えている。
ヘッド部51は、筒状の筐体部内に、回折レンズ(色収差焦点レンズ)51aと、回折レンズ51aより計測対象物T側に配置された対物レンズ51bと、光ファイバ52と回折レンズ51aとの間に設けられた集光レンズ51cと、を有している。
【0036】
回折レンズ51aは、後述する複数の波長の光を出射する光源(例えば、白色光源)から出射する光に、光軸方向に沿って色収差を生じさせる。回折レンズ51aは、レンズの表面に、例えば、キノフォーム形状あるいはバイナリ形状(ステップ形状、階段形状)などの微細な起伏形状が周期的に形成されている。なお、回折レンズ51aの形状は、上記構成に限定されるものではない。
【0037】
対物レンズ51bは、回折レンズ51aにおいて色収差を生じさせた光を計測対象物Tに集光する。
集光レンズ51cは、光ファイバ52の開口数と回折レンズ51aの開口数とを一致させるために、光ファイバ52と回折レンズ51aとの間に設けられている。
これは、白色光源から出射される光は、光ファイバ52を介してヘッド部51に導かれており、光ファイバ52から出射する光を回折レンズ51aで有効に利用するには、光ファイバ52の開口数(NA:numerical aperture)と回折レンズ51aの開口数とを一致させる必要があるためである。
【0038】
光ファイバ52は、ヘッド部51からコントローラ部53までの光路であるとともに、ピンホールとしても機能している。つまり、対物レンズ51bで集光した光のうち、計測対象物Tで合焦する光は、光ファイバ52の開口部で合焦する。このため、光ファイバ52は、計測対象物Tで合焦しない波長の光を遮光し、計測対象物Tで合焦する光を通過させるピンホールとして機能する。
【0039】
共焦点計測装置50は、ヘッド部51からコントローラ部53までの光路に光ファイバ52を用いない構成であってもよいが、当該光路に光ファイバ52を用いることで、ヘッド部51をコントローラ部53に対してフレキシブルに移動することが可能になる。また、共焦点計測装置50は、ヘッド部51からコントローラ部53までの光路に光ファイバ52を用いない構成の場合、ピンホールを備える必要があるが、光ファイバ52を用いる構成の場合、共焦点計測装置50は、ピンホールを備える必要がない。
【0040】
コントローラ部53は、白色光源としての光源装置10、分岐光ファイバ56、分光器57、撮像素子(受光部)58、制御回路部(測定部)59を内部に搭載している。なお、光源装置10の詳細な構成については、後段にて詳述する。
分岐光ファイバ56は、ヘッド部51からコントローラ部53までの光路を形成する光ファイバ52との接続側に一本の光ファイバ55aを、その反対側に2本の光ファイバ15,55を有している。なお、光ファイバ15は、後述する光源装置10の一部を構成している。光ファイバ55bは、分光器57に接続されており、分光器57によって集光された光が端面から取り込まれる。
【0041】
このため、分岐光ファイバ56は、光源装置10から出射された光を光ファイバ52に導いてヘッド部51から計測対象物Tに対して照射する。さらに、分岐光ファイバ56は、光ファイバ52およびヘッド部51を介して、計測対象物Tの表面において反射した光を分光器57に導く。
分光器57は、ヘッド部51を介して戻ってきた反射光を反射する凹面ミラー57aと、凹面ミラー57aで反射した光が入射する回折格子57bと、回折格子57bから出射された光を集光する集光レンズ57cとを有している。なお、分光器57は、ヘッド部51を介して戻ってくる反射光を波長ごとに分けることができれば、ツェルニターナ型、リトロー型などのいずれの構成であってもよい。
【0042】
撮像素子58は、分光器57から出射された光の強度を測定するラインCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)である。ここで、共焦点計測装置50では、分光器57および撮像素子58によって、ヘッド部51を介して戻ってきた反射光の強度を波長ごとに測定する測定部を構成する。
なお、測定部は、ヘッド部51から戻る光の強度を波長ごとに測定することができれば、CCDなどの撮像素子58の単体で構成されていてもよい。また、撮像素子58は、2次元のCMOSや2次元のCCDであってもよい。
【0043】
制御回路部59は、光源装置10や撮像素子58などの動作を制御する。また、図示していないが、制御回路部59は、光源装置10や撮像素子58などの動作を調整するための信号を入力する入力インターフェース、撮像素子58の信号を出力する出力インターフェースなどを有している。
モニタ54は、撮像素子58が出力した信号を表示する。例えば、モニタ54は、ヘッド部51から戻る光のスペクトル波形を描画し、計測対象物の変位を表示する。
【0044】
本実施形態の共焦点計測装置50では、以下の光源装置10を搭載していることにより、高輝度な光源を得ることができる。
これにより、計測装置として、測定距離を延長することができる、応答性を向上させることができる等の効果を得ることができる。
なお、光源装置10の構成については、以下で詳しく説明する。
【0045】
(光源装置10)
本実施形態の光源装置10は、上述した共焦点計測装置50の光源として搭載されており、
図2に示すように、光源部11と、集光レンズ12と、透光性蛍光体13と、取込み用レンズ14と、光ファイバ15と、を備えている。
光源部11は、例えば、ピーク波長が450nm程度のレーザ光を出射する半導体レーザであって、透光性蛍光体13において蛍光を発光させるための励起光として、集光レンズ12の方向にレーザ光を照射する。
【0046】
集光レンズ12は、入射面および出射面がともに凸状のレンズであって、光源部から照射されたレーザ光を、透光性蛍光体13の内部に集光する。
透光性蛍光体13は、例えば、CeイオンをドープしたYAGの単結晶蛍光体であって、レーザ伝播方向に垂直な面に沿ってそれぞれ配置された入射面13aと出射面13bとを有している。そして、透光性蛍光体13は、光源部11から照射され集光レンズ12によって集光されたレーザ光が照射された部分において、480〜750nmの範囲の波長を持つ蛍光を発光する。
【0047】
そして、透光性蛍光体13には、
図3に示すように、レーザ光が照射された部分に、レーザ光の伝播方向に沿って長い略筒状の蛍光光源部20が形成される。
蛍光光源部20は、レーザ光が透光性蛍光体13の内部を通過した部分に形成され、
図3および
図4に示すように、レーザ伝播方向に長い略筒状の形状を有している。
そして、蛍光光源部20は、各部において全方位に向かって蛍光を発光することから、透光性蛍光体13の内部に形成された光源とみなすことができる。具体的には、蛍光光源部20は、
図4に示すように、レーザ光の伝播方向に沿った長手方向における中央部分に断面の円の半径が小さくなる径小部を有しており、両端に向かって断面の円の半径が大きくなる略円筒状の形状を有している。
【0048】
すなわち、蛍光光源部20は、レーザ光の集光点が径小部断面20bに位置するように形成される。そして、蛍光光源部20は、レーザ光の集束および拡散に合わせて、入射側断面20aおよび出射側断面20cの断面積が、径小部断面20bよりも大きくなるように形成される。
例えば、蛍光光源部20は、レーザ光の入射側の端面(入射側断面20a)、略筒状の中央部分の径小部(径小部断面20b)、レーザ光の出射側の端面(出射側断面20c)において、それぞれ全方位に向かって蛍光を発する。
【0049】
よって、蛍光光源部20において発光する蛍光のうち、被写界深度内で発光する蛍光が取込み用レンズ14によって取り込まれ、光ファイバ15の端面(第1面)に集光される。
なお、被写界深度とは、一般的には、レンズの像面で許容できるボケ量に対して、物面側において、ピントを合わせた位置の前後で実用上ピントが合っているとみなせる範囲を意味する。本実施形態では、光ファイバ15の端面におけるコア径をレンズの像面における許容錯乱円の直径としたときに取込み用レンズ14によって物面に形成される被写界深度を意味する。
【0050】
ここで、光ファイバ15の端面とは、取込み用レンズ14によって集光された光が入射する光ファイバ15の端部における断面を意味する。また、コア径とは、光ファイバ15内の光を伝搬する円筒形のコア部分の内径を意味する。
取込み用レンズ14は、集光レンズ12と同様に、入射面および出射面がともに凸状のレンズであって、透光性蛍光体13においてレーザ光が伝播する方向における下流側に配置されている。そして、取込み用レンズ14は、透光性蛍光体13の内部(蛍光光源部20)において発光した蛍光を、光ファイバ15の端面に集光する。
【0051】
また、取込み用レンズ14は、
図3に示すように、レンズ中心軸A2が透光性蛍光体13の内部におけるレーザ光が伝播する中心軸A1と同軸(一直線上)になるように、配置されている。このように、レーザ伝播の中心軸A1と取込み用レンズ14のレンズ中心軸A2とが同軸になるように配置することで、蛍光光源部20において発光した蛍光を、効率よく第1面15aから光ファイバ15内へ入射させることができる。
【0052】
光ファイバ15は、上述した共焦点計測装置50の分岐光ファイバ56を構成する1本の光ファイバであって、共焦点計測装置50のヘッド部51から照射される光の光路を内部に形成する。
また、光ファイバ15は、
図3に示すように、取込み用レンズ14によって集光された蛍光が入射される端面(第1面15a)と、その反対側の出射側の端面(第2面15b)とを有している。
【0053】
これにより、光ファイバ15は、第1面15aから入射してきた光を、第2面15bから出射することができる。
本実施形態の光源装置10では、以上のような構成により、
図2に示すように、光源部11から照射された励起用のレーザ光を、集光レンズ12によって透光性蛍光体13の内部に集光する。そして、
図3に示すように、透光性蛍光体13の内部におけるレーザ光の集光部分において発生した蛍光を、取込み用レンズ14によって光ファイバ15の第1面15aに集光する。
【0054】
ここで、本実施形態の光源装置10では、上述したように、集光レンズ12によって集光されたレーザ光を、単結晶の蛍光体(透光性蛍光体13)の内部に照射している。
このとき、レーザ光は、単結晶の蛍光体(透光性蛍光体13)に入射すると、蛍光体内でほとんど光が拡散されることなく、蛍光を励起しながら蛍光体内部を透過する。
すなわち、本実施形態の光源装置10では、内部に入射してきたレーザ光をほとんど散乱させることがない単結晶蛍光体(透光性蛍光体)を用いている。このため、従来の樹脂等のバインダを用いて固められた蛍光体と比較して、内部に入射してきたレーザ光によって発光した蛍光を効率よく取り出すことができるため、従来よりも高輝度な光源を得ることができる。
【0055】
(実施形態2)
本発明の実施形態2に係る光源装置について、
図5から
図7を用いて説明すれば以下の通りである。
本実施形態に係る光源装置110は、
図5に示すように、集光レンズ12と透光性蛍光体13との間に凹面鏡116を設けた点において、上記実施形態1とは異なっている。
【0056】
なお、光源装置110のその他の構成については、上記実施形態1の光源装置10と同様であることから、ここでは同じ符号を付し、その構成について詳細な説明は省略する。
本実施形態の光源装置110は、
図5に示すように、光源部11と、集光レンズ12と、凹面鏡116と、透光性蛍光体13と、取込み用レンズ14と、光ファイバ15とを備えている。
【0057】
凹面鏡116は、集光レンズ12と透光性蛍光体13との間に配置されており、透光性蛍光体13側の面に凹状の反射面を有している。そして、凹面鏡116は、集光レンズ12によって集光されたレーザ光を透過させるとともに、透光性蛍光体13の内部において発光した蛍光を反射する特性を有している。
これにより、光源部11から照射され集光レンズ12によって集光されたレーザ光を、凹面鏡116によって遮ることなく、透光性蛍光体13へと照射することができる。さらに、
図6に示すように、透光性蛍光体13の内部に形成される蛍光光源部120から全方位に向けて放射された蛍光のうち、集光レンズ12側に放射された蛍光を凹面鏡116によって反射して透光性蛍光体13側へ戻すことができる。
【0058】
この結果、取込み用レンズ14では、上記実施形態1において取り込まれた蛍光よりも多くの蛍光を取り込んで光ファイバ15の第1面15aへ集光することができるため、従来よりもさらに高輝度化した光源を得ることができる。
さらに、凹面鏡116は、蛍光光源部120の中心軸A1に対して、凹状の曲面の中心が来るように配置されている。
【0059】
これにより、反射した蛍光を蛍光が発光した部分(蛍光光源部120)の位置へ集光させることができる。
この結果、取込み用レンズ14では、上記実施形態1において取り込まれた蛍光よりも多くの蛍光を取り込んで光ファイバ15の第1面15aへ集光することができるため、さらに効果的に高輝度化した光源を得ることができる。
【0060】
また、凹面鏡116は、集光レンズ12によって透光性蛍光体13内に集光されたレーザ光の集光点を中心とする球面あるいは非球面の形状を有していることがより好ましい。
これにより、反射した蛍光を蛍光が発光した部分(蛍光光源部120)へ集光させることができる。
この結果、取込み用レンズ14では、上記実施形態1において取り込まれた蛍光よりも多くの蛍光を取り込んで光ファイバ15の第1面15aへ集光することができるため、さらに効果的に高輝度化した光源を得ることができる。
【0061】
なお、凹面鏡116としては、ダイクロイックミラー、あるいは、メニスカスレンズの凹面に蛍光を反射する反射膜を蒸着させたレンズ、レーザ光を通過させる部分に開口を有し凹状の面において蛍光を反射させる穴あきミラー等を用いることができる。
例えば、凹面鏡116としてダイクロイックミラーを用いた場合には、
図7に示すように、約480nm以下の波長の光を透過させるとともに、約480nmより大きい波長の光を反射させることで、レーザ光を透過させつつ蛍光を反射させることができる。
【0062】
(実施形態3)
本発明の実施形態3に係る光源装置について、
図8および
図9を用いて説明すれば以下の通りである。
本実施形態に係る光源装置210は、
図8に示すように、出射面213b側が凸状の透光性蛍光体213を用いている点において、板状の透光性蛍光体13を用いている上記実施形態1とは異なっている。
【0063】
なお、光源装置210のその他の構成については、上記実施形態1の光源装置10と同様であることから、ここでは同じ符号を付し、その構成について詳細な説明は省略する。
本実施形態の光源装置210は、
図8に示すように、光源部11と、集光レンズ12と、透光性蛍光体213と、取込み用レンズ14と、光ファイバ15とを備えている。
透光性蛍光体213は、
図9に示すように、入射面213aと、出射面213bとを有している。また、透光性蛍光体213には、集光レンズ12によって集光されたレーザ光が通過した部分に、蛍光を発する蛍光光源部220が形成される。
【0064】
なお、蛍光光源部220については、上述した実施形態1の蛍光光源部20とほぼ同じ形状および機能を有している。
入射面213aは、集光レンズ12側の面であって、レーザ光の伝播方向に垂直な平面に沿って配置されている。
出射面213bは、取込み用レンズ14側の面であって、取込み用レンズ14に向かって凸状の曲面を有している。
【0065】
これにより、透光性蛍光体213に照射されたレーザ光によって励起した蛍光は、出射面213bにおいて、透光性蛍光体213(YAG屈折率≒1.8)と空気との界面において屈折率の差による広がりを抑制されて、取込み用レンズ14へ取り込まれる。
この結果、取込み用レンズ14のサイズを小さくして、光源装置210の小型化を図ることができる。
【0066】
あるいは、取込み用レンズ14のサイズを固定した場合でも、出射される蛍光の拡散の程度が抑制されるため、蛍光を取り込む量を向上させることができる。
よって、より効果的に、高輝度化した光源を得ることができる。
(実施形態4)
本発明の実施形態4に係る光源装置について、
図10および
図11を用いて説明すれば以下の通りである。
【0067】
本実施形態に係る光源装置310は、
図10に示すように、集光レンズ12と透光性蛍光体313との間に凹面鏡316を設けるとともに、入射面および出射面の双方が凸状の曲面を有する透光性蛍光体313を設けた点において、上記実施形態1とは異なっている。
なお、光源装置310のその他の構成については、上記実施形態1の光源装置10と同様であることから、ここでは同じ符号を付し、その構成について詳細な説明は省略する。
【0068】
本実施形態の光源装置310は、
図10に示すように、光源部11と、集光レンズ12と、凹面鏡316と、透光性蛍光体313と、取込み用レンズ14と、光ファイバ15とを備えている。
凹面鏡316は、集光レンズ12と透光性蛍光体313との間に配置されており、透光性蛍光体313側の面に凹状の反射面を有している。そして、凹面鏡316は、集光レンズ12によって集光されたレーザ光を透過させるとともに、
図11に示すように、透光性蛍光体313の内部において発光した蛍光を反射する特性を有している。
【0069】
これにより、光源部11から照射され集光レンズ12によって集光されたレーザ光を、凹面鏡316によって遮ることなく、透光性蛍光体313へと照射することができる。さらに、
図11に示すように、透光性蛍光体313の内部に形成される蛍光光源部320から全方位に向けて放射された蛍光のうち、集光レンズ12側に放射された蛍光を凹面鏡316によって反射して透光性蛍光体313側へ戻すことができる。
【0070】
この結果、取込み用レンズ14では、上記実施形態1において取り込まれた蛍光よりも多くの蛍光を取り込んで光ファイバ15の第1面15aへ集光することができるため、従来よりもさらに高輝度化した光源を得ることができる。
さらに、凹面鏡316は、
図11に示すように、蛍光光源部320の中心軸A1に対して、凹状の曲面の中心が来るように配置されている。
【0071】
これにより、反射した蛍光を蛍光が発光した部分(蛍光光源部320)の位置へ集光させることができる。
この結果、取込み用レンズ14では、上記実施形態1において取り込まれた蛍光よりも多くの蛍光を取り込んで光ファイバ15の第1面15aへ集光することができるため、さらに効果的に高輝度化した光源を得ることができる。
【0072】
また、凹面鏡316は、集光レンズ12によって透光性蛍光体313内に集光されたレーザ光の集光点を中心とする球面あるいは非球面の形状を有していることがより好ましい。
これにより、反射した蛍光を蛍光が発光した部分(蛍光光源部320)へ集光させることができる。
【0073】
この結果、取込み用レンズ14では、上記実施形態1において取り込まれた蛍光よりも多くの蛍光を取り込んで光ファイバ15の第1面15aへ集光することができるため、さらに効果的に高輝度化した光源を得ることができる。
なお、凹面鏡316としては、上記実施形態2の凹面鏡116と同様に、ダイクロイックミラー、あるいは、メニスカスレンズの凹面に蛍光を反射する反射膜を蒸着させたレンズ、レーザ光を通過させる部分に開口を有し凹状の面において蛍光を反射させる穴あきミラー等を用いることができる。
【0074】
透光性蛍光体313は、
図11に示すように、入射面313aと、出射面313bとを有している。
入射面313aは、集光レンズ12側の面であって、集光レンズ12に向かって凸状の曲面を有している。
これにより、透光性蛍光体313に照射されたレーザ光によって励起した蛍光は、入射面313aにおいて、透光性蛍光体313(YAG屈折率≒1.8)と空気との界面において屈折率の差による広がりを抑制されて、凹面鏡316へ取り込まれる。
【0075】
この結果、凹面鏡316のサイズを小さくして、光源装置310の小型化を図ることができる。
あるいは、凹面鏡316のサイズを固定した場合でも、出射される蛍光の拡散の程度が抑制されるため、凹面鏡316において蛍光を反射する量を向上させることができる。
よって、より効果的に凹面鏡316によって蛍光を反射して、高輝度化した光源を得ることができる。
【0076】
一方、出射面313bは、取込み用レンズ14側の面であって、取込み用レンズ14に向かって凸状の曲面を有している。
これにより、透光性蛍光体313に照射されたレーザ光によって励起した蛍光は、出射面313bにおいて、透光性蛍光体313(YAG屈折率≒1.8)と空気との界面において屈折率の差による広がりを抑制されて、取込み用レンズ14へ取り込まれる。
【0077】
この結果、取込み用レンズ14のサイズを小さくして、光源装置310の小型化を図ることができる。
あるいは、取込み用レンズ14のサイズを固定した場合でも、出射される蛍光の拡散の程度が抑制されるため、蛍光を取り込む量を向上させることができる。
よって、より効果的に、高輝度化した光源を得ることができる。
【0078】
(実施形態5)
本発明の実施形態5に係る光源装置について、
図12および
図13を用いて説明すれば以下の通りである。
本実施形態に係る光源装置410は、
図12に示すように、集光レンズ12と透光性蛍光体413との間に凹面鏡416を設けるとともに、入射面が凸状の曲面を有する透光性蛍光体413を設けた点において、上記実施形態1とは異なっている。
【0079】
なお、光源装置410のその他の構成については、上記実施形態1の光源装置10と同様であることから、ここでは同じ符号を付し、その構成について詳細な説明は省略する。
本実施形態の光源装置410は、
図12に示すように、光源部11と、集光レンズ12と、凹面鏡416と、透光性蛍光体413と、取込み用レンズ14と、光ファイバ15とを備えている。
【0080】
凹面鏡416は、集光レンズ12と透光性蛍光体413との間に配置されており、透光性蛍光体413側の面に凹状の反射面を有している。そして、凹面鏡416は、集光レンズ12によって集光されたレーザ光を透過させるとともに、
図13に示すように、透光性蛍光体413の内部において発光した蛍光を反射する特性を有している。
これにより、光源部11から照射され集光レンズ12によって集光されたレーザ光を、凹面鏡416によって遮ることなく、透光性蛍光体413へと照射することができる。さらに、
図13に示すように、透光性蛍光体413の内部に形成される蛍光光源部420から全方位に向けて放射された蛍光のうち、集光レンズ12側に放射された蛍光を凹面鏡416によって反射して透光性蛍光体413側へ戻すことができる。
【0081】
この結果、取込み用レンズ14では、上記実施形態1において取り込まれた蛍光よりも多くの蛍光を取り込んで光ファイバ15の第1面15aへ集光することができるため、従来よりもさらに高輝度化した光源を得ることができる。
さらに、凹面鏡416は、
図13に示すように、蛍光光源部420の中心軸A1に対して、凹状の曲面の中心が来るように配置されている。
【0082】
これにより、反射した蛍光を蛍光が発光した部分(蛍光光源部420)の位置へ集光させることができる。
この結果、取込み用レンズ14では、上記実施形態1において取り込まれた蛍光よりも多くの蛍光を取り込んで光ファイバ15の第1面15aへ集光することができるため、さらに効果的に高輝度化した光源を得ることができる。
【0083】
また、凹面鏡416は、集光レンズ12によって透光性蛍光体413内に集光されたレーザ光の集光点を中心とする球面あるいは非球面の形状を有していることがより好ましい。
これにより、反射した蛍光を蛍光が発光した部分(蛍光光源部420)へ集光させることができる。
【0084】
この結果、取込み用レンズ14では、上記実施形態1において取り込まれた蛍光よりも多くの蛍光を取り込んで光ファイバ15の第1面15aへ集光することができるため、さらに効果的に高輝度化した光源を得ることができる。
なお、凹面鏡416としては、上記実施形態2の凹面鏡116と同様に、ダイクロイックミラー、あるいは、メニスカスレンズの凹面に蛍光を反射する反射膜を蒸着させたレンズ、レーザ光を通過させる部分に開口を有し凹状の面において蛍光を反射させる穴あきミラー等を用いることができる。
【0085】
透光性蛍光体413は、
図13に示すように、入射面413aと、出射面413bとを有している。
入射面413aは、集光レンズ12側の面であって、集光レンズ12に向かって凸状の曲面を有している。
出射面413bは、取込み用レンズ14側の面であって、レーザ光の伝播方向に垂直な平面に沿って配置されている。
【0086】
これにより、透光性蛍光体413に照射されたレーザ光によって励起して全方位に向かって放射される蛍光は、入射面413aにおいて、透光性蛍光体313(YAG屈折率≒1.8)と空気との界面において屈折率の差による広がりを抑制されて、凹面鏡416へ取り込まれる。
この結果、凹面鏡416のサイズを小さくして、光源装置410の小型化を図ることができる。
【0087】
あるいは、凹面鏡416のサイズを固定した場合でも、出射される蛍光の拡散の程度が抑制されるため、凹面鏡416において蛍光を反射する量を向上させることができる。
よって、より効果的に凹面鏡416によって蛍光を反射して、高輝度化した光源を得ることができる。
(実施形態6)
本発明の実施形態6に係る光源装置について、
図14から
図16を用いて説明すれば以下の通りである。
【0088】
本実施形態に係る光源装置510は、
図14に示すように、透光性蛍光体13と取込み用レンズ14の間に凹面鏡516を設けた点において、上記実施形態1とは異なっている。
なお、光源装置510のその他の構成については、上記実施形態1の光源装置10と同様であることから、ここでは同じ符号を付し、その構成について詳細な説明は省略する。
【0089】
本実施形態の光源装置510は、
図14に示すように、光源部11と、集光レンズ12と、透光性蛍光体13と、凹面鏡516と、取込み用レンズ14と、光ファイバ15とを備えている。
凹面鏡516は、透光性蛍光体13と取込み用レンズ14との間に配置されており、透光性蛍光体13側の入射面に凹状の反射面を有している。そして、凹面鏡516は、透光性蛍光体13において励起された蛍光を透過させるとともに、透光性蛍光体13を透過してきたレーザ光を反射する特性を有している。
【0090】
これにより、透光性蛍光体13の内部に形成される蛍光光源部120から全方位に向けて放射された蛍光のうち、取込み用レンズ14側へ放射された蛍光を、凹面鏡516によって遮ることなく、取込み用レンズ14において取り込むことができる。
さらに、
図15に示すように、透光性蛍光体13において吸収されることなく透過してきたレーザ光を、凹面鏡516によって反射して透光性蛍光体13側へ戻すことができる。
【0091】
この結果、透光性蛍光体13では、上記実施形態1において照射されたレーザ光よりも多くの励起光を取り込んで蛍光を励起されることができるため、従来よりもさらに高輝度化した光源を得ることができる。
さらに、凹面鏡516は、
図15に示すように、蛍光光源部520の中心軸A1に対して、凹状の曲面の中心が来るように配置されている。
【0092】
これにより、反射したレーザ光を蛍光が発光した部分(蛍光光源部520)の位置へ再び集光させることができる。
この結果、透光性蛍光体13では、上記実施形態1において照射されたレーザ光よりも多くの励起光を取り込んで蛍光を励起されることができるため、従来よりもさらに高輝度化した光源を得ることができる。
【0093】
また、凹面鏡516は、集光レンズ12によって透光性蛍光体13内に集光されたレーザ光の集光点を中心とする球面あるいは非球面の形状を有していることがより好ましい。
これにより、反射したレーザ光を蛍光が発光した部分(蛍光光源部520)へ再び集光させることができる。
この結果、取込み用レンズ14では、上記実施形態1において取り込まれた蛍光よりも多くの蛍光を取り込んで光ファイバ15の第1面15aへ集光することができるため、さらに効果的に高輝度化した光源を得ることができる。
【0094】
なお、凹面鏡516としては、ダイクロイックミラー、あるいは、メニスカスレンズの凹面にレーザ光を反射する反射膜を蒸着させたレンズ等を用いることができる。
例えば、凹面鏡516としてダイクロイックミラーを用いた場合には、
図16に示すように、約480nm以下の波長の光を反射させるとともに、約480nmより大きい波長の光を透過させることで、蛍光を透過させつつレーザ光を反射させることができる。
【0095】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態4等では、入射面および出射面側の少なくとも一方に凸状の曲面を有する透光性蛍光体を用いた光源装置を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、
図17(a)および
図17(b)に示すように、レーザ光が通過する部分にのみ凸状の曲面部613aaを持つ入射面613aと、蛍光が通過する部分にのみ凸状の曲面部613baを持つ出射面613bとを備えた透光性蛍光体613を用いてもよい。
【0098】
(C)
上記実施形態では、光源装置10に搭載される透光性蛍光体として、単結晶の蛍光体を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、単結晶の蛍光体の代わりに、透光性セラミックスの蛍光体を用いてもよい。
【0099】
(D)
上記実施形態では、取込み用レンズおよび光ファイバを構成として備えた光源装置10等を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、取込み用レンズや光ファイバを持たない構成を、本発明の光源装置としてもよい。
【0100】
(E)
上記実施形態では、共焦点計測装置(測距センサ)50の光源装置10に対して本発明を適用した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明の光源装置が搭載される測距センサとしては、共焦点計測装置等の測距センサに限らず、他の測距センサを用いてもよい。
また、光源装置としては、ヘッドライト、内視鏡の光源装置としても、本発明の適用が可能である。