特許第6753993号(P6753993)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6753993
(24)【登録日】2020年8月24日
(45)【発行日】2020年9月9日
(54)【発明の名称】ゴミ袋抑え装置
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/14 20060101AFI20200831BHJP
   B65F 1/10 20060101ALI20200831BHJP
【FI】
   B65F1/14 Z
   B65F1/14 A
   B65F1/10
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-181739(P2019-181739)
(22)【出願日】2019年10月1日
【審査請求日】2019年10月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519355840
【氏名又は名称】亀田 敬二
(74)【代理人】
【識別番号】100160657
【弁理士】
【氏名又は名称】上吉原 宏
(72)【発明者】
【氏名】亀田 敬二
【審査官】 渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/054057(WO,A1)
【文献】 登録実用新案第3202631(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3084625(JP,U)
【文献】 特開2002−213686(JP,A)
【文献】 特開2015−230056(JP,A)
【文献】 特開2001−081821(JP,A)
【文献】 特開2002−295791(JP,A)
【文献】 特開2010−001153(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3121718(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3001812(JP,U)
【文献】 実開平03−107402(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 1/00− 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴミ袋(G)を圧縮した後、弾性によるふくらみを抑えるゴミ一時保管用の補助具であって、
基台(10)と、
支柱(20)と、
抑え部(30)からなり、
前記支柱(20)は、上部支柱(21)と下部支柱(22)から構成され、
前記上部支柱(21)には、略上半分の上部雄ネジ部(25)と略下半分の下部雄ネジ部(26)とが形成され、
前記上部支柱(21)は、前記下半分の雄ネジ部(26)が下部支柱(22)に形成される下部支柱雌ネジ部(27)に螺設されることにより、
前記下部支柱(22)に対する前記上部支柱(21)の取り付け高さを調整可能な上部支柱高さ調整機構(40)を備えるとともに、
前記抑え部(30)の高さを調整する抑え部高さ摺動機構(43)、並びに前記抑え部(30)の回動を規制する回動規制機構(35)を備え、
前記回動規制機構(35)は、前記上部支柱(21)に設けられる螺合部(23)に、軸方向に平行な平面を有する形状に成形され、
係る軸形状に対応する穴形状の上部支柱挿通穴(32)を前記抑え部(30)に設けて前記抑え部(30)の回動を規制するものであり、
前記抑え部(30)は、略中心が開口穴部(36)を有した略U字形状、略矩形状、略円形状、又は略楕円形状であって、一部に作業者の手を挿通させるための手挿通部(31)を備える形状に成形されていることを特徴とするゴミ袋抑え装置(1)。
【請求項2】
前記上部支柱(21)に設けられた前記螺合部(23)に対し、前記抑え部(30)の位置を保持する固定機構(33)を設けたことを特徴とする請求項1に記載のゴミ袋抑え装置(1)。
【請求項3】
前記上部支柱(21)に係止溝(24)を設け、係る係止溝(24)に対して、前記抑え部(30)の位置を保持する固定機構(33)を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のゴミ袋抑え装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴミ袋の収容容積を有効に使うため、プラスチック容器やビニールゴミを圧縮した状態で保持するための用具に関し、詳しくは、既存のゴミ袋内にプラスチック等のゴミを圧縮し、圧縮されたプラスチックゴミが弾性で再び膨れ上がることを防ぐための抑え部を備え、ゴミ袋の収容容積を有効に、且ついっぱいになったときでも開口部を結びやすくすることを可能とする、ゴミ袋用の抑え装置技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生活の中から出るゴミ処分手段については、便利にするために様々な器具や工夫がなされてきたといえる。例えば、ゴミの中身が見えにくくするための蓋を装着したゴミ箱、足で踏むと蓋が開くといったもの、或いはゴミ袋を開口させた状態で保持するものなど、様々である。しかしながら、ゴミを捨てるということは毎日頻繁に行うことから、更なる利便性と工夫が必要とされている。
【0003】
特に、プラスチックパックやビニール等のゴミについては、現代の食生活の中でも頻繁に排出されるゴミであり、弁当やデザート容器等、コンビニエンスストアやスーパーで買い物をすると必ずといってよいほど出るゴミだからである。また、焼却ゴミとその他のゴミを分別すると、特に分別ゴミの方にはコンビニやスーパーの包装袋、クリーニング店で覆われたYシャツ用のビニール等、重量は小さいものの、嵩張るものが多く、押さえつければまだまだ入るにも関わらず袋が一杯になってしまい、また、押さえ付けてもプラスチック製容器包装等の持つ弾性力で再び膨れ上がってしまうといったことが多々ある。この場合、上から抑えつけておけば、その体積を小さくして、その後もたくさんのゴミを収容できる。しかし、その都度開口部を閉じたり解いたりするのは煩雑である。そこで、ゴミ袋内にプラスチックパックやビニール等のゴミを有効に詰め込めれば便利である。
【0004】
そこで、従来からも種々の技術提案がなされてきた。例えば、発明の名称を「圧縮器を有するゴミ箱」とする技術が開示されている(特許文献1参照)。
具体的には、「より多くのゴミを収容することのできる、圧縮器を有するゴミ箱を提供することにある。」ことを課題とし、解決手段として「本考案の圧縮器を有するゴミ箱は、ゴミ箱のゴミが溢れそうな場合に、ゴミ圧縮器を操作してゴミを圧縮することにより、ゴミ箱が更に多くのゴミを収容できるようになる。」というものである。
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、ゴミ袋を介さずにゴミ箱という収容体を利用して直接ゴミを圧縮するものであり、本発明とは課題解決の技術的手段が異なっている。
【0005】
また、発明の名称を「圧縮機能付きゴミ箱」とする技術が開示されている(特許文献2参照)。具体的には、「本発明は、ゴミの量が少なくともゴミの嵩が大きくなるとゴミ箱が満杯になりゴミを回収に出す回数が多くなっていた、またゴミ嵩が大きいとゴミ袋の使用量が多くなっていた。」という問題を解決することを課題とし、解決手段としては、「ゴミ箱本体に水平の窪み又は溝の凹部を作り、ゴミ箱の蓋にはグリップを回すと出し入れ可能な凸部と空気抵抗を防ぐ空気の抜け穴を作る。手で蓋を底に向けてゴミを押込め、その圧縮状態時にゴミ箱の凹部に蓋のグリップを回して凸部を凹部に挿入し停止させる。ゴミが少量の時から順次に圧縮が可能な事と長時間の圧縮状態でゴミ嵩が効率的に小さくなる。ゴミを回収に出す回数を減らせ、ゴミ袋の使用量も減るので省エネに役立つ。」という発明が公開され公知技術となっている。
しかしながら、特許文献2に記載の技術は、特許文献1の技術と同様に、ゴミ袋を介さずにゴミ箱という収容体を利用して蓋体で直接ゴミを圧縮するものであり、本発明とは課題解決の技術的手段が異なっている。
【0006】
また、発明の名称を「ゴミ減容機」とする技術が開示されている(特許文献3参照)。
具体的には、「圧縮によってゴミ袋押さえが下方に移動することを防止し、リードスイッチによって収納状態を正確に検知する。」ということを課題とし、解決手段を、収納部に上端部に開口を有する箱状のゴミ収容器を出し入れ自在に収納する。ゴミ収容器内にゴミ袋を入れる。ゴミ収容器の上端面にゴミ袋の開口縁部を押さえるためのゴミ袋押さえをゴミ収容器の上端部に上方からの嵌め込みにより着脱自在に取付ける。収納部の上部にゴミ収容器内のゴミを底部側に向けて圧縮するエアバックを設ける。ゴミ袋押さえに磁性体を設ける。磁性体が近接することによってゴミ収容器が収納部に正常な収納位置に位置した状態であることを検知するリードスイッチを収納部に設ける。ゴミ収容器収納時にゴミ袋押さえが下方に移動することを防止するストッパー部材を収納部内側面に設ける。」という発明が公開され公知技術となっている。
しかしながら、特許文献3に記載の技術は、構造が大掛かり且つ複雑で、一般家庭用として気軽に導入できるものではなく、また、専用のゴミ収容器も必要であるなど、構成を異にするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3137054号
【特許文献2】特開2009−173408号
【特許文献3】特開2003−261202号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、プラスチック製容器包装ゴミの一時保管を快適にすることを目的とした補助具の提供であり、膨らみやすい弾性を有するプラスチック製容器包装ゴミの収集をゴミ袋内に効率よく、その容積を利用してプラスチック製容器包装ゴミの一時保管を快適にするための、補助具の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ゴミ袋を圧縮した後、弾性によるふくらみを抑えるゴミ一時保管の補助具であって、基台と、支柱と、抑え部からなり、前記支柱は、上部支柱と下部支柱から構成され、前記上部支柱は下部支柱に挿入され、前記上部支柱には、が前記下部支柱に対して高さを調整可能な上部支柱高さ調整機構を備えるとともに、前記抑え部の高さを調整する抑え部高さ摺動機構、並びに前記抑え部の回動を規制する回動規制機構を備え、前記抑え部は、略中心が開口穴部を有した略U字形状、略矩形状、略円形状、又は略楕円形状であって、一部に作業者の手を挿通させるための手挿通部を備える形状に成形されている構成を採用する。
【0010】
また、本発明は、前記回動規制機構が、前記上部支柱に設けられる螺合部に、軸方向に平行な平面を有する形状に成形し、係る軸形状に対応する穴形状の上部支柱挿通穴を前記抑え部に設けて前記抑え部の回動を規制する前記回動規制機構である構成を採用することもできる。
【0011】
また、本発明は、前記上部支柱に設けられた前記螺合部に対し、前記抑え部の位置を保持する固定機構を設ける構成を採用することもできる。
【0012】
また、本発明は、前記上部支柱に係止溝を設け係る係止溝に対し、前記抑え部の位置を保持する固定機構を設ける構成を採用することもできる。
【発明の効果】
【0013】
また、本発明に係るゴミ袋抑え装置によれば、ゴミを圧縮する事で嵩を小さくした後にプラスチック製容器包装ゴミの嵩が再び戻らないように抑え部がついていることで、傘が小さくなった状態を保つことが可能となり、ゴミを出す回数を減らし、ゴミ袋の使用量も減らすことが出来るという優れた効果を発揮する。
【0014】
また、本発明に係るゴミ袋抑え装置によれば、プラスチック製容器包装ゴミが一杯になってしまったときなど、ゴミ袋の開口部を結ぶのは容易とは言えない作業だが、ゴミ袋開口部付近のプラスチック製容器包装ゴミを圧縮することで開口部を結ぶ領域の確保ができ、作業が容易に出来るという優れた効果を発揮するものである。
【0015】
本発明に係るゴミ袋抑え装置によれば、プラスチック製容器包装ゴミを捨てるのに便利な抑え部が装着していることから、手で圧縮したプラスチック製容器包装ゴミが再び膨らむのを防ぎ、ゴミ箱に設置可能なことから安価でプラスチック製容器包装ゴミを収容することが可能となるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係るゴミ袋抑え装置の基本構成を説明する基本構成説明図である。
図2】本発明に係るゴミ袋抑え装置の上部支柱高さ調整機構及び抑え部高さ摺動機構を説明する説明図である。
図3】本発明に係るゴミ袋抑え装置に固定機構を備えた実施例を説明する実施例説明図である。
図4】本発明に係るゴミ袋抑え装置に別の固定機構を備えた実施例を説明する実施例説明図である。
図5】本発明に係るゴミ袋抑え装置を丸形形状のゴミ箱の内部で使用する状態を説明する使用状態説明図である。
図6】本発明に係るゴミ袋抑え装置を矩形形状のゴミ箱の内部で使用する状態を説明する使用状態説明図である。
図7】本発明に係るゴミ袋抑え装置を単体で使用する状態を説明する使用状態説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係るゴミ袋抑え装置は、ゴミ箱等に内装してゴミ箱の収容領域を有効に利用できるのみならずゴミ箱等を用いずにゴミ袋を単独で抑えることが可能な点を最大の特徴とするものである。以下、図面に基づいて各構成を説明する。但し、係る図面に記載された形状や構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の創作として発揮する効果の得られる範囲内で変更可能である。
【0018】
図1は、本発明に係るゴミ袋抑え装置の基本構成を説明する基本構成説明図である。図1(a)は、本発明に係るゴミ袋抑え装置を上方から見た平面図、図1(b)は正面から見た正面図、図1(c)は右側の側方から見た右側面図をそれぞれ示しており、本発明に係るゴミ袋抑え装置の最もシンプルな基本構成を示している。
【0019】
ゴミ袋抑え装置1は、ゴミ袋Gを圧縮した後、弾性によるふくらみを抑えるゴミ一時保管用の補助具であって、基台10と、支柱20と、抑え部30からなり、前記支柱20は、上部支柱21と下部支柱22から構成され、前記上部支柱21は下部支柱22に挿入される、前記上部支柱21が前記下部支柱22に対して高さを調整可能な上部支柱高さ調整機構40を備えるとともに、前記支柱には、前記抑え部30の高さを調整する抑え部高さ摺動機構43とを備え、前記抑え部30の略中心が開口した開口穴部36と手挿通部31を有する略U字形状、略矩形状、略円形状、又は略楕円形状であることを基本構成とするものである。
【0020】
基台10は、支柱20及び抑え部30とを備える基台であり、形状については図面に示した様に平板な矩形の板状部材でよく、また、係る形状に限定されることなく、数本の脚部によるもの等、安定して支柱20及び抑え部30を備えられるものであればよい。なお、安定化の向上のために、比重量の大きな材料で作ったり、また、その材料を内部に備えて安定化を備えるものでもよい。
【0021】
支柱20は、基台10から上方位置に抑え部30を配置するための柱である。具体的には基台部10から抑え部30までの距離がゴミ袋等の高さ方向の長さに対応したものが必要となる。なお、ゴミ袋Gで一般的な規格サイズ、20リットル、30リットル、45リットル、70リットル、90リットルの各長さ(高さ)が600mm、700mm、800mm、900mm、1000mmであることから、約600mmから1000mmの範囲の長さの支柱が必要となる。また、係る範囲を網羅するために上部支柱高さ調整機構40を備えて対応する。なお、20リットルと30リットル用に対応するSサイズ、30リットルから70リットルに対応するMサイズ、70リットルから90リットルに対応するLサイズのようにサイズ分けをすることも望ましい。
【0022】
上部支柱21は、支柱20の芯部材を構成し、上側略半分に上部雄ネジ25と下側略半分に下部雄ネジ26となる螺合部23を有し、下部支柱22の下部支柱雌ネジ27と螺合により保持・結合される。また、上部支柱21の上部雄ネジ25が形成される部分に少なくとも1以上の平面部を有して成り、係る軸形状に対応した抑え部30の上部支柱挿通穴32に挿通して上下に移動させる構造を備えている。
【0023】
下部支柱22は、支柱20の下部側を構成する略筒状体であって、内面には下部支柱雌ネジ27が形成され、下部雄ネジ26と螺合により保持・結合される。また、図面には示していないが、下部支柱22は、基台10に固定されて支柱20の全体を支持する。
【0024】
螺合部23は、上部支柱21の外周面に形成される雄ネジ部分であって、上部雄ネジ25と下部雄ネジ26とで構成される。図面上では、上部雄ネジ25部分の軸径と下部雄ネジ26部分の軸径とが異なる径で示しているが、特に係る軸径を異ならせることは必須の要件ではなく、同径同ピッチでも良い。即ち、係る径寸法とねじピッチは、螺合関係となる下部支柱雌ネジ27、上部支柱固定用ナット41、抑え部位置決め用ナット42等との関係において対応可能なものであればよい。
【0025】
また、螺合部23は、上部支柱21と下部支柱22との結合、及び回転により上下に移動させることで、抑え部30の高さ調節可能な範囲を選択できるようにするものであり、さらに、ゴミ箱Hに配置して使用する場合などにおいて、ゴミ箱Hの蓋体に上部支柱21の先端が当接しないようにするためのものである。位置決め用ナット42が抑え部30を任意の位置よりも上がらないように螺設される。
【0026】
抑え部30は、作業者がゴミ袋を押し込めるようにするために略中心が開口した形状を有し、圧縮したプラスチック製容器包装ゴミが弾性により再び膨張しないように抑止するための抑え部材である。図面では、U字型又はC字型のような形状で示したが、略矩形や略O字型形状で一部に手挿通部31を有する形状でも良い。
【0027】
手挿通部31は、抑え部30の一部に手を挿通させるための開口部であり、ゴミ袋G内のゴミを作業者の掌で押圧し易いようにする等、作業性を向上させるためのものである。
【0028】
上部支柱挿通穴32は、図2(b)に示す通り、抑え部30に設けられる上部支柱21の上側略半分に形成される上部雄ネジ25部分の軸形状に対応した穴形状であり、上部支柱21を摺動状態にて上下へ自在に移動可能としつつ、図2(b)の例のように、上部支柱21に設けられる螺合部23に、軸方向に平行な平面を有する形状に成形することで、抑え部30の回動を規制する形状である。
【0029】
回動規制機構35は、ゴミ袋G内のゴミを圧縮した後の弾性による膨張の際、ゴミ袋抑え装置1を単体で使用する場合、係るゴミの膨張により抑え部30が回動することを規制する。具体的には、図2に示すように、上部支柱22の軸形状が軸方向に少なくとも一面以上の平面部を備え、係る軸を挿通させる上部支柱挿通穴32が、これに対応した穴形状であることから、回転や回動動作を規制する機構である。
【0030】
開口穴部36は、抑え部30の略中心に設けられる開口穴であり、係る穴部の存在によりゴミ袋G内のゴミを上から作業者が掌を押し付けて、ゴミを圧縮できるようにするものである。
【0031】
上部支柱高さ調整機構40は、支柱のうち、上部支柱21を下部支柱22に対して螺設することにより、回転させてその長さを調整する機構である。また、上部支柱固定用ナット41を用いて、所望する高さとなる位置で締め付けることにより、その高さを保持することが可能となる。
【0032】
上部支柱固定用ナット41は、上部支柱21と下部支柱22の螺合により所望する高さに調整された位置で固定及び保持をする螺合部材である。
【0033】
抑え部位置決め用ナット42は、上部支柱21と抑え部30との保持位置を調整するために上部雄ネジ25に螺合により螺設される螺合部材である。
【0034】
抑え部高さ摺動機構43は、圧縮したプラスチック等が入っているゴミ袋Gが、その弾性により再び膨張することを抑制するために、抑え部30の位置を調整する機構である。具体的には、上部支柱21に対する抑え部30の高さを調整するため、抑え部30に設けられる上部支柱21の外形に対応した形状の上部支柱挿通穴32により、上下に移動できる構成と、任意の高さに調整後、抑え部位置決め用ナット42で係る位置よりも上側には移動できないように固定する構成である。
【0035】
ゴミ袋Gは、プラスチック製の容器やビニール袋などが収容された袋である。具体的には、圧縮すれば小さくなるが、弾性によってその体積がもとに戻ろうとするゴミ等を収容した袋である。なお、袋自体は特に限定するものではないが、一般的な規格サイズの、20リットル、30リットル、45リットル、70リットル、90リットル等のもので、各長さ(高さ)が600mm、700mm、800mm、900mm、1000mmや、自治体によって指定されるものであってもよく、また、取手付きの、極小袋(10リットル)、小袋(20リットル)、大袋(35リットル)、特大袋(60リットル)等のもので、各長さ(高さ)が530mm、640mm、800mm、900mmを用いてもよい。
【0036】
ゴミ箱Hは、既存の一般的なゴミ箱として販売されているものでよく、特に限定するものではない。図5及び図6に示すような丸型形状や角型形状のゴミ箱が対象となる。但し、係る形状に限定されるものではなく、ゴミ箱Hの断面形状に沿った形状の抑え部とすれば対象となり得る。
【0037】
図2は、本発明に係るゴミ袋抑え装置の上部支柱高さ調整機構40並びに抑え部高さ摺動機構43を説明する説明図である。図2(a)は、上部支柱21と下部支柱22の螺合による結合される状態を示し、図2(b)は、上部支柱挿通穴32の穴形状を示し、図2(c)は、上部支柱21の軸形状を示すA−A拡大断面図である。
【0038】
図2(a)に示す通り、上部支柱21と下部支柱22は、螺合により結合される。具体的には、下部支柱22の内周面に設けられた下部支柱雌ネジ27と、上部支柱21の下側略半分に成形される下部雄ネジ26とが、螺合によってその長さを調整可能に結合されるものである。
【0039】
図2(b)に示す通り、上部支柱挿通穴32は、抑え部30に設けられる上部支柱21の軸形状に対応した穴形状であり、上部支柱21を摺動状態にて上下へ自在に移動可能としつつ、図2(b)に例示するように、上部支柱21に設けられる上部雄ネジ25部分に、軸方向に少なくとも1以上の平面部を有する形状により、抑え部30の回動を規制する形状となる。
【0040】
なお、図2(b)に示したのは、係る平面部が、二面を有するように一部がカットされた形状に形成されたものを示しており、抑え部30の上部支柱挿通穴32が係る形状に対応する穴形状であることから、抑え部が上下に移動可能となる構成例である。
【0041】
図3は、本発明に係るゴミ袋抑え装置に固定機構33並びに取手係止部34を備えた実施例を説明する実施例説明図である。図1で示した基本構成に固定機構33と取手係止部34を設け、更に係止溝を加えた状態を示し、図3(a)は、本発明に係るゴミ袋抑え装置1を上方から見た平面図を示し、図3(b)には正面から見た正面図、図3(c)には右側方から見た右側面図をそれぞれ示している。
【0042】
図4は、本発明に係るゴミ袋抑え装置に別の固定機構33並びに取手係止部34を備えた実施例を説明する実施例説明図である。図1で示した基本構成に固定機構33と取手係止部34を設け、更に係止溝24を加えた状態を示し、図3(a)は、本発明に係るゴミ袋抑え装置1を上方から見た平面図を示し、図3(b)には正面から見た正面図、図3(c)には右側方から見た右側面図をそれぞれ示している。
【0043】
固定機構33は、抑え部30を支柱の所望する位置で保持・固定させるための機構である。具体的には、例えば、抑え部30を図3に示すようなナット状の螺合部材44を上下に配置し、挟み込む構成が簡易的である。また、別の実施例として、図4乃至図6に示すような、突起部を螺合部23に引っ掛けて保持する固定機構33とする構成も有効である。
【0044】
取手係止部34は、取手付きのゴミ袋Gの取手部を係止し、袋の開口部を開いた状態を保持するための係止部である。図3では抑え部30の上面と底面の双方に設ける構成で示したが、図4図5に例示したように、底面側のみでも良く、また、図面には示してはいないが、上面側のみに備える構成でも良い。
【0045】
係止溝24は、上部支柱21の螺合部23に所定間隔で固定機構33の固定部材を引っ掛ける溝部を複数備え、係る溝部の位置に応じて抑え部30の位置を保持・固定する。
【0046】
図5及び図6は、本発明に係るゴミ袋抑え装置をゴミ箱の内部で使用する状態を説明する使用状態説明図であり、図5は、丸型のゴミ箱の内部へ本発明に係るゴミ袋抑え装置を配置した状態を示し、図6は、角型のゴミ箱の内部へ本発明に係るゴミ袋抑え装置を配置した状態を示したものである。係る具体例に示す通り、本発明に係るゴミ袋抑え装置は、それ単体で用いる使用態様のみならず、ゴミ箱等の内部に収容して用いることが出来るものである。係る使用態様によれば、ゴミ箱のゴミの収容容積を有効に活用できる。
【0047】
図7は、本発明に係るゴミ袋抑え装置を単体で使用する状態を説明する使用状態説明図であり、図7(a)は、ゴミ袋にプラスチックゴミ等が単に収容されたままの膨らんだ状態で、本発明に係るゴミ袋抑え装置1に備えられた状態を示し、図7(b)は、プラスチックゴミ等が収容されたゴミ袋を圧縮してその体積を小さくした後、抑え部の高さを下げて保持した状態を示している。図7に示した使用状態におけるゴミ袋は、ビニールやプラスチック容器のようにそのままでは大きな収容容積を必要とするゴミであるが、圧縮することにより容易に小さな体積とすることが出来るゴミが収容されたものである。但し、係るゴミの内容についてはビニールやプラスチック容器に限定されるものではなく、くしゃくしゃに折り曲げた紙くず等であって、圧縮することによってその体積が小さくできるものであれば本発明のゴミ袋抑え装置の利用対象となる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明に係るゴミ袋抑え装置によれば、単体での使用が可能であるとともに、一般家庭にもあるプラスチックゴミ箱にも設置が可能なことと、プラスチック製容器包装ゴミを捨てる際に膨れ上がるゴミ袋を抑え込むことで、有効にゴミを収められるという利便性と、無駄なビニール袋の使用を抑止できるなど、多様な効果を発揮し、簡易な構造でコストもかからないことから、産業上利用可能性は高いと思慮されるものである。
【符号の説明】
【0049】
1 ゴミ袋抑え装置
10 基台
20 支柱
21 上部支柱
22 下部支柱
23 螺合部
24 係止溝
25 上部雄ネジ
26 下部雄ネジ
27 下部支柱雌ネジ
30 抑え部
31 手挿通部
32 上部支柱挿通穴
33 固定機構
34 取手係止部
35 回動規制機構
36 開口穴部
40 上部支柱高さ調整機構
41 上部支柱固定用ナット
42 抑え部位置決め用ナット
43 抑え部高さ摺動機構
G ゴミ袋
H ゴミ箱
【要約】      (修正有)
【課題】膨らみやすい弾性を有するプラスチック製容器包装ゴミの一時保管において、ゴミ袋の容積を効率よく利用するための補助具を提供する。
【解決手段】ゴミ袋圧縮後の弾性によるふくらみを抑えるゴミ一時保管用の補助具であって、基台10と、支柱20と、抑え部30とからなり、前記支柱は、上部支柱21と下部支柱22から構成され、前記上部支柱は下部支柱に挿入され、前記上部支柱が前記下部支柱に対して高さを調整可能な上部支柱高さ調整機構40を備えるとともに、前記支柱には、前記抑え部の高さを調整する抑え部高さ摺動機構43等を備え、前記抑え部の略中心が開口した略U字形状である。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7