【文献】
Wine it!−ワインラベルからワインを検索。感動や想い出を記録出来るワインアプリ,ランキングとレビューから探せるiPhoneアプリ・iPadアプリ情報サイト −Appliv[アプリヴ] [online],2013年 8月18日,[検索日:2020.04.16], インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20130818003212/https://app-liv.jp/665760698/>
【文献】
気温・湿度・風などの気象と売れる商品の関係は?,Food Watch Japan [online],2013年10月12日,[検索日:2020.04.21], インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20131012012318/https://foodwatch.jp/strategy/tabledesk/35742/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
図1〜
図11を参照しながら、実施形態に係る情報処理システム1の機能および構成を説明する。情報処理システム1は、店舗で販売されるワインに関する情報を、その店舗を訪れたユーザに提示するコンピュータ・システムである。本明細書において、「店舗」は実店舗(現実世界に存在する、所定の物理的空間を有する店舗)と仮想店舗(インターネット上に存在する店舗。いわゆるオンライン・ショップ)との双方を含む概念である。店舗はワインのみを販売するものであってもよいし、ワイン以外の商品も販売するものであってもよい。「ユーザ」とは、店舗を訪れた人であり、その人はワインの潜在的な購入者であるということができる。店舗が実店舗であればユーザはその実店舗に足を運んだ人であり、店舗が仮想店舗であればユーザはその仮想店舗のウェブサイトを閲覧した人である。本実施形態では「店舗」は実店舗であり、ユーザはその実店舗を実際に訪れた人であるとする。
【0013】
図1に示すように、店舗2では複数種類のワインがワインタイプ別に陳列される。より具体的には、店舗2内の棚2aがワインタイプ別に区切られ、各ワインタイプの棚には、該ワインタイプに対応する少なくとも1種類(例えば2種類)のワインが並べられる。
【0014】
ワインタイプとは、店舗に存在する複数種類のワインの分類を示す情報である。ワインタイプは、白ワイン、赤ワイン、スパークリングワイン、ロゼワインなどの一般的なワインの大分類の下位に位置する概念(分類)である。本実施形態では、白ワインと赤ワインのそれぞれについて、ワインタイプは一つの基準軸に沿って複数個用意される。一般に、ワインの味わいの評価は、味そのものだけでなく、コク、香り、および産地などの様々な属性を反映した非常に複雑なものである。しかし本実施形態では、ユーザが店舗でのワイン選びでなるべく悩まずに済むように、白ワインおよび赤ワインのそれぞれについて、ワインタイプが一つの基準軸で表現される。基準軸とは、店舗でのワインの分類および陳列の双方を決めるための指針である。例えば、基準軸は、ワインの味わいに関する1以上の属性に基づいて設定される。基準軸の決め方は限定されない。例えば、白ワインが「コクの強さ」という一つの基準軸に沿って「すっきり」から「コクがある」までの間の複数のワインタイプに分類され、赤ワインが「重さ」という一つの基準軸に沿って「軽い」から「重い」までの間の複数のワインタイプに分類されてもよい。基準軸およびワインタイプは、例えば周知の官能表現チャートや専門家の知識などに基づいて設定される。例えば、白ワインの基準軸およびワインタイプが酸味および甘味のバランスに基づいて決められたり、赤ワインの基準軸およびワインタイプが酸味、甘味、および渋味に基づいて決められたりしてもよい。
【0015】
本実施形態では白ワインがW1,W2,W3,W4,W5という五つのワインタイプに分類され、赤ワインがR1,R2,R3,R4,R5という五つのワインタイプに分類されるものとする。しかし、ワインタイプの個数は任意に設定してよく、本実施形態に限定されるものではない。また、本実施形態ではワインタイプをW1〜W5およびR1〜R5という識別子で区別するが、この識別子は任意に定めてよい。
【0016】
図1に示すように、店舗2では棚2aにワインタイプの識別子が付されるので、訪問客はそのワインタイプを用意に確認でき、したがって、どのワインがどのワインタイプに属するかも容易に確認することができる。
【0017】
店舗2には1以上の端末10が設置される。この端末10は店舗2内でワイン選びに悩むユーザ3に、該ユーザ3の好みに合いそうなワインを提示するために用いられる。実店舗に置かれる端末10の例として、タブレット端末などの携帯端末と、据置型または携帯型のパーソナルコンピュータとが挙げられるが、端末10の具体的な種類は限定されない。
【0018】
様々な属性を持つワインを一つの基準軸に沿ったワインタイプに分類することで、ワインにそれほど詳しくないユーザ3でも簡単にワインを選ぶことが期待できる。しかしそれでも、店舗2内の数十種類のワインから好みのワインを見つけることに負担を感じるユーザ3も存在し得る。このようなユーザ3にとって、端末10は、自分の好みに合うワインを見つけるための支援ツールとなり得る。ユーザ3が端末10を操作して、該端末10上に表示される少なくとも一つの質問に回答すると、情報処理システム1はその回答に応じて、ユーザ3の好みに合いそうなワインタイプを特定し、そのワインタイプを端末10上に表示する。ユーザ3はその結果を参考にワインを選ぶことができ、例えば、端末10に表示されたワインタイプの棚2aからワインを選んで購入する。店舗2では棚2aがワインタイプ毎に区切られるので、ユーザ3は端末10に表示されたワインタイプを店舗2内で直ぐに見つけることができる。
【0019】
情報処理システム1の全体構成を
図2に示す。上記の処理を実現するために、情報処理システム1は1以上の店舗2内の1以上の端末10に加えて、サーバ20、およびデータベース群30を備える。これらの装置はインターネットやイントラネットなどの通信ネットワークNを通じて互いにデータを送受信することができる。通信ネットワークNの具体的な構成、すなわち装置間の具体的な接続の態様は何ら限定されない。本実施形態ではサーバ20が主たる処理を実行する。具体的には、サーバ20は、端末10から検索条件(質問への回答)を受信すると、データベース群30を参照してその検索条件に対応するワインタイプを判定し、そのワインタイプを含む検索結果を端末10に送信する。端末10はその検索結果を表示し、これによりユーザ3は潜在的に求めていたワインを特定することができる。
【0020】
サーバ20の詳細を説明する前にデータベース群30について説明する。データベース群30は、1以上のデータベースの集合である。「データベース」とは、プロセッサまたは外部のコンピュータからの任意のデータ操作(例えば、抽出、追加、削除、上書きなど)に対応できるようにデータ集合を記憶する機能要素(記憶部)である。データベースの実装方法は限定されず、例えばデータベース管理システムでもよいし、テキストファイルでもよい。本実施形態では、データベース群30は味覚値データベース31、ワイン−味覚データベース32、ワイン−料理データベース33、ワイン−キーワードデータベース34、ワイン分類データベース35、ワインデータベース36、およびコメントデータベース37を含む。
【0021】
味覚値データベース31は、個々の飲食物(摂取物)に対応する味覚値を示す味覚値情報を記憶する装置である。味覚値情報の各レコードは飲食物と、端末10で入力される回答と、味覚の種類と、味覚値とを含む。本実施形態では、個々の飲食物は料理もしくは食材の名前(これは、一般名称でもよいし、より上位概念の言葉で表現されてもよい。)、あるいは商品名で定義されるとする。回答は、「はい(好き)」または「いいえ(嫌い)」などのような、飲食物の好みに関する選択肢で定義されるとする。味覚の種類は酸味、甘味、渋味、味の濃さであるとする。味覚値は特定の数値、または数値範囲で示されるものとする。しかし、味覚値情報のこれらのデータ項目を定義または表現する方法は上記のものに限定されない。味覚値情報の例を
図3に示す。この例における「オレンジジュース」のように、一つの飲食物に対して複数の味覚値が対応してもよい。
【0022】
ワイン−味覚データベース32は、個々のワインタイプに対応する味覚値を示すワイン−味覚情報を記憶する装置である。ワイン−味覚情報の各レコードはワインタイプと個々の味覚についての味覚値の範囲とを含む。言い換えると、ワインタイプは複数種類の味覚値の集合と対応する。ワイン−味覚情報の例を
図4に示す。あるワインタイプに対して一部の味覚値が規定されなくてもよく、例えば
図4ではワインタイプW1〜W5に渋味の値が設定されていない。
【0023】
ワイン−料理データベース33は、個々のワインタイプに対応する料理を示すワイン−料理情報を記憶する装置である。ワイン−料理情報の各レコードはワインタイプと料理とを含む。本明細書における「料理」は、出来上がった食べ物、原材料(食材または調味料)、および調理法を含む概念である。一つのワインタイプには、料理を示す一種類以上の値(例えば「魚」、「オリーブオイル」、「トマト」、「焼く」など)が設定され得る。
図5はワイン−料理情報の例を示す。
【0024】
ワイン−キーワードデータベース34は、個々のワインタイプに対応するキーワードを示すワイン−キーワード情報を記憶する装置である。ワイン−キーワード情報の各レコードはワインタイプと、ワインに関する1以上のキーワードとを組む。一つのキーワードは一つのワインタイプにのみ対応する。
図6はワイン−キーワード情報の例を示す。
【0025】
ワイン分類データベース35は、各店舗の個々のワインタイプに対応するワインを示すワイン分類情報を記憶する装置である。ワイン分類情報の各レコードは、店舗を一意に特定する識別子である店舗IDと、ワインタイプと、そのワインタイプに対応する1以上のワイン名とを含む。
図7の例では、それぞれのワインタイプに2種類のワインが関連付けられている。当然ながら、各店舗で陳列されるワインの種類は任意に定めてよい。例えば、一部のワインがすべての店舗で販売される場合もあれば、あるワインが一部の店舗でのみ販売されることもあり得る。
【0026】
ワインデータベース36は、個々のワインについての詳細なワイン情報を記憶する装置である。ワイン情報はワイン名にワインの詳細情報が関連付けられた情報であり、本実施形態では、
図8に示すようにその詳細情報が産地、特長、および商品画像を含むとする。
【0027】
コメントデータベース37は、店舗でのワインタイプに属するワインに対する消費者のコメントを示すコメント情報を記憶する装置である。コメント情報の各レコードは、ユーザの名前(例えばハンドルメール)と、コメント対象のワインと、そのワインに対するユーザのコメントと、そのユーザの好みのワインタイプ(
図8では「好み」と表記)とを含む。コメント情報は、所定のウェブサイトまたはソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を介してコメントデータベース37に登録される。
図9におけるユーザAのコメント情報のように、「好み」のデータ項目に値が設定されなくてもよい。
【0028】
データベース群30内の各データベースおよび各レコードの構成は上記のものに限定されず、各データベースに対して任意の正規化または冗長化を行ってよい。例えば、個々の飲食物(摂取物)の好みとワインタイプとが味覚値を介して関連付けられるのであれば味覚値情報およびワイン−味覚情報の構成は限定されず、例えば、これら2種類の情報が何らかの形で1レコードに統合されてもよい。また、コメント情報の各レコードが、ワイン名に対応するワインタイプをデータ項目として含んでもよい。
【0029】
サーバ20は、ユーザの好みに合うと推定されるワインタイプを示す検索結果を端末10に提供する情報処理装置である。サーバ20は1台のコンピュータで構成されてもよいし、複数台のコンピュータで構成されてもよい。複数台のコンピュータを用いる場合には、これらのコンピュータがインターネットやイントラネットなどの通信ネットワークを介して接続されることで、論理的に一つのサーバ20が構築される。
【0030】
サーバ20として機能するコンピュータ100の一般的なハードウェア構成を
図10に示す。コンピュータ100は、オペレーティングシステムやアプリケーション・プログラムなどを実行するプロセッサ(例えばCPU)101と、ROMおよびRAMで構成される主記憶部102と、ハードディスクやフラッシュメモリなどで構成される補助記憶部103と、ネットワークカードまたは無線通信モジュールで構成される通信制御部104と、キーボードやマウスなどの入力装置105と、モニタなどの出力装置106とを備える。
【0031】
サーバ20の各機能要素は、プロセッサ101または主記憶部102の上に所定のソフトウェア(例えば、後述する情報処理プログラムP1)を読み込ませてそのソフトウェアを実行させることで実現される。プロセッサ101はそのソフトウェアに従って、通信制御部104、入力装置105、または出力装置106を動作させ、主記憶部102または補助記憶部103におけるデータの読み出し及び書き込みを行う。処理に必要なデータまたはデータベースは主記憶部102または補助記憶部103内に格納される。
【0032】
図11に示すように、サーバ20は機能的構成要素として受信部21、検索部22、および送信部23を備える。
【0033】
受信部21は、摂取物に関する情報を含む検索条件を受け付ける機能要素(受付部)である。「検索条件を受け付ける」とは、入力または送信された検索条件を取得する処理であり、例えば、通信ネットワークを介した受信と入力インタフェース(例えばタッチパネル)からのデータの取得とを含む概念である。本実施形態では、受信部21は端末10から送信された検索条件を受信する。検索条件は、ユーザが端末10で入力したデータであり、より具体的には、その端末10に表示された1以上の質問に対してユーザが入力した回答を示すデータである。
【0034】
本実施形態では、端末10は三つの検索モードをユーザに対して提供することが可能である。ユーザは端末10を操作して、その三つの検索モードから一つを選択し、選択した検索モードに対応する1以上の質問に回答し、その回答を検索条件としてサーバ20に送信する。三つの検索モードとは、「食べ物の好みからの検索」、「料理からの検索」、および「キーワード検索」である。検索条件は選択された検索モード、および端末10が置かれた店舗を示す店舗IDも含む。
【0035】
「食べ物の好みからの検索」とは、いくつかの食べ物または飲み物の好き嫌いをユーザに回答させ、その回答に基づいて一つのワインタイプを特定する処理である。この検索はユーザの食べ物の好みからワインタイプを推定する処理であるといえる。この検索モードでは、例えば「チョコレートは好き?」、「酢の物は好き?」、「カレーは好き?」などのような質問が順次表示され、ユーザはこれらの質問に「はい」または「いいえ」という答えを入力する。この検索モードで示される飲食物は、味覚値データベース31内の味覚値情報で示される飲食物と対応する。この検索モードで設定される質問の内容および個数は、想定される任意の回答に対して一つのワインタイプを特定することができるように設定される。
【0036】
「料理からの検索」とは、ユーザが思う料理(例えば、この後に食べる料理)をユーザに回答させ、その回答に基づいて一つのワインタイプを特定する処理である。この検索は料理に合いそうなワインタイプを推定する処理であるといえる。この検索モードでは、例えば「メインディッシュは肉? 魚?」、「焼く?生?煮物?揚げ物?」「使うのはオリーブオイル? バター? サラダ油?」、「味付けは醤油? トマト? 酢?」などのような質問が順次表示され、ユーザはこれらの質問に回答する。この検索モードにおける各質問の選択肢は、ワイン−料理データベース33内のワイン−料理情報で示される料理と対応する。この検索モードで設定される質問の内容および個数も、想定される任意の回答に対して一つのワインタイプを特定することができるように設定される。
【0037】
「キーワード検索」とは、ワインに関する複数のキーワードをユーザにて提示し、その中からユーザが選択したキーワードに対応する一つのワインタイプを特定する処理である。この検索はキーワードからワインタイプを推定する処理であるといえる。この検索モードでは、ワイン−キーワードデータベース34内のワイン−キーワード情報で示されるキーワードの少なくとも一部が選択肢として表示され、ユーザはこの中から一つのキーワードを選択する。例えば、端末は、「今までに飲んだ中で美味しかったワインは次の中にある?」という質問文とともに、各ワインタイプに対応するキーワード(例えば「ソーテルヌ」、「シャブリ」、「ボージョレ・ヌーボー」、「ブルゴーニュの赤ワイン」など)を表示する。ワイン−キーワード情報で示される一つのキーワードは一つのワインタイプにのみ対応するので、ユーザの回答に対して一つのワインタイプを特定することができる。
【0038】
上記の三つの検索モードはいずれも、摂取物に関する情報を検索条件として用いる。「摂取物」とは、人が口から体内に取り入れる物である。食べ物または飲み物の好き嫌いを示す情報、料理に関する情報、およびワインに関する複数のキーワードはいずれも、摂取物に関する情報の一態様である。
【0039】
受信部21は、選択された検索モード、その検索モードに対する回答、および店舗IDを含む検索条件を受信し、その検索条件を検索部22に出力する。
【0040】
検索部22は、データベース群30を参照して、入力された検索条件に対応するワインタイプを特定する機能要素である。この処理は検索モードにより異なる。
【0041】
検索モードが「食べ物の好みからの検索」である場合には、検索部22は味覚値データベース31を参照して、検索条件に対応する味覚値の集合を特定する。続いて、検索部22はワイン−味覚データベース32を参照して、その味覚値の集合に対応するワインタイプを特定する。この検索モードでは、ワインタイプと摂取物との対応関係は味覚値データベース31およびワイン−味覚データベース32で表され、検索部22はこれらのデータベースを参照して検索条件に対応するワインタイプを特定する。例えば、
図3に示す味覚値情報および
図4に示すワイン−味覚情報を前提とする。さらに、「チョコレートは好き?」という質問に対する回答が「はい」であり、「酢の物は好き?」という質問に対する回答が「いいえ」であり、「カレーは好き?」という質問に対する回答が「はい」であったとする。この場合には、検索部22は甘味の味覚値が「9」であり、酸味の味覚値が「0」であり、味の濃さの味覚値が「9」であると特定する。そして、検索部22はこれらの味覚値の集合に対応するワインタイプが「W1」であると特定する。
【0042】
検索モードが「料理からの検索」である場合には、検索部22はワイン−料理データベース33を参照して、検索条件に対応するワインタイプ(検索条件で示される回答をすべて含むワインタイプ)を特定する。この検索モードでは、ワインタイプと摂取物との対応関係はワイン−料理データベース33で表され、検索部22はこのデータベースを参照して検索条件に対応するワインタイプを特定する。例えば、
図5に示すワイン−料理情報を前提とし、検索条件が「魚」、「揚げ物」、「サラダ油」という回答を示す場合には、検索部22はワインタイプが「W5」であると特定する。
【0043】
検索モードが「キーワード検索」である場合には、検索部22はワイン−キーワードデータベース34を参照して、検索条件、すなわちキーワードに対応するワインタイプを特定する。例えば、
図6に示すワイン−キーワード情報を前提とし、検索条件が「ボージョレ・ヌーボー」という回答を示す場合には、検索部22はワインタイプが「R1」であると特定する。
【0044】
ワインタイプを特定すると、検索部22はワイン分類データベース35を参照して、そのワインタイプと検索条件で示される店舗IDとに対応するワインを特定する。
図7に示すワイン分類情報を前提として、もし店舗IDが「002」であり特定されたワインタイプが「R5」であれば、検索部22はワインRsおよびワインRtを特定する。ワインを特定すると、検索部22は特定した各ワインの詳細情報をワインデータベース36から読み出す。また、検索部22は特定した各ワインに対応するコメント情報(特定したワインがコメント対象として登録されているコメント情報)をコメントデータベース37から読み出す。
【0045】
続いて、検索部22は上記の一連の処理で得た情報を用いて検索結果を生成する。本実施形態では、この検索結果は、特定したワインタイプと、そのワインタイプに対応するワインの名前、詳細情報、およびコメントとを含む。検索部22はその検索結果を送信部23に出力する。
【0046】
送信部23は、検索部22から入力された検索結果を出力する機能要素(出力部)である。「検索結果を出力する」とは、検索結果を出力インタフェースや他の情報処理装置などに送り出す処理であり、例えば、通信ネットワークを用いた送信とタッチパネル上への表示とを含む概念である。本実施形態では、送信部23はその検索結果を、検索条件の送信元である端末10に送信する。端末10はその検索結果を受信して画面上に表示する。なお、検索結果を表示する画面のレイアウトは何ら限定されるものではなく、操作および閲覧の容易さなどを考慮して設計すればよい。
【0047】
次に、
図12を参照しながら、情報処理システム1(サーバ20)の動作を説明するとともに本実施形態に係る情報処理方法について説明する。
【0048】
まず、受信部21が検索条件を端末10から受信する(ステップS11、受付ステップ)。
【0049】
続いて、検索部22がその検索条件で示される検索モードに応じてワインタイプを特定する(ステップS12)。検索モードが「食べ物の好みからの検索」である場合には、検索部22は味覚値データベース31を参照して、飲食物についての回答に対応する味覚値の集合を特定する(ステップS13)。そして、検索部22はワイン−味覚データベース32を参照して、その味覚値の集合に対応するワインタイプを特定する(ステップS14)。検索モードが「料理からの検索」である場合には、検索部22はワイン−料理データベース33を参照して、料理についての回答に対応するワインタイプを特定する(ステップS15)。検索モードが「キーワード検索」である場合には、検索部22はワイン−キーワードデータベース34を参照して、キーワードに対応するワインタイプを特定する(ステップS16)。これら三種類の検索処理はいずれも検索ステップに相当する。
【0050】
検索条件に対応するワインタイプを特定すると、検索部22はワイン分類データベース35を参照して、店舗および特定したワインタイプに対応するワインを特定する(ステップS17)。そして、検索部22は特定した各ワインについての詳細情報およびコメントをワインデータベース36およびコメントデータベース37から読み出す(ステップS18)。そして、検索部22はこれらの情報を用いて検索結果を生成する(ステップS19)。
【0051】
最後に、送信部23がその検索結果を端末10に送信する(ステップS20、出力ステップ)。端末10はその検索結果を受信および表示し、これにより、これにより、端末10を操作しているユーザは、情報処理システム1が推薦するワインタイプと、そのワインタイプに属するワインと、個々のワインに関する詳細情報およびコメントとを確認することができる。
【0052】
次に、
図13を参照しながら、コンピュータをサーバ20として機能させるための情報処理プログラムP1を説明する。
【0053】
情報処理プログラムP1はメインモジュールP10、受信モジュールP11、検索モジュールP12、および送信モジュールP13を含む。メインモジュールP10は、ワインタイプの推薦を統括的に実行する部分である。受信モジュールP11、検索モジュールP12、および送信モジュールP13を実行することにより実現される機能はそれぞれ、上記の受信部21、検索部22、および送信部23の機能と同様である。
【0054】
情報処理プログラムP1は、例えば、CD−ROMやDVD−ROM、半導体メモリなどの有形の記録媒体に固定的に記録された上で提供されてもよい。あるいは、情報処理プログラムP1は、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0055】
以上説明したように、本発明の一側面に係る情報処理システムは、摂取物に関する情報を含む検索条件を受け付ける受付部と、店舗に存在する複数種類のワインの分類を示すワインタイプと摂取物との対応関係を記憶するデータベースを参照して、検索条件に対応するワインタイプを特定する検索部と、検索部により特定されたワインタイプを含む検索結果を出力する出力部とを備える。
【0056】
本発明の一側面に係る情報処理方法は、プロセッサを備える情報処理システムにより実行される情報処理方法であって、摂取物に関する情報を含む検索条件を受け付ける受付ステップと、店舗に存在する複数種類のワインの分類を示すワインタイプと摂取物との対応関係を記憶するデータベースを参照して、検索条件に対応するワインタイプを特定する検索ステップと、検索ステップにおいて特定されたワインタイプを含む検索結果を出力する出力ステップとを含む。
【0057】
本発明の一側面に係る情報処理プログラムは、摂取物に関する情報を含む検索条件を受け付ける受付ステップと、店舗に存在する複数種類のワインの分類を示すワインタイプと摂取物との対応関係を記憶するデータベースを参照して、検索条件に対応するワインタイプを特定する検索ステップと、検索ステップにおいて特定されたワインタイプを含む検索結果を出力する出力ステップとをコンピュータに実行させる。
【0058】
このような側面においては、検索条件(摂取物)に対応するワインタイプが検索結果として出力される。このワインタイプは複数種類のワインの分類、すなわちワインのグループであるから、個々のワインをその検索条件と照合する場合と比べて照合の対象が少なく、したがって、検索結果をより早く得ることができる。加えて、ワインタイプは店舗でのワインの分類を示すから、潜在的消費者は店舗内でそのワインタイプを直ぐに特定することができる。以上の理由により、潜在的消費者は自分の好みに合いそうなワインをその店舗内で早く見つけることができる。
【0059】
他の側面に係る情報処理システムでは、摂取物に関する情報が摂取物の好みに関する情報であり、データベースが、摂取物に対応する味覚値を示す味覚値情報と、ワインタイプと味覚値との対応を示すワイン−味覚情報とを記憶し、検索部が、データベースを参照して、検索条件で示される摂取物の好みに対応する味覚値を特定し、該味覚値に対応するワインタイプを特定してもよい。摂取物の好みとワインタイプとを味覚値を介して対応付けることで、飲食物の好みとワインタイプとの詳細な対応関係を定義することができ、その結果、潜在的消費者の好みに合うと思われるワインタイプをより正確に提示することができる。
【0060】
他の側面に係る情報処理システムでは、検索条件が、第1検索モード、第2検索モード、および第3検索モードから選択された一つの検索モードを更に含み、データベースが、ワインタイプと料理との対応を示すワイン−料理情報と、ワインタイプとワインに関するキーワードとの対応を示すワイン−キーワード情報とをさらに記憶し、第1検索モードが選択された場合には、摂取物に関する情報が摂取物の好みに関する情報であり、検索部が、データベースを参照して、検索条件で示される摂取物の好みに対応する味覚値を特定し、該味覚値に対応するワインタイプを特定し、第2検索モードが選択された場合には、摂取物に関する情報が料理に関する情報であり、検索部が、データベースを参照して、検索条件で示される料理に対応するワインタイプを特定し、第3検索モードが選択された場合には、摂取物に関する情報がキーワードであり、検索部が、データベースを参照して、検索条件で示されるキーワードに対応するワインタイプを特定してもよい。このような三種類の検索モードを用意することで、潜在的購入者は自分に合った検索方法を選ぶことができる。
【0061】
他の側面に係る情報処理システムでは、データベースが、ワインタイプに属するワインに対する消費者のコメントを示すコメント情報をさらに記憶し、検索部が、特定したワインタイプに対応するコメントをデータベースから読み出し、出力部が、検索部により読み出されたコメントをさらに含む検索結果を出力してもよい。この場合には、潜在的購入者は消費者のコメントをさらに参考にして店内でワインを選ぶことができる。概してワインの専門家のコメントよりも率直でかつ分かりやすい消費者のコメントを提示することで、潜在的消費者はワインをより簡単に選ぶことができる。
【0062】
他の側面に係る情報処理システムでは、ワインタイプが、味わいに関する一つの基準軸に沿って設定されてもよい。一つの基準でワインを分類することでワインを選ぶための判断材料が簡潔になるので、潜在的購入者にとっては店内のワイン選びがやりやすくなると期待できる。
【0063】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0064】
サーバは上記実施形態で説明した検索条件に加えて他の条件(追加の条件)を用いてワインタイプを特定してもよい。追加の条件は限定されない。例えば、追加の条件は、端末で検索条件を入力したユーザ(潜在的購入者)の感情を示す情報、音楽を示す情報、および気象情報のうちの少なくとも一つであってもよい。ユーザの感情を示す情報とは、例えば、「気分が良い」、「あまり元気がない」などを示す情報である。音楽を示す情報とは、例えば店舗で流れている音楽またはユーザが好きな音楽を示す情報である。気象情報とは、ユーザが指定した地域または店舗が存在する地域の気象を示す情報である。サーバは追加の条件を端末から受信してもよいし、他の情報処理装置(例えば気象情報を提供するコンピュータ・システム)から受信してもよい。
【0065】
追加の条件を考慮する検索のために、味覚値情報、ワイン−味覚情報、ワイン−料理情報、およびキーワード情報のうちの少なくとも一つが、追加の情報に対応するデータ項目(例えば、ユーザの感情、音楽、または気象)を更に含んでもよい。この場合には、検索部は検索条件および追加の条件に対応する情報をデータベースから読み出すことでワインタイプを特定する。
【0066】
あるいは、検索部が、上記実施形態と同じ手法でワインタイプを特定した後に、追加の条件に関する所定のルールに基づいてそのワインタイプを変更(調整)してもよい。例えば、検索部は特定したワインタイプを気象情報に基づいて1段階変えてもよい。上記実施形態におけるワインタイプの例を用いていうと、検索部は特定したワインタイプ「W1」をそのルールに基づいて「W2」に変更したり、特定したワインタイプ「R3」をそのルールに基づいて「R2」に変更したりしてもよい。
【0067】
すなわち、他の側面に係る情報処理システムでは、受付部が、検索条件を入力したユーザの感情、音楽、または気象のうちの少なくとも一つを示す追加の条件をさらに受け付け、検索部が、検索条件および追加の条件に対応するワインタイプを特定してもよい。このように追加の条件を考慮することで、潜在的消費者の好みに合うと思われるワインタイプをより正確に提示することが期待できる。
【0068】
上記実施形態ではサーバ20が三つの検索モードを受け付けたが、サーバはそれらの検索モードから任意に選択される一つまたは二つの検索モードのみを受け付けてもよい。
【0069】
サーバが受け付ける検索条件において、白ワインか赤ワインのどちらか一方が指定されていてもよい。これに応じて、データベース内の各情報が、白ワインと赤ワインのどちらか一方を示すデータ項目を含んでもよい。
【0070】
上記実施形態では、ワインの大分類として白ワインおよび赤ワインを例示したが、ワインの大分類はこれらに限定されない。例えば、白ワインおよび赤ワインに加えてスパークリングワインやロゼワインなどの他の種類のワインを提供する店舗にも本発明を適用し得る。当然ながら、スパークリングワインおよびロゼワインのそれぞれについてもワインタイプ(基準軸)の決定方法は任意である。あるいは、一つのワイン大分類のみを取り扱う店舗(例えば、白ワインのみを取り扱う店舗、赤ワインのみを取り扱う店舗など)にも本発明を適用することができる。このように、本発明は、店舗が取り扱うワイン大分類の種類および個数にかかわらず適用することができる。
【0071】
上記実施形態では検索結果がワインタイプ、そのワインタイプに属するワイン、および各ワインのコメントを含むが、検索結果の内容はこれに限定されない。例えば、検索結果はワインタイプのみを示してもよいし、検索結果がワインの詳細情報およびコメントのどちらか一方を含まなくてもよい。検索結果の構成によっては、ワイン分類データベース35、ワインデータベース36、およびコメントデータベース37のうちの少なくとも一つが省略されてもよい。
【0072】
上述したように、本発明は仮想店舗に対しても適用できる。この場合には、端末はユーザが所有または使用する任意の種類のコンピュータであってよい。そのユーザ端末は、例えばタブレット端末、高機能携帯電話機(スマートフォン)、携帯電話機、および携帯情報端末(PDA)などの携帯端末でもよいし、据置型または携帯型のパーソナルコンピュータでもよい。
【0073】
上記実施形態では情報処理システム1がデータベース群30を備えたが、データベースの設置箇所は限定されない。例えば、データベース群30またはその中のデータベースの少なくとも一つが、情報処理システム1とは別のコンピュータ・システムの中に存在してもよい。
【0074】
上記実施形態では情報処理システム1が端末10、サーバ20、およびデータベース群30を備える、いわゆるクライアント−サーバ型であったが、情報処理システムの構成はこれに限定されない。例えば、店舗に設けられた端末が端末10、サーバ20、およびデータベース群30の機能をすべて備えてもよい。すなわち、情報処理システムが1台の端末のみで実現されてもよい。あるいは、店舗に設けられた端末が端末10およびサーバ20の双方の機能を備え、通信ネットワークを介してデータベース群30にアクセスすることで検索結果を生成および出力してもよい。