特許第6754122号(P6754122)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6754122
(24)【登録日】2020年8月25日
(45)【発行日】2020年9月9日
(54)【発明の名称】折り畳みラック
(51)【国際特許分類】
   A47B 61/04 20060101AFI20200831BHJP
   A47B 47/00 20060101ALI20200831BHJP
【FI】
   A47B61/04 501A
   A47B61/04 501E
   A47B47/00
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-128116(P2018-128116)
(22)【出願日】2018年7月5日
(65)【公開番号】特開2020-5777(P2020-5777A)
(43)【公開日】2020年1月16日
【審査請求日】2019年8月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000111867
【氏名又は名称】パール金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084102
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 彰
(72)【発明者】
【氏名】高波 文雄
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−063365(JP,U)
【文献】 実開昭53−034522(JP,U)
【文献】 特開2016−010686(JP,A)
【文献】 特開平09−056490(JP,A)
【文献】 特開2006−181309(JP,A)
【文献】 中国実用新案第201360728(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 61/04
A47B 47/00
A47B 23/00
A47B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数段の傾斜棚板の各両側の前後中間で交差させ、前記交差位置で棚板に枢結した連結杆の上下端を、各々上下棚板の側面の前後端位置で枢結して、棚板と連結杆を伸縮リンク構造に形成すると共に、最下段の棚板の中間部と連結した最下連結杆の下端に、前縁部分に最下棚板の前縁を係止する係止部を設けた足板を側面後端位置で枢結し、前記傾斜棚板の前縁を適宜後退させ、後退位置上方へ棚板載置物の受支持部を突設してなることを特徴とする折り畳みラック。
【請求項2】
最上段の棚板の中間の交差位置で連結した最上連結杆が、交差枢結部分上方を切除してなる請求項1記載の折り畳みラック。
【請求項3】
最上連結杆の頂部に、対向連結杆方向へ突出した載置受部を設けると共に、前縁に載置受部上に載置して係止される載置部を備え、後縁部分を最上段の棚板後縁位置に枢結した天板を設けてなる請求項1記載の折り畳みラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として靴置台のような傾斜載置面を備えた折り畳みラックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
靴置台(シューズラック)のような傾斜載置面を備えた家具は、特許文献1に開示されているように靴載せ板を上下に連結杆を以て連結するに際して、連結杆を前後交互に組み込むことでジグザグ形状の多段傾斜載置板を備える構造としている。しかし一旦組み立てると、分解収納が煩瑣である。
【0003】
また特許文献2に開示されているように折り畳み可能とした靴置台が知られている。この靴置台は、多段構成の棚板の両側端面で前後の支柱部材と枢結し、前後支柱部材の逆方向移動で棚板が起立状態となり前後支柱部材が前後に近接し、靴置台全体が前後方向で扁平に折り畳まれ、逆に前後支柱の上下動操作で棚板を起立状態から物品載置可能状態に移行させ、所定位置で前後支柱を固定部材で連結固定し、靴置台全体を使用可能状態とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平9−298号公報。
【特許文献2】実開平5−51128号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
棚板の多段構成を採用した靴置台の折り畳み構造として、前記特許文献2に開示されているような前後支柱への棚板枢結構造では、折り畳み方向が前後方向に限定され、使用時の状態から棚板の奥行長さ分高く折り畳まれることになり、折り畳み構造採用の目的である収納運搬性の向上にあまり貢献するものではない。
【0006】
そこで本発明は、よりコンパクトに折り畳みを可能とする構造として、収納性運搬性を高めた新規な折り畳みラックを提案したものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1記載に係る折り畳みラックは、複数段の傾斜棚板の各両側の前後中間で交差させ、前記交差位置で棚板に枢結した連結杆の上下端を、各々上下棚板の側面の前後端位置で枢結して、棚板と連結杆を伸縮リンク構造に形成すると共に、最下段の棚板の中間部と連結した最下連結杆の下端に、前縁部分に最下棚板の前縁を係止する係止部を設けた足板を側面後端位置で枢結し、前記傾斜棚板の前縁を適宜後退させ、後退位置上方へ棚板載置物の受支持部を突設してなることを特徴とするものである。
【0008】
而して最下段棚板の前縁部分を足板の係止部に係止すると、棚板と連結杆が伸縮リンク構造に形成されているので、当該伸縮リンクが固定状態となり、多段構成の傾斜棚板を備えるラックが構成され、棚板上に所望の載置物を載置収納することが可能となる。また前記の最下棚板と足板との係止を解除し、伸縮リンク構造が自由に動作できる状態になると、前後の枢結箇所の近接操作で前後偏平になり、上下枢結箇所の近接操作で上下偏平になり、特に棚板が積層状態となって折り畳まれる。
【0009】
また本発明の請求項2記載に係る折り畳みラックは、特に最上段の棚板の中間の交差位置で連結した最上連結杆が、交差枢結部分上方を切除してなるもので、最上段の傾斜棚板がオープンな状態となって使用することができる。
【0010】
また本発明の請求項3記載に係る折り畳みラックは、特に最上連結杆の頂部に対向連結杆方向へ突出した載置受部を設けると共に、前縁に載置受部上に載置して係止される載置部を備え、後縁部分を最上段の棚板後縁位置に枢結した天板を設けてなるもので、最下棚板の前縁を足板の係止部に係止すると共に、最上連結杆の載置受部に天板の前縁(載置部)を載置すると、水平状態の天板を備えることになる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の構成は上記のとおり、簡単な構造で棚板を積層状態にコンパクトに折り畳むことができ、収納性及び運搬性に優れた折り畳みラックを提供できたものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第一実施形態の全体斜視図。
図2】同側面図。
図3】同分解斜視図。
図4】同折り畳み操作の説明図。
図5】同折り畳み状態の斜視図。
図6】同使用状態の説明図。
図7】同第二実施形態の説明図で(イ)は全体斜視図(ロ)使用状態を示す。
図8】同説明図(折り畳み・組立操作)。
図9】同折り畳み状態の斜視図。
図10】同第三実施形態の全体斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に本発明の実施形態について説明する。図1乃至7は第一実施形態を示したもので。この第一実施形態は、2段の棚板(最下段棚板1a、最上段棚板1b)を備えたラックの例を示した。
【0014】
折り畳みラックは、棚板1a,1bと,連結杆(最下連結杆2a,最上連結杆2b)と足板3で構成される。
【0015】
棚板1a,1b及び足板3は各側面で枢結した連結杆2a,2bで上下連結されるもので、最下連結杆2aは、最下段棚板1aの側面の前後中間で交差させて当該交差部分を軸体4で枢結し(以下軸体4は省略する)、上端部分を最上段棚板1bの側面前端位置で枢結し、下端部分を足板3の側面後端位置で枢結してなる。
【0016】
最上連結杆2bは、先端部分を最上段棚板1bの側面の前後中間を軸体4で枢結し、下端部分を最下段棚板1aの側面後端位置で枢結してなる。
【0017】
従って棚板1a,1b及び連結杆2a,2bは、伸縮リンク構造に形成され、各棚板1a,1bと連結杆2a,2bのなす角度によって棚板1a,1bの起立倒伏の角度が定まる。
【0018】
そこで棚板1a,1bが所望の角度で傾斜して多段配置するために、所定前後幅(棚板1a,1bの傾斜角度を定める)の足板3の先端縁を起立状態に突出させた係止部31を設け、最下段棚板1aの前縁部11を係止可能としたものである。
【0019】
更に各棚板1a,1bの前縁部分には、傾斜した棚板1a,1bに載置した物品Aが落下しないように上方へ突出させた受支持部12を設けるものであるが、特に最下段棚板1a以外(最上段棚板1b)の棚板においては、前縁部分を側面前端位置(枢結位置)より後方に適宜後退させ、当該後退位置に受支持部12を突設してなる。この適宜後退させる範囲は、後述する棚板1a,1bの折り畳みにおいて、棚板1a,1bの積層状態で前記受支持部12が邪魔にならない位置まで後退させるものである(図5参照)。
【0020】
而して最下段棚板の前縁部11を足板3の係止部31に係止すると、棚板1a,1bと連結杆2a,2bが伸縮リンク構造に形成されているので、前記の係止によって当該伸縮リンクが固定状態となり、多段構成の傾斜棚板1a,1bを備えるラックが構成され、所望の載置物(棚板載置物A)を載置収納することが可能となる(図6)。
【0021】
また最下棚板1aの前縁部11と足板3との係止部31との係止を解除すると、伸縮リンク構造が自由に動作できる状態になるので、そのまま棚板1a,1bを水平状態に移行させると、棚板1a,1bが積層状態となって折畳まれる(図5)。
【0022】
また図7、8は本発明の第二実施形態で、天板5を備える折り畳みラックを示した。この折り畳みラックは、最上連結杆2bが、最下連結杆2aと同様な長さとし、頂部に対向連結杆方向へ突出した載置受部21を設けてなる。前記載置受部21の突出長は、棚板の受支持部12の両側外に位置する長さとする。
【0023】
天板5は、足板3と同様な前後幅を備え、後縁部分を最上段棚板1bの後縁位置で枢結したもので、枢結に際しては、枢結軸に対して噛み合うように組み込んで行うもので、前縁には、前記載置受部21上に載置して係止される「状の載置部51を備えてなる。
【0024】
而して前記第二実施形態においては、第一実施形態と同様に最下段棚板1aの前縁部11を足板3の係止部31に係止すると共に、最上連結杆2bの載置受部21に天板5の前縁の載置部51を載置すると、水平状態の天板を備えるラックが形成される(図7イ)。
【0025】
そこで上下段棚板1a,1b上への物品Aの載置と共に、天板5上にも棚板1a,1bに載置できない物品Bを載置することができる。
【0026】
勿論第二実施形態においても、最下段棚板1aの前縁部11と足板3の係止部31との係止、並びに最上連結杆2bの載置受部21と天板5の載置部51の載置状態(係止状態)を解消すると、伸縮リンク構造が自由に動作できる状態になり、そのまま棚板1a,1bを水平状態に移行させると、足板3、棚板1a,1b、天板5が積層状態となって折り畳まれることになる。特に前記の折り畳みに際して載置受部21が受支持部12の両側外方に位置することになり、積層時の全高を小さくすることができる(図9)。
【0027】
また本発明は、前記した実施形態のように2段収納以外にも任意の多段構成とすることができるもので、図10に示す第三実施形態のように、前記第一、二実施形態で示した最上下段棚板1a,1b及び最上下連結杆2a,2bと、足板3及び天板5との係止構造をそのまま採用して、最上下段棚板1a,1bの間に中間段棚板1cを配し、中間段棚板1cを中間連結杆2cで連結して伸縮クランク構造を延長することで、多数段の折り畳みラックとすることができる。
【符号の説明】
【0028】
1a 最下段棚板
1b 最上段棚板
1c 中間段棚板
11 前縁部
12 受支持部
2a 最下連結杆
2b 最上連結杆
2c 中間連結杆
21 載置受部
3 足板
31 係止部
4 軸体
5 天板
51 載置部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10