【実施例1】
【0014】
図1〜2において本発明に係る地中熱交換装置1は、年間を通してほぼ一定温度(例えば、福井県では15℃程度)を保つ地中熱を熱源として利用するものであり、
図1に示すように、地盤2に上下方向に設けられた収容孔部3に収容されて上下方向に延長する有底筒状の可撓性を有する袋体5と、該収容孔部3に収容され且つ該袋体5の外面部6に沿って上下方向に延長し且つ下端7が該袋体5の下端9に連通される外管10とを具えている。そして該袋体5は、防水性を有していて、熱媒液11を貯留させるための貯液槽12を形成できるものであり、該袋体5に該熱媒液11が貯留されて該袋体5が膨張した状態で、該袋体5の外面部6が前記収容孔部3の内壁部13を密着状態に覆うことができる如くなされている。そして、前記外管10は、前記袋体5の外面部6と前記内壁部13との間に挟持される如くなされている。
【0015】
該地中熱交換装置1は、より具体的には
図1〜2に示すように、地盤2に上下方向に設けられた前記収容孔部3に収容されて上下方向に延長する有底筒状の可撓性を有する前記袋体5と、該収容孔部3に収容され且つ下端7が該袋体5の下端9に連通される外管10とを具えている。該袋体5は、防水性を有していて、前記熱媒液11を貯留させるための貯液槽12を形成できるものであり、該袋体5が膨張した状態で、該袋体5の外面部6が前記収容孔部3の内壁部13を密着状態に覆うことができる。そして前記外管10は、
図1〜3に示すように、前記袋体5の前記外面部6と前記内壁部13との間に挟持される如くなされている。
【0016】
本実施例においては、
図2〜3に示すように、前記外管10は前記袋体5の該外面部6の、周方向で見た所要幅部分14と前記収容孔部3の内壁部13との間で挟持される如くなされており、該外面部6の該所要幅部分14を除いた残余部分18は、前記内壁部13を密着状態に覆った状態となる如くなされている。
【0017】
そして該袋体5は、前記のように防水性を有していて、その内部空間16に熱媒液11を貯留させ得る貯液槽12を形成しできる。そして
図1に示すように、該貯液槽12の上側部分15には、内管8が、その下端側部分17を該貯液槽12内の熱媒液11に沈めた状態で配設される如くなされている。該内管8の下端19は、地表20から1〜2m程度の深さに位置させるのがよい。該熱媒液11は熱エネルギーを輸送する媒体であり、通常は水を用いるが、寒冷地では水に不凍液が混入されたものを用いることもある。
【0018】
そして、前記外管10の上端21と前記内管8の上端22は、
図1に示すように、放熱を要する領域において放熱し又は吸熱を要する領域(以下、吸放熱領域という)23において吸熱し得る吸放熱管部24の一方の管部25と他方の管部26に、接続管部27,29を介して連結されている。
図1においては、前記上端21が一方の管部25に連結され、前記上端22が他方の管部26に連結されている。これによって、該熱媒液11が内部を流れる管路30が構成されている。そして該管路30の所要部位に、該管路30内で熱媒液11を循環させるためのポンプ31が、前記接続管部27,29の所要部位に配設されている。又、夏期と冬期における前記地中熱交換装置1の運転の切り替えを行うために切り替え弁(図示せず)が該管路30に設けられている。
【0019】
本発明において前記吸放熱領域23とは、住宅、工場、駅舎等の各種建物の内部や、駐車場や一般道路、橋梁等の各舗装部表面、鉄道の駅周辺やトンネルの舗装部表面等、吸放熱を要する各種領域をいう。
【0020】
前記地中熱交換装置1を構成するに際しては、
図3に示すように前記収容孔部3を設ける。該収容孔部3は、例えば堆積層としての地盤2を所要深さに掘削して設けられており、例えば、孔径が165mm程度で深さが10〜100m程度に設定されている。本実施例においては、常法に従い、掘削ビットを拡径した状態で水を供給しつつ円筒状ケーシングを伴いながら所要深さに地盤を掘削する。
図3は、前記掘削ビットによって形成された例えば50m程度の長さを有する収容孔部3の前記内壁部13を円筒状ケーシング32で被覆して形成された孔部33を示す。該円筒状ケーシング32は、掘削によって形成された前記収容孔部3の内壁部13を保護するものであり、本実施例においては内径が150mm程度で外径が165mm程度である。又該円筒状ケーシング32の1本の長さは1〜3m、例えば2m程度であるので、その所要本数がその端部相互を溶接やネジ接合して延長される。該孔部33には水が充填されているが、本実施例においては、この時点で、該充填された水にベントナイトが配合される。該ベントナイトが配合された水を以下、ベントナイト配合液35という。
【0021】
このようにして形成された前記孔部33に、
図4に示すように、重り36と前記袋体5と前記外管10とからなる収容物37が収容された後、
図5に示すように、前記円筒状ケーシング32を順次引き上げて除去する。
【0022】
前記袋体5は本実施例においては、
図5(B)に示すように、例えばポリエステル織物製のホース状を呈し、且つその内面39が、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂等でコーティングされて防水性、耐圧性を有するものであり、硬化性樹脂からなるものではない。該袋体5の膨張した状態は、
図2に示すように、該袋体5内に貯留された熱媒液11の水圧によってだけ保持される。
【0023】
従って該袋体5によるときは、該袋体5内に、
図5(A)に矢印で示すように、前記外管10の上端21からポンプで水を供給すると該袋体5が膨張し、
図1に示すように、該袋体5の外面部6が前記収容孔部3の内壁部13を密着状態に覆った状態となる。そしてこの状態で、前記外管10は、
図2に示すように、前記袋体5の外面部6と前記内壁部13との間に挟持された状態となる。
【0024】
有底筒状を呈する前記袋体5の具体的な構成は、
図6に示すように、上下端が開放された筒状を呈する防水性の可撓性筒状部材41の下端筒部42に底部材43が接合されると共に、該可撓性筒状部材41の上端筒部44に蓋部材45が接合されている。
【0025】
該底部材43は、
図7に示すように、該可撓性筒状部材41の内部空間46に連通する連通凹部47を有し、該連通凹部47に前記外管10の下端7が連通される。該底部材43は、より具体的には
図7、
図8〜9に示すように、上部材49と下部材50とからなり、該上部材49は、合成樹脂製の円筒状を呈し、その内径は30mm程度に、その外径は60mm程度に設定され、上下端が開放した連通孔51が設けられている。そして、その外周面部52の上側部分53には、
図8に示すように、固定用周溝55が間隔を置いて上下3条設けられると共にその下端部分56は、該外周面部52に雄ネジ部57が設けられてなる雄ネジ筒部59とされている。該上部材49は、
図7に示すように、前記可撓性筒状部材41の下端筒部42に挿入されて、該下端筒部42に巻回されたバンド部材61によって前記固定用周溝55,55,55で締め付けられることにより、該下端筒部42に連結されている。
【0026】
又前記下部材50は、
図7、
図8〜9に示すように、前記連通孔51に連通し得る有底孔部62が設けられており、該有底孔部62に連通するように連通管63が設けられている。そして
図7に示すように、該連通管63に設けられている上向き突出の連結管部65が前記外管10の下端7に連結される。又前記下部材50は、本実施例においては例えばステンレス製とされ、
図7〜8に示すように、上側部分が、前記雄ネジ筒部59と螺合し得る、内径が30mm程度の雌ネジ筒部66とされた円筒状部67を有している。該円筒状部67の一側部69は、その上端70からその下端71に向けて拡径された拡径部72とされ、該拡径部72の下端開放部73が底板部75で閉塞されている。そして
図7に示すように、該拡径部72の中間高さ部位に設けた連通口76に、上方に向けて突出する前記連通管63の前記下端79が連設されており、該連通管部63の前記連結管部65は、前記外管10の下端部分に設けた連結雄ネジ筒部80と螺合し得る連結雌ネジ筒部81(前記連結管部65)とされている。
図7は、該連結雌ネジ筒部81に該連結雄ネジ筒部80を螺合し締め付けることによって前記外管10が前記袋体5の前記下端9に連通され、該外管10が、該袋体5の延長方向(上下方向)に立設されている状態を示している。
【0027】
又前記底板部75の下面82は、
図7に示すように、下方に向けて凸の円弧面83とされ、該底板部75の外周縁部分は、前記下端開放部73(
図7)の周縁の外方に突出する鍔部85とされている。該鍔部85は、前記上部材49の外周面の外方に突出する拡大保護部86を構成しており、該下面82の中央部には、重り36を吊下するための係止孔89が設けられた係止片90が突設されており、該係止孔89は、前記上部材49の軸線L2に対して、前記外管10の軸線L1側に稍変位している。該重り36は例えば、径が80mm程度、長さが300mm程度、重量が30kg程度である。
【0028】
そして、前記雌ネジ筒部66に前記雄ネジ筒部59を螺合し締め付けることによって、
図7、
図9に示すように、前記上部材49と前記下部材50とが連結一体化されて前記底部材43が構成されている。
【0029】
前記蓋部材45は、
図6、
図10〜11に示すように、中心軸線に沿って円形状の貫通孔91が貫設されてなる合成樹脂の円柱状部材92を用いて構成されている。該円柱状部材92の外径は150mm程度に設定され、内径が30mm程度の貫通孔91が設けられ、
図10〜11に示すように、その外周面部95の上下には、周方向に連続する固定用溝部96,96が設けられている。
【0030】
前記貫通孔91はネジ孔97とされており、その上側部分である上側ネジ孔99とその下側部分である下側ネジ孔100は逆ネジ孔とされている。そして
図16に示すように、該ネジ孔97の該上側ネジ孔99には、栓体101のネジ軸部102を螺合し締め付けることによって該貫通孔91の上端開放部105が閉蓋されるようになされている。
【0031】
前記内管8は、本実施例においては
図1、
図12に示すように、上管部材106と下管部材107とに二分割されており、該上管部材106の下側部分をなす雄ネジ管部109を前記上側ネジ孔99に螺合する一方、前記下管部材107の上側部分をなす雄ネジ管部110を前記下側ネジ孔100に螺合することによって、該内管8(
図1)が前記蓋部材45に取り付けられた状態となされる。なお本実施例においては
図13に示すように、該下管部材107を、該蓋部材45を前記上端筒部44(
図6(A))に連結するに先立って該蓋部材45に取り付けておく。その後、該下管部材107が取り付けられてなる該蓋部材45は、
図6(A)(B)に示すように、前記上端筒部44に挿入されて、該上端筒部44に巻回されたバンド部材111によって前記固定用溝部96,96(
図11)で締め付けられることにより、該上端筒部44に連結されている。
【0032】
前記外管10は本実施例においては
図14に示すように、アルミニウム製パイプ112を芯管とし、その内面113と外面115を例えばポリエチレン樹脂で被覆してなる管体116を用いてなり、その内径は例えば25mm程度であり、その外径は例えば30mm程度である。該外管10は、該アルミニウム製パイプ112を芯管とする管体116を用いて構成されているため、剛性が向上されている。そして
図8に示すように、該外管10の下端部分には、前記連結雄ネジ筒部80が設けられている。
【0033】
前記地中熱交換装置1用の前記貯液槽12を構築するに際しては、
図4に示すように、前記係止孔89に前記重り36を吊下した状態で、該重り36と前記袋体5と前記外管10とからなる収容物37を前記収容孔部3(本実施例においては前記孔部33)内に下ろす。本実施例においては
図7に示すように、前記係止孔89を、前記上部材49の軸線L2に対して前記外管10側に稍偏位させているため、該収容物37を略垂直状態を呈するようにバランスよく前記収容孔部3内に下ろすことができる。
【0034】
該収容物37を該収容孔部3内に下ろす際、50m程度の長さを有する前記袋体5と、50m程度の長さを有する前記外管10とを別個のリールに巻回したものを施工現場に搬入し、該袋体5と該外管10を同時に引き出しながら、例えば
図15、
図16に示すように、該袋体5を、該外管10を包むように包み込み状態とする。このように包み込み状態として形成された包み込み状物118は、
図5に示すように、幅が小さく、全体がチューブ状となり、前記鍔部85の外方に突出しないようになし得る。該包み込み状物118は、前記袋体5の後述の膨張によって破断される結束材119を用いて結束しておくのがよい。例えば
図5に示すように、1m程度の上下間隔を置いて結束する。
【0035】
該結束材119として輪ゴムや紙紐を用いた場合は、該袋体5の前記膨張によって該輪ゴムや紙紐がその許容張力を超えることによって破断され、該袋体5は前記膨張を続けることができる。又該結束材119として、互いに係合し且つ係合が解除可能となされた一対の面状ファスナを用いこともできる。この場合は、一方の面状ファスナを前記包み込み状物118の一方の縁部に取着すると共に他方の面状ファスナを前記包み込み状物118の他方の縁部側(他方の縁部又は該他方の縁部により近い側)に取着する。然して、前記袋体5を前記外管10を包むように包み込み状態として後、両面状ファスナ相互を着脱可能の係合状態とすると、前記袋体5が所要の膨張状態となることによって、該両面状ファスナ相互の係合状態が解除される。本発明では、該両面状ファスナ相互の係合が解除されることを、面状ファスナの破断という。このように面状ファスナが破断すると、前記袋体5は前記膨張を続けることができる。
【0036】
前記結束材119で結束されてなる包み込み状物118を、前記重り36の自重を利用して、前記収容孔部3の上端120(
図4)からその底部に向けて下ろす。この際、前記外管10が前記包み込み状物118の内部に位置していて該外管10が張力負担芯材として機能するため、該包み込み状物118を、その伸びを抑制して下降させることができる。
【0037】
そして該収容物37を該収容孔部3内に所要に下ろした状態で、該外管10は、その剛性によって、該孔部33内で、上下方向に延長する自立状態を呈し得る。この状態で前記袋体5は、前記収容孔部3に収容されて上下方向に延長した配設状態にある。
【0038】
その後、前記円筒状ケーシング32(
図4)を回転させながら順次引き上げて、これを除去する。この除去作業は、前記外管10を介して前記袋体5が上下方向に延長した配設状態にあるため、該円筒状ケーシング32を、前記袋体5の上部分を通過させて取り外すのが容易である。
図5は、前記円筒状ケーシング32が除去された状態を示している。このように円筒状ケーシング32が引き上げられた後の前記内壁部13は、前記したように、前記ベントナイトで保護されているため、該内壁部13の崩れが抑制されている。
【0039】
この状態で
図17(A)に示すように、前記外管10の上端からポンプで水を供給して(矢印F2)、該水を、包み込み状態の前記袋体5内に順次供給して該袋体5を、その下側から上側に向けて順次膨張させる。この膨張は、前記栓体101(
図11)を前記円柱状部材92から取り外した状態で、該袋体5内の残留空気を前記上端開放部105から排気させつつ行う。該膨張は、該袋体5の該包み込み状態が開きながら行われ、該袋体5の膨張に伴い、前記収容孔部3内の前記ベントナイト配合液35が、
図17(A)に矢印F1で示すように、該収容孔部3の上端120から順次排出される。この排気を伴う該袋体5の膨張が完了した後、前記貫通孔91の前記上端開放部105を、前記栓体101を前記上側ネジ孔99に螺合し締め付けることによって塞ぎ、この状態で、前記外管10の上端からポンプで水を更に供給すると、該袋体5が更に膨張し、それに伴う水圧上昇によって、
図18(B)に示すように、該袋体5の外面部6が、該外管10と前記収容孔部3の内壁部13に密着状態となる。この状態は、防水性を有する前記袋体5を以て形成された貯液槽12に熱媒液11が貯留された状態であり、該袋体5の外面部6が前記収容孔部3の前記内壁部13を密着状態に覆った状態である。
【0040】
該袋体5の膨張は前記包み込み状態が開きながら行われるため、該膨張の際に、前記した輪ゴムや紙紐、面状ファスナ等としての前記結束材119(
図22(A))が破断される。かかる袋体5の膨張によって、前記外管10は、
図2に示すように、前記袋体5の外面部6と前記収容孔部3の内壁部13との間に挾持された状態で該収容孔部3内に収容された状態となる。より詳しくは、該外管10は、
図2、
図18(B)に示すように、前記袋体5の膨張によって、前記収容孔部3の前記内壁部13で支持された状態となり、該支持された状態にある該外管10の前記外表面部121が該袋体5の前記外面部6の、周方向で見た所要幅部分14によって覆われた状態となる。そして、該外面部6の該所要幅部分14を除いた残余部分18は前記内壁部13を密着状態に覆った状態となる。
【0041】
その後、
図19に示すように、前記栓体101(
図11)を取り外して後、前記上管部材106の前記雄ネジ管部110を前記上側ネジ孔99(
図12)に螺合する。
【0042】
なお本実施例においては
図1に示すように、前記のように構成された貯液槽12の上部に、該貯液槽12内の熱媒液11の膨張を考慮してその膨張を吸収するための空気層125が設けられている。該空気層125の容積は、例えば夏期において熱媒液11が膨張したときにも、その膨張を吸収できるように設定する。これにより、該膨張による該貯液槽12の破裂を防止でき、又、前記蓋部材45が該膨張の圧力で外れるのを防止できる。本実施例においては、前記貯液槽12の上部に50〜100cm程度の上下長さで空気層125を設けることとしている。なお、このように貯液槽12の上部に設ける空気層125は、前記熱媒液11が、地表における大気温度の影響を受けにくくするための断熱層としても機能する。
【0043】
かかる構成を有する地中熱交換装置1の作用を、冬期と夏期に分けて説明する。冬期にあっては、前記貯液槽12が埋設されている周辺の地中温度は、例えば融雪を要する吸放熱領域の表面温度よりも相対的に高い。
【0044】
そのため、この場合は、該地中熱交換装置1を次のように作動させる。即ち
図1において、前記ポンプ31の駆動によって、前記吸放熱管部24を通過する過程で融雪のために冷却された熱媒液11を前記外管10の下端7から前記貯液槽12に流入させる。これと同時に、前記内管8の下端19から前記熱媒液11を前記吸放熱管部24に送給させる。これにより、前記外管10の下端7から前記貯液槽12に流入する熱媒液11は、該貯液槽12内に貯留されている熱媒液11の温度を低下させることになるが、相対的に温度の高い周辺の地中126から該貯液槽12内の熱媒液への熱移動が生じているため、該貯液槽12内の熱媒液11は徐々に加温される。
【0045】
そして
図2に示すように、該貯液槽12を構成する前記可撓性筒状部材41の外面部127の前記残余部分129が前記内壁部13に密着状態にあることから、周辺の地中126から前記貯液槽12内の熱媒液11への熱移動は効率的に生ずる。加えて、前記外管10が前記収容孔部3の前記内壁部13と接触しているため、地中126から、該外管10内の熱媒液11への熱移動が生じて該外管10内の熱媒液11が加温されることが期待され、該地中熱交換装置1の熱効率の向上が期待される。
【0046】
そして該外管10は前記貯液槽12内には存在しないため、該貯液槽12内の熱媒液11から該外管10内の熱媒液11に向けての直接的な熱移動(特許文献1、2におけるような熱移動)が生ずることはない。該外管10が該貯液槽12内に存すると、該貯液槽12内の上部に集まっているより温かい熱媒液11から該外管10内の熱媒液11に向けての熱移動が生じて該上部の熱媒液11の温度が低下してしまい、地中熱交換装置1の熱効率を低下させることになる。なお、該外管10が前記袋体5の外面部6に部分的に接触してはいるが、該袋体5や該外管10の壁部130(
図2)が断熱性を有するために、前記貯液槽12内の熱媒液11から該外管10内の熱媒液11に向けての熱移動はほとんど生じない。
【0047】
本実施例において前記のように、加温された熱媒液11を前記内管8の下端19で吸引する如くなし、該下端19を前記貯液槽12の上側部分に配置しているのは、より温かい熱媒液が前記貯液槽12内の上部に集まっているからである。
【0048】
逆に夏期にあっては、貯液槽12が埋設されている周辺の地中温度は、放熱されるべき領域の温度より相対的に低い。そのため、この場合は、前記地中熱交換装置1を次のように作動させる。即ち
図1において、前記ポンプ31の駆動によって、前記吸放熱管部24を通過して前記吸熱されるべき領域を冷却させる過程で昇温された熱媒液11を、前記内管8の下端19から前記貯液槽12に流入させる。前記内管8の下端19から前記貯液槽12内に流入する熱媒液11は、該貯液槽12内に貯留されている熱媒液11の温度を上昇させることになるが、前記貯液槽12内の熱媒液11から、相対的に温度の低い周辺の地中への熱移動が効率的に生じているため、該貯液槽12内の熱媒液11は徐々に温度が低下する。
【0049】
そして、より冷たい熱媒液が前記貯液槽12の下部に集まっているので、前記外管10の下端7から、この冷たい熱媒液が、前記吸放熱管部24に送られる。この場合も前記と同様、該外管10が前記貯液槽12内には存在しないため、特許文献1、2におけるような、該貯液槽12内の熱媒液から該外管10内の熱媒液に向けての直接的な熱移動が生ずることはない。該外管10が該貯液槽12内に存すると、該貯液槽12内の熱媒液11は上側にあるものほど温かい状態にあるところ、この温かい熱媒液11から該外管10内を上昇するより冷たい熱媒液11に向けての熱移動が生じて、該外管10内の熱媒液11の温度が上昇してしまい、地中熱交換装置1の熱効率を低下させることになる。
【0050】
そして本実施例においては
図18(B)に示すように、前記内壁部13が凹凸面状を呈することから前記可撓性筒状部材41の内周面132は凹凸面状に形成されている。そのため前記外管10の下端から貯液槽12内に流入した熱媒液17が上方に移動する際や、前記内管8から貯液槽12内に流入した熱媒液が下方に移動する際に、該凹凸13aがこれらの熱媒液に乱流を発生させることができ、これによって、貯液槽12内の熱媒液11に対する地中熱の移動効率を向上させることができる。