(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明をより詳細に説明する。
(1)次の:
(A)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテル;及び、
(B)グリセリン脂肪族エーテル;
を含有する油中水型乳化組成物。
(2)次の:
(A)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテル;
(B)グリセリン脂肪族エーテル;及び、
(C)2価アルコール;
を含有する油中水型乳化組成物。
(3)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルが、ポリオキシエチレン脂肪族エーテルである、前記(1)又は(2)に記載の油中水型乳化組成物。
(4)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルのオキシアルキレンの繰り返し単位数が、2〜30である、前記(1)から(3)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
(5)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルが、ポリオキシエチレン(5)べへニルエーテル及び/又はポリオキシエチレン(10)べへニルエーテルである、前記(1)から(4)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
(6)グリセリン脂肪族エーテルが、モノ脂肪族グリセリンエーテルである、前記(1)から(5)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
(7)グリセリン脂肪族エーテルが、α‐モノイソステアリルグリセリルエーテルである、前記(1)から(6)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
(8)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルがポリオキシエチレン(5)べへニルエーテル及び/又はポリオキシエチレン(10)べへニルエーテルであり、グリセリン脂肪族エーテルがα‐モノイソステアリルグリセリルエーテルである、前記(1)から(7)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
(9)2価アルコールが、平均分子量が600〜20000のポリアルキレングリコールである、前記(2)から(8)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
(10)2価アルコールが、ポリエチレングリコールである、前記(2)から(9)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
【0014】
(11)油中水型乳化組成物が、油分、及び水を含有する、前記(1)から(10)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
(12)油分が、炭化水素類、油脂類、脂肪酸類及び脂肪酸エステル類のみからなる群から選ばれる1種又は2種以上の油分である、前記(11)に記載の油中水型乳化組成物。
(13)油分が、炭化水素類である前記(11)又は(12)に記載の油中水型乳化組成物。
(14)油分の含有量が、油中水型乳化組成物全質量に対し、1〜50質量%である、前記(11)から(13)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
(15)水の含有量が、油中水型乳化組成物全質量に対し、5〜80質量%である、前記(11)から(14)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
(16)油中水型乳化組成物が、さらに添加成分を含有する、前記(1)から(15)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
(17)添加成分が、乳化剤、安定化剤、及び保存剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の成分である、前記(16)に記載の油中水型乳化組成物。
(18)油中水型乳化組成物が、さらに薬理活性成分を含有する、前記(1)から(17)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物。
(19)薬理活性成分が、保湿剤、ビタミンE類、及び抗炎症剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の薬理活性成分である、前記(18)に記載の油中水型乳化組成物。
(20)薬理活性成分が、保湿剤である、前記(18)又は(19)に記載の油中水型乳化組成物。
【0015】
(21)次の:
(A)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテル;及び、
(B)グリセリン脂肪族エーテル;
を含有する油中水型乳化組成物の分離抑制剤。
(22)次の:
(A)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテル;
(B)グリセリン脂肪族エーテル;及び、
(C)2価アルコール;
を含有する油中水型乳化組成物の分離抑制剤。
(23)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルが、ポリオキシエチレン脂肪族エーテルである、前記(21)又は(22)に記載の油中水型乳化組成物の分離抑制剤。
(24)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルのオキシアルキレンの繰り返し単位数が、2〜30である、前記(21)から(23)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物の分離抑制剤。
(25)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルが、ポリオキシエチレン(5)べへニルエーテル及び/又はポリオキシエチレン(10)べへニルエーテルである、前記(21)から(24)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物の分離抑制剤。
(26)グリセリン脂肪族エーテルが、モノ脂肪族グリセリンエーテルである、前記(21)から(25)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物の分離抑制剤。
(27)グリセリン脂肪族エーテルが、α‐モノイソステアリルグリセリルエーテルである、前記(21)から(26)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物の分離抑制剤。
(28)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルがポリオキシエチレン(5)べへニルエーテル及び/又はポリオキシエチレン(10)べへニルエーテルであり、グリセリン脂肪族エーテルがα‐モノイソステアリルグリセリルエーテルである、前記(21)から(27)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物の分離抑制剤。
(29)2価アルコールが、平均分子量が600〜20000のポリアルキレングリコールである、前記(22)から(28)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物の分離抑制剤。
(30)2価アルコールが、ポリエチレングリコールである、前記(22)から(29)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物の分離抑制剤。
(31)油中水型乳化組成物が、油分、及び水を含有する、前記(21)から(30)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物の分離抑制剤。
(32)油分が、炭化水素類、油脂類、脂肪酸類及び脂肪酸エステル類のみからなる群から選ばれる1種又は2種以上の油分である、前記(31)に記載の油中水型乳化組成物の分離抑制剤。
(33)油分が、炭化水素類である前記(31)又は(32)に記載の油中水型乳化組成物の分離抑制剤。
(34)油分の含有量が、油中水型乳化組成物全質量に対し、1〜50質量%である、前記(31)から(33)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物の分離抑制剤。
(35)水の含有量が、油中水型乳化組成物全質量に対し、5〜80質量%である、前記(31)から(34)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物の分離抑制剤。
(36)油中水型乳化組成物が、さらに添加成分を含有する、前記(31)から(35)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物の分離抑制剤。
(37)添加成分が、乳化剤、安定化剤、及び保存剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の成分である、前記(36)に記載の油中水型乳化組成物の分離抑制剤。
(38)油中水型乳化組成物が、さらに薬理活性成分を含有する、前記(31)から(37)のいずれか1項に記載の油中水型乳化組成物の分離抑制剤。
(39)薬理活性成分が、保湿剤、ビタミンE類、及び抗炎症剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の薬理活性成分である、前記(38)に記載の油中水型乳化組成物の分離抑制剤。
(40)薬理活性成分が、保湿剤である、前記(38)又は(39)に記載の油中水型乳化組成物の分離抑制剤。
【0016】
(41)油中水型乳化組成物の分離抑制剤としての、次の:
成分(A):ポリオキシアルキレン脂肪族エーテル;及び、
成分(B):グリセリン脂肪族エーテル;
の使用。
(42)油中水型乳化組成物の分離抑制剤としての、次の:
成分(A):ポリオキシアルキレン脂肪族エーテル;
成分(B):グリセリン脂肪族エーテル;及び、
成分(C):2価アルコール;
の使用。
(43)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルが、ポリオキシエチレン脂肪族エーテルである、前記(41)又は(42)に記載の使用。
(44)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルのオキシアルキレンの繰り返し単位数が、2〜30である、前記(41)から(43)のいずれか1項に記載の使用。
(45)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルが、ポリオキシエチレン(5)べへニルエーテル及び/又はポリオキシエチレン(10)べへニルエーテルである、前記(41)から(44)のいずれか1項に記載の使用。
(46)グリセリン脂肪族エーテルが、モノ脂肪族グリセリンエーテルである、前記(41)から(45)のいずれか1項に記載の使用。
(47)グリセリン脂肪族エーテルが、α−モノイソステアリルグリセリルエーテルである、前記(41)から(46)のいずれか1項に記載の使用。
(48)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルがポリオキシエチレン(5)べへニルエーテル及び/又はポリオキシエチレン(10)べへニルエーテルであり、グリセリン脂肪族エーテルがα‐モノイソステアリルグリセリルエーテルである、前記(41)から(47)のいずれか1項に記載の使用。
(49)2価アルコールが、平均分子量が600〜20000のポリアルキレングリコールである、前記(42)から(48)のいずれか1項に記載の使用。
(50)2価アルコールが、ポリエチレングリコールである、前記(42)から(49)のいずれか1項に記載の使用。
(51)油中水型乳化組成物が、油分、及び水を含有する、前記(41)から(50)のいずれか1項に記載の使用。
(52)油分が、炭化水素類、油脂類、脂肪酸類及び脂肪酸エステル類のみからなる群から選ばれる1種又は2種以上の油分である、前記(51)に記載の使用。
(53)油分が、炭化水素類である前記(51)又は(52)に記載の使用。
(54)油分の含有量が、油中水型乳化組成物全質量に対し、1〜50質量%である、前記(51)から(53)のいずれか1項に記載の使用。
(55)水の含有量が、油中水型乳化組成物全質量に対し、5〜80質量%である、前記(51)から(54)のいずれか1項に記載の使用。
(56)油中水型乳化組成物が、さらに添加成分を含有する、前記(51)から(55)のいずれか1項に記載の使用。
(57)添加成分が、乳化剤、安定化剤、及び保存剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の成分である、前記(56)に記載の使用。
(58)油中水型乳化組成物が、さらに薬理活性成分を含有する、前記(51)から(57)のいずれか1項に記載の使用。
(59)薬理活性成分が、保湿剤、ビタミンE類、及び抗炎症剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の薬理活性成分である、前記(58)に記載の使用。
(60)薬理活性成分が、保湿剤である、前記(58)又は(59)に記載の使用。
【0017】
(61)油中水型乳化組成物に、有効量の
(A)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテル;及び、
(B)グリセリン脂肪族エーテル;
を配合することを特徴とする、油中水型乳化組成物の分離を抑制する方法。
(62)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルを油中水型乳化組成物全質量に対して、0.01〜10質量%を配合し、グリセリン脂肪族エーテルを油中水型乳化組成物全質量に対して、0.01〜10質量%を配合する、前記(61)に記載の方法。
(63)油中水型乳化組成物に、有効量の
(A)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテル;
(B)グリセリン脂肪族エーテル;及び、
(C)2価アルコール;
を配合することを特徴とする、油中水型乳化組成物の分離を抑制する方法。
(64)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルを油中水型乳化組成物全質量に対して、0.01〜10質量%を配合し、グリセリン脂肪族エーテルを油中水型乳化組成物全質量に対して、0.01〜10質量%を配合し、2価アルコールを油中水型乳化組成物全質量に対して、0.01〜30質量%を配合する、前記(63)に記載の方法。
(65)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルが、ポリオキシエチレン脂肪族エーテルである、前記(61)から(64)のいずれか1項に記載の方法。
(66)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルのオキシアルキレンの繰り返し単位数が、2〜30である、前記(61)から(65)のいずれか1項に記載の方法。
(67)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルが、ポリオキシエチレン(5)べへニルエーテル及び/又はポリオキシエチレン(10)べへニルエーテルである、前記(61)から(66)のいずれか1項に記載の方法。
(68)グリセリン脂肪族エーテルが、モノ脂肪族グリセリンエーテルである、前記(61)から(67)のいずれか1項に記載の方法。
(69)グリセリン脂肪族エーテルが、α−モノイソステアリルグリセリルエーテルである、前記(61)から(68)のいずれか1項に記載の方法。
(70)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルがポリオキシエチレン(5)べへニルエーテル及び/又はポリオキシエチレン(10)べへニルエーテルであり、グリセリン脂肪族エーテルがα‐モノイソステアリルグリセリルエーテルである、前記(61)から(69)のいずれか1項に記載の方法。
(71)2価アルコールが、平均分子量が600〜20000のポリアルキレングリコールである、前記(63)から(70)のいずれか1項に記載の方法。
(72)2価アルコールが、ポリエチレングリコールである、前記(63)から(71)のいずれか1項に記載の方法
(73)油中水型乳化組成物が、油分、及び水を含有する、前記(61)から(72)のいずれか1項に記載の方法。
(74)油分が、炭化水素類、油脂類、脂肪酸類及び脂肪酸エステル類のみからなる群から選ばれる1種又は2種以上の油分である、前記(73)に記載の方法。
(75)油分が、炭化水素類である前記(73)又は(74)に記載の方法。
(76)油分の含有量が、油中水型乳化組成物全質量に対し、1〜50質量%である、前記(73)から(75)のいずれか1項に記載の方法。
(77)水の含有量が、油中水型乳化組成物全質量に対し、5〜80質量%である、前記(73)から(76)のいずれか1項に記載の方法。
(78)油中水型乳化組成物が、さらに添加成分を含有する、前記(73)から(77)のいずれか1項に記載の方法。
(79)添加成分が、乳化剤、安定化剤、及び保存剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の成分である、前記(78)に記載の方法。
(80)油中水型乳化組成物が、さらに薬理活性成分を含有する、前記(73)から(79)のいずれか1項に記載の方法。
(81)薬理活性成分が、保湿剤、ビタミンE類、及び抗炎症剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の薬理活性成分である、前記(80)に記載の方法。
(82)薬理活性成分が、保湿剤である、前記(80)又は(81)に記載の方法。
【0018】
(83)次の:
(A)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテル;及び、
(B)グリセリン脂肪族エーテル;
を配合する工程を含む、油中水型乳化組成物の製造方法。
(84)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルを油中水型乳化組成物全質量に対して、0.01〜10質量%を配合し、グリセリン脂肪族エーテルを油中水型乳化組成物全質量に対して、0.01〜10質量%を配合する、前記(83)に記載の方法。
(85)次の:
(A)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテル;
(B)グリセリン脂肪族エーテル;及び、
(C)2価アルコール;
を配合する工程を含む、油中水型乳化組成物の製造方法。
(86)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルを油中水型乳化組成物全質量に対して、0.01〜10質量%を配合し、グリセリン脂肪族エーテルを油中水型乳化組成物全質量に対して、0.01〜10質量%を配合し、2価アルコールを油中水型乳化組成物全質量に対して、0.01〜30質量%を配合する、前記(85)に記載の方法。
(87)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルが、ポリオキシエチレン脂肪族エーテルである、前記(83)から(86)のいずれか1項に記載の方法。
(88)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルのオキシアルキレンの繰り返し単位数が、2〜30である、前記(83)から(87)のいずれか1項に記載の方法。
(89)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルが、ポリオキシエチレン(5)べへニルエーテル及び/又はポリオキシエチレン(10)べへニルエーテルである、前記(83)から(88)のいずれか1項に記載の方法。
(90)グリセリン脂肪族エーテルが、モノ脂肪族グリセリンエーテルである、前記(83)から(89)のいずれか1項に記載の方法。
(91)グリセリン脂肪族エーテルが、α‐モノイソステアリルグリセリルエーテルである、前記(83)から(90)のいずれか1項に記載の方法。
(92)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルがポリオキシエチレン(5)べへニルエーテル及び/又はポリオキシエチレン(10)べへニルエーテルであり、グリセリン脂肪族エーテルがα‐モノイソステアリルグリセリルエーテルである、前記(83)から(91)のいずれか1項に記載の方法。
(93)2価アルコールが、平均分子量が600〜20000のポリアルキレングリコールである、前記(85)から(92)のいずれか1項に記載の方法。
(94)2価アルコールが、ポリエチレングリコールである、前記(85)から(93)のいずれか1項に記載の方法
(95)油中水型乳化組成物が、油分、及び水を含有する、前記(83)から(94)のいずれか1項に記載の方法。
(96)油分が、炭化水素類、油脂類、脂肪酸類及び脂肪酸エステル類のみからなる群から選ばれる1種又は2種以上の油分である、前記(95)に記載の方法。
(97)油分が、炭化水素類である前記(95)又は(96)に記載の方法。
(98)油分の含有量が、油中水型乳化組成物全質量に対し、1〜50質量%である、前記(95)から(97)のいずれか1項に記載の方法。
(99)水の含有量が、油中水型乳化組成物全質量に対し、5〜80質量%である、前記(95)から(98)のいずれか1項に記載の方法。
(100)油中水型乳化組成物が、さらに添加成分を含有する、前記(95)から(99)のいずれか1項に記載の方法。
(101)添加成分が、乳化剤、安定化剤、及び保存剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の成分である、前記(100)に記載の方法。
(102)油中水型乳化組成物が、さらに薬理活性成分を含有する、前記(95)から(101)のいずれか1項に記載の方法。
(103)薬理活性成分が、保湿剤、ビタミンE類、及び抗炎症剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の薬理活性成分である、前記(102)に記載の方法。
(104)薬理活性成分が、保湿剤である、前記(102)又は(103)に記載の方法。
【0019】
(105)次の:
(A)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテル;
(B)グリセリン脂肪族エーテル;及び、
(D)薬理活性成分;
を含有する油中水型の皮膚外用剤。
(106)次の:
(A)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテル;
(B)グリセリン脂肪族エーテル;
(C)2価アルコール;及び、
(D)薬理活性成分;
を含有する油中水型の皮膚外用剤。
(107)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルが、ポリオキシエチレン脂肪族エーテルである、前記(105)又は(106)に記載の油中水型の皮膚外用剤。
(108)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルのオキシアルキレンの繰り返し単位数が、2〜30である、前記(105)から(107)のいずれか1項に記載の油中水型の皮膚外用剤。
(109)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルが、ポリオキシエチレン(5)べへニルエーテル及び/又はポリオキシエチレン(10)べへニルエーテルである、前記(105)から(108)のいずれか1項に記載の油中水型の皮膚外用剤。
(110)グリセリン脂肪族エーテルが、モノ脂肪族グリセリンエーテルである、前記(105)から(109)のいずれか1項に記載の油中水型の皮膚外用剤。
(111)グリセリン脂肪族エーテルが、α−モノイソステアリルグリセリルエーテルである、前記(105)から(110)のいずれか1項に記載の油中水型の皮膚外用剤。
(112)ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルがポリオキシエチレン(5)べへニルエーテル及び/又はポリオキシエチレン(10)べへニルエーテルであり、グリセリン脂肪族エーテルがα‐モノイソステアリルグリセリルエーテルである、前記(105)から(111)のいずれか1項に記載の油中水型の皮膚外用剤。
(113)2価アルコールが、平均分子量が600〜20000のポリアルキレングリコールである、前記(106)から(112)のいずれか1項に記載の油中水型の皮膚外用剤。
(114)2価アルコールが、ポリエチレングリコールである、前記(106)から(113)のいずれか1項に記載の油中水型の皮膚外用剤。
【0020】
(115)油中水型乳化組成物が、油分、及び水を含有する、前記(105)から(114)のいずれか1項に記載の油中水型の皮膚外用剤。
(116)油分が、炭化水素類、油脂類、及び脂肪酸類のみからなる群から選ばれる1種又は2種以上の油分である、前記(115)に記載の油中水型の皮膚外用剤。
(117)油分が、炭化水素類である前記(115)又は(116)に記載の油中水型の皮膚外用剤。
(118)油分の含有量が、油中水型乳化組成物全質量に対し、1〜50質量%である、前記(115)から(117)のいずれか1項に記載の油中水型の皮膚外用剤。
(119)水の含有量が、油中水型乳化組成物全質量に対し、5〜80質量%である、前記(115)から(118)のいずれか1項に記載の油中水型の皮膚外用剤。
(120)油中水型乳化組成物が、さらに添加成分を含有する、前記(115)から(119)のいずれか1項に記載の油中水型の皮膚外用剤。
(121)添加成分が、乳化剤、安定化剤、及び保存剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の成分である、前記(120)に記載の油中水型の皮膚外用剤。
(122)薬理活性成分が、保湿剤、ビタミンE類、及び抗炎症剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の薬理活性成分である、前記(105)から(121)のいずれか1項に記載の油中水型の皮膚外用剤。
(123)薬理活性成分が、保湿剤である、前記(122)に記載の油中水型の皮膚外用剤。
(124)皮膚外用剤の剤形が、クリーム剤、又はローション剤である、前記(105)から(123)のいずれか1項に記載の油中水型の皮膚外用剤。
(125)皮膚外用剤が、皮膚炎及び/又は乾燥性皮膚疾患の皮膚疾患治療用の皮膚外用剤である、前記(105)から(124)のいずれか1項に記載の油中水型の皮膚外用剤。
(126)皮膚外用剤が、保湿用化粧品である、前記(105)から(124)のいずれか1項に記載の油中水型の皮膚外用剤。
次に、本発明の各成分について説明する。
【0021】
<成分(A)>
本発明において、「ポリオキシアルキレン脂肪族エーテル」は、脂肪族アルコールとポリオキシアルキレン(2以上の同一又は異なるオキシアルキレン基がエーテル結合により連なったもの)とがエーテルを形成したものを意味し、具体的には例えば、下記一般式(1)
R
1−O−(R
2−O)n−H (1)
(但し、R
1は脂肪族基、R
2はアルキレン基を示し、複数のR
2はそれぞれ同一でも異なってもよく、さらにnはポリオキシアルキレンの繰り返し単位数を示す2以上の正の整数である。)
で示されるものが挙げられる。
【0022】
ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルにおける脂肪族基は特に限定されず、直鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の脂肪族基が挙げられ、分離抑制作用の観点から、飽和脂肪族基が好ましく、直鎖の飽和脂肪族基がより好ましい。また、その炭素数は特に限定されないが、分離抑制作用の観点から、12〜30が好ましく、14〜28がより好ましく、16〜26が特に好ましい。このような脂肪族基としては、具体的には例えば、ラウリル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、パルミチル基、パルミトレイル基、マルガリル基、ステアリル基、オレイル基、リノリル基、リノレニル基、エレオステアリル基、ベへニル基、ヘキサコシル基等が挙げられる。
本発明において、ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルにおける脂肪族基としては、分離抑制作用の観点から、炭素数12〜30の飽和脂肪族基が好ましく、炭素数16〜26の直鎖の飽和脂肪族基がより好ましく、べへニル基が特に好ましい。
【0023】
ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルにおける、繰り返し単位を形成するオキシアルキレン基は特に限定されず、直鎖又は分岐鎖のアルキレン基が挙げられる。また、その炭素数は特に限定されないが、分離抑制作用の観点から、2〜6が好ましく、2〜4がより好ましく、2〜3が特に好ましい。このようなオキシアルキレン基としては、具体的には例えば、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシペンチレン基などが挙げられる。
ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルにおける、オキシアルキレン基の繰り返し単位数は2以上の正の整数であれば特に限定されないが、分離抑制作用の観点から、2〜30が好ましく、2〜20がより好ましく、3〜10がさらに好ましく、4〜8が特に好ましい。なお、繰り返しを形成する複数のオキシアルキレン基は互いに同一でも異なっていてもよい。具体的には例えばポリオキシエチレン基のようにオキシエチレンのみで繰り返しを形成してもよいし、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンのように異なる複数種のオキシエチレン基で繰り返しを形成してもよい。
【0024】
また、本発明においてポリオキシアルキレン脂肪族エーテルは、分離抑制作用の観点から、グリフィンの式により求められるHLBの値が2〜20であるのが好ましく、4〜15であるのがより好ましく、6〜10であるのが特に好ましい。
【0025】
本発明においてポリオキシアルキレン脂肪族エーテルとしては、例えば以下のもの(なお、本明細書においてポリオキシアルキレンの後ろに付した数字は当該ポリオキシアルキレンの繰り返し単位数を示す。):
ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(6)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(7)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ベへニルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ベへニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン(1)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(1)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(12)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが挙げられる。
本発明においては、分離抑制作用の観点から、ポリオキシエチレン飽和脂肪族エーテルが好ましく、ポリオキシエチレン(2〜50)C12〜30飽和脂肪族エーテルがより好ましく、ポリオキシエチレン(4〜30)C16〜26直鎖飽和脂肪族エーテルがより好ましく、ポリオキシエチレン(5〜10)べへニルエーテルが特に好ましい。
【0026】
本発明において、ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルとしては、市販品を用いてもよい。このような市販品としては例えば、NIKKOL BL−2、NIKKOL BC−2、NIKKOL BC−5.5、NIKKOL BS−2、NIKKOL BS−4、NIKKOL BO−2V、NIKKOL BO−7V、NIKKOL BB−5、NIKKOL BB−10、NIKKOL BD−4、NIKKOL BT−3、NIKKOL BT−5、NIKKOL PBC−31、NIKKOL PBC−33、NIKKOL PBC−41、NIKKOL PEN−4612、NIKKOL PEN−4620(以上、日本サーファクタント工業(株))などが挙げられる。
【0027】
本発明の油中水型乳化組成物において、ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルの含有量は特に制限されないが、分離抑制作用の観点から、本発明の油中水型乳化組成物全質量に対し、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜7質量%がより好ましく、0.1〜4質量%が特に好ましい。
【0028】
<成分(B)>
本発明において、「グリセリン脂肪族エーテル」は、脂肪族アルコールとグリセリンとがエーテルを形成したものを意味する。本発明において、グリセリンとエーテルを形成するアルコールの数は特に限定されず、モノエーテルでもジエーテルでもトリエーテルでも良く、また、複数のエーテルを形成する場合は各々の脂肪族アルコールは同一でも異なっていても良い。本発明においては、モノエーテルが好ましい。
グリセリン脂肪族エーテルにおける脂肪族基は特に限定されず、直鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の脂肪族基が挙げられ、直鎖若しくは分岐鎖の飽和脂肪族基が好ましい。また、その炭素数は特に限定されないが、分離抑制作用の観点から、12〜20が好ましく、14〜20がより好ましく、16〜18が特に好ましい。このような脂肪族基としては、具体的には例えば、セチル基、オレイル基、ステアリル基、イソステアリル基などが挙げられ、イソステアリル基が好ましい。
本発明において、好ましいグリセリン脂肪族エーテルとしては、モノセチルグリセリルエーテル、モノオレイルグリセリルエーテル、モノステアリルグリセリルエーテル、モノイソステアリルグリセリルエーテル等のグリセリンモノ脂肪族エーテルが挙げられ、より好ましくはα‐モノ脂肪族グリセリンエーテルが挙げられ、分離抑制作用の観点から、α-モノイソステアリルグリセリルエーテルが特に好ましい。
【0029】
また、本発明においてグリセリン脂肪族エーテルは、分離抑制作用の観点から、グリフィンの式により求められるHLBの値が10以下、好ましくは5以下であるのが好ましく、1〜10であるのがより好ましく、1〜7であるのがさらに好ましく、1〜4であるのが特に好ましい。
【0030】
本発明においてグリセリン脂肪族エーテルとしては、市販品を用いてもよい。このような市販品としては例えば、NIKKOLキミルアルコール100、NIKKOLセラキルアルコール、NIKKOLバチルアルコール100(以上、日本サーファクタント工業(株))、ペネトールGE−IS(花王(株))などが挙げられる。
【0031】
本発明の油中水型乳化組成物において、グリセリン脂肪族エーテルの含有量は特に制限されないが、分離抑制作用の観点から、本発明の油中水型乳化組成物全質量に対し、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜6質量%がより好ましく、0.1〜3質量%が特に好ましい。
また、本発明の油中水型乳化組成物において、ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルとグリセリン脂肪族エーテルの含有質量比率は特に制限されないが、分離抑制作用の観点から、ポリオキシアルキレン脂肪族エーテル1質量部に対して、グリセリン脂肪族エーテルを0.01〜15質量部が好ましく、0.05〜10質量部がより好ましく、0.1〜5質量部が特に好ましい。
【0032】
<成分(C)>
本発明の油中水型乳化組成物においては、分離抑制作用の観点から、さらに成分(C):2価アルコールを含有するのが好ましい。後記実施例2〜5に具体的に記載の通り、ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルとグリセリン脂肪族エーテルに加えて2価アルコールを組み合わせることにより、油中水型乳化組成物の経時的な分離抑制作用が向上する。
本発明において、「2価アルコール」とは、アルコール性水酸基を2つ有するものを意味する。2価アルコールとしては、具体的には例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の低級アルコール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等の炭素数2〜6、好ましくは2〜4のアルキレン基を有するポリアルキレングリコールを挙げることができ、これらを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。また、2価アルコールの性状としては、分離抑制作用の観点から、室温において半固形状乃至固形状のものが好ましく、室温において固形状のものがより好ましい。さらに、ポリアルキレングリコールの平均分子量としては、600〜20000、好ましくは1000〜15000、より好ましく2000〜10000が挙げられる。
【0033】
ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールは特に限定されず、ポリエチレングリコールとして、例えば、マクロゴール100、マクロゴール200、マクロゴール300、マクロゴール400、マクロゴール600、マクロゴール1000、マクロゴール1500、マクロゴール1540、マクロゴール4000、マクロゴール6000、マクロゴール20000、マクロゴール35000等を使用でき、ポリプロピレングリコールとして、例えば、ポリプロピレングリコール2000等を使用できる。
【0034】
また、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールも特に限定されず、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとして、例えば、ポリオキシエチレン(3)ポリオキシプロピレン(17)グリコール、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(20)グリコール、ポリオキシエチレン(42)ポリオキシプロピレン(67)グリコール、ポリオキシエチレン(54)ポリオキシプロピレン(39)グリコール、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(120)ポリオキシプロピレン(40)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール、ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレン(70)グリコール等を使用できる。
【0035】
本発明において、2価アルコールとしては、分離抑制作用の観点から、ポリエチレングリコールが好ましく、平均分子量が600〜20000のポリエチレングリコールがより好ましく、平均分子量が1000〜15000のポリエチレングリコールがさらに好ましく、平均分子量が2000〜10000のポリエチレングリコールが特に好ましい。なお、ポリエチレングリコールの平均分子量は、無水フタル酸と水酸化ナトリウム液を用いた逆滴定(第十六改正日本薬局方 医薬品各条「マクロゴール400」の項に示された平均分子量試験)により測定することができる。
【0036】
本発明の油中水型乳化組成物において、2価アルコールの含有量は特に制限されないが、分離抑制作用の観点から、本発明の油中水型乳化組成物全質量に対し、0.01〜30質量%が好ましく、0.05〜20質量%がより好ましく、0.1〜10質量%が特に好ましい。
また、本発明の油中水型乳化組成物において、ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルと2価アルコールの含有質量比率は特に制限されないが、分離抑制作用の観点から、ポリオキシアルキレン脂肪族エーテル1質量部に対して、2価アルコールを0.01〜15質量部が好ましく、0.05〜10質量部がより好ましく、0.1〜5質量部が特に好ましい。
【0037】
<油中水型乳化組成物>
本発明において、「油中水型乳化組成物」とは、連続相(外相)が油相である乳化剤形の総称を意味し、油中水中油型乳化組成物等の複合乳化剤形であっても、連続相として油相が存在する限り、本発明の「油中水型乳化組成物」に包含される。
【0038】
本発明の油中水型乳化組成物に配合される成分(A)、(B)、(C)以外の他の成分としては、油分、水等が挙げられる。
【0039】
油分としては、医薬品、医薬部外品、化粧品等の分野において通常用いられる油性成分であれば特に限定されず、例えば、スクワラン、流動パラフィン、ワセリン等の炭化水素類;サラシミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ラノリン等のロウ類;大豆油、ハードファット、ヒマシ油、オリーブ油、トリアシルグリセロール等の油脂類;セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、コレステロール等のアルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類;2−エチルヘキサン酸セチル、イソステアリン酸ヘキサデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル等の脂肪酸エステル類;セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル等の多塩基酸エステル類;メチルポリシロキサン等のシリコーン油;パルミチン酸レチノール、酢酸トコフェロール等のビタミン誘導体類;等が挙げられる。この中でも、炭化水素類、ロウ類、油脂類、脂肪酸類、及び脂肪酸エステル類からなる群から選ばれる1種又は2種以上の油分が好ましく、炭化水素類、油脂類、脂肪酸類及び脂肪酸エステル類からなる群から選ばれる1種又は2種以上の油分が好ましい。さらに好ましい油分としては、スクワラン、流動パラフィン、ワセリン等の炭化水素類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル等の脂肪酸エステル類が挙げられる。
油分の含有量は特に制限されないが、本発明の油中水型乳化組成物全質量に対し、1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。
【0040】
水の含有量は特に制限されないが、本発明の油中水型乳化組成物全質量に対し、5〜80質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましく、20〜60質量%が特に好ましい。
【0041】
本発明の油中水型乳化組成物は、必要に応じてさらに種々の成分を単独で又は2種以上組み合わせて配合してもよい。このような成分としては、医薬品、医薬部外品、化粧品等の分野において一般的に用いられる成分であれば特に制限されず、例えば乳化剤、安定化剤、保存剤、基剤等が挙げられる。
【0042】
乳化剤としては、例えば、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド脂肪酸エステル等のエステル類などの非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0043】
安定化剤としては、硫酸マグネシウム等が挙げられる。
保存剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。
また、基剤としては、濃グリセリン等が挙げられる。
【0044】
本発明の油中水型乳化組成物の稠度は特に限定されず、例えば1〜70gf程度であってもよいが、1〜50gfであるのが好ましく、3〜30gfであるのがより好ましく、3〜20gfであるのがさらに好ましく、5〜20gfであるのが特に好ましい。ここで稠度は、25℃にて直径1cmの金属球を300mm/分の速度で1cm進入させた際の応力(gf)の最大値を表し、小型卓上試験機(EZ TEST:(株)島津製作所製)にて測定できる。
【0045】
本発明の油中水型乳化組成物は、使用目的に応じてクリーム剤、ローション剤などの皮膚外用剤等の剤形とすることができる。本発明においては、しっとり感等の使用感の観点から、クリーム剤が好ましい。
【0046】
本発明の油中水型乳化組成物は、成分(A)〜(B)を必須成分とし、必要に応じて成分(C)、さらには他の成分を適宜配合し、公知の方法にて製造することができる。例えば、成分(A)、(B)、(C)及び他の成分をその溶解性等に応じて水相又は油相に溶解・懸濁等させ、得られた水相と油相とを混合し、乳化することにより製造することができる。
【0047】
本発明の油中水型乳化組成物は、さらに薬理活性成分を配合することにより、医薬品、医薬部外品、化粧品分野等において皮膚外用剤等として、特に皮膚炎や乾燥性皮膚疾患等の皮膚疾患治療用の皮膚外用剤や、保湿用化粧品等として用いることができる。
薬理活性成分としては、特に限定されないが、具体的には例えば、d−カンフル、dl−カンフル、ハッカ油、dl−メントール、l−メントール、d−ボルネオール、アルニカチンキ、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸及びその塩類等の抗炎症剤;コルチゾン酢酸エステル、デキサメタゾン酢酸エステル、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン酢酸エステル、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン酢酸エステル、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン酪酸エステル、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル等の副腎皮質ホルモン;ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン塩酸塩、クロルフェニラミン、クロルフェニラミンマレイン酸塩、イソチペンジル塩酸塩等の抗ヒスタミン剤;アミノ安息香酸エチル、オキシポリエトキシドデカン、ジブカイン、ジブカイン塩酸塩、リドカイン、リドカイン塩酸塩等の局所麻酔剤;クロタミトン等の鎮痒剤;尿素、乳酸、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸塩、アミノ酸(グリシン、アラニン等)、酸性ムコ多糖類(ヒアルロン酸、ヘパリン類似物質等)、糖アルコール(ソルビトール、トレハロース等)等の保湿剤;レチノールパルミチン酸エステル等のビタミンA類;トコフェロール酢酸エステル、トコフェロール等のビタミンE類;パンテノール、アラントイン等の創傷治癒剤;サリチル酸グリコール、サリチル酸メチル等の角質軟化剤;イソプロピルメチルフェノール、ベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物等の殺菌剤;カラミン、酸化亜鉛等の収れん・保護剤;4−メトキシサリチル酸カリウム、t−AMCHA、アルブチン、エラグ酸、カミツレ、コウジ酸、トラネキサム酸、ビタミンC誘導体、プラセンタエキス、マグリノリグナン、リノール酸、ルシノール等の美白剤;などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0048】
本発明の分離抑制剤は、ポリオキシアルキレン脂肪族エーテル及びグリセリン脂肪族エーテル(好適には、さらに2価アルコール)を有効成分とするものであり、これらの成分をそのまま用いることもできるが、一般的に用いられる他の成分を含んでいてもよい。
また、本発明の分離抑制剤は、ポリオキシアルキレン脂肪族エーテル及びグリセリン脂肪族エーテルのみからなる油中水型乳化組成物の分離を抑制するための組成物、好ましくはポリオキシアルキレン脂肪族エーテル;グリセリン脂肪族エーテル;及び2価アルコールのみからなる油中水型乳化組成物の分離を抑制するための組成物としてもよい。さらに、これらの組成物は、必要に応じて、油中水型乳化組成物に許容される担体、たとえば、前記した乳化剤、安定化剤、保存剤等の添加成分を含有することができる。
さらに、本発明の使用は、前記した成分(A)及び成分(B)、好ましくは成分(A)、成分(B)及び成分(C)の油中水型乳化組成物の分離抑制剤としての使用に関する。
【0049】
本発明の油中水型乳化組成物の製造方法、及び本発明の油中水型乳化組成物の分離抑制方法は、油中水型乳化組成物の製造工程においてポリオキシアルキレン脂肪族エーテル及びグリセリン脂肪族エーテル(好適には、さらに2価アルコール)を添加する工程を含むものであり、その添加する対象(水相・油相の別)、添加するタイミング(乳化の前後)は特に限定されない。
【0050】
なお、本発明の分離抑制剤、分離抑制剤としての使用、油中水型乳化組成物の製造方法、及び油中水型乳化組成物の分離を抑制する方法における、各文言の意義、各成分の使用量、添加方法等は上記の油中水型乳化組成物の場合と同様である。
【実施例】
【0051】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0052】
[試験例1]
以下の実施例1、2及び比較例1〜4の油中水型のクリーム剤を調製し、調製直後の稠度、及び高温・長期間保存後の分離の有無を以下の通り評価した。
<稠度>
稠度は、小型卓上試験機(EZ TEST:(株)島津製作所製)を用いて、25℃にて直径1cmの金属球を300mm/分の速度で、各クリーム剤に1cm進入させた際の応力(gf)の最大値として測定した。
<分離の有無>
分離の有無は、各クリーム剤をガラス瓶(2K瓶)に充填し、製造直後並びに60℃で1日及び1週間保存した後の分離の有無を目視により評価した。分離が認められなかったものを○、分離が生じたものを×とした。
【0053】
[実施例1]
ポリオキシエチレン(5)べへニルエーテル(NIKKOL BB−5:日本サーファクタント工業(株)製)6.0g、α‐モノイソステアリルグリセリルエーテル(ペネトールGE−IS:花王(株)製)6.0g、グリチルレチン酸0.9g、トコフェロール酢酸エステル1.5g及びスクワラン39.0gを60℃以上で混合・懸濁させて油相を得た。
別途、尿素60.0g、アルニカチンキ0.6g、濃グリセリン30.0g、硫酸マグネシウム水和物0.6g、パラオキシ安息香酸メチル0.06g及びパラオキシ安息香酸プロピル0.09gを、クリーム剤全量が300gとなる量の精製水に60℃以上で溶解させて水相を得た。
油相と水相を混合し、少量真空乳化分散機(アヂホモミクサー)にて乳化混合し、全量300gの油中水型のクリーム剤を得た。
【0054】
[実施例2]
水相にさらにマクロゴール6000(マクロゴール6000:日油(株))21.0gを追加配合したほかは実施例1と同様の方法により、全量300gの実施例2のクリーム剤を製造した。
【0055】
[比較例1]
α‐モノイソステアリルグリセリルエーテルを無配合としたほかは実施例2と同様の方法により、比較例1のクリーム剤の製造を試みたが、乳化できず製造することが出来なかった。
[比較例2]
ポリオキシエチレン(5)べへニルエーテルを無配合としたほかは実施例2と同様の方法により、全量300gの比較例2のクリーム剤を製造した。
[比較例3]
ポリオキシエチレン(5)べへニルエーテルの代わりに、増粘剤として汎用されるサラシミツロウ18.0gを配合したほかは実施例1と同様の方法により、全量300gの比較例3のクリーム剤を製造した。
[比較例4]
ポリオキシエチレン(5)べへニルエーテルの代わりに、増粘剤として汎用されるサラシミツロウ24.0gを配合したほかは実施例1と同様の方法により、全量300gの比較例4のクリーム剤を製造した。
【0056】
結果を各例の処方(成分名及びクリーム剤100g当たりの配合量(g))とともに表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
表1に示すように、ポリオキシエチレン(5)べへニルエーテルのみ含有する比較例1のクリーム剤、α‐モノイソステアリルグリセリルエーテルのみ含有する比較例2のクリーム剤においては分離が生じたにも拘わらず、ポリオキシエチレン(5)べへニルエーテルとα‐モノイソステアリルグリセリルエーテルとを組合わせて含有する実施例1のクリーム剤、及びさらにマクロゴール6000を含有する実施例2のクリーム剤においては60℃で1週間保存後も分離が抑制されていた。
なお、実施例1、2のクリーム剤は、増粘剤により外相の粘性を向上させた比較例3、4のクリーム剤に比べて稠度が著しく低いにも拘わらず、これらと比較して長期間分離が抑制されていた。このことから、実施例1、2のクリーム剤における経時的な分離抑制は、単なる粘性の向上に基づくものではなく、ポリオキシエチレン(5)べへニルエーテルに代表されるポリオキシエチレン脂肪族エーテルと、α‐モノイソステアリルグリセリルエーテルに代表されるグリセリン脂肪酸エーテルとを組合わせて配合したことに基づくものであることが明らかとなった。
【0059】
さらに、実施例1及び実施例2のクリーム剤を皮膚に塗布したところ、べたつきが無く、また、油中水型乳化組成物に特有のしっとり感を有し、使用感が良好であった。
【0060】
以上の試験結果から、成分(A):ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルと成分(B):グリセリン脂肪族エーテルを含有する油中水型乳化組成物は、経時的な分離が抑制された乳化安定性に優れるものであることが明らかとなった。
【0061】
[試験例2]
実施例2に加え、以下の実施例3〜5の油中水型のクリーム剤を調製し、高温・長期間保存後の分離の有無を以下の通り評価した。
<分離の有無>
分離の有無は、各クリーム剤をガラス瓶(2K瓶)に充填し、製造直後及び60℃で1日、1週間及び1ヶ月間保存した後の分離の有無を目視により評価した。分離が認められなかったものを○、分離が生じたものを×とした。
【0062】
[実施例3]
マクロゴール6000の配合量を3.0gとしたほかは実施例2と同様の方法により、全量300gの実施例3のクリーム剤を製造した。
[実施例4]
マクロゴール6000の配合量を9.0gとしたほかは実施例2と同様の方法により、全量300gの実施例4のクリーム剤を製造した。
[実施例5]
マクロゴール6000の配合量を15.0gとしたほかは実施例2と同様の方法により、全量300gの実施例5のクリーム剤を製造した。
【0063】
結果を各例の処方(成分名及びクリーム剤100g当たりの配合量(g))とともに表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】
表2に示すように、ポリオキシエチレン(5)べへニルエーテルとα‐モノイソステアリルグリセリルエーテルに加えてさらにマクロゴール6000を含有する実施例2〜5のクリーム剤においては、1ヶ月もの長期間、分離が抑制されていた。
【0066】
なお、ポリエチレングリコールは水溶性高分子であって水相(水滴:分散質)に溶解するものであるから、これによる分離抑制は外相の増粘に基づくものではなく、ポリエチレングリコールに代表される2価アルコールの配合に基づくものであることが推察された。
【0067】
以上の試験結果から、成分(A):ポリオキシアルキレン脂肪族エーテルと成分(B):グリセリン脂肪族エーテルを含有する油中水型乳化組成物に、さらに成分(C):2価アルコールを配合することにより、さらに長期間、経時的な分離を抑制させることができることが明らかとなった。
【0068】
[試験例3]
以下の実施例6及び7の油中水型のクリーム剤を調製し、高温・長期間保存後の分離の有無を試験例1と同様の方法により評価した。
[実施例6]
ポリオキシエチレン(5)ベヘニルエーテルの代わりにポリオキシエチレン(10)ベへニルエーテル(NIKKOL BB−10:日本サーファクタント工業(株)製)3.0gを配合したほかは実施例1と同様の方法により、全量300gの実施例6のクリーム剤を製造した。
[実施例7]
ポリオキシエチレン(10)べへニルエーテルの配合量を6.0gとしたほかは実施例6と同様の方法により、全量300gの実施例7のクリーム剤を製造した。
【0069】
結果を各例の処方(成分名及びクリーム剤100g当たりの配合量(g))とともに表3に示す。
【0070】
【表3】
【0071】
表3に示すように、ポリオキシエチレン(5)べへニルエーテルの代わりにポリオキシエチレン(10)べへニルエーテルを用いた場合も、同様に60℃で1週間保存後も分離が抑制されていた。
【0072】
製造例1〜5
常法により、100gあたり表4記載の成分及び分量(g)を含有する油中水型のクリーム剤を製造した。
【0073】
【表4】
【0074】
製造例6〜10
常法により、100gあたり表5記載の成分及び分量(g)を含有する油中水型のローション剤を製造した。
【0075】
【表5】
【0076】
製造例11
常法により、100gあたり以下の成分及び分量を含有する油中水型の皮膚外用剤(あれ、角化症、乾皮症、さめ肌等の症状の緩和・改善用の保湿クリーム剤)を製造した。
尿素 25.0g
グリチルレチン酸 0.3g
トコフェロール酢酸エステル 0.5g
アルニカチンキ 0.1g
スクワラン 15.0g
ポリオキシエチレン(10)べへニルエーテル 1.0g
α‐モノイソステアリルグリセリルエーテル 2.0g
濃グリセリン 10.0g
硫酸マグネシウム水和物 0.2g
パラオキシ安息香酸プロピル 0.03g
精製水 全量100g
【0077】
製造例12
常法により、100gあたり以下の成分及び分量を含有する油中水型の皮膚外用剤(湿疹、皮膚炎、かぶれ、虫さされ、かゆみ、あせも、じんましん等の治療薬)を製造した。
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル 1.5g
ポリオキシエチレン(5)べへニルエーテル 2.0g
α‐モノイソステアリルグリセリルエーテル 2.0g
スクワラン 10.0g
濃グリセリン 10.0g
硫酸マグネシウム水和物 0.2g
パラオキシ安息香酸メチル 0.02g
パラオキシ安息香酸プロピル 0.03g
精製水 全量100g
【0078】
製造例13
常法により、100gあたり以下の成分及び分量を含有する油中水型の皮膚外用剤(かゆみをともなう乾燥性皮フ(老人・成人の乾皮症)の緩和・改善用の保湿クリーム剤)を製造した。
尿素 20g
クロタミトン 5g
ジフェンヒドラミン 1g
グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.5g
酢酸トコフェロール 0.5g
スクワラン 15.0g
ポリオキシエチレン(6)セチルエーテル 2.0g
α‐モノイソステアリルグリセリルエーテル 2.0g
濃グリセリン 10.0g
硫酸マグネシウム水和物 0.2g
パラオキシ安息香酸メチル 0.02g
パラオキシ安息香酸プロピル 0.03g
精製水 全量100g
【0079】
なお、製造例1〜13の油中水型乳化組成物はいずれも乳化安定性が良好で、これを皮膚に塗布したところ、いずれもべたつきが無く、また、油中水型乳化組成物に特有のしっとり感を有し、使用感が良好であった。
【0080】
本発明によれば、経時的な分離が抑制され、かつ使用感の良好な油中水型乳化組成物を提供でき、医薬品産業、化粧品産業等において利用できる。