特許第6753744号(P6753744)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6753744
(24)【登録日】2020年8月24日
(45)【発行日】2020年9月9日
(54)【発明の名称】基板作業装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20200831BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20200831BHJP
   G01B 11/03 20060101ALI20200831BHJP
   G03B 15/00 20060101ALI20200831BHJP
   G03B 17/56 20060101ALI20200831BHJP
   G03B 9/02 20060101ALI20200831BHJP
【FI】
   H05K13/04 M
   H05K13/08 Q
   G01B11/03 H
   G03B15/00 T
   G03B17/56 E
   G03B9/02 B
   G03B15/00 Q
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-176776(P2016-176776)
(22)【出願日】2016年9月9日
(65)【公開番号】特開2018-41913(P2018-41913A)
(43)【公開日】2018年3月15日
【審査請求日】2019年5月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】橋本 岳
(72)【発明者】
【氏名】小野 遼太郎
(72)【発明者】
【氏名】大西 正志
【審査官】 土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4298473(JP,B2)
【文献】 特開2001−013542(JP,A)
【文献】 特開2006−054536(JP,A)
【文献】 特開2008−309603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00 − 13/08
G01B 11/03
G03B 9/02
G03B 15/00
G03B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品が実装される基板に対して作業を行う作業部と、
レンズ部材と、前記部品または前記基板を含む認識対象を前記レンズ部材を介して撮像する撮像素子とを含む撮像部と、
前記認識対象および前記レンズ部材の間の第1位置に移動可能に構成され、前記レンズ部材に入射する光を絞る孔部を有する絞り部材と
前記認識対象に光を照射するとともに、前記撮像部の光軸を取り囲むように設けられた照明と、を備え、
前記絞り部材は、前記レンズ部材と前記照明との間に配置されている、基板作業装置。
【請求項2】
前記認識対象の状態に基づいて、前記絞り部材を前記認識対象および前記レンズ部材の間の前記第1位置と、前記認識対象および前記レンズ部材の間から外れる第2位置とに移動させる制御を行う制御部をさらに備える、請求項1に記載の基板作業装置。
【請求項3】
前記制御部は、通常動作において前記認識対象を撮像する場合に、前記絞り部材を前記第2位置に移動させるとともに、被写界深度を深くして撮像する場合に、前記絞り部材を前記第1位置に移動させるように構成されている、請求項2に記載の基板作業装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記絞り部材を前記第1位置に配置して前記認識対象を撮像する場合に、前記絞り部材を前記第2位置に配置して前記認識対象を撮像する場合に比べて、露光時間を長くして撮像する制御を行うように構成されている、請求項2または3に記載の基板作業装置。
【請求項5】
前記絞り部材は、径の大きさが互いに異なる複数の前記孔部を有し、
前記複数の孔部は、それぞれ、前記第1位置に移動可能に構成されている、請求項2〜4のいずれか1項に記載の基板作業装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記認識対象の状態に基づいて、前記複数の孔部のうち1つの前記孔部を前記第1位置に移動させて、前記認識対象を撮像する制御を行うように構成されている、請求項5に記載の基板作業装置。
【請求項7】
前記絞り部材は、エアシリンダにより移動されるように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の基板作業装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板作業装置に関し、特に、撮像部を備えた基板作業装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像部を備えた基板作業装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、部品を基板に実装するノズルユニットと、認識対象としての部品を撮像する撮像部と、部品撮像時に部品および撮像部の間に配置可能なコンバージョンレンズとを備える表面実装機(基板作業装置)が開示されている。この表面実装機のコンバージョンレンズは、異なる高さ位置の認識対象を撮像するために、撮像部の焦点位置を変更するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4298473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の表面実装機(基板作業装置)では、異なる高さ位置の認識対象を撮像するために、コンバージョンレンズを部品および撮像部の間に配置して焦点位置を変更して部品を撮像している。このため、焦点位置を精度よく合わせるために、コンバージョンレンズを精度よく移動させて撮像部の光軸上に配置する必要がある。その結果、精度よくコンバージョンレンズを移動させる部材を設ける必要があるため、装置構成が複雑化すると考えられる。このため、装置構成を簡素化することが可能な基板作業装置が望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、簡易な装置構成により異なる高さ位置の認識対象を撮像して認識することが可能な基板作業装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一の局面による基板作業装置は、部品が実装される基板に対して作業を行う作業部と、レンズ部材と、部品または基板を含む認識対象をレンズ部材を介して撮像する撮像素子とを含む撮像部と、認識対象およびレンズ部材の間の第1位置に移動可能に構成され、レンズ部材に入射する光を絞る孔部を有する絞り部材と、認識対象に光を照射するとともに、撮像部の光軸を取り囲むように設けられた照明と、を備え、絞り部材は、レンズ部材と照明との間に配置されている
【0008】
この発明の一の局面による基板作業装置では、上記のように、認識対象およびレンズ部材の間の第1位置に移動可能に構成され、レンズ部材に入射する光を絞る孔部を有する絞り部材を設ける。これにより、孔部を有する絞り部材を認識対象およびレンズ部材の間の第1位置に移動させた場合に、撮像部の被写界深度を深くする(焦点が合う高さ位置の範囲を大きくする)ことができるので、異なる高さ位置の認識対象を撮像して認識することができる。また、絞り部材の孔部は、レンズ部材に対して精度よく位置合わせしなくても、被写界深度を深くする効果があるので、絞り部材を厳密に精度よく移動させる必要がない。これにより、装置構成を簡素化することができるので、簡易な装置構成により異なる高さ位置の認識対象を撮像して認識することができる。また、絞り部材がレンズ部材に対して撮像素子とは反対側に配置されるので、絞り部材を撮像部の前に配置して既存の基板作業装置に対して絞り部材を容易に追加して設けることができる。
【0009】
上記一の局面による基板作業装置において、好ましくは、認識対象の状態に基づいて、絞り部材を認識対象およびレンズ部材の間の第1位置と、認識対象およびレンズ部材の間から外れる第2位置とに移動させる制御を行う制御部をさらに備える。このように構成すれば、認識対象の位置などを含む状態から、絞り部材を第1位置と第2位置とに切り替えて移動させて撮像することができるので、より適切な状態で、認識対象を撮像することができる。これにより、異なる高さ位置の認識対象を、それぞれ、精度よく認識することができる。
【0010】
上記制御部を備える構成において、好ましくは、制御部は、通常動作において認識対象を撮像する場合に、絞り部材を第2位置に移動させるとともに、被写界深度を深くして撮像する場合に、絞り部材を第1位置に移動させるように構成されている。このように構成すれば、被写界深度が深い必要がない場合は、絞り部材を認識対象およびレンズ部材の間に挟まずに撮像することができるので、撮像した画像が暗くなるのを抑制して鮮明な画像を取得することができる。また、被写界深度が深い必要がある場合は、絞り部材を認識対象およびレンズ部材の間に配置して撮像することができるので、認識対象の高さ位置が絞り部材がない場合の焦点位置の範囲外であっても、認識対象を確実に認識することができる。
【0011】
上記制御部を備える構成において、好ましくは、制御部は、絞り部材を第1位置に配置して認識対象を撮像する場合に、絞り部材を第2位置に配置して認識対象を撮像する場合に比べて、露光時間を長くして撮像する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、絞り部材を第2位置に配置して絞り部材を挟んで撮像した場合の画像が暗くなるのを抑制することができるので、絞り部材を挟まずに撮像した画像と同様の処理により、認識対象を容易に認識することができる。
【0012】
上記制御部を備える構成において、好ましくは、絞り部材は、径の大きさが互いに異なる複数の孔部を有し、複数の孔部は、それぞれ、第1位置に移動可能に構成されている。このように構成すれば、認識対象の高さ位置に応じて、孔部の径を変更して被写界深度を変更することができるので、異なる高さ位置の認識対象を、それぞれ、より精度よく認識することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、制御部は、認識対象の状態に基づいて、複数の孔部のうち1つの孔部を第1位置に移動させて、認識対象を撮像する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、第1位置に移動させる孔部を変更して被写界深度を変更することができるので、高さ位置が異なる複数の認識対象を共通の撮像部により容易に撮像することができる。
【0014】
上記一の局面による基板作業装置において、好ましくは、絞り部材は、エアシリンダにより移動されるように構成されている。このように構成すれば、エアシリンダを駆動させることにより、絞り部材を移動させることができるので、より簡易な構成により異なる高さ位置の認識対象を撮像して認識することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、上記のように、簡易な装置構成により異なる高さ位置の認識対象を撮像して認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1実施形態による部品実装装置の概略を示した平面図である。
図2】本発明の第1実施形態による部品実装装置の制御的な構成を示したブロック図である。
図3】本発明の第1実施形態による部品実装装置の絞り部材を示した側面図である。
図4】本発明の第1実施形態による部品実装装置のノズル供給部の撮像位置を示した図である。
図5】本発明の第1実施形態による部品実装装置の基板搬送部の撮像位置を示した図である。
図6】本発明の第1実施形態による部品実装装置の基板搬送治具の撮像位置を示した図である。
図7】本発明の第1実施形態による部品実装装置の部品上面の撮像位置を示した図である。
図8】本発明の第1実施形態による部品実装装置の台車の撮像位置を示した図である。
図9】本発明の第1実施形態による部品実装装置のCPUによる第1動作例による撮像処理を説明するためのフローチャートである。
図10】本発明の第1実施形態による部品実装装置のCPUによる第2動作例による撮像処理を説明するためのフローチャートである。
図11】本発明の第2実施形態による部品実装装置の絞り部材を示した側面図である。
図12】本発明の第2実施形態による部品実装装置の絞り部材を示した平面図である。
図13】本発明の第2実施形態の変形例による部品実装装置の絞り部材を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
[第1実施形態]
(部品実装装置の構成)
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。
【0019】
図1に示すように、部品実装装置100は、一対のコンベア2により基板PをX方向に搬送し、実装作業位置Mにおいて基板Pに部品31を実装する部品実装装置である。なお、部品実装装置100は、特許請求の範囲の「基板作業装置」の一例である。
【0020】
図1に示すように、部品実装装置100は、基台1と、一対のコンベア2と、部品供給部3と、ヘッドユニット4と、支持部5と、一対のレール部6と、部品認識カメラ7とを備えている。また、図2に示すように、部品実装装置100は、制御的な構成として、CPU(中央演算処理装置)81と、記憶装置82と、メモリ83と、表示部84と、入力装置85とを備えている。なお、ヘッドユニット4は、特許請求の範囲の「作業部」の一例である。また、CPU81は、特許請求の範囲の「制御部」の一例である。
【0021】
一対のコンベア2は、基台1上に設置され、基板PをX方向に搬送するように構成されている。また、一対のコンベア2は、搬送中の基板Pを実装作業位置Mで停止させた状態で保持するように構成されている。具体的には、図5に示すように、基板Pは、位置決め部21およびクランプ部22により挟持されることにより、保持される。また、一対のコンベア2は、基板Pの寸法に合わせてY方向の間隔を調整可能に構成されている。
【0022】
部品供給部3は、図1に示すように、一対のコンベア2の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。また、部品供給部3には、複数のテープフィーダ3aが配置されている。具体的には、複数のテープフィーダ3aは、台車33(図8参照)に装着された状態で、部品供給部3に配置されている。
【0023】
テープフィーダ3aは、複数の部品31を所定の間隔を隔てて保持したテープが巻き付けられたリール(図示せず)を保持している。テープフィーダ3aは、リールを回転させて部品31を保持するテープを送出することにより、テープフィーダ3aの先端から部品31を供給するように構成されている。ここで、部品31は、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの電子部品を含む。
【0024】
ヘッドユニット4は、部品31が実装される基板Pに対して作業を行うように構成されている。具体的には、ヘッドユニット4は、一対のコンベア2および部品供給部3の上方位置に配置されており、ノズル41が下端に取り付けられた複数(5つ)の実装ヘッド42と、基板認識カメラ43とを含んでいる。また、図2に示すように、ヘッドユニット4は、照明44と、Z軸モータ45と、R軸モータ46とを含んでいる。Z軸モータ45は、実装ヘッド42を上下方向(Z方向)に移動させるように構成されている。R軸モータ46は、実装ヘッド42を上下方向の軸線を中心に回転させるように構成されている。なお、基板認識カメラ43は、特許請求の範囲の「撮像部」の一例である。
【0025】
実装ヘッド42は、昇降可能(Z方向に移動可能)に構成され、負圧発生機(図示せず)によりノズル41の先端部に発生された負圧によって、テープフィーダ3aから供給される部品31を吸着して保持し、基板Pにおける実装位置に部品31を装着(実装)する作業を行うように構成されている。ノズル41は、図1に示すように、基台1上に配置されたノズル供給部32に交換可能に保持されている。ノズル供給部32の上面には、図4に示すように、位置合わせのためのマーク321が設けられている。
【0026】
基板認識カメラ43は、認識対象としての基板Pを撮像可能に構成されている。具体的には、基板認識カメラ43は、基板Pの位置を認識するために、基板PのフィデューシャルマークFを撮像するように構成されている。そして、フィデューシャルマークFの位置を撮像して認識することにより、基板Pにおける部品31の実装位置を正確に取得することが可能である。また、基板認識カメラ43の近傍には、照明44(図3参照)が設けられている。照明44は、基板認識カメラ43の撮像時に光(可視光や赤外光など)を基板Pに照射するように構成されている。これにより、基板認識カメラ43により基板Pを鮮明に撮像することが可能である。
【0027】
また、基板認識カメラ43は、ノズル供給部32の位置を認識するために、ノズル供給部32(図4参照)のマーク321を撮像可能に構成されている。また、基板認識カメラ43は、図5に示すように、基板Pの位置を認識するために、搬送中の基板PのフィデューシャルマークFを撮像可能に構成されている。また、基板認識カメラ43は、図6に示すように、小片の基板91を搬送するための基板搬送治具9の位置を認識するために、基板搬送治具9のマークを撮像可能に構成されている。また、基板認識カメラ43は、基板搬送治具9に保持された小片の基板91の位置を認識するために、基板搬送治具9上の基板91のマークを撮像可能に構成されている。
【0028】
また、基板認識カメラ43は、図7に示すように、基板Pに実装された背高の部品31の実装方向が正しいか否かを認識するために、基板Pに実装された部品31の上面を撮像可能に構成されている。また、基板認識カメラ43は、図8に示すように、テープフィーダ3aを保持する台車33の位置を認識するために、台車33のマークを撮像可能に構成されている。また、基板認識カメラ43は、テープフィーダ3aの位置を認識するために、テープフィーダ3aのマークを撮像可能に構成されている。また、基板認識カメラ43は、テープのポケット位置を認識するために、テープフィーダ3aにセットされたテープの縁を撮像可能に構成されている。
【0029】
また、基板認識カメラ43は、撮像素子431と、レンズ部材432とを含んでいる。撮像素子431は、たとえば、CMOSセンサや、CCDセンサなどを含んでいる。撮像素子431は、基板Pを含む認識対象をレンズ部材432を介して撮像するように構成されている。レンズ部材432は、所定の高さ位置である基準面に基板認識カメラ43の焦点を合わせるために設けられている。基準面は、たとえば、固定された状態の基板Pの上面となる位置に設定される。また、レンズ部材432は、所定の撮像範囲が基板認識カメラ43に撮像されるように、認識対象を拡大させるように構成されている。
【0030】
ここで、第1実施形態では、図3に示すように、基板認識カメラ43の下方(Z2方向)には、絞り部材47が設けられている。絞り部材47には、レンズ部材432に入射する光を絞る孔部47aが設けられている。孔部47aは、数百μm〜数mm程度の直径を有している。孔部47aは、円形状の貫通孔により構成されている。絞り部材47は、認識対象およびレンズ部材432の間の第1位置P1に移動可能に構成されている。
【0031】
また、絞り部材47は、認識対象およびレンズ部材432の間から外れる第2位置P2に移動可能に構成されている。絞り部材47は、基準面にある認識対象を撮像する通常時では、第2位置P2に位置するように構成されている。また、絞り部材47は、孔部47aが撮像対象(認識対象)およびレンズ部材432の間に配置されることにより、レンズ部材432に入射する光を絞って、基板認識カメラ43の被写界深度を大きくするように構成されている。たとえば、図3に示すように、絞り部材47が認識対象およびレンズ部材432の間から外れる第2位置P2にある場合には、被写界深度がD1である。また、絞り部材47が認識対象およびレンズ部材432の間に配置された第1位置P1にある場合には、被写界深度がD1より大きいD2である。これにより、高さ方向(Z方向)において、基準面から離れた位置の認識対象も認識することが可能になる。
【0032】
また、絞り部材47は、図2および図3に示すように、エアシリンダ471により移動されるように構成されている。エアシリンダ471は、エアにより駆動されて、絞り部材47を第1位置P1および第2位置P2に移動させるように構成されている。また、エアシリンダ471は、CPU81の制御により、ドライバ472により駆動されるように構成されている。また、エアシリンダ471は、位置を検出するシリンダセンサが設けられている。シリンダセンサの検出により、エアシリンダ471の駆動位置が検出されて、絞り部材47が第1位置P1および第2位置P2のいずれに位置するのかが検出される。
【0033】
支持部5は、X軸モータ51を含んでいる。支持部5は、X軸モータ51を駆動させることにより、支持部5に沿ってヘッドユニット4をX方向に移動させるように構成されている。支持部5は、両端部が一対のレール部6により支持されている。
【0034】
一対のレール部6は、基台1上に固定されている。X1側のレール部6は、Y軸モータ61を含んでいる。レール部6は、Y軸モータ61を駆動させることにより、支持部5を一対のレール部6に沿ってX方向と直交するY方向に移動させるように構成されている。ヘッドユニット4が支持部5に沿ってX方向に移動可能であるとともに、支持部5がレール部6に沿ってY方向に移動可能であることによって、ヘッドユニット4はXY方向に移動可能である。
【0035】
部品認識カメラ7は、基台1の上面上に固定されている。部品認識カメラ7は、部品31を撮像可能に構成されている。具体的には、部品認識カメラ7は、一対のコンベア2の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。部品認識カメラ7は、部品31の実装に先立って部品31の吸着状態(吸着姿勢)を認識するために、実装ヘッド42のノズル41に吸着された部品31を下側(Z2側)から撮像するように構成されている。これにより、実装ヘッド42のノズル41に吸着された部品31の吸着状態をCPU81により取得することが可能である。また、部品認識カメラ7の近傍には、照明71(図2参照)が設けられている。照明71は、部品認識カメラ7の撮像時に光(可視光や赤外光など)をノズル41に吸着された部品31に照射するように構成されている。これにより、部品認識カメラ7によりノズル41に吸着された部品31を鮮明に撮像することが可能である。
【0036】
CPU81は、一対のコンベア2による基板Pの搬送動作、ヘッドユニット4による実装動作、基板認識カメラ43や部品認識カメラ7による撮像動作などの部品実装装置100の全体の動作を制御するように構成されている。
【0037】
記憶装置82は、基板Pの情報、部品31の情報、実装動作を行うプログラムなどが格納されている。また、記憶装置82は、たとえば、HDD(ハードディスクドライブ)や、SSD(ソリッドステートドライブ)などを含んでいる。
【0038】
メモリ83は、CPU81の動作の際に情報が記憶されるように構成されている。表示部84は、部品実装装置100の状態や、生産している基板Pの情報などが表示されるように構成されている。入力装置85は、ユーザの部品実装装置100に対する操作が入力されるように構成されている。入力装置85は、たとえば、マウス、キーボード、スイッチ、タッチパネルなどが含まれる。
【0039】
ここで、第1実施形態では、CPU81は、認識対象の状態に基づいて、絞り部材47を認識対象およびレンズ部材432の間の第1位置P1と、認識対象およびレンズ部材432の間から外れる第2位置P2とに移動させる制御を行うように構成されている。具体的には、CPU81は、通常動作において認識対象を撮像する場合に、絞り部材47を第2位置P2に移動させるとともに、被写界深度を深くして撮像する場合に、絞り部材47を第1位置P1に移動させるように構成されている。通常動作は、基板認識カメラ43により、固定された基板Pの位置を認識するために基板Pを撮像する動作を含む。
【0040】
また、CPU81は、絞り部材47を第1位置P1に配置して認識対象を撮像する場合に、絞り部材47を第2位置P2に配置して認識対象を撮像する場合に比べて、露光時間を長くして撮像する制御を行うように構成されている。また、CPU81は、絞り部材47を第1位置P1に配置して認識対象を撮像する場合に、絞り部材47を第2位置P2に配置して認識対象を撮像する場合に比べて、照明44により照射する光を強くして撮像する制御を行うように構成されている。
【0041】
また、第1実施形態では、図4図8に示すように、基板認識カメラ43は、複数の高さ位置の認識対象を撮像可能に構成されている。図4に示すように、基板認識カメラ43は、絞り部材47が第2位置P2に配置された状態で、ノズル41の上面を撮像するように構成されている。ノズル41の上面には、ノズル41の情報が付されている。ノズル41の情報は、文字や数字、1次元または2次元バーコードなどにより付されている。基板認識カメラ43は、絞り部材47が第1位置P1に配置された状態で、ノズル供給部32の上面に配置されたマーク321を撮像するように構成されている。
【0042】
図5に示すように、基板認識カメラ43は、絞り部材47が第2位置P2に配置された状態で、固定された基板Pの上面のフィデューシャルマークFを撮像するように構成されている。また、基板認識カメラ43は、絞り部材47が第1位置P1に配置された状態で、コンベア2により搬送中またはクランプ前の基板Pの上面のフィデューシャルマークFを撮像するように構成されている。
【0043】
図6に示すように、基板認識カメラ43は、絞り部材47が第2位置P2に配置された状態で、基板搬送治具9上の基板91のマークを撮像するように構成されている。また、基板認識カメラ43は、絞り部材47が第1位置P1に配置された状態で、基板搬送治具9のマークを撮像可能に構成されている。
【0044】
図7に示すように、基板認識カメラ43は、絞り部材47が第1位置P1に配置された状態で、基板Pに実装された背高の部品31の上面を撮像するように構成されている。基板Pに実装された背高の部品31は、たとえば、コンデンサを含んでいる。コンデンサの上面には、文字や記号が付されており、文字や記号の向きを認識することにより、正しい方向(極性)に実装されているか否かを判別することが可能である。
【0045】
図8に示すように、基板認識カメラ43は、絞り部材47が第1位置P1に配置された状態で、台車33のマークを撮像するように構成されている。また、基板認識カメラ43は、絞り部材47が第1位置P1に配置された状態で、テープフィーダ3aのマークを撮像するように構成されている。また、基板認識カメラ43は、絞り部材47が第1位置P1に配置された状態で、テープフィーダ3aにセットされたテープの縁を撮像するように構成されている。
【0046】
次に、図9を参照して、部品実装装置100のCPU81の第1動作例による撮像処理について説明する。
【0047】
図9のステップS1において、通常動作の認識処理であるか否かが判断される。具体的には、基板認識カメラ43による撮像が被写界深度が必要な撮像であるか否かが判断される。通常動作の認識処理であれば、ステップS2に進み、通常ではない認識処理であれば、ステップS6に進む。ステップS2において、基板認識カメラ43が認識位置の上方にXY移動(平行移動)される。具体的には、ヘッドユニット4がXY移動されることにより、基板認識カメラ43が認識対象の上方に配置される。
【0048】
ステップS3において、絞り部材47の位置が正しいか否かが判断される。具体的には、絞り部材47が第2位置P2に配置されているか否かが判断される。絞り部材47が正しい位置である第2位置P2に配置されていれば、ステップS4に進み、絞り部材47が第1位置P1に配置されていれば、ステップS5に進む。ステップS4において、基板認識カメラ43により、撮像対象が撮像される。その後、CPU81により、撮像結果に基づいて、認識対象が認識される。そして、撮像処理が終了される。
【0049】
ステップS5において、表示部84にエラーが表示される。具体的には、絞り部材47が正しい位置に配置されていないことが表示部84に表示されて通知される。その後、撮像処理が終了される。
【0050】
ステップS1において通常動作の認識処理ではないと判断されると、ステップS6において、基板認識カメラ43が認識位置の上方にXY移動(平行移動)される。具体的には、ヘッドユニット4がXY移動されることにより、基板認識カメラ43が認識対象の上方に配置される。ステップS7において、絞り部材47の位置が切り替えられる。具体的には、絞り部材47が第2位置P2から第1位置P1に位置するように切り替えられる。これにより、孔部47aがレンズ部材432の前に配置される。
【0051】
ステップS8において、絞り部材47の位置が正しいか否かが判断される。具体的には、絞り部材47が第1位置P1に配置されているか否かが判断される。絞り部材47が正しい位置である第1位置P1に配置されていれば、ステップS9に進み、絞り部材47が第2位置P2に配置されていれば、ステップS11に進む。ステップS9において、基板認識カメラ43により、撮像対象が撮像される。その後、CPU81により、撮像結果に基づいて、認識対象が認識される。
【0052】
ステップS10において、絞り部材47の位置が切り替えられる。具体的には、絞り部材47が第1位置P1から第2位置P2に位置するように切り替えられる。そして、撮像処理が終了される。ステップS11において、表示部84にエラーが表示される。具体的には、絞り部材47が正しい位置に配置されていないことが表示部84に表示されて通知される。その後、撮像処理が終了される。
【0053】
次に、図10を参照して、部品実装装置100のCPU81の第2動作例による撮像処理について説明する。
【0054】
図10のステップS21において、通常動作の認識処理であるか否かが判断される。具体的には、基板認識カメラ43による撮像が被写界深度が必要な撮像であるか否かが判断される。通常動作の認識処理であれば、ステップS22に進み、通常ではない認識処理であれば、ステップS27に進む。ステップS22において、基板認識カメラ43が認識位置の上方にXY移動(平行移動)される。具体的には、ヘッドユニット4がXY移動されることにより、基板認識カメラ43が認識対象の上方に配置される。
【0055】
ステップS23において、絞り部材47の位置が正しいか否かが判断される。具体的には、絞り部材47が第2位置P2に配置されているか否かが判断される。絞り部材47が正しい位置である第2位置P2に配置されていれば、ステップS24に進み、絞り部材47が第1位置P1に配置されていれば、ステップS26に進む。ステップS24において、撮像条件が絞りなし条件に設定される。具体的には、基板認識カメラ43による撮像の露光時間が絞りなし条件に設定される。また、照明44による点灯時間が絞りなし条件に設定される。
【0056】
ステップS25において、基板認識カメラ43により、撮像対象が撮像される。その後、CPU81により、撮像結果に基づいて、認識対象が認識される。そして、撮像処理が終了される。ステップS26において、表示部84にエラーが表示される。具体的には、絞り部材47が正しい位置に配置されていないことが表示部84に表示されて通知される。その後、撮像処理が終了される。
【0057】
ステップS21において通常動作の認識処理ではないと判断されると、ステップS27において、基板認識カメラ43が認識位置の上方にXY移動(平行移動)される。具体的には、ヘッドユニット4がXY移動されることにより、基板認識カメラ43が認識対象の上方に配置される。ステップS28において、絞り部材47の位置が切り替えられる。具体的には、絞り部材47が第2位置P2から第1位置P1に位置するように切り替えられる。これにより、孔部47aがレンズ部材432の前に配置される。
【0058】
ステップS29において、絞り部材47の位置が正しいか否かが判断される。具体的には、絞り部材47が第1位置P1に配置されているか否かが判断される。絞り部材47が正しい位置である第1位置P1に配置されていれば、ステップS30に進み、絞り部材47が第2位置P2に配置されていれば、ステップS33に進む。ステップS30において、撮像条件が絞りあり条件に設定される。具体的には、基板認識カメラ43による撮像の露光時間が絞りあり条件に設定される。なお、絞りあり条件の露光時間は、絞りなし条件の露光時間に比べて長く設定される。また、照明44による点灯時間が絞りあり条件に設定される。なお、絞りあり条件の点灯時間は、絞りなし条件の点灯時間に比べて長く設定される。
【0059】
ステップS31において、基板認識カメラ43により、撮像対象が撮像される。その後、CPU81により、撮像結果に基づいて、認識対象が認識される。ステップS32において、絞り部材47の位置が切り替えられる。具体的には、絞り部材47が第1位置P1から第2位置P2に位置するように切り替えられる。そして、撮像処理が終了される。ステップS33において、表示部84にエラーが表示される。具体的には、絞り部材47が正しい位置に配置されていないことが表示部84に表示されて通知される。その後、撮像処理が終了される。
【0060】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0061】
第1実施形態では、上記のように、認識対象およびレンズ部材432の間の第1位置P1に移動可能に構成され、レンズ部材432に入射する光を絞る孔部47aを有する絞り部材47を設ける。これにより、孔部47aを有する絞り部材47を認識対象およびレンズ部材432の間の第1位置P1に移動させた場合に、基板認識カメラ43の被写界深度を深くする(焦点が合う高さ位置の範囲を大きくする)ことができるので、異なる高さ位置の認識対象を撮像して認識することができる。また、絞り部材47の孔部47aは、レンズ部材432に対して精度よく位置合わせしなくても、被写界深度を深くする効果があるので、絞り部材47を厳密に精度よく移動させる必要がない。これにより、装置構成を簡素化することができるので、簡易な装置構成により異なる高さ位置の認識対象を撮像して認識することができる。また、絞り部材47がレンズ部材432に対して撮像素子431とは反対側に配置されるので、絞り部材47を基板認識カメラ43の前に配置して既存の部品実装装置に対して絞り部材47を容易に追加して設けることができる。
【0062】
また、第1実施形態では、認識対象の状態に基づいて、絞り部材47を認識対象およびレンズ部材432の間の第1位置P1と、認識対象およびレンズ部材432の間から外れる第2位置P2とに移動させる制御を行うCPU81を設ける。これにより、認識対象の位置などを含む状態から、絞り部材47を第1位置P1と第2位置P2とに切り替えて移動させて撮像することができるので、より適切な状態で、認識対象を撮像することができる。これにより、異なる高さ位置の認識対象を、それぞれ、精度よく認識することができる。
【0063】
また、第1実施形態では、CPU81を、通常動作において認識対象を撮像する場合に、絞り部材47を第2位置P2に移動させるとともに、被写界深度を深くして撮像する場合に、絞り部材47を第1位置P1に移動させるように構成する。これにより、被写界深度が深い必要がない場合は、絞り部材47を認識対象およびレンズ部材432の間に挟まずに撮像することができるので、撮像した画像が暗くなるのを抑制して鮮明な画像を取得することができる。また、被写界深度が深い必要がある場合は、絞り部材47を認識対象およびレンズ部材432の間に配置して撮像することができるので、認識対象の高さ位置が絞り部材47がない場合の焦点位置の範囲外であっても、認識対象を確実に認識することができる。
【0064】
また、第1実施形態では、CPU81を、絞り部材47を第1位置P1に配置して認識対象を撮像する場合に、絞り部材47を第2位置P2に配置して認識対象を撮像する場合に比べて、露光時間を長くして撮像する制御を行うように構成する。これにより、絞り部材47を第2位置P2に配置して絞り部材47を挟んで撮像した場合の画像が暗くなるのを抑制することができるので、絞り部材47を挟まずに撮像した画像と同様の処理により、認識対象を容易に認識することができる。
【0065】
また、第1実施形態では、絞り部材47を、エアシリンダ471により移動されるように構成されている。これにより、エアシリンダ471を駆動させることにより、絞り部材47を移動させることができるので、より簡易な構成により異なる高さ位置の認識対象を撮像して認識することができる。
【0066】
[第2実施形態]
次に、図11および図12を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、絞り部材に孔部が1つ設けられていた上記第1実施形態とは異なり、絞り部材に複数の孔部が設けられた構成の例について説明する。なお、第1実施形態と同様の箇所には同様の符号を付している。
【0067】
第2実施形態では、図11に示すように、基板認識カメラ43の下方(Z2方向)には、絞り部材47が設けられている。絞り部材47には、レンズ部材432に入射する光を絞る孔部47bおよび47cが設けられている。つまり、絞り部材48は、径の大きさが互いに異なる複数の孔部47bおよび47cを有している。
孔部47bおよび47cは、数百μm〜数mm程度の直径を有している。また、図12に示すように、孔部47bは、孔部47cよりも小さい直径を有している。複数の孔部47bおよび47cは、それぞれ、第1位置P1に移動可能に構成されている。絞り部材47は、認識対象およびレンズ部材432の間の第1位置P1に移動可能に構成されている。具体的には、絞り部材47は、孔部47bが第1位置P1に配置される状態と、孔部47cが第1位置P1に配置される状態と、孔部47bおよび47cの両方が、第2位置P2に配置される状態とに、移動可能に構成されている。
【0068】
また、第2実施形態では、CPU81は、認識対象の状態に基づいて、複数の孔部47bおよび47cのうち1つの孔部を第1位置P1に移動させて、認識対象を撮像する制御を行うように構成されている。具体的には、CPU81は、認識対象が基準面に対して大きくずれている場合は、被写界深度を大きくするために、絞りのための孔部を小さくするように、孔部47bを第1位置P1に移動させる。また、CPU81は、認識対象が基準面に対して小さくずれている場合は、被写界深度をやや大きくするために、絞りのための孔部を大きくするように、孔部47cを第1位置P1に移動させる。また、CPU81は、認識対象が基準面と略同じ高さ位置に位置する場合は、孔部47bおよび47を第2位置P2に移動させる。
【0069】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0070】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0071】
上記のように、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、認識対象およびレンズ部材432の間の第1位置P1に移動可能に構成され、レンズ部材432に入射する光を絞る孔部47bおよび47cを有する絞り部材47を設ける。これにより、簡易な装置構成により異なる高さ位置の認識対象を撮像して認識することができる。
【0072】
また、第2実施形態では、上記のように、絞り部材48に、径の大きさが互いに異なる複数の孔部47bおよび47cを設け、複数の孔部47bおよび47cを、それぞれ、第1位置P1に移動可能に構成する。これにより、認識対象の高さ位置に応じて、孔部47bおよび47cの径を変更して被写界深度を変更することができるので、異なる高さ位置の認識対象を、それぞれ、より精度よく認識することができる。
【0073】
また、第2実施形態では、上記のように、CPU81を、認識対象の状態に基づいて、複数の孔部47bおよび47cのうち1つの孔部を第1位置P1に移動させて、認識対象を撮像する制御を行うように構成する。これにより、第1位置P1に移動させる孔部47bおよび47cを変更して被写界深度を変更することができるので、高さ位置が異なる複数の認識対象を共通の基板認識カメラ43により容易に撮像することができる。
【0074】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0075】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0076】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、本発明を基板作業装置としての部品実装装置に適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明を部品実装装置以外に適用してもよい。たとえば、本発明を基板に半田などを印刷する印刷装置に適用してもよい。また、本発明を基板に接着剤や半田などを塗布するディスペンサ装置に適用してもよい。また、本発明を基板にチップ部品を実装するボンダ装置に適用してもよい。
【0077】
また、上記第1および第2実施形態では、撮像部として基板を撮像する基板認識カメラを用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、撮像部として部品を撮像する部品認識カメラを用いてもよい。この場合、長さの異なるリードを有する部品において、長さ(高さ位置)の異なるリードの先端を同時に撮像して認識するようにしてもよい。また、リードを有する部品において、リードの先端と部品本体とを同時に撮像して認識するようにしてもよい。
【0078】
また、上記第2実施形態では、複数の孔部を有する絞り部材を直線的に移動させて、径の異なる孔部を第1位置に移動させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図13に示す変形例のように、絞り部材48を円板状に形成してもよい。また、円板状の絞り部材48に、放射状に複数の孔部48a、48b、48cおよび48dを配置してもよい。孔部48a〜48cは、レンズ部材に入射する光を絞るように構成されている。孔部48dは、光を絞らずにレンズ部材に光を入射させるように構成されている。つまり、孔部48dは、絞りが入らない程度以上の直径を有している。孔部48a〜48cの直径は、孔部48a、48b、48cの順に大きくなる。また、絞り部材48は、エアシリンダ481により、一方方向に回転可能に構成してもよい。たとえば、絞り部材48には、ラチェットが設けられており、エアシリンダ481の駆動により、所定の角度ずつ一方方向に回転されるようにしてもよい。
【0079】
また、上記第2実施形態では、絞り部材に2つの孔部が設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、絞り部材に3つ以上の孔部を設けてもよい。
【0080】
また、上記第1および第2実施形態では、絞り部材をエアシリンダにより移動させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、エアシリンダ以外により絞り部材を移動させてもよい。たとえば、モータの駆動により絞り部材を移動させてもよい。
【0081】
また、上記第1および第2実施形態では、説明の便宜上、CPU(制御部)の処理を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の処理を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0082】
4 ヘッドユニット(作業部)
31 部品
43 基板認識カメラ(撮像部)
47、48 絞り部材
47a、47b、47c、48a、48b、48c 孔部
81 CPU(制御部)
100 部品実装装置(基板作業装置)
431 撮像素子
432 レンズ部材
471、481 エアシリンダ
P 基板
P1 第1位置
P2 第2位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13