特許第6753847号(P6753847)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シチズンホールディングス株式会社の特許一覧 ▶ シチズンマシナリーミヤノ株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6753847
(24)【登録日】2020年8月24日
(45)【発行日】2020年9月9日
(54)【発明の名称】工作機械
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20200831BHJP
   G05B 19/4155 20060101ALI20200831BHJP
【FI】
   G05B19/418 Z
   G05B19/4155 N
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-521865(P2017-521865)
(86)(22)【出願日】2016年5月26日
(86)【国際出願番号】JP2016065530
(87)【国際公開番号】WO2016194748
(87)【国際公開日】20161208
【審査請求日】2018年10月25日
(31)【優先権主張番号】特願2015-111959(P2015-111959)
(32)【優先日】2015年6月2日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000137856
【氏名又は名称】シチズンマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100082670
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
(72)【発明者】
【氏名】中谷 尊一
(72)【発明者】
【氏名】松本 仁
【審査官】 藤崎 詔夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−125839(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/004961(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/043786(WO,A1)
【文献】 特開2010−131742(JP,A)
【文献】 特開2012−115937(JP,A)
【文献】 特許第4939674(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
G05B 19/4155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを保持する保持装置と、前記保持装置に対応する加工装置とが1つのベース上に一体的に設けられて1つの加工ユニットを構成し、前記加工ユニットが複数設置されるベッドと、前記各加工ユニットの各保持装置に対応して予め記憶された各加工プログラムに基づいて、前記各保持装置での前記ワークの加工動作を、前記加工ユニット毎に制御する制御装置とを備え、前記ワークの加工が、前記各加工ユニットの前記保持装置毎に別々に、前記各保持装置で順次前記加工プログラムに基づいて実行される工作機械において、
複数の前記加工ユニットは、複数種類の異なる部品に対応する複数種類の異なる前記ワークを、前記各加工ユニットの前記保持装置の間で順次受け渡して加工するように構成され、
前記加工プログラムは、前記加工ユニット毎に個別に割り当てられており、
前記制御装置は、前記加工ユニット毎に個別に割り当てられた前記加工プログラムを、互いに独立して実行する系統制御部を、前記加工ユニット毎に備え、
前記各加工ユニットの前記保持装置で連続して順に加工される一方の部品に対する前記ワークの加工の終了後に加工の終了を指令する終了コードを、対応する前記加工ユニットの前記加工プログラムにセットし、他方の部品に対する前記ワークの加工の開始前に加工の開始を指令する開始コードを、対応する前記加工ユニットの前記加工プログラムにセットして前記制御装置側に指令する指令装置を設け、前記制御装置側に、前記指令装置が前記指令をセットした前記加工プログラムに対応する前記加工ユニットでの加工動作に関する駆動部への電源の供給を、前記加工プログラムから読み込んだ前記終了コードに基づき前記系統制御部を介して遮断し、前記開始コードに基づき前記系統制御部を介して開始する電源制御部を設けたことを特徴とする工作機械。
【請求項2】
前記ワークから加工される所定の前記部品に対して、所定の前記加工ユニットの前記保持装置の間で前記ワークを順次受け渡して加工を完了するように、前記加工ユニットに対応する複数の加工プログラムが割り当てられ、前記各加工ユニットに各々対応する加工プログラムが、複数種類の前記部品各々の前記各加工ユニットに対応する加工プログラムとして連続的に配置されて構成され、前記各部品に対応する前記各ワークの加工が複数の前記加工ユニットの前記保持装置で並行して実行されて複数種類の前記部品の加工が行われることを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
前記指令装置が、前記ワークに対する加工の終了と加工の開始との間が、予め定められた所定時間以上空くと、前記終了と開始を指令することを特徴とする請求項1又は2に記載の工作機械。
【請求項4】
複数の前記加工ユニットは、互いに併設されて並び方向に移動可能に前記ベッド上に設置された少なくとも2つの前記加工ユニットと、2つの前記加工ユニットに対向し、かつ前記並び方向に移動不能に前記ベッド上に設置された少なくとも1つの前記加工ユニットからなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワークを保持する複数の保持装置と、各保持装置に対応して予め記憶された各加工プログラムに基づいて、前記各保持装置での前記ワークの加工動作を制御する制御装置とを備え、前記ワークの加工が、各前記保持装置毎に別々に、各前記保持装置で順次前記加工プログラムに基づいて実行される工作機械が知られている(例えば、特許文献1(第9ー11頁、第7図)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4939674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、各前記保持装置で順に加工される一方の前記ワークの加工の終了と、他方の前記ワークの加工の開始との間に所定の空き時間が発生する場合があり、当該期間の電力消費への対応が課題とされていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明の工作機械は、ワークを保持する複数の保持装置3と、各保持装置3に対応して予め記憶された各加工プログラムP1〜P4に基づいて、前記各保持装置3での前記ワークの加工動作を制御する制御装置23とを備え、前記ワークの加工が、前記各保持装置3毎に別々に、前記各保持装置3で順次前記加工プログラムに基づいて実行される工作機械において、前記各保持装置3で順に加工される一方の前記ワークの加工の終了と、他方の前記ワークの加工の開始とを前記制御装置23側に指令する指令装置47を設け、前記制御装置23側に、前記指令装置47の指令に対応する前記保持装置3での加工動作に関する駆動部への電源の供給を、前記終了の指令EOPによって遮断し、前記開始の指令SOPによって開始する電源制御部31を設けたことを第1の特徴とする。
【0006】
第2に、前記ワークから加工される所定の部品に対して、所定の前記保持装置3の間で前記ワークを順次受け渡して加工を完了するように、前記各保持装置3に対応する複数の加工プログラムが割り当てられ、前記各保持装置3に各々対応する加工プログラムが、複数種類の前記部品各々の前記各保持装置3に対応する加工プログラムが連続的に配置されて構成され、前記各部品に対応する前記各ワークの加工が複数の前記保持装置3で並行して実行されて複数種類の前記部品の加工が行われることを特徴とする。
【0007】
第3に、前記指令装置47が、前記ワークに対する加工の終了と加工の開始との間が、予め定められた所定時間以上空くと、前記終了と開始を指令することを特徴とする。
【0008】
第4に、前記各保持装置3と、前記各保持装置3に対応する加工装置7とが一体的に1つの加工ユニットM1〜M4を構成し、前記各加工ユニットM1〜M4毎に、前記保持装置3に保持されたワークの加工を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上のように構成される本発明の工作機械の構造によると、指令装置によって制御装置側に、各保持装置で順に加工される一方のワークの加工の終了が指令されると、電源制御装置によって、指令装置の指令に対応する保持装置での加工動作に関する駆動部への電源の供給が遮断される。他方のワークの加工の開始が指令されると、前記駆動部への電源の供給が開始される。そのため、各保持装置で順に加工される両ワークの加工の間は、加工動作に関する駆動部への電源の供給が停止され、工作機械の電力の消費を抑制することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る自動旋盤の概要斜視図である。
図2】本発明に係る自動旋盤の要部平面図である。
図3】本発明に係る自動旋盤の概要正面図である。
図4】本発明に係る自動旋盤の加工状態を示す要部平面図である。
図5】制御装置部分のブロック図である。
図6】制御装置部分の詳細ブロック図である。
図7】ワーク加工用プログラムの構成図である。
図8A】ワークから加工される部品Aの正面図である。
図8B】ワークから加工される部品Bの正面図である。
図8C】ワークから加工される部品Cの正面図である。
図8D】ワークから加工される部品Dの正面図である。
図8E】ワークから加工される部品Eの正面図である。
図8F】ワークから加工される部品Fの正面図である。
図9A図8Aに示される、部品Aを製造するための各加工工程とワーク加工用プログラムの加工プログラム構成の両方を模式的に示す概念図である。
図9B図8Bに示される、部品Bを製造するための各加工工程とワーク加工用プログラムの加工プログラム構成の両方を模式的に示す概念図である。
図9C図8Cに示される、部品Cを製造するための各加工工程とワーク加工用プログラムの加工プログラム構成の両方を模式的に示す概念図である。
図9D図8Dに示される、部品Dを製造するための各加工工程とワーク加工用プログラムの加工プログラム構成の両方を模式的に示す概念図である。
図9E図8Eに示される、部品Eを製造するための加工工程とワーク加工用プログラムの加工プログラム構成の両方を模式的に示す概念図である。
図9F図8Fに示される、部品Fを製造するための加工工程とワーク加工用プログラムの加工プログラム構成の両方を模式的に示す概念図である。
図10】複数種類の異部品の加工を連続的に行うワーク加工用プログラムの構成を模式的に示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1〜3に示されるように、本発明に係る工作機械の一例となる自動旋盤は、ベッド1上に4台の加工モジュールM1,M2,M3,M4を搭載して構成されている。各加工モジュールM1〜M4は、同一の基本構成を有し、ベース2上に、主軸3を支持する主軸台4と、主軸3に把持されたワークを加工する工具6が保持された刃物台7が一体的に設けられている。
【0012】
主軸3と主軸台4との間に従来公知のビルトインモータが形成されている。主軸3はビルトインモータを駆動部として、軸線を中心に回転駆動される。主軸3は、前端部に設けられたチャックの開閉動作により、ワークを着脱自在に把持することができる。各ベース2上には、主軸3の軸線方向のZ軸の方向に延出するガイドレール8が、Z軸と水平方向で直交するY軸の方向に平行に2本敷設されている。
【0013】
主軸台4はガイドレール8上にスライド移動自在に装着されている。主軸台4は、両ガイドレール8の間に設けられるボールネジ9に螺合している。主軸台4は、ボールネジ9用のモータ11を駆動部として、図4に示されるように、主軸3と一体的にガイドレール8上をZ軸方向に移動駆動される。ベース2には、主軸台4の前方に支持台12が固定されている。
【0014】
刃物台7は、支持台12の前方に、Z軸とY軸に直交するX軸の方向、及びY軸方向に移動自在に装着されている。刃物台7は、X軸用のモータ13及びY軸用のモータ14を駆動部として、X軸方向及びY軸方向に移動駆動される。支持台12は、開口部16を有するゲート状に形成されている。主軸台4は開口部16を通過することができる。主軸台4は、開口部16を通過して、主軸3で把持したワークを刃物台7に臨ませて配置することができる。
【0015】
ベッド1は、一角を凹状に切り欠いてなる切欠部17を有し、平面視で略L字状に形成されている。ベッド1上に、2つの加工モジュールM1,M3が、Z軸方向が平行となるように並設されている。2つの加工モジュールM1,M3は、ベース2がベッド1上に固定されている。
【0016】
両加工モジュールM1,M3の対向側に、ガイドレール18が、Z軸方向に平行に2本ベッド1上に敷設されている。ガイドレール18は、一方の加工モジュールM1の対向位置から、切欠部17の対向位置に亘ってY軸方向に延出している。ガイドレール18にはスライド体20がスライド自在に装着されている。
【0017】
2つの加工モジュールM2,M4は、ベース2がガイドレール18上のスライド体20に固定されている。加工モジュールM2,M4は、Z軸方向が平行となるように、ガイドレール18上においてY軸方向に並列に搭載されている。この構成により、加工モジュールM2,M4は、ガイドレール18に沿って往復移動自在に設けられる。
【0018】
両ガイドレール18の間には、各加工モジュールM2,M4用のボールネジ19,19が、両ガイドレール18と平行に同軸で配置され、各加工モジュールM2,M4のベース2側と螺合している。各ボールネジ19は、各々ベッド1側に設けられた駆動モータ21を駆動部とし、駆動モータ21とベルト22を介して連結されている。
【0019】
各駆動モータ21を回転駆動することによって加工モジュールM2,M4がガイドレール18に沿ってY軸方向に各々独立して往復駆動される。以下、ガイドレール18に搭載された加工モジュールM2,M4を「移動モジュール」、ベッド1上に固定された加工モジュールM1,M3を「固定モジュール」と称する。
【0020】
一方の固定モジュールM3は、切欠部17に隣接し、ベッド1の切欠部側の外周縁に沿って配置されている。他方の固定モジュールM1は、固定モジュールM3を挟んで切欠部の反対側に、ベッド1の切欠部17に対向する外周縁に沿って配置されている。図4に示されるように、一方の移動モジュールM4が、切欠部17に対向するように移動することによって、他方の移動モジュールM2は、両固定モジュールM1,M3と対向し、互いに主軸軸線が一直線上に一致する位置に移動することができる。
【0021】
移動モジュールM4は、移動モジュールM2が固定モジュールM1と対向する位置に移動することによって、固定モジュールM3と対向し、互いの主軸軸線が一致する位置に移動することができる。各加工モジュールM1〜M4及び各ボールネジ19の各駆動モータ21等の駆動部は、制御装置23によって駆動制御される。
【0022】
各加工モジュールM1,M2,M3,M4の各々において、主軸3によってワークを把持した状態で、制御装置23による駆動制御により、各駆動部が主軸3の回転、主軸台4のZ軸方向への移動、刃物台7のX軸方向及びY軸方向への移動を各々制御する。これにより、刃物台の所定の工具を選択しながらワークを所定の形状に加工することができる。
【0023】
移動モジュールM2,M4を、固定モジュールM1又は固定モジュールM3の対向位置に、互いに主軸軸線が一致するように移動させ、互いの主軸台4を近接方向に移動させる。これにより、移動モジュールM2,M4と固定モジュールM1,M3との間でワークの授受を行うことができる。
【0024】
本自動旋盤は、別々の旋盤として機能する複数の加工モジュールM1〜M4が組み合わされて構成される。本自動旋盤では、図4に示されるように、各加工モジュールM1〜M4の間でワークを順次受け渡しながら、制御装置23によって各加工モジュールM1〜M4でのワークの加工動作が制御される。
【0025】
制御装置23は、図5に示すように、制御部(CPU)24、操作盤26、プログラム入力部27、プログラム管理部28、系統制御部29、電源制御部31等を備えている。プログラム入力部27、プログラム管理部28、系統制御部29、電源制御部31等の動作は、制御装置23に予め記憶されるプログラムや、制御装置23側に設けられるハードウェア等によって、ソフトウェア的又はハードウェア的に行われる。
【0026】
操作盤26は、自動旋盤の動作状態や動作指示等を表示する表示部32や操作ボタン33、キーボード34などを有している。制御装置23は、本実施形態では、第1系統$1、第2系統$2、第3系統$3、第4系統$4の4つの制御系統を備えている。図6に示されるように、系統制御部29は、各制御系統$1〜$4に対応する第1系統制御部36、第2系統制御部37、第3系統制御部38、第4系統制御部39を有する。
【0027】
プログラム管理部28は、各制御系統$1〜$4に各々対応する各加工プログラムが格納(記憶)される第1系統プログラム格納部41、第2系統プログラム格納部42、第3系統プログラム格納部43、第4系統プログラム格納部44を備えた系統別プログラム格納部46を有する。
【0028】
制御部24は、各プログラム格納部41〜44に記憶されている各加工プログラムに基づいて、各々の加工プログラムに対応する各制御系統$1〜$4に割り当てられる駆動軸の駆動制御を、各系統制御部36〜39を介して互いに独立して行うように構成されている。
【0029】
本実施形態においては、各加工モジュールM1〜M4の駆動部が、駆動軸として各加工モジュールM1〜M4毎に各々別々の制御系統$1〜$4に割り当てられている。各ボールネジ19,19の駆動モータ21,21は、螺合されている加工モジュールM2,M4の駆動部として、対応する加工モジュールM2,M4の制御系統に割り当てることができる。
【0030】
本実施形態においては、加工モジュールM1の各駆動軸が第1系統$1に割り当てられている。ボールネジ19の駆動モータ21を含む加工モジュールM2の各駆動軸が第2系統$2に割り当てられている。加工モジュールM3の各駆動軸が第3系統$3に割り当てられている。ボールネジ19の駆動モータ21を含む加工モジュールM4の各駆動軸が第4系統$4に割り当てられている。
【0031】
制御部24は、第1系統制御部36によって第1系統$1で加工モジュールM1の駆動部の駆動制御を行う。第2系統制御部37によって第2系統$2でY軸方向の移動を含めて加工モジュールM2の駆動部の駆動制御を行う。第3系統制御部38によって第3系統$3で加工モジュールM3の駆動部の駆動制御を行う。第4系統制御部39によって第4系統$4でY軸方向の移動を含めて加工モジュールM4の駆動部の駆動制御を行う。以上のような駆動制御により、制御部24は各加工モジュールM1〜M4によるワーク加工動作と、自動旋盤の全体動作を制御する。
【0032】
各加工プログラムは、各制御系統$1〜$4の各々に対応する複数の加工プログラムから構成される1つのワーク加工用プログラムとして構成することができる。本実施形態では、各加工プログラムは、図7に示されるように、加工プログラムを記載することができる記載エリア40が互いに並列に4つ配置された1つのワーク加工用プログラムに統合されている。
【0033】
第1系統$1の記載エリア40に、第1系統に対応する加工プログラムが記載されている。第2系統$2の記載エリア40に、第2系統に対応する加工プログラムが記載されている。第3系統$3の記載エリア40に、第3系統に対応する加工プログラムが記載されている。第4系統$4の記載エリア40に、第4系統に対応する加工プログラムが記載されている。なおワーク加工用プログラムは、各記載エリア40を直列に配置された構成とすることもできる。
【0034】
本実施形態において、プログラム管理部28には、プログラム入力部27を介して、外部のパソコンや操作盤26の操作等によって作成されたワーク加工用プログラムが入力される。プログラム管理部28は、プログラム格納部45を介して、入力されたワーク加工用プログラムを各記載エリア40毎に分割し、分割された各加工プログラムを各々制御系統毎に個別に各プログラム格納部41〜44に格納するように構成されている。
【0035】
所定のワーク加工用プログラムがプログラム管理部28に入力されると、加工モジュールM1では、第1系統$1の記載エリア40に記載された加工プログラムに基づいた加工が実行される。加工モジュールM2では、第2系統$2の記載エリア40に記載された加工プログラムに基づいた加工が実行される。
【0036】
加工モジュールM3では、第3系統$3の記載エリア40に記載された加工プログラムに基づいた加工が実行される。加工モジュールM4では、第4系統$4の記載エリア40に記載された加工プログラムに基づいた加工が実行される。なお各加工プログラムを予め別々に用意し、プログラム入力部27を介して、各々別々に各プログラム格納部41〜44に格納するように構成することもできる。
【0037】
所定のワークを加工して所定形状の部品を製造する場合、所定の部品に対して、例えば、加工モジュールM1と加工モジュールM2と加工モジュールM3と加工モジュールM4との間で順次ワークを受け渡し、加工モジュールM1から加工モジュールM4による第1加工工程から第4加工工程によって加工を完了するように、各加工モジュールM1〜M4に対する各制御系統$1〜$4毎に加工プログラムが割り当てられるワーク加工プログラムとすることができる。
【0038】
また加工モジュールM1と加工モジュールM2と加工モジュールM3との間で順次ワークを受け渡し、加工モジュールM1〜M3の各々による第1加工工程から第3加工工程の実行によって加工を完了するように、各加工モジュールM1〜M3に対する各制御系統$1〜$3毎に加工プログラムが割り当てられるワーク加工プログラムとすることもできる。
【0039】
あるいは加工モジュールM1と加工モジュールM2との間、又は加工モジュールM3と加工モジュールM4との間で順次ワークを受け渡し、加工モジュールM1と加工モジュールM2、または加工モジュールM3と加工モジュールM4とによる第1加工工程と第2加工工程の実行によって加工を完了するように、各制御系統$1〜$2又は$3〜$4毎に加工プログラムが割り当てられるワーク加工プログラムとすることもできる。
【0040】
さらに加工モジュールM1や加工モジュールM4による第1加工工程の実行によってのみで部品の製造が完了するように、加工モジュールの動作を制御する1つの制御系統の加工プログラムが割り当てられるワーク加工用プログラムとすること等もできる。
【0041】
各部品に対応するワーク加工用プログラムをプログラム入力部27に入力することによって、各部品に対して割り当てられた各制御系統$1〜$4毎の加工プログラムに基づいた加工が各加工モジュールM1〜M4で実行される。所定の部品を連続的にワークから加工して製造することができる。
【0042】
複数種類の異部品の加工を連続的に行う場合の一例を説明する。この場合、ワーク加工用プログラムを、各部品を製造するために各加工モジュールM1〜M4で実行される各制御系統$1〜$4毎の加工プログラムが、各部品毎に順に実行されるように、各系統$1〜$4の記載エリア40に順に記載された構成とすることができる。
【0043】
例えば、1つのワーク加工用プログラムで、各加工モジュールM1〜M4によって、図8A図8Fに示すような各々異なる所定の形状の部品Aを2個、部品Bを2個、部品Cを5個、部品Dを2個、部品Eを3個、部品Fを3個、所定のワークから製造するものとする。
【0044】
部品Aの製造を、例えば、図9Aに示すように、1回目の正面側の加工(第1加工工程(1))と、背面側の加工(第2加工工程(2))と、2回目の正面側の加工(第3加工工程(3))と、2回目の背面側の加工(第4加工工程(4))の4工程で行うものとする。各加工工程には、未加工ワークの搬入、加工モジュールM1〜M4間でのワークの授受、或いは加工済みワークの搬出のためのワークのローディング工程とアンローディング工程が含まれている。以降で説明する部品B〜部品Fの加工工程においても同様である。
【0045】
なお、図9A図9Fは、各部品A〜部品Fを製造するための各加工工程とワーク加工用プログラムPA,PB,PC,PD,PE,PFの加工プログラムSA1〜SA4,SB1〜SB2,SC1〜SC2,SD1〜SD3,SE1,SF1の構成の両方を模式的に表現している。また、図9A図9Fでは、加工プログラムSA1〜SA4,SB1〜SB2,SC1〜SC2,SD1〜SD3,SE1,SF1の先頭に、ローディング工程用のローディングプログラムLDを、末尾にアンローディング工程用のアンローディングプログラムULDを模式的に表現している。
【0046】
同様に、部品B及び部品Cの製造を、例えば、図9B及び図9Cに示すように、1回目の正面側の加工(第1加工工程(1))と、背面側の加工(第2加工工程(2))の2工程で行うものとする。部品Dの製造を、例えば、図9Dに示すように、1回目の正面側の加工(第1加工工程(1))と、背面側の加工(第2加工工程(2))と、2回目の正面側の加工(第3加工工程(3))の3工程で行うものとする。部品E及び部品Fの製造を、例えば、図9E及び図9Fに示すように、1回の正面側の加工の1工程で行うものとする。
【0047】
この場合、ワーク加工用プログラムは、図10に示されるように、例えば、第1系統$1(加工モジュールM1)に対応する加工プログラムP1として、部品A、部品Dの第1加工工程の加工プログラムSA1,SD1が連続して2回ずつ、部品Eの加工プログラムSE1が連続して2回、部品Bの第1加工工程の加工プログラムSB1が連続して2回、部品Eの加工プログラムSE1が1回、それぞれ連続的に第1系統$1の記載エリア40に記載されたものとすることができる。各加工プログラムSA1,SD1,SE1,SB1,SE1には、ワークの搬入、授受、搬出のためのローディングプログラムLD、アンローディングプログラムULDが含まれている。
【0048】
これにより、第2系統$2(加工モジュールM2)に対応する加工プログラムP2が、部品A、部品Dの第2加工工程の加工プログラムSA2,SD2が、第1加工工程の終了後にワークの受け渡しが行われるように2回ずつ、部品Bの第2加工工程の加工プログラムSB2が、第1加工工程の終了後にワークの受け渡しが行われるように2回、それぞれ連続的に第2系統$2の記載エリア40に記載されたものとなる。各加工プログラムSA2,SD2,SB2には、ワークの搬入、授受、搬出のためのローディングプログラムLD、アンローディングプログラムULDが含まれている。
【0049】
一方第3系統$3(加工モジュールM3)に対応する加工プログラムP3として、部品Cの第1加工工程の加工プログラムSC1に続いて、部品A、部品Dの第3加工工程の加工プログラムSA3,SD3が、第2加工工程の終了後にワークの受け渡しが行われるように2回ずつ、続いて部品Cの第1加工工程SC1の加工プログラムが連続して4回、それぞれ連続的に第3系統$3の記載エリア40に記載されたものとすることができる。各加工プログラムSC1,SA3,SD3,SC1には、ワークの搬入、授受、搬出のためのローディングプログラムLD、アンローディングプログラムULDが含まれている。
【0050】
これにより、第4系統$4(加工モジュールM4)に対応する加工プログラムP4として、部品Fの加工プログラムSF1に続いて、部品Cの第2加工工程の加工プログラムSC2が、第1加工工程の終了後にワークの受け渡しが行われるように1回、続いて部品Aの第4加工工程の加工プログラムSA4が、第3加工工程の終了後にワークの受け渡しが行われるように連続して2回、続いて部品Fの加工プログラムSF1が連続して2回、続いて部品Cの第2加工工程の加工プログラムSC2が、第1加工工程の終了後にワークの受け渡しが行われるように連続して4回、それぞれ連続的に第4系統$4の記載エリア40に記載されたものとすることができる。各加工プログラムSF1,SC2,SA4,SF1,SC2には、ワークの搬入、授受、搬出のためのローディング工程のプログラムLD、アンローディング工程のプログラムULDが含まれている。
【0051】
上記ワーク加工用プログラムは、以上のように各制御系統$1〜$4に対応する各加工プログラムP1〜P4が、各部品A〜部品Fのワーク加工用プログラムPA,PB,PC,PD,PE,PFを構成する各制御系統$1〜$4毎の加工プログラム(以下部品加工プログラムと称する)SA1〜SA4、SB1とSB2、SC1とSC2、SD1〜SD3、SE1,SF1を所定の順に記載して構成されたものとなる。
【0052】
なお、例えば、プログラム入力部27を介して各部品A〜Fのワーク加工用プログラムPA,PB,PC,PD,PE,PFをプログラム格納部45に順次入力し、各部品の加工個数を設定することもできる。これによって、部品加工プログラムSA1〜SA4,SB1〜SB2,SC1〜SC2,SD1〜SD3,SE1,SF1を予め定められた所定のアルゴリズムに基づいて自動的に各加工プログラムP1〜P4を生成するスケジューラを制御装置23に連係して設けることもできる。
【0053】
上記構成のワーク加工用プログラムの実行によって、各加工モジュールM1〜M4で、順次対応する加工プログラムP1〜P4に基づいた加工が実行される。これに伴って、各加工モジュールM1〜M4での加工が並列して実行されることによって、複数種類の部品A〜部品Fを所定数加工することができる。
【0054】
加工モジュールM1では、まず部品Aに対応する2つのワークに対して第1加工工程の加工が連続して実行される。次に部品Dに対応する2つのワークに対して第1加工工程の加工が連続して実行される。次に部品Eに対応する2つのワークに対する加工が連続して実行される。
【0055】
次に部品Bに対応する2つのワークに対して第1加工工程の加工が連続して実行される。次に部品Eに対応するワークに対して加工が実行される。加工モジュールM1では、2つの部品A、2つの部品D、2つの部品E、2つの部品B、1つの部品Eが連続して加工される。
【0056】
加工モジュールM2では、まず部品Aの第1加工工程の加工が完了したワークの加工モジュールM1との間の授受と、受け取ったワークに対する部品Aの第2加工工程の加工が、連続して2回実行される。次に部品Dの第1加工工程の加工が完了したワークの加工モジュールM1との間の授受と、受け取ったワークに対する部品Dの第2加工工程の加工が、連続して2回実行される。
【0057】
次に加工モジュールM1による部品Eに対応する2つのワークの加工と、部品Bに対応する1つめのワークの第1加工工程の加工の完了後、部品Bの第1加工工程の加工が完了したワークの加工モジュールM1との間の授受と、受け取ったワークに対する部品Bの第2加工工程の加工が、連続して2回実行される。
【0058】
加工モジュールM3では、まず部品Cに対応するワークに対して第1加工工程の加工が実行される。次に部品Aの第2加工工程の加工が完了したワークの加工モジュールM2との間の授受と、受け取ったワークに対する部品Aの第3加工工程の加工が、連続して2回実行される。
【0059】
次に部品Dの第2加工工程の加工が完了したワークの加工モジュールM2との間の授受と、受け取ったワークに対する部品Dの第3加工工程の加工が、連続して2回実行される。次に部品Cに対応する4つのワークに対して第1加工工程の加工が、連続して4回実行される。
【0060】
加工モジュールM4では、まず部品Fに対応するワークに対して加工が実行される。次に部品Cの第1加工工程の加工が完了したワークの加工モジュールM3との間の授受と、受け取ったワークに対する部品Cの第2加工工程の加工が実行される。次に部品Aの第3加工工程の加工が完了したワークの加工モジュールM3との間の授受と、受け取ったワークに対する部品Aの第4加工工程の加工が、連続して2回実行される。
【0061】
次に部品Fに対応する2つのワークに対する加工が連続して実行される。次に部品Cの第1加工工程の加工が完了したワークの加工モジュールM3との間の授受と、受け取ったワークに対する部品Bの第2加工工程の加工が、連続して4回実行される。
【0062】
以上のように複数種類の部品A〜部品Fの加工を所定数行う場合、各加工モジュールM1〜M4では、所定の部品に対する加工が連続的に行われる。例えば、加工モジュールM1では、部品A、部品A、部品D、部品D、部品E、部品E、部品B、部品B、部品Eの順に各々対応するワークに対して加工が実行される。
【0063】
加工モジュールM2では、部品A、部品A、部品D、部品D、部品B、部品Bの順に各々対応するワークに対して加工が実行される。加工モジュールM3では、部品C、部品A、部品A、部品D、部品D、部品C、部品C、部品C、部品Cの順に各々対応するワークに対して加工が実行される。加工モジュールM4では、部品F、部品C、部品A、部品A、部品F、部品F、部品C、部品C、部品C、部品Cの順に各々対応するワークに対して加工が実行される。
【0064】
換言すると、各加工モジュールM1〜M4の各々で、連続して加工される2つの部品に各々対応するワークが順に加工される。図5図6に示されるように、制御装置23には、各加工モジュールM1〜M4の各々で順に加工される一方のワークの加工の終了と、他方のワークの加工の開始とを、各加工モジュールM1〜M4毎に制御装置23側に指令する指令装置47が接続されている。
【0065】
指令装置47は、加工モジュールM1に対応して、例えば、部品Dに対応する2つのワークを連続して順に加工する際に、一方の部品Dに対応するワークに対する加工モジュールM2との間の授受のためのアンローディング工程を含む第1加工工程の加工の終了と、他方の部品Dに対応するワークに対する加工モジュールM1への搬入のためのローディング工程を含む第1加工工程の加工の開始を指令する。
【0066】
加工モジュールM2に対応して、例えば、部品Dに対応するワークと部品Bに対応するワークを連続して順に加工する際に、部品Dに対応するワークに対する加工モジュールM3との間の授受のためのアンローディング工程を含む第2加工工程の加工の終了と、部品Bに対応するワークに対する加工モジュールM1との間の授受のためのローディング工程を含む第2加工工程の加工の開始を指令する。
【0067】
加工モジュールM3及び加工モジュールM4に対応して、例えば、部品Cに対応するワークと部品Aに対応するワークを連続して順に加工する際に、加工モジュールM3と加工モジュールM4との間の授受のためのアンローディング工程を含む部品Cに対応するワークに対する第1加工工程又は加工モジュールM4からの搬出のためのアンローディング工程を含む第2加工工程の加工の終了と、第2加工モジュールM2との間の授受のためのローディング工程を含む部品Aに対応するワークに対する第3加工工程又は第3加工モジュールM3との間の授受のためのローディング工程を含む第4加工工程の加工の開始を指令する。
【0068】
本実施形態のように各加工プログラムP1〜P4が、各制御系統$1〜$4毎の各部品加工プログラムを順に記載して構成される場合、指令装置47は、各加工プログラムP1〜P4に基づき、各プログラム格納部41〜44に記憶される各加工プログラムP1〜P4に対して、連続して順に実行される一方の部品加工プログラムの終了後に加工の終了を指令する終了コードを、他方の部品加工プログラムの開始前に加工の開始を指令する開始コードを各々セットするように構成することができる。
【0069】
このように指令装置47は、連続する各部品加工プログラムの間に、予め定められた終了コード及び開始コードを自動的にセットするように構成することができる。この他にも、オペレータ等がワーク加工用プログラムを視認しながら、指令装置47を介して終了コード及び開始コードを手動でセットするように構成することもできる。なお指令装置47は、コンピュータ等を所定のプログラムによって動作させることによって、又は制御装置23側に接続して設けられるハードウェア等によって、ソフトウェア的又はハードウェア的に構成することができる。
【0070】
例えば指令装置47を、第2系統$2に対応する加工プログラムP2に対して、部品Dの部品加工プログラムSD2の直後に、自動又は手動で終了コードEOPを、部品Bの部品加工プログラムSB2の直前に、自動又は手動で開始コードSOPをセットするように構成できる(図10参照)。指令装置47を、ワークに対する加工の終了と加工の開始との間が、予め定められた所定時間以上空いた場合に、終了コードEOP及び開始コードSOPをセットするように構成することもできる。
【0071】
この場合、予め終了コードEOP及び開始コードSOPがセットされる空き時間を定めておくことができる。一方所定の加工モジュールで順に加工される部品の上流側の加工工程を上流側の加工モジュールで加工するケースでは次のように空き時間を定めることができる。すなわち、下流側の加工モジュールで順に下流側の加工工程の加工が行われる両部品に対応するワークを、上流側の加工モジュールで上流側の加工工程の加工を行う際、両ワークの上流側の加工工程の加工間に、他の別の部品に対応するワークの加工を行う場合、予め定められた所定時間以上空いたと判断するように構成することもできる。
【0072】
例えば加工モジュールM2で順に第2加工工程の加工が行われる部品Dと部品Bは、加工モジュールM1で第1加工工程が行われる。ただし加工モジュールM1は、部品Dと部品Bに対応するワークの第1加工工程の加工の間に、部品Eに対応するワークに対して第1加工工程の加工を行う。これにより、加工モジュールM2により順に行われる部品Dと部品Bに対応するワークに対する第2加工工程の加工は、部品Dに対応するワークに対する加工の終了と、部品Bに対応するワークに対する加工の開始との間が、予め定められた所定時間以上空いたと判断する。
【0073】
電源制御部31は、プログラム管理部28と系統制御部29との間に介在する。電源制御部31は、指令装置47によりセットされた終了又は開始の指令に基づき、指令装置47の指令に対応する加工モジュールM1〜M4に関する駆動部への電源の供給を開始及び遮断する。電源制御部31は、終了の指令によって電源の供給を遮断し、開始の指令によって電源の供給を開始するように構成されている。なお本明細書でいう電源の供給の「遮断」とは、電源制御部31の制御によって、対象の加工モジュールの駆動部への電源の供給の開始(再開)ができるような状態で、該駆動部への電源の供給が遮断される状態をいう。
【0074】
本実施形態において、電源制御部31は、系統制御部29と連係して設けられている。電源制御部31は、各加工モジュールM1〜M4において、各加工モジュールM1〜M4に対応する各プログラム格納部41〜44に記憶された各加工プログラムP1〜P4に対してセットされた終了コードEOPと開始コードSOPの読み込みによって、各系統制御部36〜39を介して対応する加工モジュールM1〜M4の駆動部への電源の供給の遮断と開始を行うように構成されている。
【0075】
電源制御部31による所定の加工モジュールに対する電源の遮断によって、所定の加工モジュールで順に加工されるワークの加工と加工の間は、対象の加工モジュールの駆動部への電源の供給が停止される。よって自動旋盤の電力の消費を抑制することができる。特に指令装置47を、ワークに対する加工の終了と加工の開始との間が、予め定められた所定時間以上空いた場合に、終了コードEOP及び開始コードSOPをセットするように構成している。この構成により、必要以上に頻繁に加工モジュールM1〜M4に対する電源の遮断と供給が繰り返されることを抑制しながら、効率よく自動旋盤の電力の消費を抑制することができる。
【0076】
なお上記では、駆動部として、主軸3を回転駆動するビルトインモータ、主軸台4を移動駆動するボールネジ9用のモータ11、刃物台7を移動駆動するX軸用のモータ13及びY軸用のモータ14、加工モジュールM2,M4を往復駆動する駆動モータ21等を例示している。しかし、駆動部がこれらに限定されることはなく、この他にもワークを把持するチャックの開閉機構等、各加工モジュールM1〜M4の加工に関する部材を駆動し、電源の供給や遮断によって直接的又は間接的に作動又は作動停止するものが駆動部に含まれ、電源制御部31による電源の供給の遮断と、電源の供給の開始(再開)の対象とすることができる。
【0077】
[関連出願への相互参照]
本出願は、2015年6月2日に日本国特許庁に出願された特願2015−111959号に基づいて優先権を主張し、その全ての開示は完全に本明細書で参照により組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図10