特許第6753648号(P6753648)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6753648
(24)【登録日】2020年8月24日
(45)【発行日】2020年9月9日
(54)【発明の名称】配信装置、広告装置および配信方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 19/00 20060101AFI20200831BHJP
   G06F 3/048 20130101ALI20200831BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20200831BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20200831BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20200831BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20200831BHJP
【FI】
   G09F19/00 Z
   G06F3/048
   G06F13/00 540P
   G06Q30/02
   G09G5/00 510B
   G09G5/00 520W
   G09G5/00 530T
   G09G5/00 555D
   H04M11/00 302
【請求項の数】20
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2015-8873(P2015-8873)
(22)【出願日】2015年1月20日
(65)【公開番号】特開2016-133663(P2016-133663A)
(43)【公開日】2016年7月25日
【審査請求日】2017年3月15日
【審判番号】不服2019-1630(P2019-1630/J1)
【審判請求日】2019年2月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安宅 和人
(72)【発明者】
【氏名】高田 徹
(72)【発明者】
【氏名】志立 正嗣
(72)【発明者】
【氏名】禹 ナリ
(72)【発明者】
【氏名】滝 由貴
(72)【発明者】
【氏名】栗田 直也
【合議体】
【審判長】 藤本 義仁
【審判官】 藤田 年彦
【審判官】 尾崎 淳史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−48765(JP,A)
【文献】 特許第5646709(JP,B1)
【文献】 特開2003−22042(JP,A)
【文献】 特開2012−137805(JP,A)
【文献】 特開2003−324547(JP,A)
【文献】 特開2004−536366(JP,A)
【文献】 特開2011−175329(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/155682(WO,A1)
【文献】 特開2009−100470(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を有する端末装置に制御情報とともに、所定の装置から配信された広告コンテンツが表示されるコンテンツの一部領域である所定の表示枠を含むコンテンツを配信する配信部を有し、
前記制御情報は、
表示サイズが前記表示部のサイズより大きい広告コンテンツであって、前記所定の表示枠に表示される広告コンテンツを表示する表示制御を行う表示制御手順と、
前記表示制御手順により表示された前記広告コンテンツに対するユーザの閲覧態様に関する情報を取得する取得手順と、
前記取得手順により取得された閲覧態様に関する情報を、前記閲覧態様に応じて課金額を算定する前記所定の装置に送信する送信手順と、
を前記端末装置に実行させ、
前記取得手順は、前記閲覧態様に関する情報として、前記広告コンテンツ全体の面積に対する前記ユーザが当該広告コンテンツを視認した領域の面積である視認率を取得する
ことを特徴とする配信装置。
【請求項2】
前記制御情報は、
前記広告コンテンツに対するユーザの閲覧態様に関する情報を取得する取得手順と、
前記取得手順により取得された閲覧態様に関する情報を、前記広告コンテンツを配信する前記所定の装置に送信する送信手順と、
を前記端末装置にさらに実行させることを特徴とする請求項1に記載の配信装置。
【請求項3】
前記取得手順は、前記閲覧態様に関する情報として、前記広告コンテンツ全体の面積に対する、前記表示部に表示された当該広告コンテンツの面積の割合である表示率を取得する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の配信装置。
【請求項4】
前記取得手順は、前記閲覧態様に関する情報として、前記表示部に前記広告コンテンツが表示された時間を取得する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の配信装置。
【請求項5】
前記取得手順は、前記閲覧態様に関する情報として、前記広告コンテンツに対する前記ユーザの操作に関する情報を取得する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の配信装置。
【請求項6】
前記取得手順は、前記ユーザの操作に関する情報として、前記表示部に表示されている前記広告コンテンツに対して前記ユーザが操作した時間を取得する
ことを特徴とする請求項5に記載の配信装置。
【請求項7】
前記取得手順は、前記ユーザの操作に関する情報として、前記表示部に表示されている前記広告コンテンツの移動量、または、前記表示部に表示されている前記広告コンテンツの移動速度を取得する
ことを特徴とする請求項5または6に記載の配信装置。
【請求項8】
前記配信部は、前記広告コンテンツとともに、表示サイズが前記表示部のサイズより小さい前記広告コンテンツと関連する関連コンテンツを受信する前記端末装置に前記制御情報を配信し、
前記表示制御手順は、前記広告コンテンツと前記関連コンテンツとの表示態様を制御する
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の配信装置。
【請求項9】
前記表示制御手順は、前記広告コンテンツの上に前記関連コンテンツを重ねて表示するとともに、前記関連コンテンツを前記表示部の画面内に表示する
ことを特徴とする請求項8に記載の配信装置。
【請求項10】
前記配信部は、前記関連コンテンツとして、前記広告コンテンツにおける所定の位置へ前記ユーザを誘導するためのコンテンツを受信する前記端末装置に前記制御情報を配信し、
前記表示制御手順は、前記所定の位置へ前記ユーザを誘導するように、前記広告コンテンツの上に前記関連コンテンツを重ねて表示する
ことを特徴とする請求項8または9に記載の配信装置。
【請求項11】
前記配信部は、前記関連コンテンツとして、前記広告コンテンツに関する商品の購入情報、または、詳細情報、または、クーポンに関するコンテンツを受信する前記端末装置に前記制御情報を配信し、
前記表示制御手順は、前記広告コンテンツの上に前記関連コンテンツを重ねて表示する
ことを特徴とする請求項8〜10のいずれか一つに記載の配信装置。
【請求項12】
前記表示制御手順は、前記表示部に表示されている前記広告コンテンツの位置を示す情報を、前記広告コンテンツの上に重ねて表示する
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の配信装置。
【請求項13】
前記配信部は、前記広告コンテンツとともに、当該広告コンテンツの初期表示位置に関する情報を受信する前記端末装置に前記制御情報を配信し、
前記表示制御手順は、前記初期表示位置に関する情報に基づいて、前記広告コンテンツを表示する
ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の配信装置。
【請求項14】
前記表示制御手順は、前記広告コンテンツの上に所定のコンテンツを透過させた状態で重ねて表示する
ことを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の配信装置。
【請求項15】
前記表示制御手順は、前記広告コンテンツにおける所定の位置に向かって当該広告コンテンツを移動させる
ことを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載の配信装置。
【請求項16】
端末装置の表示部のサイズより大きく表示される広告コンテンツであって、コンテンツの一部領域である所定の表示枠に表示される広告コンテンツと、当該広告コンテンツの入札情報を受け付ける入稿受付部と、
前記入稿受付部によって受け付けられた入札情報に基づいて、配信対象の広告コンテンツと、移動操作に応じて前記表示部に表示される表示順を決定する決定部と、
前記決定部によって決定された広告コンテンツを、前記表示順で表示されるよう前記端末装置に配信する配信部と、
を有し、
前記入稿受付部は、前記入札情報として、前記広告コンテンツにおける単位画素数当たりの金額、または、前記広告コンテンツにおける単位画素数当たりの金額および前記表示部に表示される際の前記広告コンテンツのサイズを受け付ける
ことを特徴とする広告装置。
【請求項17】
前記配信部は、前記決定部によって決定された広告コンテンツと表示順とを前記端末装置に配信する
ことを特徴とする請求項16に記載の広告装置。
【請求項18】
前記配信部は、前記広告コンテンツとともに、前記表示順で表示されるよう当該広告コンテンツが配置されるコンテンツを配信する装置に対し、前記決定部によって決定された広告コンテンツと表示順とを配信する
ことを特徴とする請求項16に記載の広告装置。
【請求項19】
前記配信部は、広告コンテンツが前記表示部に表示される表示対象となる度に当該広告コンテンツの要求を送信する前記端末装置から当該要求を受け付けた場合に、当該要求に応じた広告コンテンツを配信する
ことを特徴とする請求項16に記載の広告装置。
【請求項20】
コンピュータが実行する配信方法であって、
表示部を有する端末装置に制御情報とともに、所定の装置から配信された広告コンテンツが表示されるコンテンツの一部領域である所定の表示枠を含むコンテンツを配信する配信工程を含み、
前記制御情報は、
表示サイズが前記端末装置の表示部のサイズより大きい広告コンテンツであって、前記所定の表示枠に表示される広告コンテンツを表示する表示制御を行う表示制御手順と、
前記表示制御手順により表示された前記広告コンテンツに対するユーザの閲覧態様に関する情報を取得する取得手順と、
前記取得手順により取得された閲覧態様に関する情報を、前記閲覧態様に応じて課金額を算定する前記所定の装置に送信する送信手順と、
を前記端末装置に実行させ、
前記取得手順は、前記閲覧態様に関する情報として、前記広告コンテンツ全体の面積に対する前記ユーザが当該広告コンテンツを視認した領域の面積である視認率を取得する
ことを特徴とする配信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信装置、広告装置および配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの飛躍的な普及に伴い、インターネットを介した広告配信が盛んに行われている。例えば、端末装置は、ページ内に広告コンテンツの表示領域である広告枠が配置されている場合は、広告枠毎に広告配信装置から広告コンテンツを取得し、取得した広告コンテンツを各広告枠に表示する。
【0003】
ここで、端末装置に対する直観的な操作で、端末装置に表示される画像の移動、拡大、縮小ができる技術が知られている(例えば、特許文献1)。また、端末装置を持った手で、その表示内容の変化指示や各種入力を容易に行える技術が知られている(例えば、特許文献2)。
【0004】
例えば、特許文献1には、携帯端末をユーザが動かすと、その携帯端末の動きを加速度センサで検出し、その動きに応じて画像の表示位置移動および拡大・縮小がされること等が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、片手で操作する端末装置の加速度を検出し、検出された加速度値から求めた端末装置の移動量に基づいて、表示内容を制御すること等が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−248811号公報
【特許文献2】特開平6−4208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の従来技術では、広告効果を高めることができるとは限らない。例えば、上記の従来技術は、ユーザによる端末装置に対する操作性を向上させる技術に過ぎないため、広告コンテンツの広告効果を高めることができるとは限らない。
【0008】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、広告効果を高めることができる配信装置および配信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願に係る配信装置は、表示部を有する端末装置に制御情報を配信する配信部を有し、前記制御情報は、表示サイズが前記表示部のサイズより大きい広告コンテンツの表示態様を制御する表示制御手順を前記端末装置に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
実施形態の一態様によれば、広告コンテンツの広告効果を高めることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る広告処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る広告システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
図4図4は、表示部に対する広告コンテンツの大きさの態様およびウェブページにおける広告枠の設置位置を説明する図である。
図5図5は、表示率取得処理の一例を説明する図である。
図6図6は、実施形態に係る広告サーバ装置の構成例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る広告コンテンツ記憶部の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る閲覧態様記憶部の一例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る広告処理システムによる広告処理手順を示すシーケンス図である。
図10図10は、変形例に係る広告サーバ装置の構成例を示す図である。
図11図11は、変形例に係る広告コンテンツ記憶部の一例を示す図である。
図12図12は、広告コンテンツの上に関連コンテンツを重ねて表示する場合の表示制御処理の一例を示す図である。
図13図13は、広告コンテンツの上に関連コンテンツを重ねて表示する場合の表示態様の一例を示す図である。
図14図14は、変形例に係る広告サーバ装置の構成例を示す図である。
図15図15は、変形例に係る広告コンテンツ記憶部の一例を示す図である。
図16図16は、広告コンテンツの上にウェブページを透過させた状態で重ねて表示する表示制御処理を説明する図である。
図17図17は、端末装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本願に係る配信装置、端末装置、配信方法および端末プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る配信装置、端末装置、配信方法および端末プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0013】
〔1.広告処理〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る広告処理のうち、表示処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る広告処理の一例を示す図である。図1に示す例では、広告システム1は、コンテンツサーバ装置20、端末装置100および広告サーバ装置200を有する。
【0014】
コンテンツサーバ装置20は、端末装置100からの要求に応じて、端末装置100に対して、広告コンテンツが表示される広告枠を含むウェブページ等のコンテンツを配信する。広告サーバ装置200は、端末装置100からの要求に応じて、広告コンテンツを端末装置100へ送信する。
【0015】
ここで、本実施形態に係る広告コンテンツについて説明する。本実施形態において広告コンテンツは、後述する端末装置100の表示部130のサイズよりも大きく表示される。例えば、広告コンテンツの縦サイズは、表示部130の縦サイズより長く表示される。または、広告コンテンツの横サイズは、表示部130の横サイズよりも長く表示される。
【0016】
端末装置100は、スマートフォン等の端末装置である。端末装置100は、液晶ディスプレイ等の表示部130を有する。そして、端末装置100は、コンテンツサーバ装置20から受け付けたコンテンツや、広告サーバ装置200から受け付けた広告コンテンツを表示部130に表示する表示制御を行う。
【0017】
このような広告システム1における処理の流れについて説明する。まず、端末装置100は、ユーザの操作に従い、ウェブページW1を要求するページリクエストをコンテンツサーバ装置20へ送信する(Step1)。
【0018】
コンテンツサーバ装置20は、端末装置100からのページリクエストに応じて、広告枠F1を含むウェブページW1を端末装置100へ配信する(Step2)。端末装置100は、コンテンツサーバ装置20からウェブページW1を受け付けると、受け付けたウェブページW1に広告枠F1が含まれることから、広告枠F1に配置する広告コンテンツの配信の要求である広告リクエストを広告サーバ装置200へ送信する(Step3)。
【0019】
広告サーバ装置200は、端末装置100から広告リクエストを受け付けると、受け付けた広告リクエストに応じて端末装置100へ配信する配信対象の広告コンテンツを決定する決定処理を行う(Step4)。例えば、広告サーバ装置200は、広告コンテンツの入稿元である広告主から受け付けた入札情報に基づき、配信対象の広告コンテンツを決定する。ここでは、広告サーバ装置200は、広告コンテンツAD1を配信対象として決定したとする。そして、広告サーバ装置200は、決定した広告コンテンツAD1とともに、制御情報を端末装置100へ配信する(Step5)。
【0020】
制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)等のプログラムであり、広告サーバ装置200から受信した広告コンテンツに対する各種表示制御処理、ユーザの閲覧態様に関する情報の取得処理およびユーザ操作に関する情報の取得処理等を実行するよう端末装置100に指示する制御プログラムである。
【0021】
端末装置100は、広告サーバ装置200から広告コンテンツAD1を受け付けると、広告枠F1に広告コンテンツAD1が配置されたウェブページW1を表示部130に表示する。図1の例では、広告枠F1は、ウェブページW1の上端に設けられるため、端末装置100は、広告コンテンツAD1を最初に表示(初期表示)することになる。このように端末装置100により、広告コンテンツAD1が初期表示された状態を第1状態とする。
【0022】
そして、広告コンテンツAD1は、上述したように、端末装置100の表示部130のサイズより大きく表示される。つまり、ウェブページW1には、表示部130のサイズより大きい広告枠F1が設けられていることにより、広告コンテンツAD1は、表示部130のサイズより大きく表示される。このため、広告コンテンツAD1の一部が表示部130に表示されることになる。図1は、広告コンテンツAD1の縦サイズは、表示部130の縦サイズより長く、広告コンテンツAD1の横サイズは、表示部130の横サイズと一致して表示されている例を示す。
【0023】
次に、広告処理のうち、広告サーバ装置200による広告主に対する課金処理について説明する。広告サーバ装置200の管理者は、広告サーバ装置200を用いて、端末装置100の表示部130のサイズより大きく表示される広告コンテンツを端末装置100へ配信することで、かかる広告コンテンツの広告効果を高めようとする。そして、広告サーバ装置200の管理者は、広告サーバ装置200を用いて、広告コンテンツに対するユーザの閲覧や操作情報に基づき、広告主に課金する。
【0024】
ここで、上述したように制御情報は、端末装置100に広告コンテンツに対する各種表示制御処理だけでなく、広告コンテンツに対するユーザの閲覧態様に関する情報やユーザ操作に関する情報の取得処理等を端末装置100に実行させる。
【0025】
以下では、端末装置100により取得された広告コンテンツに対するユーザ操作に関する情報として、広告コンテンツがスクロールにより移動された量(以下では、「移動量」と表記する場合がある)に応じて、広告サーバ装置200が課金額を算定する処理を一例として用いて説明する。
【0026】
まず、表示部130における表示状態は、図1に示す第1状態であるとする。そして、ユーザが表示部130に対して上方向へスクロール操作したことにより、表示部130における表示状態は、図1に示す第2状態へ移行したとする。
【0027】
このとき、端末装置100は、制御情報の指示に従い、表示部130内において広告コンテンツがスクロールにより移動された移動量を取得する(Step6)。そして、端末装置100は、取得した移動量、広告コンテンツAD1の識別情報である広告IDとを対応付けて広告サーバ装置200へ送信する(Step7)。
【0028】
広告サーバ装置200は、端末装置100から受け付けた移動量に基づき課金額を算定する算定処理を行う(Step8)。そして、広告サーバ装置200は、例えば、広告コンテンツAD1の広告IDに従って、広告コンテンツAD1の広告主の端末装置へ課金額を送信することにより一連の課金処理を完了する。
【0029】
このように、実施形態に係る広告サーバ装置200は、制御情報を端末装置100に配信することで、表示部130のサイズより大きく広告コンテンツを表示させる。これにより、広告サーバ装置200は、ユーザに対し広告コンテンツをより注視させたり、広告コンテンツへの興味をより高めたりすることができるので、広告効果を高めることができる。また、制御情報は、端末装置100は、表示部130のサイズより大きく表示される広告コンテンツに対するスクロールによる移動量を取得させる。これにより、広告サーバ装置200は、表示部130のサイズより大きく広告コンテンツが表示される場合であっても、広告主に対して、公平な課金額を算定することができる。
【0030】
〔2.広告システム〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る広告システムの構成について説明する。図2は、実施形態に係る広告システム1の構成例を示す図である。図2に示すように、広告システム1は、広告主端末5と、コンテンツサーバ装置20と、端末装置100と、広告サーバ装置200とを含む。広告主端末5、コンテンツサーバ装置20、端末装置100および広告サーバ装置200は、ネットワークNを介して有線又は無線により通信可能に接続される。なお、図2に示す広告システム1には、複数台の広告主端末5や、複数台のコンテンツサーバ装置20や、複数台の端末装置100や、複数台の広告サーバ装置200が含まれてもよい。
【0031】
広告主端末5は、広告主によって利用される情報処理装置である。例えば、広告主端末5は、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット端末や、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。広告主端末5は、広告主による操作にしたがって、広告コンテンツを広告サーバ装置200に入稿する。例えば、広告主端末5は、広告コンテンツとして、静止画像や、動画像や、テキストデータや、広告主が管理する広告主サーバによって配信される広告主ページにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)等を広告サーバ装置200に入稿する。
【0032】
なお、広告主は、広告コンテンツの入稿を代理店に依頼する場合がある。この場合、広告サーバ装置200に広告コンテンツを入稿するのは代理店となる。以下では、「広告主」といった表記は、広告主だけでなく代理店を含む概念であり、「広告主端末」といった表記は、広告主端末5だけでなく代理店によって利用される代理店装置を含む概念であるものとする。
【0033】
コンテンツサーバ装置20は、端末装置100にウェブページ等のコンテンツを配信するウェブサーバ等である。例えば、コンテンツサーバ装置20は、ニュースサイト、オークションサイト、天気予報サイト、ショッピングサイト、ファイナンス(株価)サイト、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行サイト、飲食店紹介サイト、ウェブブログ等に関する各種ウェブページを配信する。
【0034】
コンテンツサーバ装置20によって配信されるウェブページは、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)により記述されたHTMLファイルや、XML(Extensible Markup Language)により記述されたXMLファイル等により形成される。また、コンテンツサーバ装置20によって配信されるウェブページには所定の広告枠が設定されており、かかる広告枠に配置する広告取得命令が含まれる。例えば、ウェブページを形成するHTMLファイル等には、広告サーバ装置200のURL等が広告取得命令として記述される。この場合、端末装置100は、HTMLファイル等に記述されているURLにアクセスすることで、広告サーバ装置200から広告コンテンツを取得する。
【0035】
なお、コンテンツサーバ装置20から端末装置100に配信される各種データは、実際にはウェブページを形成するHTMLファイルや画像等であるが、以下では、コンテンツサーバ装置20から端末装置100に配信される各種データを「ウェブページ」と表記する場合がある。
【0036】
端末装置100は、ユーザによって利用される情報処理装置である。例えば、端末装置10は、デスクトップ型PCや、ノート型PCや、タブレット端末や、携帯電話機や、PDA等である。また、端末装置100は、ユーザによる操作に従って、コンテンツサーバ装置20からウェブページを取得し、取得したウェブページを表示する。また、端末装置100は、ウェブページに上述した広告取得命令が含まれる場合には、広告サーバ装置200から広告コンテンツを取得し、取得した広告コンテンツをウェブページとともに表示する。また、端末装置100は、制御情報に従って、広告コンテンツにおける表示制御処理や、表示した広告コンテンツに対するユーザの閲覧に関する情報等を取得する。
【0037】
広告サーバ装置200は、広告主端末5から入稿された広告コンテンツを配信するサーバ装置である。例えば、広告サーバ装置200は、端末装置100から広告コンテンツの配信の要求である広告リクエストを受け付けた場合に、広告コンテンツを端末装置100に配信する。また、広告サーバ装置200は、配信対象となる広告コンテンツに対する各種表示制御処理、ユーザの閲覧態様に関する情報の取得処理およびユーザ操作に関する情報の取得処理等を端末装置100に実行させるための制御情報を端末装置100に配信する。この制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)やCSS(Cascading Style Sheets)等のスクリプト言語により記述される。また、広告サーバ装置200は、制御情報によって取得された閲覧態様に関する情報やユーザ操作に関する情報に基づいて、広告主への課金額を算定する処理を行う。
【0038】
〔3.端末装置の構成〕
次に、図3を用いて、実施形態に係る端末装置100の構成について説明する。図3は、実施形態に係る端末装置100の構成例を示す図である。図3に示すように、端末装置100は、通信部110と、入力部120と、表示部130と、制御部140とを有する。
【0039】
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、コンテンツサーバ装置20や広告サーバ装置200との間で情報の送受信を行う。
【0040】
入力部120は、ユーザから各種操作を受け付ける入力装置である。例えば、入力部120は、キーボードやマウスや操作キー等によって実現される。表示部130は、各種情報を表示するための表示装置である。例えば、表示部130は、液晶ディスプレイ等によって実現される。なお、端末装置100にタッチパネルが採用される場合には、入力部120と出力部130とは一体化される。
【0041】
制御部140は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、端末装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM(Random Access Memory)を作業領域として実行されることにより実現される。例えば、この各種プログラムは、ウェブブラウザと呼ばれるアプリケーションプログラムに該当する。また、制御部140は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated CircuitやFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0042】
図3に示すように、制御部140は、要求部141と、受信部142と、表示制御部143と、取得部144とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部140の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部140が有する各処理部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。なお、受信部142、表示制御部143および取得部144は、制御部140において、上述した制御情報が実行されることにより生成される部位である。
【0043】
要求部141は、入力部120を用いたユーザ操作に従って、コンテンツサーバ装置20にウェブページの配信を要求するページリクエストを送信する。また、要求部141は、受信部142によって受け付けられたウェブページに広告取得命令が含まれる場合に、広告コンテンツの配信を要求する広告リクエストを広告サーバ装置200に送信する。
【0044】
受信部142は、ウェブページと広告コンテンツとを受け付ける。具体的には、受信部142は、要求部141によって送信されたウェブページのリクエストに応答したコンテンツサーバ装置20から、広告表示領域である広告枠を含むウェブページを受け付ける。このとき、受信部142は、ウェブページに広告取得命令が含まれる場合には、広告コンテンツの配信を要求する広告リクエストを送信するよう要求部141に指示する。そして、受信部142は、要求部141によって送信された広告リクエストに応答した広告サーバ装置200から、広告コンテンツを受信する。
【0045】
表示制御部143は、受信部142によって受信された広告コンテンツを表示部130に表示制御する。なお、本実施形態では、表示制御部143は、特に広告コンテンツに関する表示制御処理を実行するものとして説明するが、受信部142によって受信されたウェブページも表示部130に表示制御するものであってよい。
【0046】
ここで、本実施形態に係る広告コンテンツについて説明する。本実施形態において広告コンテンツは、表示部130のサイズよりも大きく表示される。例えば、ウェブページ等に表示部130のサイズより大きい広告枠が設けられていることにより、かかる広告枠に配置された広告コンテンツは、表示部130のサイズより大きく表示される。
【0047】
ここで、図1では、広告コンテンツの縦サイズは、表示部130の縦サイズより長く、広告コンテンツの横サイズは、表示部130に一致している例を示した。また、図1では、広告枠は、ウェブページの上端に設けられる例を示した。しかし、必ずしもこの例に限られない。この点について、図4を用いて説明する。図4は、表示部130に対する広告コンテンツの大きさの態様およびウェブページにおける広告枠の設置位置を説明する図である。
【0048】
例えば、図4(A)は、広告枠F2に配置された広告コンテンツAD2の一部が、表示部130に表示されている例を示すが、かかる例のように、広告コンテンツの縦サイズは、表示部130の縦サイズより長く、また、広告コンテンツの横サイズは、表示部130の横サイズより長くてもよい。また、図4(B)および(C)でも同様の態様を示す。
【0049】
次に、ウェブページにおける広告枠の設置位置について、説明する。図4(A)に示すように、広告枠は、ウェブページの上端に設けられてよい。図4(A)は、広告枠F2がウェブページの上端L2に設けられている例を示す。例えば、端末装置100において、要求部141によるコンテンツサーバ装置20へのウェブページW2のリクエストにより、受信部142は、ウェブページW2を受信する。また、受信したウェブページW2は、その上端L2に表示部130のサイズより大きい広告コンテンツを配置する広告枠F2を含むことから、要求部141による広告サーバ装置200への広告リクエストにより、受信部142は、広告コンテンツAD2を受信する。そして、ウェブページW2の上端L2に対して広告枠F2が設けられるといった位置関係により、表示制御部143は、広告枠F2に広告コンテンツAD2を配置するとともに、表示部130において広告コンテンツAD2を初期表示する。
【0050】
次に、図4(B)について説明する。図4(B)に示すように、広告枠は、ウェブページの内部に挿入されてよい。図4(B)は、広告枠F3がウェブページW3の内部に挿入されている例を示す。例えば、端末装置100において、要求部141によるコンテンツサーバ装置20へのウェブページW3のリクエストにより、受信部142は、ウェブページW3を受信する。また、受信したウェブページW3は、その内部に表示部130のサイズより大きい広告コンテンツを配置する広告枠F3が挿入されていることから、要求部141による広告サーバ装置200への広告リクエストにより、受信部142は、広告コンテンツAD3を受信する。そして、ウェブページW3内部に広告枠F3が挿入されているといった位置関係により、表示制御部143は、広告枠F3に広告コンテンツAD3を配置するとともに、表示部130において、ウェブページW3を初期表示する。このような場合、表示制御部143は、例えば、ユーザのスクロール操作に応じて広告コンテンツAD3を表示することになる。
【0051】
次に、図4(C)について説明する。図4(C)に示すように、広告枠は、ウェブページの下端に設けられてよい。図4(C)は、広告枠F4がウェブページの下端L4に設けられている例を示す。例えば、端末装置100において、要求部141によるコンテンツサーバ装置20へのウェブページW4のリクエストにより、受信部142は、ウェブページW4を受信する。また、受信したウェブページW4は、その下端に表示部130のサイズより大きい広告コンテンツを配置する広告枠F4が設けられていることから、要求部141による広告サーバ装置200への広告リクエストにより、受信部142は、広告コンテンツAD4を受信する。そして、ウェブページW4の下端L4に対して広告枠F4が設けられるといった位置関係により、表示制御部143は、広告枠F4に広告コンテンツAD4を配置するとともに、表示部130において、ウェブページW4を初期表示する。このような場合、表示制御部143は、例えば、ユーザのスクロール操作に応じて広告コンテンツAD4を表示することになる。
【0052】
図3に戻り、取得部144は、広告コンテンツに対するユーザの閲覧態様を取得する。具体的には、取得部144は、閲覧態様に関する情報として、広告コンテンツの表示率、注視率および表示時間、また、ユーザによる広告コンテンツの操作時間、移動量および移動速度を取得する。以下それぞれの情報について説明する。
【0053】
例えば、取得部144は、広告コンテンツ全体の面積に対する、表示部130に表示された広告コンテンツの面積の割合である表示率を取得する。
【0054】
取得部144による表示率取得処理の一例について、図5を用いて説明する。図5は、表示率取得処理の一例を説明する図である。なお、図5における広告コンテンツとウェブページの位置関係は、図4(A)に対応するものとする。まず、取得部144は、表示部130に広告コンテンツが表示されているか否かを判定する。図5は、表示制御部143により広告コンテンツAD2が表示部130に初期表示されている状態であるため、取得部144は、表示部130に広告コンテンツAD2が表示されていると判定する。
【0055】
そして、取得部144は、表示部130に広告コンテンツAD2が表示されている判定したことにより、広告コンテンツAD2において、表示部130に表示された領域を連続的に記憶してゆく。ここで、図5に示す斜線領域A2は、スクロール操作により、表示部130において広告コンテンツAD2が表示された領域を示す。そして、取得部144は、スクロール、他のウェブページへの遷移、端末装置100の電源オフ等により、表示部130に広告コンテンツAD2が表示されなくなった場合に、記憶しておいた斜線領域A2の面積を算出する。そして、取得部144は、広告コンテンツAD2の全体の面積に対する斜線領域A2の面積の割合を表示率として取得し、広告コンテンツAD2の広告IDおよび端末装置100を識別するユーザIDを、取得した表示率に対応付けて広告サーバ装置200へ送信する。
【0056】
なお、取得部144は、各ユーザIDにおいて一度記憶した斜線領域を重複して記憶しないよう設定されることが望ましい。
【0057】
また、取得部144は、閲覧態様に関する情報として、広告コンテンツ全体の面積に対するユーザが広告コンテンツを視認した領域の面積である注視率を取得する。この場合、端末装置100には、所定のウェブカメラが設置されていることが前提となる。
【0058】
ここで、取得部144による注視率取得処理の一例について説明する。例えば、取得部144は、表示部130に広告コンテンツが表示されているか否かを判定する。そして、取得部144は、表示部130に広告コンテンツが表示されていると判定した場合に、アイトラッキング等の技術によりウェブカメラによって検出された、かかる広告コンテンツにおけるユーザの視認領域を取得する。そして、取得部144は、取得した視認領域の面積を算出する。そして、取得部144は、かかる広告コンテンツ全体の面積に対する視認領域の面積の割合を視認率として取得し、対応する広告コンテンツの広告IDおよび端末装置100のユーザIDを取得した注視率に対応付けて広告サーバ装置200へ送信する。
【0059】
なお、取得部144は、各ユーザIDにおいて一度取得した視認領域を重複して取得しないよう設定されることが望ましい。また、1つの広告コンテンツにおいて視認領域が複数存在する場合には、取得部144は、存在する視認領域の面積の合計値を視認率の取得に用いる。
【0060】
また、取得部144は、閲覧態様に関する情報として、表示部130に広告コンテンツが表示された表示時間を取得する。取得部144による表示時間取得処理の一例について説明する。例えば、取得部144は、表示部130に広告コンテンツが表示されているか否かの表示状態を判定する。なお、取得部144は、例えば、広告コンテンツ全体面積における所定の割合が表示部130に含まれているか否かにより、表示部130に広告コンテンツの表示状態を判定する。
【0061】
そして、取得部144は、例えば、表示部130に広告コンテンツが表示されていると判定した場合に、表示時間の計測を開始し、表示部130に広告コンテンツが表示されていないと判定した場合に、表示時間の計測を中止することにより表示時間を取得する。そして、取得部144は、取得した表示時間に、対応する広告コンテンツの広告IDおよび端末装置100のユーザIDを対応付けて広告サーバ装置200へ送信する。
【0062】
ここまで、取得部144による広告コンテンツに対するユーザの閲覧態様に関する情報の取得処理について説明してきたが、取得部144は、また、広告コンテンツに対するユーザの操作に関する情報を取得してもよい。以下では、取得部144による広告コンテンツに対するユーザの操作に関する情報の取得処理について説明する。
【0063】
取得部144は、ユーザの操作に関する情報として、表示部130に表示されている広告コンテンツに対してユーザが操作した操作時間を取得する。操作時間とは、具体的には、表示部130において広告コンテンツが表示されている場合において、表示部130に対するタッチ操作、スクロール操作、ピンチ操作等によりユーザが表示部130に触れた時間を示す。
【0064】
取得部144による操作時間取得処理の一例について説明する。まず、取得部144は、表示部130に広告コンテンツが表示されているか否かの表示状態を判定する。例えば、取得部144は、広告コンテンツ全体面積における所定の割合が表示部130に含まれているか否かにより、表示部130に広告コンテンツの表示状態を判定する。
【0065】
そして、取得部144は、表示部130に広告コンテンツが表示されている場合において、表示部130に対してユーザが操作することにより触れている時間を計測する。例えば、取得部144は、表示部130に広告コンテンツが表示されている場合において、表示部130に対するユーザ操作を検出すると計測を開始し、ユーザ操作を検出しなくなると計測を中止することにより操作時間を取得する。そして、取得部144は、取得した操作時間に、対応する広告コンテンツの広告IDおよび端末装置100のユーザIDを対応付けて広告サーバ装置200へ送信する。
【0066】
また、取得部144は、ユーザの操作に関する情報として、表示部130に表示されている広告コンテンツがスクロールにより移動された移動量を取得する。移動量とは、具体的には、表示部130に対するユーザの指の動きに応じて、広告コンテンツが表示部130内を移動された量である。
【0067】
取得部144による移動量取得処理の一例について図1を用いて説明する。まず、取得部144は、表示部130に広告コンテンツが表示されているか否かの表示状態を判定する。例えば、取得部144は、広告コンテンツ全体面積における所定の割合が表示部130に含まれているか否かにより、表示部130に広告コンテンツの表示状態を判定する。
【0068】
図1における第1状態は、表示制御部134により広告コンテンツAD1が表示部130に初期表示されている状態であるため、取得部144は、表示部130に広告コンテンツAD1が表示されていると判定する。そして、取得部144は、表示部130に広告コンテンツAD1が表示されている場合において、広告コンテンツAD1のスクロールを検出するとともに、検出中における移動量を取得する。
【0069】
例えば、図1に示すように、表示部130における広告コンテンツAD1の表示状態が第1状態である場合に、ユーザが表示部130に対して上方向にスクロール操作したとすると、取得部144は、ユーザの上方向へのスクロール操作に応じた表示部130内での広告コンテンツAD1のスクロールの検出を開始するとともに、検出中における広告コンテンツAD1の移動量を取得してゆく。そして、ユーザがスクロール操作を終えて、表示部130における広告コンテンツAD1の表示状態が第2状態へ移行された場合に、取得部144は、スクロールの検出を終了するとともに、スクロールにより表示状態が第1状態から第2状態へ移行した間における表示部130内での広告コンテンツAD1の移動量を算出する。
【0070】
そして、取得部144は、上記処理により取得した移動量に、対応する広告コンテンツの広告IDおよび端末装置100のユーザIDを対応付けて広告サーバ装置200へ送信する。
【0071】
なお、取得部144は、移動量とともに、ユーザの操作に関する情報として、表示部130に表示されている広告コンテンツがスクロールにより移動された方向である移動方向をさらに取得してもよい。図1を用いて説明すると、取得部144は、上記のように表示部130内での広告コンテンツAD1のスクロールの検出を開始すると、移動量の取得と同時に、広告コンテンツAD1の移動軌跡を連続的に取得してゆく。そして、取得部144は、上記のようにスクロールの検出を終了すると、広告コンテンツAD1の移動軌跡の取得も終了する。そして、取得部144は、取得した移動軌跡に基づいて、移動方向を判定する。例えば、取得部144は、取得した移動軌跡を直線と見なし、その傾きの角度に応じた移動方向を判定する。例えば、移動軌跡の傾き「0°〜45°」の範囲では、取得部144は、移動方向「横方向」と判定し、移動軌跡の傾き「46°〜90°」の範囲では、「縦方向」と判定する。
【0072】
図1では、ユーザが上方向へスクロール操作したことに応じて、広告コンテンツAD1は、表示部130内において上方向に移動した例を示す。このため、取得部144は、例えば、広告コンテンツAD1の移動方向を「縦方向」と判定する。なお、取得部144は、広告コンテンツが下方向のスクロール操作に応じて、下方向に移動した場合であっても、移動方向「縦方向」と判定してよい。
【0073】
そして、取得部144は、取得した移動量および移動方向に、対応する広告コンテンツの広告IDおよび端末装置100のユーザIDを対応付けて広告サーバ装置200へ送信する。
【0074】
ここで、図1の例では、広告コンテンツAD1の横サイズは、表示部130の横サイズに一致している。この場合、ユーザは、例えば、広告コンテンツAD1を左右方向や斜め方向にスクロールさせることはできない。しかし、広告コンテンツの横サイズが、図4に示すように、表示部130の横サイズより長い場合には、ユーザは、左右方向や斜め方向のスクロール操作をすることがある。そして、広告コンテンツが左または右に移動した場合には、取得部144は、移動方向を「横方向」として判定する。
【0075】
また、取得部144は、ユーザの操作に関する情報として、表示部130に表示されている広告コンテンツの移動速度を取得する。上述したように、取得部144は、表示部130に表示されている広告コンテンツに対してユーザが操作している操作時間や、表示部130に表示されている広告コンテンツの移動量を取得する。よって、取得部144は、例えば、取得した操作時間と移動量とを用いて、単位操作時間当たりの移動量を移動速度として取得する。また、取得部144は、取得したスクロール速度に、対応する広告コンテンツの広告IDおよび端末装置100のユーザIDを対応付けて広告サーバ装置200へ送信する。
【0076】
〔4.広告サーバ装置〕
次に、図6を用いて、実施形態に係る広告サーバ装置200の構成について説明する。図6は、実施形態に係る広告サーバ装置200の構成例を示す図である。図6に示すように、広告サーバ装置200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを有する。
【0077】
通信部210は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部210は、ネットワークNと有線または無線で接続され、広告主端末5やコンテンツサーバ装置20や端末装置100との間で情報の送受信を行う。
【0078】
記憶部220は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部220は、広告コンテンツ記憶部221と、閲覧態様記憶部222とを有する。
【0079】
広告コンテンツ記憶部221は、広告主端末5から入稿された広告コンテンツに関する各種情報を記憶する。ここで、図7に、実施形態に係る広告コンテンツ記憶部221の一例を示す。図7に示した例では、広告コンテンツ記憶部221は、「広告主ID」、「広告ID」、「広告データ」、「ターゲティング条件」、「課金額」といった項目を有する。
【0080】
「広告主ID」は、広告主または広告主端末5を識別するための識別情報を示す。「広告ID」は、広告主端末5から入稿された広告コンテンツを識別するための識別情報を示す。「広告データ」は、広告枠に配置される広告コンテンツのデータである。広告コンテンツは、端末装置100の表示部130の表示サイズより大きく表示される。そして、「広告データ」は、実際は、静止画像や動画像やテキストデータやURL、または、これらの格納場所を示すファイルパス名等である。なお、本実施形態では、広告コンテンツAD1といったように、「広告ID」を用いて、広告コンテンツを区別して表記する。
【0081】
「ターゲティング条件」は、広告コンテンツを配信する配信先のユーザを指定するための情報であり、例えば、広告主によって設定される。そして、後述する決定部233は、かかるターゲティング条件を用いて、ユーザに配信する配信対象の広告コンテンツを決定する。「課金額」は、後述する算定部235によって算定され、各広告主に課金する課金額を示す。
【0082】
すなわち、図7では、広告主ID「C11」によって識別される広告主が、広告ID「AD11」により識別される広告データ「AA.gif」を入稿するとともに、広告データ「AA.gif」のターゲティング条件「20代女性」を指定している例を示す。また、広告主ID「C11」によって識別される広告主は、広告サーバ装置200により課金額「¥10,500」を指定されている例を示す。
【0083】
閲覧態様記憶部222は、表示部130のサイズより大きく表示される広告コンテンツに対するユーザの閲覧態様に関する情報やユーザの操作に関する情報を記憶する。ここで、図8に、実施形態に係る閲覧態様記憶部222の一例を示す。図8に示した例では、閲覧態様記憶部222は、「広告主ID」、「広告ID」、「ユーザID」、「表示率」、「注視率」、「表示時間」、「操作時間」、「移動量」、「移動速度」といった項目を有する。
【0084】
「広告主ID」および「広告ID」は、広告コンテンツ記憶部221における「広告主ID」および「広告ID」に対応するため説明は省略する。「ユーザID」は、端末装置100または端末装置100のユーザを識別するための識別情報を示す。
【0085】
「表示率」は、広告コンテンツ全体の面積に対する、端末装置100の表示部130に表示された広告コンテンツの面積の割合を示す。「注視率」は、広告コンテンツ全体の面積に対するユーザがかかる広告コンテンツを視認した領域の面積を示す。「表示時間」は、表示部130に広告コンテンツが表示されている時間を示す。
【0086】
「操作時間」は、表示部130に表示されている広告コンテンツに対してユーザが操作している時間を示す。「移動量」は、表示部130に表示されている広告コンテンツがスクロール操作などにより移動された量を示す。「移動速度」は、表示部に表示されている広告コンテンツがスクロール等により移動された場合の速度を示す。そして、閲覧態様記憶部222に記憶されるこれら各種情報は、上述した端末装置100の取得部144によって取得される情報である。
【0087】
すなわち、図8では、広告主ID「C11」により識別される広告主により入稿された、広告ID「AD11」により識別される広告コンテンツに対するユーザID「U11」により識別されるユーザによる表示率「85%」、注視率「51%」、表示時間「280秒」、操作時間「32秒」、移動量「1210ピクセル」、移動速度「37.8px/秒」である例を示す。
【0088】
図6に戻り、制御部230は、例えば、CPUやMPU等によって、広告サーバ装置200内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部230は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0089】
図6に示すように、制御部230は、入稿受付部231と、要求受付部232と、決定部233と、配信部234と、算定部235とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部230の内部構成は、図6に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部230が有する各処理部の接続関係は、図6に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0090】
入稿受付部231は、広告主端末5から広告コンテンツの入稿を受け付ける。具体的には、入稿受付部231は、ターゲティング条件の指定とともに、広告枠に配置される広告コンテンツを受け付ける。そして、入稿受付部231は、入稿元の広告主に対応する広告主IDに対応付けて、広告IDと、広告データと、ターゲティング条件とを広告コンテンツ記憶部221に格納する。例えば、図7に示した例の場合、入稿受付部231は、ターゲティング条件「20代女性」に指定ととともに、広告コンテンツのデータ「AA.gif」を広告主端末5から受け付ける。
【0091】
要求受付部232は、端末装置100から広告コンテンツの配信の要求である広告リクエストを受け付ける。例えば、要求受付部232は、広告リクエストとして、HTTPリクエストを受け付ける。
【0092】
決定部233は、要求受付部232によって広告リクエストが受け付けられた場合に、端末装置100に配信する配信対象の広告コンテンツを決定する。例えば、広告サーバ装置200は、図示しない記憶部において、ユーザIDとユーザ属性(年齢、性別、住所等)を記憶しておく。そして、決定部233は、広告リクエスト送信元の端末装置100のユーザIDに対応するユーザ属性をかかる記憶部から取得する。そして、決定部233は、広告コンテンツ記憶部221にアクセスし、取得したユーザ属性とターゲティング条件とのマッチングを行い、ユーザ属性と一致したターゲティング条件に対応する広告コンテンツを配信対象の広告コンテンツとして決定する。
【0093】
なお、図7に示す広告コンテンツ記憶部221の例では、共通のターゲティング条件が複数存在する。このような場合には、決定部233は、ユーザ属性とターゲティング条件とのマッチング、および、図示していないが広告コンテンツの入稿とともに広告主に指定される入札価格や、各広告コンテンツの配信実績によるCTR等に基づいて、配信対象の広告コンテンツを1つ、または、決められた所定の数に絞り込む。例えば、決定部233は、入札価格またはCTRが高い広告コンテンツや、入札価格およびCTRの双方が高い広告コンテンツを優先して配信対象として決定する。そして、決定部233は、決定した広告コンテンツを配信部234に出力する。
【0094】
配信部234は、決定部233によって決定された広告コンテンツとともに、端末装置100に対して表示制御処理、表示部130に表示された広告コンテンツに対するユーザの閲覧態様に関する情報取得処理およびユーザの操作に関する情報取得処理を実行させる制御情報を配信する。具体的には、配信部234は、決定部233が決定した広告コンテンツを受信すると、上記制御情報を生成する。そして、配信部234は、広告リクエストを送信した端末装置100に対して、広告コンテンツのデータと制御情報を配信する。
【0095】
また、配信部234は、端末装置100から表示部130に表示された広告コンテンツに対するユーザの閲覧態様に関する情報およびユーザの操作に関する情報を受け付ける。各種情報は、端末装置100の取得部144によって取得、送信される。具体的には、配信部234は、広告主IDおよび広告IDに対応付けられたこれら各種情報を受け付ける度に、図8の閲覧態様記憶部222に示したように、広告主IDおよび広告IDに対応付けて受付けた各種情報を示す値を加算して、閲覧態様記憶部222に格納する。
【0096】
算定部235は、広告主に広告配信料として課金する課金額を算定する。具体的には、算定部235は、閲覧態様情報記憶部222にアクセスし、表示部130に表示された広告コンテンツに対するユーザの閲覧態様に関する情報およびユーザの操作に関する情報である「表示率」、「注視率」、「表示時間」、「操作時間」、「移動量」、「移動速度」に基づいて、課金額を算定する。
【0097】
例えば、「表示率」、「注視率」、「表示時間」、「操作時間」、「移動量」の値が大きいほど広告コンテンツに対するユーザの関心が高く、より広告コンテンツを注目していたことが予想できる。そのため、算定部235は、「表示率」、「注視率」、「表示時間」、「操作時間」、「移動量」それぞれについて、値が大きいほど多くの課金額を算定する。
【0098】
一方、「移動速度」の値が小さいほどユーザがより広告コンテンツを注目していたことが予想できる。そのため、算定部235は、「移動速度」については、その値が小さいほど多くの課金額を算定する。
【0099】
そして、算定部235は、例えば、各広告IDについて、ユーザID毎に「表示率」、「注視率」、「表示時間」、「操作時間」、「移動量」、「移動速度」それぞれについて算定した課金額の小計額を算定する。そして、算定部235は、広告ID毎に、算定したユーザID毎の小計額を合計した合計額を算定する。そして、算定部235は、広告IDに対応付けられた広告主IDに基づいて、図7に示す広告コンテンツ記憶部221に算定した合計額を課金額として格納する。算定部235は、かかる算定処理を所定の期間(例えば、1ヶ月)毎に実行する。
【0100】
なお、上述したように、端末装置100の取得部144が移動量とともに、移動方向を取得する場合、算定部235は、移動方向を考慮した課金額を算定してもよい。例えば、算定部235は、移動方向が「縦方向」である場合には、高い課金額を算定し、「横方向」である場合には、安い課金額を算定するといったように、移動方向に応じて課金額を変えてもよい。
【0101】
一般に、ユーザは、ウェブページや広告コンテンツを閲覧する際、ウェブページや広告コンテンツの形状にもよるが、横方向よりも縦方向にスクロール操作することで、閲覧することが多いと考えられる。よって、上記のように、算定部235は、移動方向が「縦方向」である場合には、「横方向」よりも課金の価値を高めてもよい。
【0102】
〔5.広告処理フロー〕
次に、図9を用いて、実施形態に係る広告システム1による広告処理の手順について説明する。図9は、実施形態に係る広告システム1による広告処理手順を示すシーケンス図である。
【0103】
図9に示すように、端末装置100は、ユーザ操作に従って、ウェブページの配信を要求するページリクエストをコンテンツサーバ装置20に送信する(ステップS101)。そして、コンテンツサーバ装置20は、ウェブページのページリクエストに応じて、ウェブページを端末装置100に配信する(ステップS102)。なお、コンテンツサーバ装置20によって配信されるウェブページには、広告サーバ装置200のURL等である広告取得命令が含まれる。
【0104】
続いて、端末装置100は、ウェブページに含まれる広告取得命令に基づいて、広告コンテンツの配信を要求する広告リクエストを広告サーバ装置200に送信する(ステップS103)。そして、広告サーバ装置200は、広告リクエストに応じて、広告コンテンツと制御情報とを端末装置100に配信する(ステップS104)。かかる広告コンテンツは、端末装置100の表示部130における表示サイズが、表示部130のサイズより大きい広告コンテンツである。
【0105】
そして、端末装置100は、ステップS104において広告コンテンツとともに受信した制御情報に従って、ステップS102において受信したウェブページととともに、広告コンテンツを表示する表示制御処理を実行する(ステップS105)。例えば、端末装置100は、受信したウェブページの広告枠に、受信した広告コンテンツを配置する。そして、例えば、図4(A)で示したように、かかる広告枠がウェブページの上に設けられている場合には、端末装置100は、受信した広告コンテンツを最初に表示部130に表示する(初期表示する)。
【0106】
続いて、端末装置100は、制御情報に従って、表示部130に表示した広告コンテンツに対するユーザの閲覧態様に関する情報およびユーザの操作に関する情報を取得する取得処理を実行する(ステップS106)。具体的には、端末装置100は、ユーザの閲覧態様に関する情報として、表示部130における広告コンテンツの「表示率」、表示部130に表示されている広告コンテンツに対するユーザの「注視率」、表示部130における広告コンテンツの「表示時間」を取得する。また、端末装置100は、ユーザの操作に関する情報として、表示部130に表示されている広告コンテンツに対するユーザの「操作時間」、表示部130内での広告コンテンツの「移動量」および「移動速度」を取得する。そして、端末装置100は、上記各種情報を取得する度に、取得した情報を広告サーバ装置200に送信する(ステップS107)。
【0107】
広告サーバ装置200は、ステップS107において受信した情報に基づいて、各広告主に課金する課金額を算定する算定処理を行う(ステップS108)。また、図示しないが、広告サーバ装置200は、算定した課金額を各広告主端末5に送信することにより、広告主に課金額を通知する。
【0108】
〔6.変形例〕
上記した実施形態に係る広告システム1は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、広告システム1の他の実施形態について説明する。なお、以下に説明する端末装置100は、広告コンテンツに含まれる制御情報に従って、広告コンテンツの表示制御処理を行う。
【0109】
〔6−1.関連コンテンツ(1)〕
上述してきた端末装置100は、広告サーバ装置から表示サイズが表示部130のサイズより大きい広告コンテンツとともに、表示サイズが表示部130のサイズより小さいコンテンツであって、広告コンテンツと関連するコンテンツ(以下、「関連コンテンツ」と表記する場合がある)を受け付けてもよい。そして、端末装置100の表示制御部143は、制御情報の指示に従って、受け付けた広告コンテンツと関連コンテンツとの表示態様を制御する。後述するが、表示制御部143は、広告コンテンツの上に関連コンテンツを重ねて表示する。
【0110】
なお、かかる関連コンテンツは、広告コンテンツとともに、広告主によって広告サーバ装置300へ入稿されるものとする。そこで、まずは、変形例に係る広告サーバ装置300の構成について説明する。図10は、変形例に係る広告サーバ装置300の構成例を示す図である。かかる広告サーバ装置300は、図6および図7で示した広告コンテンツ記憶部221とは記憶情報の異なる広告コンテンツ記憶部321を有する。また、広告サーバ装置300において、その他の部位についは、広告サーバ装置200に対応するため説明は省略する。
【0111】
広告コンテンツ記憶部321は、広告主端末5から入稿された広告コンテンツおよび関連コンテンツに関する各種情報を記憶する。ここで、図11に、変形例に係る広告コンテンツ記憶部321の一例を示す。図11に示した例では、広告コンテンツ記憶部321は、広告コンテンツ記憶部221における記憶情報に加えて、さらに、関連コンテンツに関する情報として「コンテンツID」、「コンテンツデータ」、「配置箇所」といった項目を有する。
【0112】
「コンテンツID」は、広告主端末5から入稿された広告コンテンツを識別するための識別情報を示す。「コンテンツデータ」は、表示サイズが表示部130のサイズより小さい関連コンテンツのデータであって、広告コンテンツの上に重ねて表示される関連コンテンツのデータである。そして、このような関連コンテンツは、実際は、静止画像や動画像等である。「配置箇所」は、広告コンテンツの上に重ねて配置する場合の配置箇所を指定する情報であり、例えば、表示部130に対する配置箇所として「画面上部中央」といった情報が設定されたり、広告コンテンツ上の配置箇所として所定の座標が設置されたりする。
【0113】
すなわち、図11は、広告主ID「C11」によって識別される広告主が、広告コンテンツAD11とともに、コンテンツID「C111」によって識別される関連コンテンツの画像データ「AAa.gif」を入稿し、かかる関連コンテンツを表示部130の「画面上部中央」に表示するよう指定している例を示す。
【0114】
次に、端末装置100の表示制御部143による広告コンテンツと関連コンテンツの表示制御処理について説明する。まず、上述してきたように端末装置100は、ユーザの操作に従い、コンテンツサーバ装置20から受け付けたウェブページの広告取得要求が含まれている場合、広告リクエストを広告サーバ装置300へ送信する。そして、端末装置100は、広告リクエストを受け付けた広告サーバ装置300から、制御情報と広告コンテンツと関連コンテンツとを受信する。そして、端末装置100の表示制御部143は、制御情報の指示に従い、広告コンテンツと関連コンテンツの表示態様を制御する。
【0115】
具体的には、表示制御部143は、広告コンテンツの上に関連コンテンツを重ねて表示するとともに、関連コンテンツを表示部130の画面内に表示する。例えば、表示制御部143は、広告コンテンツの上に関連コンテンツを重ねて表示するとともに、関連コンテンツを表示部130の所定の位置に固定して表示する。この点について、図12を用いて説明する。
【0116】
図12は、広告コンテンツの上に関連コンテンツを重ねて表示する場合の表示制御処理の一例を示す図である。例えば、端末装置100は、図4Aに示したような、その上端に広告枠F5が設けられているウェブページW5をコンテンツサーバ装置20から受け付けたとする。また、端末装置100は、広告枠F5に配置する広告コンテンツとして、制御情報を含む広告コンテンツAD5と、関連コンテンツC5を受け付けたとする。また、受け付けた関連コンテンツC5は、広告コンテンツAD5を入稿した広告主(店舗、企業等)を象徴するロゴ画像であるものとする。
【0117】
そして、表示制御部143は、広告枠F5に広告コンテンツAD5を配置するとともに、ウェブページW5の上端に広告枠F5が設けられていることから、まず、広告コンテンツAD5を表示部130に初期表示する。そして、このとき、表示制御部143は、広告コンテンツAD5の上に関連コンテンツC5を重ねて表示するとともに、関連コンテンツC5を表示部130の所定の位置に固定して表示するといった表示制御処理を実行する。なお図12では、関連コンテンツC5は、表示部130の画面最上部の中央に表示されている例を示すが、この例に限らず、任意の位置に表示されてよい。例えば、関連コンテンツC5は、表示部130の画面最下部の中央に表示されてもよい。そして、このような表示位置は、例えば、広告主や端末装置100の管理者によって予め設定される。
【0118】
ここで、第1状態において、ユーザによる上方向へのスクロール操作により、表示部130における広告コンテンツAD5の表示状態が第2状態へと移行したとする。このような場合であっても、関連コンテンツC5は、表示制御部143による表示制御処理によって表示部130の画面最上部の中央に固定して表示されているため、広告コンテンツAD5のようにスクロール操作に応じて移動するといったことがない。
【0119】
これにより、端末装置100は、ユーザに特に注目させたい情報を常に端末画面に表示することができるので、広告効果を高めることができる。
【0120】
なお、表示制御部143は、表示部130における広告コンテンツの表示態様に基づき、関連コンテンツの表示非表示を切り替える表示制御処理を実行してもよい。具体的には、表示制御部143は、表示部130における広告コンテンツの表示態様を検出することにより、かかる表示態様が所定の状態になった場合に、関連コンテンツの表示非表示を切り替える。
【0121】
例えば、図12の第2状態において、ユーザによる上方向へのスクロール操作により、表示部130における広告コンテンツAD5の表示状態が第3状態へと移行したとする。図12の第3状態は、ユーザによる上方向へのスクロール操作により、広告コンテンツAD5とウェブページW5との境界線L5が表示部130の中央、すなわち、表示部130の縦方向における中間に位置していることにより、表示部130の面積の半分に広告コンテンツAD5が表示されている例を示す。
【0122】
そして、表示制御部143は、表示部130における広告コンテンツAD5の表示態様が、上記第3状態となったことを検出すると、関連コンテンツC5の表示非表示を切り替える。図12では、表示制御部143は、広告コンテンツAD5とともに、関連コンテンツC5を初期表示しているため、第3状態を検出することにより、関連コンテンツを非表示とする。
【0123】
ここで、図4(B)に示すように、広告枠がウェブページ内に挿入されていることにより、例えば、ユーザのスクロール操作により、表示部130に広告コンテンツが表示される場合においても、表示制御部143は、広告コンテンツとウェブページのスクロールに応じて、図12に示す第3状態を検知することにより、関連コンテンツの表示非表示を切り替えてよい。
【0124】
なお、表示制御部143は、広告コンテンツとウェブページとの境界線が表示部130の中央に位置していることを検出すると、関連コンテンツの表示非表示を切り替える例を示したが、この例に限らず、例えば、表示制御部143は、広告コンテンツとウェブページとの境界線が表示部130の所定の位置に存在していることを検出した場合に、表示非表示を切り替えるよう設定されてもよい。また、表示制御部143は、境界線に基づく検出ではなく、例えば、表示部130に表示されている広告コンテンツの面積を連続的に算出してゆくことで、表示部130の面積に対する表示部130に表示されている広告コンテンツの面積の割合に基づいて、関連コンテンツの表示非表示を切り替えてもよい。具体的には、かかる割合に所定の閾値を設定しておくことで、表示制御部143は、その閾値以上で関連コンテンツを表示し、閾値以下で関連コンテンツを非表示とする。
【0125】
〔6−2.関連コンテンツ(2)〕
また、上述してきた端末装置100は、広告サーバ装置300から表示サイズが表示部130のサイズより大きい広告コンテンツとともに、表示サイズが表示部130のサイズより小さい関連コンテンツとして、かかる広告コンテンツにおける所定の箇所へユーザを誘導するための情報を受信してもよい。そして、表示制御部143は、所定の位置へユーザを誘導するように、広告コンテンツの上に関連コンテンツを重ねて表示する。この点について、図13を用いて説明する。
【0126】
図13は、広告コンテンツの上に関連コンテンツを重ねて表示する場合の表示態様の一例を示す図である。例えば、端末装置100は、図4Aに示したような、その上端に広告枠F6が設けられているウェブページW6をコンテンツサーバ装置20から受け付けたとする。また、端末装置100は、ウェブページW6に含まれる広告取得要求により、制御情報を含む広告コンテンツAD6と、関連コンテンツC6aを受け付けたとする。そして、かかる関連コンテンツC6aは、広告コンテンツAD6の所定の位置へユーザを誘導するための情報である。図13では、関連コンテンツC6aは、「Buy Now」と「矢印画像」の組み合わせで成る画像である例を示す。
【0127】
そして、図13に示すように、広告主により関連コンテンツC6aに対して、例えば、表示部130における配置箇所が指定されている場合には、表示制御部143は、広告枠F6に広告コンテンツAD6を配置するとともに、その配置箇所に基づき関連コンテンツC6aを配置し、広告コンテンツAD6の上に重ねてこれらを表示する。このような、広告コンテンツにおける所定の箇所へユーザを誘導するための情報は、変形例6−1で説明したような、表示部130に対する固定型であることが望ましい。しかし、必ずしもこの例に限られず、例えば、広告主により広告コンテンツAD6に対する配置箇所(座標等)が指定されることにより、表示制御部143は、その指定箇所に関連コンテンツC6aを配置してもよい。また、かかる関連コンテンツC6aには、変形例6−1で説明した表示非表示に関する処理が適用されてもよい。
【0128】
なお、広告コンテンツにおける所定の位置へユーザを誘導するための情報として、広告コンテンツの上に関連コンテンツを重ねて表示する例を示したが、表示制御部143は、広告コンテンツにおける所定の位置に向かって広告コンテンツを移動させてもよい。例えば、表示制御部143は、表示部130に広告コンテンツが表示されたことを検知すると、広告コンテンツの所定の位置へユーザを誘導するように、かかる広告コンテンツを自動でスクロールさせる。
【0129】
例えば、ユーザは、広告コンテンツの表示サイズが表示部130のサイズより大きいことで、広告コンテンツのどの位置に重要な情報が記載されているか等を一目で把握することができないことが考えられる。このような場合、端末装置100は、関連コンテンツとして誘導情報を用いることで、ユーザを迷わせることなく広告コンテンツの所定の位置へ誘導することができるので、ユーザビリティを向上させることができる。
【0130】
〔6−3.関連コンテンツ(3)〕
また、上述してきた端末装置100は、広告サーバ装置300から表示サイズが表示部130のサイズより大きい広告コンテンツとともに、表示サイズが表示部130のサイズより小さい関連コンテンツとして、かかる広告コンテンツに関する商品の購入情報、または、詳細情報、または、クーポンを受信してもよい。そして、表示制御部143は、広告コンテンツの上に関連コンテンツを重ねて表示する。この点について、図13を用いて説明する。
【0131】
変形例6−2では、端末装置100は、広告サーバ装置300から制御情報を含む広告コンテンツAD6と、関連コンテンツC6aを受け付けたが、ここでは、関連コンテンツC6bおよびC6cを受け付けたとする。そして、かかる関連コンテンツC6bおよびC6cは、広告コンテンツAD6に関する商品の購入情報および詳細情報である。なお、これら関連コンテンツは、購入情報や詳細情報に限られず、例えばクーポン情報等であってもよい。
【0132】
そして、図13に示すように、広告主により関連コンテンツC6bおよびC6cに対して、配置箇所が指定されている場合には、表示制御部143は、広告枠F6に広告コンテンツAD6を配置するとともに、その配置箇所に基づき関連コンテンツC6bおよびC6cを配置し、広告コンテンツAD6の上に重ねてこれらを表示する。このような、購入情報や詳細情報は、変形例6−1で説明したような、表示部130に対する固定型であってもよいし、広告コンテンツAD6において指定された配置箇所に配置されてもよい。
【0133】
このように、端末装置100は、広告コンテンツに詳細情報等の関連コンテンツを配置することで、広告コンテンツの内容をよりリッチ化することができるので、広告コンテンツに対するユーザの満足度を高めることができる。
【0134】
〔6−4.関連コンテンツ(4)〕
また、表示制御部143は、表示部130により広告コンテンツが現在表示されている位置を示す情報を、広告コンテンツの上に重ねて表示してもよい。表示部130により広告コンテンツが現在表示されている位置を示す情報は、表示部130のサイズより小さい情報であり、関連コンテンツC6dとする。図13を用いて、関連コンテンツC6dについて説明する。
【0135】
図13に示すように、関連コンテンツC6dは、広告コンテンツAD6が配置されている広告枠F6の形状を縮小したフレーム6dと、表示部130の形状を縮小した形状のフレーム6dによって構成される。そして、フレーム6dは、スクロールに応じて移動することにより、表示部130において広告コンテンツが現在表示されている位置を示す。表示制御部143は、このような関連コンテンツC6dを、広告コンテンツAD6の上に重ねて表示する。なお、表示制御部143は、関連コンテンツC6dを表示部130の任意の位置における固定型で表示するよう設定されてよいが、広告コンテンツの視認性を妨げない位置が設定されることが望ましい。また、関連コンテンツC6dは、変形例6−1で説明した表示非表示に関する処理が適用されてもよい。
【0136】
例えば、ユーザは、広告コンテンツの表示サイズが表示部130のサイズより大きいことで、広告コンテンツのどの箇所が現在表示されているかを把握しにくい場合がある。このような場合、端末装置100は、小コンテンツとして、広告コンテンツが現在表示されている位置を示す情報を表示することができるので、ユーザビリティを向上させることができる。
【0137】
〔6−5.広告コンテンツの初期表示位置〕
上記実施例では、表示制御部143は、図4(A)に示すように、ウェブページの上端に広告枠が設けられていることにより、広告コンテンツを初期表示する場合、その初期表示位置を広告コンテンツの最上部中央とする例を示してきた。しかし、表示制御部143は、初期表示位置に関する情報に基づいて、広告コンテンツを表示してもよい。
【0138】
表示制御部143は、初期表示位置に関する情報として、端末装置100の取得部144により取得された情報を用いて初期表示位置を決定し、決定した初期表示位置に基づいて、広告コンテンツを初期表示する。上述したように、取得部144は、端末装置100にウェブカメラが設置されている場合、表示部130に表示されている広告コンテンツに対するユーザの視認領域から注視率を取得する。
【0139】
そこで、表示制御部143は、例えば、取得部144によって取得された注視率のうち、最も注視率の高い視認領域を初期表示位置として決定する。そして、表示制御部143は、広告コンテンツを初期表示する場合、決定した初期表示位置を表示する。
【0140】
また、表示制御部143は、必ずしも取得部144によって取得された注視率に基づいて初期表示位置を決定する必要はなく、取得部144によって取得された他の情報を用いて初期表示位置を決定してもよい。例えば、表示制御部143は、取得部144によって取得された表示部130において広告コンテンツが表示された領域のうち表示時間の最も長い領域や、スクロール操作等により表示回数の最も多い領域を初期表示位置として決定してもよい。
【0141】
また、表示制御部143は、広告主により指定された位置を初期表示してもよい。この場合、端末装置100は、予め広告主から初期表示位置に関する情報を受け付けておくことにより、表示制御部143は、受け付けられた初期表示位置を表示する。
【0142】
これにより、端末装置100は、例えば、広告コンテンツにおいてユーザが興味を持ちやすいと考えられる箇所を、ユーザに対して強制的に視認させることができるので、広告効果を高めることができる。
【0143】
〔6−6.背景となる広告コンテンツ〕
また、上述してきた端末装置100は、広告サーバ装置から表示サイズが表示部130のサイズより大きい広告コンテンツであって、ウェブページの背景として表示される広告コンテンツを受け付けてよい。そして、端末装置100の表示制御部143は、受け付けた広告コンテンツの上に所定のウェブページを透過させた状態で重ねて表示することにより、かかる広告コンテンツを所定のウェブページの背景とする。
【0144】
このような、背景となる広告コンテンツ(以下、「背景広告」と表記する場合がある)は、広告主によって入札情報とともに、広告サーバ装置400へ入稿されるものとする。そこで、まずは、変形例に係る広告サーバ装置400の構成について説明する。図14は、変形例に係る広告サーバ装置400の構成例を示す図である。広告サーバ装置400は、図6および図7で示した広告コンテンツ記憶部221とは記憶情報の異なる広告コンテンツ記憶部421を有する。また、広告サーバ装置400において、その他の部位については、広告サーバ装置200に対応するため説明は省略する。
【0145】
広告コンテンツ記憶部421は、広告主端末5から入稿された所定のウェブページの背景広告コンテンツに関する各種情報を記憶する。ここで、図15に、変形例に係る広告コンテンツ記憶部421の一例を示す。図14に示した例では、広告コンテンツ記憶部421は、「広告主ID」、「広告ID」、「広告データ」、「ターゲティング条件」および入札情報として「ピクセル単価」、「縦サイズ」といった項目を有する。「広告主ID」、「広告ID」、「広告データ」、「ターゲティング条件」は、図7に示す広告コンテンツ記憶部221で説明した通りである。
【0146】
入札情報は、広告主によって設定される情報であり、「ピクセル単価」は、広告主が入稿した背景広告における単位ピクセル当たりの価格を示す。例えば、「ピクセル単価」は、表示部130に表示される背景広告における縦方向のピクセル量に対する単位ピクセル当たりの単価であってもよいし、横方向のピクセル量に対する単位ピクセル当たりの単価であってもよい。また、「ピクセル単価」は、表示部130に表示される背景広告の面積に対する単位ピクセル当たりの単価であってもよい。また、単位ピクセルは、必ずしも1ピクセルである必要はなく、例えば、2ピクセルや3ピクセルであってもよい。「縦サイズ」は、表示部130に表示される際の広告コンテンツの縦サイズ(縦方向の長さ)を示す。例えば、広告主により、縦サイズ「1000ピクセル」が指定された場合には、かかる広告主により入稿された広告コンテンツのデータは、縦サイズ「1000ピクセル」で表示される。
【0147】
すなわち、図15は、広告主ID「C11」によって識別される広告主が、広告ID「AD11h」によって識別される背景広告の画像データ「AX.gif」を入稿するとともに、ターゲティング条件「20代女性」、ピクセル単価「¥150」、縦サイズ「100ピクセル」を指定している例を示す。
【0148】
次に、背景広告に関する広告処理について説明する。まず、広告サーバ装置400の決定部233は、端末装置100から広告リクエストを受信した場合に、端末装置100に配信する配信対象の背景広告および配信対象の背景広告に対するスクロール等の移動操作に応じて表示部130に表示される表示順を決定する。具体的には、決定部233は、要求受付部232が端末装置100から広告リクエストを受信した場合に、広告コンテンツ記憶部421へアクセスし、入札情報に基づいて配信対象の背景広告とその表示順を決定する。
【0149】
図15に示すように、入札情報は、「ピクセル単価」と「縦サイズ」である。そこで、決定部233は、例えば、ターゲティング条件により背景広告を絞り込んだ後、ピクセル単価、または、ピクセル単価および縦サイズに基づいて、配信対象の広告コンテンツと表示順を決定する。例えば、ピクセル単価に基づいて、配信対象の広告コンテンツを決定する場合、決定部233は、ピクセル単価が高い背景広告を優先的に配信対象として決定するとともに、決定した背景広告においてピクセル単価に応じた表示順を決定する。また、ピクセル単価および縦サイズに基づいて、配信対象の広告コンテンツを決定する場合、決定部233は、例えば、ピクセル単価と縦サイズを乗算した値が高い背景広告を優先的に配信対象として決定するとともに、決定した背景広告において、かかる乗算値に応じた表示順を決定する。なお、かかる変形例では、決定部233は、ピクセル単価に基づいて、配信対象の背景広告および表示順を決定する例を用いて説明する。また、決定部233は、配信対象の背景広告を2つの決定するよう設定されているものとして説明するが、このような配信対象として決定される背景広告の数は、必ずしも2つである必要はなく、任意に設定されてよい。例えば、1つ、または、3つ等であってもよい。
【0150】
例えば、決定部233は、広告リクエスト送信元の端末装置100のユーザIDに基づき、ユーザ属性「20代女性」を取得したとする。これにより、決定部233は、まず、ユーザ属性「20代女性」とターゲティング条件とのマッチングにより、背景広告AD11h、AD41hおよびAD51hを選択する。そして、決定部233は、このうちピクセル単価が高い上位2つの背景広告として、背景広告AD11hとAD51hを配信対象として決定するとともに、このうちピクセル単価の高い方の背景広告AD51hを表示順「1」、低い方の背景広告AD11hを表示順「2」と決定する。そして、配信部234は、決定部233によって決定された背景広告と表示順を対応付けて、制御情報とともに端末装置100へ配信する。
【0151】
次に、端末装置100の表示制御部143による表示制御処理について説明する。表示制御部143は、受け付けた広告コンテンツの上に所定のウェブページを透過させた状態で重ねて表示することにより、かかる広告コンテンツを所定のウェブページの背景とする。
【0152】
例えば、端末装置100は、ページリクエストによりウェブページW7を受信したとする。ウェブページW7の横サイズは、表示部100の横サイズより短く、縦サイズは、表示部100の縦サイズより長いウェブページであり、例えば、ユーザによる上下方向のスクロール操作に応じて表示部130に表示または非表示される。また、ウェブページW7は、その領域全体が透過させることのできる透過領域として設定されている。
【0153】
そして、端末装置100は、上記決定部233の決定処理により、表示順を対応付けた背景広告AD11hとAD51h、および、制御情報を受信したとする。これにより、表示制御部143は、表示制御処理を実行する。この点について、図16を用いて説明する。
【0154】
図16は、広告コンテンツの上にウェブページを透過させた状態で重ねて表示する表示制御処理を説明する図である。表示制御部143は、ウェブページW7が上下方向のスクロール操作に応じて表示部130に表示または非表示されるものであるため、受け付けた表示順で表示されるよう背景広告AD51hを上、背景広告AD11hを下として、両者を接続するとともに、接続した背景広告の上に、ウェブページW7を透過させた状態で重ねる。そして、表示制御部143は、図16(C)に示すように、背景広告の上に、ウェブページW7を透過させた状態で重ねたデータを、表示部130に表示する。なお、図16(A)および(B)における点線領域は、表示部130に対応する。
【0155】
ここで、図16(C)では、広告コンテンツAD51hの横サイズが、ウェブページW7の横サイズより長いことにより、広告コンテンツAD51hにおいてウェブページW7の領域に含まれない部分(○○自動車を含む部分)は、ウェブページのW7の背景としてではなく、そのまま表示されている例を示す。しかし、必ずしもこの例に限らず、例えば、表示制御部143は、広告コンテンツAD51hの上にウェブページW7を透過させることなく重ねることで、広告コンテンツAD51hにおいてウェブページW7の領域に含まれない部分のみ表示してもよい。また、例えば、広告コンテンツの横サイズと、ウェブページの横サイズが一致していることにより、表示制御部143は、広告コンテンツ全体をウェブページの背景として表示してもよい。また、例えば、広告コンテンツの横サイズが、ウェブページの横サイズより長く、ウェブページの横サイズが表示部130の横サイズと一致している場合には、表示制御部143は、広告コンテンツにおいてウェブページ領域に含まれる部分をウェブページの背景として表示するとともに、ウェブページ領域に含まれない部分は、スクロール等の移動により通常の広告コンテンツとして表示されるようにしてもよい。
【0156】
また、表示制御部143は、広告コンテンツの上にウェブページを透過させた状態で重ねて表示する例を示したが、表示制御部143は、この逆の処理を行ってもよい。具体的には、表示制御部143は、ウェブページの上に広告コンテンツを透過させた状態で重ねて表示してもよい。
【0157】
また、図16は、1つのウェブページに複数の背景広告が設定される例を示すが、例えば、上述したように、端末装置100に対して背景広告の数を1つと設定しておくことで、1つのウェブページの背景を1つの広告主が買い占めるといったモデルを用いてもよい。
【0158】
このように、端末装置100は、ウェブページの背景として広告コンテンツを表示する。これにより、端末装置100は、ウェブページを閲覧しているユーザに対して自然な流れで広告コンテンツ注目させることができるので、広告効果を高めることができる。
【0159】
〔6−7.表示順と配信処理〕
変形例6−6において、広告サーバ装置400の決定部233は、入札情報である「ピクセル単価」や「縦サイズ」に基づいて、背景広告および背景広告の移動操作に応じた表示順を決定する例を示した。しかし、決定部233は、背景広告以外、すなわち、実施形態で説明してきたウェブページと同一平面において、ウェブページの上端や下端に設けられたり、挿入される広告コンテンツであって、表示部130のサイズより表示サイズが大きい広告コンテンツにおいてもかかる決定処理を適用してもよい。このような場合、1つのウェブページが、複数の広告枠を含むことが前提となる。また、広告コンテンツに対する「ピクセル単価」や「縦サイズ」が広告主に指定される必要がある。
【0160】
そして、配信部234は、決定部233によって決定された広告広告コンテンツを、決定部233によって決定された表示順で表示されるよう端末装置100に配信する。以下では、配信部234による配信処理について説明する。
【0161】
具体的には、配信部234は、決定部233によって決定された広告コンテンツと表示順とを対応付けて端末装置100に配信する。例えば、端末装置100からのページリクエストに応じたウェブページW8に広告枠が2つ含まれることにより、決定部233によって、配信対象の広告コンテンツと表示順として、「広告コンテンツ:AD8、表示順:1」および「広告コンテンツ:AD9、表示順:2」が決定されたとする。これにより、配信部234は、広告コンテンツAD8のデータと表示順「1」、および、広告コンテンツAD9のデータと表示順「2」をそれぞれ対応付けて端末装置100へ配信する。
【0162】
また、配信部234は、広告コンテンツとともに、決定部233によって決定された表示順で表示されるよう広告コンテンツが配置されるウェブページを配信するコンテンツサーバ装置20に対し、決定部233によって決定された広告コンテンツと表示順とを配信してもよい。この点について説明する。
【0163】
例えば、端末装置100からのページリクエストに応じたウェブページW8に広告枠が2つ含まれることにより、決定部233によって、配信対象の広告コンテンツと表示順として、「広告コンテンツ:AD8、表示順:1」および「広告コンテンツ:AD9、表示順:2」が決定されたとする。これにより、配信部234は、広告コンテンツAD8のデータと表示順「1」、および、広告コンテンツAD9のデータと表示順「2」をそれぞれ対応付けてコンテンツサーバ装置20へ配信する。広告コンテンツと表示順とを受け付けたコンテンツサーバ装置20は、初期表示やスクロール等の移動操作に応じて、最初に表示部130に表示される広告枠(ウェブページW8の広告枠のうち、最も上の広告枠)に、表示順「1」の広告コンテンツAD8を配置し、次に表示部130に表示される広告枠に、表示順「2」の広告コンテンツAD9を配置する。そして、コンテンツサーバ装置20は、各広告コンテンツを配置したウェブページW8を端末装置100に配信する。
【0164】
また、配信部234は、広告コンテンツが表示部130に表示される表示対象となる度に、かかる広告コンテンツの要求を送信する端末装置100から要求を受け付けた場合に、受け付けた要求に応じた広告コンテンツを配信してもよい。この点について説明する。
【0165】
例えば、端末装置100からのページリクエストに応じたウェブページW8に広告枠が2つ含まれることにより、決定部233によって、配信対象の広告コンテンツと表示順として、「広告コンテンツ:AD8、表示順:1」および「広告コンテンツ:AD9、表示順:2」が決定されたとする。これにより、配信部234は、まず、表示順が最も高い、すなわち、表示順「1」の広告コンテンツAD8とその表示順を対応付けて端末装置100に配信する。
【0166】
端末装置100が広告コンテンツAD8を受信した場合に、表示制御部144は、初期表示やスクロール等の移動操作に応じて、最初に表示部130に表示される広告枠に広告コンテンツAD8を配置する。ここで、現在表示部130全体に広告コンテンツAD8が表示されているものとする。そして、例えば、上方向のスクロール操作により、広告コンテンツAD8が移動され、表示部130に広告コンテンツAD8の下端が含まれなくなった場合に、表示制御部144は、広告コンテンツAD8を配置した広告枠より下に設けられた広告枠に配置する広告コンテンツ、すなわち、表示順「2」の広告コンテンツを表示対象として、かかる表示対象の広告コンテンツの配信を要求するよう要求部141に指示する。
【0167】
そして、要求部141は、表示制御部144から指示を受け付けると、広告リクエストを広告サーバ装置200へ送信する。そして、広告サーバ装置200が端末装置100から広告リクエストを受信すると、配信部234は、決定部233によって決定された表示順「2」の広告コンテンツAD9を端末装置100に配信する。そして、端末装置100が広告コンテンツAD9を受信した場合に、表示制御部144は、広告コンテンツAD9を対応する広告枠に配置する。
【0168】
なお、ここでは、広告枠が2つ設けられているウェブページを用いて、配信部234の配信処理について説明したが、広告枠の数は2つに限定されるものではない。例えば、広告枠が3つ設定されているウェブページを端末装置100が受信した場合には、上から3番目の広告枠に対しても上記表示制御部144の処理が行われる。そして、かかる処理によって送信された広告リクエストを広告サーバ装置200が受け付けた場合に、配信部234は、決定部233によって決定された表示順「3」の広告コンテンツを端末装置100に配信する。
【0169】
また、表示制御部144は、上方向のスクロールによって広告コンテンツの下端が表示部130に含まれなくなった場合に、かかる広告コンテンツより表示順の低い(例えば、表示順1つ下)広告コンテンツを表示対象とする例を示したが、下方向にスクロールされた場合には、表示制御部144は、表示中の広告コンテンツの上端が表示部130に含まれなくなった場合に、かかる広告コンテンツより表示順の高い広告コンテンツを表示対象としてもよい。また、表示制御部144は、必ずしも表示対象の広告コンテンツの配信を指示するタイミングを、現在表示中の広告コンテンツの上端または下端が表示部130に含まれるか否かによって行う必要はなく、例えば、上端または下端から所定距離までが表示部130に含まれるようになったタイミングや、面積に基づいて指示してもよい。
【0170】
また、表示制御部143は、配信部234から広告コンテンツとその表示順を受け付けることで、配信対象の広告コンテンツの表示順を指示する例を示したが、この例に限らず、例えば、広告枠に予め表示順が対応付けられていてもよい。そして、表示制御部144は、広告枠に予め対応付けられた表示順に基づいて表示対象の広告コンテンツを指示してもよい。
【0171】
〔6−8.ストーリー性に基づく表示順〕
広告サーバ装置400の決定部233は、入札情報に基づいて、複数の配信対象の広告コンテンツの表示順を決定する例を示したが、決定部233は、複数の広告コンテンツがスクロールによって表示されていくことで、所定のストーリー性が生まれるように、配信対象の広告コンテンツと、その表示順を決定してもよい。このために、広告サーバ装置400は、広告主から広告コンテンツの入稿とともに、入稿対象の広告コンテンツのカテゴリを受け付ける。なお、広告サーバ装置400は、入力または選択によりカテゴリを受け付けてよい。また、カテゴリは、広告サーバ装置400の管理者によって設定されてもよい。
【0172】
そして、決定部233は、各カテゴリを比較することで、関連度の高いカテゴリ関係にある広告コンテンツを所定の数選択する。例えば、決定部233は、表示する広告コンテンツの数が2つと設定されている場合、互いに関連性を有する広告コンテンツを選択する。例えば、決定部233は、カテゴリ「スキーショップ」が割り当てられた広告コンテンツと、カテゴリ「ツアー情報(スキー)」が割り当てられた広告コンテンツを選択することが考えられる。
【0173】
そして、決定部233は、カテゴリ「スキーショップ」が割り当てられた広告コンテンツに表示順「1」、カテゴリ「ツアー情報(スキー)」が割り当てられた広告コンテンツに表示順「2」をそれぞれ対応付けて、端末装置に配信するよう配信部234に指示する。
【0174】
そして、端末装置100の表示制御部143は、受信した表示順に基づいて、各広告コンテンツを表示制御する。これにより、例えば、スクロール操作により、カテゴリ「スキーショップ」が割り当てられた広告コンテンツの次に、カテゴリ「ツアー情報(スキー)」が割り当てられた広告コンテンツが表示されることになり、スキーショップに関する広告コンテンツから、スキーのツアー情報に関する広告コンテンツへとストーリー性が生まれることになる。
【0175】
〔6−9.他の表示制御処理〕
端末装置100の表示制御部143は、関連コンテンツとして、広告コンテンツをスキップして、ウェブページに移行するスキップボタンを、表示部130の所定の箇所に固定して表示してもよい。これにより、端末装置100は、広告コンテンツに興味のないユーザに対して、広告コンテンツの表示が妨げにならないようにすることができる。
【0176】
〔6−10.装置構成〕
上記実施形態では、制御情報は、広告サーバ装置200から端末装置100へ配信される例を示した。しかし、かかる制御情報は、コンテンツサーバ装置20から端末装置100へ配信されてもよい。また、端末装置100は、制御情報を受け付けることにより、受け付けた制御情報の指示に従って、表示制御等の制御処理を実行する例を示した。しかし、端末装置100自体に予めかかる制御情報に基づく制御処理を実行するプログラムがインストールされていてもよい。また、コンテンツサーバ装置20と、広告サーバ装置200とが一体化されていてもよい。
【0177】
〔6−11.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る端末装置100や広告サーバ装置200は、例えば、図17に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、端末装置100を例に挙げて説明する。図17は、端末装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0178】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0179】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50(ネットワークNに対応)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0180】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0181】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0182】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る広告サーバ装置200として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部230の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部220内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0183】
なお、コンピュータ1000が実施形態に係る端末装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部140の機能を実現する。
【0184】
〔7.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0185】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図3に示した要求部141および受信部142は統合されてもよい。
【0186】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0187】
〔8.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る広告サーバ装置200は、配信部234を有する。実施形態に係る配信部234は、表示部130を有する端末装置100に制御情報を配信する。また、実施形態に係る制御情報は、表示サイズが表示部130のサイズより大きい広告コンテンツの表示態様を制御する表示制御手順を端末装置100に実行させる。
【0188】
このように、実施形態に係る広告サーバ装置200は、端末装置100において、広告コンテンツを表示部130のサイズより大きく表示させる。これにより、実施形態に係る広告サーバ装置200は、ユーザに対し広告コンテンツをより注視させたり、広告コンテンツへの興味をより高めたりすることができるので、広告効果を高めることができる。
【0189】
また、制御情報は、広告コンテンツに対するユーザの閲覧態様に関する情報を取得する取得手順と、取得手順により取得された閲覧態様に関する情報を、閲覧態様に応じて課金額を算定する広告サーバ装置200に送信する送信手順と、を端末装置100にさらに実行させる。
【0190】
このように、実施形態に係る広告サーバ装置200は、広告コンテンツに対するユーザの閲覧態様に関する情報を取得させ、取得させた閲覧態様に関する情報を受け付けることにより、受け付けた閲覧態様に応じて課金額を算定する。これにより、広告サーバ装置200は、表示部130のサイズより大きく広告コンテンツが表示される場合であっても、広告主に対して、公平な課金額を算定することができる。
【0191】
また、制御情報は、広告コンテンツに対するユーザの閲覧態様に関する情報を取得する取得手順と、取得手順により取得された閲覧態様に関する情報を、広告サーバ装置200に送信する送信手順と、を端末装置100にさらに実行させる。
【0192】
このように、実施形態に係る広告サーバ装置200は、広告コンテンツに対するユーザの閲覧態様に関する情報を取得させ、取得させた閲覧態様に関する情報を受け付ける。これにより、広告サーバ装置200は、例えば、閲覧態様に応じた課金額を算定することができる。
【0193】
また、取得手順は、閲覧態様に関する情報として、広告コンテンツ全体の面積に対する、表示部に表示された当該広告コンテンツの面積の割合である表示率を取得する。
【0194】
このように、実施形態に係る広告サーバ装置200は、表示率を取得することにより、表示部130のサイズより大きく広告コンテンツが表示される場合であっても、表示率に基づいて、広告主に対して、公平な課金額を算定することができる。
【0195】
また、取得手順は、閲覧態様に関する情報として、広告コンテンツ全体の面積に対するユーザが当該広告コンテンツを視認した領域の面積である視認率を取得する。
【0196】
このように、実施形態に係る広告サーバ装置200は、視認率を取得することにより、表示部130のサイズより大きく広告コンテンツが表示される場合であっても、視認率に基づいて、広告主に対して、公平な課金額を算定することができる。
【0197】
取得手順は、閲覧態様に関する情報として、表示部130に広告コンテンツが表示された時間を取得する。
【0198】
このように、実施形態に係る広告サーバ装置200は、表示部130に広告コンテンツが表示された時間を取得することにより、表示部130のサイズより大きく広告コンテンツが表示される場合であっても、表示時間に基づいて、広告主に対して、公平な課金額を算定することができる。
【0199】
また、取得手順は、閲覧態様に関する情報として、広告コンテンツに対するユーザの操作に関する情報を取得する。
【0200】
このように、実施形態に係る広告サーバ装置200は、例えば、ユーザの操作に関する情報に基づいて、公平な課金額を算定することができる。
【0201】
また、取得手順は、ユーザの操作に関する情報として、表示部130に表示されている広告コンテンツに対してユーザが操作した時間を取得する。
【0202】
このように、実施形態に係る広告サーバ装置200は、表示部130に表示されている広告コンテンツに対してユーザが操作した時間を取得することにより、表示部130のサイズより大きく広告コンテンツが表示される場合であっても、操作時間に基づいて、広告主に対して、公平な課金額を算定することができる。
【0203】
また、取得手順は、ユーザの操作に関する情報として、表示部130に表示されている広告コンテンツの移動量、または、表示部130に表示されている広告コンテンツの移動速度を取得する。
【0204】
このように、実施形態に係る広告サーバ装置200は、表示部130に表示されている広告コンテンツの移動量、または、表示部130に表示されている広告コンテンツの移動速度を取得することにより、表示部130のサイズより大きく広告コンテンツが表示される場合であっても、移動量や移動速度に基づいて、広告主に対して、公平な課金額を算定することができる。
【0205】
また、実施形態に係る広告サーバ装置200において配信部234は、広告コンテンツとともに、表示サイズが表示部130のサイズより小さい広告コンテンツと関連する関連コンテンツを受信する端末装置100に制御情報を配信する。また、制御情報により実行される表示制御手順は、広告コンテンツと関連コンテンツとの表示態様を制御する。
【0206】
このように、実施形態に係る広告サーバ装置200は、広告コンテンツと関連コンテンツとの表示態様を制御することにより、広告コンテンツにおけるユーザビリティを向上させたり、広告コンテンツの内容をリッチ化することができる。
【0207】
また、表示制御手順は、広告コンテンツの上に関連コンテンツを重ねて表示するとともに、関連コンテンツを表示部130の所定の画面内に表示する。
【0208】
このように、実施形態に係る広告サーバ装置200は、広告コンテンツの上に関連コンテンツを重ねて表示させるとともに、関連コンテンツを表示部130の所定の位置に固定して表示させることにより、例えば、ユーザに特に注目させたい情報を常に端末画面に表示することができるので、広告効果を高めることができる。
【0209】
また、実施形態に係る広告サーバ装置200において配信部234は、関連コンテンツとして、広告コンテンツにおける所定の位置へユーザを誘導するためのコンテンツを受信する端末装置100に制御情報を配信する。また、制御情報により実行される表示制御手順は、所定の位置へユーザを誘導するように、広告コンテンツの上に関連コンテンツを重ねて表示する。
【0210】
このように、実施形態に係る広告サーバ装置200は、広告コンテンツの所定の位置へユーザを誘導するように、広告コンテンツの上に関連コンテンツを重ねて表示させることにより、ユーザを迷わせることなく広告コンテンツの所定の位置へ誘導することができるので、広告コンテンツに対するユーザビリティを向上させることができる。
【0211】
また、実施形態に係る広告サーバ装置200において配信部234は、関連コンテンツとして、広告コンテンツに関する商品の購入情報、または、詳細情報、または、クーポンに関するコンテンツを受信する端末装置に制御情報を配信する。また、制御情報により実行される表示制御手順は、広告コンテンツの上に関連コンテンツを重ねて表示する。
【0212】
このように、実施形態に係る広告サーバ装置200は、購入情報、または、詳細情報、または、クーポンに関するコンテンツを重ねて表示させることにより、広告コンテンツの内容をリッチ化することができる。
【0213】
また、表示制御手順は、表示部130に表示されている広告コンテンツの位置を示す情報を、広告コンテンツの上に重ねて表示する。
【0214】
このように、実施形態に係る広告サーバ装置200は、表示部130に表示されている広告コンテンツの位置を示す情報を、広告コンテンツの上に重ねて表示させることにより、広告コンテンツにおいてユーザを迷わすことを防止することができるので、広告コンテンツに対するユーザビリティを向上させることができる。
【0215】
また、実施形態に係る広告サーバ装置200において配信部234は、広告コンテンツとともに、広告コンテンツの初期表示位置に関する情報を受信する端末装置100に制御情報を配信する。また、制御情報により実行される表示制御手順は、初期表示位置に基づいて、前記広告コンテンツを表示する。
【0216】
このように、実施形態に係る広告サーバ装置200は、受け付けた初期表示位置に基づいて、広告コンテンツを表示させることにより、例えば、広告コンテンツにおいてユーザが興味を持ちやすいと考えられる箇所を、ユーザに対して強制的に視認させることができるので、広告効果を高めることができる。
【0217】
また、表示制御手順は、広告コンテンツの上に所定のウェブページを透過させた状態で重ねて表示する。
【0218】
このように、実施形態に係る広告サーバ装置200は、広告コンテンツの上に所定のウェブページを透過させた状態で重ねて表示させることにより、ウェブページを閲覧しているユーザに対して自然な流れで広告コンテンツ注目させることができるので、広告効果を高めることができる。
【0219】
また、表示制御手順は、広告コンテンツにおける所定の位置に向かって当該広告コンテンツを移動させる。
【0220】
このように、実施形態に係る広告サーバ装置200は、広告コンテンツにおける所定の位置に向かって広告コンテンツを移動させることにより、例えば、ユーザに対して特定の箇所を強制的に視認させることができるので、広告効果を高めることができる。
【0221】
また、実施形態に係る広告サーバ装置200は、端末装置100の表示部130のサイズより大きく表示される広告コンテンツと、広告コンテンツの入札情報を受け付ける入稿受付部231と、入稿受付部231によって受け付けられた入札情報に基づいて、配信対象の広告コンテンツと、移動操作に応じて表示部130に表示される表示順を決定する決定部233と、決定部233によって決定された広告コンテンツを、決定部233によって決定された表示順で表示されるよう端末装置100に配信する配信部234と、を有する。
【0222】
これにより、実施形態に係る広告サーバ装置200は、入札情報に応じて広告コンテンツを表示させることができる。
【0223】
広告サーバ装置200において、入稿受付部231は、入札情報として、広告コンテンツにおける単位画素数当たりの金額、または、広告コンテンツにおける単位画素数当たりの金額および表示部130に表示される際の広告コンテンツのサイズを受け付ける。
【0224】
これにより、実施形態に係る広告サーバ装置200は、例えば、入札単価の高い広告コンテンツや、サイズの大きい広告コンテンツほど、ユーザに視認されやすく表示させることができる。
【0225】
また、実施形態に係る広告サーバ装置200において配信部234は、決定部233によって決定された広告コンテンツと表示順とを端末装置100に配信する。
【0226】
これにより、実施形態に係る広告サーバ装置200は、入札情報に応じて広告コンテンツを表示させることができる。
【0227】
また、実施形態に係る広告サーバ装置200において配信部234は、広告コンテンツとともに、決定部233によって決定された表示順で表示されるよう当該広告コンテンツが配置されるウェブページを配信する装置に対し、決定部233によって決定された広告コンテンツと表示順とを配信する。
【0228】
これにより、実施形態に係る広告サーバ装置200は、入札情報に応じて広告コンテンツを表示させることができる。
【0229】
また、実施形態に係る広告サーバ装置200において配信部234は、広告コンテンツが表示部130に表示される表示対象となる度に当該広告コンテンツの要求を送信する端末装置100から当該要求を受け付けた場合に、当該要求に応じた広告コンテンツを配信する。
【0230】
このように、実施形態に係る広告サーバ装置200は、決定部233によって決定された広告コンテンツを一度に受信するのではなく、広告リクエストに応じた広告のみを受信するので、広告コンテンツの容量の大きさによる処理負荷を低減させることができる。
【0231】
また、実施形態に係る端末装置100は、制御情報を受信する受信部142を備える。また、制御情報は、表示サイズが端末装置100の表示部130のサイズより大きい広告コンテンツの表示態様を制御する表示制御手順を端末装置100に実行させる。
【0232】
このように、実施形態に係る端末装置100は、広告コンテンツを表示部130のサイズより大きく表示することにより、ユーザに対し広告コンテンツをより注視させたり、広告コンテンツへの興味をより高めたりすることができるので、広告効果を高めることができる。
【0233】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0234】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、要求部は、要求手段や要求回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0235】
1 広告システム
5 広告主端末
20 コンテンツサーバ装置
100 端末装置
141 要求部
142 受信部
143 表示制御部
144 取得部
200 広告サーバ装置
221 広告コンテンツ記憶部
222 閲覧態様記憶部
231 入稿受付部
232 要求受付部
233 決定部
234 配信部
235 算定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図16
図17