(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係るブラインドの全体の構成について、
図1〜
図3を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施形態のブラインドの全体構成を示す図であり、
図1(a)はブラインドを正面から見た図であり、
図1(b)はブラインドの各部の構成を説明するための概略図である。
図2は、ブラインドの揺動装置を説明するためのボトムレールの一端の断面図であり、
図2(a)は揺動装置が突出していない状態を示す図であり、
図2(b)は揺動装置が突出した状態を示す図である。
図3は、昇降の途中の位置における揺動装置の状態を示すボトムレールの一端の拡大図であり、
図3(a)は側面図であり、
図3(b)は正面図である。
【0018】
ブラインド100は、
図1に示したように、ヘッドボックス(支持部材)110から垂下する昇降コード120と、昇降コード120により昇降可能なボトムレール130と、ボトムレール130の昇降によって展開及び畳込み可能なスラット(遮蔽材)140と、を備え、スラット140はラダーコード150によって整列状態に支持されている。さらに、昇降コード120の一端はボトムレール130において転回してボトムレール130の端部に向かって導かれ、ボトムレール130の端部において突出部材160に連結され、昇降コード120に弛みが生じると、突出部材160はバネ(付勢部材)168の付勢力によって幅方向外側に向かって突出し、ボトムレール130を保持する磁性体410に突出部材160が当接することにより、ボトムレール130が磁性体410に保持されるように構成される。以下、各構成要素について詳細に説明する。
【0019】
(ヘッドボックス110)
ヘッドボックス110は、本発明を構成する支持部材の一例である。ヘッドボックス110は、
図1に示したように、窓枠や天井等の開口部500にブラケット112を介して固定されている。本実施形態では、ヘッドボックス110が取り付けられる開口部500を窓枠とする。ヘッドボックス110の正面には、チルタ入力軸114が設けられている。チルタ入力軸114の回転によりスラット140が傾動する。チルタ入力軸114の先端には操作棒116が一体に回転するように設けられており、チルタ入力軸114は、操作棒116により回転を操作される。
【0020】
(昇降コード120)
昇降コード120は、これが昇降することによりスラット140を昇降するものである。昇降コード120は、
図1(a)に示したように、ヘッドボックス110の長手方向に間隔をあけて複数設けられている。それぞれの昇降コード120は、一端が複数のスラット140の最下段に配置されるボトムレール130に連結され、他端が複数のスラット140を挿通してヘッドボックス110内に導入される。
【0021】
ヘッドボックス110内に導入された昇降コード120は、
図1(b)に示したように、ヘッドボックス110の一端に導かれて、ストッパー118を介してチルタ入力軸114及び操作棒116を挿通して、操作棒116の下方に導出されてコード止め122に連結される。昇降コード120は、スラット140を最も下降させた状態で、操作棒116の直ぐ下にコード止め122が配置されるような長さに設定されている。
【0022】
(ボトムレール130)
ボトムレール130は、昇降コード120が昇降することによってスラット140を昇降させるものである。ボトムレール130は、
図1(a)に示したように、スラット140列の下端に配置され、ラダーコード150の下端が連結される。また、ボトムレール130には、
図1(b)に示したように、昇降コード120の下端が導入される。
【0023】
ボトムレール130の上部には、
図2に示したように、昇降コード120をボトムレール内に導入する導入孔130aが形成されている。ボトムレール130内には、導入孔130aに隣接してガイドローラ132が回転可能に設けられている。このような構成により、ボトムレール130内に導入された昇降コード120は、ガイドローラ132に巻き掛けられて転回してボトムレール130の端部方向に向かって導かれ、ボトムレール130の端部に設けられた後述する突出部材160に連結される。
【0024】
また、ボトムレール130には、導入孔130aが設けられている位置の下部にはラダーホルダ134が設けられている。ラダーホルダ134によって、ラダーコード150の下端が保持されるとともにガイドローラ132の下方への移動が規制されている。
【0025】
(スラット140)
スラット140は、本発明を構成する遮蔽材の一例である。複数のスラット140は、
図1に示したように、ラダーコード150によって整列状態に支持されており、ラダーコード150が傾動することによって回転する。
【0026】
(ラダーコード150)
ラダーコード150は、スラット140を整列状態に支持するものである。ラダーコード150は、
図1に示したように、ヘッドボックス110から吊下げられて下端がラダーホルダ134によってボトムレール130に連結されている。ラダーコード150はスラット140を整列状態に支持している。ラダーコード150は、チルタ入力軸114の回転によって傾動し、支持しているスラット140を回転させる。
【0027】
(突出部材160)
突出部材160は、ボトムレール130の端部に設けられて、昇降コード120に弛みが生じるとボトムレール130から突出して開口部500の磁性体510に保持されるものである。突出部材160は、
図1に示したように、ボトムレール130の両端部に設けられる。
【0028】
突出部材160は、
図2に示したように、磁性体510に吸着する磁石162と、磁石162を支持する摺動部164と、摺動部164を摺動可能に支持する支持部166と、を備えて構成される。磁石162は、
図3に示したように、ボトムレール130の端部とほぼ同じ大きさの方形状である。
【0029】
摺動部164は、
図2に示したように、ボトムレール130の端部よりも若干大きい方形状の枠状に構成された磁石支持枠164aと、磁石支持枠164aの後方に突出する断面非円形状のスライド部164bと、を備えて構成される。スライド部164bには、昇降コード120が挿入する挿入孔164cと、挿入孔164cに連通し、挿入された昇降コード120の端部に形成される結び目120aが収容される収容部164dと、が形成されている。このような構成により、挿入孔164cから収容部164dに挿入された昇降コード120の端部に結び目120aを形成することによって、昇降コード120がスライド部164bに連結される。
【0030】
支持部166は、
図2に示したように、矩形の筒状の形状をしており、ボトムレール130に嵌め合わされる。支持部166の内部空間166aにはスライド部164bと、バネ168とが配設される。支持部166の後端には底部166bが形成されており、底部166bの中心には、昇降コード120が挿入する挿入孔166cが形成されている。支持部166の前端には周囲に鍔部166dが形成されている。鍔部166dはボトムレール130の端部とほぼ同じ大きさに構成されており、ボトムレール130の端部に外側から当接するように配置される。これにより、支持部166がボトムレール130内に入り込むことはない。
【0031】
(バネ168)
バネ168は、ボトムレール130内に設けられて、昇降コード120に弛みが生じると付勢力によって突出部材160をボトムレール130から突出させるものである。本実施形態では付勢部材の一例として、
図2に示したように、コイル状のバネ168が用いられる。
【0032】
突出部材160は、次のようにボトムレール130に組み付けられる。すなわち、突出部材160は、
図2に示したように、支持部166の底部166bがボトムレール130内に挿入され、鍔部166dがボトムレール130の端部に接触するように、支持部166がボトムレール130に嵌め合わされる。次に、支持部166の内部空間166aの底部166b側にバネ168が配設され、バネ168よりも外側に摺動部164のスライド部164bが配設される。
【0033】
支持部166の挿入孔166c、バネ168の内部を挿通した昇降コード120は、ボトムレール130の外側において摺動部164の挿入孔164cに挿通され、摺動部164の収容部164dに挿入される。昇降コード120は、収容部164d内で結び目120aが形成されて、収容部164dから抜け出すことができないように支持部166に連結される。最後に、導入孔130側から昇降コード120にテンションを掛けることで、摺動部164のスライド部164bが支持部166の内部空間166aに引き込まれて、組み付けが完了する。
【0034】
(開口部500)
開口部500は、窓枠や室内の空間などによって構成され、ヘッドボックス110が取り付けられる上方の部分と、突出部材160が突出したときに当接する下方の部分とを備えたものとなる。本実施形態では、一例として窓枠によって構成されるものとする。開口部500には、
図1に示したように、突出部材160が突出したときに当接する下方の部分に磁性体510が設けられる。
【0035】
磁性体510は、ボトムレール130から突出した突出部材160の磁石162を吸着してボトムレール130を保持するものである。磁性体510は、磁石162が吸着する金属や磁石などによって構成される。磁性体510が設けられる位置は、スラット140が展開し、ボトムレール130が最も下降した位置のボトムレール130の端部に対面する位置である。このような構造により、ボトムレール130が最も下降した位置で突出部材160の磁石162が磁性体510に磁力で吸着し、ボトムレール130の揺動が防止される。
【0036】
次に、突出部材160と磁性体510との作用について説明する。
図2(a)及び
図3に示したように、昇降コード120がストッパー118によって移動が規制されることでスラット140が展開しておらず、ラダーコード150が弛んでいて昇降コード120が緊張している状態のときには、昇降コード120が摺動部164をボトムレール130内に引き込む方向に引っ張る。よって、摺動部164がボトムレール130内に没しており、磁石162が磁性体410から離間している。このため、ボトムレール130は移動自在な状態である。
【0037】
次に、昇降コード120のストッパー118による規制が解除されることでスラット140が展開して、ラダーコード150が緊張し、昇降コード120が弛んだ状態のときには、
図2(b)及び
図4に示したように、摺動部164には昇降コード120からボトムレール130内に引き込む力が作用しなくなる。よって、バネ168によって摺動部164が押圧されてボトムレール130の端部から突出し、磁石162が磁性体510に吸着する。このため、ボトムレール130が磁性体510に保持されて、ブラインド100の揺動が防止される。
【0038】
以上、本実施形態のブラインド100の全体構成について説明した。次に、本実施形態のブラインド100の動作について、
図5及び
図6を参照しながら説明する。
図5は、ブラインドが昇降の途中の位置で停止した状態を示す図であり、
図5(a)はブラインドを正面から見た図であり、
図5(b)は、ブラインドの各部の状態を示す図である。
図6は、ブラインドが最も下降した状態を示す図であり、
図6(a)はブラインドを正面から見た図であり、
図6(b)は、ブラインドの各部の状態を示す図である。
【0039】
昇降コード120がストッパー118によって移動が規制されてスラット140が畳み込まれている状態のときには、
図5(a)に示したように、ラダーコード150は弛んでいる。一方、昇降コード120は、
図5(b)に示したように、ボトムレール130の自重によって緊張している状態であるため、突出部材160は昇降コード120に引っ張られて、ボトムレール130内に没する状態となっている。よって、突出部材160が開口部400に当接することがないため、突出部材160がスラット140の昇降の妨げにならない。
【0040】
昇降コード120のストッパー118による規制が解除されてスラット140が展開した状態のときには、
図6(a)に示したように、ラダーコード150がボトムレール130を吊り下げた状態になるため、ボトムレール130の自重はラダーコード150にかかる。一方、昇降コード120には、
図6(b)に示したように、ボトムレール130の自重がかからずフリーになり、弛みが生じる。このため、突出部材160は、バネ168の付勢力によって摺動部164が支持部166に沿って移動する。よって、摺動部164がボトムレール130から突出し、磁石162が開口部500の磁性体510に吸着する。このため、ボトムレール130が開口部500に固定されて、揺動が防止される。
【0041】
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、昇降コード120の下端に連結された突出部材160をボトムレール130の端部に設け、突出部材160は昇降コード120に弛みが生じるとボトムレール130から突出するようにした。このため、ボトムレール130内には、配回された昇降コード120とバネ168のみが配置されるため、ボトムレール130の大型化を防ぐことができる。また、昇降コード120の弛みを利用して突出部材160を突出させるため、一連の昇降操作の中で突出部材160を突出させることが可能となる。
【0042】
また、突出部材160と保持手段の当接面のうち、一方が磁性体510であり、他方が磁石162として、磁力を用いることによって、ばね168による付勢力は突出部材160を保持する力を必要としないため、付勢力を突出部材160を外方に突出させるだけの小さな力とすることができ、その設定が容易となる。
【0043】
また、ブラインド100を横型ブラインドとし、遮蔽材をスラット140とすることで、ラダーコード150が下方まで下りた状態をブラインド100の下限位置として設定できるため、その下限位置で昇降コード120に弛みを生じさせることが可能となり、開口部500下面への当接を回避できる。
【0044】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係るブラインド200の構成について、
図7を参照しながら説明する。
図7は、第2の実施形態のブラインド200の特徴部分である突出部材260を説明するためのボトムレール230の一端の断面図であり、
図7(a)は突出部材260が突出していない状態を示す図であり、
図7(b)は突出部材260が突出した状態を示す図である。本実施形態は、上記第1の実施形態とは突出部材260と突出部材260を保持する機構が異なるものであり、本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0045】
本実施形態の昇降コード220、ボトムレール230、バネ268は、第1の実施形態の昇降コード120、ボトムレール130、バネ168と実質的に同様である。
【0046】
突出部材260は、摺動部264の先端が第1の実施形態では磁石162を支持する磁石支持枠164aであったのに対し、本実施形態では、上下方向に連続する凹凸が形成された係合片264aとなっている。突出部材260のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。開口部600には、第1の実施形態では磁石162を吸着する磁性体510を設けたが、本実施形態では、係合片264aの凹凸が係合する凹凸が形成された受け部610が設けられる。係合片264aと受け部610の凹凸は、互いの凹凸が係合されるため、一方の凸部と他方の凹部とが対面するように形成されている。
【0047】
次に、本実施形態の作用について説明する。昇降コード220が緊張している状態のときには、
図7(a)に示したように、昇降コード220が摺動部264をボトムレール230内に引き込む方向に引っ張る。よって、摺動部264のスライド部264bがボトムレール230内に没しており、係合片264aが受け部610から離間している。このため、ボトムレール230は移動自在な状態である。
【0048】
昇降コード220が弛んだ状態のときには、
図7(b)に示したように、摺動部264には昇降コード220からボトムレール230内に引き込む力が作用しなくなる。よって、バネ268によって摺動部264が押圧されてボトムレール230の端部から突出し、係合片264aが受け部610に係合する。このため、ボトムレール230が受け部610に保持されて、ブラインド200の揺動が防止される。
【0049】
(第2の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、突出部材260と保持手段の当接面のうち、一方の面には係合片264aが形成され、他方の面には係合片264aと係合する受け部610を形成することができる。かかる構成によれば、バネ268による付勢力は突出部材260を保持する力を必要としないため、付勢力を突出部材260を外方に突出させるだけの小さな力とすることができ、その設定が容易となる。
【0050】
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係るブラインド300の構成について、
図8及び
図9を参照しながら説明する。
図8は、第3の実施形態のブラインド300が若干畳み込まれている状態のときのボトムレールの一端の拡大図であり、
図8(a)は側面図であり、
図8(b)は正面図である。
図9は、第3の実施形態のブラインドが展開したときのボトムレールの一端の拡大図であり、
図9(a)は側面図であり、
図9(b)は正面図である。本実施形態は、上記第1の実施形態とは遮蔽材が異なるものであり、本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0051】
本実施形態は、遮蔽材としてプリーツスクリーン340を用いたものである。第1の実施形態では、遮蔽材としてスラット140を用い、遮蔽材を支持する部材としてラダーコード150を用いたが、本実施形態では、遮蔽材としてプリーツスクリーン340を用い、遮蔽材を支持する部材としてピッチコード350を用いる。以下、本実施形態の構成について説明する。
【0052】
本実施形態の昇降コード320、ボトムレール330、突出部材360、摺動部364、開口部700、磁性体710は、第1の実施形態の昇降コード120、ボトムレール130、突出部材160、摺動部164、開口部500、磁性体510と実質的に同様である。
【0053】
プリーツスクリーン340は、
図8及び
図9に示したように、前後方向に山340aと谷340bが交互に形成されたプリーツ状に構成されている。各プリーツの前後方向中央位置には、昇降コード320が挿通する挿通孔342が形成されている。昇降コード320は、図示していないヘッドボックスから垂下しプリーツスクリーン340の挿通孔342を挿通し、第1の実施形態の昇降コード120と同様にボトムレール330内に導入されて、突出部材360に連結される。また、プリーツスクリーン340は、図示していないヘッドボックスから垂下したピッチコード350に支持されている。ピッチコード350は、上下方向にプリーツのピッチに合わせて複数のリング部350aが形成されており、プリーツスクリーン340の背面に設けられ、各リング部350aに昇降コード320が挿通される。プリーツスクリーン340の各谷340bから各山340aに向かう各プリーツの下面が各リング部350a上に載置されることで、ピッチコード350はプリーツスクリーン340をプリーツの間隔が一定になるように支持している。
【0054】
次に、突出部材360と磁性体710との作用について説明する。
図8に示したように、プリーツスクリーン340が展開しておらず、ピッチコード350が弛んでいて昇降コード320が緊張している状態のときには、昇降コード120が摺動部364をボトムレール330内に引き込む方向に引っ張る。よって、摺動部364のスライド部がボトムレール330内に没しており、磁石362が磁性体610から離間している。このため、ボトムレール330は移動自在な状態である。
【0055】
次に、プリーツスクリーン340が展開して、ピッチコード350が緊張し、昇降コード320が弛んだ状態のときには、
図9に示したように、摺動部364には昇降コード320からボトムレール330内に引き込む力が作用しなくなる。よって、バネ368によって摺動部364が押圧されてボトムレール330の端部から突出し、磁石362が磁性体710に吸着する。このため、ボトムレール330が磁性体710に保持されて、ブラインド100の揺動が防止される。
【0056】
(第3の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、ブラインド300をプリーツスクリーンとし、遮蔽材を蛇腹状のスクリーン340とすることで、プリーツのピッチを一定に保持するピッチコード350が下方まで下りた状態をブラインド300の下限位置として設定できるため、その下限位置で昇降コード320に弛みを生じさせることが可能となり、開口部700下面への当接を回避できる。
【0057】
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係るブラインド400の構成について、
図10を参照しながら説明する。
図10は、第4の実施形態のブラインド400が最も下降した状態を示す図であり、
図10(a)はブラインドを正面から見た図であり、
図10(b)は、ブラインドの各部の状態を示す図である。本実施形態は、上記第1の実施形態とは遮蔽材が異なるものであり、本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0058】
本実施形態は、遮蔽材としてハニカムスクリーン440を用いたものである。第1の実施形態では、遮蔽材を支持する部材としてラダーコード150を用い、第3の実施形態では、遮蔽材を支持する部材としてピッチコード350を用いたが、本実施形態では、それに該当するものがない。以下、本実施形態の構成について説明する。
【0059】
本実施形態の昇降コード420、ボトムレール430、突出部材460、摺動部464、開口部800、磁性体810は、第1の実施形態の昇降コード120、ボトムレール130、突出部材160、摺動部164、開口部500、磁性体510と実質的に同様である。
【0060】
ハニカムスクリーン440は、
図10(a)に示したように、上下に複数のセルが連続するスクリーンであり、各セルの前後方向中央位置には、昇降コード420が挿通しており、昇降コード420はスクリーンの表面には露出しない。昇降コード420は、ヘッドボックス410から昇降可能に垂下しハニカムスクリーン440の図示していない挿通孔を挿通し、第1の実施形態の昇降コード120と同様にボトムレール430内に導入されて、突出部材460に連結される。また、ハニカムスクリーン440は、開口部800の高さよりも長く形成されており、ハニカムスクリーン440が全て展開しなくてもボトムレール430が開口部800の下面に当接する程度の長さとなっている。
【0061】
昇降コード420の上端は、
図10(b)に示したように、ヘッドボックス410内に配置される巻取ドラム412に巻取り及び巻き解き可能に連結されている。ヘッドボックス410内には、巻取ドラム412を回転可能に挿通する回転軸414と、回転軸414の回転を拘束するストッパー416と、回転軸414の回転速度を減速するブレーキ418と、が設けられている。回転軸414はヘッドボックス410の一端に設けられる操作チェーン419によって回転が操作される。
【0062】
次に、突出部材460と磁性体810との作用について説明する。
図10(b)に示したように、ハニカムスクリーン440が展開して、ボトムレール430が開口部800の下面に当接すると昇降コード420が弛んだ状態となり、摺動部464には昇降コード420からボトムレール430内に引き込む力が作用しなくなる。よって、バネによって摺動部464が押圧されてボトムレール430の端部から突出し、図示していない磁石が磁性体810に吸着する。このため、ボトムレール430が磁性体810に保持されて、ブラインド400の揺動が防止される。
【0063】
(第4の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、ブラインド400をハニカムスクリーンとし、ボトムレール430が開口部800の下面に当接するまでスクリーン440を展開可能とすることで、ボトムレール430下面と開口部800との間に隙間が生じなくなり、断熱性能を高めることができる。
【0064】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0065】
例えば、上記実施形態では、遮蔽材を開口部に設け、ヘッドボックスを開口部の上方に保持し、ボトムレールが開口部の側方に保持する例について説明したが、本発明はこれに限定されず、ブラインドを任意の保持対象に保持することができる。例えば、ヘッドボックス(支持部材)を天井に設け又は天井からぶら下げ、ボトムレールを床から延びる柱状の保持対象等に保持するようにしてもよい。
【0066】
また、上記第1の実施形態では、突出部材160と保持手段とを磁石162と磁性体410としたが、本発明はこの例に限定さない。例えば、突出部材を磁性体にし、保持手段を磁石としてもよい。また、両方とも磁石であってもよい。磁性体は、例えば金属板でもよい。
【0067】
また、上記第2の実施形態では、突出部材260と保持手段とを係合片264aと受け部510で係合したが、本発明はこの例に限定されない。係合構造は任意の構造でもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、保持手段として開口部の側面に磁性体や受け部を設けたが、本発明はこの例に限定されない。例えば、保持手段は、開口部の側面自体であってもよい。また、突出部材と開口部の側面とは摩擦によって保持されてしてもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、ブラインドとして、横型ブラインド、プリーツスクリーンあるいはハニカムスクリーンを開示したが、ロールスクリーンやローマンシェード等の任意の昇降可能なブラインドに適用可能である。
【0070】
以上説明した実施形態、変更例及び応用例の内容は、適宜組み合わせて実施できる。例えば、上記第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせて、突出部材と保持手段とを、磁力及び係合構造を組み合わせて保持するようにしてもよい。また、第3の実施形態のブラインドにおいて、第2の実施形態の係合構造で保持するようにしてもよい。第1の実施形態のブラインドにおいて、第4の実施形態のブラインドのようにボトムレールを開口部の下面に当接させることで昇降コードに弛みを生じさせてもよい。このように、任意の組み合わせが可能である。