特許第6754038号(P6754038)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6754038
(24)【登録日】2020年8月25日
(45)【発行日】2020年9月9日
(54)【発明の名称】水中油型頭髪用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/06 20060101AFI20200831BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20200831BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20200831BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20200831BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20200831BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20200831BHJP
【FI】
   A61K8/06
   A61K8/19
   A61K8/36
   A61K8/92
   A61Q5/00
   A61Q5/06
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-34140(P2016-34140)
(22)【出願日】2016年2月25日
(65)【公開番号】特開2017-149679(P2017-149679A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2018年12月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】591147339
【氏名又は名称】株式会社トキワ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(72)【発明者】
【氏名】竹澤 俊平
【審査官】 辰己 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−193222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00− 8/99
A61Q1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を30〜60質量%と、油剤と、パール粉体を3.5〜30質量%と、着色剤(但し、前記パール粉体に含まれる着色剤は除く)を1質量%以上と、界面活性剤とを含み、前記パール粉体と前記界面活性剤との質量比が3:1〜1:1であり、前記界面活性剤としてアニオン性界面活性剤を3質量%以上含む、水中油型頭髪用組成物。
【請求項2】
前記水と前記油剤との質量比が1:0.27〜1:0.46である、請求項1に記載の水中油型頭髪用組成物。
【請求項3】
前記水の含有量が40〜60質量%であり、前記水と前記油剤との質量比が1:0.2〜1:0.6である、請求項1に記載の水中油型頭髪用組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の水中油型頭髪用組成物を含む、整髪剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中油型頭髪用組成物に関し、より詳細には一時染毛及び整髪のための頭髪用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢化に伴う白髪染め需要層の増加、カラー毛髪のファッション化によって、染毛料が流行している。染毛料は、毛髪に着色した色の持続性の観点から一時染毛料、半永久染毛料、永久染毛料に分類される。半永久染毛料や永久染毛料はシャンプーしても色落ちし難いという長所があるが、操作が煩雑になるという側面を有する。一方、一時染毛料は、その使用方法が簡単で目的とする部位に塗布するだけでよく、スピーディに染毛できる利点があり、外出前の使用などには最適である。また、一時染毛料はシャンプーで簡単に洗い落とすことができるので染めた色に不満があるときや他の色に変更したいときなどに便利であり、市場でのその需要も高いものである。
【0003】
従来、一時染毛料は、色材を毛髪に固着し衣服などへの二次汚着を防ぐための皮膜剤、隠蔽性の高い無機顔料を中心とした色材、エタノールなどの速乾性の揮発性溶剤により構成されており、毛髪上で着色皮膜を形成させて、白髪を隠蔽するものや、エアゾール噴射剤とともにエアゾール缶に充填したスプレー状のものを毛髪表面に塗布し、乾燥により固定させる手法がとられている。
【0004】
他方で、整髪剤は、毛髪を整えるために使用されるものであり、液状、ジェル状、クリーム状及び固形状などの種々の性状が知られている。その主機能である整髪力を発揮する為に、皮膜形成ポリマーや室温で固形状の油剤を用いられることが多い。特に、水中油型の整髪剤は、伸ばしやすく、毛髪に均一に塗布できるという利点を有し、セット保持力や毛髪に無造作な動きや立体感をつけたりできるなど再整髪性に優れ、高いスタイリング力が得られやすい。(例えば、特許文献1及び2など)。
【0005】
一時染毛料においても水中油型のものが知られている(例えば、特許文献3及び4)。水中油型の一時染毛料は、指を用いて塗布・整髪などが可能であり、使用性に優れるとともに、配合されている皮膜剤によってある程度のスタイリング力も併せ持つことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4676902号公報
【特許文献2】特開2015−98446号公報
【特許文献3】特許第3071396号公報
【特許文献4】特開2004−10540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、エマルション樹脂等の皮膜剤は、低温では凝固が起き、高温環境下ではエマルションの合一が起きるなど不安定であり、処方自体も不安定になりやすく、高配合できないため、スタイリング力を高めることが難しかった。また、水中油型の場合、乳化安定性が損なわれる虞があることからエタノールなどの速乾性の揮発性溶剤を高配合できないため、速乾性を向上させることが難しい。さらに、水中油型の場合、粉体が吸油するため、毛髪の上で十分な発色を得る量の粉体を安定的に配合することが難しい。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、従来の水中油型一時染毛料よりもスタイリング力、速乾性及び発色感が高められているとともに十分な安定性を有する水中油型頭髪用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討した結果、特定量の水が含まれる水中油型組成物において、特定量のパール粉体とその他の着色剤とを配合するとともに、パール粉体と界面活性剤との質量比を特定の範囲に設定することにより、スタイリング力、速乾性及び発色感を従来の水中油型一時染毛料よりも高めつつ、水中油型組成物の分散性及び保存安定性を十分確保できることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、水を30〜60質量%と、油剤と、パール粉体を3.5〜30質量%と、着色剤(但し、パール粉体に含まれる着色剤は除く)を1質量%以上と、界面活性剤とを含み、パール粉体と界面活性剤との質量比が3:1〜1:1である水中油型頭髪用組成物を提供する。
【0011】
本発明の水中油型頭髪用組成物は、上記構成を有することにより、従来の水中油型一時染毛料よりも高いスタイリング力、速乾性及び発色感を示すことができるとともに、十分な安定性を有することができる。
【0012】
本発明の水中油型頭髪用組成物は、速乾性、スタイリング力、発色性及び使用性を更に高水準で両立させる観点から、界面活性剤としてアニオン性界面活性剤を2質量%以上含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、従来の水中油型一時染毛料よりもスタイリング力、速乾性及び発色感が高められているとともに十分な安定性を有する水中油型頭髪用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施形態に係る水中油型頭髪用組成物は、水と、油剤と、パール粉体と、着色剤(但し、パール粉体に含まれる着色剤は除く)と、界面活性剤とを含む。
【0015】
本実施形態の水中油型頭髪用組成物に配合される水は、主成分として水を含むものであれば特に限定されず用いることができる。
【0016】
本実施形態の水中油型頭髪用組成物における水の配合量は、組成物全量を基準として30〜60質量%とすることができる。この範囲で水を配合することにより、十分な乳化状態を維持しつつ、スタイリング力及び速乾性を向上させることができる。
【0017】
速乾性及びスタイリング力の観点から、水の配合量は、58質量%以下であることが好ましく、53質量%以下であることがより好ましい。また、分散性及び保存安定性の観点から、水の配合量は、35質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。
【0018】
油剤としては、例えば、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、米ぬかロウ、ラノリン、鯨ロウ、セラック、綿ロウ、モクロウ、水添ホホバ油などのロウ類;オゾケライト、セレシン、パラフィンロウ、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリンなどの炭化水素油類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ラウリン酸、ラノリン酸、ベヘニン酸などの高級脂肪酸類;ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、キミルアルコール、ベヘニルアルコール、バチルアルコール、セトステアリルアルコールなどの高級アルコール類;鎖状ポリシロキサン、環状ポリシロキサン、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン、アクリルシリコーン等のシリコーン油類;パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類が挙げられる。油剤は、1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
【0019】
本実施形態の水中油型頭髪用組成物における油剤の配合量は、特に限定されないが、スタイリング力及び安定性の観点から、水と油剤との質量比が1:0.2〜1:0.6であることが好ましい。
【0020】
パール粉体としては、一般に汎用されているパール光沢を有する粉体であれば特に限定されることなく使用できる。このような粉体としては、例えば、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、黒酸化鉄被覆雲母チタン、酸化鉄・黒酸化鉄被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、カルミン・コンジョウ被覆雲母チタン、酸化鉄・カルミン処理雲母チタン、コンジョウ処理雲母チタン、酸化鉄・コンジョウ処理雲母チタン、酸化クロム処理雲母チタン、黒酸化チタン処理雲母チタン、合成金雲母、酸化チタン被覆合成金雲母、ガラス末、酸化チタン被覆ガラス末、ポリエチレンテレフタレート・ポリエステルフィルム積層末、雲母片、アクリル樹脂被覆アルミニウム末(色材を含有してもよい)、酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、着色酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、アルミニウムフレーク、ステンレスフレーク、酸化チタン被覆板状アルミナ、真珠殻、金箔、金蒸着樹脂フィルム、金属蒸着樹脂フィルムなどが挙げられる。パール粉体は、1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
【0021】
本実施形態の水中油型頭髪用組成物におけるパール粉体の配合量は、組成物全量を基準として3.5〜30質量%とすることができる。この範囲でパール粉体を配合することにより、十分な乳化状態を維持しつつ、毛髪に対する発色感を向上させることができる。
【0022】
分散性の観点から、パール粉体の配合量は、30質量%以下であることが好ましく、28質量%以下であることがより好ましい。また、使用性、スタイリング力、速乾性及び発色感をより高水準に高める観点から、パール粉体の配合量は、7質量%以上であることが好ましく、9質量%以上であることがより好ましい。
【0023】
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、黒酸化チタン、黒酸化鉄、黄酸化鉄、酸化鉄、ベンガラ、群青、紺青などの無機顔料;赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色106号、赤色227号、黄色4号、黄色5号、黄色203号、緑色3号、緑色201号、緑色205号、青色1号、青色2号、青色202号、青色205号、だいだい色207号などのバリウム、カルシウムもしくはアルミニウムのレーキ顔料;赤色201号、赤色202号、赤色207号、黄色201号、黄色204号、黄色205号、緑色202号、青色201号、青色204号、だいだい色201号、だいだい色204号、紫色201号などの有機顔料が挙げられる。着色剤は、1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
【0024】
本実施形態の水中油型頭髪用組成物における着色剤の配合量は、組成物全量を基準として1質量%以上とすることができ、発色性と分散性又は保存安定性とを高水準で両立させる観点から、1〜10質量%が好ましく、3〜9質量%がより好ましい。
【0025】
本実施形態においては、発色性の観点から、無機顔料を、組成物全量を基準として1質量%以上配合することが好ましく、隠蔽性の観点から、酸化チタン、酸化鉄、ベンガラ、群青及び紺青からなる群より選択される少なくとも1種の着色剤を1質量%以上配合することがより好ましい。
【0026】
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
【0027】
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン(POE)セチルエーテル等のPOEアルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0028】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられる。また、高級脂肪酸系アニオン界面活性剤も配合できる。高級脂肪酸のアニオンであり、当該アニオンの1種又は2種以上を含ませるために、高級脂肪酸塩、並びに/又は、高級脂肪酸及びこれを中和するアルカリを配合する。
【0029】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等が挙げられ、両性界面活性剤の具体例としては2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム等が挙げられる。
【0030】
界面活性剤は、1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
【0031】
本実施形態の水中油型頭髪用組成物における界面活性剤の配合量は、パール粉体と界面活性剤との質量比が3:1〜1:1となるように設定することができる。この場合、水中油型頭髪用組成物のスタイリング力、速乾性及び発色感を十分高めつつ、十分な分散性及び保存安定性を確保することができる。
【0032】
本実施形態においては、安定性の観点から、パール粉体と界面活性剤との質量比が2:1〜1:1であることが好ましい。
【0033】
本実施形態の水中油型頭髪用組成物は、速乾性、スタイリング力、発色性及び使用性を更に高水準で両立させる観点から、界面活性剤としてアニオン性界面活性剤を2質量%以上含むことが好ましく、2.5質量%以上含むことがより好ましく、3質量%以上含むことがさらに好ましい。
【0034】
本実施形態の水中油型頭髪用組成物は、水、油剤、パール粉体、着色剤及び界面活性剤以外の、その他の成分を含有することができる。その他の成分として、例えば、頭髪用化粧料で通常使用される油分、保湿成分、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、薬剤、香料、アルコール類、粉体、pH調整剤、塩、ゲル化剤、消泡剤、皮膜剤、増粘剤等を適宜配合することができる。
【0035】
本実施形態の水中油型頭髪用組成物は、一時染毛、整髪、トリートメント、半永久染毛等の用途に用いることができる。
【0036】
本実施形態の水中油型頭髪用組成物は、例えば、以下の手順により製造することができる。上述した水、油剤、パール粉体、着色剤及び界面活性剤の各成分、並びに必要に応じてその他の成分を混合し、ホモミキサーを用いた転相乳化法等により乳化することで水中油型頭髪用組成物を製造することができる。混合及び乳化は、別々に行ってもよく、同時に行ってもよい。
【実施例】
【0037】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0038】
(実施例1〜7、参考例8及び比較例1〜11)
表1〜3に示す組成(質量%)を有する水中油型頭髪用組成物をそれぞれ調製した。具体的には、油剤、界面活性剤、パール粉体及び着色剤を混合した混合物を、予め85〜90℃に加温しておいた上記以外の各成分の混合物と混合乳化し、これを撹拌しながら25℃以下まで冷却することにより水中油型頭髪用組成物を得た。
【0039】
なお、表中に示す各成分の詳細は以下のとおりである。
雲母チタンA:Timiron Supersilk MP−1005(メルク社製)
雲母チタンB:Prestige Yellow Gold(SUDARSHAN CHEMICAL INDUSTRIES LIMITED社製)
黒酸化鉄被覆雲母チタンA:Colorona Patina Silver(メルク社製)
ベンガラ被覆雲母チタン:Colorona Gold Plus MP−25(メルク社製)
黒酸化鉄被覆雲母チタンB:Colorona Mica Black(メルク社製)
【0040】
<水中油型頭髪用組成物の評価方法>
実施例1〜7、参考例8及び比較例1〜11で得られた水中油型頭髪用組成物を試料とし、下記の評価を行った。
【0041】
[速乾性]
黒髪(長さ10cm、重量1g)の先端から5cmまで試料を0.3g塗布し、室温(25℃±1℃)に放置し、毛束に手を触れた時に試料が転着しなくなるまでの時間を測定し、下記基準で評価した。なお、試料の転着は目視観察にて確認した。
◎:乾燥時間が20秒以内である
○:乾燥時間が20秒を超え1分以内である
△:乾燥時間が1分を超え、3分以内である
×:乾燥時間が3分を超える
【0042】
[スタイリング力、ひっかかり感の強さ、発色]
20名のパネラーに、スタイリング力(毛髪の整えやすさ)、ひっかかり感の強さ、及び発色について良好か否かを回答してもらい、下記基準にて評価した。
◎:18名以上が良好と回答
○:14名以上、18名未満が良好と回答
△:10名以上、14名未満が良好と回答
×:10名未満が良好と回答
【0043】
[保存安定性]
試料を容器にいれ、室温(25℃±1℃)に一ヶ月放置した時の外観状態を目視観察にて評価した。
○:異常が見られない
×:分離が見られる
【0044】
[分散性]
調製した直後の試料(O/W乳化物)の状態を目視観察し、パール粉体、着色剤、油剤の沈殿、凝集、乳化粒子の破壊や合一の有無を確認し、以下の判定を行った
○:凝集物や沈殿物が見られない
×:凝集物や沈殿物が見られる
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
表4に示されるように、実施例1〜7、参考例8の水中油型頭髪用組成物は、ひっかかり感の強さ、発色、速乾性、スタイリング力、保存安定性及び分散性のすべてにおいて良好であることが確認された。
【0051】
これに対し、界面活性剤に対するパール粉体の割合が1未満である比較例4の水中油型頭髪用組成物は、ひっかかり感の強さ、発色、保存安定性及び分散性の点で劣る結果が示され、界面活性剤に対するパール粉体の質量比が3を超え、パール粉体の配合量が30質量%を超える比較例5及び比較例6の水中油型頭髪用組成物では、保存安定性及び分散性の点で劣る結果が示された。
【0052】
パール粉体と界面活性剤との質量比が3:1〜1:1の範囲内であるが、水の配合量が60質量%を超える比較例10の水中油型頭髪用組成物は、ひっかかり感の強さ、発色、速乾性及びスタイリング力の点で劣る結果が示された。また、着色剤の配合量が1質量%未満である比較例11の水中油型頭髪用組成物は、十分な発色が得られていない。