(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
機械的に地中に貫入されたり引き抜かれる中空ロッドのうち、複数のロッド部が互いの雌・雄ねじ部によるねじ連結で順に所定長さに継ぎ足されると共に、内側長手方向に沿って流体移送用ホース類や送電用コード類等の線状要素を配置するねじ連結式中空ロッドであって、
前記ロッド部の内周側に回動自在に支持されている回転体と、前記回転体の厚さ方向に設けられた継手とを有し、先行ロッド部用の前記線状要素の端部と後続ロッド部用の前記線状要素の端部とを前記継手により分離可能に接続する捻れ吸収手段を備えていることを特徴とするねじ連結式中空ロッド。
機械的に地中に貫入されたり引き抜かれる中空ロッドのうち、複数のロッド部が互いの雄・雌ねじ部によるねじ連結で順に所定長さに継ぎ足されると共に、内側長手方向に沿って流体移送用ホース類や送電用コード類等の線状要素を配置するねじ連結式中空ロッドであって、
前記ロッド部より短い中継ロッド部を前記ロッド部同士の間に介在させると共に、前記中継ロッド部の内周側に回動自在に支持されている回転体と、前記回転体の厚さ方向に設けられた継手とを有し、先行ロッド部用の前記線状要素の端部と後続ロッド部用の前記線状要素の端部とを前記中継ロッド部の前記継手により分離可能に接続する捻れ吸収手段を備えていることを特徴とするねじ連結式中空ロッド。
請求項1又は2において、前記捻れ吸収手段は、前記ロッド部又は前記中継ロッド部の内周側に設けられて軸方向の移動を規制されている保持体と、前記保持体に対しボールを介して回動自在に支持されている前記回転体とを有し、前記線状要素の前記回転体に対する捻れ抵抗に比べて、前記保持体に対する前記回転体の回転抵抗が小さく設定されていることを特徴とするねじ連結式中空ロッド。
前記回転体は、略中心部に設けられて改良材等を移送する供給管を通す通過孔を有していると共に、前記複数の継手を前記通過孔の周囲に設けていることを特徴とする請求項4に記載のねじ連結式中空ロッド。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ねじ連結式中空ロッドでは、ロッド部同士を連結操作しながらホース等の線状要素をロッド内に通していく場合、ロッド部を正逆回転させる必要があるため、線状要素が捻れるという不都合がある。この対策としては、ロッド部同士の連結構造としてねじ連結から、連結ピンを使用してロッド部の回転を伴わずに連結できるピン連結式に変更することも考えられる。しかし、そのようなピン連結式では、ロッド部にピン挿通用のフランジ部等が必要となるため、ねじ連結に比べて重量が増して施工装置の大型化となり経費も高くなる。
【0005】
本発明の目的は、ロッド部同士の連結は従来同様のねじ連結式を採用しながら、ロッド部のねじ込み連結又は分離作業においては、ロッド部の正逆回転操作に伴うホース等の線状要素の捻れを吸収可能にすることにある。他の目的は以下の内容説明のなかで明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため請求項1の発明は、機械的に地中に貫入されたり引き抜かれる中空ロッドのうち、複数のロッド部が互いの雌・雄ねじ部によるねじ連結で順に所定長さに継ぎ足されると共に、内側長手方向に沿って流体移送用ホース類や送電用コード類等の線状要素を配置するねじ連結式中空ロッドであって、前記ロッド部の内周側(雌ねじ部を避けた内周側を)に回動自在に支持されている回転体と、前記回転体の厚さ方向に設けられた継手とを有し、先行ロッド部用の前記線状要素の端部と後続ロッド部用の前記線状要素の端部とを前記継手により分離可能に接続する捻れ吸収手段を備えていることを特徴としている。
【0007】
また、請求項2の発明は請求項1と前提要件が同じ。要部は、前記ロッド部より短い中継ロッド部を前記ロッド部同士の間に介在させると共に、前記中継ロッド部の内周側に回動自在に支持されている回転体と、前記回転体の厚さ方向に設けられた継手とを有し、先行ロッド部用の前記線状要素の端部と後続ロッド部用の前記線状要素の端部とを前記中継ロッド部の前記継手により分離可能に接続する捻れ吸収手段を備えていることを特徴としている。
【0008】
以上の各発明において、『中空ロッド』は、ケーシングやケーシングロッド等と称されることもある。通常は、ロッド部を任意の本数継ぎ足して目的の長さにする。『機械的』とは、
図1のRPDを利用した構成、
図14の地盤改良装置を利用した構成、それ以外にもシープブロック及びバイブロを使用した構成など公知の構成を含む。線状要素のうち、『流体移送用ホース類』にはホース以外にチューブやパイプそれらに類似のものを含む。『送電用コード類』にはコード以外に電線、ハーネス、ケーブルそれらに類似のものを含む。
【0009】
以上の各発明は、請求項3から6のように具体化されることがより好ましい。
(ア)、前記捻れ吸収手段は、前記ロッド部又は前記中継ロッド部の内周側に設けられて軸方向の移動を規制されている保持体と、前記保持体に対しボールを介して回動自在に支持されている前記回転体とを有し、前記線状要素の前記回転体に対する捻れ抵抗に比べて、前記保持体に対する前記回転体の回転抵抗が小さく設定されている構成である(請求項3)。
(イ)、前記回転体は、前記継手の複数をほぼ等間隔に装着している構成である(請求項4)。
【0010】
(ウ)、前記回転体は、略中心部に設けられて改良材等を移送する供給管を通す通過孔を有していると共に、前記複数の継手を前記通過孔の周囲に設けている構成である(請求項5)。
(エ)、前記継手は差込式ニップルである(請求項6)。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明では、ロッド部内周側に回動自在に支持されている回転体、回転体の厚さ方向に設けられた継手とを利用して、先行ロッド部用の線状要素の端部と後続ロッド部用の線状要素の端部とを継手により接続しているため、線状要素の少なくとも一端がロッド部に対して相対的に回転自在となっており、ロッド部の切り継ぎ時において、ロッド部の回転操作の際には線状要素が静止状態に保たれ、捻れが生じないか、線状要素の接離操作に影響しないごく弱い捻れとなる。これにより、線状要素が2以上と多くなっても良好な操作性を維持できる。
【0012】
請求項2の発明では、上記した請求項1の効果に加え、更にロッド部同士をロッド部より短い中継ロッド部を介在させ、該中継ロッド部の内周側に回動自在に支持されている回転体、回転体の厚さ方向に継手を設けたため、例えば中継ロッド部を新たに追加するだけで、ねじ連結式ロッド用の既存のロッド部をそのまま使用できる。また、中継ロッド部は、既存のロッド部よりもかなり短くできるため、線状要素同士の接離操作を効率よく行うことが可能となる。
【0013】
請求項3の発明では、捻れ吸収手段が玉軸受ないしはボールベアリング(以下、ベアリング機構という)を応用しているため簡明な構造であり、回転体に継手を装着するだけで容易に実施可能となる。また、ロッド部同士を直に或いは中継ロッド部を介して連結したり分離する際、先行の線状要素に後続の線状部材を接離操作するが、少なくとも一方の線状要素の端部がベアリング機構により確実に静止状態に維持されるため良好な接離操作が可能となる。
【0014】
請求項4の発明では、回転体が複数の継手をほぼ等間隔に装着しているため、以上述べた利点を複数の線状要素の接離操作に得ることができる。更に、請求項5の発明では、回転体が中心部に改良材等移送用供給管を通す通過孔を有しているため、供給管が通過孔に拘束された状態で回転自在となっている回転体の負荷吸収作用により振動等で受ける荷重を緩和吸収できる。
【0015】
請求項6の発明では、継手が差込式ニップル、例えば形態例に挙げたごとく先行する線状要素の端部を一方の差込口に挿入係合した状態で、後続の線状要素の端部を他方の差込口に挿入係合する操作となるため接離操作をワンタッチで行える。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】発明第1形態で使用する施工装置例及び中空ロッド例の模式側面図である。
【
図2】上記中空ロッドの下側部分を示し、(a)は下側部分を断面した模式図、(b)は(a)のA部模式拡大図である。
【
図3】
図2の拡径板が突出した状態を示し、(a)は
図2(a)に対応した断面模式図、(b)は(a)のA1部拡大模式図である。
【
図4】上記中空ロッドの要部を示し、(a)は
図2(a)のB部拡大模式図、(b)は
図6のB1部拡大模式図である。
【
図5】(a)は上記中空ロッド部に取り付けられている捻れ吸収本体の外観模式図、(b)は前記捻れ吸収本体に装着された差込式ニップルに線材要素の端部同士を接続した状態を示す外観模式図である。
【
図6】上記中空ロッドの変形例として、掘削水又は/及び改良材を移送する供給管を追加した一例を示す模式図である。
【
図7】上記中空ロッドの変形例として、中空ロッド部同士の間に介在される中継ロッド部を用いる一例であり、(a)は断面模式図、(b)は中継ロッド部単品の拡大断面模式図である。
【
図8】上記中空ロッドの継ぎ足し時における操作手順を示し、(a)は最初のロッドの貫入状態を示す模式図、(b)は昇降機側とロッド部側の切り離し状態を示す模式図、(c)は後続のロッド部の継ぎ足し途中を示す模式図である。
【
図9】
図8の続きであり、(a)は後続ロッド部を先行ロッド部に連結した状態を示す模式図、(b)はロッド部同士の連結完了状態を示す模式図、(c)は中空ロッドを更に貫入した状態を示す模式図である。
【
図10】発明第2形態で使用する施工装置例を
図1に対応して示す模式側面図である。
【
図11】上記中空ロッドの下側部分を示し、(a)は下側部分を断面した模式図、(b)は中空ロッドの上面模式図、(c)の中空ロッドの下面模式図である。
【
図12】
図10の装置を用いた場合の上記中空ロッドの継ぎ足し時における操作手順を示し、(a)から(c)は
図8に対応して示す模式図である。
【
図13】
図12の続きであり、(a)から(c)は
図9に対応して示す模式図である。
【
図14】特許文献1に開示のものであり、(a)は地盤改良の施工機全体を示す図、(b)は中空ロッドの下側部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を適用した形態例を図面を参照して説明する。この説明では、第1形態に使用される施工装置、要部のロッド部、中継ロッド部、施工手順例を述べた後、第2形態に使用される施工装置及びその変更点などの順に述べる。なお、図面は細部を省略したり模式化している。特に、流体移送用供給経路36A、それに対応して中空ロッド内に配置される線状要素としてのホース36は、使用本数等について分かり易くするため一部省略したり簡略化している。
【0018】
(第1形態の施工装置)
図1の施工装置は、RPD9を利用したもので、キャタピラ走行式のベースマシン90と、後部に搭載された油圧制御盤などの制御部91と、ベースマシン90の先端に油圧シリンダ92を介して傾動可能に連結されたアーム93と、アーム93の先端に油圧シリンダ94を介して傾動可能に連結されたガイドコラム95と、ガイドコラム95の上下方向に沿って移動可能な昇降機96と、昇降機96の下部側に内蔵されて中空ロッド3をガイドロッド99を介して正逆回転可能な不図示の回転機構と、昇降機96に保持体97及び多経路スイベル98及び短寸法のガイドロッド99を介して上端を回転かつ昇降可能に連結され、下端に駆動装置として締固め機1を連結した中空ロッド3とを備えている。符号95a,95bは、ガイドコラム95の下端側に設けられて中空ロッド3の貫入及び引き抜きをガイドしたり、中空ロッド3を保持可能なガイド部材である。
【0019】
また、締固め機1は、中空ロッド3つまりこの例だと最下段のロッド部30と共に地中に貫入される過程等において、
図2及び
図3に示されるごとくシリンダ17により重錘16を勢いよく押し下げると、拡径部材12の拡径板12aがスライダ13を介して筒体10の周囲から径方向に押し広げられて周囲の原地盤部分を衝撃を伴う水平振動により締め固めるものである。この締固め機1は、ロッド部30にねじ連結される筒体10、筒体10の下側周囲に出没される拡径部材12、拡径部材12を突出されるスライダ13、スライダ13を上下動する昇降手段15、複数のシリンダ17により上下動される重錘16を備えている。重錘16は上部16aが下部16bより径大となっている。
【0020】
ここで、筒体10は、上端部に設けられた雌ねじ部10aと、下端部に設けられ円錐状ヘッド11と、雌ねじ部10aの下側内周に装着されたシリンダ支持用固定板18と、ヘッド11の上側周囲に開口されて拡径板12aを出没する複数の窓(開口孔)と、窓の少し上側内周に装着された保持体14と、筒内中心にあってヘッド11と保持体14との間に設けられている連結管19とを有し、雌ねじ部10aがロッド部側雄ねじ部30aに螺合されることでロッド部30に連結される。
【0021】
拡径部材12は、筒体周囲に設けられた窓を開閉する拡径板12a、及び拡径板12aの裏面中央に突設された受圧部12bを有し、拡径板12aが窓に収まった
図2の没状態から、スライダ13を介して拡径方向に押圧されることでコイル形バネ部材S2の付勢力に抗し
図3の突状態に切り換えられ、スライダ13の押圧を解放するとバネ部材S2の付勢力により再び没状態となる。
【0022】
スライダ13は、台座13aと、台座13aに下設されて受圧部12bの斜面と当接している複数の加圧部13bとを有し、連結管19に対し串差し状に摺動自在に配置されて
図2の上昇位置から台座13aに加わる荷重により
図3の下降位置に切り換えられる。上昇位置では加圧部13bの斜面下側が受圧部12aの斜面上側に接し、下降位置では加圧部13bの斜面が受圧部12aの斜面を外側へ押圧移動している。また、台座13aには、昇降手段15を構成している複数のロッド15bの下端が連結されている。
【0023】
すなわち、昇降手段15は、筒体内周にあって所定距離だけ上下動可能に配設されている可動板15aと、可動板15aに下設された複数のロッド15bと、ロッド15bに巻き付けられているコイル形バネ部材S1とからなる。各ロッド15bは、先端が保持体14に設けられた挿通孔を貫通し台座13aに結合されており、台座と共に下降されることでスライダ13を下降させる。バネ部材S1は、可動板15aと保持体14との間に配置され、可動板15aが下方へ加圧されたときに緩やかに下降されるようにする。
【0024】
固定板18には、複数のシリンダ17が吊り下げ状態に支持されている。各シリンダ7は、例えばエアシリンダであり、ロッド17bが本体17aからホース36を介して導排出されるエアの制御により出没されることにより、ロッド17bの先端に連結支持された重錘16を可動板15に衝突されて可動板15を下降可能となっている。符号17cはシリンダの本体17a同士が一定間隔に保つ結束具である。なお、以上の締固め機1については、本出願人の先願である特願2016−51901号に原理及び他の構造が記載されているので、必要に応じてそれを参照されたい。
【0025】
(要部のロッド部)中空ロッド3は、ロッド部30の両端に雌ねじ部30a及び雄ねじ部30bの異なる一方を有したねじ連結式からなり、貫入過程では後続のロッド部30が先行のロッド部30にねじ込み式に連結されると共に地盤貫入深さに応じた長さまで順次継ぎ足され、引き抜き過程では順次分離される。中空ロッド3或いは最上方のロッド部30の上端は、ガイドロッド99の下端側に対し螺合によるねじ連結された状態で、多経路スイベル98を介して昇降機96側の回転機構と作動連結される。多経路スイベル98には、装置駆動制御つまり流体移送用の複数の供給経路36A(この例は4〜6つ)が接続されている。各供給経路36Aは、ロッド部30の内周に本発明の捻れ吸収手段4を介して配置された線状要素であるホース36とスイベル98を介し接続され、前記した各シリンダ17に接続されて駆動制御可能にしている。
【0026】
換言すると、ロッド部30は、
図2から
図4に示されるごとく一端内周に雌ねじ部30aを形成し、他端外周に雄ねじ部30bを形成したものであり、ロッド部30同士が雌・雄ねじ部30a,30bの螺合により連結されると共に、各ロッド部30の内周に設けられた捻れ吸収手段4を備えている。
【0027】
捻れ吸収手段4は、ボールベアリング機構を応用した構成であり、円筒形の保持体5と、保持体5の内周に多数のボール7を介在し回転自在に嵌合された回転体6と、回転体6の厚さ方向に設けられた継手である複数のニップル8とを備えている。保持体5は、ボールベアリング機構の外輪に相当し、内周に設けられた周回溝に多数のボール7を回動自在に保持した構成である。回転体6は、ボールベアリング機構の内輪に相当し、中心部に設けられて厚さ方向に貫通した円形の通過孔6bと、通過孔6bの周囲等分する六カ所に貫通された複数の継手用取付孔6aとを有している。
【0028】
各取付孔6aには、
図4の拡大模式図に示されるごとくニップル8がそれぞれ装着されている。各ニップル8は、回転体6の厚さ方向つまり上下面に突出された差込口8aを有し、線状要素であるホース36の対応端部同士を対応する側の差込口8aに差し込んでワンタッチで連結可能となっている。ここでは、(株)日本ビスコ製のストレートタイプのニップル8を使用しているが、類似のニップルであれば他の市販品のものでも差し支えない。
【0029】
ホース36は、可撓性ないしは弾性プラスチック製であり、ロッド部30の全寸に応じた適宜な長さに裁断されている。そして、ホース36は、ロッド部30の回転に伴うホース同士の捻れに対する抵抗力が回転体6の回転抵抗に比べ極端に大きいため、ロッド部30同士や筒体10にロッド部30を連結したり分離操作の回転時にはホース36は捻れ吸収手段4により静止状態に保持され、極端に捩れたり捻れ切れることなく初期の接続状態に保たれる。
【0030】
つまり、捻れ吸収手段4は、
図4の拡大模式図に示されるごとくロッド部30の内周に対し上下の止め輪39,39により保持体30を上下から抜け止めし軸方向の移動を規制した状態に支持されている。この取付操作では、例えば、上下の止め輪39のうち、ロッド部3の奥側に配置される上側の止め輪39がロッド部内周に形成された周回溝30cに係合固定され、その後、係合固定された先行の止め輪39に保持体30を当接支持した状態を保って、後続の止め輪39がロッド部内周に形成されたもう一方の周回溝30cに係合固定される。勿論、取付構造としては、この例に限られず、保持体30をねじ等の他の固定部材を用いたり溶接等により固定しても差し支えない。
【0031】
また、ホース36は、全寸が
図1及び
図3から推察されるごとくロッド部30の長さに応じた適宜な寸法に裁断されており、一端側がロッド部30内に設けられた捻れ吸収手段4を構成しているニップル8の一方差込部8aに連結された状態で、他端側がロッド部30内にあって捻れ吸収手段4から離れる方向の端部(この例では雌ねじ部30aを形成している側の端部)から外へ引き出される。そして、ホース36は、ロッド部30内から外へ引き出された端部が後続のロッド部30内からそのロッド部内に設けられた捻れ吸収手段4を構成しているニップル8の他方差込口8aに差し込み連結操作されることになる。この操作要領については後で詳述する。
【0032】
図6は、以上のロッド部3及び筒体10に掘削水や改良材を移送するための供給管37を追加した変形例を示している。供給管37は、従来と同様な所定長さの管をねじ連結式に複数連結した構成であり、上記した回転体6の通過孔6b、固定板18に設けた通過孔、結束具17cに設けた通過孔、重錘16に設けた通過孔、可動板15aに設けた通過孔、保持体14に設けた通過孔を通って連結管19に連結されている。そして、この変形例では、供給管37から移送される掘削水や改良材が連結管19からヘッド11に設けられた吐出孔より外へ吐出される。
【0033】
(中継ロッド部)
図7は以上のロッド部構造の変形例を示している。つまり、この中空ロッド3は、上記したロッド部30よりかなり短い中継ロッド部32を、上記した筒体10とロッド部30との間、及びロッド部30同士の間に介在する構成である。また、中継ロッド部32は、一端側内周に設けられた雌ねじ部32aと、他端外周に設けられた雄ねじ部32bと、内周長手方向の略中間に設けられた捻れ吸収手段4とを備えている。雄ねじ部32bは、先行のロッド部30や筒体10の雌ねじ部30aや10aと螺合によりねじ連結される。雌ねじ部32aは、後続のロッド部30の雄ねじ部32bに螺合によりねじ連結される。捻れ吸収手段4は、上記と同様な構造であり、
図4の拡大模式図に示されるごとくロッド部32の内周に対し上下の止め輪39,39により保持体30を上下から抜け止めし軸方向の移動を規制した状態に支持されている。
【0034】
捻れ吸収手段4には、
図4(b)に一点鎖線で示したごとく所定長さに裁断されたホース36の一端側がニップル8の一方側差込口8aに連結される。すなわち、ホース36は、一端側が中継ロッド部32内にあって捻れ吸収手段4を構成しているニップル8の一方差込口8aに差し込み連結された状態で、他端側が中継ロッド部32内から外へ引き出される。そして、ロッド部32内から外へ引き出されたホース36の他端側は、雌ねじ部32aにねじ連結される後続のロッド部30内を通って、該ロッド部30に次の中継ロッド部32をねじ連結する際、該中継ロッド部32内に設けられた捻れ吸収手段4を構成しているニップル8の他方差込口8aに差し込み連結操作される。
【0035】
この変形例では、ロッド部30同士の間に中継ロッド部32を介在したり、上記した筒体10に中継ロッド部32を介在してロッド部30を連結するようにすると、例えば以上のような中継ロッド部32を新たに追加用意するだけで、ねじ連結式ロッド用の既存のロッド部30をそのまま使用可能となる点、中継ロッド部32が既存のロッド部30よりもかなり短く設定されるため扱い易い点、先行の筒体10や
図11のロッド部31やロッド部30に連結した後、ホース36等の線状要素の一端側をニップルの上側の差込口8aに差し込んで連結できるため線状要素同士の接離操作を効率よく行うことができる点、等の利点がある。
【0036】
(施工手順例)次に、以上の捻れ吸収手段4を有したロッド部30を用いた地盤改良工法において、先行のロッド部30に後続のロッド部30を接続したり分離する場合の操作要領を
図1と共に
図8及び
図9を参照しながら明らかにする。なお、この地盤改良工法の全体の流れは上記した特願2016−51901号を参照されたい。ここでは、中空ロッド3がロッド部30同士の連結操作により目的の長さに延長する場合の操作要領について述べ、その中で線状要素であるホース36同士の接続操作を明らかにする。
【0037】
図8(a)は、
図1の施工装置が施工箇所に移動されて位置決めされた後、中空ロッド3(ロッド部30と締固め機1)が回転機構で一体に回転されながら昇降機96により所定深さ、つまり先行のロッド部30に次のロッド部30を継ぎ足さなければならない深さまで地盤に貫入された状態を示している。
【0038】
図8(b)は、ロッド部30の上端が地表近くまで下降された態様で、上記した回転機構のモータを逆転させてガイドロッド99とロッド部30上端側の螺合によるねじ連結を解除した後、手動作業によりガイドロッド99とロッド部30間に介在されている接続用ホース36の上端を外し、その後に昇降機96を上昇位置に移動させた状態を示している。中空ロッド3(ロッド部30と締固め機1)は、上端を地表側に位置させた状態のまま地盤内に残置される。接続用ホース36の上端側は、ロッド部30の上筒内から外へ引き出して、次のロッド部30に対する接続用としておく。
【0039】
図8(c)〜
図9(b)は、上端が地表近くまで下降されている先行のロッド部30に後続のロッド部30を連結するときの細部を示している。ここでは、まず、後続のロッド部30が
図8(c)のごとく先行のロッド部30と少しずれた位置で同方向となるよう保持した状態で、先行ロッド部30の上筒内から外へ引き出されたホース36の上端部が後続ロッド部30に設けられた捻り吸収手段4を構成しているニップル8の対応差込口8aに差し込まれて連結、つまり先行ロッド部30のホース36と後続ロッド部30のホース36とがニップル8を介して接続される。
【0040】
その後は、後続ロッド部30は、下側の雄ねじ部30bが先行ロッド部30の上側の雌ねじ部30aに螺合されるよう回転操作されると、
図9(a)のごとく先行ロッド部30に一体ものとして連結される。この操作では、後続ロッド部30の回転に伴って複数のホース36が下側を支点として回転しようとするが、ニップル8が捻れ吸収手段4を構成している回転体6に装着されているため、ホース36に加わる回転方向の応力が保持体5に対する回転体6の自在回転作用により吸収されて、ホース36がほぼ静止状態に保たれる結果、課題に挙げたホースの捻れ問題が確実に解消される。以上の利点は、ガイドロッド99を昇降機16を介して後続ロッド部30近くまで下降した状態で、後続ロッド部30の上端から引き出されたホース36の上端部をガイドロッド99側の対応する接続部に接続し、その後に
図9(b)のごとくガイドロッド99の下降と回転によりガイドロッド99に後続ロッド部30をねじ連結する操作でも同じである。
【0041】
図9(c)は、中空ロッド3が後続のロッド部30の継ぎ足しで延長された状態から、再び中空ロッド3(2本のロッド部30と締固め機1)が回転機構で一体に回転されながら昇降機96により所定深さまで地盤に貫入された状態を示している。以上の操作は中空ロッド3が目的の長さとなるまで繰り返されることになる。また、中空ロッド3の引き抜き工程では、締固め機1が稼働されて同(c)の拡大図に示したごとく原地盤が締め固められる。そして、引抜過程では、上側のロッド部3が上記した操作の逆操作により順に分離されることになる。
図1の締固め改良部はそのようにして造成されたものを示している。
【0042】
(第2形態の施工装置)
図10の施工装置は、
図1の装置に比べ中空ロッド3の下端に駆動装置として振動機2を連結している点で変更されている。この説明では、同一箇所に同一符号を付して、重複説明を極力避けながら変更点を明らかにする。
【0043】
振動機2は、中空ロッド3つまりこの例だとロッド部31,30と共に地中に貫入される過程等で周囲の原地盤部分を締め固めるものであり、特許文献1と同様な構造となっている。すなわち、振動機2は、
図11に示されるごとく筒体20、偏心子23、油圧モータ26等から構成されている。筒体20は、最下端のロッド部31に対し一体的に回転可能、かつ、防振材35を介在した状態で360度振り子状に振動可能に連結されている。
【0044】
詳述すると、ロッド部31は、上端側に設けられた雌ねじ部31aと、下端側に設けられたフランジ33とを有している。筒体20は、上端側に首部等を介して設けられたフランジ21を有し、該フランジ21がロッド部31のフランジ33に対し防振材35などを介して連結支持されている。防振材35は、筒体20側の振動がロッド部31及びロッド部30に伝達されないよう減衰する部材である。
【0045】
筒体20内には、供給管37がロッド部31内を通って挿通されており、偏心子23がその供給管37に対し回動自在に枢支されている。また、筒体20内の上側には、複数(この例では3つ)の油圧モータ26が等間隔に配設されている。このうち、偏心子23は、筒形周囲の一部に設けた径大部23aと、上周囲に設けられたギア24とを有し、筒体20内に固設された支持ベアリング構成からなる上下の軸受け25により枢支されている。
【0046】
油圧モータ26は、筒体20内にあって周囲等分する箇所に固定配置されると共に、後述する油圧装置側の作動油を流すホース36が対応出入口に接続されている。また、油圧モータ26は、出力軸に装着されたギア27を有し、ギア27が偏心子側のギア24と噛合することでモータ駆動により偏心子23を回動するようになっている。符号22は、筒体20の下端開口を閉鎖する蓋体22であり、中心孔から供給管37の下端を突出している。符号29は、筒体20の下端外周に装着されて下方へ突出されている掘削刃である。また、供給経路36Aは、ロッド部30の内周に本発明の捻れ吸収手段4を介して配置された線状要素であるホース36とスイベル98を介し接続され、前記した油圧モータ26に接続されて該モータを駆動制御可能にしている。
【0047】
図12及び
図13は以上のごとく駆動装置として振動機2に代えた構成において、先行のロッド部30に後続のロッド部30を接続したり分離する場合の操作要領は示しているが、この操作要領も
図8及び
図9の場合と同様であるため説明を省略する。なお、中空ロッド3の引き抜き工程では、振動機2が稼働されて原地盤が締め固められると共に、供給管37から改良材として流動化物が締め固めで拡大された原地盤内に吐出されることになる。
図10の締固め改良部は造成された砂杭系の改良杭を示している。本発明は、この例から明らかなごとく線状要素であるホース36の本数や駆動装置の種類にかかわらず、ねじ連結式中空ロッドに広く適用可能なものである。
【0048】
なお、以上の各形態は本発明を何ら制約するものではない。本発明は、請求項で特定される構成を実質的に備えておればよく、細部は必要に応じて種々変更したり展開可能なものである。その例として、ニップル7は差込式以外でも差し支えない。また、回転体6に設けられた通過孔6bに供給管37を余裕を持って通過させるようにしたが、通過孔6bにも供給管同士の対応端を連結可能にする継手を装着するようにしてもよい。
【0049】
また、線状要素としては、ホース36に代えて通電用の電線やケーブル等を用いることもある。その場合は、継手としてニップル7に代えて接続用ターミナルなどを回転体6に設ければよい。
【符号の説明】
【0050】
1・・・・・締固め機(駆動装置に相当)
2・・・・・振動機(駆動装置に相当)
3・・・・・中空ロッド
4・・・・・捻れ吸収手段
5・・・・・保持体
6・・・・・回転体(6aは継手用取付孔、6bは通過孔)
7・・・・・ボール
8・・・・・差込式ニップル(継手に相当、8aは差込口)
9・・・・・RPD(95はガイドコラム)
10・・・・筒体(10aは雌ねじ部)
12・・・・拡径部材(12aは拡径板、12bは受圧部)
13・・・・スライダ(13aは台座、13bはロッド)
15・・・・昇降手段
16・・・・重錘
17・・・・シリンダ
20・・・・筒体(20aは雌ねじ部)
23・・・・偏心子
27・・・・ギア
26・・・・油圧モータ
30・・・・ロッド部(30a,30bは雌・雄ねじ部)
31・・・・最下端のロッド部(31aは雌ねじ部)
32・・・・中継ロッド部(32a,32bは雌・雄ねじ部)
33・・・・フランジ
35・・・・防振材
36・・・・ホース(流体移送用や送電用の線状要素に相当)
36A・・・流体移送や送電用の供給経路
37・・・・掘削水や改良材用供給管
37A・・・掘削水や改良材用供給経路
39・・・・止め輪
96・・・・昇降機
98・・・・多経路スイベル
99・・・・ガイドロッド