(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記顎部のうちの前記少なくとも1つの顎部の第1の部分上の組織係合歯の第1の密度は、ゼロ以上であり、前記顎部のうちの前記少なくとも1つの顎部の第2の部分上の組織係合歯の第2の密度は、前記組織係合歯の第1の密度を上回る、請求項1に記載のクリップ。
前記第1の顎部および前記第2の顎部の一方は、上側顎部を備え、前記上側顎部の前記近位部分は、前記上側顎部の前記遠位部分を上回る組織係合歯の密度を有する、請求項1に記載のクリップ。
前記顎部のうちの少なくとも1つの顎部は、長さを有する平滑表面を有する部分を含み、前記長さは、前記クリップ上の隣接する組織係合歯間の最小長さの少なくとも2倍を上回る、請求項1に記載のクリップ。
前記開口部は、第1の厚さを有する第1の壁の第1の側上および第2の厚さを有する第2の壁の第2の側上に形成され、前記第2の厚さは、前記第1の厚さを上回る、請求項11に記載のクリップ。
前記クリップは、枢動点を含み、前記枢動点を中心として、前記第1の顎部は、前記第2の顎部に対して枢動し、前記枢動点は、前記クリップが開放構成にあるときに前記開口部内に位置する、請求項9に記載のクリップ。
前記内側表面上の前記組織係合歯のうちの少なくとも1つは、前記クリップが、開放され、弛緩状態にあるとき、少なくとも部分的に、前記可撓性部分に向かって延在する、請求項18に記載のクリップ。
【発明を実施するための形態】
【0020】
クリップならびにクリップを作製および使用する方法の実施例が、説明される。所与の構造または所与の方法に組み込まれている、特徴または複数の特徴に応じて、利点が、構造または方法において達成され得る。
【0021】
これらおよび他の利点は、本明細書の実施例の説明の検討によって、より明白となるであろう。しかしながら、特定の実施例に関して論じられる利点または特徴の全てが、これらの実施例によって想定される1つ以上の利点を達成するために、ツール、構成要素、または方法に組み込まれなければならないわけではないことを理解されたい。加えて、実施例の特徴は、クリップ、構成要素、または方法内に組み込まれ、利点を通して、他の可能性として考えられる構成と比較して、最適ではない場合であっても、ある程度の所与の利点を達成することができることを理解されたい。例えば、1つ以上の利点は、コスト削減、効率を達成するために、または特定の製品構成または方法を策定する人物に公知の他の理由から、所与の構成において最適化されない場合がある。
【0022】
いくつかのクリップ構成ならびにクリップを作製および使用する方法の実施例が、本明細書に説明され、いくつかは、併用されることで特定の利点を有する。しかしながら、これらの装置および方法は、本点においてともに検討されるが、これらは、組み合わせされる、併用される、あるいはある構成要素または方法が、任意の他の構成要素または方法もしくは組み合わせと併用される必要はない。加えて、所与の構成要素または方法は、本明細書で明示的に論じられない他の構造または方法と組み合わせられる一方、依然として、望ましい結果を達成し得ることを理解されたい。
【0023】
正面、後面、側面、左右、上下、および同等物等の配向のために使用される専門用語は、単に、理解および参照を容易にするために本明細書で使用され、説明および図示される構造に対して、排他的用語として使用されないことを理解されたい。
【0024】
これらの発明は、当然ながら、変動し得るため、説明される特定の実施例に限定されない。また、本明細書で使用される専門用語は、本発明の範囲が、添付の請求項によってのみ限定されるため、特定の実施例を説明する目的のためにすぎず、限定であることを意図するものではないことを理解されたい。
【0025】
値の範囲が提供される場合、文脈によって別途明示的に示されない限り、下限の単位の10分の1まで、その範囲の上限と下限との間の各介在値が、明確に開示されることも理解されたい。規定範囲内の任意の規定値または介在値間の各小範囲および規定範囲内の任意の他の規定値または介在値は、本発明に包含される。これらのより小範囲の上限および下限は、独立して、そのより小範囲内に含まれてもよく、また、本発明の範囲内に包含されるが、規定範囲内のあらゆる具体的に除外される限界の対象となる。規定範囲が、限界の一方または両方を含む場合、これらの含まれる限界のいずれか一方または両方を除外する範囲もまた、本発明に含まれる。
【0026】
別途定義されない限り、本明細書で使用される技術的および科学的用語はすべて、本発明が属する当該技術分野における当業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書に説明されるものと類似または同等の任意の方法および材料もまた、本発明の実践または試験で使用可能であるが、いくつかの潜在的かつ好ましい方法および材料が、ここで説明される。本明細書に記載される全ての刊行物は、それと関連して刊行物が引用される方法および/または材料を開示ならびに説明するように参照することによって本明細書に組み込まれる。本開示は、矛盾が存在する限りにおいて、組み込まれる刊行物のいかなる開示にも優先するものと理解されたい。
【0027】
図1および2は、それぞれ、本発明100の外科手術用結紮クリップの一実施例の側面および等角図である。
図3は、結紮クリップ100のヒンジ区画103として本明細書で識別される、クリップの可撓性部分の拡大図である。クリップ100の本体は、ヒンジ区画103において継合される、上顎部材101および下顎部材102から成る。顎部材101および102は、クリップが閉鎖位置にあるとき、噛合する、相補的湾曲内側または対面表面を有するように形成されるが、また、所望に応じて、実質的に、直線である、または他の構成をとることができる。本実施例では、上顎部材101は、概して、凸状である、外側表面104と、S形状の内側表面105とを有する。加えて、顎部材101の近位側は、ヒンジ区画103に向かって近位に突出し、半径隅角部とともに構成され得る、外端部121を形成する。外端部121は、半径隅角部を伴って示されるが、限定されないが、面取り面または同等物等の他の非外傷性構成も、採用されてもよい。下顎部材102は、概して、凹状である、外側表面106と、上顎部材101の内側表面105のプロファイルとほぼ一致または適合する、S形状の内側表面107とを有する。下顎部材102の近位側は、ヒンジ区画103に向かって、近位に突出し、本実施例では、顎部遷移122は、外端部121の隅角部半径または構成と一致する、内側半径または構成を備える。下顎部材102の遠位側はまた、遠位に突出し、穿刺要素117およびラッチ122に接続してもよい。前述の顎部材101および102の背面または前面突起のうねりの程度または曲率および長さは、顎部の長さに沿って変動し、咬持表面をさらに延在または延長させ、それによって、クリップ100が、クリップ100の全長に有意に影響を及ぼすことなく、より大きな脈管を結紮することを可能にし得る。
【0028】
図3Aおよび3Bに最も良く示されるように、本実施例におけるヒンジ区画103は、延在長にわたって、可撓性である。ヒンジ区画は、本明細書に説明されるように、CL等の中心枢動点を有すると見なされ得るが、本明細書に説明される具体的実施例のいくつかは、ヒンジ区画が、可撓性である、あるいは、例えば、事実上または構造上の枢動点を伴って、分散面積にわたって、屈曲または枢動し、かつ例えば、可撓性面積の終点間において可撓性である(枢動軸を中心として枢動する非可撓性要素と異なるように)ように構成される。一構成では、分散された撓曲または屈曲は、本明細書により完全に説明されるスロット108等の非円形開口部の提供によって達成される。逆に言えば、分散された撓曲または屈曲が、所望されない場合、単一軸を中心とする撓曲または屈曲を使用する一方、本明細書に説明される本発明の他の特徴を採用することができる。
【0029】
本明細書に説明される実施例では、ヒンジ区画は、クリップが閉鎖構成にあるとき、例えば、顎部材の一方の運動方向に、例えば、顎部材から側方に、顎部材からオフセットされる。ヒンジ区画103は、例えば、顎部材のそれぞれの個別の側方延在部の端部において、顎部材の両方から側方にオフセットされることができる。ヒンジが、顎部材の両方の側方に位置付けられるとき、ヒンジは、ヒンジ区画103が、顎部材と協働し、所望の閉鎖および組織握持および組織移動機能を達成するように、顎部材の側方延在部上のいくつかの選択された場所のいずれかに組み込まれることができる。ヒンジ区画は、複数のヒンジ要素(ヒンジ要素のうちの1つ以上は、本明細書に説明されるヒンジ区画の特性を有する)から形成されることができる。例えば、複数のヒンジ要素はともに、またはアセンブリとして、所望の閉鎖および組織握持および組織移動機能を達成するように構成されてもよい。所与のヒンジ区画に対して、単一ヒンジ要素またはその複数の要素であるかにかかわらず、ヒンジ区画は、区画の一端における本明細書に説明されるようなスロットの終端によって、および区画の他端におけるスロットの終端によって、その間の材料とともに、一端ずつ結び付けられると見なされる。一実施例では、その間の材料とは、スロット終端点の接線108Cと108Dとの間の材料となるであろう。本明細書に図示されるように、単一スロットが存在する場合、ヒンジ区画境界は、本明細書に説明されるスロット108の終端部等のスロットの終端部108Eおよび108Fによって画定される。それぞれ、ヒンジ機能に寄与する、複数のスロットが存在する場合、ヒンジ区画は、ヒンジ機能に寄与する、外側スロットの最外終端によって境界される。
【0030】
本明細書に説明される実施例では、ヒンジ区画は、ヒンジを横断して、可撓性が変動する。例えば、クリップの平面におけるヒンジを横断する異なる位置を検討すると、例えば、クリップの顎部が、クリップの平面において、相互に対して移動する場合、1点におけるヒンジの可撓性は、別の点におけるヒンジの可撓性と異なってもよい。ヒンジ区画の本明細書におけるいくつかの実施例では、ヒンジ区画は、クリップの材料を通るスロットまたは他の延在開口部とともに形成され、顎部の近位部分は、継合される。クリップが、弛緩開放状態にあるとき、開口部は、例えば、クリップの平面に、あるプロファイルまたは断面構成を有する。開口部のプロファイルが、非円形である場合、ヒンジ区分の異なる部分の可撓性は、ヒンジ区分内の場所の関数として、異なるであろう。例えば、比較的に薄い壁によって画定された開口部の一部は、より厚い壁によって画定された開口部の別の部分よりも、その部分において、より可撓性であろう。
【0031】
一実施例では、ヒンジ区画103は、顎部に対して非対称である。ヒンジ区画103が
図3Aおよび3Bにおける顎部に対して非対称であるという文脈における、「非対称」とは、ヒンジ区画が、ヒンジ区画と顎部との間の隣接する接続部分(
図3A−Cの実施例では、背面および前面に延在する顎部部分)に対して位置付けられるとき、湾曲界面線が、ヒンジ区画103と交差する場所における湾曲界面線に対して非対称であるということである。湾曲界面線は、顎部が、相互に接触し、湾曲界面線が、ヒンジ区画103まで延在するときの顎部表面からの等距離の位置によって画定される。加えて、本実施例では、ヒンジ区画103は、クリップを2つの顎部に分離し、垂直(
図4に見られるように)線200が、閉鎖構成にあるとき、クリップを縦方向に半分に分割する場合、ヒンジ区画に隣接する顎部区画は、質量が不均等であって、
図3の実施例における上顎部区画(上顎部101の部分)は、下顎部区画(下顎部102の部分)より質量が軽い。また、
図4に見られるように、開口部108の多くは、上側顎部側より下側顎部側にある。
【0032】
ヒンジ区画103は、ヒンジ区画103が、上顎部材101および下顎部材102からオフセットされるように、L型曲り103Aを通して、それぞれ、背面および前面に延在する顎部要素101Hおよび102Vの形態における個別の角度を付けて延在する要素において、上顎部材101および下顎部材102の近位に延在する区画を接続する。背面および前面に延在する顎部要素101Hおよび102Vは、その個別の顎部が延在する平均方向にある角度で延在する。本明細書における実施例では、顎部要素101Hおよび102Vは、ヒンジ区画103と比較して、比較的に剛性であって、その個別の顎部材と同一の材料から形成されてもよい。これらの実施例では、顎部要素101Hおよび102Vは、顎部材のものと同一の可撓性を有する。ヒンジ区画103は、ヒンジ区画103の幅を通して延在する(および、本実施例では、ヒンジ区画103の両側の開口部まで側方に延在する)、スロット108と、内側ヒンジ表面109と、外側ヒンジ表面110とを備える。
【0033】
スロット108は、一実施例では、縦方向に、例えば、内側ヒンジ表面109と外側ヒンジ表面110との間に延在する。一実施例では、矢状区画(例えば、
図1の図面の平面に平行な区画)内のスロットは、直線となるように延在されると、その幅よりも長く、幾分、楕円形または他の選択された形状であってもよいが、静置または弛緩状態では、スロットは、
図1または14等の図面に示されるもの等の構成をとるであろう。ヒンジ区画103の一部として組み込まれると、スロットは、概して、弧状構成を有し、本明細書に説明されるもの等の所望の閉鎖運動を達成するように構成されるであろう。他のスロット構成および閉鎖運動も、同様に可能である。
【0034】
スロット108は、本実施例では、好ましくは、外側表面110より内側表面109により近接して位置付けられ、上顎部材101および下顎部材102が、ともに閉鎖されると、内側表面109に隣接する壁により大きな可撓性を提供するが、所望の効果および運動に応じて、実質的に、内側と外側ヒンジ表面との間の中心に置かれる、または内側ヒンジ表面より外側ヒンジ表面に近接することもできることを理解されたい。本実施例では、スロット108と内側表面109との間の壁の厚さ109Aは、スロット108と外側表面110との間の厚さ110A未満である。ヒンジ区画103の内側表面109に沿った隣接する壁は、一定壁厚(すなわち、厚さ109Aは、実質的に、一定である)または可変壁厚(すなわち、厚さ109Aは、背面および前面に延在する顎部要素間のスロット108の範囲を画定する、弧長にわたって変動する)を備えてもよい。可変壁厚の場合、内側表面109に沿った壁の最薄区画は、顎部材101および102が、例えば、スロット108に対する屈曲点の弧状位置をともに閉鎖しており、かつ本実施例では、スロット108内にあるとき、ヒンジの屈曲点または枢動点CL(
図3Bおよび3C)を画定し得る。
【0035】
図3A−Cに示される本実施例では、内側表面109に沿った壁の最薄区画は、実質的に、スロット108の弧状範囲に沿って、中心に置かれる。他の実施例では、内側表面109に沿った壁の最薄区画は、多少、背面に延在する顎部要素により近接し、他の実施例では、内側表面109に沿った壁の最薄区画は、多少、前面に延在する顎部要素により近接する。本明細書では、実質的に中心に置かれるという文脈における、「実質的に」とは、所与のクリップおよびアプライヤの組み合わせに対して、クリップとして、相互に対して実質的に同一の最終顎部位置を伴い、内側表面109に沿った壁の最薄区画が、背面に延在する顎部要素と前面に延在する顎部要素との間の弧状範囲内の精密に中心に置かれる、実質的に同一のヒンジ運動を提供するものと定義される。実質的に中心に置かれないという文脈における、「実質的に〜ではない」とは、所与のクリップおよびアプライヤの組み合わせに対して、クリップとして、相互に対して実質的に同一の最終顎部位置を伴い、内側表面109に沿った壁の最薄区画は、内側表面109に沿った壁の最薄区画が、背面に延在する顎部要素と前面に延在する顎部要素との間の弧状範囲内の精密に中心に置かれる、実質的に同一のヒンジ運動を提供しないものと定義される。
【0036】
外側壁未満の内側壁厚109Aを有することは、外側壁の屈曲または撓曲に対して、内側壁の優先的屈曲または撓曲を提供する。優先的屈曲は、アプライヤ(
図3−4には図示されないが、
図14−18に関するアプライヤを参照されたい)が顎部を閉鎖するにつれて、顎部の近位部分が一体となる方法を制御する手段を提供する。内側および/または外側壁厚の変更は、スロット108プロファイルを一定に維持し、内側表面109により近接するように、またはそこから離れるように、スロットを移動させることによって、達成されることができる。
【0037】
代替として、または加えて、内側および/または外側壁厚は、スロット108プロファイルを変更することによって、修正されることができる。例えば、スロット108の内側表面108Aを画定する半径(例えば、湾曲表面を画定する半径)を増減させ、壁厚109Aを変更することができる。同様に、内側表面108Aを画定する半径の変更と別個に、またはそれに加えてのいずれかにおいて、外側表面108Bを画定する半径を増減させ、壁厚110Aを変更することができる。同様に、これらの半径は、弧状位置の関数として変動され、弧状位置の関数として画定する区分の個別の厚さを変動させることができる。加えて、枢動点CLを開口部108内に位置付けさせる(クリップが、
図3A−Cに示されるように、開放位置にあるとき)こともまた、所望の優先的屈曲を提供するのに役立ち得る。他の屈曲構成は、枢動点CLを内側壁内または内側壁の外部(顎部間)あるいは外側壁内または外側壁の外部(顎部の外側)に位置付けることによって、達成されてもよい。
【0038】
図3Aから分かるように、壁厚109Aは、本実施例では、外側壁厚110Aが一定である、弧長と比較して、比較的に短い弧長にわたって、一定である。壁厚109Aもまた、半径方向位置または内側表面108Aに沿った弧状位置の関数として変動されることができる。壁厚109Aの変動はまた、内側壁108Aのプロファイルを変動させるであろう。同様に、壁厚110Aは、半径方向位置または外側表面110Aに沿った弧状位置の関数として変動されることができる。壁厚110Aの変動はまた、外側壁108Bのプロファイルを変動させるであろう。
【0039】
外側壁厚110Aは、実質的に、
図3A−Cに示される実施例では、スロット108の弧状範囲にわたって、一定である。したがって、スロット108と外側表面110との間の壁の厚さ110Aは、背面に延在する顎部要素101Hと前面に延在する顎部要素102Vとの間で実質的に同一である。本実施例では、具体的には、スロット108と外側表面110との間の壁の中間の約75%は、実質的に同一の厚さを有する一方、スロット108の端部における厚さは、増加し、例えば、スロット108の終点に曲率をもたらす。本明細書で使用されるように、外側壁の実質的に一定厚110Aであるという文脈における、「実質的に」とは、外側壁の壁厚が、スロットまたは開口部108の範囲にわたる外側壁の少なくとも50%にわたって一定であるということである。外側壁110の可変壁厚の場合、外側表面110に沿った壁の最薄区画は、枢動点CLを画定するのに役立ち得、一実施例では、外側表面110に沿った壁の最薄区画の中心点または中間点は、枢動点CLおよび内側表面109に沿った壁の最薄区画と整合されてもよい。他の実施例では、外側表面110に沿った壁の最薄区画の中心点または中間点は、枢動点CLおよび内側表面109に沿った壁の最薄区画と整合されなくてもよい。
【0040】
下顎部材102の前面顎部区画102Vはさらに、内側表面109上に位置する、複数の歯111を備える。本実施例では、個別の歯111を二等分する軸(図示せず)が、歯が取着される表面に垂直な線にある角度で(言い換えると、垂直からずれて)位置付けられる。また、本実施例では、軸は、下顎部材とは対照的に、上顎部材101に向かって角度付けられる。本角度は、下顎部材102に向かって歯が取着される表面に沿って、組織が移動する可能性を低減させるのに役立つ。本角度はまた、組織がクリップ内に留置されるとき、および/またはクリップが閉鎖されるにつれて、内側表面109に向かう、空洞内への組織移動/侵入に対する抵抗を低減させるのに役立つ。本明細書に説明または図示される任意の個々の歯と同様に、歯を二等分する軸の角度(
図1、3−5等におけるように、側面から見て)は、クリップまたは歯が位置する面積からの組織移動/退出に抵抗する歯の能力を増加させるように選択されることができる。
【0041】
図3Bを参照すると、上顎部101および/または下顎部102の閉鎖が、下顎部102に対して、想像上の枢動点CL(
図3Bおよび3C)の周囲において、上顎部101の回転を開始させる。(本議論では、CLは、顎部が開放されるとき(
図3B)および顎部が閉鎖されるとき(
図3C)の上顎部101上の個別の点を通る全線の交差点である。)下顎部に対する外端部121の角度位置は、原点α
C、すなわち、クリップが閉鎖位置にあるときの線に対して、角度α
Aからα
Bに減少する。角度位置α
Bでは、外端部121は、下顎部材102の内側表面107により近接する位置にある一方、顎部材101および102の遠位端における開口部は、拡開したままである(例えば、
図5B参照)。内側表面107に対して、またはそれに近接して隣接させて(および/またはヒンジ区画103に対して近位に)外端部121を閉鎖することは、脈管または組織を内側表面107に確実に係合させる、または上顎部と下顎部との間の隣接する表面間に挟持させ、顎部が、定位置(ともに係止される)に閉鎖および係止されるにつれて、組織または脈管がクリップ100から滑落する可能性を低減させる。加えて、外端部121の周縁の周囲の歯114は、組織または脈管が、クリップからまたは少なくとも遠位に滑落しないように維持するのに役立つ。歯114はまた、近位に指向される二等分する軸の角度配向に基づいて、組織または脈管を保定するのに役立つ(歯が取着される表面、例えば、
図7に示される107Bに垂直な線にある角度で(言い換えると、近位方向に垂直からずれて)位置付けられる。顎部を閉鎖し続ける作用は、クリップ100の近位側に向かって、外端部121のさらなる回転または角度移動をもたらし、組織または脈管を近位に牽引または引張する。角度位置α
Cでは、顎部材101および102は、完全に閉鎖される。
【0042】
CLの相対的位置は、
図3Bに示されるように、有用であることが分かっている。本文脈では、CLは、スロット108が、示されるように、水平かつ垂直に位置付けられると(
図3Bに示されるように見て)、内側および外側壁108Aと108Bとの間のほぼ中心に置かれ、かつスロット108の端部間の弧に沿って、ほぼ中心に置かれる(
図3Bに見られるように)。スロット108は、下顎部102の残部から前面に延在する、垂直(
図3Bにおけるように見て)脚部102Vからほぼ垂直に始まる。スロットは、ヒンジ脚部103Vに沿って、水平(
図3Bにおけるように見て)ヒンジ脚部103Hまでの弧内に延在し、ほぼ水平に終端し、上顎部101の隣接する水平部分101H内に延在する。スロットの他の構成およびヒンジ区画103内のその位置も、所望のヒンジまたは枢動作用ならびに外端部121の移動および間隔121Aの閉鎖を達成するために使用されることができる。ヒンジ場所および構成の別の実施例は、
図14−18に示され、以下により完全に論じられる。
【0043】
上顎部101の水平脚部101Hおよび隣接する近位部分の接合部は、外端部121を形成する。外端部121の内側部分の表面構成もまた、間隔121Aの閉鎖の割合に影響を及ぼし得る。(外端部121の移動の文脈における割合および間隔121Aの減少については、以下に定義される。)水平脚部101Hにおける内側表面109の曲率が、
図3Bに示されるものより凹状である場合、外端部121は、内側壁109によって画定される空間内に突出するであろう。より凹状である場合、壁厚109Aは、より小さくなり、より高い間隔121Aの閉鎖の割合をもたらし得る。加えて、外端部121の曲率が、偏心である場合(歯を別にすれば、
図3A−Cに示されるように、実質的に半円形とは対照的に)、偏心点および外端部121に沿ったその位置もまた、閉鎖の割合または間隔121Aの減少に影響を及ぼし得る。外端部構成のこれらの側面は、所望に応じて、修正され、顎部が閉鎖されるとき、空洞内の組織に及ぼす所望の効果をもたらすことができる。
【0044】
外端部構成に加え、クリップ構成の他の部分も、修正され、クリップが動作する方法に影響を及ぼすことができる。例えば、垂直脚部102Vの長さは、全他のパラメータが同一のままである場合、全体的スロット位置を同一に維持しながら、増加され、それによって、間隔121Aを増加させることができる。加えて、水平脚部101Hの長さも、全体的スロット位置を同一に維持しながら、増加され、組織を受容するためのヒンジ面積内の空洞のサイズを増加させることができる。代替として、または加えて、脚部101Hおよび/または102Vは、上顎部により近接して、
図14−18の構成に示されるように、スロット108の位置を移動させる間、一定のままであることができ、また、水平脚部101Hを短縮させ、垂直脚部102Vを延長させる、または下顎部により近接させる(図示せず)ことも検討され得る。
【0045】
顎部の閉鎖によって、外端部121が内側表面107により近接するにつれて、間隔121A(
図3B)は、減少する。間隔121Aが減少する割合は、少なくとも部分的に、CLの位置によって決定され得る。本文脈では、「割合」とは、上および下顎部の閉鎖の角度の割合に対する間隔121Aの閉鎖または減少の割合を意味する。例えば、CLをスロット108内でより高く位置付ける(但し、依然として、それぞれ、内側および外側壁108Aと108Bとの間の中心に置かれる)ことは、間隔121Aの閉鎖の割合を減少させるであろう。これは、CLが、下顎部102からより遠位かつ前面に位置付けられるためである。CLをスロット108内でより低く位置付ける(但し、依然として、それぞれ、内側および外側壁108Aと108Bとの間の中心に置かれる)ことは、閉鎖の割合を増加させるであろう。閉鎖の割合はまた、スロット108と内側壁表面109との間の壁の厚さ109Aによって影響されるであろう。他の要因もまた、閉鎖の割合を調節または修正するために使用されてもよい。例えば、外端部121と表面107との間に挿入され得る、組織の厚さは、間隔121A内の減少を変化させ得る。一構成では、距離121Aは、顎部が閉鎖および係止される前に、その最小にされる。一構成では、外端部121は、下顎部102まで比較的に短い進行距離を有するように位置付けおよび構成される一方、上および下顎部が、組織を空洞(内側表面109に隣接する)内により容易に受容するために開放されるとき、比較的に広い初期開始間隔を有する。そのような構成は、より高い閉鎖の割合を伴って、より容易に作製される。
【0046】
上顎部材101はさらに、掛止特徴を有し得る、遠位区画112を備える。遠位区画112における掛止特徴は、側板118と、溝119と、ラッチ131とを備える(
図1−2)。側板118は、少なくとも、クリップが閉鎖および係止位置にあるとき、穿刺要素117の先端と一致する高さまで、外側表面104の上方に延在するように構成される。側板118は、チャネル124を備えてもよく、穿刺要素117は、上および下クリップ顎部材101および102が、定位置に閉鎖および係止されると、係合し得る。溝119は、ラッチ131の面から外向きに面し、近位に延在し、内側表面105に向かって継続する。歯対120(は、犬歯に類似し得る)は、内側表面105の遠位端に提供されてもよく、概して、下顎部材102に向かって延在し、先鋭である、縁を画定する対面表面を有するように構成されてもよい。歯対120は、以下に説明される穿刺要素117と併せて、組織を穿通するために十分に鋭利であるように構成されてもよい。遠位区画112に隣接して位置する、一対の側方に延在する円筒形ボス115は、例えば、結紮クリップを適用するために使用される、アプライヤ上の個別の表面に相補的であるように、上顎部材101の両側に提供されてもよい。
【0047】
下顎部材102は、穿刺特徴と、上顎部材101の掛止特徴と噛合するように構成される掛止特徴とを有し得る、遠位区画113を備える。遠位区画113は、ラッチ123の反対に配置される先端117Aを有する、穿刺要素117を備える。穿刺要素117は、概して、上顎部材101に向かって面するまたは指向する、狭小部分または点まで延在するように構成される。穿刺要素117は、通常使用の間、組織を穿通するために十分に鋭利であるように構成されてもよい。遠位区画113に隣接して位置する、一対の側方に延在する円筒形ボス116は、例えば、結紮クリップを適用するために使用される、アプライヤ上の個別の表面に相補的であるように、下顎部材102の両側に提供されてもよい。
【0048】
一実施例では、穿刺要素117は、通常使用の間、組織を穿通するために十分な先端を伴って、狭小化または先鋭化される。穿刺要素は、先鋭斜面、錐面、台形形状、または所望の先端幾何学形状を提供する、他の形状であってもよい。幾何学形状は、2つ以上の面または辺を有してもよく、対向面の含有角度または辺は、150°以下(例えば、
図14−18に示されるように)であるが、90°以下の角度は、組織が穿刺要素を用いて穿通され得る容易性を増加させる一方、60°以下の角度は、さらに鋭利な穿刺要素を提供する。例えば、任意の1つ、2つ、または3つの角度α1、α2、およびα3(
図6−8)が、列挙された角度を有するように構成されることができる。加えて、穿刺要素は、組織を穿通するために十分な高度を提供するために、硬度少なくとも50 Shore Dを有してもよい。他の穿刺要素構成もまた、通常使用の間、組織を穿通するために十分な先端をもたらすために使用されることができる。穿刺要素117は、これらの実施例に論じられるように、結紮クリップ100が、単一材料のみから作製されるように、クリップ構造全体の一体部分であってもよい。代替として(図示せず)、さらに強化し、より効果的かつ耐久性のある穿刺要素117を提供するために、ステンレス鋼、チタン、ニッケルチタン、金、白金、コバルト、クロム、および同等物のような金属、または残りのクリップを作製するために使用される材料と比較して、硬度特性が増加したプラスチックを含む、非金属を含むが、それらに限定されない、異なる材料から構築されてもよい。穿刺要素117は接着剤接着、インサート成形、超音波溶接、熱溶解、および同等物等、一般に、当技術分野において公知の方法によって、下顎部102の遠位区画に組立てられる、または接続されてもよい(図示せず)。穿刺要素117の構造を強化するためのさらに別の代替手段は、金、白金、クロム、ニッケル、または同等物等、一般に、当技術分野において公知の金属材料で、あるいは、同様に、一般に、当技術分野において公知のプロセスを使用して、より硬度なポリマー材料で、表面(図示せず)をコーティングもしくは鍍着することによるものである。
【0049】
内側表面105および107はさらに、複数の歯114を備えてもよい。歯114および111(
図1−3C)は、クリップが、係止位置に閉鎖されると、脈管または組織の効果的固着を有効にする他の配向および形状とともに、構成されてもよいことに留意されたい。これらの代替構成として、ドーム、ピラミッド、ボスおよび切り欠き、実矧ぎ継ぎ、類似特徴、および/またはそれらの組み合わせが挙げられ得るが、それらに限定されない。加えて、本明細書に記載されるように、任意の1つの歯(または、2つ以上の歯)は、二等分する軸が、歯を支持する表面にある角度で(または、歯を支持する表面に平行に走る線にある角度で)配向されるように構成されることができる。図示される実施例では、歯の全て(したがって、大部分)は、近位方向、すなわち、クリップから遠位にまたは外向きに、あるいはクリップから外向きの組織移動につながるであろう方向における顎部の表面に沿った組織移動の可能性を低減させるような方向に角度付けられる、その二等分する軸(例えば、
図7における114A)を有する。
【0050】
個々の歯の変形例または修正に加え、複数の歯の頻度または間隔あるいは他の相対的属性も、所望に応じて、選択されることができる。例えば、下顎部102上の歯114の単位長あたりの数は、比較的に均一である一方、上顎部101上のものは、上顎部の長さにわたって、変動する。別の実施例では、各歯は、顎部の全幅またはそれを越えて延在することができる、あるいは全幅未満に延在することができる。例えば、全幅未満では、歯は、顎部の幅を横断して、半分までのみ延在することができる。さらに、1つおき、すなわち、2つ目の歯ごとに、片側から内向きに半分まで延在することができる一方、顎部上の残りの歯は、他側から内向きに半分まで延在する(交互する)ことができる。加えて、上顎部上では、線形密度は、顎部の遠位部分より顎部の近位部分において、より高い。さらに、一方の顎部上の歯構成(すなわち、所与の歯または歯の組み合わせに関して本明細書に説明される任意の特徴)は、顎部が閉鎖されると、反対顎部の直接隣接する部分上の対応する歯構成と異なることができる。例えば、
図3Cおよび
図4に描写されるように、その間に延在する下側顎部からの対応する歯を有していない、上顎部上の少なくとも2つの歯が、存在する。
図4に見られるように、本実施例では、下顎部からのそれらの間に延在するいかなる歯も有していない、上顎部内に7つの歯が、存在する。
【0051】
図示される実施例では、一方の顎部は、いかなる歯も伴わない、ある長さ表面を有し、他方の顎部は、2つ以上の歯を有する、それに面する類似長さの表面を有する。前述のように、本実施例では、下顎部は、ある長さの表面107A(
図1)を有し、上顎部上の対面表面は、7つの歯を有する。本構成では、歯のない表面107Aは、他方の顎部上の反対表面に対して、組織が比較的に自由にそれに沿って移動することを可能にするように構成される。例えば、外端部121が、下顎部および歯のない表面107Aに近接して隣接する場合、上顎部および外端部121上の隣接する歯の移動は、組織を掴持し、内側表面109に隣接する空洞内に移動させる一方、組織は、表面107Aに沿って摺動する。外端部121が、空洞内に移動するにつれて、上顎部上の他の歯は、表面107Aと反対の位置に移動する。本構成は、組織の空洞内への掴持および引張を促進する。
【0052】
また、図示される実施例では、平滑表面107Aは、1つ以上の歯によって、両側で境界される(近位および遠位に)。平滑表面107Aの長さは、クリップ上の隣接する歯間の最小間隔の少なくとも2倍を上回る。加えて、クリップが閉鎖されるとき等、顎部が、相互に面するとき、上顎部からの少なくとも2つの歯は、下顎部上の介在歯を伴わずに、平滑表面107Aの反対に位置付けられる。他の構成もまた、可能である。
【0053】
また、円筒形ボス115および116は、これらの図では、外部に突出する特徴として描写されるが、また、米国特許公開第US20090088783号(参照することによって、全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるもの等の薄型ボスまたは陥凹も、相補的アプライヤと併用されるとき、標的脈管を中心とした、本明細書に説明されるもの等のクリップの留置を促進するために採用されてもよいことが想定されることに留意されたい。
【0054】
図4は、閉鎖位置における、
図1−3に描写される本発明の実施例の側面図である。結紮クリップ100が、閉鎖されると、穿刺要素117は、側板118のチャネル124内に完全に埋め込まれ、非外傷性表面125を形成する。加えて、先端117Aは、側板118に対して接線線118Aまたはその下方(
図4におけるように見て)にある(
図4参照)。このように、穿刺要素117の先端は、潜在的に、穿刺要素117の鋭利縁および/または点によって、断裂、切除、切断、または鋸歯状化され得る、隣接する組織に暴露されない。チャネル124内に埋め込まれた穿刺要素117はまた、ラッチ131が、通常動作の間、横向きまたは側方に摺動あるいは係脱しないように防止もしくは制限する、係止特徴としての役割を果たす。非外傷性表面125に加え、結紮クリップ100の残りの外部表面も、周囲組織を捕捉、引裂、または断裂し得る、任意の十分に鋭利または先鋭特徴を有していない。
【0055】
顎部材101および102の閉鎖は、クリップアプライヤを用いて達成され(
図14−18、同一の参照番号は、本明細書に前述されるものと同一の部分に適用される)、クリップ100Aの対の円筒形ボス115および116は、アプライヤ顎部(132および133)内に搭載される。顎部材101および102が、穿刺要素117の先端が溝119の隣接する部分に接触する位置まで閉鎖されるにつれて(また、
図16参照)、下顎部材102の近位側および隣接するヒンジ区画103A(脚部103V)は、想像線126(
図4)によって描写されるように、外向きに偏向するように付勢され、偏向された区分内にエネルギーを貯蔵する。円筒形ボス115の中心線115Aとアプライヤ顎部の想像上の弧形状の経路128との間の距離は、外向き偏向126の量を制御する。想像経路128は、アプライヤ顎部に保持され、したがって、上顎部材101が、近位に偏移し、下顎部材102の近位側および隣接するヒンジ区画103Aを外向きに偏向させるときの円筒形ボス115および116によって追従される軌道である(
図16および17を比較されたい)。アプライヤが、クリップ100Aをさらに閉鎖するにつれて、下顎部材102の遠位側は、想像線127によって描写されるように、外向きに偏向する(
図16および17を比較されたい)。偏向は、穿刺要素117が、溝119に沿って、外向きまたは遠位に摺動する結果である。いったんクリップが、閉鎖され、噛合ラッチ131および123が、係合されると、下顎部材102の遠位部分における、内側の近位に面する表面または縁117B(
図1)は、近位に面する溝124内に静置または埋入され、通常動作の間、ラッチ131が、横向きまたは側方に摺動あるいは係脱しないように防止もしくは制限する。アプライヤ顎部132および133からの円筒形ボス115および116の解放に応じて、アプライヤ顎部の閉鎖の間、外向きに偏向された下顎部材102の近位側(想像線126によって示されるように)は、偏向された区分の貯蔵エネルギーが、同時に、解放されるにつれて、遠位に偏向する。アプライヤ顎部からの完全解放後のクリップ100の最終閉鎖および係止状態は、上顎部材101が遠位に偏移され、
図4に示されるように、噛合ラッチ131および123が、完全に係合された状態をもたらす。
【0056】
図5は、標的脈管129を中心とする結紮クリップ100の留置および閉鎖を描写する、一連の概略図(5A−5D)であって、
図14−18は、結紮クリップを閉鎖するためのアプライヤとの結紮クリップの併用を示す。図示される実施例では、標的脈管129はさらに、外部組織130(例えば、結合組織、脂肪、線維性瘢痕組織等)を備え、これは、従来、当技術分野において公知の結紮クリップの閉鎖を妨害または阻害するであろう。
図14は、アプライヤの顎部内に完全に位置付けられる開放クリップを示し、
図5Aは、完全開放構成における標的脈管129を中心として近接される結紮クリップ100を示す。第1の顎部の近位部分における外端部121は、第2の顎部102から離間されるが、第1の顎部の遠位部分、例えば、ボス115を含むその部分より第2の顎部に近接する。上顎部材101および下顎部材102の閉鎖に応じて、内側表面105および107上の歯114は、標的脈管129の表面に係合し、それを把持する。
図5Bおよび
図15は、半閉鎖状態における結紮クリップ100を示す。顎部材102の内側表面107上の歯114は、標的脈管129の基部を定位置に固着する一方、ヒンジ区画103(または、
図14−18に示される103A)を中心とする顎部材101の枢動運動は、内側表面105上の外端部121の周囲に配置される歯114を標的脈管129の上側表面に係合し、ヒンジ区画103/103Aの内側表面109に向かって引張させる。外端部121およびその表面上の歯は、下顎部材102の平滑表面107Aに沿って、組織を近位に移動させる。穿刺要素117は、外部組織130に係合し始める。
図5Cおよび
図16−17は、ほぼ完全に閉鎖状態における、結紮クリップ100を示す。内側表面105上の外端部121の周囲に配置される歯114は、内側表面109上に常駐する歯111が、標的脈管129に係合し、標的脈管129をヒンジ区画103/103A内に固着させる程度まで、標的脈管129をヒンジ区画103/103Aの内側表面109に向かって引張する。本位置では、穿刺要素117は、外部組織120に穿通し、結紮クリップ100が閉鎖されるにつれて、ラッチ131およびラッチ123の係合を有効にする。
図17は、外向きまたは遠位に撓曲する、第2の顎部102の遠位区画113と、近位に撓曲する、ヒンジ区画103の一部を示す。
図5Dは、標的脈管129を中心として完全に閉鎖された結紮クリップ100を描写し、穿刺要素117は、完全に外部組織130に穿通している。
図18は、完全に閉鎖された結紮クリップ100を示し、外端部121は、完全に空洞内にあって、ヒンジ区画103Aは、完全に撓曲され(ヒンジ区画103も同様となるであろう)、掛止機構123および131は、完全に係合される。
【0057】
図14−18に示されるクリップでは、本実施例におけるヒンジ区画103は、顎部に対して、非対称である。
図18に最も明確に見られるように、ヒンジ区画と顎部との間の隣接する接続部分に対して位置付けられ、顎部が閉鎖されると、ヒンジ区画は、湾曲界面線がヒンジ区画103を交差する場所における湾曲界面線に対して非対称となる。湾曲界面線は、
図3A−3Cに関して前述されたように画定される。
図18に示される実施例では、下顎部側上より上顎部側に、開口部108の多くが存在する。
【0058】
加えて、本実施例では、ヒンジ区画103は、クリップを2つの顎部に分離し、
図4における垂直線200に類似する垂直線が、閉鎖構成にあるときのクリップを縦方向に半分に分割する場合、ヒンジ区画に隣接する顎部区画は、質量が不均等であって、
図3の実施例における上顎部区画(上顎部101の部分)は、下顎部区画(下顎部102の部分)より質量が軽くなる。
【0059】
結紮クリップ100は、限定されないがステンレス鋼、チタン、アセタール、ポリエチレン、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、テフロン(登録商標)、ポリカーボネート、合金またはそれらの組み合わせ、および長期または恒久的埋込に好適な同等物を含む、金属または非金属生体適合性材料から作製されてもよい。ポリマー材料は、非吸収性(すなわち、恒久的埋込)または吸収性(すなわち、一定期間にわたって分解する)であってもよい。
【0060】
結紮クリップ100は、種々のサイズで作製され、脈管または組織の異なるサイズの結紮を可能にしてもよい。本開示の詳細内に説明される、全ての設計特徴、クリップ機能性、ならびに使用および動作方法は、他のサイズにも適用可能なままである。これらの種々のサイズの結紮クリップは、それぞれ、最大直径約16mmの種々の脈管サイズを結紮するために使用されることができる。
【0061】
上に述べたように、いくつかの例示的実装が説明されたが、種々の改変および修正が、本明細書で論じられる概念から逸脱することなく、行なわれることができることが明白であろう。そのような改変および修正が、明示的に前述されていないが、それでもなお、本発明の精神および範囲内にあることが意図および含意される。故に、前述の説明は、例証にすぎないことが意図される。