(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本発明の実施の形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0011】
(1)本態様に係る電気接続箱は、電気部品を収容する多面体型の箱体と、前記箱体の少なくとも一面に設けられた接続端子と、前記箱体の前記接続端子が設けられた一面とは異なる一面に設けられた多角形の板状の蓋体とを備え、前記蓋体の内面側には、前記蓋体の少なくとも一辺に沿って、液体の流路が設けられている。
【0012】
本態様にあっては、電気接続箱は電気部品を収容する多面体型の箱体を備え、箱体の少なくとも一面には電力線又は通信線等を接続するための接続端子が設けられる。電気接続箱の箱体は蓋体を有し、電気部品を収納した後で蓋体を装着することで箱体は閉塞され、内部の電気部品が保護される。蓋体は多角形の板状であり、その内面側には少なくとも一辺に沿って液体の流路が設けられる。これにより、箱体に装着された蓋体の縁部分などから液体が箱体の内部へ浸入した場合であっても、浸入した液体を流路に沿って流すことができ、液体が箱体内の電気部品に至ることを妨げることが可能となる。
【0013】
(2)前記流路は、前記蓋体の前記一辺の縁部に沿って、前記蓋体の内面側に立設された第1の壁と、前記第1の壁と離隔し、且つ、該第1の壁に沿って、前記蓋体の内面側に立設された第2の壁とにより画定されることが好ましい。
【0014】
本態様にあっては、蓋体の一辺の縁部に沿って、蓋体の内面側に第1の壁を立設する。また、この第1の壁と離隔し、且つ、第1の壁に沿って、蓋体の内面側に第2の壁を立設する。蓋体の一辺の縁部に沿って設けられた第1の壁及び第2の壁の間を流路とすることができる。これにより、蓋体の強度などを損なうことなく、容易に流路を設けることができる。
【0015】
(3)前記箱体は、前記流路を流れた液体を前記箱体外へ排出する貫通孔が形成されていることが好ましい。
【0016】
本態様にあっては、流路を流れた液体を箱体外へ排出するための貫通孔を箱体に形成する。これにより、流路を流れた液体を貫通孔から箱体の外部へ効率よく排出することができる。
【0017】
(4)装着状態の前記蓋体において、前記接続端子が設けられた前記箱体の一面に隣接する一辺に、前記流路が設けられていることが好ましい。
【0018】
本態様にあっては、箱体の少なくとも一面に接続端子が設けられる。蓋体には、箱体に装着された状態において接続端子が設けられた一面に隣接する一辺に沿って流路を設ける。接続端子が設けられた面は、これ以外の面と比較して気密性が劣る可能性がある。接続端子が設けられた面に隣接する箇所に流路を設けることによって、接続端子が設けられた面の側から箱体の内部へ浸入する液体から、内部の電気部品を保護することが可能となる。
【0019】
(5)前記電気接続箱は、車両に搭載され、前記流路は、前記電気接続箱が前記車両に搭載された状態における上下方向に沿って設けられていることが好ましい。
【0020】
本態様にあっては、電気接続箱は例えば車両の車体に固定されるなどして、車両に搭載される。電気接続箱の蓋体の流路は、電気接続箱が車両に搭載された状態において上下となる方向に沿って設ける。これにより、箱体内部へ浸入して流路へ至った液体を、流路の上部から下部へ流すことが可能となる。
【0021】
(6)本態様に係る電気接続箱は、電気部品を収容する多面体型の箱体と、前記箱体の少なくとも一面に形成された開口から突出して設けられた一又は複数の接続端子と、前記箱体内に、前記開口の縁部分に沿って、前記縁部分から所定の間隔を隔てて立設された壁とを備える。
【0022】
本態様にあっては、電気接続箱は電気部品を収容する多面体型の箱体を備え、箱体の少なくとも一面に形成された開口からは、電力線又は通信線等を接続するための接続端子が突出して設けられる。箱体内には、開口の縁部分に沿って、縁部分から所定の間隔を隔てて壁を立設する。これにより、箱体の開口から液体が内部へ浸入した場合であっても、箱体内の壁により液体が箱体内の電気部品に至ることを妨げることが可能となる。
【0023】
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る電気接続箱の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0024】
図1〜
図3は、本実施の形態に係る電気接続箱の構成を示す斜視図である。本実施の形態においては、
図1を電気接続箱の正面側とし、
図2及び
図3を電気接続箱の背面側として説明を行う。
図4は、本実施の形態に係る電気接続箱の構成を示す分解斜視図である。本実施の形態に係る電気接続箱1は、例えば図示しない車両の車体に固定され、車両内に配される電力線又は通信線等のケーブルが複数接続され、複数のケーブル同士を電気的に接続する装置である。電気接続箱1は、ジャンクションボックス、リレーボックス又は中継器等の名称で呼ばれ得る装置である。電気接続箱1には、リレー及びヒューズ等の電気部品が収容されており、これらの電気部品を介して複数のケーブルが電気的に接続される。なお
図4に示す分解斜視図では、電気接続箱1に収容される電気部品が搭載される回路基板40は図示するが、電気部品については図示を省略してある。
【0025】
電気接続箱1は、回路基板40を収容する本体部10と、この本体部10の開放部分を閉塞する蓋体30とを備える扁平な直方体状の箱体である。電気接続箱1は、本体部10の背面側の開放部分から回路基板40をその内部に収め、開放部分を閉塞するように蓋体30を本体部10に固定したものである。本実施の形態においては、電気接続箱1の6つの面10a〜10fについて、便宜上、正面10a、左側面10b、背面10c、右側面10d、上面10e及び下面10fと区別する。電気接続箱1は、車両内において上面10eを上側とし、下面10fを下側とした向きで車体に固定される。電気接続箱1の正面10a及び背面10cは、表裏に位置する幅広の面である。左側面10b、右側面10d、上面10e及び下面10fは、正面10a及び背面10cに隣接する細長の面である。
【0026】
回路基板40は、長方形の板状であり、電気部品が搭載されると共に、この電気部品を用いた電気回路を構成する配線パターンが形成されている。回路基板40の上辺の縁部分には、別筐体として提供される制御ユニット(図示は省略する)が電気的に接続される接続部11aが接続固定されている。接続部11aは、細長い長方形状の開口が設けられた四角筒状のケース内に、電気的接続を行うための金属端子が設けられた構成であり、四角筒状のケースが回路基板40の板面に対して略垂直に突出して設けられている。
【0027】
回路基板40の左右辺の縁部分には、複数の接続部12がそれぞれ接続固定されている。接続部12は、ケーブルを接続するためのものであり、接続するケーブルの種別及び規格等に適した大きさ及び形状等が採用される。本実施の形態に係る電気接続箱1に設けられた複数の接続部12は、個々に大きさ及び形状等は異なるが、正方形状又は長方形状の開口が設けられた四角筒状のケース12a内に電気的接続を行うための金属端子12b(
図10参照)が設けられた構成である。ケーブルの先端に設けられた四角柱状又は四角筒状の接続部を、電気接続箱1の接続部12のケース12aに挿入して嵌合させることにより、ケーブル内の電線と接続部12の金属端子12bとが電気的に接続される。
【0028】
また回路基板40の下辺の縁部分には、ヒューズを収容するヒューズ収容部20が設けられている。ヒューズ収容部20は、ヒューズを収容する直方体状の箱体21と、ヒューズを出し入れするための箱体21の開口を覆う蓋体22とを備えている。箱体21は、図示は省略するが、内部が複数の小部屋に仕切られており、各小部屋にヒューズが収容される。箱体21の突出端面を覆う蓋体22は、該突出端面より若干大きな長方形の板状であり、周縁部分を囲んで周壁22aが設けられている。蓋体22は、長手方向の両側に設けられた係合部22b,22cが箱体21に設けられた係合部と係合することにより、取り外し可能に箱体21に装着される。
【0029】
電気接続箱1の正面10aには、正面10aの半分以上の面積を占める、正面視で略正方形の凹所11が形成されている。電気接続箱1の凹所11には、別筐体として提供される制御ユニットが組み付けられる。凹所11の底面には、正面10aの上辺寄りの位置に、この上辺に沿って長い長方形状の開口が形成されており、電気接続箱1の内部に収容された回路基板40に設けられた接続部11aがこの開口を通して外部へ突出する。電気接続箱1の凹所11内に制御ユニットの筐体が嵌め込まれ、制御ユニットの接続部と電気接続箱1の接続部11aとが接続されることによって、制御ユニットが電気接続箱1に組み付けられる。
【0030】
電気接続箱1の左側面10b及び右側面10dには、この面の長手方向(電気接続箱1の上下方向)に長い開口13がそれぞれ形成されている。電気接続箱1の内部に収容された回路基板40の左右辺にそれぞれ設けられた接続部12は、電気接続箱1の開口13を通して外部へ突出する。また電気接続箱1の下面10fには、下面10fの長手方向(電気接続箱1の左右方向)に長い開口が形成されている。電気接続箱1に収容された回路基板40の下辺に設けられたヒューズ収容部20は、電気接続箱1の下面10fの開口を通して外部へ突出する。
【0031】
上述のように電気接続箱1は、本体部10と、この本体部10から取り外し可能な蓋体30とを組み合わせて構成されている。本体部10は、電気接続箱1の正面10aと、電気接続箱1の左側面10b、右側面10d、上面10e及び下面10fの一部とを構成する。蓋体30は、電気接続箱1の背面10cと、電気接続箱1の左側面10b、右側面10d、上面10e及び下面10fの一部とを構成する。電気接続箱1は、リレー、接続部11a、接続部12及びヒューズ収容部20等が固定された回路基板40が背面の開口部分から本体部10に収容され、本体部10の背面側に蓋体30を装着して開口を覆うことにより組み立てがなされる。電気接続箱1の本体部10に対する蓋体30の装着は、例えば爪状の部分を利用した係合、又は、ネジ止め等の種々の方法を採用し得る。
【0032】
図5及び
図6は、電気接続箱1の蓋体30の構成を示す斜視図であり、
図5には蓋体30の内側の構成を示し、
図6には蓋体30の外側の構成を示している。なお蓋体30の内側とは、蓋体30が本体部10に装着された場合に、電気接続箱1の内部に位置する側である。また、
図7は電気接続箱1の蓋体30の構成を示す平面図であり、
図8は電気接続箱1の蓋体30の構成を示す側面図であり、
図9は電気接続箱1の蓋体30の構成を示す下面図である。
【0033】
電気接続箱1の蓋体30は、長方形の板状をなす底板31と、該底板31の四辺に立設された第1壁32a〜第4壁32dとを有している。底板31は、蓋体30が電気接続箱1の本体部10へ装着された場合に、電気接続箱1の背面10cを構成する。第1壁32a〜第4壁32dは、底板31の四辺から略垂直に、底板31の内側面を囲むように立設されている。蓋体30が電気接続箱1の本体部10へ装着された場合に、蓋体30の第1壁32aは電気接続箱1の上面10eの一部を構成し、第2壁32bは電気接続箱1の左側面10bの一部を構成し、第3壁32cは電気接続箱1の下面10fの一部を構成し、第4壁32dは電気接続箱1の右側面10dの一部を構成する。
【0034】
また第1壁32a〜第4壁32dには、それぞれ長手方向の両端近傍に貫通孔34が形成されている。複数の貫通孔34は、底板31と第1壁32a〜第4壁32dとの境界の近傍に、蓋体30の表裏を貫通してそれぞれ形成されている。複数の貫通孔34には、電気接続箱1の本体部10に設けられた爪状の突起が挿入され、この突起の爪部分が貫通孔34の縁部分に係合することによって、蓋体30が本体部10に装着される。
【0035】
また底板31の内側面には、縦横に多数のリブ33が立設されている。リブ33は、電気接続箱1の内部に収容された回路基板40の背面に当接することによって、電気接続箱1の内部で回路基板40を支持する。底板31に設けるリブ33の形状及び数等は、回路基板40の形状及び回路基板40に搭載される電気部品の形状等に応じて適宜に決定される。
【0036】
また蓋体30の底板31には、電気接続箱1の左側面10bの一部を構成する蓋体30の第2壁32bに沿って、第2壁32bから所定の間隔を隔てて略平行に、リブ33aが設けられている。同様に、蓋体30の底板31には、電気接続箱1の右側面10dの一部を構成する蓋体30の第4壁32dに沿って、第4壁32dから所定の間隔を隔てて略平行に、リブ33bが設けられている。これにより、蓋体30には、第2壁32b及びリブ33aの間と、第4壁32d及びリブ33bの間とに溝状の空間が設けられることとなる。
【0037】
図10は、電気接続箱1の構成を示す断面図であり、電気接続箱1を上面10eに略平行な面で切断した場合の断面のうち、電気接続箱1の左側面10bの周辺を拡大して図示したものである。リレー及び接続部12等が接続固定された回路基板40が電気接続箱1の本体部10に収容され、本体部10の背面に蓋体30が装着された状態において、電気接続箱1の左側面10bからは複数の接続部12が突出する。接続部12は、四角筒状のケース12aと、このケース12aの奥方にて保持された複数の金属端子12bとを有している。接続部12は、回路基板40の正面の縁部分に、ケース12aの背面の一部が当接した状態で、回路基板40に固定される。回路基板40に固定された接続部12は、電気接続箱1の左側面10bに形成された開口13を通して、電気接続箱1の内部から外部へケース12aが突出する。
【0038】
接続部12が突出する電気接続箱1の開口13は長方形であり、本体部10に形成された長方形状の切り欠きの縁部分が開口13の上側、正面側及び下側の辺となり、本体部10に固定された蓋体30の第2壁32bの縁部分が開口13の背面側の辺となる。電気接続箱1の開口13から突出する接続部12のケース12aの背面は、本体部10に固定された蓋体30の第2壁32bに当接する。また電気接続箱1に収容された回路基板40は、矩形の板状であり、その左側端部は電気接続箱1の左側面10bの一部を構成する蓋体30の第2壁32bの内面近傍に至る。蓋体30の第2壁32bと略平行に設けられたリブ33aは、電気接続箱1に収容された回路基板40の背面に当接する。これらにより、電気接続箱1内の背面左端には、上下方向に沿って液体を流す流路50が構成される。この流路50は、蓋体30の底板31と、蓋体30の第2壁32bと、蓋体30のリブ33aと、電気接続箱1内に収容された回路基板40とにより画定され、これらに四方を囲まれた空間である。なお、電気接続箱1の右側面10dの断面構成については、同様の構成であるため図示及び説明を省略する。
【0039】
図11は、電気接続箱1の流路50を説明するための模式図であり、
図7に示した蓋体30の平面図に対して、液体の浸入から排出までの流れを矢印で示したものである。例えば電気接続箱1の左側面10bから突出する接続部12と電気接続箱1との隙間、特に接続部12のケース12aの背面と蓋体30の第2壁32bとの隙間から、液体が電気接続箱1の内部へ浸入する虞がある。浸入した液体は、蓋体30の第2壁32b及びリブ33aの間の空間、即ち流路50に至る。この流路50は、電気接続箱1が車両に搭載された状態において、上下方向に延びるように設けられている。よって、流路50に至った液体は、電気接続箱1の内部を流路50に沿って上から下へと流れる。
【0040】
上述のように、蓋体30の第2壁32bには、蓋体30を本体部10に装着するための貫通孔34が形成されている。電気接続箱1内に浸入して流路50内を上から下へと流れた液体は、電気接続箱1の内面を伝わって貫通孔34に至り、貫通孔34から電気接続箱1の外部へ排出される。即ち、電気接続箱1の下部に設けられた貫通孔34は、蓋体30の装着に用いられると共に、電気接続箱1内の液体を外部へ排出するための排水孔でもある。ただし、電気接続箱1には、蓋体30の装着用とは別に、排水のための貫通孔を形成してもよい。
【0041】
以上の構成の本実施の形態に係る電気接続箱1は、リレーなどの電気部品が搭載された回路基板40を収容する直方体状の箱体である。電気接続箱1の左側面10b及び右側面10dには、ケーブルを接続するための一又は複数の接続部12が設けられている。電気接続箱1は、本体部10に取り付けられる蓋体30を有する。電気部品を収容した本体部10に蓋体30を装着することで本体部10は閉塞され、内部の電気部品が保護される。蓋体30は、長方形の板状であり、電気接続箱1の内側に相当する面には、左右の両辺に沿って液体の流路50がそれぞれ設けられている。これにより、本体部10に装着された蓋体30の縁部分などから液体が電気接続箱1の内部へ浸入した場合であっても、浸入した液体を流路50に沿って流すことができ、液体が電気接続箱1内の電気部品に至ることを妨げることが可能となる。
【0042】
蓋体30の底板31には、左辺の縁部に沿って第2壁32b(第1の壁)が立設され、右辺の縁部に沿って第4壁32d(第1の壁)が立設されている。また底板31には、第2壁32bと離隔し且つ第2壁32bに沿ってリブ33a(第2の壁)が立設され、第4壁32dと離隔し且つ第4壁32dに沿ってリブ33b(第2の壁)が立設されている。これにより、蓋体30の第2壁32b及びリブ33aの間を流路50とすることができ、第4壁32d及びリブ33bの間を流路50とすることができる。蓋体30の強度などを損なうことなく、容易に流路50を蓋体30に設けることができる。
【0043】
また電気接続箱1には、流路50を流れた液体を外部へ排出するための貫通孔34が形成されている。これにより、流路50を流れた液体を貫通孔34から電気接続箱1の外部へ効率よく排出することができる。
【0044】
電気接続箱1の左側面10b及び右側面10dには、複数の接続部12がそれぞれ設けられている。蓋体30には、本体部10に装着された状態において接続部12が設けられた左側面10b及び右側面10dに隣接する底板31の左辺及び右辺に沿って流路50が設けられている。接続部12が設けられた面は、これ以外の面と比較して液密性が劣る可能性がある。接続部12が設けられた面に隣接する箇所に流路50を設けることによって、接続部12が設けられた面の側から電気接続箱1の内部へ浸入する液体から、内部の電気部品を保護することが可能となる。
【0045】
また電気接続箱1は車両の車体に固定されて、車両に搭載される。電気接続箱1の蓋体の流路50は、電気接続箱1が車両に搭載された状態において上下となる方向に沿って設ける。これにより、電気接続箱1の内部へ浸入して流路50へ至った液体を、流路50の上部から下部へ流すことが可能となる。
【0046】
本実施の形態においては、電気部品を収容する直方体状の電気接続箱1には、左側面10b及び右側面10dに形成された開口13から突出して接続部12が設けられている。電気接続箱1内には、開口13の縁部分に沿って、縁部分から所定の間隔を隔ててリブ33a及び33b(壁)を立設する。これにより、電気接続箱1の開口13から液体が内部へ浸入した場合であっても、電気接続箱1のリブ33a及び33bにより液体が電気接続箱1内の電気部品に至ることを妨げることが可能となる。
【0047】
なお本実施の形態においては、電気接続箱1を直方体状としたが、これに限るものではなく、例えば円柱状又は角柱状等の種々の形状であってよい。同様に、蓋体30の形状も長方形の板状以外の種々の形状であってよい。また電気接続箱1の左側面10b及び右側面10dの二面に接続部12をそれぞれ設ける構成としたが、これに限るものではなく、電気接続箱1のいずれかの1面又は3面以上に接続部12を設けてよい。また電気接続箱1は、制御ユニットを組み付けるための凹所11又はヒューズを収容するヒューズ収容部20を備えない構成であってもよい。また電気接続箱1が車両に搭載されるものとしたが、これに限るものではなく、電気接続箱1は車両以外の種々の場所で利用され得る。電気接続箱1に収容される電気部品は、リレー及びヒューズ等に限らず、これら以外の種々の電気部品が収容されてよい。
【0048】
また図面に示した電気接続箱1の形状などは一例であって、これに限るものではない。また蓋体30の底板31に形成された多数のリブ33の形状及び配置等は、図示のものに限らない。ただし蓋体30には、流路50を構成するリブ33a及び33bは設けられる。また流路50を構成するリブ33a及び33bが、電気接続箱1内に収容された回路基板40の背面に当接する構成としたが、これに限るものではなく、リブ33a及び33bは例えば接続部12のケース12aに当接してもよい。
【0049】
(変形例)
変形例に係る電気接続箱1は、上述の実施の形態に係る電気接続箱1の蓋体30に対して、流路50を構成するためのリブ33a及び33bの形状を変更した構成である。例えば
図7に示すように、上述の蓋体30のリブ33a及び33bは、接続部12が突出する電気接続箱1の開口13に沿って、開口13の下側端部の位置まで設けられている。
【0050】
図12は、変形例に係る電気接続箱1の蓋体130の構成を示す平面図である。変形例に係る電気接続箱1の蓋体130は、第2壁32bに沿ってリブ133aが設けられ、第4壁32dに沿ってリブ133bが設けられ、これらにより液体が流れる流路150が構成される。変形例に係る蓋体130のリブ133a及び133bは、下側部分が貫通孔34の形成位置にまで延びる。これにより変形例に係る電気接続箱1は、流路150が貫通孔34に対して直接的に連通し、貫通孔34からの排水をより効率的に行うことができる。